JP3552767B2 - 流体圧自動制御システム - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水等の粘性の低い液体、或いは燃料ガス、空気等の気体を所定の圧力で供給するための流体圧自動制御システムに関し、更に詳しくは流体圧が高精度に制御されると共に、多段階の設定圧が瞬時に切替可能であり、しかも同設定圧の切替時における圧力変動を極力小さくし、更に流量の変動による圧力変動を極力小さくし得る流体圧自動制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガス燃焼機の燃焼性検査や、CVDプロセスを始めとする半導体、グラスファィバ、ニューセラミックス等の広範な技術分野において、高精度の成分組織をもつ混合ガスを使用する必要性が高まっている。特に、燃焼機における燃焼性検査では燃料ガスの組成基準が極めて厳格に規定されている。従って、前記混合ガスの製造にあたっては各種原料ガスの供給が所定の条件下で高精度になされなければならず、しかも高精度の組成をもつ混合ガスも所定の圧力及び流量で燃焼機等に供給される必要がある。
【0003】
こうした要求を満足させるため、先に本発明者等は精度の高い流体圧制御弁を開発した(特願平6−165350号)。図2は同流体圧制御弁30の構造を示している。同図によれば、弁本体31の内部に、一次側流体圧流路32及び二次側流体圧流路33が形成されると共に、その各流路32,33を連結する連絡流路34の一次側流体圧流路32側の流路上方に貫通部35を介して制御用空間36が設けられ、前記連絡流路34の途中に弁座42及び弁体43からなるノズル部44を形成している。
【0004】
前記連絡流路34と前記制御用空間36とを連通させる貫通部35はバランスダイアフラム50により仕切られ、更に前記制御用空間36内は二つの制御用ダイアフラム45,46により、連絡流路34に関して離れた側から順に、制御用空気61が供給される空圧制御室49と、大気74に開放される大気室48と、二次側流体圧流路33と連通する均圧室47との三室に仕切られている。更に、前記弁体43と各ダイアフラム45,46,50との間が弁棒51で連結されている。
【0005】
上述のごとく制御用空間36を二つの連結された制御用ダイアフラム45,46及びバランスダイアフラム50により三室に仕切ると共に、同制御用ダイアフラム45,46の径差が任意に設定でき、上記空圧制御室49内の制御用空気圧を、その供給源にとって最も変動なく供給できる最適な値に選定できるため、制度の高い圧力制御を可能にすることができる。
【0006】
更に、前記制御用ダイアフラム45,46を一体成形すると共に、その連結軸部52に弁棒51を貫通させることなく挿入固定する場合には、大気室48が空圧制御室49及び均圧室47に対して制御用ダイアフラム45,46を介して完全に隔離され、しかも仮りに前記制御用ダイアフラム45,46のいずれかが破損した場合にも、制御用空気と被制御流体とが混入することはなく、上述の高精度に加えて信頼性と安定性が確保される。
【0007】
なお、図2において符号80は貫通部35の二次側流体圧流路33に通じる空間部に外部から挿入固定されるストッパ機構であり、同ストッパ機構80は閉止用空気供給源81から送られる閉止用空気によりピストン82aを収縮動可能に作動するストッパ用シリンダ82を有し、同シリンダ82の作動によりピストン82aをスプリング83の付勢に抗して縮動させて、ノズル部44の弁座42に当接する弁体43の規制を解除し、弁体43の制御動作を可能にする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述の如く所定の二次側圧力を高精度に制御することが可能な圧力制御弁にあっても、これを単に流体圧回路に組み込むだけでは、例えば使用者側での急激な圧力変動が発生した場合には、制御圧力が安定化するまでに相当な時間遅れが生じる。かかる圧力変動と時間遅れの発生は、上述したように高い精度が求められる流体圧制御にあっては極力回避すべき課題となる。
【0009】
更に、従来の一般的な圧力制御システムによれば、その圧力制御弁はスプリング等により設定圧を変更する機械的な機構が採用されているため、設定圧力の変更時に逐次その調整操作を行わなければならず、しかも圧力の昇降時間と関連させて連続的に調整することは不可能であった。
