JP3551028B2 - 磁気テープ装置 - Google Patents

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    • G11B23/50Reconditioning of record carriers; Cleaning of record carriers ; Carrying-off electrostatic charges
    • G11B23/502Reconditioning of record carriers; Cleaning of record carriers ; Carrying-off electrostatic charges of tape carriers

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  • Manufacturing Of Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Registering, Tensioning, Guiding Webs, And Rollers Therefor (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気テープ装置に関し、より詳しくは、薄いメタルテープの駆動に適した磁気テープ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気テープ装置は、テープ状の磁気記録媒体である磁気テープを用い、この磁気テープに対してデータの書き込み又はこの磁気テープからデータの読み出しを行う。データの読み出し又は書き込みは、磁気テープヘッドを用いて行われる。テープの表面の付着物は、テープクリーナによって除去される。磁気テープは、複数個のテープガイドによりテープ走行路中を案内される。この磁気テープは、テープカートリッジーに収容されている。磁気テープは、カートリッジ内に設けられるファイルリールに巻回されている。カートリッジは、ローダによって磁気テープ装置の内部に取り込まれる。カートリッジ内に収容されている磁気テープは、その先端がスレッダにより導かれてマシンリールに装着される。マシンリールは、ファイルリールに巻回された磁気テープを巻き取る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような磁気テープ装置に対する記憶容量の増大の要求は止まる所を知らない。その一方で、磁気テープを収容するテープカートリッジの大きさは、標準値が定められているため、そのサイズの変更を行うことは、無理である。テープカートリッジのサイズを変更すること無しに、記憶容量の増大を達成するため、磁気テープ装置や磁気テープ媒体自体の改良が種々行われ、記録密度の向上が図られてきた。より一層の大容量化に対応するには、磁気テープ媒体の更なる長尺化が考えられる。つまり、磁気テープ媒体を薄くすることが考えられる。
【0004】
テープの薄膜化は、より長尺のテープが一定体積の中に入れられるという長所がある反面、テープの剛性が非常に小さくなるという欠点を惹起する。剛性の低い薄いテープは、可動フランジの部分でそのテープ端面の折れが頻繁に起こり易くなる。このテープ損傷が原因となって、磁気テープに記録されたデータが滅失することがある。情報処理装置の外部記憶装置として用いられる磁気テープ装置は、このテープ折れの生じない構成とすることが絶対に必要である。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、テープ走行路中の磁気テープに対してデータの読み出し又は書き込みを行う磁気ヘッドと、前記磁気テープのテープ走行路に沿って前記磁気ヘッドの上流側と下流側に配置された第1のタイプのテープガイドと、前記第1のテープガイドの更に上流側又は更に下流側に配置された第2のタイプのテープガイドと、を備え、前記第1のタイプのテープガイドは、前記磁気テープを案内する案内面の幅が、前記磁気テープの幅以下であり、前記第2のタイプのテープガイドは、前記磁気テープを案内する案内面の幅が、前記磁気テープの幅以上である、磁気テープ装置である。
【0006】
請求項2に記載の発明は、テープ走行路中の磁気テープに対してデータの読み出し又は書き込みを行う磁気ヘッドと、前記磁気テープのテープ走行路に沿って前記磁気ヘッドの上流側と下流側に配置された第1のタイプのテープガイドと、前記第1のタイプのテープガイドの更に上流側又は更に下流側に配置された第2のタイプのテープガイドと、を備え、前記第1のタイプのテープガイドは、前記磁気テープを案内する案内面と、前記磁気テープの幅方向の端面を、その端面に付勢力を与えた状態で案内する可動フランジと、を備え、前記第2のタイプのテープガイドは、前記磁気テープを案内する案内面の幅が、前記磁気テープの全幅を案内する幅である、磁気テープ装置である。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記第2のタイプのテープガイドは、前記磁気テープの巻き取りを行うマシンリール側に設けられている、請求項1又は2記載の磁気テープ装置である。
請求項4に記載の発明は、前記第1のタイプのテープガイドの前記案内面の幅は、前記磁気テープの幅よりも0〜0.1mm短い幅である、請求項1乃至3記載の磁気テープ装置である。
【0008】
請求項5に記載の発明は、前記可動フランジの付勢力が、20g以上30g以下である、請求項2乃至4記載の磁気テープ装置である。
請求項6に記載の発明は、前記磁気テープ表面の付着物を除去するテープクリーナを備え、前記テープクリーナは、当該テープクリーナの底面に対して垂直な二つの位置決め基準面を、その外周部に備えると共に、前記二つの位置決め基準面は、相互に非平行に配置されてなる、請求項1乃至5記載の磁気テープ装置である。
【0009】
請求項1又は2に記載の発明によれば、第2のタイプのテープガイドの案内面が、磁気テープの幅より長いか又はその全幅を案内するので、磁気テープがその幅方向に移動することを規制する第1のタイプのテープガイドに比べ、磁気テープの端面の折れの発生を抑止することができる。第1のタイプのテープガイドは、磁気テープ面を案内するローラと、磁気テープの端面と接触するフランジと、そのフランジに付勢力を与える付勢手段(例えばコイルスプリング)とを備える。フランジは、磁気テープが幅方向に移動する際に、磁気テープから移動力を受けて移動する。磁気テープの移動量が大きくなるにつれて、スプリングの存在によりフランジに加わる力が増大する。それ故、ローラ部から突出した磁気テープの端面は、フランジから受ける力により、フランジとローラ部との間に形成された空間に折れ込む。一方、本発明においては、第2のタイプのテイプガイドが、このような空間が存在しない構成を採用しているので、磁気テープの幅方向の端面が折れることがない。
【0010】
尚、第2のタイプのテープガイドは、磁気ヘッドの上流側に設けられる第1のテープガイドの更に上流側の位置及び磁気ヘッドの下流側に設けられる第1のテープガイドの更に下流側の位置の両方に夫々配置されても良い。
