JP3400518B2 - 沸騰水型原子力発電プラントの水質制御方法 - Google Patents

沸騰水型原子力発電プラントの水質制御方法

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JP3400518B2
JP3400518B2 JP01256994A JP1256994A JP3400518B2 JP 3400518 B2 JP3400518 B2 JP 3400518B2 JP 01256994 A JP01256994 A JP 01256994A JP 1256994 A JP1256994 A JP 1256994A JP 3400518 B2 JP3400518 B2 JP 3400518B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は沸騰水型原子力発電プラ
ントおよび水質制御方法に係り、特に制御棒駆動機構
(CRD)ハウジングや炉内計装管(ICM)ハウジン
グなどのように原子炉底部領域に設けられた構造物材料
(ステンレス材)の応力腐食割れ(SCC)亀裂進展遅
延、及び原子炉冷却材浄化系等の炉廻りの炭素鋼材料の
減肉を抑制するのに好適な水素注入を制御する沸騰水型
原子力発電プラント水質制御方法に関する。 【0002】 【従来の技術】一般に沸騰水型原子力発電プラントの炉
内では水の放射性分解により酸素分子と水素分子が生
じ、原子炉底部における酸素濃度と過酸化水素濃度とで
定義される実効酸素濃度が運転中に原子炉再循環系で約
200ppbにまで上昇する。この実効酸素濃度が高い
とステンレス材の応力腐食割れ(SCC)に影響し、そ
の感受性を高めるということが知られている。このた
め、特公昭63−19838号公報に記載のように、一
次冷却水の腐食電位、溶存酸素及び溶存水素を測定し、
この各測定値に従い水素注入量を制御することにより水
の放射性分解を抑制し、炉水の溶存酸素濃度を低減する
ことが考えられている。この場合、その公知例に示され
るように一次冷却水の測定は原子炉再循環系や給水系な
どにサンプリングラインを設けて行なうのが一般的であ
る。 【0003】また、特開平3−85495号公報に記載
のように、原子力発電プラントにおいて、原子炉底部に
設けたボトムドレインラインにサンプリングラインを接
続し、このサンプリングラインを介して原子炉底部の水
質を腐食環境モニターを用いて直接測定し、水素注入量
を制御するものがある。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には次のような問題がある。特公昭63−198
38号公報に記載の従来技術では、上記のように原子炉
水を原子炉再循環系に設けた溶存酸素濃度測定装置の測
定結果に基づいて給水系の水素注入量を制御している。
しかしながら、原子炉底部の水質が原子炉再循環系の水
質と多少異なり、原子炉再循環系の溶存酸素濃度を制御
しても原子炉底部の溶存酸素濃度を正確には制御できな
い。このため、CRDハウジングやICMハウジングな
どのように原子炉底部に設けられた構造物材料のSCC
の抑制が適切とはいえなかった。また、ステンレス材の
Cの進展を遅延させるには炉水の溶存酸素濃度を低
減すればよいが、原子炉底部に接続された配管や原子炉
冷却材浄化系の配管機器には炭素鋼材料を使用している
プラントの場合、溶存酸素濃度が下がりすぎると炭素鋼
の腐食が促進する。このため原子炉底部の溶存酸素濃度
を正確に制御できないとその溶存酸素濃度が下がりす
ぎ、炭素鋼材料の腐食が促進される懸念もあった。 【0005】また、特開平3−85495号公報記載の
従来技術では、圧力容器ボトムドレインラインの水質を
測定しながら給水系の水素注入量を制御している。しか
し、炉底部のボトムドレインにサンプリングラインを設
けることは沈降性クラッドによる配管内の閉塞や線量率
の上昇等の心配があり、モニターの信頼性維持及び機器
のメインテナンスに困難が予想され、長期間の使用には
適していない。長期的なモニタリングの方法としては従
来通りの再循環系、給水系などにサンプリングラインを
設けることが望ましい。 【0006】本発明の目的は、炉底部の実効酸素濃度を
