JP3550138B2 - アレルゲン除去剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、通常の清掃では除去することが難しいアレルゲンを効果的に除去するための剤及びその方法に関するものであり、特には、ダニの死骸や糞、カビの胞子、花粉などのアレルギーの抗原となる物質であるアレルゲンを効率良く除去することを可能とするための剤及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、生活環境の変遷と共に住居内性ダニ類の繁殖が助長され、喘息、アトピー性皮膚炎あるいはアレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患の原因物質の存在が顕在化している。特に、ヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニあるいはコナヒョウヒダニなどのダニ類は、畳、絨毯などの敷物類や毛布、布団などの寝具などに生息し増殖しており、このようなダニ類の駆除はアレルギー疾患を持つ人たちばかりでなく、一般の家庭においても高い関心が持たれている。抗ダニ剤や殺ダニ剤に関しては多くの技術が提案されている。例えば、特開平9−157116号公報には、抗ダニ成分としてフェニルイソチオシアネートを含有し、フェニルイソチオシアネートの刺激臭緩和成分としてセスキテルペン化合物、脂環式化合物又は芳香系化合物から選ばれる香料を含有させた抗ダニ剤が記載されている。しかしながら、その死骸や糞などもアレルゲンになることが知られており、これらアレルゲンの無害化が検討されている。
【0003】
特開平6−279273号公報には没食子酸やその低級アルコールエステル等の特定の化合物を用いたアレルゲンの除去方法が開示されている。特開昭61−44821号公報にはタンニン酸と特定の溶剤を含有したアレルゲンの除去剤が開示されている。また、特開2000−63207号公報には特定の溶剤がアレルゲンの無害化に有効であることが開示されている。
【0004】
その他アレルゲン除去に関する技術として、特開2000−264837号公報には、有機溶剤、タンニン酸などのポリフェノール類、ヒドロキシアパタイト、カチオン系界面活性剤から選ばれる一種以上を用いる化合物を含有するアレルゲン除去剤を微小粒子にして空間に放出し、該放出粒子によってアレルゲンを除去する剤と方法が記載されており、さらには該剤を液体、粉体、シート状、ハニカム状の担持体で保持収納する容器内に物理的吸引によってアレルゲンを含有する空気を通過させてトラップするアレルゲン除去方法が記載されている。同様に特開2002−128659号公報には、アレルゲンを不活性化又は除去するハウスダスト処理剤を含有する溶液または分散液を特定噴霧粒子径でスプレーする方法が記載されている。
【0005】
しかしながら、これらの従来のアレルゲン除去方法ないし除去剤なるものは、タンパク質を変性させアレルギー発症の要因となるIgE抗体との結合能力を低下させ無害化させることを“除去”と称しているものであり、アレルゲン変性剤と称する方が正しいものである。前記公報には、アレルゲンをタルクや水膨潤性粘土等の粒子などの微粒子に吸着させたり、ポリビニルアルコールなどの高分子化合物で被覆させる方法も記載されているが、捕集しない限り、いずれの方法においても、処理後もアレルゲン又はその前駆物質は依然として残存しているため、十分にアレルゲンの影響を排除するものではない。またこれらの技術により変性されたアレルゲンに繰り返し暴露されると変性されたアレルゲンそのものが新たなアレルゲン物質となり、アレルギー発症の要因となり得る。また前記公報には、捕集に関する技術も提案されているが、空間のアレルゲンをトラップすることを目的とするものであり、処理表面からの剥離性を考慮したものではない。
【0006】
一方、ダニなどの生物に由来するアレルゲンは掃除機などの掃除道具を用いて丁寧に清掃することが有効であることが知られているが、しかしながら、畳、絨毯などの敷物類や毛布、布団などの寝具にはこれらの奥底にまでアレルゲン物質が存在するため容易には除去することができない。例えば床の掃除には1m2当たり20秒以上掃除機をかけることや、寝具類においても1週間に1回は丁寧に掃除機をかけるなどの方法がダニアレルゲンを室内環境から効率よく除去するための方法として推奨されているが、日常的に行っていくことは非常に困難を伴うものである。このため、簡単な清掃操作でアレルゲンを効率よく除去する方法が求められている。
【0007】
ところで、ダニが生息するカーペット用洗浄剤として、洗浄液を含浸させた粉末をカーペットに散布した後、ブラシを用いて粉末とカーペットを擦りつけた後、掃除機で粉末を吸引することでカーペットを洗浄する方法が知られている。また、その他のカーペット用洗浄剤としては、特開昭53−130704号公報には、ラウリルアルコール80〜95部、デシルアルコール5〜20部を配合して得られる混合アルコールの硫酸エステルのリチウム塩とビルダーとしてP2O5を70〜85%含有するポリリン酸のリチウム塩よりなる組成物の全固形物が10〜40%となる如く水を含有させた液体のカーペットシャンプー組成物の発明が記載されており、更には該カーペットシャンプーを水で稀釈したものをカーペットに噴射し、カーペット表面に広げブラッシュにより擦り洗いを行い、乾燥後粉末化した洗液残渣をバキューム除去することが記載されている。また特開昭46−2934号公報には、水溶性有機界面活性剤、高級膨潤性脂肪アルコール及び水不溶性の珪酸化合物からなる絨毯等に用いる洗浄用組成物が記載されており、該組成物からなる泡を絨毯上に生成させ、泡が消失し乾燥してから真空掃除機で処理することが記載されている。また、業務用のカーペットクリーナーとして、液体洗剤をスプレーしポリッシャーでポリッシングした後、乾燥後のパウダーを吸引することでクリーニングする製品が市販されている。このように、カーペットの洗浄のために粉末又は液体を塗布し、乾燥後の粉末を掃除機などで吸引する方法は既に知られている。しかしながら、これらのカーペット洗浄は、アレルゲン除去を目的とするものではなく、カーペット汚れの除去を目的とする洗浄剤であるため、界面活性剤や粉末状の吸着体を主基材とするものである。しかしながら、アレルゲンの除去を目的とした場合、このような固体源の濃度は少量で十分な効果を得ることができることが望ましく、従来の洗浄目的のように界面活性剤濃度が高い場合やアルキル鎖の炭素数が12以下の界面活性剤は、処理表面に残りやすいという問題がある。