【0010】
本発明の目的は、上述のごとく通常避けて通れない制御圧力の起動時及び同圧力の切替時に発生する急激な圧力変動を回避すると共に、所望の設定時間で繰り返して所定の設定圧力が得られ、しかも常時二次側の流体圧を高精度に制御し得る流体圧自動制御システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的は、本発明の主要な構成をなす中央処理部、流体圧制御回路、及び圧力検出部が組み込まれてなる流体圧自動制御システムにおいて、前記流体圧制御回路は、前記中央処理部からの指令電気信号に基づく制御空気圧に変換する電/空変換器と、同電/空変換器に接続され二次側圧力を設定圧となるように制御する圧力制御弁と、同圧力制御弁の一次側流路の入口と二次側流路の出口とを連結する還流管路と、同還流管路に介装された還流ポンプとを有し、同還流ポンプが流体圧の起動と同時に作動され、二次側流体圧の一部を継続して前記一次側流路に強制還流させてなることを特徴とする流体圧自動制御システムによって達成される。
【0012】
また好適な実施態様によれば、前記中央処理部には、複数の予め設定された圧力に対してそれぞれに複数の圧力到達時間が記憶され、前記電/空変換器への指令電気信号と組み合わせて、複数の到達時間をもって所定の設定圧力が繰り返し得られるようになされ、また外部のパソコンやシーケンサとの相互通信を可能にする入出力端子が設けられており、更に好適には前記還流ポンプによる還流圧力を1.0 〜1.8 l/min とすることが好ましい。
【0013】
【作用】
圧力制御弁の一次側配管路と二次側配管路との間に強制還流管路を設置することにより、前記圧力制御弁には一次側流体圧流路から二次側流体圧流路に所定の圧力をもつ被制御流体が継続的に流れるようになるため、流体圧制御回路の起動時、或いは設定圧力の切替時にも周辺部材がよく追随するようになり、短時間に安定した制御流体圧が得られる。
【0014】
この短時間での設定圧力の安定化とその再現性は、圧力上昇及び降下時間を自由に設定することをも可能にする。このことは、例えばガス燃焼試験において、燃焼時におけるガス圧の降下に基づく安全弁の作動時期を知見するにあたり、本発明による所定の時間内における連続的な圧力降下を予め設定することにより、安全弁が作動した時点の降下圧力値を高精度に確認し得ることを意味する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明のシステムに基づく流体圧自動制御回路の一実施例を示している。本実施例における前記流体圧自動制御回路はユニット化されており、単一のハウジング1内に全ての関連部材が一体に組み込まれている。そして、制御空気圧、被制御流体圧、センサ導入圧等の各出入口や、外部の例えばパソコン、シーケンサ等と接続される中央処理装置(マイコン)の接続端子が同ハウジング1に設けられている。このため、前記中央処理部は外部機器との通信機能やリモートコントロール機能を有している。
【0016】
図中、符号41は被制御流体の二次側圧力を所定の圧力に制御する圧力制御弁であり、この圧力制御弁30には本発明者等が先に開発した図2に示す精密圧力制御弁が適用されている。そして、前記ハウジング1には同圧力制御弁30の一次側流体圧の入口及び二次側流体圧の出口にそれぞれ連結された外部配管との接続口1a,1bが設けられている。また、同圧力制御弁30の空圧制御室49には電/空変換器60が接続されている。この電/空変換器60は図示せぬ外部の制御空気圧供給源に接続され、前記空圧制御室49に所定の制御空気圧61を多段に切り替えて供給する。この制御空気圧は4〜7kg/cm2の範囲で最も安定した供給がなされる。
【0017】
更に、前記電気/空圧変換器60は中央処理装置20のD/A変換部と電気的に接続されており、同中央処理装置20から電気的な切替信号を受けると、同切替信号により所定の制御空気圧に直接変換され、同制御圧力が前記圧力制御弁30の空圧制御室49に送り出される。本実施例によれば、中央処理装置20に予め設定されているデータ(圧力及び安定化時間のデータ)に基づき、気体の圧力制御の場合は1〜400mmH2O の範囲で15段階の再現性をもった切替えが可能であり、液体の圧力制御の場合は0.01〜10kg/cm2の範囲を同じく15段階で再現性をもって圧力切替えを可能にしている。
