JP3396174B2 - 車両用シートリフター装置 - Google Patents
車両用シートリフター装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は車両用シートリフ
ター装置に関するもので、特にスプリングブレーキ装置
とリンク機構を用いてシートの前後を昇降可能に支承す
る構造のものにおける改良に関する。 【0002】 【従来の技術】車両の前部座席は、運転乗員の最適運転
姿勢を確保するために、車体床面に対して昇降可能に配
設されるものが多いが、その構造においてはシートクッ
ションを載設するシートパンの左右前後と、車体に載置
したシートスライド装置のアッパーレールに設けたベー
スプレートとの間を回動可能なリンクで連結し、該リン
クを回動させるセクターギヤに噛合するピニオンを備え
たスプリングブレーキ装置をベースプレートに固定して
構成される車両用シートリフター装置が採用されてい
る。 【0003】スプリングブレーキ装置は、ベースプレー
トに固定した筒状ハウジング内に、コアと称する欠円状
のドラムを同軸的に備えたシャフトが回転可能に軸支さ
れ、該ドラムの外周面と筒状ハウジングの内周面との間
にコイルスプリングが介在し、そのコイルスプリングは
筒状ハウジングの内周面に圧接するとともに、その両端
部は、ドラムの欠円部両端面との間に隙間を有するよう
にドラムの欠円部内に突出しており、このコイルスプリ
ングの両端部の間に隙間を形成して係合する係合突起体
と一体的に成形されたピニオンを前記シャフトの一端部
に軸着し、かつ、シャフトの他端部に操作ハンドルを軸
着して形成される。 【0004】したがって、操作ハンドルを回動させる
と、正転時にはシャフトの回転にてコアがコイルスプリ
ングの一端側を縮径しながら係合突起体が回動し、ピニ
オンが噛合する扇形のセクターギヤが回動し、リンクを
起立させてシートパンをベースプレートから上昇させ
る。 【0005】ここで、シートクッションに乗員が着座し
てその荷重が負荷していると、リンクを介しセクターギ
ヤを逆方向へ回動させようとする力が生じるため、セク
ターギヤに噛合するピニオンを介してシャフトが逆回転
しようとするが、係合突起体はコイルスプリングの一端
側を拡径することとなるため、コイルスプリングは筒状
ハウジングの内周面に圧接して大きな摩擦抵抗を生じ、
その摩擦抵抗でシャフトが逆回転するのを阻止すること
により、設定したシートクッションの高さをロックす
る。 【0006】そして、シートクッションの高さを下方に
変更するときは、操作ハンドルを前記とは逆方向へ回転
操作することにより、シャフトが逆回転し、コアがコイ
ルスプリングの他端部を縮径させることによって筒状ハ
ウジングの内周面との圧接を解き、シャフトの逆回転を
許容してピニオンの逆回転が可能となることにより、シ
ートクッション及びシートパンが一体でベースプレート
に向け下降するというものであった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近時の車両
設計において、車両用シートリフター装置にあっては、
ヒップポイントの低下による小型化及び昇降範囲の拡大
などの要請に基づく改良が迫られている。 【0008】しかしながら、昇降範囲の拡大には、セク
ターギヤの大型化又はセクターギヤの作動角の拡大の2
種類の方法があるが、セクターギヤの大型化は上記要請
に反するため、必然的にセクターギヤの作動角を拡大す
る方法を取らざるを得ない。 【0009】そのため、このような設計思想に基づく
と、シートパンの最上昇位置では、リンク及びセクター
ギヤが伸び切っている状態、すなわち、セクターギヤの
回動軸と、セクターギヤとリンクの係合軸及びリンクの
回動軸が一直線状に並んだ状態となる。この状態では、
乗員及びシート自体による荷重が軸中心に向かって作用
し、セクターギヤを回動させる方向には作用しない。す
なわち、最上昇位置付近では、セクターギヤを回動軸に
押さえ付けることにより生じる摩擦力が、セクターギヤ
を回転させようとする回転力よりも大きいという(摩擦
力>回転力)の関係となる。 【0010】そこで、シートパンを下降させるよう操作
ハンドルを回動させると、シャフトの回転にてコイルス
プリングの他端側を縮径しながら回動し、これに伴って
コイルスプリングの一端側も回動する。このとき、係合
突起体は上記摩擦力により回動することができないた
め、係合突起体はコイルスプリングの一端側との間に隙
間を有した状態でコイルスプリングの他端側に押される