正確に制御しその実効酸素濃度を適正に維持することに
より、原子炉底部機器などの腐食環境を適正に緩和する
ことのできる沸騰水型原子力発電プラントの水質制御方
法を提供することにある。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によれば、原子炉底部に接続された配管や原
子炉冷却材浄化系の配管機器に炭素鋼材料を使用してい
沸騰水型原子力発電プラントの水質制御方法におい
て、原子炉再循環系または原子炉冷却材浄化系におい
て、酸素濃度と過酸化水素濃度とで定義される実効酸素
濃度を測定すること、予め求めておいた原子炉再循環系
または原子炉冷却材浄化系の実効酸素濃度と原子炉底部
の実効酸素濃度との相関に基づいて、前記測定値から原
子炉底部の実効酸素濃度を求めること、該求めた原子炉
底部の実効酸素濃度が15ppb以上50ppb以下の
範囲内になるように原子炉水中への水素の注入量を制御
することを特徴とする沸騰水型原子力発電プラントの水
質制御方法が提供される。 【0008】 【0009】 【0010】 【0011】 【0012】 【0013】 【0014】 【作用】本願発明者等による原子炉内の水質の解析評価
の結果、原子炉再循環系又は原子炉冷却材浄化系の実効
酸素濃度と原子炉底部の実効酸素濃度と給水系の水素濃
度との間の相関を定量的に把握できることが分かった。
本発明はこの知見に基づくものであり原子炉再循環系
または原子炉冷却材浄化系の実効酸素濃度と原子炉底部
の実効酸素濃度との相関を予め求めておき、実効酸素濃
度の測定はメインテナンスが容易である原子炉再循環系
または原子炉冷却材浄化系で行い、前記相関に基づいて
その原子炉再循環系または原子炉冷却材浄化系の酸素濃
度の測定値から原子炉底部の実効酸素濃度を求め、原子
炉底部の実効酸素濃度が所定の範囲内(すなわち適正な
範囲内)となるよう水素の注入量を制御する 【0015】このように相関を用いて水素の注入量を制
御することにより、原子炉底部の腐食環境を監視しなが
ら水素注入量を制御することになるので、取替が困難な
原子炉底部の機器に対してより正確な水質制御をするこ
とが可能であり、また注入量は必要最小限(すなわち適
正な注入量)に制御されることになり、原子炉底部領域
の構造物材料のSCC亀裂進展を遅延させかつ原子炉冷
却材浄化系等の炉廻りの炭素鋼材料の腐食減肉を抑制す
ることができる。また、サンプリングラインの設置位置
は原子炉再循環系または原子炉冷却材浄化系に限定され
るので、水質の計測装置のメンテナンス等についても通
常運転中に接近が可能な原子炉格納容器外の原子炉建屋
内に設置できるため、炉底部からの接続ラインの計測系
にくらべて極めて容易である。また、機器の信頼性維持
も容易である。 【0016】また、実験データより、水素注入によって
溶存酸素濃度を50ppb以下に下げると、SCCの亀
裂進展速度は通常の1/10程度にまで下がり、実効酸
素濃度を15ppb以下に下げると炭素鋼の腐食速度は
上昇しはじめ、実効酸素濃度を5ppb以下にまで下げ
ると、炭素鋼の腐食速度は数百mdmまで上昇すること
が分かった。 【0017】したがって、炉底部に接続された配管や原
子炉冷却材浄化系の配管機器に炭素鋼材料を使用してい
るプラントに対し、実効酸素濃度の制御範囲を5ppb
〜50ppb、より好ましくは、15ppb≦[O
eff≦50ppb とすることにより腐食を抑制また
は防止することが可能となる。 【0018】 【0019】 【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。まず、本発明の第1の実施例による沸騰水型原子力
発電プラントの水質制御方法及び沸騰水型発電プラント
を図1から図10を用いて説明する。図1において、本
実施例の沸騰水型原子力発電プラントは、原子炉1と、
主蒸気管P1と、原子炉1から発生した蒸気が主蒸気管
P1を介して送られ発電機を駆動するタービン2と、タ
ービン2下部の復水器2aで回収された復水を原子炉1
へと循環させて戻す給水系50と、原子炉1内の炉心を
濾過した炉水を炉心底部に戻す原子炉再循環系51と、
原子炉再循環系51から分岐し炉水を浄化して給水系5
0に戻す原子炉冷却材浄化系52と、炉水の水抜きを目
