JP3547005B2 - 中空構造物における発泡性材料の取付構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空構造物における発泡性材料対の取付構造に関し、主として複数のパネルによって中空の箱形閉じ断面に構成された車両ボディのピラ−,ロッカ−パネル,ル−フサイドパネル等の中空構造物の制振,防音等を高めるために、その中空室内に対し、外部加熱により発泡することで、前記中空室を遮断する発泡性材料対を取付けるための取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空構造物としてのピラ−101の中空室106に発泡性材料111を支持するために、例えば、図6に示すように、インナパネル102の外方からボルト131を挿入し、該ボルト131のねじ部132を中空室106の内部に所要長さだけ突入させ、そのねじ部132にワッシャ133を介して発泡性材料111をそのねじ孔113において差込むことで、ピラ−101の中空室106の内部に発泡性材料111を支持する構造のものがある。
また、前記したような発泡性材料やその発泡性材料の支持構造は、例えば、特開平2−276836号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のものにおいては、あらかじめ、発泡性材料111の一側面にねじ孔113を形成し、その発泡性材料111を、ねじ孔113において、ピラ−101の中空室106に突入されたボルト131のねじ部132に差込んで取付ける作業は、多くの手数を必要とし、コスト高となる問題点があった。
この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑み、中空構造物の中空室に対し、発泡性材料を容易にかつ確実に取付けることができる中空構造物における発泡性材料の取付構造を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る中空構造物における発泡性材料の取付構造は、中空構造物の中空室内に対し、外部加熱によって発泡することで前記中空室を遮断する発泡性材料を取付けるための取付構造であって、
前記発泡性材料の一側面には、前記中空構造物に貫設された取付孔に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップが一体状に突出され、
前記係止クリップは、前記発泡性材料とは異なる非発泡の合成樹脂、ゴム等より形成され、
前記係止クリップは、中心孔を有する筒状に形成されるとともに、割溝によって弾性的に縮拡可能に形成され、
前記中心孔は前記割溝によって前記中空構造物の中空室に連通され、
前記係止クリップの外周面には、前記中空構造物の中空室内面から前記発泡性材料を浮き上がらせた状態で前記取付孔に係合する係止溝が凹設され、
前記係止クリップには、前記発泡性材料の内部に埋め込み状に設けられる軸部を一体に有していることを特徴とする。
【0005】
したがって、中空構造物の取付孔に対し、係止クリップが、その割溝において弾性縮小されながら嵌込まれることで弾性的に係合する。これによって、中空構造物に発泡性材料が容易にかつ確実に取付けられるため、中空構造物に対する発泡性材料の取付不良を積極的に防止することができる。
特に、中空構造物の中空室に対し係止クリップによって発泡性材料が取付けられたときには、その発泡性材料が中空室の内面より所定高さだけ浮き上がるとともに、その係止クリップの中心孔が割溝によって中空室に連通される。このため、中空構造物を塗料槽に浸漬して塗装する場合、その塗料槽の塗料の一部が係止クリップの中心孔及び割溝を経て中空室内に流入する。この結果、中空構造物の内周壁面全体に塗料が塗布されることとなり、中空構造物の内周壁面に対する錆の発生を防止することができる。
また、係止クリップは、軸部において発泡性材料の内部に埋め込込まれて一体化する。
【0006】
請求項2の発明に係る中空構造物における発泡性材料の取付構造は、中空構造物の中空室内に対し、外部加熱によって発泡することで前記中空室を遮断する発泡性材料を取付けるための取付構造であって、
前記発泡性材料の一側面には、前記中空構造物に貫設された取付孔に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップが一体状に突出され、
前記係止クリップは、前記発泡性材料とは異なる非発泡の合成樹脂、ゴム等より形成され、
前記係止クリップは、中心孔を有する筒状に形成されるとともに、割溝によって弾性的に縮拡可能に形成され、
