JP3551978B2 - 円弧状に湾曲している布の布張枠 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は帽子の周壁のような円弧状に湾曲している布に対して刺繍する場合において、その円弧状に湾曲している布の刺繍領域をぴんと張った状態に保持する為に用いられる円弧状に湾曲している布の布張枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
円弧状に湾曲している布の添え付けの為に上面が断面円弧状となっていると共に、該上面には円弧状に湾曲している布の刺繍領域を位置させる為の窓が備えられている基枠と、円弧状に湾曲している布を上記上面において基枠の軸線方向における上記窓の一方の側の縁部に押え付ける為の締付片と、他方の側の縁部に押え付ける為のもう一つの締付片と、上記両締付片における夫々の一方の端部を上記基枠に連結する為の止具と、他方の端部を上記基枠に連結する為のもう一つの止具とを有する(例えば特開平2−251660号公報参照)。このような円弧状に湾曲している布の布張枠では、基枠の上面に円弧状に湾曲している布を添え付け、両締付片で押え付けることにより、円弧状に湾曲している布を基枠により保持できて刺繍に供すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の円弧状に湾曲している布の布張枠においては、上記円弧状に湾曲している布が薄布であるとそれを基枠に添え付けた状態で窓に対応する布部がだぶつき弛んだ状態となることがある。そうなった場合、円弧状に湾曲している布をぴんと張らせる為に締付片の外方にある円弧状に湾曲している布を引かねばならぬ。しかし上記締付片による押え付けが強いと円弧状に湾曲している布が動きづらく、作業がやりにくい問題点があった。尚上記締付片による押え付けを弱くすれば上記円弧状に湾曲している布を引く作業は容易となるが、そのようにすると、窓の円弧状に湾曲している布に刺繍をする場合に円弧状に湾曲している布が窓の側に引かれて再び弛んでしまう問題点がある。
【0004】
上記問題点を解決するために、上記締付片の内側に滑り止め用の当部材を添え付けることが考えられる。しかし、上記締付片は曲付け屈曲を自在とするものであるから、当部材が肌割れして横ずれする問題点が生じる。さらに「横ずれする問題点」を解決するために横ずれの防止策を講じると基部材の屈曲性を損じる問題点が発生するという悩みが生じる。
【0005】
本願発明は上記従来技術の問題点を解決する為になされたもので、締付片に対して「横ずれ」を解決するために横ずれ防止策を講じても基部材の屈曲性を損じる恐れのない手段を提供し、しかも、円弧状に湾曲している布の刺繍領域が上記の窓の位置においてだぶついている場合には、布の一部を締付片の外方向へずらし易くして、窓上に刺繍領域を張る作業を容易に行なうことができ、しかも上記とは反対に円弧状に湾曲している布が窓の側へずれることに対する抵抗力を極めて大きくできて、窓上に刺繍領域がぴんと張られた状態を堅固に維持できるようにした円弧状に湾曲している布の布張枠を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明における円弧状に湾曲している布の布張枠は、円弧状に湾曲している布の添え付けの為に上面が断面円弧状となっていると共に、該上面には円弧状に湾曲している布の刺繍領域を位置させる為の窓が備えられている基枠と、円弧状に湾曲している布を上記上面において基枠の軸線方向における上記窓の一方の側の円弧状に形成された縁部に添付けできるように弾力的な曲付けを可能とする帯状の薄板製の締付片と、他方の側の円弧状に形成された縁部に添付けできるように弾力的な曲付けを可能とする帯状の薄板製のもう一つの締付片と、上記両締付片における夫々の一方の端部を上記基枠に連結する為の止具と、他方の端部を上記基枠に連結する為のもう一つの止具とを有する円弧状に湾曲している布の布張枠において、上記少なくとも一方の帯状の締付片における基部材の両側には、当部材のずれを防止する為に複数の断片状の囲み部材を列設させ、かつそれらの列設させた囲み部材の夫々の相互間には、基部材の屈曲性を損なわぬように夫々欠如部を介在させ、さらに締付片における上記両側の囲み部材の間には、基部材の屈曲性を損なわぬように上記上面と対向する側が軟質材製の当部材を備えさせると共に、該当部材は上記上面との対向面に複数の凸部を備えており、しかもそれらの凸部は、その先端部に対して上記窓とは反対の側に向けて加わる力に対してはその方向になびき、窓の側に向けて加わる力に対しては突っ張るよう、その突出方向を上記窓とは反対の側に傾斜させたものである。