【0018】
また、前記中央処理装置20のA/D変換部には圧力センサ10が接続され、同圧力センサ10の検出圧入力口1c及び検出流体の排出口1dがハウジング1に設けられている。通常、この圧力センサ10の検出圧の入力口1cは前記圧力制御弁30の二次側流体圧流路33とつながる図示せぬ各種外部機器の流体圧導入路に連結され、二次側流体圧を常時検出すると共に、同検出信号を前記中央処理装置20に送り、同中央処理装置20にて所定の比較演算処理がなされて、上記電/空変換器60を作動させ、空圧制御室49に供給される制御空気圧をきめ細かに切り替え、二次側流体圧をフィードバック制御する。
【0019】
そして、前記圧力制御弁30には本発明の最も特徴部をなす還流ポンプ70が設置される。即ち、前記圧力制御弁30の一次側配管路41aと二次側配管路41bとの間に還流管路71を設け、同還流管路71に還流ポンプ70が設置される。同還流ポンプ70は内部電源2に接続されており、同電源2のスイッチが入ると起動して、本流体圧自動制御回路の作動中は常に作動し前記二次側配管路41bの一部流量を一次側配管路41aに強制的に還流させている。本発明において、前記還流圧力は1.0〜1.8 l/minの範囲に設定される。この還流圧力が1 .0 l/minより低いと制御圧力切替時における急激な圧力変動等による影響が相変わらず大きく、また1.8 l/minを超えるとその還流圧力の影響が大きくなり、被制御流体に対する負荷容量範囲が小さくなる。
【0020】
こうして圧力制御弁30の一次側配管路41aと二次側配管路41bとの間に強制還流管路71を設置することにより、前記圧力制御弁30には一次側流体圧流路32から二次側流体圧流路33に所定の圧力をもつ被制御流体が継続的に流れるため、急激な設定圧力の切替時にも周辺部材がよく追随するようになり、短時間に安定した制御流体圧が得られるばかりでなく、設定圧力と切替え圧力の安定化が、上述の如く中央処理装置20からのデジタル信号により全てが制御されるため、従来のような調整ネジによる調整ではないため応答が速く且つ再現性に優れたものになる。
【0021】
図3は、20号湯沸器における燃焼検査時の着火特性を示しており、実線は本発明の上記流体圧自動制御回路を適用した場合の同特性図、仮想線は同流体圧自動制御回路から上記強制還流回路を排除した場合の同特性図である。図3から明らかなごとく通常の流体圧制御システムを使用した場合には着火時に大きな圧力低下(約150mmH2O)が生じて、燃焼ガス圧が安定化するまで約2秒を要しているが、本発明を適用した場合には着火時に約17mmH2O のガス圧の低下が発生するに過ぎず、しかも燃焼ガス圧が安定化するまでに要する時間も約1.2秒と極めて短くなっていることが理解できる。
【0022】
図4は、本発明の上記流体圧自動制御回路を使い被制御流体(空気)の設定圧力をOmmH2O →300mmH2O →20mmH2O と大きな値で且つ急激に切り替えたときの調圧特性を示している。同図から明らかなごとく、0mmH2O から300mmH2O へと最小値から最大値まで昇圧させるために約3〜4秒で安定した圧力が得られ、また300mmH2O から20mmH2O へと急激な降圧時にも同様に3〜4秒と言う短時間で極めて滑らかな設定圧(20mmH2O )が得られることが分かる。
【0023】
また図5及び図6は、本発明の上記流体圧自動制御回路を使用して、空気圧を50mmH2O と300mmH2O との間で50mmH2O ごとに順次切り替えたときの調圧特性を示している。
【0024】
図5は昇圧時の特性線図、図6は降圧時の特性線図である。これらの図から明らかなごとく、全ての範囲にわたり圧力の切替えが短時間(1秒〜1.7秒)に且つ円滑になされていることが理解できる。これは、本発明の設定圧切替えにあたり、中央処理装置20によるデジタル設定であるがため、前記強制還流回路に加えて設定値の再現性が保証されることを示している。この場合も、上記強制還流回路の作動を持続させ、上記圧力制御弁30には常に1.0〜1.8 l/minのガスが流れるようにしている。こうして、ガス圧の昇降を設定曲線に沿って高精度に且つ再現性よく実現できることは、単位時間あたりの昇降圧を任意に設定し得ることにつながり、これを上記中央処理装置20に予め入力しておけば、任意の連続する昇降圧曲線が実現でき、例えば燃焼器等の試験において、ガス圧の降下による安全弁の作動時において、その作動時のガス圧を客観的に且つ高精度で確認し得るようになる。
