JP3402964B2 - ロケットエンジン点火器 - Google Patents

ロケットエンジン点火器

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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、地上から打上げら
れるロケット等の推進力を発生させる、ロケットエンジ
ンの燃焼器に供給される推進ガスの着火を行うロケット
エンジン点火器に関する。 【0002】 【従来の技術】地上から宇宙空間等に打上げられるロケ
ット等に装備されるロケットエンジンの着火には、従
来、図3に示されるようなロケットエンジン点火器が使
用されている。 【0003】このような点火器では、ガス化されて、ロ
ケットエンジンの燃焼器に供給される推進ガスとなる液
化水素LH2 等の液体燃料と、および液化酸素LOX等
の液体酸化剤とを、それぞれ貯蔵する図示省略した燃料
タンク、および酸化剤タンクに、それぞれ連結する燃料
管01、および酸化剤管04を設け、これらの燃料管0
1および酸化剤管04に、それぞれ介装された燃料バル
ブ02および酸化剤バルブ05を開放することにより、
これらのタンク内に貯蔵されている液体燃料、および液
体酸化剤の一部を抽出し、燃料バルブ02および酸化剤
バルブ05と同様に、燃料管01および酸化剤管04の
それぞれに介装された燃料用熱交換器03、および酸化
剤用熱交換器06に導入、供給するようにしている。 【0004】また、これらの熱交換器03,06で、ガ
ス化された燃料GH2 および酸化剤GOXは、点火器筒
07内に導入され、点火器筒07に配設されたエキサイ
タ08で点火され、その燃焼ガスCGは点火器筒07の
先端から、図示省略したロケットエンジンの燃焼器に供
給され、燃焼器に別途供給された推進ガス、すなわち、
この事例では、上述した燃料タンク、および酸化剤タン
クから別途取り出され、燃料用熱交換器03、酸化剤熱
交換器06とは別に設けられた熱交換器、又はロケット
エンジンのスカート等のハードの熱マスでガス化された
燃料ガス、および酸化剤ガスからなる推進ガスの着火を
行うようにしている。 【0005】しかしながら、このようなロケットエンジ
ン点火器では、次の不具合がある。 (1) 燃料管01および酸化剤管04からなる長い配
管と、これらの配管01,04にそれぞれ介装される燃
料用熱交換器03、および酸化剤用熱交換器06からな
る熱交換器を必要とすることによる不具合がある。 【0006】すなわち、極低温の液化酸素LOXを貯蔵
する酸化剤タンク、および極低温の液化水素LH2 を貯
蔵する燃料タンクと、点火器筒08とが離れて配置され
ており燃料管01および酸化剤管04の長さが長くなる
ため、これらの配管01,04に要するコストが大きく
なるとともに、これらの配管01,04を配設する空間
が狭いことなどにより、作業コストが大きくなる不具
合、および重量増加によるロケット性能の低下の不具合
がある。特に、酸化剤管04は、酸化剤タンクと燃料タ
ンクがロケットの機体軸方向に直列に配置され、ロケッ
トの打上げ状態において、ロケットエンジンの上方に配
設される燃料タンクのさらに上方に酸化剤タンクを配置
するようにしているため、長さが長くなり、上述した不
具合を顕著なものにする。 【0007】同様に、これらの配管01,04の途中に
介装される熱交換器03,06に要するコストが嵩むと
ともに、配設に要する作業コストが嵩む不具合があると
ともに、ロケットの重量増加を招くという不具合もあ
る。さらに、これらの熱交換器03,06は、ロケット
エンジンで発生する燃焼ガスと金属の壁1枚隔てて、液
体燃料、あるいは液体酸化剤を流すことにより、熱交換
してガス化するようにしているため、何等かの原因によ
り、壁から燃料あるいは酸化剤が燃焼ガス中にリーク
し、高温ガスが燃料あるいは酸化剤と接し、爆発的な破
壊を引き起こし、これに伴いロケットエンジンが破壊さ
れる可能性があるというリスクもある。 【0008】(2) また、着火用の燃焼ガスCGを発
生させるために、燃料タンク内の液化水素LH2 の一
部、および酸化剤タンク内の液化酸化剤LOXの一部を
使用することによる不具合もある。すなわち、燃料タン
ク内の液化水素LH2 、および酸化剤タンク内の液化酸
素LOXは、ロケットエンジンにも、上述したようにし
て供給されているため、ロケットエンジンの立上り状況
によっては、燃料タンク内および酸化剤タンク内の圧力
が変動し、燃料用熱交換器03および酸化剤熱交換器0