前記中心孔は前記割溝によって前記中空構造物の中空室に連通され、
前記係止クリップの外周面には、前記中空構造物の中空室内面から前記発泡性材料を浮き上がらせた状態で前記取付孔に係合する係止溝が凹設され、
係止クリップは、発泡性材料の一側面に対し、同発泡性材料の射出成形と同時に一体に設けられることを特徴とする。
【0007】
したがって、請求項2に係る中空構造物における発泡性材料の取付構造においても、請求項1と略同様にして、中空構造物の取付孔に対し、係止クリップが、その割溝において弾性縮小されながら嵌込まれることで弾性的に係合する。これによって、中空構造物に発泡性材料が容易にかつ確実に取付けられるため、中空構造物に対する発泡性材料の取付不良を積極的に防止することができる。
特に、中空構造物の中空室に対し係止クリップによって発泡性材料が取付けられたときには、その発泡性材料が中空室の内面より所定高さだけ浮き上がるとともに、その係止クリップの中心孔が割溝によって中空室に連通される。このため、中空構造物を塗料槽に浸漬して塗装する場合、その塗料槽の塗料の一部が係止クリップの中心孔及び割溝を経て中空室内に流入する。この結果、中空構造物の内周壁面全体に塗料が塗布されることとなり、中空構造物の内周壁面に対する錆の発生を防止することができる。
特に、係止クリップは、発泡性材料の一側面に対し、同発泡性材料の射出成形と同時に一体に設けられるため、発泡性材料の一側面に係止クリップを組付ける手間を解消することができ、安価に提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1において、中空構造物としの車両ボディのピラ−1は、インナパネル2とアウタパネル4とが、これら両パネルのフランジ3,5においてスポット溶接されることで、中空の箱形閉じ断面に形成されている。
前記インナパネル2の所定位置には、後述する係止クリップ21が嵌込まれる取付孔7が貫設されている。
【0009】
前記ピラ−1の中空室6には、外部からの加熱によって発泡膨張することで、前記中空室6を遮断する発泡性材料11が、係止クリップ21によって取付けられている。
この実施の形態において、発泡性材料11には、例えば、特開平2−276836号公報に開示されている配合をもつ発泡性材料が用いられ、射出成形によって立方体形状に形成されている。
なお、発泡性材料11は加熱発泡する発泡性材料であればよく、望ましくは、焼付塗装の際の熱(110℃〜190℃の温度)で発泡、硬化され、独立気泡の発泡体となるものがよい。
【0010】
図3と図4に示すように、前記発泡性材料11の一側面には、インナパネル2の取付孔7に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップ21が一体状に突出されている。
前記係止クリップ21は、中心孔22を有する筒状に形成されるとともに、その中心孔22から放射状に配列された複数のスリット状の割溝23によって弾性的に縮拡可能に形成されている。
さらに、係止クリップ21はその先端部が先細状に形成されて取付孔7に対する嵌込み性が図られ、同係止クリップ21の外周面には、取付孔7に係合する環状の係止溝24が凹設されている。
【0011】
また、この実施の形態1において、係止クリップ21の係止溝24は、インナパネル2の内面から発泡性材料11を所定高さだけ浮上がらせた状態で取付孔7に係合する高さ位置において、同係止クリップ21の基端部寄り外周面に凹設されている。
さらに、係止クリップ21の中心孔22及び割溝23は、図1に示すように、発泡性材料11が係止クリップ21によってピラ−1の中空室6内に取付けられた状態において、中心孔22が割溝23によって中空室6に連通されるように、係止クリップ21の基端から先端にわたる長さにそれぞれ形成されている。
また、この実施の形態1においては、発泡性材料11が所要とする形状に射出成形されたと同時に、同発泡性材料11と同質材料によって係止クリップ21が一体成形されている。
【0012】
上述したように構成されるこの実施の形態において、中空構造物としてのピラ−1を構成するインナパネル2とアウタパネル4とを、その相互のフランジ3,5においてスポット溶接する前に、図4に示すように、前記インナパネル2の取付孔7に係止クリップ21が嵌込まれる。このとき、係止クリップ21は、その割溝23において弾性縮小されながら軽快に嵌込まれる。そして、係止クリップ21の係止溝24がインナパネル2の取付孔7に達すると、係止クリップ21が弾性縮小に基づく弾発力によって弾性拡開され、前記取付孔7に対し係止溝24が確実に係合する。
【0013】