【0025】
なお、上記実施例は本発明の流体圧自動制御システムをユニット化した例であるが、本発明のシステムは通常の流体圧回路に直接組み込むことも可能であり、また例えば被制御流体が水道水であって本管から多数の支管へと分岐して配水する等の場合に、本発明の流体圧自動制御システムを各支管ごとに設置することにより、配水先の水圧を常に一定に保持させ得る。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明の流体圧自動制御システムによれば、同システム中の作動休止時及び制御圧力の切替時にあっても、圧力制御弁には常に所定の流体圧が強制的に流し続けられるため、同システムの起動或いは圧力切替時において圧力制御弁の内部に急激で且つ大きな圧力変動が発生せず、従って制御圧力の安定化も素早くなされるようになり、特に混合ガスの製造や燃焼機の燃焼ガス検査等のような高精度の流体圧制御が厳しく求められる場合に極めて有効なものとなる。
【0027】
そして、本発明における上述のごとく高精度で且つ再現性に優れた流体圧力の連続的な制御により、流体圧の昇降時間を自由に設定できるようになり、これを流体圧の各種試験に適用すれば、信頼性の高い好結果が保障される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例である流体圧自動制御回路を示すブロック図である。
【図2】同流体圧自動制御回路に適用される精密圧力制御弁の構成を示す断面図である。
【図3】同流体圧自動制御回路による着火特性図である。
【図4】同流体圧自動制御回路による圧力切替時の調圧特性図である。
【図5】同流体圧自動制御回路による多段の昇圧切替時における調圧特性図である。
【図6】同流体圧自動制御回路による多段の降圧切替時における調圧特性図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a,1b 外部配管接続口
1c 検出圧入力口
1d 検出流体排出口
2 内部電源
10 圧力センサ
20 中央処理装置
30 圧力制御弁
31 弁本体
32 一次側流体圧流路
33 二次側流体圧流路
34 連絡流路
35 貫通部
36 制御用空間
41a 一次側配管路
41b 二次側配管路
42 弁座
43 弁体
44 ノズル部
45,46 制御用ダイアフラム
47 均圧室
48 大気室
49 空圧制御室
50 バランスダイアフラム
51 弁棒
52 連結軸部
60 電気空圧変換器
61 制御空気圧
70 還流ポンプ
71 強制還流管路
80 ストッパ機構
81 閉止用空気供給源
82 閉止用シリンダ
82a ピストン
83 スプリング
【産業上の利用分野】
本発明は、水等の粘性の低い液体、或いは燃料ガス、空気等の気体を所定の圧力で供給するための流体圧自動制御システムに関し、更に詳しくは流体圧が高精度に制御されると共に、多段階の設定圧が瞬時に切替可能であり、しかも同設定圧の切替時における圧力変動を極力小さくし、更に流量の変動による圧力変動を極力小さくし得る流体圧自動制御システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ガス燃焼機の燃焼性検査や、CVDプロセスを始めとする半導体、グラスファィバ、ニューセラミックス等の広範な技術分野において、高精度の成分組織をもつ混合ガスを使用する必要性が高まっている。特に、燃焼機における燃焼性検査では燃料ガスの組成基準が極めて厳格に規定されている。従って、前記混合ガスの製造にあたっては各種原料ガスの供給が所定の条件下で高精度になされなければならず、しかも高精度の組成をもつ混合ガスも所定の圧力及び流量で燃焼機等に供給される必要がある。
【0003】