請求項3に記載の発明によれば、磁気テープの幅方向の振れが比較的大きくなるマシンリール近傍において、磁気テープの端面の折れが発生することなく、磁気テープを案内することが可能となる。
【0011】
請求項4に記載の発明によれば、磁気テープの端部がテープガイドの案内面から突出する量が0.1mm以下に規制されているので、座屈剛性の低下を1/2程度に押さえることができる。薄い磁気テープの端面の折れの発生は、この突出量の規制により、低減され得る。
請求項5に記載の発明によれば、可動フランジの付勢力が所定値に規制されているので、従来の磁気テープの厚み(例えば18μm)の半分の厚み(例えば9μm)を有するメタル2倍長磁気テープの座屈の発生が抑止され得る。
【0012】
請求項6に記載の発明によれば、テープクリーナの小型化が図れるので、テープクリーナが磁気ヘッドと第1のタイプのテープガイドとの間に配置されることができる。薄い磁気テープとの摺動により発生し、そして、磁気テープの表面に付着している塵埃は、磁気ヘッドに到達する前に、このテープクリーナにより、効果的に除去され得る。
【0013】
【実施の形態】
図1は、本発明にかかる磁気テープ装置の全体構成を示す図である。
磁気テープを収納するテープカートリッジは、I3590型である。このテープカートリッジ(図示されない)は、磁気テープ装置の前面に設けられた、投入・排出口102を介して、投入・排出される。投入されたテープカートリッジは、装置ベース1上に設けられたローダ9によって、所定位置にローディングされる。
【0014】
磁気テープ装置の装置ベース1上には、ヘッドサブアセンブリ2、マシンリール8、マシンリール8を駆動する駆動モータ(図示されない)、スレッダ10等が設けられている。
ローダ9は、磁気テープ装置の前側の領域内に設置される。ローダ9は、磁気テープを収容しているカートリッジを受け取り且つ保持する。また、ローダ9は、カートリッジ内部に設けられたリール(ファイルリールと称される)を駆動する駆動モータを有する。磁気テープは、カートリッジ内部のリールに巻回されている。マシンリール8は、ローダ9とヘッドサブアセンブリ2の間に配置されている。マシンリール8を駆動するモータ(図示されない)は、マシンリールの下側に配置されている。マシンリール8は、カートリッジから引き出されたテープを巻き取る。
【0015】
ヘッドサブアセンブリ2は、サブアセンブリベース3を有する。磁気テープに対してデータを読み書きする磁気テープヘッド4は、このサブアセンブリベース3上に配置されている。磁気テープ表面に付着している塵埃を除去するためのテープクリーナ5, 5’ は、このヘッド4の両側に設けられている。テープクリーナ5は、テープ走行路に関して、磁気ヘッド4の上流側に設けられている。テープクリーナ5’は、磁気ヘッド4の下流側の位置で、テープガイド6’とヘッド4との間に設けられている。また、テープガイド6が、テープクリーナ5よりも上流側の位置でサブアセンブリベース3上に取り付けられている。このテープガイド6の更に上流側の位置に、テープガイド7が配置されている。このテープガイド6,6’,7は、磁気テープのテープ走行路を形成する。このテープガイド6,6’は、テープが適切なパス中を移動するように、テープ面を案内すると同時に、磁気テープの幅方向(高さ方向)の位置を規制する。
【0016】
ヘッドサブアセンブリ2とマシンリール8の両方の上をほぼ覆うようにスレッダ10が設けられている。スレッダ10は、スレッダピン11、スレッダアーム(図示されない)、スレッダアームを駆動するモータ(図示されない)を備えている。スレッダピン11は、案内溝10aの中を移動する。スレッダピン11は、テープ先端に取り付けられたリーダブロックと係合した状態で、案内溝10a中を移動することによって、磁気テープの先端をマシンリール8に導く。
【0017】
図2は、テープパスを上側から見た図である。
磁気テープカートリッジ14がローダ9により磁気テープ装置に装填された後、スレッダピン11が磁気テープカートリッジ14内に収容された磁気テープ12のテープ先端に付いているリーダブロック16に係合させられる。スレッダピン11は、スレッダ10の案内溝10aに沿って案内される。スレッダピン11が案内される際に、磁気テープ12は、テープガイド6’ 、テープクリーナ5’、ヘッド4、テープクリーナ5、テープガイド6、テープガイド7を経てマシンリール8に至るテープパスにセットされる。リーダブロック16は、最後的にマシンリール8のリーダブロック挿入溝13に嵌め込まれる。スレッダピン11は、マシンリール8の回転中心に位置決めされる。マシンリール8が所定の速度で回転し磁気テープ12を巻き上げる際に、ヘッド4が磁気テープに記録された情報を次々と読み出したり、磁気テープに情報を書き込んだりする。
【0018】
磁気テープカートリッジ14内に設けられたファイルリール15が磁気テープを巻き戻す際に、同様に磁気テープヘッド4は、磁気テープにデータの読み出しや書き込みを行う。磁気テープが磁気テープカートリッジ14内に戻される時は、スレッダ10が磁気テープをテープパスにセットする時とは逆の動作をする。リーダブロック16は、スレッダ10により、カートリッジ14に至るまで運ばれる。この時、ファイルリール15は、磁気テープ12を巻き取る方向に回転駆動される。
【0019】
図3は、ヘッドサブアセンブリの構造を示す図である。
ヘッドサブセンブリ2は、サブアセンブリベース3上に、磁気ヘッド4,三つのテープガイド6,6’,7、及び二つのテープクリーナ5,5’を搭載している。磁気ヘッド4は、サブアセンブリベース3の部品搭載面3aに対して垂直な方向に移動可能なように、サブアセンブリベース3上に搭載されている。磁気ヘッド4の移動機構は、図示が省略されている。
【0020】
ヘッド4は、複数(通常は18〜72組)の読み/書きコアが高さ方向に並べられている。各コアは、各コアに対向した磁気テープ12の部分に情報を書いたり、その部分から情報を読み出したりする。磁気テープ12上には、複数のコアにより書かれたデータの帯びが形成される。このデータの帯びは、トラックと称されている。
【0021】
書き込まれたデータが確実に読み出されるためには、各コアが常にテープの同じ位置に対向することが必要である。磁気テープの高さ方向の位置が、磁気テープとヘッドが対向する位置において、常に一定の位置となるように、テープガイド6,6’によって案内される。また、高密度な記録を実現するためにはコア部とテープ表面の隙間はできるだけ小さいことが望ましい。テープのヘッドに接する部分のテープ走行路は、この隙間が最適となるように設定されている。
【0022】