状態で回動し、ピニオンを介してセクターギヤが回動
し、リンクを介してシートパンは下降できる。 【0011】しかしながら、ある一点を越えて下降した
とき、回転力>摩擦力の関係となるので、コイルスプリ
ングの他端側に押されて回動していた係合突起体がこの
回転力によってコイルスプリングの一端側に当接するま
で隙間の分だけ回転し、この回転によってシートパンは
一気に下降するため、これが乗員に不快感として作用す
ると言う不具合が発生した。そのため、摩擦力>回転力
の範囲をリフト範囲として使用することができなかっ
た。 【0012】そこで、この発明は上記不具合を解消し、
セクタギヤの回動範囲を広く利用して装置の小型化及び
昇降範囲の拡大を図った車両用シートリフター装置を提
供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】この発明にかかる車両用
リフター装置は、シートクッションを載設するシートパ
ンと、車体に載置したベースプレートとの間を回動可能
なリンク及びセクターギヤで連結し、セクターギヤに噛
合するピニオンを備えたスプリングブレーキ装置を介し
てセクターギヤを回動させることで前記シートパンを上
下動させる車両用シートリフター装置において、前記セ
クターギヤと前記リンクの回動軸部にスプリングばねを
捲回してその一端部を前記リンク側に、他端部を前記セ
クターギヤ側にそれぞれ係止して、前記リンクを下降方
向へ回転付勢するようにしたことを特徴とする。 【0014】したがって、シートパンの最上昇位置付近
においても、スプリングばねの付勢力でセクターギヤが
下降方向へ回転付勢され、そのセクターギヤに係合する
スプリングブレーキ装置のピニオンが下降方向側へ常に
回転付勢される。そのため、スプリングブレーキ装置の
中でピニオンと一体の係合突起体がスプリングばねの一
端部を常に押す状態が形成されるから、係合突起体がコ
イルスプリングの他端部側から一端部側まで隙間の分だ
け回転することがなくなる。これにより、セクターギヤ
の回動範囲を大きくしても乗員が不快感を感じることが
なくなり、昇降範囲の拡大及び車両用シートリフター装
置の小型化を図ることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図に
基づき説明する。図1は車両用シートリフター装置の概
略側面図で、1はシートクッション(図示略)を載設す
るシートパン、2はその前部でシートパン1を載設する
ブラケットで軸部3で回動可能にリンク4の上端部を回
動可能に軸支している。5はリンク4の下端部に軸部6
で回動可能に軸着されたセクターギヤで、このセクター
ギヤ5は車体に長手方向で左右一対に載置されたシート
スライド装置のアッパーレールに縦壁状に形成されたベ
ースプレート8に軸部9で回動可能に軸着している。軸
部9に一端部10aを係止して軸部6に向け延長し、軸
部6に捲回して他端部10bを軸部3に向け延長してリ
ンク4の一側端面に係合可能としたスプリングばね10
が配設されている。 【0016】スプリングばね10は、図2に示すよう
に、最下降位置にある状態にあっては、リンク4の一側
端面と他端部10bとの間に隙間を有し、セクターギヤ
5を図中反時計方向に回動させることでリンク4が上方
に持ち上げられて上昇し、図3に示すような状態、すな
わち、軸部3,6,9がほぼ一直線上に並んだ状態まで
回転する過程でリンク4の一側端面と他端部10bが当
接し、さらに上昇することでスプリングばね10が撓ん
でリンク4を図中反時計方向に回転付勢する。このリン
ク4の回転付勢力はセクターギヤ5を図中時計方向へ回
転付勢し、この方向はリンク4を下降させる方向であ
る。 【0017】セクターギヤ5には、軸部9を中心とする
扇形の円弧部に歯部11が形成され、この歯部11に噛
合するピニオン12を備えたスプリングブレーキ装置1
3をベースプレート8に固定してある。 【0018】スプリングブレーキ装置13は、図4に示
すように、前記ベースプレート8の側面に3脚の取付部
19を介して固定する外筒状ハウジング20と、この筒
状ハウジング20内に収容されるコイルスプリング21
及び欠円部22を有するコア23とこのシャフト24の
一端部24aに回転可能に挿通される係合突起体25を
一体的に固着したピニオン12とを備えており、シャフ
ト24は筒状ハウジング20の軸受部20bに回転可能
に支承される。図5に示すように、コイルスプリング2
1はその外周面が外筒状ハウジング20の内周面に接し
