JP3454354B2 - オーステナイト・フェライト系二相ステンレス鋼溶接材料およびそれを用いた高Cr鋼の溶接方法 - Google Patents
オーステナイト・フェライト系二相ステンレス鋼溶接材料およびそれを用いた高Cr鋼の溶接方法Info
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を有する高Cr系ステンレス鋼、即ち、Cが0.03重量%
以下で7〜27重量%(以下、化学組成の含有量を示す重
量%を単に「%」と記載する)のCrを含む鋼、を溶接す
るに際し、母材の予熱処理および溶接後の熱処理を行わ
なくとも溶接割れ、特に溶接後に発生する遅れ割れの発
生がないオーステナイト・フェライト系二相ステンレス
鋼溶接材料およびそれを用いる高Cr系ステンレス鋼の溶
接方法に関する。
そこで使用される油井管やラインパイプ用鋼管として、
良好な耐食性と強度を有するオーステナイト・フェライ
ト二相系ステンレス鋼または13%Crマルテンサイト系ス
テンレス鋼などが使用されるようになった。特に、後者
の13%Crマルテンサイト系ステンレス鋼については、低
C化、その他の改良によって、溶接前の予熱および溶接
直後の熱処理(以下、後熱処理という)を行わなくても
溶接が可能となった。
も後熱処理も無しに溶接が実施できるということは、き
わめて好ましい。しかしながら、最近、熱処理なしで溶
接した上記の鋼種の継手部に、溶接後、ある時間の経過
後に発生する割れ(遅れ割れ)が散見されるようになっ
た。
いう現象は、古くから知られている。この現象は、拡散
性水素による水素脆化によると考えられている。特に溶
接継手部においては、溶接金属と母材の境界部である溶
融線(以下、ボンドという)および溶接熱影響部(以
下、HAZという)の溶接残留応力の高いところが拡散
性水素のトラップサイトとなって、遅れ割れが発生しや
すい。
従来、溶接施工時の天候を選ぶ(たとえば、降雨中に
は溶接作業を中止する)、溶接直前に溶接材料のベー
キングを行い、水分を除去する、溶接開先部の水分や
油分を除去する、さらに水素ポテンシャルが低い裸溶
接棒またはワイヤを使用したティグまたはミグ溶接のよ
うなガスシールドアーク溶接法を採用する、といった溶
接金属への水素の侵入を防止する対策が採られている。
金属部の冷却速度を小さくし、溶接金属部からの水素放
散を促進する方法、溶接直後に熱処理を施すことによ
り溶接金属部の脱水素を実施する、といったトラップサ
イトへの水素集積を防止する方法、等の対策も有効であ
る。
において遅れ割れの発生を完全に防止するには上記〜
の対策では不十分である。また、およびの熱処理
は、本来このような熱処理が不要であることを利点とす
る母材の溶接においては好ましくない。
に、例えばJISに規定されているY309L等のステンレス
鋼、または同じくYNiCr-3等のオーステナイト系Ni基超
合金の溶接材料を使用すれば、予熱および後熱処理を行
わなくても遅れ割れ発生が防止できる。この理由は、こ
れらの溶接材料で形成される溶接金属は、面心立方晶の
オーステナイト組織であり、その組織では水素の固溶限
が大きく、また、水素の拡散係数が小さいために、溶接
金属からボンドやHAZへの水素の拡散が殆ど起きない
からであると考えられている。しかしながら、上記のよ
うなオーステナイト系溶接材料は、強度が相対的に低
く、前記高Cr系ステンレス鋼の母材と比べてアンダーマ
ッチングの溶接継手しか得られないという欠点がある。
るためには、耐食性、靱性および強度を兼ね備えた二相
ステンレス鋼の溶接材料を用いればよい。しかし、これ
は上記のオーステナイト系溶接材料と比べてオーステナ
イト相の量比が約1/2と少なく、前述のようにオーステ
ナイト組織が有するボンドやHAZへの水素の拡散防止
効果が半減し、溶接後に割れを発生させることがある。
の低C、高Crステンレス鋼用の溶接材料であって、予熱
および後熱処理を施さずに溶接しても、遅れ割れの発生
しないオーステナイト・フェライト系二相ステンレス鋼
溶接材料を提供することにある。
いて、予熱および後熱処理を実施せずに、遅れ割れを発
生させない高Crステンレス鋼の溶接継手を得る溶接方法
を提供することにある。
Crステンレス鋼の母材鋼を二相ステンレス鋼ソリッドワ
イヤを用い、予熱処理を施すことなくティグ溶接を行
い、また、溶接直後の熱処理を施さずに、遅れ割れの発
生形態を調査した。
ェライト量(容積%)に応じて溶接材料(ワイヤ)の鋼
中水素含有量を適正範囲とすることよって、溶接継手の