的とした原子炉ボトムドレイン系53とを備えている。
給水系50は、復水ポンプ23と、復水浄化装置3と、
給水加熱器4A,4Bと、供給ポンプ20と、それらを
つなぐ配管P2〜P7とで構成されている。原子炉再循
環系51は、再循環ポンプ21と、再循環ポンプ21を
原子炉1につなぐ配管P8,P9とで構成されている。
原子炉冷却材浄化系52は浄化系ポンプ24と、浄化水
加熱器5A,5Bと、濾過脱塩器6と、これらをつなぐ
配管P17〜P23で構成されている。原子炉ボトムド
レイン系53はドレインラインを構成する配管P12〜
P14及びバルブ31,32とで構成されている。ドレ
ンラインの配管P12からはバルブ33を備えた配管P
15,P16が分岐し、配管P16は原子炉冷却材浄化
系52に接続され、原子炉冷却水も原子炉冷却材浄化系
52により一部浄化が行なわれる。また、本実施例のプ
ラントは、上記構成に加え、原子炉底部の水質を制御す
るための水素注入系54を備えている。この水素注入系
54は、原子炉冷却材浄化系52より分岐しサンプリン
グラインを構成する配管P24,P25及びバルブ35
と、このサンプリングラインの末端に設置されたO2
ニター11と、O2モニター11の検出値を用いて原子
炉再循環系の酸素濃度[O2]と過酸化水素濃度[H2
2]で定義される実効酸素濃度[O2effの値を原子炉
底部の実効酸素濃度に換算する制御装置12と、給水系
50に設置された水素注入設備55とを備えている。水
素注入設備55は水素供給源13と、水素供給源13を
給水系50につなげる配管P26,P27,及びバルブ
36とで構成される水素注入ラインとを有している。バ
ルブ36は制御装置12から出力される電気信号に応じ
て開度が制御されるものであり、制御装置12は上記換
算して求めた原子炉底部での実効酸素濃度に応じてバル
ブ36の開度を制御するための電気信号を発生する。 【0020】O2モニター11で測定される原子炉水の
酸素濃度と過酸化水素濃度とで決定される実効酸素濃度
は、過酸化水素濃度[H22]の化学量論比を考慮し
て、以下の式で定義される。 [O2eff=[O2]+1/2[H22] ただし[O2eff:実効酸素濃度 [O2]:酸素濃度 [H22]:過酸化水素濃度 通常は、H22はサンプリングラインP24,P25で
ほぼ完全に分解するため、O2モニター11により
[O2]+1/2[H22]に相当する溶存酸素濃度を測
定することができる。なお、本実施例では原子炉冷却材
浄化系52からサンプリングラインを分岐させ実効酸素
濃度の測定を行う構成としたが、原子炉再循環系51か
らサンプリングラインを分岐し、実効酸素濃度を測定す
る構成としてもよい。 【0021】制御装置12の制御機能の詳細を図2に示
すフローチャートを用いて説明する。O2モニター11
により原子炉再循環系の実効酸素濃度が測定され、その
電気信号が制御装置12に入力されると(ステップ10
0)、その実効酸素濃度の測定値を図3に示す原子炉再
循環系の実効酸素濃度と原子炉底部の実効酸素濃度との
相関に基づいて変換し、原子炉底部の実効酸素濃度を求
める(ステップ101)。この原子炉再循環系の実効酸
素濃度と原子炉底部の実効酸素濃度との相関は予め解析
又は実験により求めておいたものをメモリーに記憶させ
たものである。このようにして求めた原子炉底部の実効
酸素濃度が5ppb以上かどうかを判断し(ステップ1
02)、実効酸素濃度が5ppb未満と判断されるとバ
ルブ36の開度を小さくする電気信号を発生し、水素注
入設備55から給水系への水素の注入量を減少させる
(ステップ103)。 【0022】一方、実効酸素濃度が5ppb以上と判断
されると、実効酸素濃度が50ppb以上かどうかを判
断し(ステップ104)、実効酸素濃度が50ppb以
下と判断されると、バルブ36の開度を保持する電気信
号を発生し、水素注入設備55からの水素の注入量を保
持する(ステップ105)。 【0023】また、原子炉底部の実効酸素濃度が50p
pb以上と判断されると、バルブ36の開度を大きくす
る電気信号を発生し、水素注入設備55から給水系への
水素の注入量を増大させる(ステップ106)。 【0024】バルブ36の開度の制御による水素注入量
の制御は水素注入量と水質(実効酸素濃度)の相関を制