テープガイド6, 6’ は、磁気テープ12がヘッド4やテープクリーナ5,5’ と適切に接するためのテープパスを設定すると共に、トラックのテープ幅方向の位置を精度良く保つ働きをする。磁気テープ12の下端は、磁気ヘッド4の上流側で、テープガイド6の固定フランジ17により案内される。又、磁気テープ12の下端は、磁気ヘッド4の下流側で、テープガイド6’の固定フランジ17’ により案内される。磁気テープ12の走行路において、ファイルリール15側が下流側であり、マシンリール8側が上流側である。磁気テープ12は、上フランジ19により下側の固定フランジ17に向けて付勢されている。磁気テープ12は、上フランジ19’ により下側の固定フランジ17’に向けて押しつけられている。このテープガイド6の上フランジ19とテープガイド6’の上フランジ19’は、テープガイド6,6’の軸方向に沿って移動可能であり、そして、後述するように、コイルスプリング26により、下側の固定フランジ17,17’に向けて付勢されている。このスプリング26による押し付けは、テープの高さ方向位置を正確に維持し、各トラックと対応するヘッドコアの位置のズレが許容値以下に押さえることを可能とする。この押しつけ力は、テープに通常使用状態で発生する外力が掛かってもテープ位置がズレることがないような十分な大きさの値に設定される。
【0023】
更に、テープガイド6,6’は、ヘッド4を経由してテープガイド6からテープガイド6’に至るテープ走行路を形成する。テープガイド6,6’は、磁気テープ12がヘッド4やテープクリーナ5,5’と最適な角度で接するテープ走行路を形成するように、サブアセンブリベース3上に組み付けられている。
テープガイド6のマシンリール8側のサブアセンブリベース3上に、テープガイド7が設けられている。マシンリール8に巻き付けられている磁気テープ12の量に応じて、磁気テープ12の巻きつき半径が異なる。マシンリール8への磁気テープ12のテープ巻きつき半径が変化する際に、磁気テープ12がヘッドサブアセンブリ2に進入する方向(角度)が変化する。この進入方向が変化するのに伴い、磁気テープ12のテープガイドに対する巻きつき角度が変化する。テープガイドへのテープ巻きつき角度の変化は、テープガイドに加わる力の変化となって現れる。テープガイドへの力の掛かり方の変化は、ヘッド4の位置におけるテープ位置ズレの原因となる。テープガイド7は、マシンリール8への磁気テープの巻きつき半径の変化によるテープパスの変化を吸収し、そして、磁気テープ12をテープガイド6に安定して導く働きをしている。
【0024】
図2に示されるテープパスにおいては、マシンリール8とテープガイド6との間の距離よりも、ファイルリール15とテープガイド6’との間の距離の方が長いので、テープガイドへの巻きつき角度の変化は、テープガイド6’よりもテープガイド6の方が大きい。当然、マシンリール8とテープガイド6との間の距離が、ファイルリール15とテープガイド6’との間の距離よりも長い場合には、、テープガイドへの巻きつき角度の変化は、テープガイド6よりもテープガイド6’の方が大きくなる。この場合は、テープガイド7は、テープガイド6’の下流側に配置される。
【0025】
このように、テープガイド7は、磁気テープ12がマシンリール8に出入りする位置におけるテープ走行路を設定している。このテープガイド7は、テープガイド6,6’と同様に、テープガイド7の上部に配置されたフランジ18とテープガイド7の下部に配置されたフランジ20とを有する。しかながら、後述するように、この上下のフランジ18,20は、テープガイド6,6’とは異なり、固定されており、可動ではない。それ故、テープガイド6,6’は、可動型テープガイドと称され、テープガイド7は、固定型テープガイドと称される。
【0026】
図4は、可動型テープガイドの構成を示す図である。
図4は、可動型テープガイドの断面図である。図4に示される可動型テープガイド6は、テープガイド6,6’として用いられるテープガイドである。可動型テープガイド6は、固定軸24を備える。この固定軸24は、サブアセンブリベース3に固定されている。2個のベアリング27, 27’ は、回転軸21を、固定軸24の周りを回動可能に支持する。この回転軸21は、いわゆる円筒形のローラである。このローラ21の外周面21aが、磁気テープ12の平面を案内する案内面である。ローラ21の外周面21aは、磁気テープ12の記録面と接触した状態で磁気テープ12を案内する。ローラ21は、磁気テープ12が走行すると、磁気テープ12とローラ21との間の摩擦力により回転する。ローラ21の外周面21aの速度は、磁気テープ12のテープ走行速度と同一となる。下フランジ17は、固定軸24の下側に固定されている。下フランジ17とローラ21との間で形成される隙間は、極めて狭い隙間である。磁気テープ12がこの隙間に入り込む余地は全くない。
【0027】
上フランジ19は、固定軸24の上側に備えられている。上フランジ19は、可動部19aと固定部19bとコイルスプリング26とを備える。固定部19bは、固定軸24の小径部24aに固定されている。可動部19aは、小径部24aに沿って上下に移動可能となるように、小径部24aに嵌め込まれている。コイルスプリング26は、可動部19aを、固定軸24aの段差部25に向けて押しつけている。コイルスプリング26が可動部19aを押しつける力が、磁気テープ12を下フランジ17に押しつける押しつけ力である。可動部19aは、固定軸24の小径部24aをガイドとして上下に可動である。可動部19aは、コイルスプリング26の付勢力を受けて、固定軸24の段差部25に突き当てられている。
【0028】
コイルスプリング26の押しつけ力は、メタル2倍長磁気テープが磁気テープ12として用いられる場合、20gf〜25gfとすることが望ましい。このコイルスプリング26が上フランジの可動部19aを付勢する力が強すぎる場合、磁気テープ12のエッジが折れたり、削られたりするために、磁気テープ12が破壊されてまうことになる。一方、この付勢する力が弱すぎる場合、磁気テープ12が下フランジ17側に押し付けられないため、磁気テープ12の正確な位置決めが行われない。更には、この付勢力が弱い場合、巻き取り側リールに巻かれる磁気テープに高さ方向の巻むらが生じる。この巻むらが磁気テープのエッジ折れを生じる要因となる。
【0029】
また、ローラ21の高さ寸法は、磁気テープの幅寸法が12.50mm±0.025mmである場合に、12.61mm±0.015mmに設定される。
図5は、固定型テープガイドの構成を示す図である。
図5は、固定型テープガイドの断面図である。固定型テープガイド7は、固定軸50を備える。この固定軸50は、サブアセンブリベース3に固定されている。2個のベアリング51, 52は、回転軸54を、固定軸50の周りを回動可能に支持する。この回転軸54は、いわゆる円筒型のローラである。このローラ54の外周面54aが、磁気テープ12の平面を案内する案内面である。ローラ54の外周面54aは、磁気テープ12の記録面と接触した状態で磁気テープ12を案内する。ローラ54は、磁気テープ12が走行すると、磁気テープ12とローラ54との間の摩擦力により回転する。ローラ54の外周面54aの速度は、磁気テープ12のテープ走行速度と同一となる。下フランジ18は、固定軸50の下側で、固定軸50に固定されている。下フランジ18とローラ54との間で形成される隙間は、極めて狭い隙間である。磁気テープ12がこの隙間に入り込む余地は全くない。
【0030】
上フランジ20は、固定軸50の上側で、固定軸50に固定されている。上フランジ20とローラ54との間で形成される隙間は、極めて狭い隙間である。磁気テープ12がこの隙間に入り込む余地は全くない。