遅れ割れの発生を防止できることを見出し、本発明を完
成した。
よびその溶接材料を用いる下記(2)の溶接方法にある。
7%を含むステンレス鋼をガスシールドアーク溶接する
ための溶接材料であって、その溶接材料の鋼中水素含有
量(Hw、ppm)と、その溶接材料の溶着金属のフェライ
ト量(δd、ただし、δd≧30容積%)との積が下記(1)
式を満足するオーステナイト・フェライト系二相ステン
レス鋼溶接材料。
n:2.5%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Cr:
18〜27%、Ni:5〜11%、Mo:4%以下、W:2.5%以
下、N:0.35%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的
不純物からなる化学組成を有することが望ましい。
7%を含むステンレス鋼を、C:0.08%以下、Si:1.0%
以下、Mn:2.5%以下、P:0.03%以下、S:0.02%以
下、Cr:18〜27%、Ni:5〜11%、Mo:4%以下、W:
2.5%以下、N:0.35%以下を含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物からなる溶接材料を用い、それによって
形成される溶接継手の溶接金属部のフェライト量(δ
w、ただし、δw≧30容積%)と、上記溶接材料の鋼中水
素含有量(Hw、ppm)との積が下記(2)式を満足するよ
うに調整することを特徴とする高Cr系ステンレス鋼のガ
スシールドアーク溶接方法。
材鋼)は「重量%で、C:0.03%以下、Cr:7〜27%を
含むステンレス鋼」である。この母材鋼は、マルテンサ
イト系ステンレス鋼と、オーステナイト・フェライトの
二相系ステンレス鋼に大別される。
と2〜6%程度のNiおよび2.5%程度以下のMoを含有す
るいわゆるスーパーマルテンサイト鋼がある。なお、50
容積%程度以下のフェライトが存在して、厳密にはマル
テンサイト・フェライト系と呼ぶべき鋼もあるが、それ
を含めてここではマルテンサイト系ステンレス鋼とい
う。
L、同SUS329J4Lの二相のステンレス鋼、さらにJISのSUS
329J4LにNおよびMoの含有量を高め、Wなどの合金添加
を行って更に耐食性を高めたスーパー二相ステンレス鋼
と呼ばれるものがある。例えば特開平8-260101号公報に
提案されているのは、この種の鋼の改良材である。
た耐食性を有し、硫化水素や炭酸ガスを含む腐食環境に
曝されるラインパイプ等の油井用材料として好適なもの
である。
イト系ステンレス鋼(後述の表1の符号B1)を二相ステ
ンレス鋼ソリッドワイヤ(後述の表1の符号W5)を用
い、予熱処理を施すことなくティグ溶接を行い、また、
溶接直後の熱処理を施さず168時間放置したところ、遅
れ割れの発生がみられた。
割れである。その割れには溶接金属部および母材鋼の材
料因子、ならびに溶接後に発生する残留応力が関与す
る。特に大きく影響するのは、溶接時に侵入する溶接金
属部の拡散性水素である。
ワイヤの鋼中水素含有量および溶接金属部の拡散性水素
量を測定したところ、鋼中水素含有量は6.6ppm、拡散性
水素量は1.99ミリリットル/100grであった。これは、従来の
オーステナイト系ステンレス鋼ワイヤを用いたときの拡
散性水素量は検出できない量であるのに対し、はるかに
高いレベルであった。これは、以下の理由による。
接金属部のミクロ組織は、当然ながらフェライト相とオ
ーステナイト相からなる二相組織を呈する。詳しくは、
この二相組織は、フェライト相の母地に固相変態によっ
て生じたオーステナイト相が分散した組織である。した
がって、二相ステンレス鋼における水素の拡散形態は、
母地(フェライト相)の特性に大きく支配されることか
ら、オーステナイト系ステンレス鋼よりも、むしろフェ
ライト系ステンレス鋼における拡散形態に近似したもの
となる。即ち、二相ステンレス鋼の溶接金属部では、フ
ェライト単相の鋼と同様に水素の拡散・移動が起きるこ
とになる。
素の固溶限は大きく、かつその拡散係数は小さいから、
遅れ割れを引き起こす拡散性水素は、主にフェライト相
中に存在する水素を源としている。フェライト相中での
水素ポテンシャルが高い場合には、ボンドまたはHAZ
のトラップサイト(応力集中部)に水素が拡散・集積
し、遅れ割れを発生させる、と考えられる。
ーステナイト鋼ワイヤと同様に、伸線加工時に生じた歪
みの除去および組織の改善のために、約1100℃での溶体
化熱処理(一般に、光輝焼鈍という)が施される。この