前記したように、インナパネル2の内面側に係止クリップ21によって発泡性材料11が取付けられた後、図1に示すように、前記インナパネル2とアウタパネル4とが、その相互のフランジ3,5においてスポット溶接され、中空の箱形閉じ断面をなすピラ−1が構成される。
【0014】
前記ピラ−1を有する車両ボディの焼付塗装に先だって、まず、車両ボディは洗浄槽において洗浄され、次に塗料槽内に浸漬される。
前記塗料槽において、塗料の一部が係止クリップ21の中心孔22及び割溝23を経てピラ−の中空室6内に流入する。このため、ピラ−1の内周壁面全体に前記塗料が塗布されることとなり、ピラ−1の内周壁面に対する錆の発生が防止される。
【0015】
前記塗料槽を経た車両ボディは、焼付塗装される。この焼付塗装の熱によって、ピラ−1の中空室6内の発泡性材料11及びその発泡性材料11を取付けている係止クリップ21が、図2に示すように発泡膨張され、それぞれ発泡体12,25となる。
そして、発泡性材料11の発泡膨張による発泡体12の周縁部がピラ−1の中空室6の内周壁面に密着し、これによって中空室6が遮断されることで、ピラ−1の制振・防音が高められる。
また、係止クリップ21の発泡膨張による発泡体25によって取付孔7が確実に塞がれることから、その取付孔7から水やゴミ,ホコリ等が中空室6に侵入する不具合が生じない。
【0016】
なお、前記した実施の形態においては、発泡性材料11が射出成形されると同時に、その発泡性材料11の一側面に係止クリップ21が一体成形される場合を例示したが、これに限定するものではない。
例えば、図5に示すように、発泡性材料11と係止クリップ21とをそれぞれ別個に形成するとともに、係止クリップ21には軸部22aを一体に形成する。そして発泡性材料11の一側面に対し、係止クリップ21をその軸部22aにおいて圧入することで、一体状に固定してもよい。図5において、符号22は中心孔、23は割溝、24は係止溝を示す。
さらに、係止クリップ21は、発泡性材料11と同材質でもよく、非発泡の合成樹脂,ゴム等より形成してもよい。
【0017】
また、前記実施の形態においては、中空構造物が車両ボディのピラ−1である場合を例示したが、これに限るものではなく、例えば中空構造物が車両ボディのロッカパネル,ル−フサンドパネル,フ−ドパネル等であってもよく、車両ボディ以外であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、中空構造物の中空室に対し、発泡性材料をきわめて簡単な操作によって確実に取付けることができ、取付コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、ピラ−の中空室に発泡性材料が取付けられた状態を示す断面図である。
【図2】同じく発泡性材料が発泡膨張した状態を示す断面図である。
【図3】同じく係止クリップを一体に備えた発泡性材料を示す斜視図である。
【図4】同じくインナパネルの取付孔に発泡性材料を取付けた状態を示す説明図である。
【図5】この発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】従来のものを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピラ−(中空構造物)
2 インナパネル
4 アウタパネル
6 中空室
7 取付孔
11 発泡性材料
12 発泡体
21 係止クリップ
22a 軸部
22 中心孔
23 割溝
24 係止溝
【発明の属する技術分野】
この発明は、中空構造物における発泡性材料対の取付構造に関し、主として複数のパネルによって中空の箱形閉じ断面に構成された車両ボディのピラ−,ロッカ−パネル,ル−フサイドパネル等の中空構造物の制振,防音等を高めるために、その中空室内に対し、外部加熱により発泡することで、前記中空室を遮断する発泡性材料対を取付けるための取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、中空構造物としてのピラ−101の中空室106に発泡性材料111を支持するために、例えば、図6に示すように、インナパネル102の外方からボルト131を挿入し、該ボルト131のねじ部132を中空室106の内部に所要長さだけ突入させ、そのねじ部132にワッシャ133を介して発泡性材料111をそのねじ孔113において差込むことで、ピラ−101の中空室106の内部に発泡性材料111を支持する構造のものがある。
