JP3390206B2 - フッ素含有高分子薄膜の製造方法および製造装置 - Google Patents
フッ素含有高分子薄膜の製造方法および製造装置Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はフッ素含有高分子薄膜の
製造方法および製造装置に関し、さらに詳細には、少な
くとも一種のフッ素置換オレフィンガスを原料とし、レ
ーザー光を照射することによってフッ素含有高分子薄膜
を製造する方法および製造装置に関する。
製造方法および製造装置に関し、さらに詳細には、少な
くとも一種のフッ素置換オレフィンガスを原料とし、レ
ーザー光を照射することによってフッ素含有高分子薄膜
を製造する方法および製造装置に関する。
【従来技術】フッ素含有高分子は種々の優れた特性を有
するため、化学、電気、半導体、医療、生物、建材、宇
宙、航空機、原子力等の広い分野に渡って、重要な材料
として使用されている。例えば、四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)は、優れた耐熱性、耐薬品性、電気特性
(特に高周波特性)、非粘着性、自己潤滑性等を有する
ため、モールディングパウダーやファインパウダーとし
て使用され、また、ディスパージョン、エナメル、充填
剤強化にも用いられている。また、(FEP)は、上記
のPTFEの特性に加え、熱溶融成形が可能なので、電
線被覆、フィルム、ライニング等の用途がある。
するため、化学、電気、半導体、医療、生物、建材、宇
宙、航空機、原子力等の広い分野に渡って、重要な材料
として使用されている。例えば、四フッ化エチレン樹脂
(PTFE)は、優れた耐熱性、耐薬品性、電気特性
(特に高周波特性)、非粘着性、自己潤滑性等を有する
ため、モールディングパウダーやファインパウダーとし
て使用され、また、ディスパージョン、エナメル、充填
剤強化にも用いられている。また、(FEP)は、上記
のPTFEの特性に加え、熱溶融成形が可能なので、電
線被覆、フィルム、ライニング等の用途がある。
【0002】従来、フッ素含有高分子は溶液重合や溶融
重合等の方法で製造されていたが、これらの製造方法は
反応温度や反応時間の制御が困難であること、フッ素含
有高分子の製造に長時間かかること、フッ素含有高分子
の精製が困難で長時間かかること、不純物の混入が避け
られないこと、等の欠点があった。また、上記のような
方法で製造したフッ素含有高分子を使用して薄膜を形成
するためには、デップ法、スピンコーティング法やキャ
スト法等の塗布法、、蒸着法、スパッタリング法、等が
採られていた。しかし、塗布法には、薄膜の面制御や厚
さの制御が困難であること、フッ素含有高分子を溶媒に
溶解した溶液を使用するために薄膜形成後にも溶媒が残
留したり、不純物が混入すること、乾燥工程を必要とす
るために薄膜形成に長時間かかること、溶媒として使用
するフレオン類が環境汚染物質であること、等の欠点が
あった。また、蒸着法やスパッタリング法には、使用で
きるフッ素高分子の種類が限定されること、フッ素高分
子の加熱による分解が生じやすいこと、薄膜の生成効率
が低いこと、形成された薄膜の付着性が弱いこと、膜厚
の制御が難しいこと、等の欠点があった。ところで、従
来、磁気記録媒体の製造においては、磁性膜または非晶
質炭素膜上に塗布法により、フッ素含有高分子の薄膜を
形成していたが、この方法により形成されたフッ素含有
高分子薄膜には、膜厚制御の困難さ、不純物の混入、溶
媒の残留、基板との付着性が十分でないこと等の欠点が
あった。
重合等の方法で製造されていたが、これらの製造方法は
反応温度や反応時間の制御が困難であること、フッ素含
有高分子の製造に長時間かかること、フッ素含有高分子
の精製が困難で長時間かかること、不純物の混入が避け
られないこと、等の欠点があった。また、上記のような
方法で製造したフッ素含有高分子を使用して薄膜を形成
するためには、デップ法、スピンコーティング法やキャ
スト法等の塗布法、、蒸着法、スパッタリング法、等が
採られていた。しかし、塗布法には、薄膜の面制御や厚
さの制御が困難であること、フッ素含有高分子を溶媒に
溶解した溶液を使用するために薄膜形成後にも溶媒が残
留したり、不純物が混入すること、乾燥工程を必要とす
るために薄膜形成に長時間かかること、溶媒として使用
するフレオン類が環境汚染物質であること、等の欠点が
あった。また、蒸着法やスパッタリング法には、使用で
きるフッ素高分子の種類が限定されること、フッ素高分
子の加熱による分解が生じやすいこと、薄膜の生成効率
が低いこと、形成された薄膜の付着性が弱いこと、膜厚
の制御が難しいこと、等の欠点があった。ところで、従
来、磁気記録媒体の製造においては、磁性膜または非晶
質炭素膜上に塗布法により、フッ素含有高分子の薄膜を
形成していたが、この方法により形成されたフッ素含有
高分子薄膜には、膜厚制御の困難さ、不純物の混入、溶
媒の残留、基板との付着性が十分でないこと等の欠点が
あった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の第1
の目的は、反応温度や反応時間の制御が容易で、短時間
にフッ素含有高分子薄膜を製造することのできる方法を
提供することである。本発明の第2の目的は、物体の表
面に、均一で強固に付着した、高純度でかつ高性能のフ
ッ素含有高分子薄膜を、高収率かつ高効率で形成するこ
とのできる方法を提供することである。本発明の第3の
目的は、物体の表面に、均一で強固に付着した、高純度
でかつ高性能のフッ素含有高分子薄膜を、高収率かつ高
効率で形成することのできる装置を提供することであ
る。
の目的は、反応温度や反応時間の制御が容易で、短時間
にフッ素含有高分子薄膜を製造することのできる方法を
提供することである。本発明の第2の目的は、物体の表
面に、均一で強固に付着した、高純度でかつ高性能のフ
ッ素含有高分子薄膜を、高収率かつ高効率で形成するこ
とのできる方法を提供することである。本発明の第3の
目的は、物体の表面に、均一で強固に付着した、高純度
でかつ高性能のフッ素含有高分子薄膜を、高収率かつ高
効率で形成することのできる装置を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意努力した結果、少なくとも一種の
フッ素置換オレフィンガス、または少なくとも一種のフ
ッ素置換オレフィンガスと少なくとも一種のオレフィン
ガスとを原料とし、レーザー光を照射することによっ
て、フッ素含有高分子薄膜を製造する方法を見出し、本
発明を完成させるに至った。即ち、本件第1発明は、照
射反応容器内に物体を設置し、前記照射反応容器内を所
定の圧力以下に減圧した後、少なくとも一種のフッ素置
換オレフィンガス、または少なくとも一種のフッ素置換
オレフィンガスと少なくとも一種のオレフィンガスとを
導入し、さらに、必要に応じてラジカル重合開始剤およ
び/または光増感剤を導入し、レーザー光を照射するこ
とによって前記物体上にフッ素含有高分子薄膜を形成す
ることを特徴とするフッ素含有高分子薄膜の製造方法を
提供するものである。また、本件第2発明は、照射反応
容器、ガス導入手段、ガス排出手段、および光源を含む
フッ素含有高分子薄膜の製造装置を提供するものであ
る。
を解決するために鋭意努力した結果、少なくとも一種の
フッ素置換オレフィンガス、または少なくとも一種のフ
ッ素置換オレフィンガスと少なくとも一種のオレフィン
ガスとを原料とし、レーザー光を照射することによっ
て、フッ素含有高分子薄膜を製造する方法を見出し、本
発明を完成させるに至った。即ち、本件第1発明は、照
射反応容器内に物体を設置し、前記照射反応容器内を所
定の圧力以下に減圧した後、少なくとも一種のフッ素置
換オレフィンガス、または少なくとも一種のフッ素置換
オレフィンガスと少なくとも一種のオレフィンガスとを
導入し、さらに、必要に応じてラジカル重合開始剤およ
び/または光増感剤を導入し、レーザー光を照射するこ
とによって前記物体上にフッ素含有高分子薄膜を形成す
ることを特徴とするフッ素含有高分子薄膜の製造方法を
提供するものである。また、本件第2発明は、照射反応
容器、ガス導入手段、ガス排出手段、および光源を含む
フッ素含有高分子薄膜の製造装置を提供するものであ
る。
【0005】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
フッ素含有高分子薄膜の製造方法は、紫外光や可視光に
より誘起される分子の電子励起を経た分解、赤外光によ
り誘起される赤外多光子分解、熱分解、誘電破壊、又は
これらの組合せを利用するものである。本発明の方法に
おける反応条件は、上記のいずれの反応を利用するもの
であるかによって異なる場合がある。本発明において、
フッ素含有高分子とは、高分子測鎖に1つ以上のフッ素
原子を含む高分子である。また、本発明において、薄膜
とは膜厚が1nm〜100 μm の膜をいうものとする。本発
明の方法においては、所定の圧力以下に減圧した照射反
応容器内に物体を設置し、原料ガスを導入する。照射反
応容器は、10-2Torr以下、好ましくは10-4Torr以下の圧
力まで減圧される。圧力が10-2Torrより高いと空気中の
酸素が、レーザー反応や基板に影響を及ぼすという問題
が生じる。本発明において使用できる物体としては、プ
ラスチック、ガラス、セラミックス、金属、半導体、有
機物、NaCl、KBr 、Ni−Pメッキアルミニウム、炭素膜
等の無機物など任意の材質のもので、表面が平面の基
板、球、棒、筒、管、凹凸状等の任意の形状のものを挙
げることができる。具体的には、磁気ディスク、光ディ
スクなどのディスクや磁気テープ等の記録媒体部材、ベ
アリング、歯車、ねじ穴、ボルト、ナット等を挙げるこ
とができる。上記物体は、洗浄、脱脂、乾燥、揮発物の
除去等の処理を行なっておくことが好ましい。
フッ素含有高分子薄膜の製造方法は、紫外光や可視光に
より誘起される分子の電子励起を経た分解、赤外光によ
り誘起される赤外多光子分解、熱分解、誘電破壊、又は
これらの組合せを利用するものである。本発明の方法に
おける反応条件は、上記のいずれの反応を利用するもの
であるかによって異なる場合がある。本発明において、
フッ素含有高分子とは、高分子測鎖に1つ以上のフッ素
原子を含む高分子である。また、本発明において、薄膜
とは膜厚が1nm〜100 μm の膜をいうものとする。本発
明の方法においては、所定の圧力以下に減圧した照射反
応容器内に物体を設置し、原料ガスを導入する。照射反
応容器は、10-2Torr以下、好ましくは10-4Torr以下の圧
力まで減圧される。圧力が10-2Torrより高いと空気中の
酸素が、レーザー反応や基板に影響を及ぼすという問題
が生じる。本発明において使用できる物体としては、プ
ラスチック、ガラス、セラミックス、金属、半導体、有
機物、NaCl、KBr 、Ni−Pメッキアルミニウム、炭素膜
等の無機物など任意の材質のもので、表面が平面の基
板、球、棒、筒、管、凹凸状等の任意の形状のものを挙
げることができる。具体的には、磁気ディスク、光ディ
スクなどのディスクや磁気テープ等の記録媒体部材、ベ
アリング、歯車、ねじ穴、ボルト、ナット等を挙げるこ
とができる。上記物体は、洗浄、脱脂、乾燥、揮発物の
除去等の処理を行なっておくことが好ましい。
【0006】また、反応に先立って、物体は-100℃〜室
温にしておくことが好ましい。これにより、気相中で生
成したフッ素含有高分子を物体上に強固に吸着させるこ
とができ、さらに、物体表面に原料であるモノマー分子
が吸着し、レーザー光照射により生成したラジカルが物
体表面に到達して、前記の吸着モノマー分子の重合反応
の開始剤として作用し、より強固に物体の表面に吸着し
たフッ素含有高分子薄膜を形成することができるという
利点が生じる。また基板の冷却温度が-100℃より低い
と、原料ガスが物体上に吸着して凝結あるいは固化し、
気相中の光反応が進行することなく、物体表面上の液体
あるいは固体原料の熱反応が進行して所望のフッ素含有
高分子が得られないという問題が生じ、基板の冷却温度
が30℃より高いと、生成したフッ素含有高分子が物体表
面に吸着しにくいという問題が生じる。上記の温度範囲
のうち、-50 〜-10 ℃が特に好ましい。
温にしておくことが好ましい。これにより、気相中で生
成したフッ素含有高分子を物体上に強固に吸着させるこ
とができ、さらに、物体表面に原料であるモノマー分子
が吸着し、レーザー光照射により生成したラジカルが物
体表面に到達して、前記の吸着モノマー分子の重合反応
の開始剤として作用し、より強固に物体の表面に吸着し
たフッ素含有高分子薄膜を形成することができるという
利点が生じる。また基板の冷却温度が-100℃より低い
と、原料ガスが物体上に吸着して凝結あるいは固化し、
気相中の光反応が進行することなく、物体表面上の液体
あるいは固体原料の熱反応が進行して所望のフッ素含有
高分子が得られないという問題が生じ、基板の冷却温度
が30℃より高いと、生成したフッ素含有高分子が物体表
面に吸着しにくいという問題が生じる。上記の温度範囲
のうち、-50 〜-10 ℃が特に好ましい。
【0007】さらに、基板は、酸化、適当な化学結合の
形成、適当な原子または分子を物体表面上に分散、ある
いはコーティングすること等の化学修飾を行うことが好
ましい。上記の化学修飾により、少なくともフッ素含有
高分子の末端が物体表面に対してアンカー機能を持つよ
うになったり、フッ素含有高分子自体が化学修飾された
物体表面に吸着しやすくなったりして、フッ素含有高分
子の物体表面に対する付着性が向上するという利点が生
じる。化学修飾は具体的には、化学修飾ガスを物体に作
用させて行うドライプロセスと、物体を修飾液体または
修飾化合物を含む溶液に浸透させて行うウェットプロセ
スとが、ともに適用できる。それぞれのプロセスは、常
法に従って行うことができる。ドライプロセスの一例と
して、物体を酸素雰囲気下で数日間放置することによ
り、表面の酸化を行うことができる。さらにまた、物体
は、機械加工及び/又は表面加工により、表面処理され
てもよい。機械加工の例としては、物体表面に数十〜数
百ミクロン程度の小さなキズをつけることが挙げられ
る。表面加工の例としては、プラズマやレーザーなどに
よる表面処理、グレージング、アニーリング、合金化、
CVD、アブレーション、エッチングなどが挙げられ
る。上記の物体は、磁性膜または非晶質炭素膜を有する
ディスク基板であってもよい。たとえば、Ni−Pメッ
キアルミニウム基板上に、コバルト・クロム、コバルト
・ニッケルの磁性膜を設け、さらにその上に非晶質炭素
の保護膜を設けたディスク基板などが挙げられる。