御装置12に予め入力しておくことにより実施可能であ
る。このようにして本実施例では原子炉底部の実効酸素
濃度が5ppb〜50ppbの範囲内となるよう制御さ
れる。 【0025】次に、本実施例におけるプラント水質制御
方法の考え方及び作用効果を説明する。最近の水放射線
分解解析によるモデル計算結果によれば、原子炉内の水
質分布は図4に示すように炉内の各領域で大きく異なる
のが特徴となっている。また、図5にも示すように、ジ
ェットポンプを有するプラントの評価例では原子炉の底
部と他の領域の水質が異なっている。この図5は給水に
0.4ppmの水素を注入した場合における原子炉内の
水質のモデル解析結果の例を示したものである。モデル
解析は反応定数等に一部仮定を含んでいるものの解析結
果は実測値に比較的良く一致することが一般に知られて
いる。さらに、原子炉再循環系と原子炉底部の溶存酸素
濃度は最近の調査では図6に示すようにかなり異なるこ
とが分かってきた。これはダウンカマ部における酸素、
過酸化水素と水素の再結合効果によるものであり、特に
流速が高いジェットポンプを有するプラントではダウン
カマ領域における再結合効果が劣るため、炉底部の実効
酸素濃度が高くなるものである。 【0026】これらのことから分かるように、水素注入
量に対する炉水溶存酸素の低減効果も炉内の位置によっ
て異なるため、この点を考慮したモニタリングシステム
が必要である。また、図4及び図5に示すように、原子
炉再循環系又は原子炉冷却材浄化系の実効酸素濃度と原
子炉底部の実効酸素濃度と給水系の水素濃度との間の相
関を定量的に把握できることも分かった。 【0027】一方、プラントに設置できるサンプリング
ラインはモニター信頼性の維持及びメインテナンスの容
易性を考慮すると設置位置は限定されることから、これ
らの限定された位置での測定値に基づいて水素の注入量
を制御することが望ましい。本実施例はまず以上の知見
に基づいており、予め図3に示すような原子炉再循環系
または原子炉冷却材浄化系と炉底部の実効酸素濃度の相
関を求めておき、メインテナンスが容易である原子炉再
循環系あるいは冷却材浄化系における酸素濃度測定値を
指標として水素の注入量を制御することにより、原子炉
底部の水質を正確に制御することが可能となる。また、
サンプリングラインの設置位置は原子炉再循環系または
原子炉冷却材浄化系に限定されるので、水質の計測装置
のメンテナンス等についても通常運転中に接近が可能な
原子炉格納容器外の原子炉建屋内に設置できるため、炉
底部からの接続ラインの計測系にくらべて極めて容易で
ある。また、機器の信頼性維持も容易である。 【0028】図3に示す相関は解析又は試験のいずれに
よって求めてもよい。図は、図6に示す解析と同様の
モデル解析により、再循環系の実効酸素濃度と原子炉底
部の実効酸素濃度との相関を求めたものである。図3に
示す相関を解析で求める場合、図に示す相関の相関の
平均値をとることにより求められる。 【0029】原子炉再循環系の実効酸素濃度と原子炉底
部の実効酸素濃度との相関を試験で求める場合は、短期
的な注入試験により、水素の注入量を給水水素濃度が例
えば0ppmから約2.4ppmまで段階的に変わるよ
うに変化させて求めることができる。この場合、短期試
験時の測定系は特開平3−85495号公報に示すよう
な圧力容器ボトムドレイン配管または炉底部にサンプリ
ングラインを仮設にて設けて対処することができる。 【0030】一方、原子炉底部の水質を制御する場合、
原子炉底部SC抑制及び炭素鋼腐食減肉抑制の視点か
ら実効酸素濃度の制御範囲を把握しておくことが重要で
ある。図8に実験データ等から得た溶存酸素濃度とステ
ンレス鋼のSCCによる亀裂進展速度の関係を示す。こ
の図から、水素注入によって溶存酸素濃度を50ppb
以下に下げれば、SCCの亀裂進展速度は通常の1/1
0程度にまで下がることが分かる。一方、図9は、実効
酸素濃度に対する炭素鋼の腐食率を示す図である。この
図9に示す実験データから、実効酸素濃度を15ppb
以下に下げると炭素鋼の腐食速度は上昇し始め、5pp
b以下にまで下げると、炭素鋼の腐食速度は数百mdm
(mg/dm2・mo)(配管厚さ2mm程度)まで上昇する
ことが分かる。実際に炉底部に接続された配管や原子炉