【0008】
従って本発明の課題は、固体表面に付着した通常の清掃では除去しにくいダニ類等の生物やその死骸あるいは糞などのアレルゲン物質を簡単な清掃操作で効率よく除去でき、しかも対象物の感触を変化させないアレルゲン除去剤及びアレルゲン除去方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含有するアレルゲン除去剤を提供する。
(a)成分:水と共沸混合物を形成し、1013.25hPaにおける水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物1〜70質量%
(b)成分:(a)成分及び(c)成分の少なくとも一方に溶解し、該アレルゲン除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成させる下記(b−1)又は(b−2)から選ばれる固体源物質0.01〜5質量%
(b−1)炭素数が14〜20のアルキル基を有し、含水率が5質量%以下において、25℃で固体状態である界面活性剤
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩
(c)成分:水
【0010】
また、本発明は、下記(b−1)及び(b−2)から選ばれる有機化合物を含有する水溶液をアレルゲンが存在する対象表面に塗布又は噴霧し、乾燥後析出したアレルゲンを包含又は吸着する前記有機化合物を除去するアレルゲン除去方法を提供する。
(b−1)炭素数が14〜20のアルキル基を有し、含水率が5質量%以下において、25℃で固体状態である界面活性剤
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩
【0011】
本発明において、アレルゲンとは、通常、広くアレルギーの原因物質を指すが、本発明では、特にダニ、ユスリカ、ゴキブリ及びこれらの死骸もしくはこれらの糞が塵化したもの、ペットの体毛の破断物、ペットの唾液中のタンパク質の乾燥物、花粉、並びに、カビの胞子を指すものとする。本発明のアレルゲン除去剤は、これらのアレルゲン中でも清掃除去が難しい100μm以下のものを除去するのに効果的である。
【0012】
本発明において、アレルゲン除去剤とは、該剤で処理することにより、アレルゲンの対象表面からの除去を容易にするものを指す。
【0013】
また、本発明は、上記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する、ダニ、ユスリカ、ゴキブリ及びこれらの死骸もしくはこれらの糞が塵化したもの、ペットの体毛の破断物、花粉、並びに、カビの胞子から選ばれる少なくとも一種を除去するための剤についても提供する。
【0014】
【発明の実施の形態】
<(a)成分>
本発明の(a)成分は水と共沸混合物を形成し、1013.25hPa(760mmHg)における水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物であり、化学便覧基礎編 改訂4版 日本化学会編 丸善(株) II−147頁 表8・43に記載の水と共沸混合物を形成する化合物から共沸温度が100℃未満、好ましくは60〜90℃の化合物を用いることができる。好ましい具体例としてはエタノール、シクロヘキサン、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、シクロヘキサン、トルエン、1−ブタノール、2−ブタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ヘキサノール、ヘキサン、1−ヘプタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノールを挙げることができ、炭素数2〜7のアルコール化合物が好ましい。特にエタノール、1−プロパノール、2−プロパノールがアレルゲン除去効果の点から最も好ましい。
【0015】
<(b)成分>
(b)成分は本発明において最も重要な成分である。(b)成分は、アレルゲン除去剤中の少なくとも(a)成分及び/又は(c)成分に溶解して存在し、該除去剤中の液体成分の蒸発により、(b)成分自体又は(b)成分に起因する固体を生成させる固体源物質である。すなわち、本発明のアレルゲン除去剤は、該アレルゲン除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成するものである。ここで、液体成分の蒸発とは、液状成分の全てが蒸発することではなく、固体の生成に十分な液状成分の蒸発量を意味する。すなわち、本発明のアレルゲン除去剤中の液状成分は主に(a)成分と(c)成分であるが、後述の香料等、揮発性の低い液状成分を少量含む場合、それらは必ずしも蒸発する必要はない。このような性質を示す(b)成分を含有することで、本発明のアレルゲン除去剤は、アレルゲンが存在する被処理物に噴霧ないし塗布等された後、当該処理部分の乾燥により固体を生成する。その際、該固体が、アレルゲンを担持して生成する、あるいはアレルゲンの被処理物の表面からの剥離を容易にする、などの理由により、清掃によるアレルゲンの除去効率を向上させるものと考えられる。