形成、適当な原子または分子を物体表面上に分散、ある
いはコーティングすること等の化学修飾を行うことが好
ましい。上記の化学修飾により、少なくともフッ素含有
高分子の末端が物体表面に対してアンカー機能を持つよ
うになったり、フッ素含有高分子自体が化学修飾された
物体表面に吸着しやすくなったりして、フッ素含有高分
子の物体表面に対する付着性が向上するという利点が生
じる。化学修飾は具体的には、化学修飾ガスを物体に作
用させて行うドライプロセスと、物体を修飾液体または
修飾化合物を含む溶液に浸透させて行うウェットプロセ
スとが、ともに適用できる。それぞれのプロセスは、常
法に従って行うことができる。ドライプロセスの一例と
して、物体を酸素雰囲気下で数日間放置することによ
り、表面の酸化を行うことができる。さらにまた、物体
は、機械加工及び/又は表面加工により、表面処理され
てもよい。機械加工の例としては、物体表面に数十〜数
百ミクロン程度の小さなキズをつけることが挙げられ
る。表面加工の例としては、プラズマやレーザーなどに
よる表面処理、グレージング、アニーリング、合金化、
CVD、アブレーション、エッチングなどが挙げられ
る。上記の物体は、磁性膜または非晶質炭素膜を有する
ディスク基板であってもよい。たとえば、Ni−Pメッ
キアルミニウム基板上に、コバルト・クロム、コバルト
・ニッケルの磁性膜を設け、さらにその上に非晶質炭素
の保護膜を設けたディスク基板などが挙げられる。
【0008】本発明に使用することができるフッ素置換
オレフィンガスは、少なくとも1個のフッ素置換基を有
する炭素数2〜6のオレフィンガスを含む。また、フッ
素置換オレフィンガスは、塩素、水素等の置換基を有し
てもよい。具体的には、ペルフルオロエチレン、ペルフ
ルオロプロピレン、1−及び2−ペルフルオロブテン、
ペルフルオロアレン、ペルフルオロブタジエン等のペル
フルオロオレフィン、三フッ化塩化エチレン、二フッ化
塩化エチレン、フッ化三塩化エチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニル等のフッ素置換オレフィンガスを挙げ
ることができる。このうち、ペルフルオロエチレン、ペ
ルフルオロプロピレン、1−及び2−ペルフルオロブテ
ン、ペルフルオロアレン、ペルフルオロブタジエン、三
フッ化塩化エチレン、二フッ化塩化エチレン、フッ化三
塩化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、が好
ましい。上記ペルフルオロオレフィンガスは単独でも、
二種以上混合して用いてもよい。上記のフッ素置換オレ
フィンガスは、赤外多光子分解反応を行なうには1〜5
0Torr、熱分解反応を行なうには50〜1000Torr、
誘電破壊を行なうには10〜100Torr、紫外光または
可視光による分子の電子励起を経た分解反応を行うには
1〜1000Torrの圧力で、上記の減圧した照射反応容
器内に導入することが好ましい。これより圧力が高い
と、赤外多光子分解反応、熱分解反応、誘電破壊、およ
び、紫外光または可視光による分子の電子励起を経た分
解反応のそれぞれの反応が生じないという問題が生じ、
これより圧力が低いと、赤外多光子分解反応、熱分解反
応、誘電破壊、および、紫外光または可視光による分子
の電子励起を経た分解反応のそれぞれの反応が生じても
フッ素含有高分子が十分な収率、収量で生成しないとい
う問題が生じる。上記の圧力範囲のうち、赤外多光子分
解反応を行なうには10〜30Torr、熱分解反応を行な
うには200〜500Torr、誘電破壊を行なうには10
〜50Torr、紫外光または可視光による分子の電子励起
を経た分解反応を行うには10〜200Torrの範囲が特
に好ましい。
オレフィンガスは、少なくとも1個のフッ素置換基を有
する炭素数2〜6のオレフィンガスを含む。また、フッ
素置換オレフィンガスは、塩素、水素等の置換基を有し
てもよい。具体的には、ペルフルオロエチレン、ペルフ
ルオロプロピレン、1−及び2−ペルフルオロブテン、
ペルフルオロアレン、ペルフルオロブタジエン等のペル
フルオロオレフィン、三フッ化塩化エチレン、二フッ化
塩化エチレン、フッ化三塩化エチレン、フッ化ビニリデ
ン、フッ化ビニル等のフッ素置換オレフィンガスを挙げ
ることができる。このうち、ペルフルオロエチレン、ペ
ルフルオロプロピレン、1−及び2−ペルフルオロブテ
ン、ペルフルオロアレン、ペルフルオロブタジエン、三
フッ化塩化エチレン、二フッ化塩化エチレン、フッ化三
塩化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、が好
ましい。上記ペルフルオロオレフィンガスは単独でも、
二種以上混合して用いてもよい。上記のフッ素置換オレ
フィンガスは、赤外多光子分解反応を行なうには1〜5
0Torr、熱分解反応を行なうには50〜1000Torr、
誘電破壊を行なうには10〜100Torr、紫外光または
可視光による分子の電子励起を経た分解反応を行うには
1〜1000Torrの圧力で、上記の減圧した照射反応容
器内に導入することが好ましい。これより圧力が高い
と、赤外多光子分解反応、熱分解反応、誘電破壊、およ
び、紫外光または可視光による分子の電子励起を経た分
解反応のそれぞれの反応が生じないという問題が生じ、
これより圧力が低いと、赤外多光子分解反応、熱分解反
応、誘電破壊、および、紫外光または可視光による分子
の電子励起を経た分解反応のそれぞれの反応が生じても
フッ素含有高分子が十分な収率、収量で生成しないとい
う問題が生じる。上記の圧力範囲のうち、赤外多光子分
解反応を行なうには10〜30Torr、熱分解反応を行な
うには200〜500Torr、誘電破壊を行なうには10
〜50Torr、紫外光または可視光による分子の電子励起
を経た分解反応を行うには10〜200Torrの範囲が特
に好ましい。
【0009】また、本発明においては、少なくとも一種
の上記のフッ素置換オレフィンガスと少なくとも一種の
オレフィンガスとを原料として使用することができる。
本発明に使用することができるオレフィンガスは、炭素
原子数2〜6のオレフィンを含む。具体的には、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、ブテン、ペンテン、ヘキ
セン等を挙げることができる。このうち、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン、ブテンが好ましい。上記のオレ
フィンガスは単独でも、二種以上混合して用いてもよ
い。上記のオレフィンガスは、赤外多光子分解反応を行
なうには1〜50Torr、熱分解反応を行なうには50〜
1000Torr、誘電破壊を行なうには10〜100Tor
r、紫外光または可視光による分子の電子励起を経た分
解反応を行うには1〜1000Torrの圧力で、上記の減
圧した照射容器中に導入することが好ましい。これより
圧力が高いと、赤外多光子分解反応、熱分解反応、誘電
破壊、および、紫外光または可視光による分子の電子励
起を経た分解反応のそれぞれの反応が生じないという問
題が生じ、これより圧力が低いと、赤外多光子分解反
応、熱分解反応、誘電破壊、および、紫外光または可視
光による分子の電子励起を経た分解反応のそれぞれの反
応が生じてもフッ素含有高分子が十分な収率、収量で生
成しないという問題が生じる。上記の圧力範囲のうち、
赤外多光子分解反応を行なうには10〜30Torr、熱分
解反応を行なうには200〜500Torr、誘電破壊を行
なうには10〜50Torr、紫外光または可視光による分
子の電子励起を経た分解反応を行うには10〜200To
rrの範囲が特に好ましい。本発明において、上記のフッ
素置換オレフィンガスとオレフィンガスは100:1〜
1:2 のモル比で使用されることが好ましい。これよ
りオレフィンガスの比率が小さいと、オレフィンの性質
が高分子の性質に反映されないという問題が生じ、これ
よりオレフィンガスの比率が大きいと、フッ素含有高分
子薄膜のフッ素原子に起因する性質が消失するという問
題が生じる。上記のフッ素置換オレフィンガスとオレフ
ィンガスの比率のうち、10:1〜1:1が特に好まし
い。オレフィンガスは、フッ素置換オレフィンガスが照
射反応容器に導入される前後、あるいは同時に照射反応
容器に導入してよい。上記の原料は、回分法によって
も、あるいは連続法によっても、照射反応容器内に導入
することができ、回分法の場合にはバルブ操作により真
空系を通して一定量を照射反応容器に導入し、連続法の
場合は一定流量で照射反応容器中を流通させることがで
きる。例えばレーザーパルス照射をくり返し速度1Hzで
行う場合、原料ガス流量は0.1 〜10l/分が好まし
い。さらに、原料を分子線にして導入することもでき
る。あるいは、真空セル中に原料をノズルから噴き出す
ことにより、超音速ビームとして導入することもでき
る。
の上記のフッ素置換オレフィンガスと少なくとも一種の
オレフィンガスとを原料として使用することができる。
本発明に使用することができるオレフィンガスは、炭素
原子数2〜6のオレフィンを含む。具体的には、エチレ
ン、プロピレン、ブタジエン、ブテン、ペンテン、ヘキ
セン等を挙げることができる。このうち、エチレン、プ
ロピレン、ブタジエン、ブテンが好ましい。上記のオレ
フィンガスは単独でも、二種以上混合して用いてもよ
い。上記のオレフィンガスは、赤外多光子分解反応を行
なうには1〜50Torr、熱分解反応を行なうには50〜
1000Torr、誘電破壊を行なうには10〜100Tor
r、紫外光または可視光による分子の電子励起を経た分
解反応を行うには1〜1000Torrの圧力で、上記の減
圧した照射容器中に導入することが好ましい。これより
圧力が高いと、赤外多光子分解反応、熱分解反応、誘電
破壊、および、紫外光または可視光による分子の電子励
起を経た分解反応のそれぞれの反応が生じないという問
題が生じ、これより圧力が低いと、赤外多光子分解反
応、熱分解反応、誘電破壊、および、紫外光または可視
光による分子の電子励起を経た分解反応のそれぞれの反
応が生じてもフッ素含有高分子が十分な収率、収量で生
成しないという問題が生じる。上記の圧力範囲のうち、
赤外多光子分解反応を行なうには10〜30Torr、熱分
解反応を行なうには200〜500Torr、誘電破壊を行
なうには10〜50Torr、紫外光または可視光による分
子の電子励起を経た分解反応を行うには10〜200To
rrの範囲が特に好ましい。本発明において、上記のフッ
素置換オレフィンガスとオレフィンガスは100:1〜
1:2 のモル比で使用されることが好ましい。これよ
りオレフィンガスの比率が小さいと、オレフィンの性質
が高分子の性質に反映されないという問題が生じ、これ
よりオレフィンガスの比率が大きいと、フッ素含有高分
子薄膜のフッ素原子に起因する性質が消失するという問
題が生じる。上記のフッ素置換オレフィンガスとオレフ
ィンガスの比率のうち、10:1〜1:1が特に好まし
い。オレフィンガスは、フッ素置換オレフィンガスが照
射反応容器に導入される前後、あるいは同時に照射反応
容器に導入してよい。上記の原料は、回分法によって
も、あるいは連続法によっても、照射反応容器内に導入
することができ、回分法の場合にはバルブ操作により真
空系を通して一定量を照射反応容器に導入し、連続法の
場合は一定流量で照射反応容器中を流通させることがで
きる。例えばレーザーパルス照射をくり返し速度1Hzで
行う場合、原料ガス流量は0.1 〜10l/分が好まし
い。さらに、原料を分子線にして導入することもでき
る。あるいは、真空セル中に原料をノズルから噴き出す
ことにより、超音速ビームとして導入することもでき
る。
【0010】さらに、必要に応じてラジカル重合開始剤
を上記原料に添加してもよい。ラジカル重合開始剤の添
加により、本発明の光酸化重合反応を高い効率で行なう
ことができる。ラジカル重合開始剤としては、生成する
フッ素含有高分子の組成や物性に悪影響を及ぼさず、原
料であるフッ素置換オレフィンガスまたはオレフィンガ
スのラジカル重合を開始させる化合物が好ましく、具体
例としては、C2F6、CF 3OCF3 、CF3OOCF3、CF3Br 、CF
3I、C3F8、C3F6等を挙げることができる。このうち、CF
3OCF3 、CF3Br 、CF3OOCF3が特に好ましい。ラジカル重
合開始剤は、反応原料の総圧力を基準として、0.1 〜10
%、好ましくは0.5 〜5%の圧力で添加する。ラジカル
重合開始剤の導入は、原料ガスの導入の前後、あるいは
同時に行なうことができる。
を上記原料に添加してもよい。ラジカル重合開始剤の添
加により、本発明の光酸化重合反応を高い効率で行なう
ことができる。ラジカル重合開始剤としては、生成する
フッ素含有高分子の組成や物性に悪影響を及ぼさず、原
料であるフッ素置換オレフィンガスまたはオレフィンガ
スのラジカル重合を開始させる化合物が好ましく、具体
例としては、C2F6、CF 3OCF3 、CF3OOCF3、CF3Br 、CF
3I、C3F8、C3F6等を挙げることができる。このうち、CF
3OCF3 、CF3Br 、CF3OOCF3が特に好ましい。ラジカル重
合開始剤は、反応原料の総圧力を基準として、0.1 〜10
%、好ましくは0.5 〜5%の圧力で添加する。ラジカル
重合開始剤の導入は、原料ガスの導入の前後、あるいは
同時に行なうことができる。
【0011】さらに、必要に応じて光増感剤を上記の原
料に添加してもよい。光増感剤の添加により、エネルギ
ーの吸収効率を上げ、反応効率を向上させることができ
る。光増感剤としては、光吸収効率が高く、フッ素置換
オレフィンガスへの励起エネルギー移動効率が高く、自
身の分解効率が低い化合物を使用することができ、具体
例としては、赤外光増感剤ではSF6 、SiF4、CF3Br な
ど、紫外光増感剤ではペルフルオロベンゼン、ペルフル
オロアセチレンなどを挙げることができる。このうち、
赤外光増感剤ではSF6 、紫外光増感剤ではペルフルオロ
ベンゼンが好ましい。光増感剤は、反応原料の総圧力を
基準として、0.1 〜10%、好ましくは0.5 〜2%の圧
力で添加する。光増感剤の導入は、原料ガスの導入の前
後、あるいは同時に行なうことができる。
料に添加してもよい。光増感剤の添加により、エネルギ
ーの吸収効率を上げ、反応効率を向上させることができ
る。光増感剤としては、光吸収効率が高く、フッ素置換
オレフィンガスへの励起エネルギー移動効率が高く、自
身の分解効率が低い化合物を使用することができ、具体
例としては、赤外光増感剤ではSF6 、SiF4、CF3Br な
ど、紫外光増感剤ではペルフルオロベンゼン、ペルフル
オロアセチレンなどを挙げることができる。このうち、