また、前記したような発泡性材料やその発泡性材料の支持構造は、例えば、特開平2−276836号公報に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記従来のものにおいては、あらかじめ、発泡性材料111の一側面にねじ孔113を形成し、その発泡性材料111を、ねじ孔113において、ピラ−101の中空室106に突入されたボルト131のねじ部132に差込んで取付ける作業は、多くの手数を必要とし、コスト高となる問題点があった。
この発明の目的は、前記従来の問題点に鑑み、中空構造物の中空室に対し、発泡性材料を容易にかつ確実に取付けることができる中空構造物における発泡性材料の取付構造を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明に係る中空構造物における発泡性材料の取付構造は、中空構造物の中空室内に対し、外部加熱によって発泡することで前記中空室を遮断する発泡性材料を取付けるための取付構造であって、
前記発泡性材料の一側面には、前記中空構造物に貫設された取付孔に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップが一体状に突出され、
前記係止クリップは、前記発泡性材料とは異なる非発泡の合成樹脂、ゴム等より形成され、
前記係止クリップは、中心孔を有する筒状に形成されるとともに、割溝によって弾性的に縮拡可能に形成され、
前記中心孔は前記割溝によって前記中空構造物の中空室に連通され、
前記係止クリップの外周面には、前記中空構造物の中空室内面から前記発泡性材料を浮き上がらせた状態で前記取付孔に係合する係止溝が凹設され、
前記係止クリップには、前記発泡性材料の内部に埋め込み状に設けられる軸部を一体に有していることを特徴とする。
【0005】
したがって、中空構造物の取付孔に対し、係止クリップが、その割溝において弾性縮小されながら嵌込まれることで弾性的に係合する。これによって、中空構造物に発泡性材料が容易にかつ確実に取付けられるため、中空構造物に対する発泡性材料の取付不良を積極的に防止することができる。
特に、中空構造物の中空室に対し係止クリップによって発泡性材料が取付けられたときには、その発泡性材料が中空室の内面より所定高さだけ浮き上がるとともに、その係止クリップの中心孔が割溝によって中空室に連通される。このため、中空構造物を塗料槽に浸漬して塗装する場合、その塗料槽の塗料の一部が係止クリップの中心孔及び割溝を経て中空室内に流入する。この結果、中空構造物の内周壁面全体に塗料が塗布されることとなり、中空構造物の内周壁面に対する錆の発生を防止することができる。
また、係止クリップは、軸部において発泡性材料の内部に埋め込込まれて一体化する。
【0006】
請求項2の発明に係る中空構造物における発泡性材料の取付構造は、中空構造物の中空室内に対し、外部加熱によって発泡することで前記中空室を遮断する発泡性材料を取付けるための取付構造であって、
前記発泡性材料の一側面には、前記中空構造物に貫設された取付孔に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップが一体状に突出され、
前記係止クリップは、前記発泡性材料とは異なる非発泡の合成樹脂、ゴム等より形成され、
前記係止クリップは、中心孔を有する筒状に形成されるとともに、割溝によって弾性的に縮拡可能に形成され、
前記中心孔は前記割溝によって前記中空構造物の中空室に連通され、
前記係止クリップの外周面には、前記中空構造物の中空室内面から前記発泡性材料を浮き上がらせた状態で前記取付孔に係合する係止溝が凹設され、
係止クリップは、発泡性材料の一側面に対し、同発泡性材料の射出成形と同時に一体に設けられることを特徴とする。
【0007】
したがって、請求項2に係る中空構造物における発泡性材料の取付構造においても、請求項1と略同様にして、中空構造物の取付孔に対し、係止クリップが、その割溝において弾性縮小されながら嵌込まれることで弾性的に係合する。これによって、中空構造物に発泡性材料が容易にかつ確実に取付けられるため、中空構造物に対する発泡性材料の取付不良を積極的に防止することができる。
特に、中空構造物の中空室に対し係止クリップによって発泡性材料が取付けられたときには、その発泡性材料が中空室の内面より所定高さだけ浮き上がるとともに、その係止クリップの中心孔が割溝によって中空室に連通される。このため、中空構造物を塗料槽に浸漬して塗装する場合、その塗料槽の塗料の一部が係止クリップの中心孔及び割溝を経て中空室内に流入する。この結果、中空構造物の内周壁面全体に塗料が塗布されることとなり、中空構造物の内周壁面に対する錆の発生を防止することができる。