【0007】
【作用】
基枠の上面に円弧状に湾曲している布を添え付け、締付片で押え付けることにより円弧状に湾曲している布は基枠に保持された状態となる。締付片の外側の場所において円弧状に湾曲している布を窓の外方向へ向けて引くと、その引き力は締付片における当部材の凸部には横向きの力として加わる。従って凸部は上記引き力の方向になびき、上記引き力に対する抵抗力は小さい。従って布は上記の方向に軽い引き力でずらすことができる。一方、上記円弧状に湾曲している布が窓の箇所においてその窓の側に向けて引かれると、その引き力は上記凸部には正面向きの力として加わる。従って凸部はその引き力に対して突っ張る状態となり、その引き力の方向へ向けての円弧状に湾曲している布のずれに対して大きい抵抗力を示す。
【0008】
【実施例】
以下本願の実施例を示す図面について説明する。図1、2において、符号1〜24は円弧状に湾曲している布の布張枠及び刺繍ミシンにおける通常知られた構造を示すもので、1は円弧状に湾曲している布の布張枠として例示する帽子枠、2はその基枠、3は刺繍ミシンに備えられている駆動部への連結部、4は基枠2の上面を示し、図示の如き断面円弧状の布張面となっている。5は刺繍領域存置用の窓、6は上記上面4において基枠2の軸線方向における前記窓5の一方の側の縁部、7は他方の側の縁部、図2に示される8はそれらの縁部に備えられた滑止部材(例えばウレタンゴムの薄板)、図1の9,10は押え枠の連結の為に基枠2の左右の側部に備えた連結片で、夫々取付ブロック11で基枠2に取付けてある。次に14は上記基枠に対して円弧状に湾曲している布を押え付ける為の押え枠を示し、15, 16は夫々円弧状に湾曲している布を上記縁部6,7に押え付ける為の締付片、17は両締付片15,16における一方の端部を上記基枠2に連結する為の止具で、両締付片15,16における一方の端部を上記連結片9に連結する為の折り畳み可能な締具を例示する。18は両締付片15,16における他方の端部を上記基枠2に連結する為の止具で、両締付片15,16における他方の端部を上記連結片10に着脱自在に連結する為の掛具を例示する。尚図2の22は刺繍ミシンにおけるベッド、23は針、24は布押えを夫々示す。
【0009】
次に上記締付片15について詳細に説明する。26は基部材で、上面4の形状に倣った湾曲変形が自在の屈曲性を有しており、例えばステンレスの薄板でもって帯状に構成してある。27は図1、3のように基部材26における基枠の上面4に対向する側の面に備えさせる当部材28の横ずれを防止する為にその当部材28を囲むように基部材26の両縁部に対して図示のような状態に設けた囲み部材で、基部材26の両縁部を夫々図示のように曲げ起こして突出させた状態に形成してある。又該囲み部材は基部材26の屈曲性を損なわぬよう図示の如く夫々の相互間に欠如部27aを介在させ断片状に形成してある。28は締付片15において上記上面4と対向する側の部分を構成する当部材で、軟質材例えば連続気泡のウレタン発泡ゴムでもって形成されている。このように当部材を軟質材の屈曲性を損なわぬような材料で形成しておくと、図1のように平坦な形状の締付片15を上記の円弧状の窓5の上に被せ付け、上記平坦な形状の締付片15を、弾力的に円弧状に曲げながら円弧状の刺繍領域33bの上に馴染ませることができる。
【0010】
