JP3540903B2 - 耐異物付着性に優れためっき鋼帯の調質圧延ロール - Google Patents

耐異物付着性に優れためっき鋼帯の調質圧延ロール Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐異物付着性に優れためっき鋼帯の調質圧延ロールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼帯の圧延ロールとして、ロール表面に凹凸を形成して圧延鋼帯にダル仕上げすることが知られている。また、ロール表面に凹凸を形成する方法として、レーザー、プラズマ、電子ビームによる方法が特開昭63−10013号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のごとき、圧延ロールによって溶融亜鉛ー鉄合金めっき鋼帯等を調質圧延すると、凹部に亜鉛や鉄粉等の異物が付着して鋼帯に押し疵を発生させることがある。しかして凹部への異物付着のメカニズムについて、本発明者等が種々検討した結果、レーザー、プラズマ、電子ビーム、化学エッチングによってロール表面に凹凸を形成すると、図4に示すごとくロール1表面凹2凸3部の凹2部の加工面(底部や側壁)に微細凹凸4が形成されていることが判明した。このような微細凹凸4が異物を捕捉し、あるいは徐々に堆積して凸3部上へ成長して圧延中の鋼帯に押し疵を発生させることが明らかになった。
本発明は、このような知見に基づきなされたものであり、ロール表面に凹凸部を形成するに際して、電解エッチング法により凹部に加工面(底部や側壁)を平滑に加工することにより、耐異物付着性等に優れためっき鋼帯の調質圧延ロールを提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴とするところは、ロール表面に凹部深さ5〜100μm、凸部平滑面積比率10〜80%の凹凸部を、電解エッチングにより形成し、かつエッチング彫り込み加工速度を10μm/分以下として、前記凹凸部の底部及び側壁を平滑な面としたことを特徴とする耐異物付着性に優れためっき鋼帯の調質圧延ロールである。
【0005】
【発明の実施の形態】
上記のごとき圧延ロール表面に形成する凹凸としては、凹部深さ5〜100μmで、凸部平滑面積比率10〜80%(ほぼ等間隔)、凸部平滑面の形状としては円形、角形等適宜の形状を採ることができる。このような形状の圧延ロールで、溶融亜鉛ー鉄合金めっき鋼帯、下層溶融亜鉛ー鉄合金めっき、上層電気亜鉛ー鉄合金めっきからなる二層めっき鋼帯等のめっき鋼帯を調質圧延することにより、プレス成形時の局部的なめっき層の剥離(型カジリ等)を防止することができる凹凸をめっき鋼板に形成することができる。しかして、圧延ロール表面の凹凸部形成は、電解エッチングで上記のごとき凹凸部を確実に形成することができ、その凹凸部の凹部加工面(底部や側壁)には微細凹凸は形成されず、凹部加工面(底部や側壁)は平坦にして、異物の付着堆積を防止するものである。即ち、図1に示すごとく、圧延ロール1の表面に電解エッチングにより凹2凸3部を形成することにより、凹2部加工面(底部や側壁)が平坦になり、圧延ロール1の耐異物付着性を高めることができる。
【0006】
次に、電解エッチングによって圧延ロール表面に凹凸部を形成する方法としては、例えばまず圧延ロール表面にレジスト剤として感光硬化型樹脂等を塗布し、凸部に相当する部位を感光硬化させた後、凹部に相当する未感光部(未硬化部)のレジスト剤を洗浄除去し、次いで図2に示すごとく、圧延ロール1を電解装置6に装着し電解エッチング液タンク7の電解エッチング液8をポンプ9を介してノズル10から圧延ロール1へ流下させ、圧延ロール1を伝って電解エッチング液受パン11から電解エッチング液タンク7へ流入し、電解エッチング液タンク7から再度ノズル10へ循環しつつ圧延ロール1表面へ流下接触させ、同時に圧延ロール1を回転するとともに、電極12を陰極、圧延ロール1を陽極として電源13から通電し、レジスト剤除去部位を電解エッチングして凹部を形成することによって凹凸部を形成する。
【0007】
このように電解エッチング液を圧延ロール表面へ流下させつつ、通電する電解エッチングにおいては、圧延ロール表面のエッチングによる彫り込み加工速度が10μm/分を越えないようにすることによって、凹部加工面の微細凹凸形成を防止して、加工面が平滑になる電解加工を施すこができる。また、平滑性を向上するためにエッチングによる彫り込み加工速度を過度に小さくすると、レジスト剤が膨張して剥離し易くなることがあるので、加工速度の下限は、0.05μm/分以上が好ましい。
【0008】