こうした要求を満足させるため、先に本発明者等は精度の高い流体圧制御弁を開発した(特願平6−165350号)。図2は同流体圧制御弁30の構造を示している。同図によれば、弁本体31の内部に、一次側流体圧流路32及び二次側流体圧流路33が形成されると共に、その各流路32,33を連結する連絡流路34の一次側流体圧流路32側の流路上方に貫通部35を介して制御用空間36が設けられ、前記連絡流路34の途中に弁座42及び弁体43からなるノズル部44を形成している。
【0004】
前記連絡流路34と前記制御用空間36とを連通させる貫通部35はバランスダイアフラム50により仕切られ、更に前記制御用空間36内は二つの制御用ダイアフラム45,46により、連絡流路34に関して離れた側から順に、制御用空気61が供給される空圧制御室49と、大気74に開放される大気室48と、二次側流体圧流路33と連通する均圧室47との三室に仕切られている。更に、前記弁体43と各ダイアフラム45,46,50との間が弁棒51で連結されている。
【0005】
上述のごとく制御用空間36を二つの連結された制御用ダイアフラム45,46及びバランスダイアフラム50により三室に仕切ると共に、同制御用ダイアフラム45,46の径差が任意に設定でき、上記空圧制御室49内の制御用空気圧を、その供給源にとって最も変動なく供給できる最適な値に選定できるため、制度の高い圧力制御を可能にすることができる。
【0006】
更に、前記制御用ダイアフラム45,46を一体成形すると共に、その連結軸部52に弁棒51を貫通させることなく挿入固定する場合には、大気室48が空圧制御室49及び均圧室47に対して制御用ダイアフラム45,46を介して完全に隔離され、しかも仮りに前記制御用ダイアフラム45,46のいずれかが破損した場合にも、制御用空気と被制御流体とが混入することはなく、上述の高精度に加えて信頼性と安定性が確保される。
【0007】
なお、図2において符号80は貫通部35の二次側流体圧流路33に通じる空間部に外部から挿入固定されるストッパ機構であり、同ストッパ機構80は閉止用空気供給源81から送られる閉止用空気によりピストン82aを収縮動可能に作動するストッパ用シリンダ82を有し、同シリンダ82の作動によりピストン82aをスプリング83の付勢に抗して縮動させて、ノズル部44の弁座42に当接する弁体43の規制を解除し、弁体43の制御動作を可能にする。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上述の如く所定の二次側圧力を高精度に制御することが可能な圧力制御弁にあっても、これを単に流体圧回路に組み込むだけでは、例えば使用者側での急激な圧力変動が発生した場合には、制御圧力が安定化するまでに相当な時間遅れが生じる。かかる圧力変動と時間遅れの発生は、上述したように高い精度が求められる流体圧制御にあっては極力回避すべき課題となる。
【0009】
更に、従来の一般的な圧力制御システムによれば、その圧力制御弁はスプリング等により設定圧を変更する機械的な機構が採用されているため、設定圧力の変更時に逐次その調整操作を行わなければならず、しかも圧力の昇降時間と関連させて連続的に調整することは不可能であった。
【0010】
本発明の目的は、上述のごとく通常避けて通れない制御圧力の起動時及び同圧力の切替時に発生する急激な圧力変動を回避すると共に、所望の設定時間で繰り返して所定の設定圧力が得られ、しかも常時二次側の流体圧を高精度に制御し得る流体圧自動制御システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
かかる目的は、本発明の主要な構成をなす中央処理部、流体圧制御回路、及び圧力検出部が組み込まれてなる流体圧自動制御システムにおいて、前記流体圧制御回路は、前記中央処理部からの指令電気信号に基づく制御空気圧に変換する電/空変換器と、同電/空変換器に接続され二次側圧力を設定圧となるように制御する圧力制御弁と、同圧力制御弁の一次側流路の入口と二次側流路の出口とを連結する還流管路と、同還流管路に介装された還流ポンプとを有し、同還流ポンプが流体圧の起動と同時に作動され、二次側流体圧の一部を継続して前記一次側流路に強制還流させてなることを特徴とする流体圧自動制御システムによって達成される。
【0012】