【0016】
本発明の(b)成分は、下記(b−1)〔以下、(b−1)成分という〕及び(b−2)〔以下、(b−2)成分という〕から選ばれる1種以上の化合物である。
(b−1)炭素数が14〜20のアルキル基を有し、含水率が5質量%以下において、25℃、好ましくは35℃で固体状態である界面活性剤
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩。
【0017】
本発明で用いる(b−1)成分は、炭素数が14〜20のアルキル基を有する界面活性剤であり、分子中にアルキル基を1つ有するものが好ましく、特に直鎖のアルキル基が好ましい。炭素数が14以上のアルキル基を有するものは、処理表面からの剥離を容易にし、更には炭素数が20以下のアルキル基を有するものは、(a)成分や(c)成分の溶媒への溶解性の上で使いやすい。
【0018】
また、(b−1)成分としては、下記の吸湿性試験において吸湿度が0〜2、好ましくは0〜1、特に0〜0.5の化合物が好適である。
【0019】
(吸湿性試験)
(b−1)成分を粉砕し、篩により500〜1000μmに分級する。この分級したもの1g(Wa)を直径7cm、深さ1.5cmの円柱状のガラス製シャーレに入れ、全体の質量を測定する(Wb)。次に湿度80%、温度20℃の恒温室に24時間放置した後の全体の質量を測定し(Wc)、次式により吸湿度を求める。
吸湿度=(Wc−Wb)/Wa
【0020】
(b−1)成分としては、炭素数14〜20のアルキル基を有する非イオン界面活性剤及び炭素数14〜20のアルキル基を有する陰イオン界面活性剤が好ましく、特に下記(b11)〜(b13)の界面活性剤がアレルゲン除去効果の点から好適である。
(b11):炭素数14〜20のアルキル基と、硫酸エステル基及び/又はスルホン酸基とを有する陰イオン界面活性剤
(b12):炭素数8〜18の飽和脂肪族アルコールにアルキレンオキサイド、好ましくはエチレンオキサイド(以下、EOと表記する)を20〜150モル付加させたポリオキシアルキレンアルキル(又はアルケニル)エーテル
(b13):炭素数14〜18の飽和脂肪酸石鹸。
【0021】
(b11)の具体的な好ましい例としては、アルキル基の炭素数が14〜20のアルキル硫酸エステル塩、炭素数14〜20のアルキル基及び平均付加モル数1〜6(好ましくは1〜3)のポリオキシアルキレン(好ましくはエチレン)アルキルエーテル硫酸エステル塩、炭素数14〜20のα−オレフィンスルホン酸塩、炭素数14〜20のα−スルホ脂肪酸低級アルキル(炭素数1〜3)エステル塩、アルキル基の炭素数が5〜19のアルキルベンゼンスルホン酸塩から選ばれる1種以上である。特にアルキル硫酸エステル塩がアレルゲン除去効果の点から好ましい。塩としてはナトリウム塩又はカリウム塩が良好である。
【0022】
(b12)の化合物としては下記一般式(I)の化合物が好ましい。
R1−O−(R2O)a−H (I)
〔式中、R1は、炭素数8〜18、好ましくは10〜18、特に好ましくは14〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R2は炭素数2又は3のアルキレン基であり、好ましくはエチレン基である。aは平均付加モル数として20〜150、好ましくは30〜150、特に好ましくは30〜100の数を示す。〕。
【0023】
一般式(I)の化合物において特に好ましい化合物は下記一般式(I−1)の化合物又は一般式(I−2)の化合物を挙げることができる。
R3−O(EO)b−H (I−1)
〔式中、R3は炭素数14〜18の一級の直鎖アルキル基、分岐鎖アルキル基又は二級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイドであり、bは平均付加モル数として20〜150、好ましくは30〜150、特に好ましくは30〜100である。〕
R4−O[(EO)c/(PO)d]−H (I−2)
〔式中、R4は炭素数14〜18の一級のアルキル基である。EOはエチレンオキサイド、POはプロピレンオキサイドを示す。cは平均付加モル数20〜150、dは平均付加モル数1〜60である。EOとPOはランダム付加又はEOを付加した後、POを付加してもよく、またその逆のようなブロック付加体でもよい。〕
【0024】
(b13)の化合物としては、ミリスチン酸、パルミチン酸、及びステアリン酸のナトリウム石鹸及び/又はカリウム石鹸が好ましい。
【0025】
本発明の(b−2)成分として特に好ましい化合物はクエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、並びにこれらの塩(好ましくはナトリウム塩及び/又はカリウム塩)であり、特にフタル酸及びその塩がアレルゲン除去効果の点から最も好ましい。
【0026】
なお、本発明では(b−1)成分の界面活性剤は、何れも含水率〔(b−1)成分中の水分〕が、5質量%以下の状態において、25℃、好ましくは35℃で、固体状態であることを規定しているが、含水率が5質量%を超える場合には、エタノール又はイソプロパノールを加え、エバポレーターにより減圧下共沸脱水を行い、含水率を5質量%以下にした後、そのものを直径7cm、深さ1.5cmの円柱状のガラス製シャーレに1g入れ、25℃、好ましくは35℃の恒温室に24時間放置した後、目視で(b−1)成分の状態を観察することで確認できる。又は、DSC(示差走査熱量)測定において、25℃以上、好ましくは35℃以上の温度で、融解による熱量の吸熱ピークが存在することでも確認できる。また、水分は「化学大辞典」共立出版社 2−573頁に記載のカールフィッシャー法で求めることができる。
【0027】
<(c)成分>