6に供給される液化水素LH2 、および液化酸素LOX
の供給量が変動する。 【0009】また、これらの熱交換器03,06が、上
述したように、ロケットエンジンの燃焼ガスとの熱交換
によって、液化水素LH2 および液化酸化剤LOXをガ
ス化するようにしているため、ロケットエンジンの立上
り状況によっては、熱交換量が左右され、これらの熱交
換器03,06から点火器筒07内に供給される、ガス
化された燃料GH2 、および酸化剤GOXの供給量が変
動することが考えられる。このため、ロケットエンジン
の始動時のシステムが複雑になるとともに、始動時のロ
ケットエンジンシ−ケンスの設定が難しくなるという不
具合もある。 【0010】また、ロケットエンジン点火器には、上述
した液体燃料と液体酸化剤からなる、いわゆる液体推進
薬を使用するものの外に、固体推進薬を使用するように
したものもあるが、固体推進薬を使用する場合、燃焼生
成物による不具合が発生する可能性がある。すなわち、
点火器筒07内で発生した燃焼ガス等の生成物は、ロケ
ットエンジンの燃焼器へ流出するため、燃焼ガスととも
に生成された固形生成物が燃焼器における推進ガスの燃
焼に種々の不具合を発生させる可能性もある。さらに、
固体推進薬を使用する場合、一たん点火すると液体推進
薬のように、バルブ操作による燃焼制御ができないた
め、再使用ができないという不具合もある。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来から使
用されている液体推進剤を使用したロケットエンジン点
火器の上述した不具合を解消するため、ロケットエンジ
ン破壊のリスクをなくし、ロケットエンジンの始動シ−
ケンスを単純化して、設定を容易にし、また装置コス
ト、および作業コストを低減できるロケットエンジン点
火器を提供することを課題とする。 【0012】 【課題を解決するための手段】このため、本発明のロケ
ットエンジン点火器は、次の手段とした。 【0013】(1) ガス化された燃料、および酸化剤
を内部に導入し、設置したエキサイタで点火して生じた
燃焼ガスを、ロケットエンジンの燃焼器に供給し、燃焼
器に別途導入される推進ガスの着火を行う燃焼ガスを発
生させるようにした点火器筒に接続されて、内部に封入
した燃料ガスを、点火器筒内に供給するようにした燃料
カートリッジを設けた。 【0014】(2) 上述の燃料カートリッジと同様に
上述の点火器筒に接続されて、内部に封入した酸化剤ガ
スを、点火器筒内に供給するようにした酸化剤カートリ
ッジを設けた。 【0015】なお、燃料カートリッジと酸化剤カートリ
ッジは、独立した別体のカートリッジとすることもで
き、または、1体のカートリッジの内部を仕切り、燃料
ガスと酸化剤ガスを別々の区画に封入し、個別に点火器
筒内に供給できるようにした1体型のカートリッジにす
ることもできる。また、燃料カートリッジおよび酸化剤
カートリッジの容量、および内部に封入する燃料ガス、
又は酸化剤ガスの圧力は、着火を行うロケットエンジン
によって異るが、上述した宇宙空間に打上げられるロケ
ットの第1段ロケットエンジンの着火に使用されるもの
では、70 m/m φ×150 m/m 〜200 m/m 程度
の寸法の円筒形のもので、50kg/cm2 〜100kg/cm
2 程度の燃料ガス、又は酸化剤ガスを封入できるもので
あれば、約10sec 間程度を要する着火に使用すること
ができる。 【0016】また、燃料カートリッジおよび酸化剤カー
トリッジのそれぞれに封入する燃料および酸化剤は、前
述したようにロケットエンジンに供給される推進ガスの
燃料および酸化剤と同じ成分のものを使用するようにし
ても良く、又は別の成分のもの、例えば燃料としては、
メタン、プロパン等、また酸化剤としては酸素成分を多
く含む化合物を使用するようにしても良い。さらに、燃
料カートリッジおよび酸化剤カートリッジと点火器筒と
の接続装置は、着脱自在の機構によって、接続できるよ
うにしたものが好ましい。 【0017】本発明のロケットエンジン点火器は、上述
の手段により、点火器筒内に供給される燃料ガス、およ
び酸化剤ガスを、ガス状態で封入した燃料カートリッ
ジ、および酸化剤カートリッジから供給するので、従来
のロケットエンジンで必要としていた燃料熱交換器、お
よび酸化剤熱交換器が不要になり、コストおよび重量を
低減できるとともに、熱交換時における高温ガスと燃料
/酸化剤が混ざる可能性がなくなり、ロケットエンジン
を破壊するリスクが低減する。 【0018】また、燃料ガスおよび酸化剤ガスを封入し
た燃料カートリッジ、および酸化剤カートリッジを点火
