JP3552670B2 - 蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両において燃料タンクから蒸発する燃料を内燃機関の吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記のような蒸発燃料パージ装置は、燃料タンクで発生した燃料蒸気をベーパ管を介してチャコールキャニスタ(以下、キャニスタという。)に一旦捕集し、捕集した蒸発燃料をパージ管を介して内燃機関の吸気系に放出する。このとき、パージ管を介して吸気系からキャニスタ及び燃料タンクまで負圧を導入するとともに、新気導入管を介してキャニスタに外気を導入することで捕集されている燃料蒸気を放出(パージ)させる。
【0003】
一方、異常診断装置は、吸気系から負圧が導入されるパージ管からキャニスタを経て燃料タンクまで至る燃料蒸気放出流路上に、燃料蒸気が外気に漏出するピンホールや亀裂が生じているか否かその気密状態を検査する異常診断を行う。
【0004】
この異常診断は、図4に示すように、パージ管上のパージ量調節弁を開けたまま新気導入管上の新気量調節弁を閉じてパージを中断し、吸気系から導入する負圧によって燃料タンクの内圧Pを第1基準値P2まで低下させた後にパージ量調節弁でパージ管を遮断することで行う。この状態では、燃料タンクからキャニスタを経てパージ管の途中に至るまでの診断流路が外気から密封される。
【0005】
この密封された診断流路の内圧Pは、燃料タンク内での燃料の蒸発により、この診断流路内にある空気及び燃料蒸気の平衡圧に近づくように徐々に上昇していく。このとき、診断流路上にピンホールや亀裂が存在していると、そこから燃料蒸気が外部に漏出することで内圧Pはより急速に上昇する。そこで、燃料タンクに設けた圧力センサで内圧Pを検出し、この内圧Pの変化様態を監視することでピンホール等の有無を検査する。
【0006】
ところが、車両が悪路を走行する場合には、燃料タンク内の燃料が激しく揺れ、その油面が揺れることで燃料の気化が促進される。このため、悪路を走行中に診断流路の異常診断を行うと、検出される内圧Pがより急速に上昇する。また、燃料温度が高くなった状況でも、燃料の気化が促進される。このため、燃料温度が高くなった状態で異常診断を行ったときにも、診断流路の内圧Pがより急速に上昇する。従って、車両が悪路を走行している状態や、燃料温度が高くなった状態で診断流路の異常診断を行うと、内圧Pの変化様態から診断流路の気密性を確実に検査することが困難となり、診断結果の信頼性が低下したり、誤診断する可能性がある。そこで、従来の異常診断装置では、異常診断を行う前に、車両の走行状態が燃料の激しい油面揺れを招くような状態でなく、また、燃料温度が高くなっておらず、異常診断が可能な状態であることを確認する診断条件の判定を行なっている。
【0007】
この診断条件の判定方法としては、例えば特開平10−26055号公報で開示されているエバポパージシステムの故障診断装置で行うように、異なるサンプリング様態で検出する2つのサンプリング値の差分値ΔPが判定値を超えたことをもって、燃料の激しい油面揺れが発生していると判定する方法がある。また、図4に示すように、燃料タンクの内圧Pの判定時間T1当たりの変化量ΔP1が判定値を超えたことをもって、燃料温度が高くなった状態であると判定する方法が提案されている。さらに、一定時間離れた時点で検出する内圧Pの各変化量ΔPから2階差分積算値ΣΔΔPを算出し、この2階差分積算値ΣΔΔPが判定値を超えたことをもって燃料の激しい油面揺れが発生したと判定する方法が提案されている。
【0008】
ところで、キャニスタから蒸発燃料のパージを行なっているときには、吸気系からパージ管を介してキャニスタに導入される負圧が燃料タンクにまで導入される。従って、燃料タンクで検出する内圧Pが、エンジンの運転状態に応じて変動する吸気圧によっても変動する。このため、診断条件の判定を内圧Pの変化量ΔPや2階差分値ΔPPが判定値を超えたことをもって判定することが困難となる。そこで、従来の異常診断装置には、ベーパ管上に設けた差圧弁を迂回する負圧導入管と、負圧導入管を開閉する開閉弁とが設けられていた。そして、診断条件の判定を行うときには開閉弁を閉じて吸気系からキャニスタに導入する負圧が燃料タンクに直接導入されないようにし、異常診断を行うときには開閉弁を開けて負圧導入管を介して燃料タンクに負圧を導入するようにしていた。ところが、異常診断の判定を行うためだけに負圧導入管及び開閉弁を設けているので、異常診断装置が複雑になり原価が高くなっていた。
【0009】
そこで、負圧導入管及び開閉弁を設けてない異常診断装置とし、図4に示すように、変化量ΔP1や2階差分積算値ΔΔPを求めて診断条件の判定を行うときにはパージ量調節弁を閉じてパージを中断(パージカット)することが考えられる。この場合には、診断条件の判定中に吸気管から負圧がキャニスタ及び燃料タンクに導入されないので、吸気管内の負圧の変動の影響を受けない内圧Pから求めた例えば2階差分積算値ΔΔPが判定値αを超えたことをもって、燃料の過度の油面揺れが発生したことを検知することができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、パージを中断した状態で診断条件の判定を行うようにすると、車両が悪路を走行中であった場合には、診断条件の判定を行う毎にパージを中断することになる。そして、診断条件の判定によって燃料の激しい油面揺れが発生していると判定した後に、異常診断を行うことなくパージを再開することになる。このため、車両が悪路を走行する状態が続くと、頻繁にパージが中断されることになり、パージが実行される時間が全体として短くなってしまう。
