JP3522077B2 - 管の製造方法 - Google Patents

管の製造方法

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JP3522077B2 JP09480397A JP9480397A JP3522077B2 JP 3522077 B2 JP3522077 B2 JP 3522077B2 JP 09480397 A JP09480397 A JP 09480397A JP 9480397 A JP9480397 A JP 9480397A JP 3522077 B2 JP3522077 B2 JP 3522077B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用排気管、
プラント用断熱配管に用いられる中空二重管等の管の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】管は、配置上、他の部材との干渉を避け
る等のために屈曲させて用いることがある。そして、管
を曲げ加工する際、扁平やしわの発生を防止する目的で
充填材が用いられている。なお、流体の保温性の確保が
必要な自動車用排気管、プラント用断熱配管等には、例
えば外管及び内管からなる中空二重管が用いられ、外管
と内管との空隙の空気層により優れた断熱効果を発揮さ
せるようにしているが、この中空二重管を曲げ加工する
場合には、内管と外管との偏心を抑制させる等のため
に、特に充填材の使用が必要不可欠なものになってい
る。上述した充填材としては、現在、砂、氷、スチール
ボール、低融点合金、ワックス及び溶融塩等が用いられ
ている。
【0003】充填材に低融点物質を用いた従来技術の一
例として、特開平7−39943号公報に示す方法があ
る。この公報に示す方法は、直管状ワークに充填材を注
入し、充填材を注入した状態で直管状ワークを曲げ加工
し、曲げ加工後の曲管状ワークを、空気を熱媒体とした
熱風循環式の排出炉に入れて充填材を溶融し、曲管状ワ
ークから充填材を排出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、排出炉が空気を熱媒体とした熱風循環式で
あり、空気の熱伝導率が低いことから充填材を溶融させ
るために長時間の加熱が必要である。このため、充填材
の排出時間が多くかかってしまうという問題点があっ
た。
【0005】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、充填材の排出時間の短縮化を図ることができる管の
製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の管の製造
方法に係る発明は、直管内に溶融塩充填する工程と、
前記溶融塩を凝固させた状態で前記直管を曲げて曲管を
得る工程と、貯留手段に貯留した液体状態の前記溶融塩
中に前記曲管を浸漬して前記曲管中の溶融塩を溶融排出
させる工程とからなることを特徴する。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
管の製造方法において、前記貯留手段に貯留した液体状
態の前記溶融塩中に、開口部側を下側にして前記曲管を
浸漬し、前記曲管中の溶融塩を前記貯留手段中に排出す
ることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項
1又は2に記載の管の製造方法において、前記直管内に
充填する前記溶融塩は、前記貯留手段に貯留した液体状
態の前記溶融塩であることを特徴とする。請求項4に記
載の発明は、請求項1から3までのいずれかに記載の管
の製造方法において、前記溶融塩は、水溶性であること
を特徴とする。請求項5に記載の発明は、請求項1記載
の管の製造方法において、直管は外管内に所定空隙を空
けて内管が挿通された中空二重管であり、該中空二重管
に装着可能に治具を設け、該治具を、前記外管の開口部
に着脱可能に接続される筒状の治具本体と、該治具本体
に連接されて先端側に前記内管の開口部に挿入される突
起部を有する連接部とから構成し、前記治具本体の開口
部の内周側を漏斗状に形成し、該治具を前記中空二重管
の開口側に装着し、前記筒状の治具本体に前記溶融塩を
注ぐことにより、前記治具本体と前記連接部との間の隙
間を通して前記溶融塩を前記空隙に注入することを特徴
とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
1ないし図4に基づいて説明する。図1において、中空
二重直管(直管)1は、外管2と、外管2内に所定の空
隙3を空けて挿通された内管4とから大略構成されてい
る。
【0009】内管4の一端側には、端部になるに従って
径寸法が大きくなる拡径部5が形成されており、拡径部
5の端部の外径寸法は、外管2の内径と略同等寸法(挿
入し得る寸法)になっている。拡径部5にスポット溶接
(溶接部を符号Gで示す。)が施されて外管2と内管4
が固定されている。また、拡径部5がスポット溶接され