29は当部材28における上記上面4との対向面を示し、複数の凸部30を備えている。各凸部30は、その先端部30cに対して上記窓5とは反対の側に向けて加わる力に対してはその方向になびき、窓5の側に向けて加わる力に対しては突っ張るよう、図3に示す如く、その突出方向(凸部30における元部の中心から凸部の先端部30cに向かう線30aの方向)を上記窓5の側とは反対の側に傾斜させてある。上記凸部30は基枠2の周方向に長い筋状のものを例示するが、多数の疣条のものであっても良い。上記のような当部材28は、後述のように凸部30に対して正面向きに加わる力による押し縮めに対して充分な抵抗力を発揮するよう例えばスプリング式硬さ試験において70度程度の硬さのもの(60度から80度のものでも良い)が用いられる。次に他方の締付片16は、上記締付片15と同様の構成の基部材と、上記上面4との対向面が平坦となっている軟質材製の当部材とを備えた構造のものを用いてあるが、上記締付片15と同様の構造のものを用いても良い。
【0011】
上記構成の円弧状に湾曲している布の布張枠1の使用法は周知の通りであって、基枠2の布張面4に被刺繍の円弧状に湾曲している布33例えば帽子32の前面部を、その刺繍領域が窓5に位置するよう添え付ける。次に押え枠14をその前面部33の上に被せ、止具18を連結片10に掛け、他方の止具17を折り畳むと、締付片15,16は上記前面部33を夫々縁部6,7に押え付け、前面部33は基枠2に保持された状態となる。該保持状態において、窓5において刺繍領域の円弧状に湾曲している布がぴんと張っていない状態の場合には、それを張らせる作業を以下のようにして行う。図3に示す如く窓5の外において前面部33の上端33aを矢印34方向に引く。その引き力は凸部30の先端部30cに対して矢印35で示す如く横向きに加わる。この為、凸部30の先端部30cは符号30bで示すように窓5とは反対の側になびき、上記矢印34方向の引き力に対しては小さい抵抗力を示すのみである。従って上記前面部33の円弧状に湾曲している布は比較的小さい力でもって矢印34方向に移動させることができ、上記張り作業を容易に行うことができる。
【0012】
上記のようにして円弧状に湾曲している布の装着を終えた円弧状に湾曲している布の布張枠1は連結部4を利用して周知の如く刺繍ミシンにおける駆動部に連結され、図2の如き状態で刺繍領域に対する刺繍が行われる。この場合、針23の刺し通しその他によって上記前面部33の円弧状に湾曲している布が図4に矢印36で示す如く窓5の側に引かれても、その引き力は凸部30の先端部30cに対して正面向きに加わる(矢印37で示す如く凸部30を押し縮めようとする方向に加わる)。この為、凸部30は上記引き力に対して突っ張る状態となり、円弧状に湾曲している布が矢印36方向にずれようとすることに対して大きな抵抗力を示す。従って上記のような力が加わっても円弧状に湾曲している布のずれを防止し、窓5における前面部33の張り状態を維持できて、刺繍領域に対する適正な刺繍を可能にできる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本願発明にあっては、円弧状に湾曲している布33に刺繍したい場合、円弧状に湾曲している布33を基枠2の上面14に添え付け、締付片15で押え付けることにより、基枠2により円弧状に湾曲している布33を保持できて刺繍に供すことのできる効果がある。
【0014】
さらに締付片15における上記上面4と対向する側の面に複数の凸部を備えた軟質材製の当部材28を備えさせたから、円弧状に湾曲している布33を基枠2の上面14に添え付け、締付片15で押え付けた状態においては布33に対して軟質材製の当部材28が馴染みよく当接する効果がある。
【0015】
さらに本願発明にあっては、締付片15における基部材に上記当部材28を備えさせたものであっても、上記当部材28は締付片15における上記基部材26の両側の囲み部材27の間に備えさせるものであるから、横方向に向けて大きな力が加えられても横ずれする恐れのない効果がある。
【0016】