ローラ54の高さ方向の幅は、磁気テープ12の最大幅以上である。磁気テープ12は、その幅方向の全面がローラ54の案内面54aに接触した状態で案内される。つまり、磁気テープ12の表面が案内54aにより支持されていない自由端(テープ端突出部)が、固定型テープガイド7の位置において、生じていない。ローラ54の案内面54aの高さ方向の幅は、磁気テープ12の最大ばらつき幅よりも、0mm〜0. 1mmだけ大きい。磁気テープ12の最大幅は、12.675mmであるから、ローラ54の案内面54aの長さは、12.675mm〜12.775mmである。
【0031】
固定軸24,50は、加工性に優れたステンレス材を用いて形成される。この固定軸は、その下部に、位置決め用の環状突起が一体的に形成されている。下フランジ17,18は、セラミック材料を用いて形成されている。この下フランジ17,18は、固定軸24,50に、固定軸の下部で、上下方向に移動可能に嵌合されている。この下フランジ17,18は、位置決め用の環状突起の下面に当接している。
【0032】
図6は、磁気テープが可動型テープガイドから固定型テープガイドを経てマシンリールに至るテープパスの側面を示す図である。
前述したように、可動型テープガイド6は、上フランジ19が磁気テープ12を下フランジ18に押し付けることにより、磁気テープ12の上下方向の走行位置を正確に規定している。
【0033】
マシンリール8は、図示されない駆動モータにより駆動される際に、機械的振動を生ずる。マシンリール8は、マシンリール8を構成する複数の部品の製造誤差や、マシンリール8を組み立てる際の組み立て誤差を有する。磁気テープ12がマシンリール8に巻かれる際に、既にマシンリール8に巻かれた磁気テープ12と現在巻き付けがなされる磁気テープ12との間に空気が巻き込まれる。この空気が磁気テープ12の間から逃げる際に、磁気テープ12に対して圧力が加わる。
【0034】
これらの機械的振動、誤差、及び圧力の存在に起因して、磁気テープ12は、マシンリール8とテープガイド6との間で、その走行位置が上下にずれる。磁気テープ12は、図6に示されるように、二点鎖線で示されるテープ走行位置と、破線で示されるテープ走行位置との間の範囲内で、変位する。尚、図6において、破線で示されるテープ走行位置やローラ54の幅は、実際の寸法よりも強調して表されている。
【0035】
テープガイド7は、このテープ走行位置の変位量を少なくするために、マシンリール8とテープガイド6との間に、配置されている。磁気テープ12が、マシンリール8とテープガイド6との間を移動する際に、テープガイド7と接触して案内される。テープガイド7と磁気テープ12との間に生じる摩擦力は、磁気テープ12が磁気テープの幅方向に移動すること、を抑制する働きをする。
【0036】
マシンリールは、巻きむらを極力抑制するために、両フランジ間の間隔が、13.2mmに短縮されている。
テープガイド7の位置におけるこの磁気テープ12の走行位置の変位は、マシンリール8とテープガイド6との間の距離が近ければ近い程大きくなる。図2に示されるテープパスにおいては、マシンリール8は、ファイルリール15よりもヘッド4に近接して配置されているために、マシンリール8とテープガイド6との間にテープガイド7が配置されている。ファイルリール15がマシンリール8よりもヘッド4に近接している場合は、ファイルリール15とテープガイド6’との間にテープガイド7を設けるのが望ましい。尚、上記いずれの場合においても、マシンリール8とテープガイド6との間、及びファイルリール15とテープガイド6’との間の、両方に、テープガイド7を介在させても良いことは、いうまでもない。
【0037】
図7は、各種テープの寸法と機械的特性を示す図である。
磁気テープカートリッジに使用される磁気テープは、一般的にベース材に酸化クロムをバインダで塗布して製造される。この磁気テープの膜厚は、28μmである。ベース材が薄膜化されたクロム2倍長テープや酸化クロムに代えて磁性金属粉(メタル)が塗布されたメタル通常長テープは、膜厚が18μmである。
【0038】
本発明において使用される磁気テープは、ベース材が更に薄膜化されたメタル2倍長テープである。このメタル2倍長テープのテープ幅は、他のいずれのテープのテープ幅とも同じであり、12.65mmである。
このメタル2倍長テープの膜厚は、8μm〜12μmである。尚、本実施例においては、このメタル2倍長磁気テープのテープ膜厚は、9μmである。このメタル2倍長テープの膜厚は、メタル通常長テープやクロム2倍長テープの膜厚の1/2、つまり、半分である。このメタル2倍長テープの剛性は、0.0045N・mmである。このメタル2倍長テープの剛性は、メタル通常長テープやクロム2倍長テープの剛性の約1/8である。このメタル2倍長テープのテープ剛性は、極めて小さいため、メタル2倍長テープの側端部の折れが発生し易い。
【0039】
図6に示されるように、磁気テープ12は、磁気テープ12の走行位置が上下に変位したとしても、固定型テープガイド7の位置において、ローラ54からはみ出すことがない。磁気テープ12の全面は、常時ローラ54の外周面54aにより支持されている。磁気テープ12の幅方向の全面は、常時ローラ54と接触している。磁気テープ12が、マシンリール8と可動型テープガイド6との間の位置で、上下に振れた場合、磁気テープ12の側端面は、上フランジ20と接触し、その移動が規制される。この時、磁気テープ12は、テープテンションによりローラ54に引きつけられて、その幅方向の全面がローラ54によりガイドされているため、磁気テープ12の見かけ上の剛性が高くなり、磁気テープ12の側端部の折れが発生しにくい。それ故、メタル2倍長磁気テープ12が用いられる場合でも、磁気テープ12の側端部12aの折れが防止される。
【0040】
図8は、図5中の領域Bの拡大図である。
図8に示されるように、磁気テープ12の高さ方向の全面が案内面54aにより案内されている。磁気テープ12の側端部12aは、案内面54aから突出していない。磁気テープ12の側端面12bは、上フランジ20と接触していない。上フランジ20と側端面12bとの間の隙間の寸法Gは、0mm以上0.1mm以下である。寸法Gがこの数値範囲である場合に、磁気テープ12の側端部12aの折れが防止される。また、マシンリール8による磁気テープ12の巻きむらを抑制することができた。それ故、メタル2倍長磁気テープを用いる場合であっても、固定型テープガイド7は、マシンリール8をヘッド4に近接して配置することを可能とする。
【0041】
上フランジ20は、磁気テープ12のテープ走行位置の変位が可動型テープガイド6に与える影響を更に幾分でも軽減するために設けられている。マシンリール8の製造誤差や組み立て誤差が低減され、磁気テープ12の上下振れの大きさが十分小さくなれば、固定型テープガイド7の上下フランジ18,20が設けられなくても良い。
【0042】
上フランジ20が、可動型テープガイド6のように、可動である場合には、メタル2倍長磁気テープ12の側端部12aの折れは、防止されない。なぜなら、メタル2倍長磁気テープ12の側端部12aがローラ54の案内面54aから突出し、側端部12aが案内面54aにより支持されないからである。テープガイド7の位置で大きく上下に振動している磁気テープは、その移動が上フランジにより規制された際に、側端部12aを支持する部材が存在しないために、その側端部12aが座屈してしまうからである。
【0043】