ていることにより中空二重直管1は、一端側で空隙3が
閉塞する一方、他端側に開口部6を形成したものになっ
ている。中空二重直管1の空隙3には、溶融塩(例え
ば、硝酸系溶融塩)7が充填される。なお、溶融塩7と
して用いられる硝酸系溶融塩の具体例としては、次表に
示すような化学成分(割合)及び融点を有するものがあ
る。
【0010】中空二重直管1の開口部6には、図2及び
図3に示すように、治具8が装着されるようになってい
る。治具8は、外管2の開口部2aに着脱可能に接続さ
れる略筒状の治具本体9と、この治具本体9の内壁側に
連接された連接部10とから大略構成されている。治具
本体9の開口部9aの内周側は、略円すい状(漏斗状)
に形成されている。連接部10の先端側には、突起部1
1が形成されており、内管4の開口部4aに挿入される
ようになっている。また、図4中12は、液体状態の溶
融塩7を貯留するソルトバス(貯留手段)である。ソル
トバス12内には、図示しないプロペラが設けられてお
り、図示しない駆動手段に駆動されて液体状態の溶融塩
7を攪拌してその温度を均一なものにしている。
【0011】次に、上述した中空二重直管1を曲げ加工
する場合の方法を、以下に、説明する。まず、図2に示
すように、治具8を中空二重直管1の開口部6に装着す
る。この場合、治具本体9が外管2に保持され、この状
態で連接部10の突起部11が内管4の開口部4aに挿
入される。このため、外管2に対して内管4の開口部4
a側部分が支持されることとなり、外管2の中心線と内
管4の中心線とが確実に一致したものになる。次に、図
4に示すように、ソルトバス12内の溶融塩7を治具本
体9と連接部10との間の隙間13を通して空隙3に溶
融塩7を注入する(S1)。上述した溶融塩7の注入に
際し、筒状の治具本体9に溶融塩7を注ぐことにより空
隙3に溶融塩7が注入されるので、治具本体9が漏斗の
役目をすることとなり、注入性が良好なものになる。
【0012】続いて、中空二重直管1を図示しない冷却
装置により冷却して内部の溶融塩7を凝固させる(S
2)。次に、図示しないベンダーにより、凝固した溶融
塩7を充填した状態で中空二重直管1を曲げ加工して中
空二重曲管1Aを得る(S3)。この場合、空隙3に溶
融塩7を充填しかつ外管2の中心線と内管4の中心線と
が確実に一致した状態で曲げ加工するので、外管2及び
内管4を同等曲率で曲げることが可能になり、偏心を防
止することができる。
【0013】続いて、中空二重曲管1Aの開口部6側を
下側にして、図示しないかごに載置し、このかごを図示
しないホイストにより吊り上げてソルトバス12に移動
し、ソルトバス12内の液体状の溶融塩7に浸漬する
(S4)。中空二重曲管1Aが液体状の溶融塩7に浸漬
されることにより、その熱が迅速に内部の凝固した溶融
塩7に伝達され、この凝固した溶融塩7は速やかに液化
して中空二重曲管1Aから排出され、ソルトバス12に
戻されることになる。なお、液体状の溶融塩7は、その
熱伝導率が0.6〔W/(m・K)〕であり、空気(気
体)の熱伝導率0.03〔W/(m・K)〕に比して約
20倍と大きくなっており、中空二重曲管1Aへの熱伝
達が良好に行われることになる。
【0014】例えば、融点140℃の溶融塩7を充填さ
せた長さ1000mmの中空二重曲管1A(外管2;外
径45mm、厚さ1.5mm、内管4;外径35mm、
厚さ1.2mm)をソルトバス12内の180℃の液体
状の溶融塩7に浸漬させて中空二重曲管1Aから溶融塩
7を排出させる場合、排出は約5分で完了する。これに
対し、180℃の熱風循環式の排出炉で排出する場合約
50分の加熱が必要である。すなわち、液体状の溶融塩
7に浸漬して中空二重曲管1Aから溶融塩7を排出させ
ることにより排出時間を大幅に短縮することができる。
【0015】次に、ソルトバス12から中空二重曲管1
Aを引き上げて、図示しない水槽に貯留した水中に浸漬
する(S5)。溶融塩7は、水溶性であり、中空二重曲
管1Aに付着していた溶融塩7が水中に溶けて、中空二
重曲管1Aから除去され、溶融塩7が付着していない所
望の中空二重曲管1Aが得られる。
【0016】上述したように構成した管の製造方法で
は、凝固した溶融塩7が充填された中空二重曲管1Aを
ソルトバス12内の液体状態の溶融塩7中に浸漬するの
で、ソルトバス12内の溶融塩7の熱が迅速に中空二重
曲管1A内の凝固した溶融塩7に伝達され、この凝固し
た溶融塩7が速やかに液化される。このため、中空二重
曲管1Aから溶融塩7が短時間で排出されて所望の中空
二重曲管1Aを迅速に得ることができ、サイクルタイム
を短くできる。また、従来技術で用いられる熱風循環式
の排出炉に比して、熱の伝達領域が少なくなり、その
分、エネルギーロスが少なくなって省エネルギー化を図
ることができる。さらに、ソルトバス12を用意しこの
ソルトバス12に液体状の溶融塩7を貯留すればよいの
で、従来技術で用いられる熱風循環式の排出炉に比し
て、装置の簡略化、ひいては省スペース化及び設備の低
廉化を図ることができる。
【0017】上記実施の形態では、外管2と内管4との