赤外光増感剤ではSF6 、紫外光増感剤ではペルフルオロ
ベンゼンが好ましい。光増感剤は、反応原料の総圧力を
基準として、0.1 〜10%、好ましくは0.5 〜2%の圧
力で添加する。光増感剤の導入は、原料ガスの導入の前
後、あるいは同時に行なうことができる。
【0012】上記の原料にレーザー光を照射して、フッ
素含有高分子薄膜を製造することができる。本発明にお
いては、赤外レーザー、紫外光レーザー、可視光レーザ
ー等を使用することができる。赤外レーザーとしては、
上記原料の光重合反応を誘起するいかなるものも使用す
ることができるが、エネルギー変換効率が高く、光子価
格が比較的低いものが好ましい。その例としては、TE
A CO2 レーザー、NH3 レーザー、CF4 レーザ
ー、ρ−H2 ラマンレーザー、D2 ラマンレーザー、N
d:YAGレーザー等のレーザー及びその組合せが挙げ
られ、このうち、エネルギー変換効率が高く、光子価格
が比較的低いパルス発振TEA CO2 レーザーが好ま
しい。紫外光レーザーとしては、エキシマーレーザー、
YAGレーザーN2 レーザー等が使用でき、このうち、
エキシマーレーザーが好ましい。可視光レーザーとして
は、色素レーザー、ルビーレーザー半導体レーザー、He
-Neレーザー、イオンレーザー等が使用でき、このう
ち、色素レーザーが好ましい。
素含有高分子薄膜を製造することができる。本発明にお
いては、赤外レーザー、紫外光レーザー、可視光レーザ
ー等を使用することができる。赤外レーザーとしては、
上記原料の光重合反応を誘起するいかなるものも使用す
ることができるが、エネルギー変換効率が高く、光子価
格が比較的低いものが好ましい。その例としては、TE
A CO2 レーザー、NH3 レーザー、CF4 レーザ
ー、ρ−H2 ラマンレーザー、D2 ラマンレーザー、N
d:YAGレーザー等のレーザー及びその組合せが挙げ
られ、このうち、エネルギー変換効率が高く、光子価格
が比較的低いパルス発振TEA CO2 レーザーが好ま
しい。紫外光レーザーとしては、エキシマーレーザー、
YAGレーザーN2 レーザー等が使用でき、このうち、
エキシマーレーザーが好ましい。可視光レーザーとして
は、色素レーザー、ルビーレーザー半導体レーザー、He
-Neレーザー、イオンレーザー等が使用でき、このう
ち、色素レーザーが好ましい。
【0013】本発明において、赤外光を照射する場合に
は、赤外光の波長を原料の少なくとも一成分が強い吸収
を持つ波長に合わせることが好ましく、一般に400〜
4000cm-1が好ましい。この範囲外の波長では、原料
の赤外吸収が起こらないことが多い。上記の範囲のう
ち、特に800〜1200cm-1が好ましい。また、誘電
破壊を利用する場合には、赤外光の波長は、一般に40
0〜4000cm-1の範囲内で、かつ原料が吸収しない波
長でなければならない。また、紫外光および可視光を照
射する場合には、原料である分子の電子励起が起こる波
長に合わせることが好ましく、一般に180〜250n
mが好ましい。この範囲より波長が長いと原料分子を光
励起することができず、またこの範囲より波長が短いと
原子分子の高電子励起状態やイオン化が起こるので反応
が複雑になるという問題が生じる。本発明においては、
光の波長を原料分子の吸収波長に合わせることにより、
フッ素含有高分子の結合、組成、構造分布、配向などを
制御することが可能となる。
は、赤外光の波長を原料の少なくとも一成分が強い吸収
を持つ波長に合わせることが好ましく、一般に400〜
4000cm-1が好ましい。この範囲外の波長では、原料
の赤外吸収が起こらないことが多い。上記の範囲のう
ち、特に800〜1200cm-1が好ましい。また、誘電
破壊を利用する場合には、赤外光の波長は、一般に40
0〜4000cm-1の範囲内で、かつ原料が吸収しない波
長でなければならない。また、紫外光および可視光を照
射する場合には、原料である分子の電子励起が起こる波
長に合わせることが好ましく、一般に180〜250n
mが好ましい。この範囲より波長が長いと原料分子を光
励起することができず、またこの範囲より波長が短いと
原子分子の高電子励起状態やイオン化が起こるので反応
が複雑になるという問題が生じる。本発明においては、
光の波長を原料分子の吸収波長に合わせることにより、
フッ素含有高分子の結合、組成、構造分布、配向などを
制御することが可能となる。
【0014】本発明においては、光をー連続照射しても
よいが、パルス照射することが好ましい。照射パルス数
は、赤外多光子分解反応を行なう場合には1〜104pul
se、熱分解反応を行なう場合には1〜104pulse、誘電
破壊を行なう場合には1〜102 pulse 、分子の電子励
起を経た分解反応を行う場合には1〜104 pulse が好
ましい。この範囲よりパルス数が大きいと、副次反応が
起こるため、生成したフッ素含有高分子の性質が劣化す
るという問題が生じる。この範囲のうち 赤外多光子分
解反応を行なう場合には10〜500pulse 、熱分解反
応を行なう場合には100〜1000pulse 、誘電破壊
を行なう場合には1〜10pulse 、分子の電子励起を経
た分解反応を行なう場合には10〜500pulse が特に
好ましい。
よいが、パルス照射することが好ましい。照射パルス数
は、赤外多光子分解反応を行なう場合には1〜104pul
se、熱分解反応を行なう場合には1〜104pulse、誘電
破壊を行なう場合には1〜102 pulse 、分子の電子励
起を経た分解反応を行う場合には1〜104 pulse が好
ましい。この範囲よりパルス数が大きいと、副次反応が
起こるため、生成したフッ素含有高分子の性質が劣化す
るという問題が生じる。この範囲のうち 赤外多光子分
解反応を行なう場合には10〜500pulse 、熱分解反
応を行なう場合には100〜1000pulse 、誘電破壊
を行なう場合には1〜10pulse 、分子の電子励起を経
た分解反応を行なう場合には10〜500pulse が特に
好ましい。
【0015】また、パルスの時間幅は、赤外多光子分解
反応を行なう場合には1ns〜1μs、熱分解反応を行な
う場合には10〜10μs 、誘電破壊を行なう場合には
1ns〜1μs 、分子の電子励起を経た分解反応を行う場
合には1ns〜1 μs が好ましい。この範囲より時間幅が
小さいと、パルスエネルギーが低下するので反応が起こ
らないという問題が生じ、またこの範囲より時間幅が大
きいと、それぞれの反応が生じないという問題が生じ
る。例えば、赤外多光子分解反応が起こらず、熱分解と
なのという問題が生じる。この範囲のうち、赤外多光子
分解反応を行なう場合には20〜100ns、熱分解反応
を行なう場合には1μs 〜10μs 、誘電破壊を行なう
場合には20〜100ns、分子の電子励起を経た分解反
応を行うには3〜20nsが特に好ましい。本発明におい
ては、照射するパルス光の時間幅を制御することによっ
て、フッ素含有高分子の結合、組成、構造、分布、配向
などを制御することが可能となる。
反応を行なう場合には1ns〜1μs、熱分解反応を行な
う場合には10〜10μs 、誘電破壊を行なう場合には
1ns〜1μs 、分子の電子励起を経た分解反応を行う場
合には1ns〜1 μs が好ましい。この範囲より時間幅が
小さいと、パルスエネルギーが低下するので反応が起こ
らないという問題が生じ、またこの範囲より時間幅が大
きいと、それぞれの反応が生じないという問題が生じ
る。例えば、赤外多光子分解反応が起こらず、熱分解と
なのという問題が生じる。この範囲のうち、赤外多光子
分解反応を行なう場合には20〜100ns、熱分解反応
を行なう場合には1μs 〜10μs 、誘電破壊を行なう
場合には20〜100ns、分子の電子励起を経た分解反
応を行うには3〜20nsが特に好ましい。本発明におい
ては、照射するパルス光の時間幅を制御することによっ
て、フッ素含有高分子の結合、組成、構造、分布、配向
などを制御することが可能となる。
【0016】本発明に使用する光のパルスエネルギー
は、赤外多光子分解反応、熱分解反応、誘電破壊のいず
れの反応を行う場合にも、0.05〜30Jが好まし
く、分子の電子励起を経た分解反応を行うには、2〜1
00mJが好ましい。これらの範囲よりパルスエネルギ
ーが小さいと、原料がそれぞれの反応に必要な光吸収を
行うのに十分な光子エネルギーを供給することが困難な
ため、それぞれの反応が起こらないという問題が生じ、
またこれらの範囲よりパルスエネルギーが大きいと、集
光するためのレンズや、レーザー光が照射容器に入射す
るための窓板材などの光学系が破損するという問題が生
じる。これらの範囲のうち、赤外多光子分解反応、熱分
解反応、誘電破壊のいずれの反応を行う場合にも、0.
1〜10Jが、分子の電子励起を経た分解反応を行う場
合には、5〜20mJが特に好ましい。本発明において
は、照射光のパルスエネルギーを制御することによっ
て、フッ素含有高分子の結合、組成、構造、分布、配向
などを制御することが可能となる。
は、赤外多光子分解反応、熱分解反応、誘電破壊のいず
れの反応を行う場合にも、0.05〜30Jが好まし
く、分子の電子励起を経た分解反応を行うには、2〜1
00mJが好ましい。これらの範囲よりパルスエネルギ
ーが小さいと、原料がそれぞれの反応に必要な光吸収を
行うのに十分な光子エネルギーを供給することが困難な
ため、それぞれの反応が起こらないという問題が生じ、
またこれらの範囲よりパルスエネルギーが大きいと、集
光するためのレンズや、レーザー光が照射容器に入射す
るための窓板材などの光学系が破損するという問題が生
じる。これらの範囲のうち、赤外多光子分解反応、熱分
解反応、誘電破壊のいずれの反応を行う場合にも、0.
1〜10Jが、分子の電子励起を経た分解反応を行う場
合には、5〜20mJが特に好ましい。本発明において
は、照射光のパルスエネルギーを制御することによっ
て、フッ素含有高分子の結合、組成、構造、分布、配向
などを制御することが可能となる。
【0017】また、照射容器内の焦点近傍での光密度
(フルエンス)は、赤外多光子分解反応を行う場合には
50〜1000J/cm2 、熱分解反応を行う場合には5
0〜1000J/cm2 、誘電破壊を行う場合には500
〜8000J/cm2 、分子の電子励起を経た分解反応を
行う場合には2〜100mJ/cm2 が好ましい。これら
の範囲よりフルエンスが小さいと、原料がそれぞれの反
応に必要な光吸収を行わないので、それぞれの反応が起
こらないという問題が生じ、またこれらの範囲よりフル
エンスが大きいと、赤外多光子分解反応や熱分解反応が
起こらず、すべての場合誘電破壊が起こって所望のフッ
素含有高分子が得られないことがあることや、レンズや
窓板材などの光学系の破損の問題が生じる。これらの範
囲のうち、赤外多光子分解反応を行う場合には50〜5
00J/cm2 、熱分解反応を行う場合には100〜50
0J/cm2 、誘電破壊を行う場合には1500〜300
0J/cm2 、分子の電子励起を経た分解反応を行う場合
には5〜20mJ/cm2 が特に好ましい。
(フルエンス)は、赤外多光子分解反応を行う場合には
50〜1000J/cm2 、熱分解反応を行う場合には5
0〜1000J/cm2 、誘電破壊を行う場合には500
〜8000J/cm2 、分子の電子励起を経た分解反応を
行う場合には2〜100mJ/cm2 が好ましい。これら
の範囲よりフルエンスが小さいと、原料がそれぞれの反
応に必要な光吸収を行わないので、それぞれの反応が起
こらないという問題が生じ、またこれらの範囲よりフル
エンスが大きいと、赤外多光子分解反応や熱分解反応が
起こらず、すべての場合誘電破壊が起こって所望のフッ
素含有高分子が得られないことがあることや、レンズや
窓板材などの光学系の破損の問題が生じる。これらの範
囲のうち、赤外多光子分解反応を行う場合には50〜5
00J/cm2 、熱分解反応を行う場合には100〜50
0J/cm2 、誘電破壊を行う場合には1500〜300
0J/cm2 、分子の電子励起を経た分解反応を行う場合
には5〜20mJ/cm2 が特に好ましい。
【0018】また、光照射の時間(反応時間)は、光照
射のパルス数とパルスの繰り返し速度によって決まる。
例えば、光照射のパルスの繰り返し速度が1Hzのと
き、赤外多光子分解反応を行う場合には1秒〜3時間、
熱分解反応を行う場合には1秒〜3時間、誘電破壊を行
う場合には1秒〜2分、分子の電子励起を経た分解反応
を行う場合には1秒〜1時間が好ましい。これらの範囲
より反応時間が長いと副次反応が起こるため、生成した
フッ素含有高分子薄膜の性質が劣化するという問題が生
じる。これらの範囲のうち、赤外多光子分解反応を行う
場合には1秒〜10分、熱分解反応を行う場合には2秒
〜20分、誘電破壊を行う場合には1秒〜10秒、分子
の電子励起を経た分解反応を行う場合には1秒〜10分
が特に好ましい。反応時間は光照射のパルスの繰り返し
速度を増加させることによっても減少させることができ
る。例えば、パルスの繰り返し速度が100Hzのと
き、赤外多光子分解反応、熱分解反応、および誘電破壊
のいずれの反応を行う場合にも、反応時間を10秒以下
にすることができ、分子の電子励起を経た分解反応を行
う場合には、1秒以下にすることができる。
射のパルス数とパルスの繰り返し速度によって決まる。
例えば、光照射のパルスの繰り返し速度が1Hzのと
き、赤外多光子分解反応を行う場合には1秒〜3時間、
熱分解反応を行う場合には1秒〜3時間、誘電破壊を行
う場合には1秒〜2分、分子の電子励起を経た分解反応
を行う場合には1秒〜1時間が好ましい。これらの範囲
より反応時間が長いと副次反応が起こるため、生成した
フッ素含有高分子薄膜の性質が劣化するという問題が生
じる。これらの範囲のうち、赤外多光子分解反応を行う
場合には1秒〜10分、熱分解反応を行う場合には2秒
〜20分、誘電破壊を行う場合には1秒〜10秒、分子
の電子励起を経た分解反応を行う場合には1秒〜10分
が特に好ましい。反応時間は光照射のパルスの繰り返し
速度を増加させることによっても減少させることができ
る。例えば、パルスの繰り返し速度が100Hzのと
き、赤外多光子分解反応、熱分解反応、および誘電破壊
のいずれの反応を行う場合にも、反応時間を10秒以下
にすることができ、分子の電子励起を経た分解反応を行
う場合には、1秒以下にすることができる。
【0019】本発明の方法における、好ましい反応条件
の一例を以下の表1に示す。
の一例を以下の表1に示す。
【表1】
表1
TEA CO2 レーザーによる赤外多光子分解法、熱分解法、誘電破壊法、
分子の電子励起を経た分解法の反応条件
───────────────────────────────────