【0011】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、蒸発燃料捕集装置に捕集した蒸発燃料の放出を中断する時間をより短縮することができる蒸発燃料パージ装置の異常診断方法及び異常診断装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、請求項1に記載の発明は、燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパ流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集し、内燃機関の吸気系からパージ流路を介して負圧を蒸発燃料捕集装置に導入するとともに新気導入流路を介して新気を蒸発燃料捕集装置に導入することで該蒸発燃料捕集装置に捕集した燃料蒸気を前記パージ流路を介して前記吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診断方法において、前記新気導入流路及びパージ流路を共に遮断することで前記燃料タンクを含んで密封される診断流路内の内圧を検出し、燃料の液面揺れを検知するための検知量を、前記蒸発燃料捕集装置から燃料蒸気を放出している状態で検出する前記内圧の変化量から予め設定されている方法で求め、予め設定されている第1判定値をこの検知量が超えたことをもって前記内圧を異常な様態で上昇させる燃料の液面揺れが発生したと判定し、前記検知量が第1判定値を超えないときには、前記蒸発燃料捕集装置からの燃料蒸気の放出を停止した状態で検出する内圧の変化量から前記検知量を求め、前記第1判定値よりも小さい値で予め設定されている第2判定値をこの検知量が超えたことをもって前記内圧を異常な様態で上昇させる燃料の液面揺れが発生したと改めて判定し、前記検知量が第2判定値を超えないときに、前記診断流路を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態から該診断流路の気密状態を診断することを要旨とする。
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、吸気系から導入する負圧の変動が診断流路で検出する内圧の変動に影響する状態で内圧を検出し、この内圧から求めた検知量が第1判定値を超えることをもって、車両の走行状態に基づく燃料タンク内の燃料の液面揺れが、内圧の異常な変動を招く状態であることが判定される。そして、車両の走行状態が内圧の異常な上昇を招かない状態であると判定したときに初めて負圧の導入が停止され、負圧の変動が内圧に影響しない状態で、改めて車両の走行状態に基づく燃料の液面揺れが判定される。従って、車両の走行状態が燃料の激しい液面揺れを招くような状態であって、内圧の変化様態から診断流路の気密状態を検査することが容易でないような状況で、異常診断が実行されないにも拘らず蒸発燃料の放出が頻繁に中断されことがない。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記蒸発燃料捕集装置から蒸発燃料の放出を停止した状態で検出する内圧の計時的な変化様態に基づいて該内圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の上昇が発生したか否かを判定し、前記内圧を異常な様態で燃料の液面揺れが発生していないと判定し、かつ、内圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の上昇が発生していないと判定したときに前記診断流路を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態から該診断流路の気密状態を診断することを要旨とする。
【0015】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、燃料の液面揺れに起因する内圧の異常な変動が小さいと判定したことに加え、燃料温度の上昇に起因する内圧の変動が小さいと判定したときに、内圧の変化様態に基づいて診断流路の気密状態が検査される。このため、診断流路の気密状態に関する診断結果の信頼性がより向上し、また、誤診断がより発生し難い。
【0016】