特に、係止クリップは、発泡性材料の一側面に対し、同発泡性材料の射出成形と同時に一体に設けられるため、発泡性材料の一側面に係止クリップを組付ける手間を解消することができ、安価に提供することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1において、中空構造物としの車両ボディのピラ−1は、インナパネル2とアウタパネル4とが、これら両パネルのフランジ3,5においてスポット溶接されることで、中空の箱形閉じ断面に形成されている。
前記インナパネル2の所定位置には、後述する係止クリップ21が嵌込まれる取付孔7が貫設されている。
【0009】
前記ピラ−1の中空室6には、外部からの加熱によって発泡膨張することで、前記中空室6を遮断する発泡性材料11が、係止クリップ21によって取付けられている。
この実施の形態において、発泡性材料11には、例えば、特開平2−276836号公報に開示されている配合をもつ発泡性材料が用いられ、射出成形によって立方体形状に形成されている。
なお、発泡性材料11は加熱発泡する発泡性材料であればよく、望ましくは、焼付塗装の際の熱(110℃〜190℃の温度)で発泡、硬化され、独立気泡の発泡体となるものがよい。
【0010】
図3と図4に示すように、前記発泡性材料11の一側面には、インナパネル2の取付孔7に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップ21が一体状に突出されている。
前記係止クリップ21は、中心孔22を有する筒状に形成されるとともに、その中心孔22から放射状に配列された複数のスリット状の割溝23によって弾性的に縮拡可能に形成されている。
さらに、係止クリップ21はその先端部が先細状に形成されて取付孔7に対する嵌込み性が図られ、同係止クリップ21の外周面には、取付孔7に係合する環状の係止溝24が凹設されている。
【0011】
また、この実施の形態1において、係止クリップ21の係止溝24は、インナパネル2の内面から発泡性材料11を所定高さだけ浮上がらせた状態で取付孔7に係合する高さ位置において、同係止クリップ21の基端部寄り外周面に凹設されている。
さらに、係止クリップ21の中心孔22及び割溝23は、図1に示すように、発泡性材料11が係止クリップ21によってピラ−1の中空室6内に取付けられた状態において、中心孔22が割溝23によって中空室6に連通されるように、係止クリップ21の基端から先端にわたる長さにそれぞれ形成されている。
また、この実施の形態1においては、発泡性材料11が所要とする形状に射出成形されたと同時に、同発泡性材料11と同質材料によって係止クリップ21が一体成形されている。
【0012】
上述したように構成されるこの実施の形態において、中空構造物としてのピラ−1を構成するインナパネル2とアウタパネル4とを、その相互のフランジ3,5においてスポット溶接する前に、図4に示すように、前記インナパネル2の取付孔7に係止クリップ21が嵌込まれる。このとき、係止クリップ21は、その割溝23において弾性縮小されながら軽快に嵌込まれる。そして、係止クリップ21の係止溝24がインナパネル2の取付孔7に達すると、係止クリップ21が弾性縮小に基づく弾発力によって弾性拡開され、前記取付孔7に対し係止溝24が確実に係合する。
【0013】
前記したように、インナパネル2の内面側に係止クリップ21によって発泡性材料11が取付けられた後、図1に示すように、前記インナパネル2とアウタパネル4とが、その相互のフランジ3,5においてスポット溶接され、中空の箱形閉じ断面をなすピラ−1が構成される。
【0014】
前記ピラ−1を有する車両ボディの焼付塗装に先だって、まず、車両ボディは洗浄槽において洗浄され、次に塗料槽内に浸漬される。
前記塗料槽において、塗料の一部が係止クリップ21の中心孔22及び割溝23を経てピラ−の中空室6内に流入する。このため、ピラ−1の内周壁面全体に前記塗料が塗布されることとなり、ピラ−1の内周壁面に対する錆の発生が防止される。
【0015】
前記塗料槽を経た車両ボディは、焼付塗装される。この焼付塗装の熱によって、ピラ−1の中空室6内の発泡性材料11及びその発泡性材料11を取付けている係止クリップ21が、図2に示すように発泡膨張され、それぞれ発泡体12,25となる。
そして、発泡性材料11の発泡膨張による発泡体12の周縁部がピラ−1の中空室6の内周壁面に密着し、これによって中空室6が遮断されることで、ピラ−1の制振・防音が高められる。
また、係止クリップ21の発泡膨張による発泡体25によって取付孔7が確実に塞がれることから、その取付孔7から水やゴミ,ホコリ等が中空室6に侵入する不具合が生じない。