また好適な実施態様によれば、前記中央処理部には、複数の予め設定された圧力に対してそれぞれに複数の圧力到達時間が記憶され、前記電/空変換器への指令電気信号と組み合わせて、複数の到達時間をもって所定の設定圧力が繰り返し得られるようになされ、また外部のパソコンやシーケンサとの相互通信を可能にする入出力端子が設けられており、更に好適には前記還流ポンプによる還流圧力を1.0 〜1.8 l/min とすることが好ましい。
【0013】
【作用】
圧力制御弁の一次側配管路と二次側配管路との間に強制還流管路を設置することにより、前記圧力制御弁には一次側流体圧流路から二次側流体圧流路に所定の圧力をもつ被制御流体が継続的に流れるようになるため、流体圧制御回路の起動時、或いは設定圧力の切替時にも周辺部材がよく追随するようになり、短時間に安定した制御流体圧が得られる。
【0014】
この短時間での設定圧力の安定化とその再現性は、圧力上昇及び降下時間を自由に設定することをも可能にする。このことは、例えばガス燃焼試験において、燃焼時におけるガス圧の降下に基づく安全弁の作動時期を知見するにあたり、本発明による所定の時間内における連続的な圧力降下を予め設定することにより、安全弁が作動した時点の降下圧力値を高精度に確認し得ることを意味する。
【0015】
【実施例】
以下、本発明を図面に基づいて具体的に説明する。図1は本発明のシステムに基づく流体圧自動制御回路の一実施例を示している。本実施例における前記流体圧自動制御回路はユニット化されており、単一のハウジング1内に全ての関連部材が一体に組み込まれている。そして、制御空気圧、被制御流体圧、センサ導入圧等の各出入口や、外部の例えばパソコン、シーケンサ等と接続される中央処理装置(マイコン)の接続端子が同ハウジング1に設けられている。このため、前記中央処理部は外部機器との通信機能やリモートコントロール機能を有している。
【0016】
図中、符号41は被制御流体の二次側圧力を所定の圧力に制御する圧力制御弁であり、この圧力制御弁30には本発明者等が先に開発した図2に示す精密圧力制御弁が適用されている。そして、前記ハウジング1には同圧力制御弁30の一次側流体圧の入口及び二次側流体圧の出口にそれぞれ連結された外部配管との接続口1a,1bが設けられている。また、同圧力制御弁30の空圧制御室49には電/空変換器60が接続されている。この電/空変換器60は図示せぬ外部の制御空気圧供給源に接続され、前記空圧制御室49に所定の制御空気圧61を多段に切り替えて供給する。この制御空気圧は4〜7kg/cm2の範囲で最も安定した供給がなされる。
【0017】
更に、前記電気/空圧変換器60は中央処理装置20のD/A変換部と電気的に接続されており、同中央処理装置20から電気的な切替信号を受けると、同切替信号により所定の制御空気圧に直接変換され、同制御圧力が前記圧力制御弁30の空圧制御室49に送り出される。本実施例によれば、中央処理装置20に予め設定されているデータ(圧力及び安定化時間のデータ)に基づき、気体の圧力制御の場合は1〜400mmH2O の範囲で15段階の再現性をもった切替えが可能であり、液体の圧力制御の場合は0.01〜10kg/cm2の範囲を同じく15段階で再現性をもって圧力切替えを可能にしている。
【0018】
また、前記中央処理装置20のA/D変換部には圧力センサ10が接続され、同圧力センサ10の検出圧入力口1c及び検出流体の排出口1dがハウジング1に設けられている。通常、この圧力センサ10の検出圧の入力口1cは前記圧力制御弁30の二次側流体圧流路33とつながる図示せぬ各種外部機器の流体圧導入路に連結され、二次側流体圧を常時検出すると共に、同検出信号を前記中央処理装置20に送り、同中央処理装置20にて所定の比較演算処理がなされて、上記電/空変換器60を作動させ、空圧制御室49に供給される制御空気圧をきめ細かに切り替え、二次側流体圧をフィードバック制御する。
【0019】