請求項3に記載の発明は、燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパ流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集するとともに、内燃機関の吸気系からパージ流路を介して負圧を蒸発燃料捕集装置に導入し、新気導入流路を介して新気を蒸発燃料捕集装置に導入することで、蒸発燃料捕集装置に捕集した燃料蒸気をパージ流路を介して前記吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診断装置において、前記新気導入流路を遮断可能な新気流路遮断手段と、前記パージ流路を遮断可能なパージ流路遮断手段と、前記新気流路開閉手段及びパージ流路開閉手段を制御する流路制御手段と、前記新気導入流路及びパージ流路が共に遮断されることで前記燃料タンクを含んで密封される診断流路内の内圧を検出する内圧検出手段と、燃料の液面揺れを検知するための検知量を予め設定されている方法で前記内圧の変化量から求める検知量取得手段と、前記流路制御手段を制御し、前記新気導入流路及びパージ流路を共に遮断しない状態で検出された前記内圧の変化量から求めた前記検知量が予め設定されている第1判定値を超えたときに前記新気導入流路を遮断しない状態でパージ流路を遮断し、この状態で検出された内圧から求めた前記検知量が前記第1判定値よりも小さい値に予め設定されている第2判定値を超えたときに前記新気導入流路を遮断するとともにパージ流路を遮断しなくすることで前記内圧を下げた後、新気導入流路を遮断したままでパージ流路を遮断して前記診断流路を密封する内圧制御手段と、前記診断流路を密封した状態での前記内圧の変化様態から該診断流路の気密状態を検査する流路検査手段とを備えたことを要旨とする。
【0017】
請求項3に記載の発明によれば、吸気系から導入する負圧の変動が診断流路で検出する内圧の変動に影響する状態で内圧を検出し、この内圧から求めた検知量が第1判定値を超えることをもって、車両の走行状態に基づく燃料タンク内の燃料の液面揺れが、内圧の異常な変動を招く状態であることが判定される。そして、車両の走行状態が内圧の異常な上昇を招かない状態であると判定したときに初めて負圧の導入が停止され、負圧の変動が内圧に影響しない状態で、改めて車両の走行状態に基づく燃料の液面揺れが判定される。従って、車両の走行状態が燃料の激しい液面揺れを招くような状態であって、内圧の変化様態から診断流路の気密状態を検査することが容易でないような状況で、異常診断が実行されないにも拘らず蒸発燃料の放出が頻繁に中断されことがない。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、前記内圧制御手段が前記新気導入流路を遮断せずパージ流路を遮断している状態で検出された前記内圧の経時的な変化様態に基づいて燃料温度の過度の上昇を検知する燃料温度上昇検知手段を備え、前記内圧制御手段は、前記新気導入流路を遮断せずパージ流路を遮断した状態で検出された内圧から求めた前記検知量が前記第2判定値を超えず、かつ、燃料温度の過度の上昇が検知されないときに前記新気導入流路を遮断するとともにパージ流路を遮断しなくして前記内圧を下げることを要旨とする。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、燃料の液面揺れに起因する内圧の異常な変動が小さいと判定したことに加え、燃料温度の上昇に起因する内圧の変動が小さいと判定したときに、内圧の変化様態に基づいて診断流路の気密状態が検査される。このため、診断流路の気密状態の診断結果の信頼性がより向上し、また、誤診断がより発生し難い。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項3または請求項4に記載の発明において、
前記検知量は、前記内圧の変化量から求めた2階差分値を積算した2階差分積算値であることを要旨とする。
【0021】
請求項5に記載の発明によれば、請求項3または請求項4に記載の発明の作用に加えて、内圧の変化量から求めた2階差分値を積算した2階差分積算値が予め設定した判定値を超えたことをもって、車両の走行状態に基づく燃料の液面揺れが内圧の異常な上昇を招く状態であると判定するので、内圧の変化様態に基づいて行う診断流路の気密性の検査精度がより向上する。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を車両の内燃機関に設けられた蒸発燃料パージ装置の異常診断装置に具体化した一実施形態を図1〜図4に従って説明する。
【0023】
図2に示すように、蒸発燃料パージ装置10は、ベーパ管11、差圧弁12、蒸発燃料捕集装置としてのチャコールキャニスタ(以下、単にキャニスタという。)13、パージ流路としてのパージ管14、パージ流路遮断手段としてのパージ量調節弁15、新気導入流路としての新気導入管16、新気流路遮断手段としての新気量調節弁17、防塵フィルタ18及び電子制御装置(以下、ECUという。)19等から構成されている。また、異常診断装置20は、パージ量調節弁15、新気量調節弁17、内圧検出手段としての圧力センサ21及びECU19等から構成されている。
【0024】
キャニスタ13は、ベーパ管11を介して燃料タンク22の上部にある気室22aに連通されている。ベーパ管11は、燃料の流入を防止するフロート式逆止弁23を介して気室22a内に連通されている。ベーパ管11の途中には、差圧弁12が設けられている。
【0025】
差圧弁12はダイアフラム式の自律動作弁であって、燃料タンク22の気室22aの内圧Pとキャニスタ13側の内圧との差圧が、設定されている差圧値を超えるときに開弁し、気室22a内のの燃料蒸気をキャニスタ13側に放出する。なお、差圧弁12の内部には、ダイアフラムの弁部を迂回して燃料タンク22とキャニスタ13とを常時連通する連通孔12aが設けられている。
【0026】