熱処理は、ワイヤの酸化防止のために還元ガス雰囲気、
例えばアンモニア分解ガス(水素が約75容積%、窒素が
約25容積%のガス)または純水素ガス雰囲気中で実施さ
れる。この雰囲気ガス中の水素が熱処理中にワイヤに浸
入する。このためワイヤは、光輝焼鈍を行う回数が多い
ほど、また、直径の小さいものほど水素を多く吸蔵し、
溶解水素量(鋼中水素含有量)が多くなる。このよう
に、従来の二相ステンレス鋼ワイヤは、オーステナイト
鋼ワイヤと同様に、溶解水素量(鋼中水素含有量)はほ
ぼ等しいが、拡散性水素含有量が多いことを確認した。
溶接金属部の拡散性水素との関係ならびにそれらと遅れ
割れとの関係を定量化するため、後述の実施例に示す試
験を行った。
材料の鋼中水素含有量に対する比と溶接金属部のフェラ
イト量との関係を示す図である。この図は、後述の実施
例で得られた表3の結果から、溶接金属部の拡散性水素
(Hd)と溶接材料の鋼中水素含有量(Hw)との比(Hd/
Hw)を縦軸に、溶接金属部のフェライト量(δw)を横
軸にプロットした図である。この図から、溶接金属部の
拡散性水素量(Hd)と溶接材料の鋼中水素含有量(Hw)
との比(Hd/Hw)は、溶接金属部のフェライト量(δ
w)に対してほぼ直線的に増加することがわかり、下記
(a)式の関係が得られた。
および二相ステンレス鋼を母材とするy形溶接割れ試験
(JIS Z3158)の結果から、溶接金属部のフェライト
量、拡散性水素量および溶接材料の鋼中水素含有量が溶
接遅れ割れに及ぼす影響を調べた。
溶接材料の鋼中水素含有量が溶接遅れ割れに及ぼす影響
を示す図である。図において、○および●印は13Cr系高
強度マルテンサイト系ステンレス鋼を溶接母材とする場
合であり、□および■印は二相ステンレス鋼を溶接母材
とする場合である。○および□印は、y形溶接割れ試験
で割れが観察されなかったもの、●および■印は、y形
溶接割れ試験で割れが観察されたものである。図2から
明らかなように、割れが観察されたものと割れが観察さ
れなかったものとは、曲線Aで層別できる。この曲線A
を特定する試みを種々行った結果、図3に示すように溶
接金属部のフェライト量δwの逆数(1/δw)と溶接材
料の鋼中水素含有量Hwとの関係グラフを作成すると、下
記(b)式の直線で層別できることがわかった。
鋼中水素含有量Hwとの積が154よりも小さければ、溶接
後の遅れ割れを防止できることがわかる。
属部は、厳密にはフェライト量が30容量%以上の二相組
織でなければならない。フェライト量が30容量%に満た
なければ、JISのY309MoLのごとき広義のオーステナイト
系ステンレス鋼の範疇に属し、二相ステンレス鋼の高強
度の利点が失われる。なお、フェライト量の上限は、お
よそ75容量%程度が望ましい。
化学組成からNi当量およびCr当量を計算し、例えば、Es
pyの図(ASME Sec.II Part C SFA 5.9 Appendix Fig.A
2)から大まかには予測することができる。しかし、溶
接材料がこれらの図で用いるNi当量およびCr当量の式に
ない成分を含む場合は、その予測は困難である。また、
溶接条件による冷却速度がフェライト量に及ぼす影響も
大きい。従って、厳密な溶接金属部のフェライト量は、
JISのZ3119で規定されている顕微鏡組織による方法で実
測するのが望ましい。そのフェライト量比率に応じて、
前記(2)式を満たすように、溶接材料の鋼中水素含有量H
wを調整する。
ば、最終光輝焼鈍を従来のアンモニア分解ガス雰囲気中
や純水素ガス中での加熱ではなく、真空加熱炉を用いて
行うことにより達成できる。なお、溶接材料(ワイヤ)
の付着水は、溶接作業時のワイヤの発熱によって蒸発し
てしまうので鋼中水素含有量には殆ど影響しない。しか
し、ワイヤの防湿や溶接作業時の濡れ防止を図ることは
当然望ましい。
料本来が具備すべき溶着金属のフェライト量δdと鋼中
水素含有量Hwの関係を調べたところ、図4および図5に
示すごとく、遅れ割れ感受性の低減のためにはδd量とH
w量の積は小さければ小さい程良く、最低135以下を確保
する必要がある。
イト相を安定化させる元素である。しかし、その含有量
が0.08%を超えると炭化物が析出しやすくなり、溶接金
属部の耐孔食性が低下する。従って、C含有量は0.08%
以下が望ましい。さらに望ましいのは、0.03%以下であ
る。
して使用される。しかし、溶接時には金属間化合物 (σ
相等) の生成を促進し、溶接金属部の靱性を低下させ
る。従って、上限は1.0%とするのがよい。下限は不純
物レベルでもよいが、脱酸の効果を確保するためには0.
