JP3552858B2 - 火炎面3次元測定方法およびその装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は火炎面3次元測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火炎において燃焼反応が始まった面を一般に火炎面と呼ぶ。この火炎面を可視化して測定することができれば、燃焼状態、特に火炎の形状を計測するのに有効である。
【0003】
従来から、平面レーザー誘起蛍光法(LIF:Laser Induced
Fluorescence法)でCHラジカルやC2 ラジカルの断面分布を計測することによって火炎面を測定する方法が知られている。この方法では、CHラジカルやC2 ラジカルが燃焼反応のごく最初の段階でのみ存在する物質であることを利用し、このCHラジカルやC2 ラジカルを計測することによって燃焼の始まる場所すなわち火炎面を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、平面LIF法は、レーザー光をシート状に成形して火炎に照射し、レーザー光の伝播方向に垂直な方向からカメラ等で蛍光を観測する方法であるため、火炎面の断面の分布しか計測することができず、火炎面の3次元的な形状を得ることはできない。このため、従来の火炎面計測方法では、火炎面の形状を3次元的にとらえることは不可能であった。
【0005】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、火炎面の形状を3次元的にとらえることができる火炎面3次元測定方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、高温酸素のLIF信号を計測するための励起光としてのレーザー光を発生することができるレーザーからのレーザー光をシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターン成形を行い、このビームパターン成形後のレーザー光を火炎に対して照射し、この火炎中の高温酸素からの蛍光を複数の角度から観測し、この観測結果のそれぞれに対して微分処理を施すことによって前記火炎の火炎面を3次元的に測定することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に基づいて説明する。
【0008】
火炎面の形状を3次元的にとらえるためには、火炎に照射するレーザー光の断面積を広げて(レーザー光をシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターン成形を行い)、レーザー光が火炎の多くの部分を通過するようにする必要があるが、CHラジカルやC2 ラジカルを計測するためのレーザーは色素レーザーであり、この色素レーザーは低出力で不安定なものしか実現していない。このため、色素レーザーを用いたのでは、レーザー光の断面積を広げてやると局部的なレーザー光強度が弱くなってしまい、火炎からのLIF信号が観測不可能な程に微弱なものになってしまう。
【0009】
そこで、本発明では、色素レーザーの代りにKrF(クリプトン−フッ素)エキシマレーザーまたはArF(アルゴン−フッ素)エキシマレーザー等を用いる。このKrFエキシマレーザー等であれば色素レーザーの10〜100倍もの出力があり、十分な強度のレーザー光を出力することができるからである。しかし、色素レーザー以外の他の高出力のレーザーを用いたのでは、CHラジカルやC2 ラジカルを測定することができない。
【0010】
このため、本発明では、CHラジカルやC2 ラジカルを測定する代わりに火炎中の高温の酸素をLIF測定する。KrFエキシマレーザー等を用いると、高温(1000℃以上)に加熱された酸素のみを選択的に計測することができる。火炎面においては、急激な温度上昇が起こっているため、高温の酸素のLIF信号が急速に立ち上がる。しかしながら、火炎面よりも後流の既燃領域においても引き続いて高温領域が続くので、高温酸素をLIF測定しただけでは火炎面の測定にはならない。
【0011】
そこで、本発明では、得られた高温酸素の分布画像を空間的に微分して、LIF信号量が急激に増加する部分すなわち急激に温度上昇する部分である火炎面を得るようにしている。このようにすることによって本発明は火炎面を計測することができる。
【0012】
すなわち、本発明では、レーザー光を照射した火炎を2台のカメラを用いてわずかに異なる角度から撮像し、得られた2つの画像のそれぞれを空間微分して表示し、微分後の2つの画像を交差法または平行法といった手法でステレオ視することにより、火炎面の3次元的形状を計測することができる。
【0013】
図1は、本発明による火炎面3次元測定装置の一実施の形態のブロック図である。
【0014】
図1の破線はKrFエキシマレーザー1からのレーザー光を示している。このレーザー光の波長はたとえば248nmである。レーザー1からのレーザー光は、レンズ2によって拡大されて火炎3に照射される。レーザー光が照射された火炎3からは高温酸素の量に応じた強度の蛍光が発生する。この蛍光は、高温酸素のLIF信号としてCCDカメラ5および6で撮像される。4は火炎3を通過したレーザー光を吸収し反射をなくすためのビームダンパーである。
【0015】
CCDカメラ5および6で撮像された2つの画像は、それぞれ画像微分演算装置7および8に入力される。画像微分演算装置7および8では、高温酸素のLIF信号による画像を微分処理して、高温酸素のLIF信号が急激に変化している部分を表示する画像を作成する。この微分処理を施された2つの画像は表示装置9において表示される。観測者は、表示装置9に表示された2つの画像のそれぞれを右目、左目別々に見ることにより、交差法または平行法といった手法でステレオ視することができ、火炎面の3次元的形状を計測することができる。
【0016】
