JP3474331B2 - 抗菌性歯科用接着性組成物 - Google Patents

抗菌性歯科用接着性組成物

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JP3474331B2 JP25762195A JP25762195A JP3474331B2 JP 3474331 B2 JP3474331 B2 JP 3474331B2 JP 25762195 A JP25762195 A JP 25762195A JP 25762195 A JP25762195 A JP 25762195A JP 3474331 B2 JP3474331 B2 JP 3474331B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、抗菌性を有する歯科用
接着性接着性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】歯科治療において歯牙の欠損をコンポジ
ットレジン、歯科用合金、陶材等の修復材料で補綴する
場合に、アクリル系の歯科用接着剤がしばしば利用され
る。しかしながら、歯牙表面に直接修復材料を接着した
場合には、十分な接着強度が得られず、修復材料が脱落
したり、歯牙と修復材料の接着界面からの細菌の侵入に
より2次カリエスや歯髄炎などが惹起されたりすること
がある。
【0003】かかる問題を解決するために、あらかじめ
種々の歯面処理剤で歯牙表面を前処理することが提案さ
れている。かかる前処理により歯牙と修復材料の接着強
度が向上することが報告されており、例えば、ジャー
ナル・オブ・デンタル・リサーチ(Journal of Dental
Research)第34巻、849−853頁(1955年)
には、いわゆる酸エッチング処理により、修復材料と歯
牙エナメル質との接着強度が向上することが、ジャー
ナル・オブ・デンタル・リサーチ(Journal ofDental R
esearch)第63巻、1087−1089頁(1984
年)には、グルタルアルデヒド、2−ヒドロキシエチル
メタクリレート(以下これをHEMAと略称する)およ
び水からなるプライマー組成物が修復材料と象牙質との
接着強度を増強することが、特開昭62ー22328
9号公報にはHEMA水溶液にマレイン酸、トリブロモ
酢酸、塩酸などの酸を添加したプライマーが修復材料と
エナメル質、象牙質との接着力を顕著に向上させること
が、そして、歯科材料・器械、第9巻、65−73頁
(1990)には、HEMA水溶液にN−メタクリロイ
ルアラニンやN−アクリロイルアラニンなどのアミノ酸
残基を含有するモノマーを添加したプライマーが修復材
料とエナメル質、象牙質との接着力を顕著に向上させる
ことが記載されている。また、特開平3−24071
2号公報には、(i)水0.5〜90重量%、(ii)ア
ルコール性水酸基を有する重合性化合物5〜90重量
%、(iii)酸性基を有する重合性化合物0.1〜90
重量%、および(iv)酸性基を有するアミノ化合物0.
01〜30重量%を含有する接着性組成物が開示されて
おり、さらに、特開平4−8368号公報には、前記
組成物にアミノ化合物を添加することにより修復材料と
象牙質との接着力が飛躍的に向上することが記載されて
いる。
【0004】上記の前処理によれば、歯牙と修復材料と
の接着強度の向上はみられるものの、依然として両者の
接着界面からの細菌の侵入が原因と思われる2次カリエ
スや歯髄炎の発生という問題がある。
【0005】一方、歯科用接着剤に抗菌性を付与する試
みもなされており、例えば、特開平1−17107号公
報には、抗菌剤を含有する歯科用セメントが記載され、
また、特開平6−9725号公報には、抗菌性重合性単
量体および酸性基を有する重合性単量体を含有する歯科
用組成物が記載されている。しかしながら、上記前者の
抗菌剤を含有する歯科用セメントにあっては、該抗菌剤
が口腔内に溶出するため、口腔内細菌叢の破壊、耐性菌
の出現などの問題が予想され、臨床に応用するためには
十分な安全性の確認が必要である。また、上記後者の抗
菌性重合性単量体を含有する歯科用組成物にあっては、
その抗菌性は、重合硬化後の硬化物表面に抗菌性物質が
溶出しない非溶出型の抗菌性であり、硬化物表面に付着
した細菌を減弱させることは可能であるが、象牙細管な
どの接着界面の微細構造に残存する細菌を死滅させるこ
とは不可能であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
技術の問題点に鑑みてなされたものであって、接着界面
への細菌の侵入を防ぐために歯牙と修復材料との接着強
度を向上させ、かつ、前述の従来技術の歯科用プライマ
ーでは不可能であった、象牙細管などの接着界面の微細
構造の中に残存している細菌を死滅させることができ、
なおかつ接着後に接着界面に侵入してくる細菌をも死滅
させることができる抗菌性歯科用接着剤を提供するもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために、上記の抗菌性重合性単量体と酸性
基を有する重合性単量体を含有する歯科用組成物に、さ
らにアルコール性水酸基を有する重合性単量体および水
を配合することにより、象牙細管などの接着界面の微細
構造に速やかに抗菌性成分を浸透させることが可能とな
り、残存する細菌を死滅させることが可能であることを
見い出し、さらに重合硬化した後にも侵入細菌を死滅さ
せることが可能であることを見い出し、本発明に至っ
た。すなわち、抗菌性を有する重合性単量体(A)を
0.01〜25重量%、酸性基を有する重合性単量体