冷却材浄化系の配管機器は炭素鋼材料を使用しているプ
ラントがあり、このようなプラントで水素注入を行う場
合、その点を考慮しておく必要がある。 【0031】本実施例は以上の知見にも基づいており、
図8及び図9の結果から原子炉底部の実効酸素濃度が5
ppb〜50ppbになるように水素の注入量を制御す
る。この考え方をまとめて示したの図10である。す
なわち、水素注入の導入に際して相反する2つの条件を
考慮する。1の条件は、原子炉底部領域の構造物材料の
SCC亀裂進展遅延であり、耐SCC寿命を改善するた
めに炉底部の実効酸素濃度を50ppb以下にする。も
う1つの条件は、ボトムドレイン配管の腐食防止であ
り、炭素鋼配管減肉抑制のために炉底部の実効酸素濃度
を5ppb以上にする。よって、炉底部に接続された配
管や原子炉冷却材浄化系の配管機器に炭素鋼材料を使用
しているプラントの場合、5ppb≦[O2eff≦50
ppb となるように水素注入量を制御することによ
り、最小量の水素注入量で原子炉圧力容器底部材料のS
CC亀裂進展遅延させ、かつ原子炉周りの炭素鋼材料の
腐食減肉を防止することができる。 【0032】以上のように本実施例によれば、沸騰水型
原子力発電プラントにおけるCRDハウジングやICM
ハウジングなどの原炉底部の実効酸素濃度を正確に制
御することができるので、適正な水素注入量によって原
子炉底部の実効酸素濃度を適正範囲に維持することがで
きる。したがって、原子炉底部領域の構造物材料のSC
C亀裂進展を遅延させるなど原子炉底部機器などの腐食
環境を緩和することが可能となり、取替が困難な原子炉
底部の機器材料の健全性を維持することができる。 【0033】また、原子炉底部に接続された配管や原子
炉冷却材浄化系の配管機器には炭素鋼材料を使用してい
るプラントの場合、実効酸素濃度の制御範囲を5ppb
≦[O2eff≦50ppbとすることにより炭素鋼材料
の腐食減肉を確実に防止もしくは抑制することが可能と
なる。 【0034】また、原子炉再循環系や給水系統に設置し
ている従来のサンプリングラインを使用可能であるため
新たなサンプリングラインの設置は不要である。また炉
底部に接続したサンプリングラインに比べて沈降性クラ
ッドが蓄積し線量率が上昇する可能性も少なく、システ
ム、計器、等のメインテナンスが容易であり、さらに信
頼性維持も容易である。なお、上記実施例では、実効酸
素濃度を5ppb〜50ppbの範囲で制御したが、炭
素鋼材料の腐食をより一層抑制するためには、図9の解
析結果より15ppb〜50ppbの範囲で制御するの
が好ましい。また、炭素鋼材料の肉厚は設計段階で約数
mmの腐食代を考慮しており5ppb≦[O2eff≦1
5ppbとした場合に腐食は進行することは予想される
が、定期的に適切な腐食監視を行いながらプラント運転
寿命期間中に腐食代が十分な余裕を持つことを確認しな
がら対応することが代案として考えられる。したがって
実効酸素濃度を5ppbから15ppbとすることも可
能である。 【0035】本発明の第2実施例を図11〜図13を用
いて説明する。図11において、図1に示す部材と同等
の部材には同じ符号を付している。本実施のプラント
は、原子炉底部の水質を制御するための水素注入系54
Aを備えている。この水素注入系54Aは、給水系50
より分岐しサンプリングラインを構成する配管P26,
P27及びバルブ36と、このサンプリングラインの末
端に設置されたH2モニター14と、H2モニター14に
よる給水系50の水素濃度の検出値を原子炉底部の実効
酸素濃度に換算する制御装置12Aと、給水系50に設
置された水素注入設備55とを備えている。バルブ36
は制御装置12Aから出力される電気信号に応じて開度
が制御されるものであり、制御装置12Aは上記換算し
て求めた原子炉底部での実効酸素濃度に応じてバルブ3
6の開度を制御するための電気信号を発生する。 【0036】制御装置12Aの制御機能の詳細を図12
に示すフローチャートを用いて説明する。H2モニター
14により給水系50の水素濃度が測定され、その電気
信号が制御装置12Aに入力されると(ステップ30
0)、その水素濃度の測定値を図13に示す給水系の水
素濃度と原子炉底部の実効酸素濃度との相関に基づいて