ており、その両端部21a,21bは内方に曲げられて
コア23に形成した欠円部22内に配置され、コア23
の両端部23a,23bとコイルスプリング21の両端
部21a,21bの間には所定の隙間を設けている。ま
た、コイルスプリング21の両端部21a,21bの間
には、係合突起体25が隙間を有して配置されている。
筒状ハウジング20から外側に突出したシャフト24の
他端部24bには操作ハンドル26が軸着される。 【0019】なお、シートパン1の後部には、シートパ
ン1を載設するブラケット14に軸部17で回転可能に
支持されたリンク15がベースブラケット8に軸部16
で回動可能に軸支され、リンク15には連結リンク18
の一端部が回動可能に軸着され、連結リンク18の他端
部にはセクターギヤ5aに回動可能に軸着され、セクタ
ーギヤ5aは軸部9aにてベースプレート8に回動可能
に軸支してある。スプリングブレーキ装置13は前記の
ものと同じ構造である。 【0020】次に、上記構成の車両用シートリフター装
置の動作を説明すると、シートクッションを上昇させる
べく、操作ハンドル26を正回転させてシャフト24が
正回転(図5中ロ方向)すると、図5において、コア2
3の端部23aがコイルスプリング21の一端部21a
を矢示ロ方向へ押す一方、係合突起体25は欠円部22
内で一端部21aにて同じ方向へ押されて回転し、この
とき、一端部21aが引かれることでコイルスプリング
21は縮径されるように摺動する。そのため、シャフト
24は筒状ハウジング20内でスムーズに回転し、図2
において、ピニオン12は歯部11を介してセクターギ
ヤ5を軸部9を中心に反時計方向回りに回動させ、リン
ク4の一端部が軸部6の軌跡に沿って移動することでリ
ンク4の他端部を軸支するブラケットが上方へ押し上げ
られてシートパン1を上昇させる。 【0021】シートパン1からリンク4を介しセクター
ギヤ5に入力される乗員の荷重は、セクターギヤ5の歯
部11を介しピニオン12を回転させようとする力に変
換され、係合突起体25はメインスプリング21の一端
部21aを欠円部22内で静止しているコア23の端部
23aに向けて押す(矢示イ方向)ので、一端部21a
と他端部21bの離間距離が拡がるからメインスプリン
グ21は拡径し、メインスプリング21は筒状ハウジン
グ20の内周面20aに圧接して摩擦抵抗が大きくなる
ため、ピニオン12の逆回転が阻止され、シートパン1
は下降することなく設定したシートクッションの高さが
保持される。 【0022】そして、例えばシートパン1をほぼ最高位
に上昇させて、図3に示すように、軸3,6,9が一直
線状に並ぶ手前では、スプリングばね10はリンク4を
下降方向側へ回転付勢している。この状態からシートパ
ン1を下降させるとき、操作ハンドル26を回転操作し
シャフト24を前記とは逆方向へ回転操作すると、コア
23の端部23bがコイルスプリング21の他端部21
bを縮径させるように回転され、これに伴って一端部2
1aも周方向へ回転する。このとき、リンク4及びセク
ターギヤ5はスプリングばね10により下降方向へ回転
付勢されているので、コイルスプリング21の一端部2
1aが移動すると直ちにピニオン12及び係合突起体2
5が回転して、係合突起体25が一端部21aに当接し
て保持される。 【0023】そして、リンク4とセクターギヤ5とがあ
る程度まで屈曲した状態に達すると、スプリングばね1
0の付勢力は作用しなくなるが、ブラケット2を介して
作用する荷重がリンク4を下降側に回転付勢するように
なるため、同様にして、シートパン1を下降させること
ができる。かくして、図6中の網線部分で示すように、
摩擦力>回転力の範囲内で作動するスプリングばね10
を用いることにより、ピニオン12及びセクターギヤ5
を常に下降方向側に回転付勢することができるため、係
合突起体25をメインスプリング21の一端部21aに
常に当接した状態に保持することができ、シートパン1
が一気に下降することで生じる乗員の不快感を無くすこ
とができる。。 【0024】 【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、シート
パンの最上昇位置付近において、セクターギヤを下降方
向側へ回転付勢するスプリングばねを設けることによ
り、従来セクターギヤの作動範囲として使用できなかっ
た部分までセクターギヤの作動範囲を拡大することがで
きる。これにより、車両用シートリフター装置の昇降範
囲の拡大が図れるとともに、装置の小型化を図ることが
できる。