器筒と接続することで、燃料管および酸化剤管の長さを
極端に短くでき、特に、燃料カートリッジおよび酸化剤
カートリッジを点火器筒に直付け機構により接続できる
ものにすれば、これらの燃料管および酸化剤管をなくす
ることができ、コストおよび重量を大幅に低減できる。 【0019】さらに、点火器筒に供給される燃料ガスお
よび酸化剤ガスの供給元が、ロケットエンジンの推進ガ
スの供給元と分離しているため、ロケットエンジンの立
上がり状況に点火器の着火状態が左右されなくなる。こ
れにより、ロケットエンジン始動時のシステムが単純化
でき、始動時のロケットエンジンシ−ケンスの設定が容
易になる。 【0020】また、点火器筒に供給される燃料および酸
化剤の供給元が燃料カートリッジおよび酸化剤カートリ
ッジとしたことにより、容易に交換可能となる。 【0021】 【発明の実施の形態】以下、本発明のロケットエンジン
点火器の実施の一形態を、図面にもとづき説明する。図
1は本発明のロケットエンジン点火器の実施の第1形態
を示す断面図である。 【0022】図に示すように、燃料ガスGH2 と酸化剤
ガスGOXは、内部が仕切られ、2区画にされて、1体
化されたカートリッジ1にそれぞれ封入されている。な
お、本実施の形態では、メタン,プロパン,水素等の燃
料ガスGH2 、および酸素,酸化化合物等の酸化剤ガス
GOXが、それぞれ封入された区画を、便宜上燃料カー
トリッジ11および酸化剤カートリッジ13と呼称する
ことにする。燃料カートリッジ11および酸化剤カート
リッジ13には、それぞれガス通路12,14が設けら
れており、このガス通路12,14により、50kg/cm
2 〜100kg/cm2 程度に加圧された燃料ガスGH2
および酸化剤ガスGOXを内部に封入できるとともに、
封入された燃料ガスGH2 および酸化剤ガスGOXを外
部に排出するようにしている。 【0023】ガス通路12,14の出口には、バルブ2
が設けられるとともに、バルブ2の外側には、外周面に
雄螺設けた接続部3が形成されている。一方燃料ガスG
2 および酸化剤ガスGOXを導入し、図示しないロケ
ットエンジンの燃焼器の着火を行う、燃焼ガスを発生さ
せる点火器筒4には、2又のそれぞれ雌螺を設けた接続
部41,42が設けられている。そして、一方の接続部
41はカートリッジ1の接続部3と螺合し、1体化され
たカートリッジ1を点火器筒4に連結するとともに、他
方の接続口42には、点火器筒4に導入された燃料ガス
GH2 、および酸化剤ガスGOXの点火を行うエキサイ
タ5に設けられた接続部51と同様に螺合し、エキサイ
タ5を点火器筒4に結合するようにしている。 【0024】本実施の形態のロケットエンジン点火器
は、上述のように構成されているので、燃料カートリッ
ジ11および酸化剤カートリッジ13のそれぞれにつめ
られている、50〜100kg/cm2 程度の圧力の燃料ガ
スGH2 と酸化剤ガスGOXは、バルブ2の閉鎖によ
り、流出が止められているが、ロケットエンジン点火器
を使用する場合には、このバルブ2の開放により、燃料
カートリッジ11および酸化剤カートリッジ13にそれ
ぞれ封入されている燃焼ガスGH2 と酸化剤ガスGOX
は、それぞれのカートリッジ11,13に設けられたガ
ス通路12,14を通って、独立に点火器筒4内に導入
され、点火器筒4内で混合し、可燃混合気となる。 【0025】この点火器筒4内に形成された可燃混合気
に、エキサイタ5より火花を飛ばすことにより、可燃混
合気は着火し、燃焼ガスCGとなる。燃焼ガスCGは、
点火器筒の先端からの噴出し、ロケットエンジンの燃
焼器に導入され、燃焼器に別々に導入される燃料および
酸化剤が混合した、推進ガスの着火を行う点火装置とし
て作用する。 【0026】このように、本実施の形態のロケットエン
ジン点火器は、点火器筒4内に供給される燃料ガスGH
2 、および酸化剤ガスGOXを、ガス状態で内部に封入
し、接続部3を接続部41に接続し、点火器筒4に直付
された燃料カートリッジ11、および酸化剤カートリッ
ジ13から供給するので、従来のロケットエンジン点火
器で必要としていた燃料熱交換器03、および酸化剤熱
交換器06が不要になり、これらの熱交換器03,06
に要するコスト,若しくは、これらの熱交換器03,0
6の取付に要する作業コストをなくすることができると
ともに、ロケット機体の重量を軽減することができる。 【0027】また、これらの熱交換器03,06の熱交
換時に発生する可能性があった、高温のロケットエンジ
ンの燃焼ガスと燃料ガスGH2 、又は燃焼ガスと酸化剤