固定型テープガイド7は、上フランジ20が固定であるため、メタル2倍長テープ12を下フランジ18に向けて付勢する機能を有していない。それ故、固定型テープガイド7は、メタル2倍長磁気テープ12を下フランジ18に接触させて案内することができない。このことは、固定型テープガイド7が、メタル2倍長磁気テープ12の上下方向のテープ走行位置を高精度で案内することができないということを意味する。しかしながら、固定型テープガイド7は、ローラ54がメタル2倍長磁気テープ12と接触した状態で、メタル2倍長磁気テープ12を案内しているため、固定型テープガイド7は、メタル2倍長磁気テープ12が上下方向に移動することを低減させることを可能とする。つまり、固定型テープガイド7は、メタル2倍長磁気テープ12のトラックとヘッド4のヘッドコアとの位置ずれの許容値以下に、メタル2倍長磁気テープ12のテープ走行位置を規制することができないが、固定型テープガイド7は、メタル2倍長磁気テープ12の走行位置のずれ量を、この許容値に近い値にまで抑制する。
【0044】
そして、固定型テープガイド7によりテープ走行位置のずれ量が低減されたメタル2倍長磁気テープ12は、ヘッド4の両側に配置された可動型テープガイド6,6’により、その上下方向の走行位置が、この許容値以下に規制される。
ヘッド4に最も近接して配置されるテープガイドが可動型テープガイド6であり、その可動型テープガイド6よりもマシンリール8又はファイルリール15に近い位置に配置されるテープガイドが固定型テープガイド7である。この構成は、固定型テープガイド7が磁気テープの側端部の座屈を生じることなくテープ走行位置の変位量を減少させるという機能を発揮し、可動型テープガイド7がテープ走行位置の変位量が減少された磁気テープを所定の上方方向の走行位置に位置決めするという機能を発揮する。それ故、メタル2倍長磁気テープのような薄膜の磁気テープは、テープの側端部の折れを発生することなく、テープパス中を走行することを可能とされ、磁気テープ装置は、メタル2倍長磁気テープに対するデータの読み出し/書き込みを正常に行うことを可能とされる。
【0045】
図9は、可動型テープガイドの詳細構成を説明する図である。
前述したように、固定型テープガイドは、ヘッド4の両側に最も近接して配置されるテープガイド6,6’として、使用できない。ヘッド4の両側のテープガイド6, 6’ には、磁気テープ12の高さ方向の走行位置の高精度な位置決め機能が要求されるからである。一方、メタル2倍長磁気テープは、図7に示されるように、その剛性が極めて低いという特性を有する。可動型テープガイド6のコイルスプリング26の付勢力が、可動部19aを介して、メタル2倍長磁気テープ12に加えられた場合、メタル2倍長磁気テープ12の側端部に折れが頻繁に発生することが予測される。
【0046】
メタル2倍長磁気テープ12のテープ膜厚は、従来の磁気テープに比べて半減している。テープ膜厚の半減は、その座屈剛性を1/8程度に下げる。このことは、半分の膜厚の磁気テープへの押しつけ力が従来の磁気テープへの押しつけ力の1/8を超えた場合に、テープの折れが半分の膜厚の磁気テープの自由端部に発生すること、を意味する。座屈剛性は、自由端の長さの2乗に反比例する。この自由端長が半減させられた場合は、座屈剛性が4倍となる。
【0047】
図9(a)及び図9(b)は、図4中の符号Aで示される領域を拡大した図である。図9(a)は、磁気テープが存在しない場合の図であり、図9(b)は、磁気テープが存在する場合の図である。
図9(a)に示されるように、磁気テープ12が可動型テープガイド6の位置に存在しない場合、上フランジ19の可動部19aと、ローラ21との間には、隙間が殆ど形成されない。
【0048】
磁気テープ12が可動型テープガイド6の位置に引き込まれると、上フランジ19の可動部19aは、図9(b)に示されるように、磁気テープ12の剛性により上方に押し上げられる。この時、磁気テープ12は、上フランジ19の可動部19aを介して、コイルスプリング26の付勢力が加えられる。磁気テープ12のテープ幅がばらついた場合であっても、磁気テープ12の下側の側端は、この付勢力により、下フランジ17に確実に接触させられる。
【0049】
この時、上フランジ19の可動部19aが磁気テープ12により上方に押し上げられることにより可動部19aとローラ21との間に比較的大きな隙間23が生じる。磁気テープ12の上側の側端部12aは、ローラ21の上端部21bから隙間23にはみ出す。隙間23に突出した磁気テープ12の自由端である側端部12aは、いずれの部材にも案内されない。唯一、磁気テープ12の側端面12bは、可動部19aと接触し、そして、それによって、側端面12bの上下方向の移動が規制されている。
【0050】
磁気テープ12の側端部12aは、突出量が最大0.10mmに規制されているので、磁気テープ12の膜厚が9μmの磁気テープ12が用いられる場合であっても、磁気テープ12自体の剛性が磁気テープの側端部12aの折れを防いでいる。磁気テープ12の膜厚が18μmの磁気テープが用いられる場合は、この突出量は、0.11〜0.19mmが許容される。
【0051】
一方、本実施例においては、この突出量は、従来の最大寸法が0.19mmであったのに対して、最大寸法が0. 10mmに規制されている。磁気テープ12の自由端12aの長さ(突出量)が半減しているので、磁気テープ12の座屈剛性は、4倍に向上している。実質的な座屈剛性の低下は、1/2となる。
この隙間23の寸法Gは、最大0. 10mmである。磁気テープの膜厚が18μm以上の磁気テープが用いられる場合、ローラ21の高さ寸法は、12.50mmである。磁気テープの膜厚が9μmのメタル2倍長磁気テープが用いられる場合、ローラ21の高さ寸法は、ローラ21、上フランジ19の可動部19a、下フランジ17の製造誤差や組み立て誤差を考慮して、12.61mm±0.015mmである。磁気テープの幅寸法は、いずれのタイプの磁気テープの場合でも、12.65mm±0.025mmである。ローラ21から突出する磁気テープ12の突出量は、0.04mm±0.04mmである。
【0052】
図10は、テープ押しつけ力とオフトラック量との関係を示す図である。
前述したように、磁気テープ12の自由端12aの座屈は、磁気テープ12の自由端12aの剛性が1/8程度に低下することが原因である。磁気テープ12に加えられる押しつけ力が、膜厚が18μmの磁気テープに加えられる押しつけ力(約70g)の1/8程度の押しつけ力(約10g)であるならば、自由端12aの長さが0.11mm〜0.19mmであったとしても、自由端12aの座屈が防止されうると考えられる。
【0053】
図10に示されるように、膜厚が18μmの酸化クロム媒体は、押しつけ力が70gの場合、オフトラック量は、10μmよりも小さい。
一方、膜厚が9μmのメタル2倍長媒体は、押しつけ力が10gの場合、オフトラック量は、約19μmである。許容可能なオフトラック量は、10μmであることから、押しつけ力が10gは、採用することができない。オフトラック量が10μm以下となる押しつけ力は、約25gである。この押しつけ力(25g)は、従来の押しつけ力(約70g)の約1/3である。
【0054】