そして、前記圧力制御弁30には本発明の最も特徴部をなす還流ポンプ70が設置される。即ち、前記圧力制御弁30の一次側配管路41aと二次側配管路41bとの間に還流管路71を設け、同還流管路71に還流ポンプ70が設置される。同還流ポンプ70は内部電源2に接続されており、同電源2のスイッチが入ると起動して、本流体圧自動制御回路の作動中は常に作動し前記二次側配管路41bの一部流量を一次側配管路41aに強制的に還流させている。本発明において、前記還流圧力は1.0〜1.8 l/minの範囲に設定される。この還流圧力が1 .0 l/minより低いと制御圧力切替時における急激な圧力変動等による影響が相変わらず大きく、また1.8 l/minを超えるとその還流圧力の影響が大きくなり、被制御流体に対する負荷容量範囲が小さくなる。
【0020】
こうして圧力制御弁30の一次側配管路41aと二次側配管路41bとの間に強制還流管路71を設置することにより、前記圧力制御弁30には一次側流体圧流路32から二次側流体圧流路33に所定の圧力をもつ被制御流体が継続的に流れるため、急激な設定圧力の切替時にも周辺部材がよく追随するようになり、短時間に安定した制御流体圧が得られるばかりでなく、設定圧力と切替え圧力の安定化が、上述の如く中央処理装置20からのデジタル信号により全てが制御されるため、従来のような調整ネジによる調整ではないため応答が速く且つ再現性に優れたものになる。
【0021】
図3は、20号湯沸器における燃焼検査時の着火特性を示しており、実線は本発明の上記流体圧自動制御回路を適用した場合の同特性図、仮想線は同流体圧自動制御回路から上記強制還流回路を排除した場合の同特性図である。図3から明らかなごとく通常の流体圧制御システムを使用した場合には着火時に大きな圧力低下(約150mmH2O)が生じて、燃焼ガス圧が安定化するまで約2秒を要しているが、本発明を適用した場合には着火時に約17mmH2O のガス圧の低下が発生するに過ぎず、しかも燃焼ガス圧が安定化するまでに要する時間も約1.2秒と極めて短くなっていることが理解できる。
【0022】
図4は、本発明の上記流体圧自動制御回路を使い被制御流体(空気)の設定圧力をOmmH2O →300mmH2O →20mmH2O と大きな値で且つ急激に切り替えたときの調圧特性を示している。同図から明らかなごとく、0mmH2O から300mmH2O へと最小値から最大値まで昇圧させるために約3〜4秒で安定した圧力が得られ、また300mmH2O から20mmH2O へと急激な降圧時にも同様に3〜4秒と言う短時間で極めて滑らかな設定圧(20mmH2O )が得られることが分かる。
【0023】
また図5及び図6は、本発明の上記流体圧自動制御回路を使用して、空気圧を50mmH2O と300mmH2O との間で50mmH2O ごとに順次切り替えたときの調圧特性を示している。
【0024】
図5は昇圧時の特性線図、図6は降圧時の特性線図である。これらの図から明らかなごとく、全ての範囲にわたり圧力の切替えが短時間(1秒〜1.7秒)に且つ円滑になされていることが理解できる。これは、本発明の設定圧切替えにあたり、中央処理装置20によるデジタル設定であるがため、前記強制還流回路に加えて設定値の再現性が保証されることを示している。この場合も、上記強制還流回路の作動を持続させ、上記圧力制御弁30には常に1.0〜1.8 l/minのガスが流れるようにしている。こうして、ガス圧の昇降を設定曲線に沿って高精度に且つ再現性よく実現できることは、単位時間あたりの昇降圧を任意に設定し得ることにつながり、これを上記中央処理装置20に予め入力しておけば、任意の連続する昇降圧曲線が実現でき、例えば燃焼器等の試験において、ガス圧の降下による安全弁の作動時において、その作動時のガス圧を客観的に且つ高精度で確認し得るようになる。
【0025】
なお、上記実施例は本発明の流体圧自動制御システムをユニット化した例であるが、本発明のシステムは通常の流体圧回路に直接組み込むことも可能であり、また例えば被制御流体が水道水であって本管から多数の支管へと分岐して配水する等の場合に、本発明の流体圧自動制御システムを各支管ごとに設置することにより、配水先の水圧を常に一定に保持させ得る。
【0026】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明の流体圧自動制御システムによれば、同システム中の作動休止時及び制御圧力の切替時にあっても、圧力制御弁には常に所定の流体圧が強制的に流し続けられるため、同システムの起動或いは圧力切替時において圧力制御弁の内部に急激で且つ大きな圧力変動が発生せず、従って制御圧力の安定化も素早くなされるようになり、特に混合ガスの製造や燃焼機の燃焼ガス検査等のような高精度の流体圧制御が厳しく求められる場合に極めて有効なものとなる。