上記のごとき電解エッチングにおいては、電解時に圧延ロール1の電解部位に不働態膜が生成すると、凹凸部表面に微細凹凸が形成されることや加工性が低下することがあり、不働態膜が生成し難い電解エッチング液として例えば、塩化ナトリウム水溶液(10〜25%)等の不働態膜抑制電解エッチング液を用いることが好ましい。また、液温としては、常温〜60℃で電解エッチングを施すことができ、60℃超になると電解による加熱が加わり沸騰温度に達することがあり好ましくない。
【0009】
このような電解エッチング液を圧延ロールへ流下させつつ、前記の加工速度を10μm/分以下にするためには、例えば通電する電流線密度としては、3〜15A/cmで凹部加工面(底部や側壁)の微細凹凸形成を防止し、平坦に電解加工することができる。即ち、電流線密度が3A/cm未満であると凹部底部や側壁に微細凹凸が形成され易くなり好ましくない、また15A/cm超になると、前記のごとく塗布したレジスト剤が剥離して凸部もエッチングされ、目的とする凹部深さが得られないことがあり好ましくない。
【0010】
このような本発明圧延ロールにおいては、凹凸部が深く、しかもほぼロール中心方向に形成できるので、圧延による摩耗で凹凸部の形状が変化せず、めっき鋼帯(板)のプレス成形時に型カジリ等を発生しないダル(凹凸)をめっき鋼帯に形成することができるとともに、前記のごとく異物の付着を防止してめっき鋼帯への押し疵の発生を防止することがでるものである。即ち、本発明圧延ロールは、耐異物付着性に優れ、しかもプレス成形性に優れためっき鋼帯に圧延することができる圧延ロールである。
【0011】
【実施例】
次に、本発明の実施例を比較例とともに挙げる。
【表1】
Figure 0003540903
【0012】
注1:凹凸形成は、実施例は、電解液として塩化ナトリウム水溶液(10〜25%、液温常温〜60℃)をロール上部から流下し、流下位置の電極を陰極、ロールを陽極として、電流線密度3〜15A/cm、ロール回転周速10〜40mpmで電解エッチング(エッチング彫り込み加工速度0.2〜10μm/分)により形成。比較例1、2、3は一般に行われている化学エッチング法によって形成。比較例4、5、6は、レーザーによって形成した。
注2:実施例1、3、5及び比較例1、3、5は、溶融亜鉛ー鉄(鉄10%、残り亜鉛)合金めっき(付着量40g/m2 )のめっき鋼帯を圧延。実施例2、4、6及び比較例2、4、6は、下層溶融亜鉛ー鉄(鉄10%、残り亜鉛)合金めっき(付着量30g/m2 )、上層電気溶融亜鉛ー鉄(鉄85%、残り亜鉛)合金めっき(付着量5g/m2 )のめっき鋼帯を圧延。
注3:押し疵格落率は、板厚0.6mm、板幅900mmの鋼帯を4万t圧延したときの圧延ロールに付着した異物による押し疵の発生で製品格落した率を表示した。
注4:型カジリ率は、調質圧延後のめっき鋼帯を角ビード部引張試験して評価した。試験片14の寸法は、17W×450Lで前処理としてアセトン脱脂後、防錆油(ノックスラスト530日本パーカーライジング社製)を1g/m2 塗布したものを供した。ビード形状は、突き出し高さH:6mm、巾D:6mmで肩部半径2Rで、角ビードの基本形状は図3に示す。試験片14は、ビード押え荷重100〜300Kgfの範囲で数段階の荷重テストし、引張速度500mm/分で連続的に300mm長手方向に引っ張った後、ビード接章句両側をテープテストし、その黒化度から耐フレーキング性を評価した。評価は、押え荷重高い領域でめっき剥離の生じないものを良、低荷重領域において容易に剥離するものを劣とした(◎実用上問題なし、○ほぼ実用上問題なし、△使用上要注意、×使用不可)。
【0013】
【発明の効果】
本発明によれば、圧延ロールへの異物付着を確実に防止することができ、めっき鋼帯の押し疵を著しく軽減することができるので、鋼帯の品質を向上するとともに、製品歩留りを高めることができる。また、圧延ロールの摩耗による凹凸部の形状変化がほとんどなく、型カジリ等による製品の劣化も軽減することができる等の優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明圧延ロールの要部側断面図である。
【図2】本発明圧延ロール表面の凹凸部を形成する装置例を示す正面図である。
【図3】角ビード部引張試験方法の説明図である。
【図4】従来の圧延ロールの要部側断面図である。
【符号の説明】1 圧延ロール
2 凹部
3 凸部
4 凹部底部の微細凹凸

Claims (1)

  1. ロール表面に凹部深さ5〜100μm、凸部平滑面積比率10〜80%の凹凸部を、電解エッチングにより形成し、かつエッチング彫り込み加工速度を10μm/分以下として、前記凹凸部の底部及び側壁を平滑な面としたことを特徴とする耐異物付着性に優れためっき鋼帯の調質圧延ロール。
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