さらに本願発明にあっては、締付片15における基部材26の両側における基枠上面4と対向する側に上記当部材28の横ずれ防止用の囲み部材27を配設したものであっても、それらの複数の断片状の囲み部材27の夫々の相互間には、基部材の屈曲性を損なわぬように夫々欠如部27aを介在させ、しかも当部材28は軟質材で形成した構成であるから、円弧状の窓5の上に被せ付けた円弧状の刺繍領域33bの上に、平坦な形状であった締付片15を、弾力的に円弧状に曲げながら円弧状の刺繍領域33bの上に馴染ませることのできる画期的効果がある。
【0017】
しかも上記保持状態において窓5の上の円弧状に湾曲している布33が弛んでいるときにはそれを窓5にぴんと張る作業が必要であるが、その場合、締付片15の外側において円弧状に湾曲している布33を基枠上面に沿って窓5の外方へ向けて図3の矢印34の如く引くと、その引き力は締付片15における当部材28の凸部30には横向きに加わる為、軟質材で、しかも上記窓5とは反対の側に向けて力が加わるのに対してはその方向になびくように構成してある為、凸部30は容易に外方へなびき、従って円弧状に湾曲している布33の上記外方への引きに対する抵抗力は小さく、容易に円弧状に湾曲している布33を上記外方向にずらすことができて円弧状に湾曲している布の張り作業を容易に行ない得る利点がある。
【0018】
その上上記のように円弧状に湾曲している布33をずらし易くしたものでも、円弧状に湾曲している布33への刺繍の場合には、円弧状に湾曲している布33に図4の矢印36の如く窓5の側へ向けて引く力が加わっても、凸部30は、窓5の側に向けて力が加わるのに対しては突っ張るよう、その突出方向を上記窓5とは反対の側に傾斜させてあるから、その引き力は、上記凸部30に対しては正面から突張らせるように加わる為、凸部30は上記の引き力に対して突っ張る状態となり、従って円弧状に湾曲している布33の上記窓の方向へのずれに対する抵抗力は極めて大きくなり、円弧状に湾曲している布が窓5にぴんと張られた状態を堅固に維持できて、崩れのない適正な刺繍を可能にできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】円弧状に湾曲している布の布張枠の斜視図。
【図2】使用状態を示す縦断面部分図。
【図3】円弧状に湾曲している布を窓の外方へ引いた場合の状態を示す断面図。
【図4】円弧状に湾曲している布が窓の側へ引かれた場合の状態を示す断面図。
【符号の説明】
2 基枠
5 窓
15,16 締付片
28 当て部材
30 凸部
【産業上の利用分野】
本発明は帽子の周壁のような円弧状に湾曲している布に対して刺繍する場合において、その円弧状に湾曲している布の刺繍領域をぴんと張った状態に保持する為に用いられる円弧状に湾曲している布の布張枠に関する。
【0002】
【従来の技術】
円弧状に湾曲している布の添え付けの為に上面が断面円弧状となっていると共に、該上面には円弧状に湾曲している布の刺繍領域を位置させる為の窓が備えられている基枠と、円弧状に湾曲している布を上記上面において基枠の軸線方向における上記窓の一方の側の縁部に押え付ける為の締付片と、他方の側の縁部に押え付ける為のもう一つの締付片と、上記両締付片における夫々の一方の端部を上記基枠に連結する為の止具と、他方の端部を上記基枠に連結する為のもう一つの止具とを有する(例えば特開平2−251660号公報参照)。このような円弧状に湾曲している布の布張枠では、基枠の上面に円弧状に湾曲している布を添え付け、両締付片で押え付けることにより、円弧状に湾曲している布を基枠により保持できて刺繍に供すことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の円弧状に湾曲している布の布張枠においては、上記円弧状に湾曲している布が薄布であるとそれを基枠に添え付けた状態で窓に対応する布部がだぶつき弛んだ状態となることがある。そうなった場合、円弧状に湾曲している布をぴんと張らせる為に締付片の外方にある円弧状に湾曲している布を引かねばならぬ。しかし上記締付片による押え付けが強いと円弧状に湾曲している布が動きづらく、作業がやりにくい問題点があった。尚上記締付片による押え付けを弱くすれば上記円弧状に湾曲している布を引く作業は容易となるが、そのようにすると、窓の円弧状に湾曲している布に刺繍をする場合に円弧状に湾曲している布が窓の側に引かれて再び弛んでしまう問題点がある。