(B)を5〜40重量%、アルコール性水酸基を有する
重合性単量体(C)を10〜50重量%、水を20〜7
5重量%、および重合触媒を含有することを特徴とする
抗菌性歯科用接着剤組成物を提供することにより、本発
明の目的は達成される。
【0008】本発明の抗菌性歯科用接着剤組成物にあっ
ては、抗菌性重合性単量体(A)、酸性基を有する重合
性単量体(B)、アルコール性水酸基を有する重合性単
量体(C)および水とを併用することが必要である。抗
菌性重合性単量体(A)のみを含有する歯科用組成物に
あっては、発現する抗菌性の強さは後にデータで示すよ
うに十分な強さではなく、硬化物表面に付着した細菌を
減弱させるにとどまるが、本発明のように酸性基を有す
る重合性単量体(B)、アルコール性水酸基を有する重
合性単量体および水を併用することにより、象牙細管な
どの接着界面の微細構造への抗菌性成分の浸透性が増加
し、微細構造中に残存する細菌を、プライマー処理を行
っている間に死滅させることができる。また、重合後の
硬化面には、非溶出型の抗菌性が発現するため、歯牙と
修復材料との接着界面に侵入してくる細菌を死滅させる
こともできる。かかる機能を有する組成物は、本発明に
よって初めて提供できるものである。
【0009】なお本発明において、接着剤とは歯牙に直
接付与し、その上に別の接着剤を付与する場合のプライ
マーとして使用するもの、及び別の接着剤なしで歯牙と
歯科用修復材料とを接着する接着剤として使用するもの
を意味する
【0010】プライマー処理中の抗菌性を十分なものに
するためには、抗菌性重合性単量体(A)、アルコール
性水酸基を有する重合性単量体(C)および水を併用す
ることが必須であり、いずれが欠けても十分な抗菌性は
得られない。重合硬化後の非溶出型の抗菌性を十分なも
のとするためには、抗菌性重合性単量体(A)、酸性基
を有する重合性単量体(B)を併用することが必須であ
り、いずれか片方のみを配合した場合には、抗菌性は微
弱なものとなり、接着界面に侵入してくる細菌を死滅さ
せることはできない。さらに、歯牙と修復物の接着強度
を向上させるという歯科用接着性プライマー本来の機能
を十分なものにするためには、酸性基を有する重合性単
量体(B)、アルコール性水酸基を有する重合性単量体
(C)および水とを併用することが必要である。以上の
ことから、プライマー処理中の抗菌性、重合硬化後の非
溶出型の抗菌性、歯牙と修復物の高い接着強度という3
つの要求事項を満足するためには、抗菌性重合性単量体
(A)、酸性基を有する重合性単量体(B)、アルコー
ル性水酸基を有する重合性単量体(C)および水とを併
用することが必要である。
【0011】本発明において使用される抗菌性重合性単
量体(A)の含有量は、組成物全体に対して0.01〜
25重量%の範囲内であることが必要であり、0.1〜
20重量%の範囲内であることが好ましい。抗菌性重合
性単量体(A)の含有量が組成物全体に対して0.01
重量%未満の場合には、発現する抗菌性の強さが十分で
はなく、歯牙と修復材料の接着界面に残存する細菌およ
び接着界面に侵入してくる細菌を死滅させることができ
ない。また、抗菌性重合性単量体(A)の含有量が組成
物全体に対して25重量%を越える場合には、歯牙と修
復材料との接着強度の向上がみられなくなる。
【0012】本発明において使用される酸性基を有する
重合性単量体(B)は、リン酸基、カルボキシル基、ス
ルホン酸基、酸無水物残基等の酸性基、およびアクリロ
イル基、メタクリロイル基、ビニル基等の重合可能な不
飽和基を有する重合性の単量体であって、例えば、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチルジハイドロジェンホ
スフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシル
ジハイドロジェンホスフェート、10−(メタ)アクリ
ロイルオキシデシルジハイドロジェンホスフェート、2
−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニルジハイド
ロジェンホスフェート等のリン酸モノエステル基を含有
する化合物、ビス(2−(メタ)アクリロイルオキシエ
チル)ハイドロジェンホスフェート、2−(メタ)アク
リロイルオキシエチルハイドロジェンフェニルホスフェ
ート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルハイドロ
ジェンアニシルホスフェート等のリン酸ジエステル基を
含有する化合物、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキ
シルホスフィネート、N−(10−ホスホノデシル)
(メタ)アクリルアミド、4−ビニルベンゼンホスホン
酸、4−ビニルベンジルホスホン酸等のリン酸誘導体、
(メタ)アクリル酸、コハク酸モノ(2−(メタ)アク
リロイルオキシエチル)、イソフタル酸(2−(メタ)
アクリロイルオキシエチル)、4−(メタ)アクリロイ
ルオキシエチルトリメリット酸、11,11−ジカルボ
キシウンデシル(メタ)アクリレート、N−(メタ)ア
クリロイルアラニン、N−(メタ)アクリロイル−5−
アミノサリチル酸、4−ビニル安息香酸などのカルボキ
シル基を含有する化合物およびそれらの酸無水物、2−
(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基を含有する
化合物などを挙げることができる。
【0013】本発明において使用する酸性基を有する重
合性単量体(B)の含有量は、組成物全体に対して5〜
40重量%の範囲内であることが必要であり、10〜3