ター装置に関するもので、特にスプリングブレーキ装置
とリンク機構を用いてシートの前後を昇降可能に支承す
る構造のものにおける改良に関する。 【0002】 【従来の技術】車両の前部座席は、運転乗員の最適運転
姿勢を確保するために、車体床面に対して昇降可能に配
設されるものが多いが、その構造においてはシートクッ
ションを載設するシートパンの左右前後と、車体に載置
したシートスライド装置のアッパーレールに設けたベー
スプレートとの間を回動可能なリンクで連結し、該リン
クを回動させるセクターギヤに噛合するピニオンを備え
たスプリングブレーキ装置をベースプレートに固定して
構成される車両用シートリフター装置が採用されてい
る。 【0003】スプリングブレーキ装置は、ベースプレー
トに固定した筒状ハウジング内に、コアと称する欠円状
のドラムを同軸的に備えたシャフトが回転可能に軸支さ
れ、該ドラムの外周面と筒状ハウジングの内周面との間
にコイルスプリングが介在し、そのコイルスプリングは
筒状ハウジングの内周面に圧接するとともに、その両端
部は、ドラムの欠円部両端面との間に隙間を有するよう
にドラムの欠円部内に突出しており、このコイルスプリ
ングの両端部の間に隙間を形成して係合する係合突起体
と一体的に成形されたピニオンを前記シャフトの一端部
に軸着し、かつ、シャフトの他端部に操作ハンドルを軸
着して形成される。 【0004】したがって、操作ハンドルを回動させる
と、正転時にはシャフトの回転にてコアがコイルスプリ
ングの一端側を縮径しながら係合突起体が回動し、ピニ
オンが噛合する扇形のセクターギヤが回動し、リンクを
起立させてシートパンをベースプレートから上昇させ
る。 【0005】ここで、シートクッションに乗員が着座し
てその荷重が負荷していると、リンクを介しセクターギ
ヤを逆方向へ回動させようとする力が生じるため、セク
ターギヤに噛合するピニオンを介してシャフトが逆回転
しようとするが、係合突起体はコイルスプリングの一端
側を拡径することとなるため、コイルスプリングは筒状
ハウジングの内周面に圧接して大きな摩擦抵抗を生じ、
その摩擦抵抗でシャフトが逆回転するのを阻止すること
により、設定したシートクッションの高さをロックす
る。 【0006】そして、シートクッションの高さを下方に
変更するときは、操作ハンドルを前記とは逆方向へ回転
操作することにより、シャフトが逆回転し、コアがコイ
ルスプリングの他端部を縮径させることによって筒状ハ
ウジングの内周面との圧接を解き、シャフトの逆回転を
許容してピニオンの逆回転が可能となることにより、シ
ートクッション及びシートパンが一体でベースプレート
に向け下降するというものであった。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】ところで、近時の車両
設計において、車両用シートリフター装置にあっては、
ヒップポイントの低下による小型化及び昇降範囲の拡大
などの要請に基づく改良が迫られている。 【0008】しかしながら、昇降範囲の拡大には、セク
ターギヤの大型化又はセクターギヤの作動角の拡大の2
種類の方法があるが、セクターギヤの大型化は上記要請
に反するため、必然的にセクターギヤの作動角を拡大す
る方法を取らざるを得ない。 【0009】そのため、このような設計思想に基づく
と、シートパンの最上昇位置では、リンク及びセクター
ギヤが伸び切っている状態、すなわち、セクターギヤの
回動軸と、セクターギヤとリンクの係合軸及びリンクの
回動軸が一直線状に並んだ状態となる。この状態では、
乗員及びシート自体による荷重が軸中心に向かって作用
し、セクターギヤを回動させる方向には作用しない。す
なわち、最上昇位置付近では、セクターギヤを回動軸に
押さえ付けることにより生じる摩擦力が、セクターギヤ
を回転させようとする回転力よりも大きいという(摩擦
力>回転力)の関係となる。 【0010】そこで、シートパンを下降させるよう操作
ハンドルを回動させると、シャフトの回転にてコイルス
プリングの他端側を縮径しながら回動し、これに伴って
コイルスプリングの一端側も回動する。このとき、係合
突起体は上記摩擦力により回動することができないた
め、係合突起体はコイルスプリングの一端側との間に隙
間を有した状態でコイルスプリングの他端側に押される
状態で回動し、ピニオンを介してセクターギヤが回動
し、リンクを介してシートパンは下降できる。 【0011】しかしながら、ある一点を越えて下降した
とき、回転力>摩擦力の関係となるので、コイルスプリ
ングの他端側に押されて回動していた係合突起体がこの