図11は、テープ押しつけ力とテープ折れの関係を示す図である。
図11(a)は、ローラ21の高さ寸法が12.50mmの場合における、テープ押しつけ力とテープ折れの関係を示す図である。
図に示されるように、押しつけ力(バネ圧)が25gに設定されたとしても、テープ折れが発生している。テープテンションが高ければ、テープ折れが発生しにくい。しかしながら、テープテンションが140gfから200gfに高められた場合であっても、テープ折れが発生している。
【0055】
図11(b)は、ローラ21の高さ寸法が12.61mmの場合における、押しつけ力とテープ折れの関係を示す図である。テープ繰り出しは、磁気テープ12がファイルリール15からマシンリール8に巻き取られる場合である。テープ巻き戻しは、磁気テープ12がマシンリール8からファイルリールに巻き取られる場合である。図11(b)は、テープ繰り出し時とテープ巻き取り時において、各テープガイド6,6’,7におけるテープ折れの発生の有無を示している。〇は、テープ折れが発生しなかったことを示す。×は、テープ折れが発生したことを意味している。
【0056】
図11から明らかなように、押しつけ力が20gfと25gfである場合に、テープ折れは、いずれのテープガイド6,6’,7においても生じていない。それ故、テープ押しつけ力が20gf〜30gfとされ、磁気テープ12の自由端12aの長さが最大0.10mmとされることで、メタル2倍長の磁気テープを用いる場合であっても、テープ折れの発生が生じない磁気テープ装置が実現される。
【0057】
ところで、磁気テープ媒体のメタル化は、磁気テープ媒体に高密度記録に適した磁気特性を提供する。しかしながら、メタル媒体は、その表面の耐摺動特性が悪く、ヘッド等との摺動により表面が劣化し易い。つまり、メタル媒体は、塵埃を出し易い。磁気テープとの間で摺動が起こり塵埃を発生する主な部分は、図2に示されるヘッド4、可動型テープガイド6’,6, 7である。テープクリーナ5,5’のクリーナブレードは、磁気テープ12の記録面と摺動するが、ブレードの形状が磁気テープの表面の塵埃を削り取るように設定されているため、塵埃の発生がない。
【0058】
テープガイド6,6’,7は、前述したように、磁気テープ12と接触するローラ21, 54が回転可能となっている。磁気テープ12の走行中においては、ローラ21,54の外周面は、磁気テープと同じ速度で回転するため、磁気テープとローラ21,54との間には摺動現象が発生しない。
磁気テープの起動時や停止時には、磁気テープによるローラ21,54の起動トルクがローラ21,54の慣性力と摩擦負荷の和より小さいと、磁気テープ12の速度上昇にローラ21,54の回転上昇が追いつかないため、両者の間に滑りが発生する。メタルテープは、従来の酸化クロム塗布テープに比べて、その摩擦係数が半減している。酸化クロムの磁気テープの摩擦係数は、約0.4である。メタルテープは、純鉄の粉が塗布されたテープである。磁性金属粉(純鉄の粉)を用いる磁気テープの摩擦係数は、約0.2である。摩擦係数の減少は、磁気テープとローラ間のスリップを発生し易くする。
【0059】
膜厚が薄い磁気テープは、磁気テープに加えられるテープ張力が従来の約半分で使用される必要があるため、磁気テープによるローラ駆動トルクが半減し、ローラと磁気テープとの間に摺動が発生し易い。その結果として、膜厚の薄い磁気テープは、その磁気テープ表面から塵埃を発生する。テープ張力が半減させられた場合、ローラが駆動される力は、総合して約1/4になる。円筒形状のローラが薄肉化された場合、ローラの慣性力は、約1/2程度にまで低減させることができる。薄肉のローラは、1/4に低下した駆動力をカバーしきれない。ローラと磁気テープとの間のスリップは、完全には押さえられない。テープガイド6,6’,7のローラ21, 52の起動負荷トルクを大幅に下げる必要がある。
【0060】
各テープガイドのローラの起動トルクは、オイル潤滑軸受がローラを支持する軸受として用いられることで、低減される。グリス潤滑ベアリングに代えてオイル潤滑ベアリングが用いられることにより、ローラの起動負荷トルクが半減させられた。グリスは、オイル分の保持性を高めるため、そのオイル分の量に比して相対的に大量のフィラーを含んでいる。フィラーは、固体の粒子であるため、グリスは、粘性の高い潤滑材である。一方、オイルは、フィラーを含まないため、粘度が低く、ローラの起動負荷トルクが減少させられる。
【0061】
図12は、テープガイドの横断面図である。
図12に示されるテープガイドは、固定型テープガイド7である。固定型テープガイド7は、ローラ54の外周面54aが磁気テープ12の記録面と接触している。この外周面54aが、磁気テープ12を案内している。ローラ54は、二つのベアリング51,52を介して、固定軸50の周りを回動可能に支持されている。このベアリング51,52は、オイル潤滑のボールベアリングである。グリス潤滑のボールベアリングは、油脂分が長く保持されるべく比較的粘度の高い油脂がボールの間に詰められている。ベアリングが動き始める時に、ボールは、この高粘度の油脂による粘着力に打ち勝って動かなければならない。これが起動負荷トルクが高い原因である。グリス潤滑のボールベアリングは、起動負荷トルクが2gcm以上であった。このグリス粘度は、53CST(センチストークス)であった。
【0062】
ボールベアリングの潤滑剤として、比較的粘度の低いオイルが用いられる。このオイルの粘度は、30CSTであった。このオイル潤滑のボールベアリングは、起動負荷トルクが1gcm以下であった。オイルの粘度が、37CSTの場合は、起動負荷トルクを1gcm以下にすることができなかった。また、オイルの粘度が20CST以下の場合は、テープガイドに要求される寿命を達成できなかった。尚、起動トルクの低減は、エアベアリングの使用によっても実現可能であることは云うまでもない。ローラの起動負荷トルクが低減されたために、薄い磁気テープとローラとの間の摺動が抑制される。この摺動の抑制は、塵埃を発生することなしに、薄い磁気テープの使用を可能とする。
【0063】
図13は、第1のタイプのテープクリーナの構成を示す図である。図14は、第2のタイプのテープクリーナの構成を示す図である。
磁気テープ12に付着した塵埃は、テープクリーナにより除去される。磁気テープ12に付着した塵埃の除去は、磁気テープ装置の信頼性確保のために重要である。テープクリーナは、ヘッド4の両側に配置されることが望ましい。磁気テープ12は、ヘッド4と磁気テープ12のトラックとの間の位置ずれが許容値の範囲内で、ヘッド4の前面を走行する。ヘッド4の両側に設けられる可動型テープガイド6,6’は、磁気テープ12の走行位置を所定位置に保つ働きをしている。ヘッド4と可動型テープガイド6,6’との間の距離が長いと、この保持機能が低減する。ヘッド4と可動型テープガイド6,6’が近接して配置されるため、ヘッド4と可動型テープガイド6との間に形成されるスペース及びヘッド4と可動型テープガイド6,6’との間に形成されるスペースは、極めて小さいスペースである。それ故、ヘッド4の両側に配置されるテープクリーナは、小型のテープクリーナであることが要求される。
【0064】