【0004】
上記問題点を解決するために、上記締付片の内側に滑り止め用の当部材を添え付けることが考えられる。しかし、上記締付片は曲付け屈曲を自在とするものであるから、当部材が肌割れして横ずれする問題点が生じる。さらに「横ずれする問題点」を解決するために横ずれの防止策を講じると基部材の屈曲性を損じる問題点が発生するという悩みが生じる。
【0005】
本願発明は上記従来技術の問題点を解決する為になされたもので、締付片に対して「横ずれ」を解決するために横ずれ防止策を講じても基部材の屈曲性を損じる恐れのない手段を提供し、しかも、円弧状に湾曲している布の刺繍領域が上記の窓の位置においてだぶついている場合には、布の一部を締付片の外方向へずらし易くして、窓上に刺繍領域を張る作業を容易に行なうことができ、しかも上記とは反対に円弧状に湾曲している布が窓の側へずれることに対する抵抗力を極めて大きくできて、窓上に刺繍領域がぴんと張られた状態を堅固に維持できるようにした円弧状に湾曲している布の布張枠を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明における円弧状に湾曲している布の布張枠は、円弧状に湾曲している布の添え付けの為に上面が断面円弧状となっていると共に、該上面には円弧状に湾曲している布の刺繍領域を位置させる為の窓が備えられている基枠と、円弧状に湾曲している布を上記上面において基枠の軸線方向における上記窓の一方の側の円弧状に形成された縁部に添付けできるように弾力的な曲付けを可能とする帯状の薄板製の締付片と、他方の側の円弧状に形成された縁部に添付けできるように弾力的な曲付けを可能とする帯状の薄板製のもう一つの締付片と、上記両締付片における夫々の一方の端部を上記基枠に連結する為の止具と、他方の端部を上記基枠に連結する為のもう一つの止具とを有する円弧状に湾曲している布の布張枠において、上記少なくとも一方の帯状の締付片における基部材の両側には、当部材のずれを防止する為に複数の断片状の囲み部材を列設させ、かつそれらの列設させた囲み部材の夫々の相互間には、基部材の屈曲性を損なわぬように夫々欠如部を介在させ、さらに締付片における上記両側の囲み部材の間には、基部材の屈曲性を損なわぬように上記上面と対向する側が軟質材製の当部材を備えさせると共に、該当部材は上記上面との対向面に複数の凸部を備えており、しかもそれらの凸部は、その先端部に対して上記窓とは反対の側に向けて加わる力に対してはその方向になびき、窓の側に向けて加わる力に対しては突っ張るよう、その突出方向を上記窓とは反対の側に傾斜させたものである。
【0007】
【作用】
基枠の上面に円弧状に湾曲している布を添え付け、締付片で押え付けることにより円弧状に湾曲している布は基枠に保持された状態となる。締付片の外側の場所において円弧状に湾曲している布を窓の外方向へ向けて引くと、その引き力は締付片における当部材の凸部には横向きの力として加わる。従って凸部は上記引き力の方向になびき、上記引き力に対する抵抗力は小さい。従って布は上記の方向に軽い引き力でずらすことができる。一方、上記円弧状に湾曲している布が窓の箇所においてその窓の側に向けて引かれると、その引き力は上記凸部には正面向きの力として加わる。従って凸部はその引き力に対して突っ張る状態となり、その引き力の方向へ向けての円弧状に湾曲している布のずれに対して大きい抵抗力を示す。
【0008】
【実施例】
以下本願の実施例を示す図面について説明する。図1、2において、符号1〜24は円弧状に湾曲している布の布張枠及び刺繍ミシンにおける通常知られた構造を示すもので、1は円弧状に湾曲している布の布張枠として例示する帽子枠、2はその基枠、3は刺繍ミシンに備えられている駆動部への連結部、4は基枠2の上面を示し、図示の如き断面円弧状の布張面となっている。5は刺繍領域存置用の窓、6は上記上面4において基枠2の軸線方向における前記窓5の一方の側の縁部、7は他方の側の縁部、図2に示される8はそれらの縁部に備えられた滑止部材(例えばウレタンゴムの薄板)、図1の9,10は押え枠の連結の為に基枠2の左右の側部に備えた連結片で、夫々取付ブロック11で基枠2に取付けてある。