本発明の(c)成分は水であり、(a)成分、(b)成分及びその他の成分を含有する剤の残部であるが、一部の(b)成分の溶媒でもある。水は多少の金属イオンを含んだもの(そのイオンは(b)成分であってもよい)を使用してもよいが、保存安定性の上でイオン交換水を用いることが好ましい。
【0028】
<(d)成分>
本発明では任意であるが、(d)成分として香料成分を含有する。香料成分としては、「香料の化学」(赤星亮一著、日本化学会編 産業化学シリーズ 昭和58年9月16日発行)や「合成香料 化学と商品知識」(印藤 元一著、化学工業日報社、1996年3月6日発行)や「香料と調香の実際知識」(中島基貴著、産業図書(株)、1995年6月21日発行)に記載のものを用いることができる。また、本発明ではアレルゲン低減効果を向上させる目的から、「周知・慣用技術集(香料) 第一部 香料一般」 2.6.4節記載の『誘引剤・忌避剤・フェロモン』及び2.6.5節記載の『殺虫剤』等から選ばれる1種以上を用いることが好適である。
【0029】
具体的な香料としては、カンフェン、l−メントール、ボルネオール、セドロール、t−ブチルシクロヘキサノール、ショウノウ、p−t−ブチルシクロヘキサノン、マルトール、シクロペンタデカノン、ヒノキチオール、カリオフィレンオキサイド、ブッコキシム(Dragoca社製)、ジメチルフェニルカルビノール、フェニルグリコール、バニリン、エチルバニリン、ベンゾフェノン、メチルナフチルケトン、クマリン、ムスクキシレン、ムスクケトン、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、ムスクモスケン(ジボダン社製)、セレストリド(IFF社製)、ベルサリド、トナリド、ジメチルハイドロキノン、チモール、トランス−ベンジルイソオイゲノール、β−ナフトールメチルエーテル、バニトロープ、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、酢酸イソオイゲノール、桂皮酸シンナミル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、インドール、スカトール、ローズフェノン、メチルアトラレート、ラズベリーケトン、ヘリオトロピルアセトン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、p−クロロ−m−キシレノール、α−ピネン、β−ピネン、安息香酸シス−3−ヘキセニル、安息香酸ヘキシル、安息香酸ベンジル、オイゲノール、カリオフィレン、カルボン、ゲラニオール、サリチル酸シス−3−ヘキセニル、サリチル酸ヘキシル、サンタロール、シトラール、シトロネラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、ヘキシルシンナミックアルデヒド、ベンジルアルコール、メントン、リナロール、ジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、ファルネソール、ネロリドール、フェノキシエタノール、シネオール、ギ酸リナリル、シンナミックアルデヒト、イソフィトール、フィトール、セドリルメチルエーテル、β−ダマスコン、α−ダマスコン、β−ヨノン、α−ヨノン、テトラヒドロリナロール、リラール(IFF社製)、ベンズアルデヒト、安息香酸n−アミル、安息香酸イソアミル,安息香酸へプチル、安息香酸フェニルエチル、サリチル酸n−ブチル、サリチル酸イソブチル、サリチル酸n−アミル、サリチル酸イソアミル、サリチル酸メチル、サリチル酸ベンジル、n−酪酸ベンジル、イソ酪酸ベンジル、n−吉草酸ベンジル、イソ吉草酸ベンジル、プロピオン酸ベンジル、ヘキサン酸ベンジル、オクタン酸ベンジル、フェニルプロピルアルコールから選ばれる1種以上が特に好ましく、最も好ましくはジャスモン、ジヒドロジャスモン、ジャスモン酸メチル、ジヒドロジャスモン酸メチル、ファルネソール、ネロリドール、カンフェン、セドロール、ヒノキチオール、カリオフィレンオキサイド、ブッコキシム(Dragoca社製)、ジメチルフェニルカルビノール、フェニルグリコール、クマリン、ムスクキシレン、ムスクケトン、ムスクアンブレット、ムスクチベテン、ムスクモスケン(ジボダン社製)、セレストリド(IFF社製)、ベルサリド、トナリド、ジメチルハイドロキノン、チモール、トランス−ベンジルイソオイゲノール、β−ナフトールメチルエーテル、バニトロープ、安息香酸、桂皮酸、フェニル酢酸、ヒドロ桂皮酸、酢酸イソオイゲノール、桂皮酸シンナミル、サリチル酸フェニルエチル、アニス酸メチル、インドール、スカトール、ローズフェノン、メチルアトラレート、ラズベリーケトン、ヘリオトロピルアセトン、3−メチル−4−イソプロピルフェノール、から選ばれる1種以上である。また、本発明ではこのような香料成分を単独で用いることができるが、2種以上の香料組成物として用いることもできる。
【0030】
本発明ではアレルゲン除去効果向上の点から(d)成分として植物から抽出した天然精油を用いることも好適である。天然精油としては、ハッカ油、アーモンド油、カラムス油、ペパーミント油、スペアミント油、シンナモン油、オールスパイス油、クローブ油、タイム油、ローズマリー油、レモングラス油、レモン油、ユズ油、ライム油、グレープフルーツ油、マンダリン油、アジョワン油、ベルガモット油、ローレル油、スターアニス油、マジョラム油、メース油、ボアドローズ油、パルマローサ油、レモンベルベナ油、レモンバーム油、ラベンダー油、ローズ油、オレンジ油、カシア油、カッシー油、ガーリック油、カヤブテ油、シソ油、シナモン油、樟脳油、セダーウッド油、バチュリ油、ヒノキ油、ヒバ油、米油、ベニーロイヤル油、リセアキュベバ油、ユーカリ油、ティーツリー油、イランイラン油、ベチバー油、カナンガ油、シトロネラ油、ナツメグ油、ペッパー油、サンダルウッド油、ジンジャー油、アニス油、メース油、フェンネル油等を挙げることができる。