変換し、原子炉底部の実効酸素濃度を求める(ステップ
301)。この給水系の水素濃度と原子炉底部の実効酸
素濃度との相関も予め解析又は試験により求めておいた
ものをメモリーに記憶させたものである。この後の操作
は第1実施例と同じである。すなわち、求めた原子炉底
部の実効酸素濃度が5ppb以上かどうかを判断し(ス
テップ302)、実効酸素濃度が5ppb未満と判断さ
れるとバルブ36の開度を小さくする電気信号を発生
し、水素注入設備55から給水系50への水素の注入量
を減少させる(ステップ303)。実効酸素濃度が5p
pb以上と判断されると、実効酸素濃度が50ppb以
上かどうかを判断し(ステップ304)実行酸素濃度が
50ppb以下と判断されると、バルブ36の開度を保
持する電気信号を発生し、水素注入設備55からの水素
の注入量を保持する(ステップ305)。原子炉底部の
実効酸素濃度が50ppb以上と判断されると、バルブ
36の開度を大きくする電気信号を発生し、水素注入設
備55から給水系への水素の注入量を増大させる(ステ
ップ306)。このようにして本実施例でも原子炉底部
の実効酸素濃度が5ppb〜50ppbの範囲内となる
よう制御される。図13に示す相関は解析又は試験のい
ずれかによって求めてもよい。図13に示す相関を解析
で求める場合、図6に示す原子炉底部水についての給水
水素濃度と炉内溶存酸素の平均値をとることにより求め
られる。また、試験により求める場合は、短期的な注入
試験により、水素の注入量を給水水素濃度が例えば0p
pmから約2.4ppmまで段階的に変わるように変化
させて、原子炉底部の実効酸素濃度を測定することで求
められる。 【0037】本実施例によっても第1の実施例と同様の
効果を得ることができる。また、本実施例によれば、給
水の水素濃度を直接的に制御するためより給水濃度に対
して安定な注入運転が期待できる。 【0038】本発明の第3実施例を図14を用いて説明
する。本実施例は、第1の実施例において、炭素鋼材料
の腐食を監視するものである。すなわち、図14におい
て、O2モニター11には腐食モニター15が配管P2
8を介して接続されている。この腐食モニター15は炭
素鋼材料の腐食率を測定し腐食速度を監視するものであ
る。腐食モニター15としては例えば超音波計測計を用
い、その検出信号を制御装置12に入力し、計測結果を
知らしめる。腐食モニターとしては腐食試験片を侵漬
し、その腐食状態を監視してもよい。これより炭素鋼の
腐食防止に関してより信頼性の高い運転が可能である。 【0039】また、本実施例では、実効酸素濃度を5p
pb以下にまで下げると炭素鋼の腐食速度は数百mdm
まで上昇することを考慮して、実際に炉底部に接続され
た配管や原子炉冷却材浄化系の炭素鋼材料を使用してい
る配管機器の近傍で腐食を監視するものである。これに
より、第1の実施例で述べたように、炉底部の実効酸素
濃度が5ppb〜15ppbの範囲内となるように制御
する場合でも適切な腐食監視を行いながらプラント運転
寿命期間中に腐食代が十分な余裕を持つことを確認しな
がら対応することができる。 【0040】 【発明の効果】本発明によれば、炉底部の実効酸素濃度
を正確に制御できるので、適正な水素 注入量によって炉
底部の実効酸素濃度を適正に維持することが可能とな
る。したがって、CRDハウジングやICMハウジング
などの原子炉底部機器などの腐食環境を適正に緩和する
ことが可能となる。このことにより、取替が困難な原子
炉底部の機器材料の健全性を維持することができる 【0041】また、原子炉再循環系や給水系統に設置し
ている従来のサンプリングラインを使用可能であるため
新たなサンプリングラインの設置は不要である。また、
炉底部に接続したサンプリングラインに比べて沈降性ク
ラッドが蓄積し線量率が上昇する可能性も少なく、シス
テム、計器、等のメインテナンスが容易であり、さらに
モニターの信頼性維持が可能である。 【0042】さらに、炉底部に接続された配管や原子炉
冷却材浄化系の配管機器に炭素鋼材料を使用しているプ
ラントに対し、実効酸素濃度の制御範囲を15ppb以
上50ppb以下とすることにより、原子炉底部SCC
の抑制に加え、炭素鋼材料の腐食減肉を確実に防止もし