また、キャニスタ13は、パージ管14を介して図示しない吸気ポートに連通されている。パージ管14の途中にはパージ量調節弁15が設けられている。
パージ量調節弁15はECU19によって制御される負圧作動式の電磁弁であって、パージ管14を介して吸気管側に放出される燃料蒸気の流量を調節するとともにパージ管14を遮断する。
【0027】
また、キャニスタ13は、新気導入管16を介して外気に連通されている。新気導入管16は、給油口24の近傍に開口されるとともに、その途中には大気防塵フィルタ18が設けられている。大気防塵フィルタ18は、新気導入管16を介してキャニスタ13に導入される新気中の塵を除去する。新気導入管16の端部には、新気量調節弁17が設けられている。
【0028】
新気量調節弁17はECU19によって制御される電磁式の流量調節弁であって、新気導入管16を介して大気中からキャニスタ13に導入される新気の流量を調節するとともに新気導入管16を遮断する。
【0029】
キャニスタ13は、活性炭を主成分とする吸着材が収容された密閉容器であって、ベーパ管11を介して放出される燃料蒸気を吸着材に吸着することで一時的に捕集する。キャニスタ13の内部は、第1室25及び第2室26に区画され、両室25,26は通気性フィルタ27を介して連通されている。第1室25及び第2室26はそれぞれ2室に区画され、通気性フィルタ27に隣接する各室には吸着材が充填され、反対側の各室はそれぞれ第1気室25a及び第2気室26aとされている。第1気室25aには、ベーパ管11とパージ管14とがそれぞれ連通されている。第2気室26aには、新気導入管16が連通されている。
【0030】
以上のように構成された蒸発燃料パージ装置10では、燃料タンク22の内圧と、キャニスタ13の第1気室25aの内圧との差圧が、設定されている差圧値を超えているときに、差圧弁12が開いて燃料タンク22の気室22aから燃料蒸気をキャニスタ13側に放出する。そして、キャニスタ13側に放出された燃料蒸気はキャニスタ13に一時的に捕集される。また、エンジンが運転されているときに吸気管内に発生する負圧により、新気導入管16を介して新気がキャニスタ13の第2室26側から導入するときには、キャニスタ13に捕集されている蒸発燃料をパージ管14を介して吸気管に放出する。
【0031】
次に、上記のように構成された蒸発燃料パージ装置の異常診断装置の電気的構成について説明する。
圧力センサ21は、燃料タンク22の気室22aの内圧を検出し、その圧力信号SPをECU19に出力する。
【0032】
ECU19は、パージ量調節弁15に出力する制御信号SV1によってその弁開度を調節する。また、新気量調節弁17に出力する制御信号SV2によってその弁開度を調節する。
【0033】
ECU19は、マイクロコンピュータ(以下、マイコンという。)30、駆動装置31等からなる。本実施形態では、マイコン30及び駆動装置31が、内圧制御手段を構成する。また、マイコン30が、検知量取得手段、流路検査手段及び燃料温度上昇検知手段である。
【0034】
マイコン30は、記憶されている制御プログラムに従い、公知の制御である燃料噴射制御、点火時期制御、アイドル回転数制御、キャニスタパージ制御、各種自己診断等を行う。
(キャニスタパージ制御)
キャニスタパージ制御として、マイコン30は、冷却水温、エンジン回転数等の検出値に基づいてパージ量調節弁15及び新気量調節弁17を制御し、キャニスタ13からのパージ量を制御する。詳述すると、パージ量調節弁15を開状態として吸気管からパージ管14を介して負圧をキャニスタ13側に作用させるとともに、新気量調節弁17を開状態として新気導入管16を介して新気をキャニスタ13に導入することで、キャニスタ13に捕集されている蒸発燃料を吸気管に放出させる。また、パージ量調節弁15及び新気量調節弁17の各弁開度を調節することでパージ量を調節する。
(異常診断処理)
また、マイコン30は、新たな処理である蒸発燃料パージ装置の異常診断処理を行う。マイコン30は、異常診断処理を、キャニスタパージ制御においてキャニスタ13から蒸発燃料の放出を行なっているとき(以下、パージ時という。)に、予め設定されている制御時間が経過する毎に周期的に実行するルーチンによって行う。この異常診断処理として、マイコン30は、診断条件判定処理及び診断処理を実行する。そして、診断条件判定処理として、車両の状態が蒸発燃料パージ装置の異常診断を行うことができる状態であるか否かを判定する。また、診断条件判定処理において異常診断を行うことができる状態であると判定したときに診断処理を実行し、この診断処理において蒸発燃料パージ装置10の実際の異常診断を行う。
(診断条件判定処理)
異常診断処理の処理内容を、図1に示すフローチャートに従って説明する。
【0035】
診断条件判定処理として、マイコン30は、先ず、ステップ(以下、Sと表記する。)10で、予め設定されている判定時間(例えば30秒)内で予め設定されている検出時間(例えば0.5秒)が経過する毎に検出した内圧Pから、燃料の油面揺れを判定する検知量としての2階差分積算値ΣΔΔPを求める。そして、この2階差分積算値ΣΔΔPが予め設定されている第1判定値α1以下であるか否かを判断する。
【0036】