【0031】
これらの中でも特にイランイラン油、オレンジ油、クローブ油、サンダルウッド油、スペアミント油、セダーウッド油、タイム油、ティーツリー油、ハッカ油、パルマローザ油、ヒノキ油、ヒバ油、ペパーミント油、ペニーロイヤル油、ユーカリ油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ローズマリー油、樟脳油、アジョワン油から選ばれる1種以上が好ましい。
【0032】
<(e)成分>
本発明には任意ではあるが、通常液体組成物の貯蔵安定性の改善や粘度調整を目的に、本発明の効果を妨げない程度に(e)成分としてハイドロトロープ剤や粘度調整剤を含有しても差し支えない。ハイドロトロープ剤としては炭素数1〜3のアルキル基が1〜3個置換したベンゼンスルホン酸又はその塩を用いることが可能である。また、粘度調整剤としては増粘剤として部分架橋ポリアクリル酸、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キサンタンガム等の配合を検討するとができる。また減粘剤としてポリエチレングリコール(分子量=300〜4000)、ポリプロピレングリコール(分子量=300〜2000)、グリセリン、ポリグリセリン(縮合度2〜10)、ソルビトール、ペンタエリスリトール等の配合を検討してもよい。
【0033】
<その他の成分>
その他の任意成分としては、後述するpH調整剤としての酸やアルカリ剤、メタノールの他、特開平4−91197号公報記載のグリコール系溶剤、特開平7−224299号公報記載のフェニルエーテル系溶剤、及び特開平7−3289号公報記載のグリセリルエーテル系溶剤記載等の(a)成分以外の水溶性有機溶剤、アレルゲン除去剤自体を着色するための色素、アレルゲンを被覆することでその発現を抑制するポリマー、アレルゲンを変質されるアレルゲン変性剤、殺菌・殺ダニ剤、並びにアレルゲン除去剤自体に菌やカビの発生を抑制するための防菌・防カビ剤、(b−1)成分以外の界面活性剤等を挙げることができるが、(b)成分からの固体生成を抑制する物質の配合量は十分検討されるべきであり、また剤自体がアレルゲン症状を示すことが懸念される物質の配合は控えるべきである。界面活性剤の配合には特に注意すべきである。本発明には無機塩や無機酸、無機アルカリを配合しても(b)成分の析出を抑制しない限り問題ない。なお、pH調整剤として、(b)成分を用いることができるが、その場合は、(b)成分として考慮する。本発明において(a)成分、(b)成分、(d)成分、(e)成分、メタノール、及びエアゾールの有機性のプロペラント以外の有機化合物は(f)成分と称するものとする。
【0034】
<アレルゲン除去剤>
本発明のアレルゲン除去剤は、(b)成分及び必要に応じて(d)成分等その他成分を、(a)成分及び(c)成分である水及び溶剤に溶解させた溶液、好ましくは水溶液の形態である。特に本発明は(b)成分が重要であり、対象物表面からアレルゲン物質を収集して剥離させる固体を生成する機能を有する。具体的には、本発明のアレルゲン除去剤を対象物に噴霧処理又は浸漬処理し乾燥させると、対象物表面に(b)成分等の固体が析出する。このとき、ダニ類などの生物及びそれらの死骸や糞等のアレルゲン物質を抱き込みながら(b)成分等の固体が析出する。これを掃除機などの清掃道具を用いて除去することにより、アレルゲンを容易に除去することが可能になる。(b)成分の含有量は、アレルゲン除去効果を発揮するために、アレルゲン除去剤中、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、最も好ましくは0.1質量%以上であり、対象表面のベト付きを抑制し、且つ処理表面からの効果的な除去のために、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、最も好ましくは1質量%以下である。なお、(b−1)成分の場合、(b−2)成分よりも残留しやすい性質を示すため、1質量%以下、好ましくは0.5質量%以下、より好ましくは、0.2質量%以下である。
【0035】
(a)成分は(b)成分の機能を促進させるために用いられる。すなわち(a)成分は、噴霧や塗布後の乾燥を促進し、且つ(b)成分等の固体の対象物表面への析出の促進させる目的で用いられる。このような効果を得るために本発明では(a)成分の含有量は、アレルゲン除去剤中1〜70質量%、好ましくは5〜60質量%、特に好ましくは5〜40質量%であるが、任意成分として疎水性の固体を含有する場合は60質量%まで考慮してよい。
【0036】
本発明では(c)成分である水をアレルゲン除去剤中30質量%以上含有することが好ましい。また、(a)成分、(b)成分、(c)成分の合計が95〜100質量%、更に98〜100質量%、特に99〜100質量%であることが望ましい。
【0037】
また、本発明の(d)成分の含有量は、アレルゲン除去剤中に0〜5質量%、好ましくは0.001〜5質量%、さらに好ましくは0.001〜3質量%、より好ましくは0.001〜1質量%、特に好ましくは0.005〜0.5質量%、最も好ましくは0.005〜0.3質量%配合することが好適である。また、(d)成分の多量の配合は(b)成分の析出を抑制する傾向があるため、本発明のアレルゲン除去剤では、(b)/[(b)+(d)]の質量比は下限が0.2以上、好ましくは0.5以上、上限が1以下となるように(b)、(d)成分を配合することが好ましい。
【0038】
本発明では液の外観及び貯蔵安定性の点から(e)成分を含有することができるが、本発明の効果を妨げないことが重要である。また(e)成分は、表面に付着して残留し、効果的な除去が阻害することが懸念される。従って、本発明のアレルゲン除去剤中の(e)成分は、好ましくは1質量%未満、特に好ましくは0.5質量%未満、最も好ましくは0.2質量%以下で配合が制限される。