0重量%の範囲内であることが好ましい。酸性基を有す
る重合性単量体(B)の含有量が組成物全体に対して5
重量%未満の場合には、発現する抗菌性の強さが十分で
はなく、歯牙と修復材料の接着界面に残存する細菌およ
び接着界面に侵入してくる細菌を死滅させることができ
ない。また、酸性基を有する重合性単量体(B)の含有
量が組成物全体に対して40重量%を越える場合には、
歯牙と修復材料との接着強度の向上がみられなくなる。
なお、酸性基を有する重合性単量体として2種類以上の
ものを併用してもよい。
【0014】本発明において使用するアルコール性水酸
基を有する重合性単量体(C)は、アルコール性水酸
基、およびアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル
基等の重合可能な不飽和基を有する重合性の単量体であ
り、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、
グリセリンモノ(メタ)アクリレート、エリトリトール
モノ(メタ)アクリレート、ペンタエリトリトールジ
(メタ)アクリレート、1,2−ビス(3−メタクロイ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)エタン、N−メ
チロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルアミド、N,N−(ジヒドロキシエ
チル)(メタ)アクリルアミドなどを挙げることができ
る。
【0015】本発明において使用する水としては、歯牙
と修復材料との接着強度および抗菌性の発現に対して悪
影響を及ぼす不純物を実質的に含有しないものを使用す
る必要があり、蒸留水またはイオン交換水が好適であ
る。水の含有量は組成物全体に対して20〜75重量%
の範囲内であることが必要であり、25〜60重量%の
範囲内であることが好ましい。水の含有量が組成物全体
に対して20重量%未満の場合、または水の含有量が組
成物全体に対して75重量%を越える場合には、歯牙と
修復材料の接着強度の向上がみられなくなる。なお、所
望により、エタノール、アセトン等の水と混和し得る溶
剤を添加して用いることもできる。
【0016】本発明において使用するアルコール性水酸
基を有する重合性単量体(C)の含有量は、組成物全体
に対して10〜50重量%の範囲内であることが必要で
あり、15〜40重量%の範囲内であることが好まし
い。アルコール性水酸基を有する重合性単量体(C)の
含有量が組成物全体に対して10重量%未満の場合、ま
たはアルコール性水酸基を有する重合性単量体(C)の
含有量が組成物全体に対して50重量%を越える場合に
は、歯牙と修復材料の接着強度の向上がみられなくな
る。なお、アルコール性水酸基を有する重合性単量体と
して2種以上のものを併用してもよい。
【0017】本発明において使用する重合触媒として
は、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイドなどの有機過酸化物、トリブチルボラン、ベン
ゾイルパーオキサイド/芳香族第3級アミン系、芳香族
スルフィン酸(またはその塩)/芳香族第2級または第
3級アミン/アシルパーオキサイド系などの常温重合開
始剤が挙げられる。また、カンファーキノン、カンファ
ーキノン/p−ジメチルアミノ安息香酸エステル系、カ
ンファーキノン/p−ジメチルアミノベンゾフェノン、
カンファーキノン/芳香族スルフィン酸塩系、カンファ
ーキノン/過酸化物、カンファーキノン/アルデヒド
系、カンファーキノン/メルカプタン系、アシルフォス
フィンオキサイドなどの光重合開始剤を挙げることがで
きる。なお、紫外線照射による光重合を行う場合には、
ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケター
ル、ベンゾフェノン、2−エチルチオキサントン、ジア
セチル、ベンジル、アゾビスイソブチロニトリル、テト
ラメチルチウラムジスルフィドなどが好適である。さら
には、常温重合開始剤と光重合開始剤の両方を同時に使
用することも可能である。また重合触媒は通常組成物全
体に対して2〜15重量%の範囲内で使用される。
【0018】本発明の抗菌性歯科用接着性組成物には、
所望により、アルコール性水酸基および酸性基を有さな
いアクリル系重合性単量体を添加することができる。さ
らに、重合禁止剤、着色剤、蛍光剤、紫外線吸収剤等を
添加してもよい。
【0019】上記のアルコール性水酸基および酸性基を
有さないアクリル系重合性単量体としては、例えばメチ
ル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
ト、2−(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレー
ト、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、
1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、
2,2’−ビス[((メタ)アクリロイルオキシポリエ
トキシ)フェニル]プロパン、2,2’−ビス[4−
(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプ
ロポキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパ
ントリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