【0016】
なお、前記した実施の形態においては、発泡性材料11が射出成形されると同時に、その発泡性材料11の一側面に係止クリップ21が一体成形される場合を例示したが、これに限定するものではない。
例えば、図5に示すように、発泡性材料11と係止クリップ21とをそれぞれ別個に形成するとともに、係止クリップ21には軸部22aを一体に形成する。そして発泡性材料11の一側面に対し、係止クリップ21をその軸部22aにおいて圧入することで、一体状に固定してもよい。図5において、符号22は中心孔、23は割溝、24は係止溝を示す。
さらに、係止クリップ21は、発泡性材料11と同材質でもよく、非発泡の合成樹脂,ゴム等より形成してもよい。
【0017】
また、前記実施の形態においては、中空構造物が車両ボディのピラ−1である場合を例示したが、これに限るものではなく、例えば中空構造物が車両ボディのロッカパネル,ル−フサンドパネル,フ−ドパネル等であってもよく、車両ボディ以外であってもよい。
【0018】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明によれば、中空構造物の中空室に対し、発泡性材料をきわめて簡単な操作によって確実に取付けることができ、取付コストの低減を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すもので、ピラ−の中空室に発泡性材料が取付けられた状態を示す断面図である。
【図2】同じく発泡性材料が発泡膨張した状態を示す断面図である。
【図3】同じく係止クリップを一体に備えた発泡性材料を示す斜視図である。
【図4】同じくインナパネルの取付孔に発泡性材料を取付けた状態を示す説明図である。
【図5】この発明の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】従来のものを示す断面図である。
【符号の説明】
1 ピラ−(中空構造物)
2 インナパネル
4 アウタパネル
6 中空室
7 取付孔
11 発泡性材料
12 発泡体
21 係止クリップ
22a 軸部
22 中心孔
23 割溝
24 係止溝
Claims (2)
- 中空構造物(1)の中空室(6)内に対し、外部加熱によって発泡することで前記中空室(6)を遮断する発泡性材料(11)を取付けるための取付構造であって、
前記発泡性材料(11)の一側面には、前記中空構造物(1)に貫設された取付孔(7)に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップ(21)が一体状に突出され、
前記係止クリップ(21)は、前記発泡性材料(11)とは異なる非発泡の合成樹脂、ゴム等より形成され、
前記係止クリップ(21)は、中心孔(22)を有する筒状に形成されるとともに、割溝(23)によって弾性的に縮拡可能に形成され、
前記中心孔(22)は前記割溝(23)によって前記中空構造物(1)の中空室(6)に連通され、
前記係止クリップ(21)の外周面には、前記中空構造物(1)の中空室(6)内面から前記発泡性材料(11)を浮き上がらせた状態で前記取付孔(7)に係合する係止溝(24)が凹設され、
前記係止クリップ(21)には、前記発泡性材料(11)の内部に埋め込み状に設けられる軸部(22a)を一体に有していることを特徴とする中空構造物における発泡性材料の取付構造。 - 中空構造物(1)の中空室(6)内に対し、外部加熱によって発泡することで前記中空室(6)を遮断する発泡性材料(11)を取付けるための取付構造であって、
前記発泡性材料(11)の一側面には、前記中空構造物(1)に貫設された取付孔(7)に嵌込まれて弾性的に係合する係止クリップ(21)が一体状に突出され、
前記係止クリップ(21)は、前記発泡性材料(11)とは異なる非発泡の合成樹脂、ゴム等より形成され、
前記係止クリップ(21)は、中心孔(22)を有する筒状に形成されるとともに、割溝(23)によって弾性的に縮拡可能に形成され、
前記中心孔(22)は前記割溝(23)によって前記中空構造物(1)の中空室(6)に連通され、
前記係止クリップ(21)の外周面には、前記中空構造物(1)の中空室(6)内面から前記発泡性材料(11)を浮き上がらせた状態で前記取付孔(7)に係合する係止溝(24)が凹設され、
係止クリップ(21)は、発泡性材料(11)の一側面に対し、同発泡性材料(11)の射出成形と同時に一体に設けられることを特徴とする中空構造物における発泡性材料の取付構造。
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