【0039】
さらに本発明では、上記成分以外の有機化合物〔(f)成分〕、例えば(b−1)成分以外の界面活性剤を含有することができるが、(b)成分の効果を妨げないことが重要であり、(f)成分の含有量はアレルゲン除去剤中0〜1質量%、更に0〜0.5質量%、特に0〜0.1質量%であることが好ましい。また界面活性剤は、処理表面からの剥離性を容易にする上で、(b−1)成分を含めた濃度として、0.5質量%以下、0.3質量%以下が好ましい。
【0040】
本発明では無機塩を配合することもできるが、(b)成分の効果を抑制しないことが重要であり、配合する場合は、アレルゲン除去剤中好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下である。無機塩は、(b)成分と同じく(a)成分と(c)成分の蒸発後に固体を生成することができるものが望ましい。
【0041】
本発明のアレルゲン除去剤の20℃におけるpHは、好ましくは3〜9、より好ましくは4〜8に調整することが好適である。pH調整剤としては塩酸や硫酸などの無機酸や水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、アンモニアやその誘導体、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン塩など、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ剤を、単独もしくは複合して用いることが好ましく、特に塩酸、硫酸から選ばれる酸と水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選ばれるアルカリ剤を用いることが好ましい。また、(b)成分を酸剤として用いてもよい。
【0042】
本発明のアレルゲン除去剤は対象物への処理のし易さ、及びアレルゲン除去効果を向上させる目的から、20℃における粘度を好ましくは15mPa・s以下、さらに好ましくは1〜10mPa・sに調整することが好適である。このような粘度に調整することで対象物を均一に処理することができ、さらに乾燥や(b)成分の析出を促進させることができる。本発明でいう粘度は以下のようにして測定する。まずTOKIMEC.INC製B型粘度計モデルBMに、ローター番号No.1のローターを備え付けたものを準備する。試料をトールビーカーに充填し20℃の恒温槽内にて20℃に調製する。恒温に調製された試料を粘度計にセットする。ローターの回転数を60r/mに設定し、回転を始めてから60秒後の粘度を本発明の粘度とする。
【0043】
<アレルゲン除去方法>
本発明では、上記アレルゲン除去剤を被対象物に噴霧した後に清掃道具等により前記(b)成分にとり込まれたアレルゲン物質を除去することでアレルゲンを除去する全く新しい方法を提供するものである。すなわち、(b)成分を含有する水溶液をアレルゲンが存在する対象表面に塗布又は噴霧し、乾燥後析出したアレルゲンを包含又は吸着した(b)成分を除去するアレルゲン除去方法を提供する。ここで、「アレルゲンを包含又は吸着する」とは、アレルゲンの少なくとも一部を(b)成分内部に包含すること、アレルゲンの少なくとも一部が(b)成分の表面に付着すること、その他、何らかの方法でアレルゲンが(b)成分と共に移動可能な状態で担持されていることを意味する。
【0044】
噴霧器としては、トリガー式噴霧器、或いはエアゾール式噴霧器を用いることが好ましく、特にはトリガー式噴霧器がより好ましい。
【0045】
トリガー式噴霧器を用いる場合、該噴霧器は1回のストロークで好ましくは0.1g〜2.0g、さらに好ましくは0.2〜1.5g、特に好ましくは0.3g〜1.0g噴出するものが良好である。本発明で使用するトリガー式スプレー容器として特に好ましいものは、実開平4−37554号公報に開示されているような蓄圧式トリガーが、噴霧の均一性の点で特に良好である。
【0046】
エアゾール式噴霧器を用いる場合、該噴霧器は1秒あたり好ましくは0.5〜5.0g、さらに好ましくは1秒あたり1.0〜3.0gを噴霧するものが良好である。エアゾールの噴射剤(プロペラント)としては、液化プロパンガス、液化ブタンガス、ジメチルエーテル、窒素、二酸化炭素、空気などを用いることが出来るが、噴射特性の点からは、液化プロパンガス、液化ブタンガスが好ましく、安全性の点からは窒素、二酸化炭素、空気が好ましい。本発明では、エアゾールのプロペラントとして用いる有機化合物は、アレルゲン除去剤の構成成分には算入しない。
【0047】
噴霧特性としては、特に地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が好ましくは100〜800cm2、さらに好ましくは150〜600cm2になるトリガー式噴霧器が好ましい。また、本発明では(b)成分を対象物1000cm2当たり好ましくは1〜10mg、さらに好ましくは2〜5mgになるように均一に対象物にスプレーし、乾燥させることで高いアレルゲン除去効果を得ることができる。
【0048】
スプレー後は自然乾燥させた後、タオル等の布帛や掃除機などの清掃道具により対象物を除去することで、アレルゲンを効率的に除去することが可能となる。なお本方法に適した組成は前記した通りである。
【0049】
本発明のアレルゲン除去剤の最も好ましい処方例とその使用方法を以下に示す。
(A)エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノールから選ばれる1種以上 3〜60質量%
(B)下記(b−1)成分及び/又は(b−2)成分で示される固体源物質 0.05〜1質量%