【0020】本発明の抗菌性歯科用接着性組成物は、歯
科治療における常法に従って歯面処理に使用され、その
後水洗除去されることなく、歯牙と修復材料との接着界
面において重合硬化し、そのまま該接着界面に保持され
る。この場合、抗菌性歯科用接着性組成物は、それ自体
単独で硬化させてもよいし、歯科用接着剤と一部混合さ
せた状態で硬化させてもよい。
【0021】上記の歯科用接着剤としては、通常アクリ
ル系のもの、すなわちアクリル系重合性単量体および重
合開始剤からなり、さらに必要に応じてフィラーが添加
されたものが用いられる。例えば、メチル(メタ)アク
リレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、2−(ジメチルアミ
ノ)エチル(メタ)アクリレート、γ−メタクリロイル
オキシプロピルトリメトキシシラン、トリエチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジ(メタ)アクリレート、2,2’−ビス[((メ
タ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル]プロ
パン、2,2’−ビス[4−(3−(メタ)アクリロイ
ルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロ
パン、10−(メタ)アクリロイルオキシデシルジハイ
ドロジェンホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシエチルフェニルハイドロジェンホスフェート、ビス
[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]ハイドロジ
ェンホスフェート、4−(メタ)アクリロイルオキシエ
チルトリメリット酸、4−(メタ)アクリロイルオキシ
エチルトリメリット酸無水物などのアクリル系重合性単
量体、ベンゾイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキ
サイド/芳香族第3級アミン系、芳香族スルフィン酸
(またはその塩)/芳香族第2級または第3級アミン/
アシルパーオキサイド系、カンファーキノン、カンファ
ーキノン/第3級アミン系、カンファーキノン/過酸化
物、アシルフォスフィンオキサイドなどの重合開始剤、
およびα−石英、シリカ、アルミナ、ヒドロキシアパタ
イト、フルオロアルミノシリケートガラス、硫酸バリウ
ム、酸化チタン、ジルコニア、シリカガラス、ソーダ石
灰ケイ酸ガラス、バリウムガラス、有機成分と無機成分
を含有する有機複合フィラーなどのフィラーからなるア
クリル系接着剤が好適に用いられる。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、本実施例では接着強度および抗菌性の強さの評価は
以下の方法により行った。
【0023】(接着強度の試験方法)ウシの前歯を10
00番のシリコン・カーバイト研磨紙(日本研紙(株)
製)にて湿式研磨し、エナメル質表面、または象牙質表
面を露出させた後、表面の水分を歯科用エアシリンジで
吹き飛ばした。露出したエナメル質表面または象牙質表
面に、直径5mmの穴を開けたテープを貼り、穴の部分
に本発明の接着性組成物を筆で塗布し、そのまま30秒
間放置してから、エアシリンジで乾燥させた。その上
に、市販の歯科用ボンディング材「クリアフィルLBボ
ンド」((株)クラレ製)を筆で約100ミクロンの厚
さに塗布し、歯科用光照射器「ライテル−II」(群馬牛
尾電気(株)製)にて20秒間光照射を行い、硬化させ
た。さらに、その上に、市販の光重合型歯科用コンポジ
ットレジン「フォトクリアフィルA」((株)クラレ
製)をのせ、エバール(登録商標、(株)クラレ製)か
らなるフィルムをかぶせた後、スライドガラスを上から
押しつけ、かかる状態で上記光照射器にて40秒間光照
射を行い、硬化させた。この硬化面に対して、市販の歯
科用レジンセメント「パナビア21」((株)クラレ
製)を用いてステンレス棒を接着し、15分間放置した
後、37℃の水中に浸漬し、24時間後の引っ張り接着
強度を測定した。
【0024】(抗菌性試験法1)プライマー処理中の抗
菌性の評価 ウシの前歯を1000番のシリコン・カーバイト研磨紙
(日本研紙(株)製)にて湿式研磨し、象牙質表面を露
出させた後、ダイヤモンドソーを用いて厚さ1mmの切
片に切断した。両面に、40%リン酸水溶液を塗布し、
60秒間静置した後、流水下で洗浄し、使用するまで水
中に保存した。あらかじめブレインハートインフュージ
ョン(BHI)液体培地(日水製薬製)で24時間前培
養したストレプトコッカス ミュータンス(Streptococ
cus mutans. 、IFO13955)を滅菌生理食塩水で
細菌濃度が1×104 (CFU/ml)となるように希
釈し、BHI寒天培地に100μl接種し、コーンラー
ジ棒を用いて、表面に均一に広げた。
【0025】前述の象牙質切片の表面に直径5mmの穴
を開けたテープを貼ったものを、上記の寒天培地の中央
部分に置き、軽く押しつけて密着させた。培地に載置し
た状態の切片のテープの穴の部分に本発明の接着性組成
物を筆で塗布し、そのまま60秒間放置して、プライマ
ー組成物の切片組織への浸透をはかる。試験片を取り除
き、BHI寒天培地を37℃、48時間培養した後、細
菌の増殖状態を観察し、下記の判定基準に基づき評価を
行った。 ++)試験片を置いた場所でも周辺部分と同様に細菌が
増殖している。(抗菌成分が切片組織を浸透したとは認
められない。) +)試験片を置いた場所では周辺部分に比べ細菌の増殖