詳述すると、周期的に実行するルーチンにおいて今回検出した内圧Pと前回検出した内圧Pとの差分を変化量ΔPとして毎回求め、過去の異なる時期に求めた複数の変化量ΔPと今回求めた変化量ΔPとから、予め設定されている関係式を用いて変化量ΔPの経時的な変化量である2階差分値ΔΔPを算出する。次に、予め設定されている判定時間が経過する毎に、この判定時間内に求めた各2階差分値ΔΔPを積算した2階差分積算値ΣΔΔPを算出する。
【0037】
ここで、2階差分値ΔΔPは、燃料タンク22に蓄えられている燃料の油面揺れに基づく内圧Pの変動を反映する変数であり、その2階差分積算値ΣΔΔPは、同じ燃料の油面揺れ量を反映する変数である。また、第1判定値α1は、パージ時において、2階差分積算値ΣΔΔPがこの第1判定値α1を超えることをもって、燃料の油面揺れに起因する内圧Pの上昇程度が過度であると判定することができるように設定されている。そして、内圧Pの上昇程度が、診断処理において内圧Pの変化様態に基づいて異常診断を行うことができる限度を超える状態であると判定することができるように設定されている。
【0038】
このS10での処理内容を詳述する。キャニスタ13からの蒸発燃料の放出が行われているとき(パージ時)には、吸気管からパージ管14を介してキャニスタ13に導入される負圧が、差圧弁12の連通孔12aを介して燃料タンク22まで導入される。このとき、内圧Pの変動量は、エンジンの運転状態に応じた負圧の変動が影響する分だけ、蒸発燃料の放出を行なっておらず負圧が燃料タンク22まで導入されていないとき(パージカット時)よりも大きくなる。その結果、内圧Pの変化量ΔPから求めた2階差分値ΔΔP、さらに、2階差分値ΔΔPを積算した2階差分積算値ΣΔΔPは、図3に示すように、負圧の変動が影響する分だけ大きくなる。従って、パージ中に検出する内圧Pから求めた2階差分積算値ΣΔΔPを判定する第1判定値α1は、車両の走行状態に応じた燃料の油面揺れに基づく内圧Pの変動量に対応した従来の判定値αよりも、負圧の変動が影響する分だけ大きくした値を基にして設定されている。
【0039】
また、通気抵抗を有する大気防塵フィルタ18が新気導入管16に設けられているので、パージ中のパージ率が大きいほど、吸気の変動に基づく2階差分積算値ΣΔΔPの増分値が大きくなる。このため、使用する大気防塵フィルタ18の通気抵抗に応じパージ率が100%のときの2階差分積算値ΣΔΔPの増分値を実験で求め、負圧の影響を除いた状態で設定する判定値αにこの増分値を加算した値をも基にして第1判定値α1が設定されている。
【0040】
従って、このS10においてマイコン30は、パージを行なっている状態において、燃料の油面揺れを招く車両の走行状態が、蒸発燃料パージ装置10の異常診断を行うことができる状態であるか否かを判定する。
【0041】
そして、S10で2階差分積算値ΣΔΔPが判定値α1を超えていたときには、診断処理を実行することなく本処理を終了する。
一方、S10で2階差分積算値ΣΔΔPが判定値α1以下であったときには、S11で、パージ量調節弁15を閉弁させて、キャニスタパージ制御で実行しているパージを中断させる。
【0042】
次に、S12で、パージを中断している状態で検出する内圧Pの変化量ΔPから2階差分値ΔΔPさらに2階差分積算値ΣΔΔPを求め、この2階差分積算値ΣΔΔPが予め設定されている第2判定値α2以下であるか否かを判定する。さらに、予め設定されている判定時間T1が経過する間の内圧Pの変化量ΔP1が、予め設定されている判定値β以下であるか否かを判定する。そして、この両方の条件が共に成立するか否かを判定する。
【0043】
ここで、第2判定値α2は第1判定値α1よりも小さい値に設定され、パージを行っていない状態において検出する内圧Pから求めた2階差分積算値ΣΔΔPがこの第2判定値α2を超えることをもって、燃料の油面揺れが過度であると判定することができるように設定されている。そして、第2判定値α2は、燃料の油面揺れに起因する内圧Pの上昇程度が、診断処理において内圧Pの変化様態に基づいて異常診断を行うことができる限度を超える状態であると判定することができるように設定されている。
【0044】
即ち、パージカット時には燃料タンク22まで吸気管から負圧が導入されず、内圧Pの変動に負圧の変動が影響しない。従って、車両の走行状態が変化しなくても内圧Pの変動が小さくなり、図3に示すように、この内圧Pから求める2階差分積算値ΣΔΔPも小さくなる。このため、パージカット状態で検出する内圧Pから求めた2階差分積算値ΣΔΔPが、第1判定値α1よりも小さい値に設定した第2判定値α2を超えたことをもって内圧Pの異常な上昇を招く燃料の油面揺れが発生したと判定する。従って、この第2判定値α2は、従来において、パージを中断した状態で検出する内圧Pから求めた2階差分積算値ΔΔPに基づいて燃料の過度な油面揺れを判定する場合の判定値αと同じであってもよい。
【0045】
また、内圧Pの変化量ΔP1は、燃料タンク22の燃料温度の上昇様態を反映する変数である。判定値βは、変化量ΔP1がこの判定値βを超えることをもって、車両状況に応じた燃料温度の上昇程度が内圧Pの異常な上昇を招く状態であると判定することができるように設定されている。そして、診断処理において内圧Pの変化様態に基づいて異常診断を行うことができる限度を超える状態であると判定することができるように設定されている。
【0046】
