JP3494014B2 - インクカートリッジ - Google Patents

インクカートリッジ

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェットヘッ
ド記録装置の個体に着脱可能に収容されて記録ヘッドに
インクを供給するインクカートリッジに関し、より詳細
には可変性のインク袋をハードケースに収容するインク
カートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、インク供給
源からインクの供給を受ける記録ヘッドを記録用紙の紙
巾方向に往復運動させて印刷する関係上、大量の印刷を
行う記録装置にあっては、インク供給源を個体に設置
し、チューブを介し記録ヘッドにインクを供給する手法
が採られている。
【0003】図4は、前述したインクジェット記録装置
の一例を示すものであって、インク袋42をハードケー
ス43に収容するとともに、先端にインク供給口44を
設けて構成されたインクカートリッジ41は、チューブ
45を介してインク袋42がサブタンク46に接続され
ていて、サブタンク46からキャリッジ47の下面に固
定されて図示しない記録ヘッドにインクを供給するよう
に構成されている。
【0004】このようなインク供給形態を採ると、キャ
リッジにインクカートリッジを搭載する場合に比較し
て、インクカートリッジの1回の充填での印刷量が飛躍
的に増大するものの、インクカートリッジの収容スペー
スが必要となり、記録装置が大型化するという問題があ
る。
【0005】このため、図4に見られるようにインク袋
42の扁平面が垂直となるように、記録装置40に収容
して、インクカートリッジ41の設置面積を可及的に小
さくし、もって記録装置の小型化を図ることが行われて
いる。また、記録装置の小型化を図りつつ、インク量の
増大を実現するため、記録装置のデッドスペースを有効
利用する目的でインク袋の長大化、大型化が進められて
いる。
【0006】ところで、このようなインクカートリッジ
には、例えば特開平1−16378号公報に見られるよ
うに、可変性のインク袋の上面にその一部を覆うように
インクエンド検出板が固着され、かつインクエンド検出
板には、その側面のハードケースの形成された窓から外
部に突出可能な検出片が設けられていて、検出片の変位
をインクエンド検出器により検知するようになってい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
量の増大を実現するためインク袋の長大化、大型化が進
むにつれて、輸送などで振動を受けると、インク袋内部
のインクが揺り動かされることにより、インク袋は大き
く変形する。インク袋は溶着により密封されているの
で、この繰り返しの折れ曲がりやねじれによる疲労破壊
が、特に3次元的な溶着が行われているインク供給口の
境界で発生し易く、疲労が進むと遮気性が損なわれた
り、ひどい場合にはインクが外部に漏れ出すといった問
題が生じている。
【0008】本発明はこのような問題に鑑みてなされた
ものであって、その目的とするところは、流通過程で受
ける振動、落下などに起因するインク袋の損傷を防止す
ることができるインクカートリッジを提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、このような課
題を解決するために本発明においては、一辺にインク供
給口を備え、かつ可変性を有する偏平なインク袋と、こ
れらを収容するケース本体と、蓋とからなるインクカー
トリッジにおいて、前記インク供給口を溶着している前
記インク袋の周辺部に、少なくとも1枚の補強フィルム
を有する。
【0010】
【作用】インク袋において、衝撃強度の比較的弱い部分
であるインク供給口付近に補強フィルムを貼ることによ
り、擬似的にインク袋のフィルム厚を厚くするため、イ
ンク袋の外部よりの衝撃に対する強度を大きくしてい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】そこで以下の本発明の実施例につ
いて説明する。
【0012】図1は、本発明のインクカートリッジの一
実施例を示すものであって、図中符号1は、インクカー
トリッジで、インクを封入した可変性を有する偏平なイ
ンク袋10と、インクジェット記録装置の図示しないイ
ンクエンド検出器を作動させる検出片21を形成したイ
ンクエンド検出板20と、これらを収容するケース本体
30と、蓋35とからなり、インク袋10の一方の偏平
面をケース本体30の底部に取り外し可能な程度の接着
力で固着するとともに、他方の偏平面にインクエンド検
出板20を接着剤で固着して構成されている。
【0013】インク袋10は、ガスバリヤー性を確保す
るためにアルミ箔を中間層として2枚のフィルム、例え
ば外側をナイロンフィルム、内側をポリエチレンフィル
ムにより挟み込んだアルミラミネートフィルムを2枚重
ね合わせて、1つの短辺を除く3辺を熱溶着等で接合し
て袋の形に構成されている。また残りの短辺にはプラス
チック成形品からなるインク供給口11が熱溶着等によ