また、ヘッド4によるデータの読み書き性能の確保のため、ヘッド4とテープクリーナ5, 5’ に対するテープ接触角の微妙な調整が必要である。すなわち、ヘッド4とテープクリーナ5, 5’ の正確な相対位置の設定が必要である。
図13に示されるテープクリーナ58は、二つのクリーナブレード部60,62と位置決めピン穴64とを備える。このテープクリーナ58は、図1〜3に示されるテープクリーナ5’として使用されても良い。サブアセンブリベース3上に位置決めピンが植接される。テープクリーナ58の位置決め用長穴66がこの位置決めピンに挿入され、このテープクリーナ58が長穴66に沿って移動させられて、テープクリーナ58の位置が定められる。次いで、テープクリーナ58は、貫通穴64を用いて、ねじによりサブアセンブリベース3上に固定される。このテープクリーナ58は、位置決め用長穴66が用いられるため、大型の部品となっている。この位置決め用長穴66が形成されるため、テープクリーナが配置されるスペースがサブアセンブリベース上3上に必要とされる。
【0065】
図14に示されるテープクリーナ70は、二つのクリーナブレード部72,74と、三つの基準面76,78,80と、ねじ止め用の穴82を備える。第1の基準面76と第2の基準面78は、互いにほぼ直角に配置されている。第2の基準面78の代わりに第3の基準面80を使用することもできる。図14に示されるテープクリーナー70は、図1〜図3に示されるテープクリーナ5,5’として使用される。
【0066】
図15は、テープクリーナの組立作業を説明する図である。
図15には、ヘッドサブアセンブリ2に対して治具90を取り付けた状態が示されている。テープクリーナ70aは、可動型テープガイド6が搭載されるプレート92上に取り付けられる。また、テープクリーナ70bは、可動型テープガイド6’が搭載されるプレート94上に取り付けられる。
【0067】
治具90は、磁気ヘッド4と接触する第1の基準面90aを備える。治具90は、この第1の基準面90aを基準とする、第2の基準部90bと第3の基準部90cを備える。
第2の基準部90bは、テープクリーナ70aが磁気ヘッド4と所定の位置関係となるように、第1の基準面90aを基準として、治具90上に設けられている。つまり、磁気ヘッド4とテープクリナー70aと可動型テープガイド6とに張り渡される磁気テープ12が、磁気ヘッド4とテープクリーナ70aに所定の接触角度で接触するように、第2の基準部90bが第1の基準面90aを基準として治具90上に形成されている。
【0068】
第3の基準部90cは、テープクリーナ70bが磁気ヘッド4と所定の位置関係となるように、第1の基準面90aを基準として、治具90上に設けられている。つまり、磁気ヘッド4とテープクリナー70bと可動型テープガイド6’とに張り渡される磁気テープ12が、磁気ヘッド4とテープクリーナ70bに所定の接触角度で接触するように、第3の基準部90cが第1の基準面90aを基準として治具90上に形成されている。
【0069】
テープクリーナ70a,70bがサブアセンブリ2上に取り付けられる際には、治具90が設けられている作業ベース上にサブアセンブリ2が搭載される。
図16は、テープクリーナを治具90の基準面に当接させた状態を示す図である。
図16(a)は、図13に示されるテープクリーナの取り付け作業を説明するための図である。テープクリーナ58は、位置決め用長穴66がサブアセンブリ2上の位置決めピンに挿入される。そして、テープクリーナ58の二つのクリーナブレード60,62は、治具90の第3の基準部90c’の基準面90c1’に当接させられる。この状態は、テープクリーナ58の二つのクリーナブレード60,62が所定の位置に位置決めされた状態である。そして、ねじが貫通穴64に挿入されて、テープクリーナ58がねじによりサブアセンブリ2に対して固定される。
【0070】
図16(b)は、図14に示されるテープクリーナの取り付け作業を説明するための図である。テープクリーナ70aは、ねじ96aにより、プレート92上に緩く止められている。また、テープクリーナ70bは、ねじ96bにより、プレート94上に緩く止められている。そして、テープクリーナ70aの第2の基準面76が,治具90の第2の基準部90bの基準面90b1に当接させられる。また、同時に、テープクリーナ70aの第3の基準面80が,治具90の第2の基準部90bの基準面90b2に当接させられる。この時、ねじ96aがねじ止め用の穴82に挿入されて緩く止められているので、テープクリーナ70aの第1の基準面76と第3の基準面80が、治具90の基準面90b1と90b2に倣う。この状態は、テープクリーナ70aの二つのクリーナブレード72,74が所定の位置に位置決めされた状態である。その後、ねじ96aが固く締めつけられる。これによって、テープクリーナ70aがサブアセンブリ2上の所定の位置に取り付けられる。
【0071】
一方、テープクリーナ70bの第1の基準面76が,治具90の第3の基準部90cの基準面90c1に当接させられる。また、同時に、テープクリーナ70bの第2の基準面78が,治具90の第3の基準部90cの基準面90c2に当接させられる。この時、ねじ96bがねじ止め用の穴82に挿入されて緩く止められているので、テープクリーナ70bの第1の基準面76と第2の基準面78が、治具90の基準面90c1と90c2に倣う。この状態は、テープクリーナ70bの二つのクリーナブレード72,74が所定の位置に位置決めされた状態である。その後、ねじ96bが固く締めつけられる。これによって、テープクリーナ70bがサブアセンブリ2上の所定の位置に取り付けられる。
【0072】
図16から明らかなように、テープクリーナ70は、テープクリーナ58よりも十分に小さいので、二つのテープクリーナ70a,70bが夫々磁気ヘッド4と可動型テープガイド6との間の空間及び磁気ヘッド4と可動型テープガイド6’との間の空間に配置されることができる。これにより、磁気テープに付着した塵埃が確実に除去され、磁気テープに付着した塵埃が磁気ヘッド4に付着することがない。
【0073】
このような多数の実施例の特徴的な構成が以下に述べられる。
(1)データの読み出し又は書き込みを行うヘッドのテープ走行方向に沿って前後両側に各々1個のテープガイドを持ち、それらのテープガイドのさらに前方または後方、あるいは両方に1個以上のテープガイドを持つ磁気テープ装置において、ヘッド両側のテープガイドは、ローラ軸のテープと接してテープを案内する部分の長さがテープ幅と同一か短い第1のタイプのテープガイドであり、他のテープガイドの少なくとも1個は、ローラ軸のテープと接してテープを案内する部分の長さがテープ幅と同一か長い第2のタイプのテープガイドであることを特徴とする磁気テープ装置。
(2)前記第2のタイプのテープガイドが、ヘッドからテープ走行路に沿ってマシンリール側に設けられていることを特徴とする上記(1)項記載の磁気テープ装置。
(3)前記第1のタイプのテープガイドは、ローラ軸のテープを案内する部分の長さがテープの幅と同一、あるいは0. 1mm以下の寸法で短いことを特徴とする上記(1)項記載の磁気テープ装置。
(4)前記第1のタイプのテープガイドは、テープが装着された状態で、そのフランジがテープに与える押しつけ力が20g以上30g以下であることを特徴とする上記(1)項記載の磁気テープ装置。