従って、このS12で、マイコン30は、パージカット状態において、車両の走行状態に応じた燃料の油面揺れ状態と、車両状況に応じた燃料温度の上昇状態とが、共に診断処理において異常診断を行うことができる状態であるか否かを判定する。
【0047】
S12で条件が成立しなかったときには、S13でパージを再開させた後、S14で異常フラグをリセットして本処理を終了する。一方、S12で条件が成立したときには診断処理を実行する。
(診断処理)
診断処理として、マイコン30は、S15で、パージ量調節弁15を閉弁から開弁させ、新気量調節弁17を開弁から閉弁させることで、吸気管から負圧をパージ管14を介してキャニスタ13に導入する。そして、キャニスタ13から差圧弁12の連通孔12aを介して燃料タンク22まで負圧を導入し、図3に示すように、内圧Pを予め設定されている第1基準値P2以下まで低下させる。
【0048】
次に、S16で、新気量調節弁17を閉弁させたままパージ量調節弁15を開弁から閉弁させ、パージ管14からキャニスタ13を経て燃料タンク22に至るまでの診断流路を密封する。そして、密封された燃料タンク22の内圧Pが、燃料の気化に伴って上昇し再び第1基準値P2に達した時点から、図3に示すように、予め設定されている検出時間ΔTsだけ経過する間の内圧Pの変化量ΔP2を取得する。
【0049】
次に、S17で、図3に示すように、第1基準値P2に達した時点から、予め設定されている判定時間Tdが経過した時点での内圧Pが、第2基準値P3以上となったか否かを判定する。
【0050】
ここで、第2基準値P3及び判定時間Tdは、判定時間Tdが経過する間に内圧Pが第1基準値P2から第2基準値P3を超えて上昇したことをもって、燃料タンク22を含む診断流路の気密状態に異常がないと判定することができるように設定されている。
【0051】
詳述すると、第1基準値P2まで下げられた内圧Pは、燃料タンク22内での燃料の蒸発によって時間の経過とともに次第に上昇する。このとき、密封された診断流路内に燃料蒸気が外部に漏出するピンホールや亀裂がなければ、内圧Pの上昇様態は、燃料タンク22の形状、診断流路の容積等の車両に固有の固定値によってほぼ決定される。そして、第2基準値P3及び判定時間Tdは、この蒸発燃料パージ装置10において、密封される診断流路からの燃料蒸気の漏出がない状態で内圧Pが第1基準値P2からある第2基準値P3まで達するまでに要する時間を基に設定されている。
【0052】
従って、このS17で、マイコン30は、燃料タンク22を含む診断流路の気密状態を判定する。
S17で、判定時間Tdが経過した時点での内圧Pが、第2基準値P3未満であったときには、S13でパージを再開させた後、S14で異常フラグをリセットして本処理を終了する。
【0053】
従って、このS17で、燃料タンク22を含む診断流路に、燃料蒸気が漏出するピンホールや亀裂を検知しなかったときには、以後の処理を実行せず、キャニスタ13からの蒸発燃料の放出を再開させる。
【0054】
一方、S17で、判定時間Tdが経過した時点での内圧Pが、第2基準値P3以上であったときには、S18で、図3に示すように、第2基準値P3に達した時点から検出時間ΔTsが経過するまでの間の内圧Pの変化量ΔP3を取得する。
【0055】
次に、S19で、変化量ΔP2及びP3から圧力変化率ΔP2/ΔP3を求め、この圧力変化率ΔP2/ΔP3と変化量ΔP3とを、予め記憶されているマップに照らし合わせることで、密封する診断流路内に燃料蒸気が漏出するピンホールや亀裂等があるか否かを改めてより高い検知精度で判定する。
【0056】
ここで、第2基準値P3及び圧力変化率ΔP2/ΔP3を照合するマップは、密封する診断流路に燃料蒸気が漏出するピンホールや亀裂がある場合とない場合とにおける、第1基準値P2から第2基準値P3までの内圧Pの上昇様態の相違点を反映する第2基準値P3及び圧力変化率ΔP2/ΔP3とを、二次元で正常領域、異常領域及び判定保留領域に対応させたものである。
【0057】
詳述すると、第1基準値P2からの内圧Pの上昇様態は、以下の4つの条件によって特徴づけられることが分かっている。第1は、内圧Pが第1基準値P2からより大きくなるほどその変化量ΔPが次第に小さくなる。第2は、燃料タンク22の燃料残量が少ないほど内圧Pの上昇速度が遅くなる。第3は、診断流路から燃料蒸気が漏出するときには内圧Pが直線的に速く上昇する。第4は、第1基準値P2からの内圧Pの変化量は、燃料蒸気が漏出するときの変化量が漏出しないときの変化量を上回るが、内圧Pがある値まで上昇して以降は、燃料蒸気が漏出しないとき変化量が漏出するときの変化量を上回るようになる。そして、この各特徴点を、第2基準値P3及び圧力変化率ΔP2/ΔP3に置き換え、この両値の組み合せによって、燃料蒸気が漏れてない状態と、漏れていない状態と、いずれとも判定できない状態とを判定する。
【0058】
従って、S19で、マイコン30は、燃料タンク22を含む診断流路の気密状態を改めて判定する。
S19で、診断流路の気密状態が正常であると判定したときには、S13でパージを再開させた後、S14で異常フラグをリセットして本処理を終了する。
【0059】
一方、S19で、診断流路の気密状態が異常であると判定するか、または、判定を保留したときには、S20で異常フラグをセットして本処理を終了する。
(実施形態の効果)
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0060】