試験条件 赤外多光子分解 熱分解 誘電破壊 分子の電子
励起を経た
分解
───────────────────────────────────
原料 ペルフルオロプロピレン(PFP)
圧力(Torr) 25 100 100 20
レーザー波数 (cm-1) 1041.28 1041.28 942.38 ──
レーザー波長(nm) ─── ─── ─── 193
パルス数 20 100 1 20
パルス幅 100nsFWHM+ 100nsFWHM+ 100nsFWHM+ 5ns
1.3 μs tail 1.3 μs tail 1.3 μs tail
パルスエネルギー(J) 0.3 0.3 1.6 0.01
フルエンス (J cm-2) 350 350 2200 0.01
反応時間 15秒 1分 1秒 15秒
生成物 ポリペルフ ポリペルフ ポリペルフ ポリペルフ
ルオロプロ ルオロプロ ルオロプロ ルオロプロ
ピレン ピレン ピレン ピレン
───────────────────────────────────
【0020】本発明の方法により、四フッ化エチレン樹
脂(PTFE)、四フッ化エチレン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合樹脂(FEA)、四フッ化エチレン・エ
チレン共重合樹脂(ETFE)等の四フッ化エチレンと
他のモノマーとの共重合体、三フッ化塩化エチレン樹脂
(PCTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、
フッ化ビニル樹脂(PVF)、三フッ化塩化エチレン・
エチレン共重合樹脂(ECTFE)等のフッ素含有高分
子薄膜を製造することができる。本発明の方法において
は、原料の圧力、パルス数、パルスエネルギー、フルエ
ンス等の光照射条件等を変化させることにより、フッ素
含有高分子の重合度を変えることができるが、一般に1
02 オーダーの重合度で、104 オーダーの分子量のフ
ッ素含有高分子薄膜を製造することができる。
脂(PTFE)、四フッ化エチレン・ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合樹脂(FEA)、四フッ化エチレン・エ
チレン共重合樹脂(ETFE)等の四フッ化エチレンと
他のモノマーとの共重合体、三フッ化塩化エチレン樹脂
(PCTFE)、フッ化ビニリデン樹脂(PVDF)、
フッ化ビニル樹脂(PVF)、三フッ化塩化エチレン・
エチレン共重合樹脂(ECTFE)等のフッ素含有高分
子薄膜を製造することができる。本発明の方法において
は、原料の圧力、パルス数、パルスエネルギー、フルエ
ンス等の光照射条件等を変化させることにより、フッ素
含有高分子の重合度を変えることができるが、一般に1
02 オーダーの重合度で、104 オーダーの分子量のフ
ッ素含有高分子薄膜を製造することができる。
【0021】さらに、本発明においては、照射容器内に
キャリヤーガスを導入し、これにより上記の反応により
生じた気体生成物を移動させ、捕集することによって、
フッ素含有高分子薄膜の生成量を増加させることができ
る。キャリヤーガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒
素等を挙げることができ、このうち、ヘリウム、アルゴ
ンが好ましい。キャリヤーガスは原料ガスに対して、等
量から数100倍量まで変化させることができる。キャ
リヤーガスの導入量としては、1〜2000Torrを挙げ
ることができる。この範囲より、キャリヤーガスの導入
量が多いと、フッ素含有高分子の合成反応が起こらない
という問題を生じ、この範囲よりキャリヤーガスの導入
量が少ないと、キャリヤーガスとして作用しないという
問題を生じる。このうち、10〜500Torrが好まし
い。上記のキャリヤーガスの導入は、原料ガスの導入の
前後、又は同時に行うことができる。また、キャリヤー
ガスは回分法または流通法のいずれの方法でも導入する
ことができる。ところで、光照射後の窓板の内壁に生成
したフッ素含有高分子が付着して汚れ、窓板の透過度が
低下する場合がある。この場合は、窓板内壁にキャリヤ
ーガスを常時、一定量吹きつけながら光照射を行う方法
がある。ただし、この場合は原料ガスの導入法は流通法
に限られる。また、原料ガスと窓板用のキャリヤーガス
は、反応中に排気量の大きい真空ポンプによって十分排
気する必要がある。
キャリヤーガスを導入し、これにより上記の反応により
生じた気体生成物を移動させ、捕集することによって、
フッ素含有高分子薄膜の生成量を増加させることができ
る。キャリヤーガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒
素等を挙げることができ、このうち、ヘリウム、アルゴ
ンが好ましい。キャリヤーガスは原料ガスに対して、等
量から数100倍量まで変化させることができる。キャ
リヤーガスの導入量としては、1〜2000Torrを挙げ
ることができる。この範囲より、キャリヤーガスの導入
量が多いと、フッ素含有高分子の合成反応が起こらない
という問題を生じ、この範囲よりキャリヤーガスの導入
量が少ないと、キャリヤーガスとして作用しないという
問題を生じる。このうち、10〜500Torrが好まし
い。上記のキャリヤーガスの導入は、原料ガスの導入の
前後、又は同時に行うことができる。また、キャリヤー
ガスは回分法または流通法のいずれの方法でも導入する
ことができる。ところで、光照射後の窓板の内壁に生成
したフッ素含有高分子が付着して汚れ、窓板の透過度が
低下する場合がある。この場合は、窓板内壁にキャリヤ
ーガスを常時、一定量吹きつけながら光照射を行う方法
がある。ただし、この場合は原料ガスの導入法は流通法
に限られる。また、原料ガスと窓板用のキャリヤーガス
は、反応中に排気量の大きい真空ポンプによって十分排
気する必要がある。
【0022】以下、添付図面に基づいて、本発明のフッ
素含有高分子およびその薄膜の製造装置の一例を説明す
る。図1および11は、本発明のフッ素含有高分子およ
びその薄膜の製造装置の一例の略正面図である。図1お
よび11において、本発明のフッ素含有高分子およびそ
の薄膜の製造装置は、フッ素含有高分子薄膜を形成すべ
き物体が設置される照射反応容器5、該照射反応容器を
減圧にしたり、反応生成物や未反応の原料ガスを前記照
射反応容器外に排出するガス排出手段13、原料ガスお
よび任意の重合開始剤および/または光増感剤を前記照
射反応容器内に導入するガス導入手段12、および光源
1または21を含んでいる。ガス導入手段12およびガ
ス排出手段13と照射反応容器5とは、それぞれガス導
入管により連通可能に接続されており、それぞれのガス
導入管には開閉弁が設けられている。但し、ガス導入手
段12は複数個の手段から構成されていてもよい。照射
反応容器5には少なくとも2個の窓板7が備えつけられ
ている。光源1から出た光2は、絞り板3を通過した
後、必要に応じてレンズ4で集光され、一つの窓板7か
ら照射反応容器内に入射して他方の窓板7から抜けるこ
とができる。また、照射反応容器5内に、基板設置用ス
テージ8を設置し、この上に基板9を取り付けることに
より、基板上にフッ素含有高分子の薄膜を形成すること
ができる。上記の基板設置用ステージ8は、光に対して
種々の位置、角度で設置することができ、また、温度を
変えることができる。また、照射反応容器5内に、物体
設置用ホルダー10を設置し、これに任意の物体11を
取り付けて、この物体上にフッ素含有高分子の薄膜を形
成させることもできる。反応容器5内の圧力は圧力計1
4によってモニターした。図11中の16は、光源から
の光のパルスエネルギーを測定する光パルスエネルギー
計である。これは、紫外光反応によって原料が消失する
のを調べるために使用した。原料ガス6の反応は、原料
ガス6を導入した後、照射反応容器5内を閉鎖した状態
で行っても(回分法)、あるいは、ガス導入管から原料
ガスを導入し、ガス排出口から反応生成物や未反応のガ
スを排出させながら行っても(流通法)よい。
素含有高分子およびその薄膜の製造装置の一例を説明す
る。図1および11は、本発明のフッ素含有高分子およ
びその薄膜の製造装置の一例の略正面図である。図1お
よび11において、本発明のフッ素含有高分子およびそ
の薄膜の製造装置は、フッ素含有高分子薄膜を形成すべ
き物体が設置される照射反応容器5、該照射反応容器を
減圧にしたり、反応生成物や未反応の原料ガスを前記照
射反応容器外に排出するガス排出手段13、原料ガスお
よび任意の重合開始剤および/または光増感剤を前記照
射反応容器内に導入するガス導入手段12、および光源
1または21を含んでいる。ガス導入手段12およびガ
ス排出手段13と照射反応容器5とは、それぞれガス導
入管により連通可能に接続されており、それぞれのガス
導入管には開閉弁が設けられている。但し、ガス導入手
段12は複数個の手段から構成されていてもよい。照射
反応容器5には少なくとも2個の窓板7が備えつけられ
ている。光源1から出た光2は、絞り板3を通過した
後、必要に応じてレンズ4で集光され、一つの窓板7か
ら照射反応容器内に入射して他方の窓板7から抜けるこ
とができる。また、照射反応容器5内に、基板設置用ス
テージ8を設置し、この上に基板9を取り付けることに
より、基板上にフッ素含有高分子の薄膜を形成すること
ができる。上記の基板設置用ステージ8は、光に対して
種々の位置、角度で設置することができ、また、温度を
変えることができる。また、照射反応容器5内に、物体
設置用ホルダー10を設置し、これに任意の物体11を
取り付けて、この物体上にフッ素含有高分子の薄膜を形
成させることもできる。反応容器5内の圧力は圧力計1
4によってモニターした。図11中の16は、光源から
の光のパルスエネルギーを測定する光パルスエネルギー
計である。これは、紫外光反応によって原料が消失する
のを調べるために使用した。原料ガス6の反応は、原料
ガス6を導入した後、照射反応容器5内を閉鎖した状態
で行っても(回分法)、あるいは、ガス導入管から原料
ガスを導入し、ガス排出口から反応生成物や未反応のガ
スを排出させながら行っても(流通法)よい。
【0023】以上のように構成されたフッ素含有高分子
の製造装置によって、物体の表面にフッ素含有高分子薄
膜を形成する場合には、まず、フッ素含有高分子薄膜を
形成すべき物体を、照射反応容器5内にセットする。こ
の場合、物体の形状により、基板設置用ステージ8上に
物体を載置しても、物体設置用ホルダー10に物体を保
持させてもよい。次いで、ガス排出手段13(例えば、
真空ポンプ)によって、照射反応容器5内を、10-2To
rr以下に減圧する。その後、開閉弁を開き、原料ガス、
必要に応じてラジカル重合開始剤および/または光増感
剤を所望の圧力で照射反応容器5内に導入する。次い
で、光源1または21からの光2を絞り板3を通した
後、必要に応じてレンズ4で集光して、窓板7から照射
反応容器5内の中心部に照射する。その結果、原料ガス
の反応が起こって、物体の表面にフッ素含有高分子の膜
が形成される。照射反応容器5内の反応生成物や未反応
の原料ガス等は、ガス排出手段13により、照射反応容
器5の外部に排気される。
の製造装置によって、物体の表面にフッ素含有高分子薄
膜を形成する場合には、まず、フッ素含有高分子薄膜を
形成すべき物体を、照射反応容器5内にセットする。こ
の場合、物体の形状により、基板設置用ステージ8上に
物体を載置しても、物体設置用ホルダー10に物体を保
持させてもよい。次いで、ガス排出手段13(例えば、
真空ポンプ)によって、照射反応容器5内を、10-2To
rr以下に減圧する。その後、開閉弁を開き、原料ガス、
必要に応じてラジカル重合開始剤および/または光増感
剤を所望の圧力で照射反応容器5内に導入する。次い
で、光源1または21からの光2を絞り板3を通した
後、必要に応じてレンズ4で集光して、窓板7から照射
反応容器5内の中心部に照射する。その結果、原料ガス
の反応が起こって、物体の表面にフッ素含有高分子の膜
が形成される。照射反応容器5内の反応生成物や未反応
の原料ガス等は、ガス排出手段13により、照射反応容
器5の外部に排気される。
【0024】
【作用】フッ素置換オレフィンガスおよび他の原料ガス
を照射反応容器内に導入し、光照射を行う。光照射によ
って原料ガスの光化学反応が起こり、ラジカルが発生す
る。このラジカルが原料ガスであるモノマーの重合反応
を誘起し、その結果、フッ素含有高分子の薄膜が形成さ
れる。光強度、光の照射時間、原料ガスの圧力、種類、
流量、基板の温度等の制御によって、フッ素含有高分子
薄膜の性質を制御することができる。光照射によって起
こる光化学反応の差異から、赤外反応と紫外・可視光反
応の二種が起こり得る。ここでは、フッ素置換オレフィ
ンであるCF3 CF=CF2を原料としてペルフルオロ
ポリプロピレンを製造する方法を例として、これらの二
種の反応法について説明する。
を照射反応容器内に導入し、光照射を行う。光照射によ
って原料ガスの光化学反応が起こり、ラジカルが発生す
る。このラジカルが原料ガスであるモノマーの重合反応
を誘起し、その結果、フッ素含有高分子の薄膜が形成さ
れる。光強度、光の照射時間、原料ガスの圧力、種類、
流量、基板の温度等の制御によって、フッ素含有高分子
薄膜の性質を制御することができる。光照射によって起
こる光化学反応の差異から、赤外反応と紫外・可視光反
応の二種が起こり得る。ここでは、フッ素置換オレフィ
ンであるCF3 CF=CF2を原料としてペルフルオロ
ポリプロピレンを製造する方法を例として、これらの二
種の反応法について説明する。
【0025】〔赤外光反応法〕赤外光の光子エネルギー
は紫外・可視光に比較して低く、例えばCO2 レーザー
の一光子当たりのエネルギーは2kcalである。したがっ
て、赤外光励起では分子の振動励起を誘起し、紫外・可
視光のような分子の電子励起を経る反応を誘起すること
はできない。ところで、分子に強力な赤外レーザーのパ
ルス光を照射すると、1分子あたり数十個の赤外光子を
吸収した後、分子は高振動励起状態となり、分解の閾値
以上の内部エネルギーを有する場合、分解を起こす(赤
外多光子分解)。フッ素含有高分子の原料ガスであるフ
ッ素置換オレフィンはCO2 レーザー光の波長領域に強
い吸収を持っているので、赤外多光子分解を起こすこと
ができる。一方、原料ガスの圧力が高い場合、あるいは
凝縮相の場合、赤外多光子励起によって生成した高振動
励起状態の分子のエネルギーは衝突により周囲に分散さ
れて、熱平衡が達成され最終的に高温ガスとなる。した
がって、原料ガスのうち分解の閾値の低い成分の熱分解