次に14は上記基枠に対して円弧状に湾曲している布を押え付ける為の押え枠を示し、15, 16は夫々円弧状に湾曲している布を上記縁部6,7に押え付ける為の締付片、17は両締付片15,16における一方の端部を上記基枠2に連結する為の止具で、両締付片15,16における一方の端部を上記連結片9に連結する為の折り畳み可能な締具を例示する。18は両締付片15,16における他方の端部を上記基枠2に連結する為の止具で、両締付片15,16における他方の端部を上記連結片10に着脱自在に連結する為の掛具を例示する。尚図2の22は刺繍ミシンにおけるベッド、23は針、24は布押えを夫々示す。
【0009】
次に上記締付片15について詳細に説明する。26は基部材で、上面4の形状に倣った湾曲変形が自在の屈曲性を有しており、例えばステンレスの薄板でもって帯状に構成してある。27は図1、3のように基部材26における基枠の上面4に対向する側の面に備えさせる当部材28の横ずれを防止する為にその当部材28を囲むように基部材26の両縁部に対して図示のような状態に設けた囲み部材で、基部材26の両縁部を夫々図示のように曲げ起こして突出させた状態に形成してある。又該囲み部材は基部材26の屈曲性を損なわぬよう図示の如く夫々の相互間に欠如部27aを介在させ断片状に形成してある。28は締付片15において上記上面4と対向する側の部分を構成する当部材で、軟質材例えば連続気泡のウレタン発泡ゴムでもって形成されている。このように当部材を軟質材の屈曲性を損なわぬような材料で形成しておくと、図1のように平坦な形状の締付片15を上記の円弧状の窓5の上に被せ付け、上記平坦な形状の締付片15を、弾力的に円弧状に曲げながら円弧状の刺繍領域33bの上に馴染ませることができる。
【0010】
29は当部材28における上記上面4との対向面を示し、複数の凸部30を備えている。各凸部30は、その先端部30cに対して上記窓5とは反対の側に向けて加わる力に対してはその方向になびき、窓5の側に向けて加わる力に対しては突っ張るよう、図3に示す如く、その突出方向(凸部30における元部の中心から凸部の先端部30cに向かう線30aの方向)を上記窓5の側とは反対の側に傾斜させてある。上記凸部30は基枠2の周方向に長い筋状のものを例示するが、多数の疣条のものであっても良い。上記のような当部材28は、後述のように凸部30に対して正面向きに加わる力による押し縮めに対して充分な抵抗力を発揮するよう例えばスプリング式硬さ試験において70度程度の硬さのもの(60度から80度のものでも良い)が用いられる。次に他方の締付片16は、上記締付片15と同様の構成の基部材と、上記上面4との対向面が平坦となっている軟質材製の当部材とを備えた構造のものを用いてあるが、上記締付片15と同様の構造のものを用いても良い。
【0011】
上記構成の円弧状に湾曲している布の布張枠1の使用法は周知の通りであって、基枠2の布張面4に被刺繍の円弧状に湾曲している布33例えば帽子32の前面部を、その刺繍領域が窓5に位置するよう添え付ける。次に押え枠14をその前面部33の上に被せ、止具18を連結片10に掛け、他方の止具17を折り畳むと、締付片15,16は上記前面部33を夫々縁部6,7に押え付け、前面部33は基枠2に保持された状態となる。該保持状態において、窓5において刺繍領域の円弧状に湾曲している布がぴんと張っていない状態の場合には、それを張らせる作業を以下のようにして行う。図3に示す如く窓5の外において前面部33の上端33aを矢印34方向に引く。その引き力は凸部30の先端部30cに対して矢印35で示す如く横向きに加わる。この為、凸部30の先端部30cは符号30bで示すように窓5とは反対の側になびき、上記矢印34方向の引き力に対しては小さい抵抗力を示すのみである。従って上記前面部33の円弧状に湾曲している布は比較的小さい力でもって矢印34方向に移動させることができ、上記張り作業を容易に行うことができる。
【0012】