ガスGOXが混ざる可能性がなくなり、ロケットエンジ
ンが破壊するリスクを完全に回避できる。また、従来の
ロケットエンジン点火器で必要としていた燃料管01、
および酸化剤管04を完全になくすることができ、これ
らの燃料管01,酸化剤管に要するコスト,若しくはこ
れらを配設するために要する作業コストをなくすること
ができるとともに、ロケット機体の重量を軽減できる。 【0028】さらに、点火器筒4に供給される燃料ガス
GH2 、および酸化剤ガスGOXの供給元が、ロケット
エンジンの推進ガスの供給元と分離された燃料カートリ
ッジ11および酸化剤カートリッジ13になっているた
め、ロケットエンジンの立上がり状況に、点火器の着火
状態が左右されなくなる。これにより、点火器の着火状
態を安定したものにするために、複雑化していたロケッ
トエンジン始動時のシステムが単純化でき、設定が困難
であった始動時のロケットエンジンシ−ケンスの設定が
容易になる。また、点火器筒4に供給される燃料ガスG
2 、および酸化剤ガスGOXの供給元が燃料カートリ
ッジ11および酸化剤カートリッジ13となったことに
より、燃料ガスGH2 および酸化剤ガスGOXが容易に
交換可能となる。 【0029】次に、図2は本発明のロケットエンジン点
火器の実施の第2形態を示す断面図である。 【0030】図に示すように、本実施の形態のロケット
エンジン点火器では、燃料ガスGH 2 を封入する燃料カ
ートリッジ15と、酸化剤ガスGOXを封する酸化剤カ
ートリッジ17を別体にし、それぞれのカートリッジ1
5,17のガス通路出口12,14のそれぞれにバルブ
21,22を設けて、バルブ21,22の外側を、点火
器筒4に設けた3つの接続部43,44,45のうちの
両側に設けた接続部43,45に螺合させて直付けする
ようにしている。このため、点火器筒4に設けるエキサ
イタ5は、接続部43,45よりそれぞれ導入される燃
料ガスGH2 と酸化剤ガスGOXの混合状態が良くな
る、中央の接続部44に固着されることになる。 【0031】本実施の形態のロケットエンジン点火器で
は、上述した実施の第1形態と同様の作用効果が得られ
るとともに、このコンフィギュレーションにすること
で、実施の第1形態では1個のバルブ2で済んでいたも
のが、2個のバルブ21,22に増えるデメリットがあ
る反面、燃料ガスGH2 と酸化剤ガスGOXがバルブ2
1,22の上流側で混入するリスクがなくなり、実施の
第1形態のものに比較して、さらに高信頼性のものにで
きるメリットが得られるものである。 【0032】 【発明の効果】以上述べたように、本発明のロケットエ
ンジン点火器によれば、特許請求の範囲に示す構成によ
り、次の効果を得ることができる。 (1)装置に要するコスト、および装置取付けに要する
作業コストを低廉にできる。 (2)ロケット重量を低減でき、ペイロードを大きくで
きる等ロケットの性能を向上させることができる。 (3)ロケットエンジン等の破壊のリスクを回避でき、
高信頼性のものにできる。 (4)エンジン始動時のシステムを単純化でき、始動時
のロケットエンジンシ−ケンスの設定が容易になる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のロケットエンジン点火器の実施の第1
形態を示す断面図, 【図2】本発明のロケットエンジン点火器の実施の第2
形態を示す断面図, 【図3】従来のロケットエンジン点火器を示す側面図で
ある。 【符号の説明】 1 カートリッジ 11,15 燃料カートリッジ 12,17 燃料ガス通路 13 酸化剤カートリッジ 14 酸化剤ガス通路 2,21,22 バルブ 3 カートリッジ接続部 4 点火器筒 41,42,43,44,45 接続部 5 エキサイタ 51 エキサイタ接続部

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 ガス化された燃料、および酸化剤を点火
    器筒内に導入し、前記点火器筒に設置したエキサイタで
    点火して発生する燃焼ガスで、ロケットエンジンの燃焼
    器に導入される推進ガスの着火を行うロケットエンジン
    点火器において、前記点火器筒と接続されて、内部に封
    入した前記燃料ガスを前記点火器内に供給する燃料カー
    トリッジ、および内部に封入した前記酸化剤ガスを前記
    点火器内に供給する酸化剤カートリッジを設けたことを
    特徴とするロケットエンジン点火器。
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