くは抑制することが可能となった。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1実施例の沸騰水型原子力発電プラ
ントの概略図である。 【図2】本発明の第1実施例の動作フローチャートであ
る。 【図3】第1実施例の原子炉再循環系の実効酸素濃度と
原子炉底部の実効酸素濃度との相関を示す図である。 【図4】原子炉内における実効酸素濃度の分布を示す図
である。 【図5】原子炉内部の代表点における給水水素の濃度に
対する実効酸素濃度の変化を示す図である。 【図6】解析から求められた給水系の水素濃度と原子炉
底部の実効酸素濃度との相関を示す図である。 【図7】解析から求められた原子炉再循環系の実効酸素
濃度と原子炉底部の実効酸素濃度との相関を示す図であ
る。 【図8】実効酸素濃度に対するSCC遅延速度相対比を
示す図である。 【図9】実効酸素濃度に対する炭素鋼の腐食率を示す図
である。 【図10】水素注入量制御範囲の考え方を示す図であ
る。 【図11】本発明の第2実施例の全体概略図である。 【図12】本発明の第2実施例の動作フローチャートで
ある。 【図13】第2実施例の給水系の水素濃度と原子炉底部
の実効酸素濃度との相関を示す図である。 【図14】本発明の第3実施例の全体概略図である。 【符号の説明】 1 原子炉 2 タービン 3 復水浄化装置 4A,4B 給水加熱器 5A,5B 浄化系加熱器 6 濾過脱塩器 11 O2モニター 12 制御装置 13 水素供給源 14 H2モニター 15 腐食モニター 50 給水系 51 原子炉再循環系 52 原子炉冷却系 53 原子炉ボトムドレイン系 54 水素注入系 55 水素注入設備
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大角 克己 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 服部 成雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (72)発明者 安藤 昌視 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式 会社 日立製作所 日立工場内 (56)参考文献 特開 平5−100087(JP,A) 特開 昭64−84192(JP,A) 特開 昭59−220687(JP,A) 特開 平6−3484(JP,A) 特公 昭63−19838(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G21D 3/08 G21D 1/00 G21D 19/30

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】原子炉底部に接続された配管や原子炉冷却
    材浄化系の配管機器に炭素鋼材料を使用している沸騰水
    型原子力発電プラントの水質制御方法において、 原子炉再循環系または原子炉冷却材浄化系において、酸
    素濃度と過酸化水素濃度とで定義される実効酸素濃度を
    測定すること、 予め求めておいた原子炉再循環系または原子炉冷却材浄
    化系の実効酸素濃度と原子炉底部の実効酸素濃度との相
    関に基づいて、前記測定値から原子炉底部の実効酸素濃
    度を求めること、 該求めた原子炉底部の実効酸素濃度が15ppb以上5
    0ppb以下の範囲内になるように原子炉水中への水素
    の注入量を制御することを特徴とする沸騰水型原子力発
    電プラントの水質制御方法
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RU2566087C1 (ru) * 2014-06-11 2015-10-20 Открытое Акционерное Общество "Акмэ-Инжиниринг" Способ и устройство регулирования концентрации кислорода в реакторной установке и ядерная реакторная установка

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