回転力によってコイルスプリングの一端側に当接するま
で隙間の分だけ回転し、この回転によってシートパンは
一気に下降するため、これが乗員に不快感として作用す
ると言う不具合が発生した。そのため、摩擦力>回転力
の範囲をリフト範囲として使用することができなかっ
た。 【0012】そこで、この発明は上記不具合を解消し、
セクタギヤの回動範囲を広く利用して装置の小型化及び
昇降範囲の拡大を図った車両用シートリフター装置を提
供することを目的とする。 【0013】 【課題を解決するための手段】この発明にかかる車両用
リフター装置は、シートクッションを載設するシートパ
ンと、車体に載置したベースプレートとの間を回動可能
なリンク及びセクターギヤで連結し、セクターギヤに噛
合するピニオンを備えたスプリングブレーキ装置を介し
てセクターギヤを回動させることで前記シートパンを上
下動させる車両用シートリフター装置において、前記セ
クターギヤと前記リンクの回動軸部にスプリングばねを
捲回してその一端部を前記リンク側に、他端部を前記セ
クターギヤ側にそれぞれ係止して、前記リンクを下降方
向へ回転付勢するようにしたことを特徴とする。 【0014】したがって、シートパンの最上昇位置付近
においても、スプリングばねの付勢力でセクターギヤが
下降方向へ回転付勢され、そのセクターギヤに係合する
スプリングブレーキ装置のピニオンが下降方向側へ常に
回転付勢される。そのため、スプリングブレーキ装置の
中でピニオンと一体の係合突起体がスプリングばねの一
端部を常に押す状態が形成されるから、係合突起体がコ
イルスプリングの他端部側から一端部側まで隙間の分だ
け回転することがなくなる。これにより、セクターギヤ
の回動範囲を大きくしても乗員が不快感を感じることが
なくなり、昇降範囲の拡大及び車両用シートリフター装
置の小型化を図ることができる。 【0015】 【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図に
基づき説明する。図1は車両用シートリフター装置の概
略側面図で、1はシートクッション(図示略)を載設す
るシートパン、2はその前部でシートパン1を載設する
ブラケットで軸部3で回動可能にリンク4の上端部を回
動可能に軸支している。5はリンク4の下端部に軸部6
で回動可能に軸着されたセクターギヤで、このセクター
ギヤ5は車体に長手方向で左右一対に載置されたシート
スライド装置のアッパーレールに縦壁状に形成されたベ
ースプレート8に軸部9で回動可能に軸着している。軸
部9に一端部10aを係止して軸部6に向け延長し、軸
部6に捲回して他端部10bを軸部3に向け延長してリ
ンク4の一側端面に係合可能としたスプリングばね10
が配設されている。 【0016】スプリングばね10は、図2に示すよう
に、最下降位置にある状態にあっては、リンク4の一側
端面と他端部10bとの間に隙間を有し、セクターギヤ
5を図中反時計方向に回動させることでリンク4が上方
に持ち上げられて上昇し、図3に示すような状態、すな
わち、軸部3,6,9がほぼ一直線上に並んだ状態まで
回転する過程でリンク4の一側端面と他端部10bが当
接し、さらに上昇することでスプリングばね10が撓ん
でリンク4を図中反時計方向に回転付勢する。このリン
ク4の回転付勢力はセクターギヤ5を図中時計方向へ回
転付勢し、この方向はリンク4を下降させる方向であ
る。 【0017】セクターギヤ5には、軸部9を中心とする
扇形の円弧部に歯部11が形成され、この歯部11に噛
合するピニオン12を備えたスプリングブレーキ装置1
3をベースプレート8に固定してある。 【0018】スプリングブレーキ装置13は、図4に示
すように、前記ベースプレート8の側面に3脚の取付部
19を介して固定する外筒状ハウジング20と、この筒
状ハウジング20内に収容されるコイルスプリング21
及び欠円部22を有するコア23とこのシャフト24の
一端部24aに回転可能に挿通される係合突起体25を
一体的に固着したピニオン12とを備えており、シャフ
ト24は筒状ハウジング20の軸受部20bに回転可能
に支承される。図5に示すように、コイルスプリング2
1はその外周面が外筒状ハウジング20の内周面に接し
ており、その両端部21a,21bは内方に曲げられて
コア23に形成した欠円部22内に配置され、コア23
の両端部23a,23bとコイルスプリング21の両端
部21a,21bの間には所定の隙間を設けている。ま
た、コイルスプリング21の両端部21a,21bの間