間の空隙3に溶融塩7を充填する場合を例にしたが、内
管4の内部に溶融塩7を充填するように構成してもよ
い。
【0018】上記実施の形態では、中空二重曲管1Aを
液体状の溶融塩7に浸漬するためにかご(図示省略)を
用いたいわゆるバッチ式〔かごに複数個の中空二重曲管
1A(ワーク)を載置し、かごと共に複数個の中空二重
曲管1A(ワーク)をソルトバスの溶融塩7に浸漬する
方式〕である場合を例にしたが、これに代えて、ハンガ
ーを用いた連続式〔ケーブル(コンベア)に所定間隔で
ハンガーを取付け、このハンガーに中空二重曲管1Aを
それぞれ固定し、ケーブルを移動させて中空二重曲管1
Aを順にソルトバスの溶融塩7に浸漬する方式〕として
もよい。
【0019】上記実施の形態では、直管が中空二重直管
1である場合を例にしたが、本発明は、これに限定され
るものではなく、単管であってもよいし、中空三重管等
の多重管であってもよい。
【0020】
【発明の効果】請求項1〜5のいずれかに記載の発明で
は、凝固した溶融塩が充填された曲管を、貯留手段に貯
留した液体状態の溶融塩中に浸漬するので、貯留手段に
貯留した液体状態の溶融塩の熱が迅速に曲管の凝固した
溶融塩に伝達され、この凝固した溶融塩が速やかに液化
される。このため、曲管から溶融塩が短時間で排出され
て所望の曲管を迅速に得ることができ、サイクルタイム
を短くできる。また、従来技術で用いられる熱風循環式
の排出炉に比して、熱の伝達領域が少なくなり、その
分、エネルギーロスが少なくなって省エネルギー化を図
ることができる。液体状態の溶融塩及び該溶融塩を貯留
する貯留手段を設ければよいので、従来技術で用いられ
る熱風循環式の排出炉に比して、装置の簡略化、ひいて
は省スペース化及び設備の低廉化を図ることができる。
【0021】請求項5記載の発明によれば、治具本体を
外管に保持し、この状態で連接部の突起部が内管の開口
部に挿入される。このため、外管に対して内管の開口側
部分が支持されることとなり、外管の中心線と内管の中
心線とが確実に一致したものになるので、曲げ加工時に
外管及び内管の偏心を招くことがない。また、外管に取
り付けた筒状の治具本体と連接部との間の隙間に液体状
溶融塩を注ぐことにより空隙に溶融塩が注入されるの
で、治具本体が漏斗の役目をすることとなり、注入性が
良好なものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に用いる中空二重管の斜
視図である。
【図2】図1の中空二重管に装着する治具を示す断面図
である。
【図3】図2の治具を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施の形態の管の製造方法を模式的
に示す工程図である。
【符号の説明】
1 中空二重直管 1A 中空二重曲管 2 外管 3 空隙 4 内管 7 溶融塩 8 治具 12 ソルトバス 13 隙間

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直管内に溶融塩充填する工程と、前記
    溶融塩を凝固させた状態で前記直管を曲げて曲管を得る
    工程と、貯留手段に貯留した液体状態の前記溶融塩中に
    前記曲管を浸漬して前記曲管中の溶融塩を溶融排出させ
    る工程とからなることを特徴とする管の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の管の製造方法において、
    前記貯留手段に貯留した液体状態の前記溶融塩中に、開
    口部側を下側にして前記曲管を浸漬し、前記曲管中の溶
    融塩を前記貯留手段中に排出することを特徴とする管の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の管の製造方法に
    おいて、前記直管内に充填する前記溶融塩は、前記貯留
    手段に貯留した液体状態の前記溶融塩であることを特徴
    とする管の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1から3までのいずれかに記載の
    管の製造方法において、前記前記溶融塩は、水溶性であ
    ることを特徴とする管の製造方法。
  5. 【請求項5】 直管は外管内に所定空隙を空けて内管が
    挿通された中空二重管であり、該中空二重管に装着可能
    に治具を設け、該治具を、前記外管の開口部に着脱可能
    に接続される筒状の治具本体と、該治具本体に連接され
    て先端側に前記内管の開口部に挿入される突起部を有す
    る連接部とから構成し、前記治具本体の開口部の内周側
    を漏斗状に形成し、該治具を前記中空二重管の開口側に
    装着し、前記筒状の治具本体に前記溶融塩を注ぐことに
    より、前記治具本体と前記連接部との間の隙間を通して
    前記溶融塩を前記空隙に注入することを特徴とする請求
    項1記載の管の製造方法。
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