が起こる。また、赤外レーザーを焦点距離の短いレンズ
で集光して高エネルギーレーザー光を原料ガスに照射す
ると、焦点付近で発光と爆音を伴った原料ガスの誘電破
壊が起こり原料ガスは分解する。赤外レーザーによる熱
分解を起こすためには、原料ガスの少なくとも一成分が
レーザー光の波長領域に強い吸収を持つことが必要であ
る。一方、誘電破壊では原料ガスの吸収には関係なく起
こるので、原料ガスとしてあらゆる分子が対象となる。
例えば、数十 Torr 程度以下の圧力のペルフルオロプロ
ピレン(CF3 CF=CF2 )を原料ガスとして、TE
A CO2 レーザー照射を行うとCF3 CF=CF2 の
高振動励起状態(CF3 CF=CF2 †)を経た赤外多
光子分解が起こる。(式1〜3)。 CF3CF =CF2 +nhν→ CF3CF=CF2 † (1) CF3CF =CF2 †→・ CF3+・CF=CF2 (2) CF3CF =CF2 †→CF3CF +CF2 (3) 原料ガスの圧力が数百 Torr 以上と高いか、添加ガスを
加えて全圧が数百 Torr 以上と高いとき、高振動励起状
態の CF3CF=CF2 †のエネルギーは衝突により分散し熱
平衡が達成され、熱分解が起こる(式4)。その際、結
合エネルギーの最も低い炭素−炭素結合が開裂する(式
5)。 CF3CF =CF2 †+M→ CF3CF=CF2 +M+熱 (4) CF3CF =CF2 +熱→ CF3CF+CF2 (5) (M=原料ガスであるモノマー)
は紫外・可視光に比較して低く、例えばCO2 レーザー
の一光子当たりのエネルギーは2kcalである。したがっ
て、赤外光励起では分子の振動励起を誘起し、紫外・可
視光のような分子の電子励起を経る反応を誘起すること
はできない。ところで、分子に強力な赤外レーザーのパ
ルス光を照射すると、1分子あたり数十個の赤外光子を
吸収した後、分子は高振動励起状態となり、分解の閾値
以上の内部エネルギーを有する場合、分解を起こす(赤
外多光子分解)。フッ素含有高分子の原料ガスであるフ
ッ素置換オレフィンはCO2 レーザー光の波長領域に強
い吸収を持っているので、赤外多光子分解を起こすこと
ができる。一方、原料ガスの圧力が高い場合、あるいは
凝縮相の場合、赤外多光子励起によって生成した高振動
励起状態の分子のエネルギーは衝突により周囲に分散さ
れて、熱平衡が達成され最終的に高温ガスとなる。した
がって、原料ガスのうち分解の閾値の低い成分の熱分解
が起こる。また、赤外レーザーを焦点距離の短いレンズ
で集光して高エネルギーレーザー光を原料ガスに照射す
ると、焦点付近で発光と爆音を伴った原料ガスの誘電破
壊が起こり原料ガスは分解する。赤外レーザーによる熱
分解を起こすためには、原料ガスの少なくとも一成分が
レーザー光の波長領域に強い吸収を持つことが必要であ
る。一方、誘電破壊では原料ガスの吸収には関係なく起
こるので、原料ガスとしてあらゆる分子が対象となる。
例えば、数十 Torr 程度以下の圧力のペルフルオロプロ
ピレン(CF3 CF=CF2 )を原料ガスとして、TE
A CO2 レーザー照射を行うとCF3 CF=CF2 の
高振動励起状態(CF3 CF=CF2 †)を経た赤外多
光子分解が起こる。(式1〜3)。 CF3CF =CF2 +nhν→ CF3CF=CF2 † (1) CF3CF =CF2 †→・ CF3+・CF=CF2 (2) CF3CF =CF2 †→CF3CF +CF2 (3) 原料ガスの圧力が数百 Torr 以上と高いか、添加ガスを
加えて全圧が数百 Torr 以上と高いとき、高振動励起状
態の CF3CF=CF2 †のエネルギーは衝突により分散し熱
平衡が達成され、熱分解が起こる(式4)。その際、結
合エネルギーの最も低い炭素−炭素結合が開裂する(式
5)。 CF3CF =CF2 †+M→ CF3CF=CF2 +M+熱 (4) CF3CF =CF2 +熱→ CF3CF+CF2 (5) (M=原料ガスであるモノマー)
【0026】誘電破壊では CF3CF=CF2 の電離が起こる
と同時に複雑な解離反応が起こり、結果として種々のイ
オンとともに・CF3 、・CF=CF2 、Fなども生成
する(式6)。 ・CF3CF =CF2 →・ CF3、 ・CF=CF2 、Fなど (6) このようにして初期的に生成した・CF3 などのラジカ
ル(R・と省略する)は CF3CF=CF2 のラジカル重合開
始剤として作用する。すなわち、R・は反応系に存在す
る CF3CF=CF2 と付加反応する(式7)。これを開始反
応として、 CF3CF=CF2 のラジカル連鎖反応による重合
反応が起こり、最終的にペルフルオロポリプロピレン
((CF3 CFCF2 )n 、式中nは5〜104 の整数
を表す)が生成する(式8)。 R・+CF3CF =CF2 →・ CF(CF3)CF2R (7) R・+ nCF3CF =CF2 →(CF3CFCF2)n (8) 照射反応容器内に物体をセットしておけば、生成したペ
ルフルオロポリプロピレンは該物体の表面上に付着し、
物体の表面上に適当な厚さ(ナノメートルからミクロン
オーダー)のペルフルオロポリプロピレン薄膜を製造す
ることができる。重合反応を高い効率で行うためには、
少なくとも原料であるモノマーとの反応性の高いラジカ
ル重合開始剤を添加することがが望ましい。そこで、適
当なラジカルを高効率で発生させるための出発原料をモ
ノマーに添加することもできる。
と同時に複雑な解離反応が起こり、結果として種々のイ
オンとともに・CF3 、・CF=CF2 、Fなども生成
する(式6)。 ・CF3CF =CF2 →・ CF3、 ・CF=CF2 、Fなど (6) このようにして初期的に生成した・CF3 などのラジカ
ル(R・と省略する)は CF3CF=CF2 のラジカル重合開
始剤として作用する。すなわち、R・は反応系に存在す
る CF3CF=CF2 と付加反応する(式7)。これを開始反
応として、 CF3CF=CF2 のラジカル連鎖反応による重合
反応が起こり、最終的にペルフルオロポリプロピレン
((CF3 CFCF2 )n 、式中nは5〜104 の整数
を表す)が生成する(式8)。 R・+CF3CF =CF2 →・ CF(CF3)CF2R (7) R・+ nCF3CF =CF2 →(CF3CFCF2)n (8) 照射反応容器内に物体をセットしておけば、生成したペ
ルフルオロポリプロピレンは該物体の表面上に付着し、
物体の表面上に適当な厚さ(ナノメートルからミクロン
オーダー)のペルフルオロポリプロピレン薄膜を製造す
ることができる。重合反応を高い効率で行うためには、
少なくとも原料であるモノマーとの反応性の高いラジカ
ル重合開始剤を添加することがが望ましい。そこで、適
当なラジカルを高効率で発生させるための出発原料をモ
ノマーに添加することもできる。
【0027】また、吸収エネルギーの効率を上げ、反応
効率を増加させるために赤外増感剤を添加することがで
きる。例えば、SF6 赤外光増感作用によるフッ素含有
高分子薄膜の製造について、以下に説明する。例えば、
原料モノマーのCF2 =CF 2 はTEA CO2 レーザ
ー光の発振波長に赤外吸収を持たないので、CF2 =C
F2 はTEA CO2 レーザー光を照射しても全く反応
が起こらない。一方、SF6 はS−F結合によるν3 吸
収帯を940cm-1付近に持ち、TEA CO2レーザー
光の照射によって赤外多光子励起されてSF6 高振動励
起状態が生成する。SF6 の結合解離エネルギーは10
9kcal mol-1と高いので、SF6 の赤外多 光子分解の
分解閾値は高い。そこで、CF2 =CF2 とSF6 の混
合気体にTEA CO2 レーザー光をSF6 の赤外多光
子分解の分解閾値以下の照射条件で照射すると、多光子
励起によって生成したSF6 の高振動励起状態は分解す
ることなく、CF2 =CF2 へのエネルギー移動を行
い、CF2 =CF2 の分解を誘起する。その結果、CF
2 =CF2 の重合反応が進行して、最終的にペルフルオ
ロポリプロピレンが生成する。
効率を増加させるために赤外増感剤を添加することがで
きる。例えば、SF6 赤外光増感作用によるフッ素含有
高分子薄膜の製造について、以下に説明する。例えば、
原料モノマーのCF2 =CF 2 はTEA CO2 レーザ
ー光の発振波長に赤外吸収を持たないので、CF2 =C
F2 はTEA CO2 レーザー光を照射しても全く反応
が起こらない。一方、SF6 はS−F結合によるν3 吸
収帯を940cm-1付近に持ち、TEA CO2レーザー
光の照射によって赤外多光子励起されてSF6 高振動励
起状態が生成する。SF6 の結合解離エネルギーは10
9kcal mol-1と高いので、SF6 の赤外多 光子分解の
分解閾値は高い。そこで、CF2 =CF2 とSF6 の混
合気体にTEA CO2 レーザー光をSF6 の赤外多光
子分解の分解閾値以下の照射条件で照射すると、多光子
励起によって生成したSF6 の高振動励起状態は分解す
ることなく、CF2 =CF2 へのエネルギー移動を行
い、CF2 =CF2 の分解を誘起する。その結果、CF
2 =CF2 の重合反応が進行して、最終的にペルフルオ
ロポリプロピレンが生成する。
【0028】〔紫外・可視光反応法〕紫外光照射による
モノマーの酸化重合反応はすでに確立されている(松沼
悟ら、日本化学回秋期年会、札幌、1991年)。すな
わち、紫外光照射によってモノマーあるいはラジカル重
合開始剤の電子励起を経た分解を誘起し、その結果ラジ
カルが発生し、このラジカルがモノマーのラジカル酸化
重合反応の開始剤として作用してポリマーを生成するこ
とができる。光ラジカル重合反応では、重合開始剤の光
反応によってラジカルを発生させ、このラジカルがモノ
マーの重合反応を起こすことによってポリマーが生成す
る。フッ素を含むモノマー、あるいはモノマーと適当な
重合開始剤の混合物の希薄な気体を原料とし、光照射に
よってこのようなラジカル重合反応が気相中あるいは物
体表面上で進行すれば、物体表面上にフッ素含有高分子
の薄膜を合成することができる。例えば、ペルフルオロ
プロピレン数+Torr程度以下の圧力のガスを原料ガスと
して、ArFエキシマーレーザー照射を行うとペルフル
オロプロピレン(CF3CF=CF2 )の電子励起状態
のCF3 CF=CF2 * を経た光化学反応が起こる(式
11〜14)。 CF3 CF=CF2 +hν→CF3 CF=CF2 * (11) CF3 CF=CF2 * →・CF3 +・CF=CF2 (12) CF3 CF=CF2 * →CF3 CF+CF2 (13) CF3 CF=CF2 * →CF3 CCF2 +F (14) このようにして、・CF3 、・CF=CF2 、Fなどが
生成する。生成した・CF3 などのラジカル(R・と省
略する)はCF3 CF=CF2 のラジカル重合開始剤と
して作用する。すなわち、R・は反応系に存在するCF
3 CF=CF2 と付加反応する(式15)。これを開始
反応として、CF3 CF=CF2 のラジカル連鎖反応に
よる重合反応が起こり、最終的に(CF3 CFCF2 )
n が生成する(式16)。 R・+CF3 CF=CF2 →・CF(CF3 )CF2 R (15) R・+nCF3 CF=CF2 →(CF3 CFCF2 )n (16) 生成した(CF3 CFCF2 )n (式中、nは5〜10
4 の整数)は照射反応容器中に存在する物体表面上に付
着し、物体表面上に適当な厚さ(ナノメートルからミク
ロンオーダー)の(CF3 CFCF2 )n 薄膜を製造す
ることができる。
モノマーの酸化重合反応はすでに確立されている(松沼
悟ら、日本化学回秋期年会、札幌、1991年)。すな
わち、紫外光照射によってモノマーあるいはラジカル重
合開始剤の電子励起を経た分解を誘起し、その結果ラジ
カルが発生し、このラジカルがモノマーのラジカル酸化
重合反応の開始剤として作用してポリマーを生成するこ
とができる。光ラジカル重合反応では、重合開始剤の光
反応によってラジカルを発生させ、このラジカルがモノ
マーの重合反応を起こすことによってポリマーが生成す
る。フッ素を含むモノマー、あるいはモノマーと適当な
重合開始剤の混合物の希薄な気体を原料とし、光照射に
よってこのようなラジカル重合反応が気相中あるいは物
体表面上で進行すれば、物体表面上にフッ素含有高分子
の薄膜を合成することができる。例えば、ペルフルオロ
プロピレン数+Torr程度以下の圧力のガスを原料ガスと
して、ArFエキシマーレーザー照射を行うとペルフル
オロプロピレン(CF3CF=CF2 )の電子励起状態
のCF3 CF=CF2 * を経た光化学反応が起こる(式
11〜14)。 CF3 CF=CF2 +hν→CF3 CF=CF2 * (11) CF3 CF=CF2 * →・CF3 +・CF=CF2 (12) CF3 CF=CF2 * →CF3 CF+CF2 (13) CF3 CF=CF2 * →CF3 CCF2 +F (14) このようにして、・CF3 、・CF=CF2 、Fなどが
生成する。生成した・CF3 などのラジカル(R・と省
略する)はCF3 CF=CF2 のラジカル重合開始剤と
して作用する。すなわち、R・は反応系に存在するCF
3 CF=CF2 と付加反応する(式15)。これを開始
反応として、CF3 CF=CF2 のラジカル連鎖反応に
よる重合反応が起こり、最終的に(CF3 CFCF2 )
n が生成する(式16)。 R・+CF3 CF=CF2 →・CF(CF3 )CF2 R (15) R・+nCF3 CF=CF2 →(CF3 CFCF2 )n (16) 生成した(CF3 CFCF2 )n (式中、nは5〜10
4 の整数)は照射反応容器中に存在する物体表面上に付
着し、物体表面上に適当な厚さ(ナノメートルからミク
ロンオーダー)の(CF3 CFCF2 )n 薄膜を製造す
ることができる。
【0029】重合反応を高い効率で行うためには、少な
くともモノマーとの反応性の高いラジカル重合開始剤を
原料に添加してもよい。ラジカル重合開始剤を光励起す
るとラジカルを発生し、このラジカルがモノマーと反応
してラジカル重合反応を起こす。モノマーとの反応性が
高く、高分子成長速度も速いラジカルを発生する開始剤
が最も適している。また、吸収エネルギーの効率を上
げ、反応効率を増加するために光増感剤を添加すること
ができる。原料のペルフルオロオレフィンの吸収は19
0nm以上ではあまり強くないため、光吸収、光励起の効
率が低い。そこで、190nm以上でも十分吸収が強く電
子励起状態生成の効率が高く、ペルフルオロオレフィン
への電子エネルギー移動の効率が高い分子、すなわち光
増感剤を添加することによって、ペルフルオロオレフィ
ンの励起状態の生成効率を高くすることができる。
くともモノマーとの反応性の高いラジカル重合開始剤を