(1) パージをしている状態で内圧Pを検出し、この内圧Pの変化量ΔPから求めた2階差分積算値ΣΔΔPが第1判定値α1を超えることをもって、車両の走行状態に基づく燃料の油面揺れが、内圧Pの異常な上昇を招く状態であることが判定される。そして、車両の走行状態が内圧Pの異常な上昇を招かない状態であると判定されたときに初めてパージが中断され、負圧の変動が内圧Pに影響しない状態で改めて車両の走行状態に基づく燃料の油面揺れと、車両状況に応じた燃料温度の異常な上昇とが判定される。この両条件が満たされたときに、診断流路を密封した状態での内圧Pの変動様態から、診断流路の気密性が検査される。
【0061】
従って、車両の走行状態が燃料タンク22の燃料の激しい油面揺れを招くような状態であって、内圧Pの変化様態から診断流路の気密状態を検査することが容易でないような状況で、異常診断が実行されないにも拘らずパージが頻繁に中断されることがない。このため、パージを中断する時間を全体としてより短縮することができる。
【0062】
(2) パージを中断した状態において、車両の走行状態に基づく燃料の油面揺れに起因する内圧Pの異常な変動がないと判定したことに加え、車両の状況に基づく燃料温度の上昇に起因する内圧Pの異常な変動がないと判定したことをもって、異常診断を行うことができる車両状況であると判定される。このため、診断流路の気密状態の診断結果の信頼性をより向上させ、誤診断がより発生し難くすることができる。
(その他の実施形態)
以下、上記実施形態以外の実施形態を箇条書で記載する。
【0063】
・ 上記実施形態の診断条件判定処理で、内圧Pの異常な上昇を招く燃料の油面揺れを検知するための検知量を、異なるサンプリング周期及び徐変量でサンプリングした内圧Pの2つの検出値の差分値ΔPとし、この差分値ΔPが判定値を超えたことをもって判定する。
【0064】
・ 上記実施形態の診断条件判定処理で、内圧Pの異常な上昇を招く燃料の油面揺れを検知するための検知量を、内圧Pの変化量ΔPから求めた2次差分値ΔΔPとする。
【0065】
・ 上記実施形態の診断処理で、診断流路の気密状態を検査する方法は、上記実施形態に記載する方法に限らない。
・ 上記実施形態で、内圧検出手段を、ベーパ管11上、差圧弁12、キャニスタ13、あるいは、パージ管14におけるパージ量調節弁15よりもキャニスタ13側の部分に設けた圧力センサとする。
【0066】
・ 上記実施形態で、新気流路遮断手段を、新気量調節弁17と別に新気導入管16上に設けた電磁開閉弁とする。また、パージ流路遮断手段を、パージ量調節弁15とは別にパージ管14上に設けた電磁開閉弁とする。
(その他の技術思想)
以下、前述した各実施形態から把握される技術的思想をその効果とともに記載する。
【0067】
(1) 請求項1または請求項2に記載の発明において、前記診断流路を密封した状態での内圧の計時的な変化様態を、前記蒸発燃料捕集装置から蒸発燃料を放出させているときの内圧よりも低い値で予め設定されている第1基準値(P2)に達してからの内圧の変化量と、該第1基準値よりも高い値で予め設定されている第2基準値(P3)に達してからの内圧の変化量との比に基づいて把握することを特徴とする蒸発燃料パージ装置の異常診断方法。このような構成によれば、診断流路に漏出がない状態とある状態とを明確に判別することができるので、診断流路の気密状態をより高精度に診断することができる。
【0068】
(2) 請求項3〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記流路検査手段は、前記診断流路を密封した状態での内圧の計時的な変化様態を、前記蒸発燃料捕集装置から蒸発燃料を放出させているときの内圧よりも低い値で予め設定されている第1基準値(P2)に達してからの内圧の変化量と、該第1基準値よりも高い値で予め設定されている第2基準値(P3)に達してからの内圧の変化量との比に基づいて把握することを特徴とする蒸発燃料パージ装置の異常診断装置。このような構成によれば、診断流路に漏出がない状態とある状態とを明確に判別することができるので、診断流路の気密状態をより高精度に診断することができる。
【0069】
【発明の効果】
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、車両の走行状態が燃料の激しい油面揺れを招くような状態であって、内圧の変化様態から診断流路の気密状態を検査することが容易でないような状況で、異常診断が実行されないにも拘らず蒸発燃料の放出が頻繁に中断されことがない。このため、パージを中断する時間を全体としてより短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の蒸発燃料パージ装置の異常診断装置が行う診断条件判定処理のフローチャート。
【図2】蒸発燃料パージ装置及び異常診断装置の概略構成図。
【図3】パージカットと2階差分積算値及び変化量の判定時期との関係を示すタイムチャート。
【図4】同じく従来におけるタイムチャート。
【符号の説明】