って取り付けられている。
【0014】インク袋10の露出側の偏平面には、図2
に示したように、インクエンド検出板20の検出辺21
をケース本体30の底部に形成された窓31に対向する
ように、インクエンド検出板20の固定作業を支援する
マーク13が設けられている。
【0015】また、インクカートリッジ1が記録装置に
セットされたときに下方となる辺には、記録装置の図示
しないインクエンド検出器を作動させる検出片21が、
ケース本体30の窓31から突出できるようにインク袋
10の外周より外に延びるように形成されている。
【0016】この実施例において、まず、インク袋10
の表裏両側のインク供給口11付近に補強フィルム14
を貼っておく。この補強フィルム14は、インク袋10
の外側層を構成しているナイロンフィルムに対する接着
強度の大きい接着材を用いることが好ましい。また輸送
時の温度環境が低温である場合を考慮しなければならな
いときには、補強フィルム14は、収縮して剥がれるこ
とのないよう、熱膨張係数の小さいもの、例えばポリイ
ミド系フィルムの粘着テープが適している。
【0017】補強フィルム14の大きさは、図2に示し
たように、補強フィルム14の一辺の長さdが、インク
袋10に対するインクエンド検出板20の接着部の端
と、インク供給口11との間の長さDの0.9倍以下で
あるのが好ましい。
【0018】そして補強フィルム14をインク袋10に
貼る際は、インク袋10に付着した指紋や埃を、エタノ
ールなどを用いて拭き取りしておくと粘着の強度はより
上がる。さらには補強フィルムを貼る際の粘着材は、時
間と共に粘着力が強くなる傾向があるが、初期的に強い
粘着力が必要である場合は、予めドライヤーなどでイン
ク袋の表面を暖めてから、補強フィルム14を貼ること
により強い粘着力を発揮できる。
【0019】その後、両面テープ34などでインク袋1
0をケース本体30の底部に固着し、ついでインクエン
ド検出板20を両面テープなどでインク袋10の露出面
に固着する。最後に、蓋35を被せてインクカートリッ
ジ1が構成される。これにより、検出片21がケース本
体30の窓31に対向する位置に位置決めされる。
【0020】このように構成されたインクカートリッジ
1を記録装置へ装着し、実際にインクが使用された場
合、インクエンド検出板20が、インク袋10と広い面
積で接触しているため、インク消費にともなうインク袋
10のつぶれ方がインクエンド検出板20により平均化
されて、インク消費が少なくなったときにもインクがス
ムーズに排出され、消費され尽くした時点でインクエン
ドを的確に検出することができる。この場合インクエン
ド検出板20はインク袋10の偏平面内のサイズに設定
することが望ましい。
【0021】また、インクが消費されてインクエンド状
態となり、インクカートリッジ1を取り出す場合には、
ケース本体30の底部に形成された凹部33に指を掛け
ることによって容易に記録装置からインクカートリッジ
1を引き出すことができる。
【0022】図3に示したように、カートリッジ1に輸
送等によって矢印50方向の振動が加わった場合、イン
ク袋10は広い領域をインクエンド検出板20によって
固定され、かつインク袋10の底面を下ケースによって
固定されているため、インク袋10は固定されていない
部分で、中身のインクの動きにより変形させられる。こ
れはインクの容量を多くするため、インク袋10をより
長大化、大型化した場合にはさらに顕著に起こる現象で
ある。
【0023】特にインク供給口11のある部分におい
て、インク袋10は3次元的な熱溶着が要求されること
と、インク袋10を構成している3層の内側のポリエチ
レンフィルムの厚みが、熱溶着により不均一な厚みとな
っていることにより、変形と繰り返し応力による疲労破
壊に対する強度が弱くなっている。
【0024】しかし補強フィルム14を貼ることによ
り、この部分のインク袋10はフィルム厚が擬似的に厚
くなっているため、インク袋10の外部よりの衝撃に対
する強度、また振動による繰り返しの変形に対する剛性
が上がっている。本実施例を実験により評価したとこ
ろ、インク袋10のケース本体30に接着されている面
は、接着面積が大きいため、インクの動きによるインク
袋10の変形量は小さい。これに対し、インクエンド検
出板20が接着されている側の面は、インクの動きによ
るインク袋10の変形量が大きい。このため、補強フィ
ルム14を、インク袋10のインクエンド検出板10が
接着されている側の面に貼るのが効果的であるが、両面
に貼ることはよりいっそう効果がある。
【0025】アルミラミネートフィルムで構成されてい
るインク袋10は、温度による膨張・収縮という変形量
は非常に小さい。このため、輸送時の温度環境が低温か
ら高温という広範囲の温度条件を考慮しなければならな
い場合には、熱膨張係数の小さいもの、例えばポリイミ
ド系フィルムの粘着テープを補強フィルム14として使
用する。これにより、補強フィルム14とインク袋10
との温度による変形量の差はほとんどなく、この変形量