上記のようにして円弧状に湾曲している布の装着を終えた円弧状に湾曲している布の布張枠1は連結部4を利用して周知の如く刺繍ミシンにおける駆動部に連結され、図2の如き状態で刺繍領域に対する刺繍が行われる。この場合、針23の刺し通しその他によって上記前面部33の円弧状に湾曲している布が図4に矢印36で示す如く窓5の側に引かれても、その引き力は凸部30の先端部30cに対して正面向きに加わる(矢印37で示す如く凸部30を押し縮めようとする方向に加わる)。この為、凸部30は上記引き力に対して突っ張る状態となり、円弧状に湾曲している布が矢印36方向にずれようとすることに対して大きな抵抗力を示す。従って上記のような力が加わっても円弧状に湾曲している布のずれを防止し、窓5における前面部33の張り状態を維持できて、刺繍領域に対する適正な刺繍を可能にできる。
【0013】
【発明の効果】
以上のように本願発明にあっては、円弧状に湾曲している布33に刺繍したい場合、円弧状に湾曲している布33を基枠2の上面14に添え付け、締付片15で押え付けることにより、基枠2により円弧状に湾曲している布33を保持できて刺繍に供すことのできる効果がある。
【0014】
さらに締付片15における上記上面4と対向する側の面に複数の凸部を備えた軟質材製の当部材28を備えさせたから、円弧状に湾曲している布33を基枠2の上面14に添え付け、締付片15で押え付けた状態においては布33に対して軟質材製の当部材28が馴染みよく当接する効果がある。
【0015】
さらに本願発明にあっては、締付片15における基部材に上記当部材28を備えさせたものであっても、上記当部材28は締付片15における上記基部材26の両側の囲み部材27の間に備えさせるものであるから、横方向に向けて大きな力が加えられても横ずれする恐れのない効果がある。
【0016】
さらに本願発明にあっては、締付片15における基部材26の両側における基枠上面4と対向する側に上記当部材28の横ずれ防止用の囲み部材27を配設したものであっても、それらの複数の断片状の囲み部材27の夫々の相互間には、基部材の屈曲性を損なわぬように夫々欠如部27aを介在させ、しかも当部材28は軟質材で形成した構成であるから、円弧状の窓5の上に被せ付けた円弧状の刺繍領域33bの上に、平坦な形状であった締付片15を、弾力的に円弧状に曲げながら円弧状の刺繍領域33bの上に馴染ませることのできる画期的効果がある。
【0017】
しかも上記保持状態において窓5の上の円弧状に湾曲している布33が弛んでいるときにはそれを窓5にぴんと張る作業が必要であるが、その場合、締付片15の外側において円弧状に湾曲している布33を基枠上面に沿って窓5の外方へ向けて図3の矢印34の如く引くと、その引き力は締付片15における当部材28の凸部30には横向きに加わる為、軟質材で、しかも上記窓5とは反対の側に向けて力が加わるのに対してはその方向になびくように構成してある為、凸部30は容易に外方へなびき、従って円弧状に湾曲している布33の上記外方への引きに対する抵抗力は小さく、容易に円弧状に湾曲している布33を上記外方向にずらすことができて円弧状に湾曲している布の張り作業を容易に行ない得る利点がある。
【0018】
その上上記のように円弧状に湾曲している布33をずらし易くしたものでも、円弧状に湾曲している布33への刺繍の場合には、円弧状に湾曲している布33に図4の矢印36の如く窓5の側へ向けて引く力が加わっても、凸部30は、窓5の側に向けて力が加わるのに対しては突っ張るよう、その突出方向を上記窓5とは反対の側に傾斜させてあるから、その引き力は、上記凸部30に対しては正面から突張らせるように加わる為、凸部30は上記の引き力に対して突っ張る状態となり、従って円弧状に湾曲している布33の上記窓の方向へのずれに対する抵抗力は極めて大きくなり、円弧状に湾曲している布が窓5にぴんと張られた状態を堅固に維持できて、崩れのない適正な刺繍を可能にできる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】円弧状に湾曲している布の布張枠の斜視図。
【図2】使用状態を示す縦断面部分図。
【図3】円弧状に湾曲している布を窓の外方へ引いた場合の状態を示す断面図。