原料に添加してもよい。ラジカル重合開始剤を光励起す
るとラジカルを発生し、このラジカルがモノマーと反応
してラジカル重合反応を起こす。モノマーとの反応性が
高く、高分子成長速度も速いラジカルを発生する開始剤
が最も適している。また、吸収エネルギーの効率を上
げ、反応効率を増加するために光増感剤を添加すること
ができる。原料のペルフルオロオレフィンの吸収は19
0nm以上ではあまり強くないため、光吸収、光励起の効
率が低い。そこで、190nm以上でも十分吸収が強く電
子励起状態生成の効率が高く、ペルフルオロオレフィン
への電子エネルギー移動の効率が高い分子、すなわち光
増感剤を添加することによって、ペルフルオロオレフィ
ンの励起状態の生成効率を高くすることができる。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、簡易に、かつ短時間に
フッ素含有高分子薄膜を製造することができる。また、
本発明によれば、物体の表面に、均一で強固に付着し
た、高い純度かつ高性能のフッ素含有高分子薄膜を、高
収率かつ高効率で形成させることができる。その結果、
基板表面にフッ素樹脂の特性をもたせることができる。
さらに、本発明によれば、磁性膜または非晶質炭素膜を
有するディスク基板上に潤滑膜としてのフッ素含有高分
子薄膜を形成させた磁気記録媒体を製造することができ
る。さらにまた、本発明によれば、物体の表面に、均一
で強固に付着した、高い純度かつ高性能のフッ素含有高
分子薄膜を、高収率かつ高効率で形成させることができ
る装置を提供することができる。
フッ素含有高分子薄膜を製造することができる。また、
本発明によれば、物体の表面に、均一で強固に付着し
た、高い純度かつ高性能のフッ素含有高分子薄膜を、高
収率かつ高効率で形成させることができる。その結果、
基板表面にフッ素樹脂の特性をもたせることができる。
さらに、本発明によれば、磁性膜または非晶質炭素膜を
有するディスク基板上に潤滑膜としてのフッ素含有高分
子薄膜を形成させた磁気記録媒体を製造することができ
る。さらにまた、本発明によれば、物体の表面に、均一
で強固に付着した、高い純度かつ高性能のフッ素含有高
分子薄膜を、高収率かつ高効率で形成させることができ
る装置を提供することができる。
【0031】
【実施例】本発明の好ましい実施態様を以下の実施例に
より、さらに詳細に説明する。本発明の範囲は、以下の
実施例に限定されることはない。
より、さらに詳細に説明する。本発明の範囲は、以下の
実施例に限定されることはない。
【0032】
【実施例1】本実施例に使用したフッ素含有高分子の製
造装置を図1に示す。パルス発振TEA CO2 レーザ
ー1からのレーザー光2を絞り板3を通した後、焦点距
離7.5cmの赤外光用レンズ4で絞り、照射反応容器5内
に入れた原料ガス6に照射した。TEA CO2 レーザ
ー1の発振線は原料ガスの吸収に合わせた。レーザーパ
ワーとレーザーの焦点でのビームの面積の測定から、焦
点でのレーザーフルエンスは200〜400J・cm-2で
あった。レーザーパルスの繰り返し速度は0.7Hzで、パ
ルス数は1000であった。照射反応容器5は円筒十字
型パイレックスガラス製または金属製チャンバーで、レ
ーザー照射方向20cm、内容積1000cm3 であった。
照射反応容器5の大きさは、任意に変化できる。照射反
応容器5の端にはNaClまたはKBr 製の窓板7がついてい
る。また、照射反応容器5の各所に基板設置用ステージ
8および物体設置用ホルダー10を設置し、それぞれの
上に基板9および任意の物体11を設置した。基板設置
用ステージ8および物体設置用ホルダー10は位置およ
び角度を任意に変化できるので、基板9および物体11
とレーザービームとの距離および角度を任意に設定する
ことができる。また、基板設置用ステージ8は−60℃
から300℃まで温度変化させることができる。さら
に、照射反応容器5内に原料ガスを流通させながら照射
する方法(流通法)のために、原料ガス導入用の導入口
と排出口も付いている。
造装置を図1に示す。パルス発振TEA CO2 レーザ
ー1からのレーザー光2を絞り板3を通した後、焦点距
離7.5cmの赤外光用レンズ4で絞り、照射反応容器5内
に入れた原料ガス6に照射した。TEA CO2 レーザ
ー1の発振線は原料ガスの吸収に合わせた。レーザーパ
ワーとレーザーの焦点でのビームの面積の測定から、焦
点でのレーザーフルエンスは200〜400J・cm-2で
あった。レーザーパルスの繰り返し速度は0.7Hzで、パ
ルス数は1000であった。照射反応容器5は円筒十字
型パイレックスガラス製または金属製チャンバーで、レ
ーザー照射方向20cm、内容積1000cm3 であった。
照射反応容器5の大きさは、任意に変化できる。照射反
応容器5の端にはNaClまたはKBr 製の窓板7がついてい
る。また、照射反応容器5の各所に基板設置用ステージ
8および物体設置用ホルダー10を設置し、それぞれの
上に基板9および任意の物体11を設置した。基板設置
用ステージ8および物体設置用ホルダー10は位置およ
び角度を任意に変化できるので、基板9および物体11
とレーザービームとの距離および角度を任意に設定する
ことができる。また、基板設置用ステージ8は−60℃
から300℃まで温度変化させることができる。さら
に、照射反応容器5内に原料ガスを流通させながら照射
する方法(流通法)のために、原料ガス導入用の導入口
と排出口も付いている。
【0033】照射反応容器5を真空ポンプ13で十分に
真空にした後(10-2Torr以下の真空度)、原料ガスと
して15TorrのCF3 CF=CF2 を照射反応容器5に
導入し、TEA CO2 レーザー1を集光して照射する
ことによって、任意の基板上にペルフルオロポリプロピ
レン((CF3 CFCF2 )n )の薄膜を製造した。基
板としてはプラスチック、ガラス、セラミックス、金
属、半導体、有機物、無機物(NaCl、KBr 、CaF2など)
を使用した。
真空にした後(10-2Torr以下の真空度)、原料ガスと
して15TorrのCF3 CF=CF2 を照射反応容器5に
導入し、TEA CO2 レーザー1を集光して照射する
ことによって、任意の基板上にペルフルオロポリプロピ
レン((CF3 CFCF2 )n )の薄膜を製造した。基
板としてはプラスチック、ガラス、セラミックス、金
属、半導体、有機物、無機物(NaCl、KBr 、CaF2など)
を使用した。
【0034】気体生成物の分析から、揮発性の生成物は
C2 F6 、C2 F4 であった。FT−IRスペクトル測
定において、C2 F6 (1250、1120cm-1)、C
2 F 4 (1337、1186cm-1)に特徴的な吸収が観
測された。例として、光照射前と1000パルス光照射
を行った後の、気体生成物のIRスペクトルを図2に示
す。GC−MSにおいて、それぞれの気体生成物は分離
され、親ピークまたは対応するフラグメントのピークが
観測された。C2 F6 (m/e=119(C
2 F5 + )、69(CF3 + )、50(CF2 + ))、
C2 F4 (m/e=100(C 2 F4 + )、81(C2
F3 + )、50(CF2 + ))。
C2 F6 、C2 F4 であった。FT−IRスペクトル測
定において、C2 F6 (1250、1120cm-1)、C
2 F 4 (1337、1186cm-1)に特徴的な吸収が観
測された。例として、光照射前と1000パルス光照射
を行った後の、気体生成物のIRスペクトルを図2に示
す。GC−MSにおいて、それぞれの気体生成物は分離
され、親ピークまたは対応するフラグメントのピークが
観測された。C2 F6 (m/e=119(C
2 F5 + )、69(CF3 + )、50(CF2 + ))、
C2 F4 (m/e=100(C 2 F4 + )、81(C2
F3 + )、50(CF2 + ))。
【0035】一方、基板上に付着した生成物はペルフル
オロポリプロピレン薄膜であった。NaClまたはKBr 基板
上に付着したペルフルオロポリプロピレン薄膜のFT−
IR測定による赤外吸収スペクトルにおいて、1230
cm-1にやや幅広い吸収と1160cm-1に鋭い吸収が観測
され、これらはペルフルオロポリプロピレンのC−F結
合による吸収に帰属される(図3)。表面がNi −Pメ
ッキAl の基板の場合、高感度反射法FT−IRによっ
て1250cm-1付近にC−F結合の幅広い吸収が観測さ
れた(図4)。また、基板上に生成したペルフルオロポ
リプロピレン薄膜の膜厚は数ナノメートルから数マイク
ロメートルであった。ESCAによってガラス基板上の
薄膜の表面分析を行ったところ、C、Fのピークが観測
された(図5)。この図で酸素とケイ素のピークはガラ
ス基板によるピークである。ESCAにおいて電子の投
入角度が90°から0°に減少するにしたがって電子の
侵入深さが減少するので、基板からのピークよりも表面
のピークが現れる。実際、投入角度を浅くするほど薄膜
からのピーク強度が増大した(図6および図7)。炭素
のピークをそれぞれの結合に対して分割した結果、それ
ぞれの結合エネルギーから薄膜はC−CF3 基、CF2
CF2 基、CF2 CF3基をもつことがわかる(図6お
よび図7)。これらの結果はいずれも、基板上にペルフ
ルオロポリプロピレン薄膜が生成していることを示して
いる。また、ESCAスペクトルの解析の結果、ここで
合成されたペルフルオロポリプロピレン薄膜の組成は
(CF2 CF2)m −(CF3 CFCF2)n であり、m:
n=2:1〜3:1であること、CF3 CF=CF2 ま
たはCF2 =CF2 の8〜10量体で分子量は1000
程度であることが推定された。すなわち、原料のCF3
CF=CF2 の赤外多光子分解反応の結果、ラジカルと
ともにCF2 =CF2 が生成し、ラジカルがCF3 CF
=CF2 およびCF2 =CF2 の重合反応を開始してい
る。
オロポリプロピレン薄膜であった。NaClまたはKBr 基板
上に付着したペルフルオロポリプロピレン薄膜のFT−
IR測定による赤外吸収スペクトルにおいて、1230
cm-1にやや幅広い吸収と1160cm-1に鋭い吸収が観測
され、これらはペルフルオロポリプロピレンのC−F結
合による吸収に帰属される(図3)。表面がNi −Pメ
ッキAl の基板の場合、高感度反射法FT−IRによっ
て1250cm-1付近にC−F結合の幅広い吸収が観測さ
れた(図4)。また、基板上に生成したペルフルオロポ
リプロピレン薄膜の膜厚は数ナノメートルから数マイク
ロメートルであった。ESCAによってガラス基板上の
薄膜の表面分析を行ったところ、C、Fのピークが観測
された(図5)。この図で酸素とケイ素のピークはガラ
ス基板によるピークである。ESCAにおいて電子の投
入角度が90°から0°に減少するにしたがって電子の
侵入深さが減少するので、基板からのピークよりも表面
のピークが現れる。実際、投入角度を浅くするほど薄膜
からのピーク強度が増大した(図6および図7)。炭素
のピークをそれぞれの結合に対して分割した結果、それ
ぞれの結合エネルギーから薄膜はC−CF3 基、CF2
CF2 基、CF2 CF3基をもつことがわかる(図6お
よび図7)。これらの結果はいずれも、基板上にペルフ
ルオロポリプロピレン薄膜が生成していることを示して
いる。また、ESCAスペクトルの解析の結果、ここで
合成されたペルフルオロポリプロピレン薄膜の組成は
(CF2 CF2)m −(CF3 CFCF2)n であり、m:
n=2:1〜3:1であること、CF3 CF=CF2 ま
たはCF2 =CF2 の8〜10量体で分子量は1000
程度であることが推定された。すなわち、原料のCF3
CF=CF2 の赤外多光子分解反応の結果、ラジカルと
ともにCF2 =CF2 が生成し、ラジカルがCF3 CF
=CF2 およびCF2 =CF2 の重合反応を開始してい
る。
【0036】Ni −PメッキAl 基板の場合水接触角は
65°であるが、ペルフルオロポリプロピレン薄膜上の
水接触角は110°に増加した。これは、ペルフルオロ
ポリプロピレン薄膜の高い撥水性を示している。表面に
ペルフルオロポリプロピレン薄膜が形成された基板をフ
レオン、メチルアルコール、エタノール、ベンゼン、ア
セトンなどの溶媒で洗浄しても、ペルフルオロポリプロ
ピレン薄膜は離脱せず、分子末端が表面に強く固定され
たペルフルオロポリプロピレン薄膜が生成していること
が確認された。また、基板表面にペルフルオロポリプロ
ピレン薄膜が形成されることによって、基板表面の摩擦
係数の低下が観測された。すなわち、基板表面の潤滑性
が増加した。原料のCF3 CF=CF2 の圧力を変化さ
せてレーザー照射を行ったところ、圧力が約15〜20
Torrの時ペルフルオロポリプロピレン薄膜の生成効率は
最も高かった(図8)。
65°であるが、ペルフルオロポリプロピレン薄膜上の
水接触角は110°に増加した。これは、ペルフルオロ
ポリプロピレン薄膜の高い撥水性を示している。表面に
ペルフルオロポリプロピレン薄膜が形成された基板をフ
レオン、メチルアルコール、エタノール、ベンゼン、ア
セトンなどの溶媒で洗浄しても、ペルフルオロポリプロ
ピレン薄膜は離脱せず、分子末端が表面に強く固定され
たペルフルオロポリプロピレン薄膜が生成していること
が確認された。また、基板表面にペルフルオロポリプロ
ピレン薄膜が形成されることによって、基板表面の摩擦
係数の低下が観測された。すなわち、基板表面の潤滑性
が増加した。原料のCF3 CF=CF2 の圧力を変化さ
せてレーザー照射を行ったところ、圧力が約15〜20
Torrの時ペルフルオロポリプロピレン薄膜の生成効率は
最も高かった(図8)。
【0037】
【実施例2】10TorrのCF3 CF=CF2 と10Torr
のCF2 =CF2 との混合物を原料ガスとする以外は、
実施例1と同様な方法でフッ素含有高分子薄膜を製造し
た。このフッ素含有高分子はペルフルオロポリプロピレ
ンとペルフルオロポリエチレンの共重合体であり、その
組成は(CF3 CFCF2)n −(C2 F4)m であった。
CF3 CF=CF2 の圧力を10Torrと一定にしてCF
2 =CF2 の圧力を変化させると、約10Torrの時フッ
素含有高分子薄膜の生成効率が最も高かった(図9)。
一方、CF2 =CF2 の圧力を10Torrと一定にしてC
F3 CF=CF 2 の圧力を変化させると、約10〜15
Torrの時フッ素含有高分子薄膜の生成効率が最も高かっ
た(図10)。
のCF2 =CF2 との混合物を原料ガスとする以外は、
実施例1と同様な方法でフッ素含有高分子薄膜を製造し
た。このフッ素含有高分子はペルフルオロポリプロピレ