1%以上が望ましい。
して使用され、またSと結合して熱間加工性を改善し、
さらにNの溶解度を大きくする元素である。しかし、Mn
含有量が2.5%を超えると溶接金属部の耐孔食性を低下
させる。従って、その含有量は2.5%以下が望ましい。
なお、下限は、脱酸の効果を確保するためには0.2%以
上が望ましい。
混入する不純物元素であり、少なければ少ない程望まし
い。その含有量が0.03%を超えると溶接金属の耐孔食性
および靱性の低下が著しいので、その含有量は0.03%以
下とすべきである。
不可避的に混入する元素であり、少ない方がよい。Sは
鋼の熱間加工性を低下させ、線材への圧延加工を困難と
するとともに、硫化物となって孔食の発生起点となり、
溶接金属の耐孔食性を損なう。従って、その含有量は0.
02%以下とすべきである。
溶接金属のオーステナイト相とフェライト相のバランス
を調整する重要な元素である。しかし、その含有量が5
%以下では、フェライト相が75%以上になって適切な相
バランスが得られない。しかし、Ni含有量が11%を超え
ると溶接時にσ相の析出を助長し、靱性の低下を招く。
従って、その含有量は5〜11%の範囲が望ましい。
の含有量が 18%未満では、母材と同等の溶接金属の耐
食性が得られない。しかし、過剰のCrは金属間化合物
(σ相等)の析出を促し、線材加工時の加工性を低下さ
せる。また、溶接時の溶接金属部にσ相を析出させ靱性
を低下させる。従って、その含有量は18〜27%の範囲が
望ましい。
性を向上させる元素である。しかし、Mo含有量が4.0%
を超えると、Crと同様に金属間化合物の析出を容易にす
る作用が強く、製造中の素材の脆化の原因になり、線材
加工が困難となる。また、溶接時に溶接金属部にσ相の
析出を促進させ、継手部の脆化を招く。従って、その含
有量は4%以下が望ましい。特に耐孔食性および耐隙間
腐食性を高めるため添加する場合には、その含有量を2.
0〜4.0%とするのが望ましい。
性、特に孔食および隙間腐食への抵抗性を向上させる元
素であり、pHの低い環境でも耐孔食性を低下させない安
定な酸化物を形成する。また、Cr、Mo、Nと同様に耐孔
食性を向上させる元素であり、しかもCrやMoのようにσ
相の析出を助長する作用が相対的に小さい。即ち、Cr、
Moの含有量を少なくして耐孔食性を高めることができ
る。したがって、Wは、必要に応じて添加することがで
き、添加する場合は、その含有量を1.5%以上とするの
が望ましい。しかし、2.5%を超えて含有させてもその
効果は飽和する。
させ、また、耐孔食性を向上させる。本発明の溶接材料
のようにフェライト生成元素であるCr、Moが多量に含有
する場合には、溶接金属部のフェライト相とオーステナ
イト相のバランスを適正なものにするために、N含有量
を0.12%以上とするのが望ましい。さらにNは、Cr、Mo
およびWと同様、耐孔食性を向上させる。しかし、0.35
%を超えると溶接金属部にブローホール欠陥が発生す
る。また、溶接の際の熱影響による窒化物の生成により
溶接金属部の靱性、耐食性を劣化させる。したがって、
N含有量の上限が0.35%とすべきである。
ンレス鋼および二相ステンレス鋼(いずれもAPI-X80グ
レード)の板材を用いて、JIS Z3158に準じてy形溶接
割れ試験板(板厚:25mm、ルートギャップ:2mm)を作
製した。また、表2に示すように水素量を変化させたオ
ーステナイト・フェライト系二相ステンレス鋼ワイヤ
(径=1.2mm)を自動送給してティグ溶接法により1パス
のビードを溶接した。
イヤを水素ガス雰囲気中で溶体化熱処理を行い、鋼中水
素含有量を低くするのには真空雰囲気中で脱水素化熱処
理を行った。なお、ワイヤの鋼中水素含有量は、ワイヤ
を予めアセトンなどの有機溶剤で洗浄後、不活性ガス中
で加熱し、そのとき放出される水素をガスクロマトグラ
フィーを用いて検出する方法(不活性ガス中抽出・溶解
−カラム分解−熱伝導法)によって測定した。こうして
測定されるのは、ワイヤ中に溶解している全水素量(鋼
中水素含有量)である。また、オーステナイト・フェラ