【0027】
そして、本発明における上述のごとく高精度で且つ再現性に優れた流体圧力の連続的な制御により、流体圧の昇降時間を自由に設定できるようになり、これを流体圧の各種試験に適用すれば、信頼性の高い好結果が保障される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例である流体圧自動制御回路を示すブロック図である。
【図2】同流体圧自動制御回路に適用される精密圧力制御弁の構成を示す断面図である。
【図3】同流体圧自動制御回路による着火特性図である。
【図4】同流体圧自動制御回路による圧力切替時の調圧特性図である。
【図5】同流体圧自動制御回路による多段の昇圧切替時における調圧特性図である。
【図6】同流体圧自動制御回路による多段の降圧切替時における調圧特性図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
1a,1b 外部配管接続口
1c 検出圧入力口
1d 検出流体排出口
2 内部電源
10 圧力センサ
20 中央処理装置
30 圧力制御弁
31 弁本体
32 一次側流体圧流路
33 二次側流体圧流路
34 連絡流路
35 貫通部
36 制御用空間
41a 一次側配管路
41b 二次側配管路
42 弁座
43 弁体
44 ノズル部
45,46 制御用ダイアフラム
47 均圧室
48 大気室
49 空圧制御室
50 バランスダイアフラム
51 弁棒
52 連結軸部
60 電気空圧変換器
61 制御空気圧
70 還流ポンプ
71 強制還流管路
80 ストッパ機構
81 閉止用空気供給源
82 閉止用シリンダ
82a ピストン
83 スプリング
Claims (4)
- 中央処理部、流体圧制御回路、及び圧力検出部が組み込まれてなる流体圧自動制御システムにおいて、
前記流体圧制御回路は、前記中央処理部からの指令電気信号に基づく制御空気圧に変換する電/空変換器と、同電/空変換器に接続され二次側圧力が前記設定圧となるように制御する圧力制御弁と、同圧力制御弁の一次側流路の入口と二次側流路の出口とを連結する還流管路と、同還流管路に介装された還流ポンプとを有し、同還流ポンプが流体圧の起動と同時に作動され、二次側流体圧の一部を継続して前記一次側流路に強制還流させてなることを特徴とする流体圧自動制御システム。 - 前記中央処理部には、複数の設定圧力に対してそれぞれに複数の到達時間が設定され、前記電/空変換器への指令電気信号と組み合わされて、複数の到達時間をもって所定の設定圧力が繰り返し得られるようにしてなる請求項1記載の流体圧自動制御システム。
- 前記中央処理部には、外部機器との相互通信を可能にする入出力端子が設けられてなる請求項1記載の流体圧自動制御システム。
- 前記還流ポンプによる還流量が1.0 〜1.8 l/min である請求項1記載の流体圧自動制御システム。
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| JP30505194A JP3552767B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | 流体圧自動制御システム |
Applications Claiming Priority (1)
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| JP30505194A JP3552767B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | 流体圧自動制御システム |
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1994
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| JPH08161055A (ja) | 1996-06-21 |
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