(b−1)炭素数が14〜20の直鎖アルキル基を有するアルキル硫酸エステル又はその塩、炭素数が14〜18の直鎖アルキル基を有する飽和脂肪酸又はその塩(これらの塩はアルカリ金属塩が好ましい。)
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、フタル酸、及びテレフタル酸、並びにこれらのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩(好ましくはアルカリ金属塩)
(C)水 残部
(D)香料 0〜0.5質量%
(E)その他の成分 0〜1.0質量%(但し、(b−1)成分を含めて界面活性剤濃度は0.5質量%以下である。)
からなるpH4〜8(20℃)の水性組成物、更には、該組成物を非エアゾールタイプの噴霧装置を備えた容器に充填したもの、特には、該充填物であって、対象表面から30cm離れた位置から、噴霧動作を1回行ったときに、気温23〜32℃、湿度60%RH以下の環境下において、30分以内に固体が析出するものである。使い方としては、該水性組成物からなるアレルゲン除去剤を対象表面に噴霧した後、掃除機などで吸引除去することが好ましい。
【0050】
なお、本発明のアレルゲン除去剤の対象表面は、カーペット、畳、布製ソファー、ラグ、フローリング床、その他アレルゲンの除去が望まれる住居内の硬質表面、及びふとん、枕、ベッドパッド等の寝具、ぬいぐるみ、布製クッション等を挙げることができる。
【0051】
【実施例】
表1〜3に示すアレルゲン除去剤を調製した。下記方法により調製した対象物に下記方法で処理した時のアレルゲン除去効果及び感触を測定した。結果を表1〜3に示す。
【0052】
(1)アレルゲン除去率の測定
3年間家庭で使用された中古カーペット((株)サンゲツ製カーペット「サンセシール CL−101」)を10cm四方に裁断した。
【0053】
裁断したカーペットにサンプルを均一に0.3gスプレー(花王(株)製スムーサートリガー容器を用いた。1回のストロークの噴霧量は0.3gであり、地面に垂直に置いた対象物に15cm離れた場所からスプレーしたときの液のかかる面積が420cm2であった)し、室温(温度23℃、相対湿度50%)で30分間乾燥させた後、新品の紙パックを装着した吸引仕事率250Wの掃除機で1秒間吸引した。この操作を20回繰り返した。
【0054】
その後、pH7.4±0.1りん酸バッファー液(KH2PO4,NaCl,Na2HPO4・7H2Oをそれぞれ0.144g/L、9.00g/L、0.795g/Lとなるように蒸留水に溶解したもの、以下PBSとする)50mLを用いて紙パックに捕集されたアレルゲンを抽出した(この抽出液を除去アレルゲン抽出液と呼ぶ)。また、カーペットに残留したアレルゲンを、PBS 50mLを用いて抽出した(この抽出液を残留アレルゲン抽出液と呼ぶ)。
【0055】
各々の抽出液について、サンドイッチELISA法を用いてDer f II(コナヒョウヒダニ虫体に含まれるアレルゲン)濃度の定量を行った。サンドイッチELISA法は以下のように行った。
1.モノクローナル抗体15E11(生化学工業(株))をPBSで2μg/mlの濃度に希釈しマイクロプレート(住友ベークライトELISA PLATE H TYPE)の各ウェルに50μlずつ分注し、室温で2時間静置する。
2.プレートをPBSで3回洗浄する。
3.1%BSAを含むPBS(大日本製薬 ブロックエース)を各ウェルに200μlずつ分注し室温で1時間静置し、ブロッキングを行う。
4.プレートをTween20(SIGMA)を0.05質量%含有するPBS(以下、T−PBSとする)で3回洗浄する。
5.スタンダードとしてrDer f II(生化学工業(株))を0.3μg/mlから9管T−PBSで2n倍希釈し、各々50μlを各ウェルに分注し、さらに陰性対照としてrDer f IIの替わりにT−PBSを50μl加えたウェルを用意する。測定する試料はT−PBSで適宜希釈してから各ウェルに50μlずつ分注する。室温で2時間静置する。
6.プレートをT−PBSで3回洗浄する。
7.至適濃度のHRP標識13A4(生化学工業(株))を各ウェルに50μl分注し室温で2時間静置する。
8.プレートをT−PBSで3回洗浄する。
9.ペルオキシダーゼ用発色キットT(住友ベークライト)を用いて発色を行う。まず発色剤10mLに基質液を0.1mL加えて混和して発色液とする。この発色液を各ウェルに100μlずつ分注し室温で発色させる。その後停止液を各ウェルに100μlずつ分注して反応を止め、プレートリーダーで450nmにおける吸光度を測定する。
10.スタンダードの吸光度から得られる検量線を用いて測定する試料のDer f II濃度を算出する。
【0056】
得られたDer f II濃度について、除去アレルゲン抽出液のDer f II濃度をa、残留アレルゲン抽出液のDer f II濃度をbとすると、掃除機吸引によるアレルゲン除去率Rは以下の式で定義される。
R=a/(a+b)×100 (%)
各サンプルについて上記試験を5回行い、得られた5回分のアレルゲン除去率の平均値を該サンプルのアレルゲン除去率とした。
【0057】
(2)感触評価方法
(株)サンゲツ製カーペット「サンセシール CL−101」を10cm角に切り出した物を試験片として用いた。試験片に対し、0.1cc/100cm2で処方液をスプレーし、充分乾燥させ、このスプレーと乾燥を50回繰り返したものをサンプルとした。10名のパネラーにて、何も処理していない試験片を基準とし、下記基準で官能評価を行い、平均値を求めた。
4…基準よりも触感が良好である
3…基準と同等である
2…基準よりもやや触感が劣る
1…基準よりも明らかに触感が劣る
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