の差が原因で、補強フィルム14がインク袋10から剥
がれるという現象を防止できる。
【0026】本実施例を実験により評価したところ、熱
膨張係数が3.0×10−5cm/cm/℃以下のものを、
補強フィルム14として用いた場合、50℃〜−10℃
の環境温度において、インク袋10から剥がれることが
なかった。
【0027】これに対し、インク袋10が、アルミラミ
ネートフィルムでなく、単層のプラスチックフィルムな
どで構成された場合においては、このプラスチックフィ
ルムの熱膨張係数と、約等しい熱膨張係数の補強フィル
ム14を使用することにより、温度による補強フィルム
14とインク袋10との温度による変形量の差が原因
で、インク袋10から剥がれるという心配がない。
【0028】このように、補強フィルム14を貼ること
により、インク量の増大のため、長大化、大型化したイ
ンク袋10においても、流通過程で受ける振動、落下な
どに起因するインク袋10の損傷を防止することができ
る。
【0029】また補強フィルム14はインク袋10の剛
性を上げる効果があるが、その一方で剛性が上がったこ
とにより、インク袋10が変形しにくくなるという現象
がある。しかし補強フィルム14を貼る箇所が、インク
袋10のインク供給口11に限られてることと、補強フ
ィルム14の一辺の長さdが、インク袋10に対するイ
ンクエンド検出板20の接着面の端部と、インク供給口
11との間の長さDの0.9倍以下にされていることに
より、インク袋10は補強フィルム14が貼られていな
い部分で変形することが可能である。このため、インク
消費に伴うインク袋10内の体積変化に支障がないよう
に、インク袋10が変形してつぶれていくことができる
ため、インクを最後まで無駄なく使用することができ
る。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように本発明において
は、一辺にインク供給口を備え、かつ可変性を有する偏
平なインク袋と、これらを収容するケース本体と、蓋と
からなるインクカートリッジにおいて、前記インク供給
口を溶着している前記インク袋の周辺部に、少なくとも
1枚の補強フィルムを有するので、衝撃強度の比較的弱
い部分であるインク供給口のインク袋のフィルム厚を擬
似的に厚くするため、インク袋の外部よりの振動・衝撃
に対する強度が大きくなり、インク袋の損傷を防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクカートリッジの一実施例を示す
組立斜視図である。
【図2】ケース本体から取出した状態でインク袋及び補
強フィルムを示す上面図である。
【図3】図1のA−A線での断面図である。
【図4】本発明のインクカートリッジの一実施例を搭載
したインクジェット機録装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 インクカートリッジ 10 インク袋 11 インク供給口 13 位置決めマーク 14 補強フィルム 20 インクエンド検出板 21 検出片 30 ケース本体 33 凹部 35 蓋 36 突起
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−57996(JP,A) 特開 昭60−228160(JP,A) 特開 平5−212873(JP,A) 特開 平5−16378(JP,A) 実開 昭59−112642(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一辺にインク供給口を備え、かつ可変性
    を有する偏平なインク袋と、これらを収容するケース本
    体と、蓋とからなるインクカートリッジにおいて、前記
    インク供給口を溶着している前記インク袋の周辺部に、
    少なくとも1枚の補強フィルムを有するインクカートリ
    ッジ。
  2. 【請求項2】 前記インク袋が、アルミラミネートフィ
    ルムにより構成されていることを特徴とする請求項1に
    記載のインクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 前記補強フィルムの熱膨張係数が、前記
    インク袋の熱膨張係数と約等しいことを特徴とする請求
    項1に記載のインクカートリッジ。
  4. 【請求項4】 前記補強フィルムの熱膨張係数が3.0
    ×10−5cm/cm/℃以下である請求項2に記載のイン
    クカートリッジ。
  5. 【請求項5】 前記インク袋にインクエンド検出板を有
    する請求項1に記載のインクカートリッジ。
  6. 【請求項6】 前記補強フィルムの一辺の長さが、前記
    インク袋に対する前記インクエンド検出板の接着端と、
    前記インク供給口との間の長さの0.9倍以下であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジ。
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