【図4】円弧状に湾曲している布が窓の側へ引かれた場合の状態を示す断面図。
【符号の説明】
2 基枠
5 窓
15,16 締付片
28 当て部材
30 凸部
Claims (1)
- 円弧状に湾曲している布の添え付けの為に上面が断面円弧状となっていると共に、該上面には円弧状に湾曲している布の刺繍領域を位置させる為の窓が備えられている基枠と、円弧状に湾曲している布を上記上面において基枠の軸線方向における上記窓の一方の側の円弧状に形成された縁部に添付けできるように弾力的な曲付けを可能とする帯状の薄板製の締付片と、他方の側の円弧状に形成された縁部に添付けできるように弾力的な曲付けを可能とする帯状の薄板製のもう一つの締付片と、上記両締付片における夫々の一方の端部を上記基枠に連結する為の止具と、他方の端部を上記基枠に連結する為のもう一つの止具とを有する円弧状に湾曲している布の布張枠において、上記少なくとも一方の帯状の締付片における基部材の両側には、基部材における上記基枠上面と対向する側の面に備えさせる当部材の横ずれを防止する為にその当部材囲むように、複数の断片状の囲み部材を列設させ、かつ、それらの列設させた囲み部材の夫々の相互間には、基部材の屈曲性を損なわぬように夫々欠如部を介在させ、さらに締付片における上記両側の囲み部材の間には、基部材の屈曲性を損なわぬように上記上面と対向する側が軟質材製の当部材を備えさせると共に、該当部材は上記上面との対向面に複数の凸部を備えており、しかも、それらの凸部は、その先端部に対して上記窓とは反対の側に向けて力が加わるのに対してはその方向になびき、窓の側に向けて力が加わるのに対しては突っ張るよう、その突出方向を上記窓とは反対の側に傾斜させてあることを特徴とする円弧状に湾曲している布の布張枠。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP14155993A JP3551978B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 円弧状に湾曲している布の布張枠 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14155993A JP3551978B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 円弧状に湾曲している布の布張枠 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06330450A JPH06330450A (ja) | 1994-11-29 |
| JP3551978B2 true JP3551978B2 (ja) | 2004-08-11 |
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ID=15294785
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP14155993A Expired - Fee Related JP3551978B2 (ja) | 1993-05-20 | 1993-05-20 | 円弧状に湾曲している布の布張枠 |
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| Country | Link |
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| JP (1) | JP3551978B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-20 JP JP14155993A patent/JP3551978B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06330450A (ja) | 1994-11-29 |
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