が抑制されている。(抗菌成分の一部が切片組織を浸透
したと認められる。) −)試験片を置いた場所では全く細菌が増殖していな
い。(抗菌成分が切片組織を十分浸透したと認められ
る。)
【0026】(抗菌性試験法2)重合硬化後の表面の抗
菌性の評価方法 エバール(登録商標、(株)クラレ製)からなるフィル
ムに内径9mmの穴をあけたテープを張り付け、フィル
ム面が水平になるように、ドーナツ型の金型(内径15
mm、外径40mm、厚さ0.5mm)をのせて固定し
た。金型の穴の部分に、本発明の接着性組成物10μl
を滴下し、歯科用エアシリンジで乾燥させた。その上
に、市販の歯科用ボンディング材「クリアフィルLBボ
ンド」((株)クラレ製)を筆で約100ミクロンの厚
さに塗布し、歯科用光照射器「ライテル−II」にて20
秒間光照射を行い、硬化させた。さらに、その上に、市
販の光重合型歯科用コンポジットレジン「フォトクリア
フィルA」((株)クラレ製)をのせ、エバール(登録
商標)からなるフィルムをかぶせた後、スライドガラス
を上から押しつけ、かかる状態で上記の光照射器にて4
0秒間光照射を行い、硬化させた。硬化物を金型からは
ずし、水中で1時間超音波洗浄を行った。
【0027】あらかじめブレインハートインフュージョ
ン(BHI)液体培地(日水製薬製)で24時間前培養
したストレプトコッカス ミュータンス(Streptococcu
s mutans. 、IFO13955)を滅菌生理食塩水で細
菌濃度が1×104 (CFU/ml)となるように希釈
し、上記の硬化物表面に100μl接種した。15分間
静置した後に、硬化物をさかさまにして、BHI寒天培
地上に乗せ、細菌溶液を回収した。さらに、硬化物を寒
天培地の別な場所に押しつけ、硬化物表面に付着してい
る残存細菌をすべて回収し、これをサンプルとした。同
時に、上記の細菌希釈液を直接BHI寒天培地上に10
0μl接種したものを調製し、これを対照とした。両者
を37℃,24時間嫌気培養した後、さらに24時間好
気培養し、形成されたコロニー数を計測し、下記の式に
より、細菌死滅率を計算した。
【0028】
【数1】
【0029】実施例1〜4 抗菌性重合性単量体として12ーメタクリロイルオキシ
ドデシルピリジニウムブロマイド(以下これをMDPB
と略称する。構造式を下記に示す。)、酸性重合性単量
体としてβーメタクリロイルオキシエチルフェニルホス
フェート(以下これをフェニルPと略称する。構造式を
下記に示す。)、HEMA、蒸留水、N,N−ジエタノ
ールーp−トルイジン(以下これをDEPTと略称す
る。)、カンファーキノン(以下これをCQと略称す
る。)、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル
(以下これをIADMABと略称する。)、およびエタ
ノールを表1に示す重量比で混合して接着性組成物を調
製し、前述の方法により接着強度の測定および抗菌性試
験1、2を行った。結果を表1に示す。
【0030】
【化5】
【0031】
【化6】
【0032】実施例5〜8 MDPB、10ーメタクリロイルオキシデシルジハイド
ロジェンホスフェート(以下これをMDPと略称する。
構造式を以下に示す。)、HEMA、蒸留水、ベンゼン
スルフィン酸ナトリウム(以下これをBSSと略称す
る。)およびDEPTを表3に示す重量比で混合して接
着性組成物を調製し、前述の方法により接着強度の測定
および抗菌性試験1、2を行った。結果を表3に示す。
【0033】
【化7】
【0034】実施例9〜12 MDPB、MDP、HEMA、蒸留水、DEPT、C
Q、IADMABおよびエタノールを表1に示す重量比
で混合して接着性組成物を調製し、前述の方法により接
着強度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を
表1に示す。
【0035】実施例13〜16 MDPB、メタクリル酸、HEMA、蒸留水、DEP
T、CQ、IADMABおよびエタノールを表1に示す
重量比で混合して接着性組成物を調製し、前述の方法に
より接着強度の測定および抗菌性試験1、2を行った。
結果を表1に示す。
【0036】実施例17〜20 MDPB、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリッ
ト酸(以下これを4−METと略称する)、HEMA、
蒸留水、DEPT、CQ、IADMABおよびエタノー
ルを表2に示す重量比で混合して接着性組成物を調製
し、前述の方法により接着強度の測定および抗菌性試験
1、2を行った。結果を表2に示す。
【0037】実施例21〜24 MDPB、4−メタクリロイルオキシエチルトリメリッ
ト酸無水物(以下これを4−METAと略称する)、H
EMA、蒸留水、DEPT、CQ、IADMABおよび
エタノールを表1に示す重量比で混合して接着性組成物
を調製し、前述の方法により接着強度の測定および抗菌
性試験1、2を行った。結果を表2に示す。
【0038】実施例25〜28 MDPB、4−アクリロイルオキシエチルトリメリット
酸(以下これを4−AETと略称する)、HEMA、蒸
留水、DEPT、CQ、IADMABおよびエタノール
を表2に示す重量比で混合して接着性組成物を調製し、
前述の方法により接着強度の測定および抗菌性試験1、
2を行った。結果を表2に示す。
【0039】実施例29〜32 MDPB、フェニルP、HEMA、蒸留水、BSSおよ
びDEPTを表3に示す重量比で混合して接着性組成物
を調製し、前述の方法により接着強度の測定および抗菌
性試験1、2を行った。結果を表3に示す。
【0040】実施例33〜36 MDPB、メタクリル酸、HEMA、蒸留水、BSSお