(5)ローラ軸を固定軸に対して回動自在に支持する軸受として、オイル潤滑のベアリングを用いることを特徴とするテープガイド。
(6)底面に直角に交わる位置決め基準面を2つ又は3つ持ち、それらの内少なくとも2つの面は互いに平行でないことを特徴とするテープクリーナ。
(7)上記(5)項記載のテープガイド、及び/又は上記(6)項記載のテープクリーナを搭載した磁気テープ装置。
(8)磁気テープをローラガイドで案内しながら走行させ、走行中の磁気テープに対して、磁気ヘッドを用いてのデータのリード/ライトを行う磁気テープ装置であって、前記磁気ヘッドの両脇のベースに両刃のテープクリーナを配置することを特徴とするテープパス。
(9)前記(8)のテープパスにおいて、テープクリーナをベースに配置する際の位置決めの基準となる基準面を三面持つことを特徴とする小型クリーナ。
(10)磁気テープを、ベースに立設される軸部と該軸部の上部に設けられた上フランジ部と、前記軸部の下部に設けられた上面がテープ走行高さの基準となる下フランジ部と、前記上フランジ部と前記下フランジ部との間に前記軸部と同軸的に配置され、磁気テープと外周面が接触して回転するローラ部とからなるローラガイドで案内しながら走行させ、走行中の磁気テープに対して磁気ヘッドを用いてデータのリード/ライトを行う磁気テープ装置において、前記上フランジ部が前記軸方向に可動である二つのローラガイドと、該ローラガイドの間に前記磁気ヘッドを有し、前記ローラガイドよりも更に前記磁気テープを巻き取る巻き取り側リール側に、前記上フランジ部がある高さに固定された一つのローラガイドを配置することを特徴としたテープパス。
(11)前記(10)のテープパスにおいて、上フランジ部が前記軸方向に可動である前記二つのローラガイドの上フランジ部下面と下フランジ上面の間隔を12.61mm、上フランジ部が固定された前記一つのローラガイドの上フランジ部下面と下フランジ部上面の間隔を12.69mmとしたローラガイド。
(12)前記(10)の前記テープパスにおいて、上フランジ部が前記軸方向に移動可能である前記二つのローラガイドの上フランジ部が磁気テープを25gの力で下フランジ側に付勢することを特徴としたローラガイド。
(13)前記(10)のテープパスにおいて、上フランジ部が固定された前記一つのローラガイドの上フランジ部と下フランジ部の形状が同一であり、上フランジ部と下フランジ部を共通化することを特徴としたローラガイド。
(14)前記(10)のテープパスのローラガイドにおいて、磁気テープと外周面が接触して回転するローラ部が回転しはじめる時に必要なトルクの値が1gcm以下であることを特徴としたローラガイド。
(15)前記(10)のテープパスにおいて、前記磁気テープ走行時にテープにかかる走行方向の張力を測定するために、上フランジ部が固定された前記一つのローラガイドにひずみゲージを取付けたことを特徴としたテープパス。
【0074】
【発明の効果】
請求項1又は2に記載の発明によれば、テープの膜厚が薄い磁気テープを用いた場合であっても、磁気ヘッドと対向する位置における磁気ヘッドと磁気テープのトラックとの間の位置ずれを許容値内に維持することができる一方、磁気テープの端面の折れの発生を抑止することができる。
【0075】
請求項3に記載の発明によれば、磁気テープの幅方向の振れが比較的大きくなるマシンリール近傍においても、磁気テープの端面の折れを生じることなく、磁気テープを案内することができる。
請求項4に記載の発明によれば、磁気テープの座屈剛性の低下を1/2程度にすることができ、薄い磁気テープの端面の折れの発生を低減できる。
【0076】
請求項5に記載の発明によれば、メタル2倍長磁気テープの座屈の発生が抑止され得る。
請求項6に記載の発明によれば、磁気テープの表面に付着している塵埃は、磁気ヘッドに到達する前に、効果的に除去され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかる磁気テープ装置の全体構成を示す図である。
【図2】図2は、テープパスを上側から見た図である。
【図3】図3は、ヘッドサブアセンブリの構造を示す図である。
【図4】図4は、可動型テープガイドの構成を示す図である。
【図5】図5は、固定型テープガイドの構成を示す図である。
【図6】図6は、磁気テープが可動型テープガイドから固定型テープガイドを経てマシンリールに至るテープパスの側面を示す図である。
【図7】図7は、各種テープの寸法と機械的特性を示す図である。
【図8】図8は、図5中の領域Bの拡大図である。
【図9】図9は、可動型テープガイドの詳細構成を説明する図である。
【図10】図10は、テープ押しつけ力とオフトラック量との関係を示す図である。
【図11】図11は、テープ押しつけ力とテープ折れの関係を示す図である。
【図12】図12は、テープガイドの横断面図である。
【図13】図13は、第1のタイプのテープクリーナの構成を示す図である。
【図14】図14は、第2のタイプのテープクリーナの構成を示す図である。
【図15】図15は、テープクリーナの組立作業を説明する図である。
【図16】図16は、テープクリーナを治具90の基準面に当接させた状態を示す図である。
【符号の説明】
4:ヘッド
5,5’ :テープクリーナ
6,6’ :可動型テープガイド
7:固定型テープガイド
8:マシンリール
12:磁気テープ
14:磁気テープカートリッジ
15:ファイルリール
21,21’ :可動型テープガイドのローラ
54:固定型テープガイドのローラ
26:コイルスプリング
27,27’ :可動型テープガイドのベアリング
51,52:固定型テープガイドのベアリング

Claims (4)

  1. テープ走行路中の磁気テープに対してデータの読み出し又は書き込みを行う磁気ヘッドと、
    前記磁気テープのテープ走行路に沿って前記磁気ヘッドの上流側と下流側に配置された第1のタイプのテープガイドと、
    前記第1のタイプのテープガイドの更に上流側又は更に下流側に配置された第2のタイプのテープガイドと、を備え、更に、
    前記第1のタイプのテープガイドは、前記磁気テープを案内する案内面と、前記磁気テープの幅方向の端面を、その端面に付勢力を与えた状態で案内するするとともに回動可能な可動フランジと、を備え、
    前記第2のタイプのテープガイドは、前記磁気テープの巻き取りを行うマシンリール側に設けられ、
    前記磁気テープの幅以上の幅を有する磁気テープ案内面を備える、
    磁気テープ装置。
  2. 前記第1のタイプのテープガイドの前記案内面の幅は、前記磁気テープの幅よりも0〜0.1mm短い幅である、
    請求項1記載の磁気テープ装置。
  3. 前記可動フランジの付勢力は、20g以上30g以下である、
    請求項1又は2記載の磁気テープ装置。
  4. 前記磁気テープ表面の付着物を除去するテープクリーナを備え、前記テープクリーナは、当該テープクリーナの底面に対して垂直な二つの位置決め基準面を、その外周部に備えると共に、前記二つの位置決め基準面は、相互に非平行に配置されてなる、
    請求項1乃至3記載の磁気テープ装置。
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