イト二相ステンレス鋼の表面にそれぞれのワイヤを用い
て溶着金属を形成し、顕微鏡組織からフェライト量を測
定し、表2に示した。
行わず、溶接条件は下記のように設定した。
は、JIS K 1105規定の1級のアルゴンガスを使用した。
溶接トーチのガス流量は 10 リットル/min、バックシール
ドのガス流量は 5 リットル/minとした。
水素量(Hd)、フェライト量(δw)および遅れ割れを
調査し、表3に示した。
規定されたガスクロマトグラフ法で実施した。
は、顕微鏡組織から実測した。
で168時間保持した後、断面の割れを観察した。割れが
認められなかった場合を合格(なし)、割れが認められ
た場合を不合格(あり)として示した。
接材料の鋼中水素含有量Hw(ppm)と溶接金属部のフェラ
イト量δw(容積%)の積(Hw×δw)が(2)式の左辺154
以下となり、遅れ割れが認められなかった。
は、溶接材料の鋼中水素含有量Hw(ppm)と溶接金属部の
フェライト量δw(容積%)の積(Hw×δw)が154を超
え、母材HAZまたはボンド部に遅れ割れが観察され
た。これは、溶接金属部の拡散性水素量が多くなったた
めである。
溶着金属のフェライト量に応じて算出される許容上限値
以下の値(溶接材料の鋼中水素含有量とフェライト量と
の積が135以下)に制限されたものである。この溶接材
料を用いれば、高強度、高耐食性高Cr系ステンレス鋼の
ガスシールドアーク溶接において、予熱処理および直後
熱処理を施さなくとも、遅れ割れの発生を防止できる。
また、本発明の溶接方法は、溶接金属部のフェライト量
に応じて鋼中水素含有量を調整した溶接材料を用いるの
で、予熱処理および直後熱処理を施さなくとも、遅れ割
れの発生を防止できる。
理および直後熱処理が困難な油井管やラインパイプの現
地溶接に有効に用いることができる。
素含有量に対する比と溶接金属のフェライト量との関係
を示す図である。
中水素含有量が溶接遅れ割れに及ぼす影響を示す図であ
る。
鋼中水素含有量との関係を示す図である。
水素含有量が溶接遅れ割れに及ぼす影響を示す図であ
る。
中水素含有量との関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】重量%で、C:0.03%以下、Cr:7〜27%
を含むステンレス鋼をガスシールドアーク溶接するため
の溶接材料であって、その溶接材料の鋼中水素含有量
(Hw、ppm)と、その溶接材料の溶着金属のフェライト
量(δd、ただし、δd≧30容積%)との積が下記(1)式
を満足することを特徴とするオーステナイト・フェライ
ト系二相ステンレス鋼溶接材料。 Hw×δd≦135 ・・・・・(1) - 【請求項2】化学組成が重量%で、C:0.08%以下、S
i:1.0%以下、Mn:2.5%以下、P:0.03%以下、S:
0.02%以下、Cr:18〜27%、Ni:5〜11%、Mo:4%以
下、W:2.5%以下、N:0.35%以下、残部Feおよび不
可避的不純物からなることを特徴とする請求項1に記載
のオーステナイト・フェライト系二相ステンレス鋼溶接
材料。 - 【請求項3】重量%で、C:0.03%以下、Cr:7〜27%
を含むステンレス鋼をガスシールドアーク溶接する方法
であって、C:0.08%以下、Si:1.0%以下、Mn:2.5%
以下、P:0.03%以下、S:0.02%以下、Cr:18〜27
%、Ni:5〜11%、Mo:4%以下、W:2.5%以下、
N:0.35%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純
物からなる溶接材料を用い、それによって形成される溶
接継手の溶接金属部のフェライト量(δw、ただし、δw
≧30容積%)と上記溶接材料の鋼中水素含有量(Hw、p
pm)との積が下記(2)式を満足するように調整すること
を特徴とする高Cr系ステンレス鋼のガスシールドアーク
溶接方法。 Hw×δw≦154 ・・・・・(2)
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