よびDEPTを表3に示す重量比で混合して接着性組成
物を調製し、前述の方法により接着強度の測定および抗
菌性試験1、2を行った。結果を表3に示す。
【0041】実施例37〜40 下記の構造の抗菌性重合性単量体(以下これをD−30
1モノマーと略称する)、フェニルP、HEMA、蒸留
水、BSSおよびDEPTを表4に示す重量比で混合し
て接着性組成物を調製し、前述の方法により接着強度の
測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表4に示
す。
【0042】
【化8】
【0043】実施例41〜44 下記の構造の抗菌性重合性単量体(以下これをD−30
1モノマーと略称する)、MDP、HEMA、蒸留水、
BSSおよびDEPTを表4に示す重量比で混合して接
着性組成物を調製し、前述の方法により接着強度の測定
および抗菌性試験1、2を行った。結果を表4に示す。
【0044】
【化9】
【0045】実施例45〜48 下記の構造の抗菌性重合性単量体(以下これをVB−1
6モノマーと略称する)、フェニルP、HEMA、蒸留
水、BSSおよびDEPTを表4に示す重量比で混合し
て接着性組成物を調製し、前述の方法により接着強度の
測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表4に示
す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】比較例1および2 MDPB、フェニルP、HEMA、蒸留水、DEPT、
CQ、IADMABおよびエタノールの含有量を表5に
示す重量比に変えた接着性組成物を調製し、前述の方法
により接着強度の測定および抗菌性試験1、2を行っ
た。結果を表5に示す。
【0051】比較例3および4 MDPB、MDP、HEMA、蒸留水、BSSおよびD
EPTを表4に示す重量比で混合して接着性組成を調製
し、前述の方法により接着強度および抗菌性試験1、2
を行った。結果を表7に示す。
【0052】比較例5および6 MDPB、HEMA、蒸留水、DEPT、CQ、IAD
MABおよびエタノールの含有量を表5に示す重量比に
変えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接着強
度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表5
に示す。
【0053】比較例7および10 MDPB、フェニルP、HEMA、DEPT、CQ、I
ADMABおよびエタノールの含有量を表5に示す重量
比に変えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接
着強度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を
表5に示す。
【0054】比較例11および14 MDPB、フェニルP、蒸留水、DEPT、CQ、IA
DMABおよびエタノールの含有量を表5に示す重量比
に変えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接着
強度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表
5に示す。
【0055】比較例15および16 MDPB、MDP、HEMA、蒸留水、DEPT、C
Q、IADMABおよびエタノールの含有量を表6に示
す重量比に変えた接着性組成物を調製し、前述の方法に
より接着強度の測定および抗菌性試験1、2を行った。
結果を表6に示す。
【0056】比較例17および18 MDPB、HEMA、蒸留水、DEPT、CQ、IAD
MABおよびエタノールの含有量を表6に示す重量比に
変えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接着強
度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表6
に示す。
【0057】比較例19および22 MDPB、MDP、HEMA、DEPT、CQ、IAD
MABおよびエタノールの含有量を表6に示す重量比に
変えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接着強
度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表6
に示す。
【0058】比較例23および26 MDPB、MDP、蒸留水、DEPT、CQ、IADM
ABおよびエタノールの含有量を表6に示す重量比に変
えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接着強度
の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を表6に
示す。
【0059】比較例27および28 MDPB、HEMA、蒸留水、BSSおよびDEPTを
表7に示す重量比で混合して接着性組成を調製し、前述
の方法により接着強度および抗菌性試験1、2を行っ
た。結果を表7に示す。
【0060】比較例29および32 MDPB、MDP、HEMA、BSSおよびDEPTを
表7に示す重量比で混合して接着性組成を調製し、前述
の方法により接着強度および抗菌性試験1、2を行っ
た。結果を表7に示す。
【0061】MDPB、MDP、HEMA、BSS及び
DEPTを表9に示す重量比で混合してプライマー組成
物を調整し、前述の方法により接着強度及び抗菌性試験
1、2を行った。その結果を表9に示す。