ンとペルフルオロポリエチレンの共重合体であり、その
組成は(CF3 CFCF2)n −(C2 F4)m であった。
CF3 CF=CF2 の圧力を10Torrと一定にしてCF
2 =CF2 の圧力を変化させると、約10Torrの時フッ
素含有高分子薄膜の生成効率が最も高かった(図9)。
一方、CF2 =CF2 の圧力を10Torrと一定にしてC
F3 CF=CF 2 の圧力を変化させると、約10〜15
Torrの時フッ素含有高分子薄膜の生成効率が最も高かっ
た(図10)。
【0038】
【実施例3】15TorrのCF2 =CF2 と2Torrのラジ
カル開始剤としてのCF3 BrまたはBr2との混合物を
原料ガスとする以外は、実施例1と同様な方法でペルフ
ルオロポリエチレン((C2 F4)m を製造した。
カル開始剤としてのCF3 BrまたはBr2との混合物を
原料ガスとする以外は、実施例1と同様な方法でペルフ
ルオロポリエチレン((C2 F4)m を製造した。
【0039】
【実施例4】15TorrのCF2 =CF2 と5Torrの赤外
光増感剤としてのSF6 との混合物を原料ガスとする以
外は、実施例1と同様な方法でペルフルオロポリエチレ
ン((C2 F4)m 薄膜を製造した。CF2 =CF2 は赤
外領域に吸収を持たないので、赤外光を照射してもそれ
自身では全く反応が起こらない。しかし、本実施例の赤
外光増感反応法では、SF 6 の振動励起状態が生成し、
CF2 =CF2 へのエネルギー移動を経て、CF2=C
F2 の重合反応が進行し、結果としてペルフルオロポリ
エチレンが得られた。
光増感剤としてのSF6 との混合物を原料ガスとする以
外は、実施例1と同様な方法でペルフルオロポリエチレ
ン((C2 F4)m 薄膜を製造した。CF2 =CF2 は赤
外領域に吸収を持たないので、赤外光を照射してもそれ
自身では全く反応が起こらない。しかし、本実施例の赤
外光増感反応法では、SF 6 の振動励起状態が生成し、
CF2 =CF2 へのエネルギー移動を経て、CF2=C
F2 の重合反応が進行し、結果としてペルフルオロポリ
エチレンが得られた。
【0040】
【実施例5】基板設置用ステージの温度制御によって基
板表面を−50℃に冷却すること以外は、実施例1ない
し実施例4と同様な方法でフッ素含有高分子薄膜を製造
した。表面にフッ素含有高分子薄膜が形成された基板を
フレオン、メタノール、エタノール、クロロホルム、ベ
ンゼン、エーテルなどの溶媒で洗浄しても、フッ素含有
高分子薄膜は離脱せず、分子末端が基板表面に強く固定
された薄膜が形成されたことが確認された。本実施例の
方法では、原料ガスが基板に吸着するので、TEA C
O2 レーザー照射によって生成したラジカルが基板表面
に到達し、基板表面に吸着したモノマーの表面重合反応
の開始剤としてラジカルが作用し、結果として基板表面
に強固に付着したフッ素含有高分子薄膜が形成された。
板表面を−50℃に冷却すること以外は、実施例1ない
し実施例4と同様な方法でフッ素含有高分子薄膜を製造
した。表面にフッ素含有高分子薄膜が形成された基板を
フレオン、メタノール、エタノール、クロロホルム、ベ
ンゼン、エーテルなどの溶媒で洗浄しても、フッ素含有
高分子薄膜は離脱せず、分子末端が基板表面に強く固定
された薄膜が形成されたことが確認された。本実施例の
方法では、原料ガスが基板に吸着するので、TEA C
O2 レーザー照射によって生成したラジカルが基板表面
に到達し、基板表面に吸着したモノマーの表面重合反応
の開始剤としてラジカルが作用し、結果として基板表面
に強固に付着したフッ素含有高分子薄膜が形成された。
【0041】
【実施例6】使用した装置の概略を図11に示す。Ar
Fエキシマーレーザー21からのビーム2を絞り板3を
通した後、照射反応容器5内に入れた原料ガスである1
00TorrのCF3 CF=CF2 6に照射した。CF3 C
F=CF2 はArFエキシマーレーザー発振波長の19
3nmに吸収を持ち、光化学反応を行う。レーザーのパル
スエネルギーはパルスエネルギー計16によって測定し
たところ、2〜40mJであった。レーザーフルエンスは
1〜20mJ・cm-2、レーザーパルスの繰り返し速度は
1〜10Hz、パルス数は2000〜50000であっ
た。照射反応容器5は中心部が円筒形チャンバー(パイ
レックスガラス製または金属製、内径20cm、高さ25
cm)で、左右にレーザー光の入口と出口用に内径4cmの
円筒管が取り付けられ、両端に石英窓板7が取り付けら
れている。レーザー照射方向は30cm、内容積は500
0cm3 であった。また、照射反応容器5内の任意の場所
に基板設置用ステージ8を取り付け、フッ素含有高分子
薄膜製造のために基板9を設置した。また、物体設置用
ホルダー10を取り付け、任意の物体11を設置した。
基板としてはNaCl、KBr 、Ni −PメッキAl 、Si
、ガラス、CaF2、金、銅、鉄、ステンレス、アルミニ
ウムなどの基板を使用した。基板設置用ステージ8は位
置および角度を任意に変化できるので、基板9とレーザ
ービームとの距離および角度を任意に設定することがで
きる。また、基板設置用ステージ8は−60℃から30
0℃まで温度変化することができる。さらに、照射反応
容器5内に原料ガスを流通させながら照射する方法(流
通法)のために、モノマーガス導入用の導入口と排出口
も付いている。
Fエキシマーレーザー21からのビーム2を絞り板3を
通した後、照射反応容器5内に入れた原料ガスである1
00TorrのCF3 CF=CF2 6に照射した。CF3 C
F=CF2 はArFエキシマーレーザー発振波長の19
3nmに吸収を持ち、光化学反応を行う。レーザーのパル
スエネルギーはパルスエネルギー計16によって測定し
たところ、2〜40mJであった。レーザーフルエンスは
1〜20mJ・cm-2、レーザーパルスの繰り返し速度は
1〜10Hz、パルス数は2000〜50000であっ
た。照射反応容器5は中心部が円筒形チャンバー(パイ
レックスガラス製または金属製、内径20cm、高さ25
cm)で、左右にレーザー光の入口と出口用に内径4cmの
円筒管が取り付けられ、両端に石英窓板7が取り付けら
れている。レーザー照射方向は30cm、内容積は500
0cm3 であった。また、照射反応容器5内の任意の場所
に基板設置用ステージ8を取り付け、フッ素含有高分子
薄膜製造のために基板9を設置した。また、物体設置用
ホルダー10を取り付け、任意の物体11を設置した。
基板としてはNaCl、KBr 、Ni −PメッキAl 、Si
、ガラス、CaF2、金、銅、鉄、ステンレス、アルミニ
ウムなどの基板を使用した。基板設置用ステージ8は位
置および角度を任意に変化できるので、基板9とレーザ
ービームとの距離および角度を任意に設定することがで
きる。また、基板設置用ステージ8は−60℃から30
0℃まで温度変化することができる。さらに、照射反応
容器5内に原料ガスを流通させながら照射する方法(流
通法)のために、モノマーガス導入用の導入口と排出口
も付いている。
【0042】照射反応容器5を真空ポンプ13で十分に
真空にした後(10-2Torr以下の真空度)、圧力計14
で照射反応容器5内の圧力を測定しながら、原料モノマ
ーガスを20Torrの一定圧で1分間流通させた。この条
件下でレーザー照射を行うと、CF3 CF=CF2 の光
重合反応が起こり、ペルフルオロポリプロピレンが生成
した。レーザー光照射後の試料から気体生成物を分離し
た後、真空ポンプ13で照射反応容器5中を十分排気し
た。気体生成物の分析はフーリエ変換赤外吸収測定(F
T−IR)、ガスクロマトグラフ(GC)−質量分析計
(MS)によって行った。一方、空気中室温下で照射反
応容器5から基板9を取り外し、基板上に付着した生成
物の分析を行った。分析はFT−IR、高感度反射法F
T−IR、ESCA、純水の接触角の測定、基板表面の
摩擦係数の測定などによって行った。
真空にした後(10-2Torr以下の真空度)、圧力計14
で照射反応容器5内の圧力を測定しながら、原料モノマ
ーガスを20Torrの一定圧で1分間流通させた。この条
件下でレーザー照射を行うと、CF3 CF=CF2 の光
重合反応が起こり、ペルフルオロポリプロピレンが生成
した。レーザー光照射後の試料から気体生成物を分離し
た後、真空ポンプ13で照射反応容器5中を十分排気し
た。気体生成物の分析はフーリエ変換赤外吸収測定(F
T−IR)、ガスクロマトグラフ(GC)−質量分析計
(MS)によって行った。一方、空気中室温下で照射反
応容器5から基板9を取り外し、基板上に付着した生成
物の分析を行った。分析はFT−IR、高感度反射法F
T−IR、ESCA、純水の接触角の測定、基板表面の
摩擦係数の測定などによって行った。
【0043】気体生成物の分析から、生成物はC
2 F6 、C2 F4 であることがわかった。FT−IRス
ペクトル測定において、C2 F6 (1250、1120
cm-1)、C 2 F4 (1337、1186cm-1)に特徴的
な吸収が観測された。また、GC−MSにおいて、気体
生成物は分離され、親ピークまたは反応するフラグメン
トのピークが観測された。C2 F6 (m/e=119
(C2 F5 + )、69(CF3 + )、50(C
F2 + ))、C2 F4 (m/e=100(C
2 F4 + )、81(C2 F3 + )、50(C
F2 + ))。一方、基板上に付着した生成物はペルフル
オロポリプロピレン((C3F6)m)薄膜であった。NaClま
たはKBr 基板上に付着したペルフルオロポリプロピレン
薄膜のFT−IR測定による赤外吸収スペクトルにおい
て、1230cm-1にC−F結合に帰属される吸収が観測
された。Ni −PメッキAl の基板の場合、高感度反射
法FT−IRによって1250cm-1付近にC−F結合の
幅広い吸収が観測された。ESCAによって基板表面分
析を行ったところ、C、Fのピークが観測され、それぞ
れの結合エネルギーからC−F結合、C−C結合をもつ
ことがわかる。これらの結果はいずれも、基板9上にペ
ルフルオロポリプロピレン薄膜が生成していることを示
している。気体生成物としてC2 F4 が生成しているこ
とから、C2 F4 もモノマーとしてCF3 CF=CF2
の重合反応に関与し、共重合体ポリフルオロカーボンを
形成している可能性がある。
2 F6 、C2 F4 であることがわかった。FT−IRス
ペクトル測定において、C2 F6 (1250、1120
cm-1)、C 2 F4 (1337、1186cm-1)に特徴的
な吸収が観測された。また、GC−MSにおいて、気体
生成物は分離され、親ピークまたは反応するフラグメン
トのピークが観測された。C2 F6 (m/e=119
(C2 F5 + )、69(CF3 + )、50(C
F2 + ))、C2 F4 (m/e=100(C
2 F4 + )、81(C2 F3 + )、50(C
F2 + ))。一方、基板上に付着した生成物はペルフル
オロポリプロピレン((C3F6)m)薄膜であった。NaClま
たはKBr 基板上に付着したペルフルオロポリプロピレン
薄膜のFT−IR測定による赤外吸収スペクトルにおい
て、1230cm-1にC−F結合に帰属される吸収が観測
された。Ni −PメッキAl の基板の場合、高感度反射
法FT−IRによって1250cm-1付近にC−F結合の
幅広い吸収が観測された。ESCAによって基板表面分
析を行ったところ、C、Fのピークが観測され、それぞ
れの結合エネルギーからC−F結合、C−C結合をもつ
ことがわかる。これらの結果はいずれも、基板9上にペ
ルフルオロポリプロピレン薄膜が生成していることを示
している。気体生成物としてC2 F4 が生成しているこ
とから、C2 F4 もモノマーとしてCF3 CF=CF2
の重合反応に関与し、共重合体ポリフルオロカーボンを
形成している可能性がある。
【0044】次にレーザー照射条件を変化させてレーザ
ー照射を行い、基板の1240cm-1の吸光度をFT−I
Rで測定した。100TorrのCF3 CF=CF2 を原料
ガスとし、パルス数が2000〜30000と増加する
と、またレーザーフルエンスが1−40mJcm-2と増加す
ると1240cm-1の吸光度が増加した。FT−IR測定
によると1240cm-1の吸光度は、ペルフルオロポリプ
ロピレン薄膜の厚さと対応している。したがって、パル
ス数、レーザーフルエンスが高いほど、薄膜の厚さが増
大したといえる。また、CF3 CF=CF2 の圧力が1
00Torrのとき、形成された薄膜の膜厚が最大となっ
た。
ー照射を行い、基板の1240cm-1の吸光度をFT−I
Rで測定した。100TorrのCF3 CF=CF2 を原料
ガスとし、パルス数が2000〜30000と増加する
と、またレーザーフルエンスが1−40mJcm-2と増加す
ると1240cm-1の吸光度が増加した。FT−IR測定
によると1240cm-1の吸光度は、ペルフルオロポリプ
ロピレン薄膜の厚さと対応している。したがって、パル
ス数、レーザーフルエンスが高いほど、薄膜の厚さが増
大したといえる。また、CF3 CF=CF2 の圧力が1
00Torrのとき、形成された薄膜の膜厚が最大となっ
た。
【0045】
【実施例7】100TorrのCF3 CF=CF2 と20To
rrのラジカル重合開始剤(CF3 OCF3 、C2 F6 、
CF3 OOCF3 、CF3 Br、CF3 I、Br2、C
l2、HBr 、HCl )との混合物を原料ガスとする以外
は実施例6と同様な方法でペルフルオロポリプロピレン
(C3F6)nを製造した。この方法ではラジカル重合開始剤
の光分解が起こり、その結果、・CF3 、・OCF3 、
ハロゲン原子が生成し、これらがCF3 CF=CF2 の
重合反応の開始剤として作用して、ペルフルオロポリプ
ロピレンが得られたと考えられる。したがって、本実施
例においては、ペルフルオロポリプロピレン薄膜形成の
速度は、ラジカル重合開始剤を添加しない場合に比較し
て増加した。
rrのラジカル重合開始剤(CF3 OCF3 、C2 F6 、
CF3 OOCF3 、CF3 Br、CF3 I、Br2、C
l2、HBr 、HCl )との混合物を原料ガスとする以外
は実施例6と同様な方法でペルフルオロポリプロピレン
(C3F6)nを製造した。この方法ではラジカル重合開始剤
の光分解が起こり、その結果、・CF3 、・OCF3 、
ハロゲン原子が生成し、これらがCF3 CF=CF2 の
重合反応の開始剤として作用して、ペルフルオロポリプ
ロピレンが得られたと考えられる。したがって、本実施
例においては、ペルフルオロポリプロピレン薄膜形成の
速度は、ラジカル重合開始剤を添加しない場合に比較し
て増加した。
【0046】
【実施例8】基板設置用ステージの温度制御によって基