には、係合突起体25が隙間を有して配置されている。
筒状ハウジング20から外側に突出したシャフト24の
他端部24bには操作ハンドル26が軸着される。 【0019】なお、シートパン1の後部には、シートパ
ン1を載設するブラケット14に軸部17で回転可能に
支持されたリンク15がベースブラケット8に軸部16
で回動可能に軸支され、リンク15には連結リンク18
の一端部が回動可能に軸着され、連結リンク18の他端
部にはセクターギヤ5aに回動可能に軸着され、セクタ
ーギヤ5aは軸部9aにてベースプレート8に回動可能
に軸支してある。スプリングブレーキ装置13は前記の
ものと同じ構造である。 【0020】次に、上記構成の車両用シートリフター装
置の動作を説明すると、シートクッションを上昇させる
べく、操作ハンドル26を正回転させてシャフト24が
正回転(図5中ロ方向)すると、図5において、コア2
3の端部23aがコイルスプリング21の一端部21a
を矢示ロ方向へ押す一方、係合突起体25は欠円部22
内で一端部21aにて同じ方向へ押されて回転し、この
とき、一端部21aが引かれることでコイルスプリング
21は縮径されるように摺動する。そのため、シャフト
24は筒状ハウジング20内でスムーズに回転し、図2
において、ピニオン12は歯部11を介してセクターギ
ヤ5を軸部9を中心に反時計方向回りに回動させ、リン
ク4の一端部が軸部6の軌跡に沿って移動することでリ
ンク4の他端部を軸支するブラケットが上方へ押し上げ
られてシートパン1を上昇させる。 【0021】シートパン1からリンク4を介しセクター
ギヤ5に入力される乗員の荷重は、セクターギヤ5の歯
部11を介しピニオン12を回転させようとする力に変
換され、係合突起体25はメインスプリング21の一端
部21aを欠円部22内で静止しているコア23の端部
23aに向けて押す(矢示イ方向)ので、一端部21a
と他端部21bの離間距離が拡がるからメインスプリン
グ21は拡径し、メインスプリング21は筒状ハウジン
グ20の内周面20aに圧接して摩擦抵抗が大きくなる
ため、ピニオン12の逆回転が阻止され、シートパン1
は下降することなく設定したシートクッションの高さが
保持される。 【0022】そして、例えばシートパン1をほぼ最高位
に上昇させて、図3に示すように、軸3,6,9が一直
線状に並ぶ手前では、スプリングばね10はリンク4を
下降方向側へ回転付勢している。この状態からシートパ
ン1を下降させるとき、操作ハンドル26を回転操作し
シャフト24を前記とは逆方向へ回転操作すると、コア
23の端部23bがコイルスプリング21の他端部21
bを縮径させるように回転され、これに伴って一端部2
1aも周方向へ回転する。このとき、リンク4及びセク
ターギヤ5はスプリングばね10により下降方向へ回転
付勢されているので、コイルスプリング21の一端部2
1aが移動すると直ちにピニオン12及び係合突起体2
5が回転して、係合突起体25が一端部21aに当接し
て保持される。 【0023】そして、リンク4とセクターギヤ5とがあ
る程度まで屈曲した状態に達すると、スプリングばね1
0の付勢力は作用しなくなるが、ブラケット2を介して
作用する荷重がリンク4を下降側に回転付勢するように
なるため、同様にして、シートパン1を下降させること
ができる。かくして、図6中の網線部分で示すように、
摩擦力>回転力の範囲内で作動するスプリングばね10
を用いることにより、ピニオン12及びセクターギヤ5
を常に下降方向側に回転付勢することができるため、係
合突起体25をメインスプリング21の一端部21aに
常に当接した状態に保持することができ、シートパン1
が一気に下降することで生じる乗員の不快感を無くすこ
とができる。。 【0024】 【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、シート
パンの最上昇位置付近において、セクターギヤを下降方
向側へ回転付勢するスプリングばねを設けることによ
り、従来セクターギヤの作動範囲として使用できなかっ
た部分までセクターギヤの作動範囲を拡大することがで
きる。これにより、車両用シートリフター装置の昇降範
囲の拡大が図れるとともに、装置の小型化を図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示すシートリフター
の構成概要側面図である。 【図2】この発明の要部構成を示す正面図である。 【図3】この発明の作用説明図である。 【図4】スプリングブレーキ装置の分解斜視図である。 【図5】スプリングブレーキ装置の径方向断面図であ