【0062】比較例33および36 MDPB、MDP、蒸留水、BSSおよびDEPTを表
7に示す重量比で混合して接着性組成を調製し、前述の
方法により接着強度および抗菌性試験1、2を行った。
結果を表7に示す。
【0063】比較例37〜41 MDPB、フェニルP、HEMA、DEPT、CQ、I
ADMABおよびエタノールの含有量を表8に示す重量
比に変えた接着性組成物を調製し、前述の方法により接
着強度の測定および抗菌性試験1、2を行った。結果を
表8に示す。
【0064】比較例42〜46 MDPB、MDP、HEMA、BSSおよびDEPTを
表9に示す重量比で混合して接着性組成を調製し、前述
の方法により接着強度および抗菌性試験1、2を行っ
た。結果を表9に示す。
【0065】
【表5】
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】表1から明らかなように、実施例1〜4の
接着性組成物を用いた場合には、牛歯象牙質およびエナ
メル質のいずれに対しても20MPa前後の非常に強い
接着強度が得られている。さらに、抗菌性試験1におい
ては接着性処理中にディスク下面の細菌を完全に死滅さ
せる強い抗菌性が確認され、抗菌性試験2においては硬
化後の表面に付着した細菌を完全に死滅させる強い抗菌
性が確認された。これに対して、表5から明らかなよう
に、比較例1の場合には、良好な接着強度は得られるも
のの、接着性処理中の抗菌性および硬化後の表面の抗菌
性も観察できなかった。また、比較例2では抗菌性は発
現しているものの、接着強度が実施例1〜4に比較して
明らかに低い。
【0069】さらに、酸性基を有する重合性単量体を配
合していない比較例5および6では、接着強度も実施例
1〜4と比較して明らかに低く、接着性処理中の抗菌性
および硬化後の表面の抗菌性も細菌を死滅させるには不
十分なものであった。蒸留水を配合していない比較例7
〜10および、HEMAを配合していない比較例11〜
14では硬化後の抗菌性は非常に強いものの、接着強度
および接着性処理中の抗菌性が実施例1〜4と比較して
明らかに低かった。蒸留水を請求項1に記載した濃度未
満の15重量%配合した比較例37〜40の場合には、
接着強度は強かったが、プライマー処理中の抗菌性が実
施例1〜4に比較して明らかに弱く、ディスク下面の細
菌を死滅させることはできなかった。逆に、蒸留水を請
求項1に記載した濃度を越える80重量%配合した比較
例41の場合には、接着強度が実施例1〜4に比較して
明らかに低かった。
【0070】蒸留水を20重量%未満配合した比較例3
7〜40の場合には、接着強度は強かったが、プライマ
ー処理中の抗菌性が実施例1〜4に比較して明らかに弱
く、ディスク下面の細菌を死滅させることはできなかっ
た。逆に、蒸留水を80重量%配合した比較例41の場
合には、接着強度が実施例1〜4に比較した明らかに低
かった。
【0071】表1から明らかなように、実施例1〜4で
用いた酸性基を有する重合性単量体のフェニルPをMD
Pに変えた場合(実施例9〜12)も、牛歯象牙質およ
びエナメル質のいずれに対しても18MPa前後の非常
に強い接着強度が得られている。さらに、抗菌性試験1
においてはプライマー処理中にディスク下面の細菌を完
全に死滅させる強い抗菌性が確認され、抗菌性試験2に
おいては硬化後の表面に付着した細菌を完全に死滅させ
る強い抗菌性が確認された。これに対して、表6から明
らかなように、比較例15の場合には、良好な接着強度
は得られるものの、プライマー処理中の抗菌性および硬
化後の表面の抗菌性も観察できなかった。また、比較例
16では抗菌性は発現しているものの、接着強度が実施
例9〜12に比較して明らかに低い。
【0072】さらに、酸性基を有する重合性単量体を配
合していない比較例17および18では、接着強度も実
施例9〜12と比較して明らかに低く、プライマー処理
中の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性も細菌を死滅さ
せるには不十分なものであった。蒸留水を配合していな
い比較例19〜22および、HEMAを配合していない
比較例23〜26では硬化後の抗菌性は非常に強いもの
の、接着強度およびプライマー処理中の抗菌性が実施例
9〜12と比較して明らかに低かった。
【0073】表1から明らかなように、実施例1〜4で
用いた酸性基を有する重合性単量体のフェニルPをメタ
クリル酸に変えた場合(実施例13〜16)も、牛歯象
牙質およびエナメル質のいずれに対しても18MPa前
後の非常に強い接着強度が得られている。さらに、抗菌
性試験1においてはプライマー処理中にディスク下面の
細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認され、抗菌性
試験2においては硬化後の表面に付着した細菌を完全に
死滅させる強い抗菌性が確認された。
【0074】表2から明らかなように、実施例1〜4で
用いた酸性基を有する重合性単量体のフェニルPを4−
METに変えた場合(実施例17〜20)も、牛歯象牙
質に対して12MPa前後、牛歯エナメル質に対しても
15MPa前後の強い接着強度が得られている。さら
に、抗菌性試験1においてはプライマー処理中にディス
ク下面の細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認さ
れ、抗菌性試験2においては硬化後の表面に付着した細
菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。
【0075】表2から明らかなように、実施例1〜4で
用いた酸性基を有する重合性単量体のフェニルPを4−