板表面を−50℃に冷却すること以外は、実施例6ない
し実施例7と同様な方法でペルフルオロポリプロピレン
を製造した。この方法では、原料ガスが基板に吸着する
ので、ArFエキシマーレーザー照射によって生成した
ラジカルが基板表面に到達し、基板表面に吸着したCF
3 CF=CF2 の重合反応の開始剤としてラジカルが作
用し、結果として基板表面にペルフルオロポリプロピレ
ン薄膜が形成された。
板表面を−50℃に冷却すること以外は、実施例6ない
し実施例7と同様な方法でペルフルオロポリプロピレン
を製造した。この方法では、原料ガスが基板に吸着する
ので、ArFエキシマーレーザー照射によって生成した
ラジカルが基板表面に到達し、基板表面に吸着したCF
3 CF=CF2 の重合反応の開始剤としてラジカルが作
用し、結果として基板表面にペルフルオロポリプロピレ
ン薄膜が形成された。
【0047】
【実施例9】表面にあらかじめ炭素をデポジットさせた
アルミニウム基板、およびスパッタリングによりガラス
表面に微量のアルミニウムをデポジットさせたガラス基
板などの表面修飾を行った基板を使用すること以外は実
施例6ないし実施例7と同様な方法でペルフルオロポリ
プロピレンを製造した。表面にペルフルオロポリプロピ
レン薄膜が形成された基板を、フレオン、メタノール、
エタノール、アセトン、ベンゼン、クロロホルム等の溶
媒で洗浄してもこの薄膜は離脱せず、分子末端が表面に
固定されたペルフルオロポリプロピレン薄膜が形成され
たことが確認された。この方法では、原料ガスが基板に
吸着しやすいので、ArFエキシマーレーザー照射によ
って生成したラジカルが基板表面に到達し、基板表面に
吸着したCF 3 CF=CF2 の表面重合反応の開始剤と
してラジカルが作用し、結果として基板表面に強固に付
着したペルフルオロポリプロピレン薄膜が形成された。
アルミニウム基板、およびスパッタリングによりガラス
表面に微量のアルミニウムをデポジットさせたガラス基
板などの表面修飾を行った基板を使用すること以外は実
施例6ないし実施例7と同様な方法でペルフルオロポリ
プロピレンを製造した。表面にペルフルオロポリプロピ
レン薄膜が形成された基板を、フレオン、メタノール、
エタノール、アセトン、ベンゼン、クロロホルム等の溶
媒で洗浄してもこの薄膜は離脱せず、分子末端が表面に
固定されたペルフルオロポリプロピレン薄膜が形成され
たことが確認された。この方法では、原料ガスが基板に
吸着しやすいので、ArFエキシマーレーザー照射によ
って生成したラジカルが基板表面に到達し、基板表面に
吸着したCF 3 CF=CF2 の表面重合反応の開始剤と
してラジカルが作用し、結果として基板表面に強固に付
着したペルフルオロポリプロピレン薄膜が形成された。
【0048】
【実施例10】CF3 CF=CF2 の代わりにC2 F4
を使用すること以外は、実施例1ないし実施例9と同様
な方法でフッ素含有高分子を製造した。
を使用すること以外は、実施例1ないし実施例9と同様
な方法でフッ素含有高分子を製造した。
【0049】
【実施例11】Ni−Pメッキを施したアルミニウム製
の5インチのディスク基板で、その上にスパッタリング
によりクロム膜、コバルト・ニッケル磁性膜、任意に形
成した非晶質炭素膜が順次積層された基板表面を使用す
ること以外は、実施例1ないし実施例10と同様な方法
でフッ素含有高分子を製造した。この方法によって、磁
性膜表面上または非晶質炭素膜表面上にフッ素含有高分
子薄膜が形成でき、これが磁性膜の保護膜と潤滑剤分子
層として作用する磁性記録媒体を製造した。
の5インチのディスク基板で、その上にスパッタリング
によりクロム膜、コバルト・ニッケル磁性膜、任意に形
成した非晶質炭素膜が順次積層された基板表面を使用す
ること以外は、実施例1ないし実施例10と同様な方法
でフッ素含有高分子を製造した。この方法によって、磁
性膜表面上または非晶質炭素膜表面上にフッ素含有高分
子薄膜が形成でき、これが磁性膜の保護膜と潤滑剤分子
層として作用する磁性記録媒体を製造した。
【0050】
【実施例12】CF3 CF=CF2 の代わりにC2 F4
とC2 H4 との混合ガスを使用すること以外は、実施例
1ないし実施例9と同様な方法で四フッ化エチレン・エ
チレン共重合樹脂(ETFE)の薄膜を製造した。
とC2 H4 との混合ガスを使用すること以外は、実施例
1ないし実施例9と同様な方法で四フッ化エチレン・エ
チレン共重合樹脂(ETFE)の薄膜を製造した。
【0051】
【実施例13】CF3 CF=CF2 の代わりにCF2 C
FClを使用すること以外は、実施例1ないし実施例9
と同様な方法で三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTF
E)の薄膜を製造した。
FClを使用すること以外は、実施例1ないし実施例9
と同様な方法で三フッ化塩化エチレン樹脂(PCTF
E)の薄膜を製造した。
【0052】
【実施例14】CF3 CF=CF2 の代わりにCF2 C
FClとC2 H4 を使用すること以外は、実施例1ない
し実施例9と同様な方法で三フッ化塩化エチレン・エチ
レン共重合樹脂(ECTFE)の薄膜を製造した。
FClとC2 H4 を使用すること以外は、実施例1ない
し実施例9と同様な方法で三フッ化塩化エチレン・エチ
レン共重合樹脂(ECTFE)の薄膜を製造した。
【0053】
【実施例15】CF3 CF=CF2 の代わりにCH2 C
F2 を使用すること以外は、実施例1ないし実施例9と
同様な方法でフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の薄膜
を製造した。
F2 を使用すること以外は、実施例1ないし実施例9と
同様な方法でフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)の薄膜
を製造した。
【0054】
【実施例16】CF3 CF=CF2 の代わりにCH2 C
HFを使用すること以外は、実施例1ないし実施例9と
同様な方法でフッ化ビニル樹脂(PVF)の薄膜を製造
した。
HFを使用すること以外は、実施例1ないし実施例9と
同様な方法でフッ化ビニル樹脂(PVF)の薄膜を製造
した。
【図1】図1は、本発明のフッ素含有高分子の製造装置
の一例の略正面図である。
の一例の略正面図である。
【図2】図2は、CF3 CF=CF2 にTEA CO2
レーザーを1000パルス照射する前後における、照射
反応容器内に存在する気体のIRスペクトルを示す。
レーザーを1000パルス照射する前後における、照射
反応容器内に存在する気体のIRスペクトルを示す。
【図3】図3は、FT−IR測定によるペルフルオロポ
リプロピレンの赤外吸収スペクトルを示す。
リプロピレンの赤外吸収スペクトルを示す。
【図4】図4は高感度反射法FT−IR測定によるペル
フルオロポリプロピレンの赤外吸収スペクトルを示す。
フルオロポリプロピレンの赤外吸収スペクトルを示す。
【図5】図5は、ガラス基板上に形成されたペルフルオ
ロポリプロピレン薄膜のESCAスペクトルを示す。
ロポリプロピレン薄膜のESCAスペクトルを示す。
【図6】図6は、電子の投入角度を90°に設定したと
きの、ガラス基板上に形成されたペルフルオロポリプロ
ピレン薄膜のESCAスペクトルを示す。P1、P2及
びP3は、基板に元から付着していた炭素化合物による
ピークを表す。
きの、ガラス基板上に形成されたペルフルオロポリプロ
ピレン薄膜のESCAスペクトルを示す。P1、P2及
びP3は、基板に元から付着していた炭素化合物による
ピークを表す。
【図7】図7は、電子の投入角度を0°に設定したとき
の、ガラス基板上に形成されたペルフルオロポリプロピ
レン薄膜のESCAスペクトルを示す。P1′、P2′
及びP3′は、基板に元から付着していた炭素化合物に
よるピークを表す。
の、ガラス基板上に形成されたペルフルオロポリプロピ
レン薄膜のESCAスペクトルを示す。P1′、P2′
及びP3′は、基板に元から付着していた炭素化合物に
よるピークを表す。
【図8】図8は、ペルフルオロポリプロピレン薄膜の1
240cm-1での吸光度とCF3CF=CF2 の圧力との
関係を示すグラフである。
240cm-1での吸光度とCF3CF=CF2 の圧力との
関係を示すグラフである。
【図9】図9は、ペルフルオロプロピレン・ペルフルオ
ロエチレン共重合体薄膜の1240cm-1での吸光度とC
2 F4 の圧力との関係を示すグラフである(CF3 CF
=CF2 の圧力は10Torr)。
ロエチレン共重合体薄膜の1240cm-1での吸光度とC
2 F4 の圧力との関係を示すグラフである(CF3 CF
=CF2 の圧力は10Torr)。
【図10】図10は、ペルフルオロプロピレン・ペルフ
ルオロエチレン共重合体薄膜の1240cm-1での吸光度
とCF3 CF=CF2 の圧力との関係を示すグラフであ
る(C2 F4 の圧力は10Torr)。
ルオロエチレン共重合体薄膜の1240cm-1での吸光度
とCF3 CF=CF2 の圧力との関係を示すグラフであ
る(C2 F4 の圧力は10Torr)。
【図11】図11は、本発明のフッ素含有高分子の製造
装置の一例の略正面図である。
装置の一例の略正面図である。
1 TEA CO2 レーザー
2 レーザー光
3 絞り板
4 赤外光用レンズ
5 照射反応容器
6 原料ガス
7 窓板
8 基板設置用ステージ
9 基板
10 物体設置用ホルダー
11 任意の物体
12 ガス導入手段
13 ガス排出手段
14 圧力計
16 レーザーパルスエネルギー計
21 ArFエキシマーレーザー
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 中尾 愛子
埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究
所内
(72)発明者 古澤 賢司
神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地
株式会社 日立製作所 生産技術研究所
内
(56)参考文献 特開 昭62−240542(JP,A)
特開 昭60−1207(JP,A)
特開 昭48−34954(JP,A)
特開 昭48−29830(JP,A)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
C08F 2/00 - 2/60
Claims (8)
- 【請求項1】 照射反応容器内に物体を設置し、前記照
射反応容器内を10 -2 Torr以下に減圧した後、少な
くとも一種のフッ素置換オレフィンガスを導入し、レー
ザー光を照射することによって前記物体上にフッ素含有
高分子薄膜を形成することを特徴とするフッ素含有高分
子薄膜の製造方法。 - 【請求項2】 照射反応容器内に物体を設置し、前記照
射反応容器内を10 -2 Torr以下に減圧した後、少な
くとも一種のフッ素置換オレフィンガスと少なくとも一
種のオレフィンガスを導入し、レーザー光を照射するこ
とによって前記物体上にフッ素含有高分子薄膜を形成す
ることを特徴とするフッ素含有高分子薄膜の製造方法。 - 【請求項3】 ラジカル重合開始剤を原料に添加する請
求項1または2に記載のフッ素含有高分子薄膜の製造方
法。 - 【請求項4】 光増感剤を原料に添加する請求項1〜3
のいずれか一項に記載のフッ素含有高分子薄膜の製造方
法。 - 【請求項5】 フッ素含有高分子薄膜を製造する際に、
照射するレーザー光の波長、エネルギー、パルス幅を制
御することによってフッ素含有高分子の結合、組成、構
造、分布、配向を制御する請求項1〜4のいずれか一項
に記載のフッ素含有高分子薄膜の製造方法。 - 【請求項6】 前記物体の表面が予め機械加工または表
面加工されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の
フッ素含有高分子薄膜の製造方法。 - 【請求項7】 冷却した前記物体の表面上にフッ素含有
高分子を形成する請求項1〜6のいずれか一項に記載の
フッ素含有高分子薄膜の製造方法。 - 【請求項8】 前記物体が磁性膜または非晶質炭素膜を
有するディスク基板である請求項1〜7のいずれか一項
に記載のフッ素含有高分子薄膜の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11432593A JP3390206B2 (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | フッ素含有高分子薄膜の製造方法および製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP11432593A JP3390206B2 (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | フッ素含有高分子薄膜の製造方法および製造装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06322011A JPH06322011A (ja) | 1994-11-22 |
| JP3390206B2 true JP3390206B2 (ja) | 2003-03-24 |
Family
ID=14635009
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP11432593A Expired - Fee Related JP3390206B2 (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | フッ素含有高分子薄膜の製造方法および製造装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3390206B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6409497B2 (ja) * | 2014-10-24 | 2018-10-24 | 大日本印刷株式会社 | 撥水撥油性部材 |
-
1993
- 1993-05-17 JP JP11432593A patent/JP3390206B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06322011A (ja) | 1994-11-22 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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