る。 【図6】この発明の作用説明図である。 【符号の説明】 1…シートパン 2…ブラケット 3,6,9…軸部 4…リンク 5…セクターギヤ 8…ベースプレート 10…スプリングばね 11…歯部 12…ピニオン 13…スプリングブレーキ装置 20…筒状ハウジング 21…コイルスプリング 23…コア 24…シャフト 25…係合突起体 26…操作ハンドル
の構成概要側面図である。 【図2】この発明の要部構成を示す正面図である。 【図3】この発明の作用説明図である。 【図4】スプリングブレーキ装置の分解斜視図である。 【図5】スプリングブレーキ装置の径方向断面図であ
る。 【図6】この発明の作用説明図である。 【符号の説明】 1…シートパン 2…ブラケット 3,6,9…軸部 4…リンク 5…セクターギヤ 8…ベースプレート 10…スプリングばね 11…歯部 12…ピニオン 13…スプリングブレーキ装置 20…筒状ハウジング 21…コイルスプリング 23…コア 24…シャフト 25…係合突起体 26…操作ハンドル
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平10−35332(JP,A)
特開 平7−52696(JP,A)
特開 平6−336133(JP,A)
実開 平4−37026(JP,U)
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
B60N 2/00 - 2/72
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 シートクッションを載設するシートパン
と、車体に載置したベースプレートとの間を回動可能な
リンク及びセクターギヤで連結し、セクターギヤに噛合
するピニオンを備えたスプリングブレーキ装置を介して
セクターギヤを回動させることで前記シートパンを上下
動させる車両用シートリフター装置において、前記セク
ターギヤと前記リンクの回動軸部にスプリングばねを捲
回してその一端部を前記リンク側に、他端部を前記セク
ターギヤ側にそれぞれ係止して、前記リンクを下降方向
へ回転付勢するようにしたことを特徴とする車両用シー
トリフター装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33353998A JP3396174B2 (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | 車両用シートリフター装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33353998A JP3396174B2 (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | 車両用シートリフター装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000158985A JP2000158985A (ja) | 2000-06-13 |
| JP3396174B2 true JP3396174B2 (ja) | 2003-04-14 |
Family
ID=18267187
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33353998A Expired - Fee Related JP3396174B2 (ja) | 1998-11-25 | 1998-11-25 | 車両用シートリフター装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3396174B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10142962C2 (de) * | 2001-09-01 | 2003-10-02 | Keiper Gmbh & Co Kg | Fahrzeugsitz mit Neigungseinsteller |
-
1998
- 1998-11-25 JP JP33353998A patent/JP3396174B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000158985A (ja) | 2000-06-13 |
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