METAに変えた場合(実施例21〜24)も、牛歯象
牙質に対して12MPa前後、牛歯エナメル質に対して
も15MPa前後の強い接着強度が得られている。さら
に、抗菌性試験1においてはプライマー処理中にディス
ク下面の細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認さ
れ、抗菌性試験2においては硬化後の表面に付着した細
菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。
【0076】表2から明らかなように、実施例1〜4で
用いた酸性基を有する重合性単量体のフェニルPを4−
AETに変えた場合(実施例25〜28)も、牛歯象牙
質に対して13MPa前後、牛歯エナメル質に対しても
15MPa前後の強い接着強度が得られている。さら
に、抗菌性試験1においてはプライマー処理中にディス
ク下面の細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認さ
れ、抗菌性試験2においては硬化後の表面に付着した細
菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。
【0077】表3から明らかなように、実施例5〜8の
プライマー組成物を用いた場合には、牛歯象牙質に対し
ては6〜7MPa程度、牛歯エナメル質に対しては11
〜15MPa前後の強い接着強度が得られている。さら
に、抗菌性試験1においてはプライマー処理中にディス
ク下面の細菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認さ
れ、抗菌性試験2においては硬化後の表面に付着した細
菌を完全に死滅させる強い抗菌性が確認された。これに
対して、表7から明らかなように、比較例3の場合に
は、良好な接着強度は得られるものの、プライマー処理
中の抗菌性および硬化後の表面の抗菌性も観察できなか
った。また、比較例4では抗菌性は発現しているもの
の、接着強度が実施例5〜8に比較して明らかに低い。
【0078】さらに、酸性基を有する重合性単量体を配
合していない比較例27および8では、接着強度も実施
例5〜8と比較して明らかに低く、プライマー処理中の
抗菌性および硬化後の表面の抗菌性も細菌を死滅させる
には不十分なものであった。蒸留水を配合していない比
較例29〜32および、HEMAを配合していない比較
例33〜36では硬化後の抗菌性は非常に強いものの、
接着強度およびプライマー処理中の抗菌性が実施例5〜
9と比較して明らかに低かった。蒸留水を請求項1に記
載した濃度未満の15重量%配合した比較例42〜45
の場合には、接着強度は強かったが、プライマー処理中
の抗菌性が実施例5〜9に比較して明らかに弱く、ディ
スク下面の細菌を死滅させることはできなかった。逆
に、蒸留水を請求項1に記載した濃度を越える80重量
%配合した比較例46の場合には、接着強度が実施例5
〜9に比較して明らかに低かった。
【0079】蒸留水を15重量%配合した比較例42〜
45の場合には、接着強度は強かったが、プライマー処
理中の抗菌性が実施例5〜9に比較して明らかに弱く、
ディスク下面の細菌を死滅させることはできなかった。
逆に、蒸留水を80重量%配合した場合比較例46の場
合には、接着強度が実施例5〜9に比較して明らかに低
かった。
【0080】
【表8】
【0081】
【表9】
【0082】
【発明の効果】本発明によれば、抗菌性を有する歯科用
プライマー組成物が提供される。本発明の抗菌性歯科用
プライマー組成物によれば、歯牙と修復材料との接着強
度を向上させることにより接着界面への細菌の侵入を防
ぐことが可能となり、象牙細管などの接着界面の微細構
造の中に残存している細菌を死滅させることが可能とな
り、なおかつ接着後に接着界面に侵入してくる細菌をも
死滅させることが可能となり、2次カリエスや歯髄感染
などを防止する効果が実現できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−9725(JP,A) 特開 平3−240712(JP,A) 特開 平3−118309(JP,A) 特開 平2−17107(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61K 6/00 C08F 220/34 C09J 4/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抗菌性重合性単量体(A)を0.01〜
    25重量%、酸性基を有する重合性単量体(B)を5〜
    40重量%、アルコール性水酸基を有する重合性単量体
    (C)を10〜50重量%、水を20〜75重量%、お
    よび重合触媒を含有することを特徴とする抗菌性歯科用
    接着性組成物。
  2. 【請求項2】 抗菌性重合性単量体(A)が、下記一般
    式(1)で示される請求項1の抗菌性歯科用接着性組成
    物。 【化1】
  3. 【請求項3】 抗菌性重合性単量体(A)が、下記一般
    式(2)で示される請求項1の抗菌性歯科用接着性組成
    物。 【化2】
  4. 【請求項4】 抗菌性重合性単量体(A)が、下記一般
    式(3)で示される請求項1の抗菌性歯科用接着性組成
    物。 【化3】
  5. 【請求項5】 抗菌性重合性単量体(A)が、下記一般
    式(4)で示される請求項1の抗菌性歯科用接着性組成
    物。 【化4】
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