10…蒸発燃料パージ装置、11…ベーパ管、13…蒸発燃料捕集装置としてのチャコールキャニスタ、14…パージ流路としてのパージ管、15…パージ流路遮断手段としてのパージ量調節弁、16…新気導入流路としての新気導入管、17…新気流路遮断手段としての新気量調節弁、19…電子制御装置、20…異常診断装置、21…内圧検出手段としての圧力センサ、22…燃料タンク、30…内圧制御手段を構成する検知量取得手段、流路検査手段及び燃料温度上昇検知手段としてのマイクロコンピュータ、31…内圧制御手段を構成する駆動回路、P…内圧、ΔP…変化量、ΔΔP…2階差分値、ΣΔΔP…検知量としての2階差分積算値。
Claims (5)
- 燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパ流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集し、内燃機関の吸気系からパージ流路を介して負圧を蒸発燃料捕集装置に導入するとともに新気導入流路を介して新気を蒸発燃料捕集装置に導入することで該蒸発燃料捕集装置に捕集した燃料蒸気を前記パージ流路を介して前記吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診断方法において、
前記新気導入流路及びパージ流路を共に遮断することで前記燃料タンクを含んで密封される診断流路内の内圧を検出し、
燃料の液面揺れを検知するための検知量を、前記蒸発燃料捕集装置から燃料蒸気を放出している状態で検出する前記内圧の変化量から予め設定されている方法で求め、
予め設定されている第1判定値をこの検知量が超えたことをもって前記内圧を異常な様態で上昇させる燃料の液面揺れが発生したと判定し、
前記検知量が第1判定値を超えないときには、前記蒸発燃料捕集装置からの燃料蒸気の放出を停止した状態で検出する内圧の変化量から前記検知量を求め、
前記第1判定値よりも小さい値で予め設定されている第2判定値をこの検知量が超えたことをもって前記内圧を異常な様態で上昇させる燃料の液面揺れが発生したと改めて判定し、
前記検知量が第2判定値を超えないときに、前記診断流路を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態から該診断流路の気密状態を診断する蒸発燃料パージ装置の異常診断方法。 - 前記蒸発燃料捕集装置からの蒸発燃料の放出を停止した状態で検出する内圧の経時的な変化様態に基づいて該内圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の上昇が発生したか否かを判定し、
前記内圧を異常な様態で燃料の液面揺れが発生していないと判定し、かつ、内圧を異常な様態で上昇させる燃料温度の上昇が発生していないと判定したときに前記診断流路を密封した状態での前記内圧の経時的な変化様態から該診断流路の気密状態を診断することを特徴とする請求項1に記載の蒸発燃料パージ装置の異常診断方法。 - 燃料タンクで発生する燃料蒸気をベーパ流路を介して蒸発燃料捕集装置に捕集するとともに、内燃機関の吸気系からパージ流路を介して負圧を蒸発燃料捕集装置に導入し、新気導入流路を介して新気を蒸発燃料捕集装置に導入することで、蒸発燃料捕集装置に捕集した燃料蒸気をパージ流路を介して前記吸気系に放出する蒸発燃料パージ装置の異常診断装置において、
前記新気導入流路を遮断可能な新気流路遮断手段と、
前記パージ流路を遮断可能なパージ流路遮断手段と、
前記新気流路開閉手段及びパージ流路開閉手段を制御する流路制御手段と、
前記新気導入流路及びパージ流路が共に遮断されることで前記燃料タンクを含んで密封される診断流路内の内圧を検出する内圧検出手段と、
燃料の液面揺れを検知するための検知量を予め設定されている方法で前記内圧の変化量から求める検知量取得手段と、
前記流路制御手段を制御し、前記新気導入流路及びパージ流路を共に遮断しない状態で検出された前記内圧の変化量から求めた前記検知量が予め設定されている第1判定値を超えたときに前記新気導入流路を遮断しない状態でパージ流路を遮断し、この状態で検出された内圧から求めた前記検知量が前記第1判定値よりも小さい値に予め設定されている第2判定値を超えたときに前記新気導入流路を遮断するとともにパージ流路を遮断しなくすることで前記内圧を下げた後、新気導入流路を遮断したままでパージ流路を遮断して前記診断流路を密封する内圧制御手段と、
前記診断流路を密封した状態での前記内圧の変化様態から該診断流路の気密状態を検査する流路検査手段と
を備えたことを特徴とする蒸発燃料パージ装置の異常診断装置。 - 前記内圧制御手段が前記新気導入流路を遮断せずパージ流路を遮断している状態で検出された前記内圧の経時的な変化様態に基づいて燃料温度の過度の上昇を検知する燃料温度上昇検知手段を備え、
前記内圧制御手段は、前記新気導入流路を遮断せずパージ流路を遮断した状態で検出された内圧から求めた前記検知量が前記第2判定値を超えず、かつ、燃料温度の過度の上昇が検知されないときに前記新気導入流路を遮断するとともにパージ流路を遮断しなくして前記内圧を下げることを特徴とする請求項3に記載の蒸発燃料パージ装置の異常診断装置。 - 前記検知量は、前記内圧の変化量から求めた2階差分値を積算した2階差分積算値であることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の蒸発燃料パージ装置の異常診断装置。
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