表中、エタノールは水との共沸温度78.2℃、イソプロパノールは共沸温度80.1℃である。また、ミリスチル硫酸エステルナトリウム、パルミチル硫酸エステルナトリウム、ミリスチン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EOp=40)は、水分5質量%において、25℃、更に35℃で全て固体状態であるが、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(EOp=10)及びデカン酸は、水分5質量%において、25℃、更に35℃で全て液体であった。なお、EOpは、エチレンオキサイド平均付加モル数である。また、表1、3中の(b−1)成分は全て吸湿度0〜0.5の範囲であった。また、表1〜3中、pHの調整は硫酸及び/又は水酸化ナトリウムで行った。
【0062】
表1中、比較例5は水溶液に調製せず、粉末をそのまま用いた場合の効果について調べたものである。処理方法は、比較例5に示す(b−1)成分を粉砕し、篩により50〜125μmに分級した粉末を、裁断したカーペットに5g均一にふりかけ、30分後に掃除機で吸引した以外は上記と同様の方法でアレルゲン除去効果及び感触評価を行った。また、比較例6は水のみで処理した例である。
【0063】
なお、表11〜3のアレルゲン除去剤を用いず、掃除機で処理したカーペットのアレルゲン除去率は21%、触感評価は3.5であった。
Claims (5)
- 下記(a)成分、(b)成分、及び(c)成分を含有するアレルゲン除去剤。
(a)成分:水と共沸混合物を形成し、1013.25hPaにおける水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物1〜70質量%
(b)成分:(a)成分及び(c)成分の少なくとも一方に溶解し、該アレルゲン除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成させる下記(b−1)又は(b−2)から選ばれる固体源物質0.01〜5質量%
(b−1)下記(b 11 )〜(b 13 )から選ばれる界面活性剤
(b 11 ):炭素数14〜20のアルキル基と、硫酸エステル基及び/又はスルホン酸基とを有する陰イオン界面活性剤
(b 12 ):炭素数8〜18の飽和脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを20〜150モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル
(b 13 ):炭素数14〜18の飽和脂肪酸石鹸
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩
(c)成分:水 - (a)成分、(b)成分及び(c)成分の合計が95〜100質量%である請求項1記載のアレルゲン除去剤。
- 被処理物から、析出した固体と共にアレルゲンを除去するアレルゲンの除去方法に供される請求項1又は2記載のアレルゲン除去剤。
- 水と共沸混合物を形成し、1013.25hPaにおける水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物と、下記(b−1)及び(b−2)から選ばれる有機化合物を含有する水溶液をアレルゲンが存在する対象表面に塗布又は噴霧し、乾燥後析出したアレルゲンを包含又は吸着する前記有機化合物を除去するアレルゲン除去方法。
(b−1)下記(b 11 )〜(b 13 )から選ばれる界面活性剤
(b 11 ):炭素数14〜20のアルキル基と、硫酸エステル基及び/又はスルホン酸基とを有する陰イオン界面活性剤
(b 12 ):炭素数8〜18の飽和脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを20〜150モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル
(b 13 ):炭素数14〜18の飽和脂肪酸石鹸
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩 - 下記(a)成分、(b)成分及び(c)成分を含有する、ダニ、ユスリカ、ゴキブリ及びこれらの死骸もしくはこれらの糞が塵化したもの、ペットの体毛の破断物、花粉、並びに、カビの胞子から選ばれる少なくとも一種を除去するための剤。
(a)成分:水と共沸混合物を形成し、1013.25hPaにおける水との共沸温度が100℃未満になる有機化合物
(b)成分:(a)成分及び(c)成分の少なくとも一方に溶解し、該アレルゲン除去剤中の液体成分の蒸発により固体を生成させる下記(b−1)又は(b−2)から選ばれる固体源物質0.01〜5質量%
(b−1)下記(b 11 )〜(b 13 )から選ばれる界面活性剤
(b 11 ):炭素数14〜20のアルキル基と、硫酸エステル基及び/又はスルホン酸基とを有する陰イオン界面活性剤
(b 12 ):炭素数8〜18の飽和脂肪族アルコールにアルキレンオキサイドを20〜150モル付加させたポリオキシアルキレンアルキルエーテル又はポリオキシアルキレンアルケニルエーテル
(b 13 ):炭素数14〜18の飽和脂肪酸石鹸
(b−2)クエン酸、コハク酸、酒石酸、リンゴ酸、フマル酸、マロン酸、マレイン酸、アジピン酸、乳酸、フタル酸、テレフタル酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタミン酸、グルタル酸、蓚酸、グリシン及びこれらのアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩
(c)成分:水
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