なお、本実施の形態では、2台のCCDカメラを設けて2つの画像から火炎面を3次元的にとらえたが、本発明はこれに限られるものではなく、2か所以上の位置で高温酸素からの蛍光を計測するようにすればよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高出力のエキシマレーザーを用いることによって、従来のシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターンを成形して適用することができるため、3次元的に広がった領域を測定領域として十分にカバーすることができる。
【0018】
従来の方法による火炎面の断面観測では得られる情報が不十分な場合、特に爆轟等の火炎面が瞬間的に空間を伝播する現象の観測に、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による火炎面3次元測定装置の一実施の形態のブロック図である。
【符号の説明】
1 レーザー
2 レンズ
3 火炎
4 ビームダンパー
5、6 CCDカメラ
7、8 画像微分演算装置
9 表示装置
【発明の属する技術分野】
本発明は火炎面3次元測定方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
火炎において燃焼反応が始まった面を一般に火炎面と呼ぶ。この火炎面を可視化して測定することができれば、燃焼状態、特に火炎の形状を計測するのに有効である。
【0003】
従来から、平面レーザー誘起蛍光法(LIF:Laser Induced
Fluorescence法)でCHラジカルやC2 ラジカルの断面分布を計測することによって火炎面を測定する方法が知られている。この方法では、CHラジカルやC2 ラジカルが燃焼反応のごく最初の段階でのみ存在する物質であることを利用し、このCHラジカルやC2 ラジカルを計測することによって燃焼の始まる場所すなわち火炎面を測定している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、平面LIF法は、レーザー光をシート状に成形して火炎に照射し、レーザー光の伝播方向に垂直な方向からカメラ等で蛍光を観測する方法であるため、火炎面の断面の分布しか計測することができず、火炎面の3次元的な形状を得ることはできない。このため、従来の火炎面計測方法では、火炎面の形状を3次元的にとらえることは不可能であった。
【0005】
本発明は上記の点にかんがみてなされたもので、火炎面の形状を3次元的にとらえることができる火炎面3次元測定方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の目的を達成するために、高温酸素のLIF信号を計測するための励起光としてのレーザー光を発生することができるレーザーからのレーザー光をシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターン成形を行い、このビームパターン成形後のレーザー光を火炎に対して照射し、この火炎中の高温酸素からの蛍光を複数の角度から観測し、この観測結果のそれぞれに対して微分処理を施すことによって前記火炎の火炎面を3次元的に測定することを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下本発明を図面に基づいて説明する。
【0008】
火炎面の形状を3次元的にとらえるためには、火炎に照射するレーザー光の断面積を広げて(レーザー光をシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターン成形を行い)、レーザー光が火炎の多くの部分を通過するようにする必要があるが、CHラジカルやC2 ラジカルを計測するためのレーザーは色素レーザーであり、この色素レーザーは低出力で不安定なものしか実現していない。このため、色素レーザーを用いたのでは、レーザー光の断面積を広げてやると局部的なレーザー光強度が弱くなってしまい、火炎からのLIF信号が観測不可能な程に微弱なものになってしまう。
【0009】
そこで、本発明では、色素レーザーの代りにKrF(クリプトン−フッ素)エキシマレーザーまたはArF(アルゴン−フッ素)エキシマレーザー等を用いる。このKrFエキシマレーザー等であれば色素レーザーの10〜100倍もの出力があり、十分な強度のレーザー光を出力することができるからである。しかし、色素レーザー以外の他の高出力のレーザーを用いたのでは、CHラジカルやC2 ラジカルを測定することができない。
【0010】
このため、本発明では、CHラジカルやC2 ラジカルを測定する代わりに火炎中の高温の酸素をLIF測定する。KrFエキシマレーザー等を用いると、高温(1000℃以上)に加熱された酸素のみを選択的に計測することができる。火炎面においては、急激な温度上昇が起こっているため、高温の酸素のLIF信号が急速に立ち上がる。しかしながら、火炎面よりも後流の既燃領域においても引き続いて高温領域が続くので、高温酸素をLIF測定しただけでは火炎面の測定にはならない。
【0011】
そこで、本発明では、得られた高温酸素の分布画像を空間的に微分して、LIF信号量が急激に増加する部分すなわち急激に温度上昇する部分である火炎面を得るようにしている。このようにすることによって本発明は火炎面を計測することができる。
【0012】
すなわち、本発明では、レーザー光を照射した火炎を2台のカメラを用いてわずかに異なる角度から撮像し、得られた2つの画像のそれぞれを空間微分して表示し、微分後の2つの画像を交差法または平行法といった手法でステレオ視することにより、火炎面の3次元的形状を計測することができる。
【0013】
図1は、本発明による火炎面3次元測定装置の一実施の形態のブロック図である。
【0014】
図1の破線はKrFエキシマレーザー1からのレーザー光を示している。このレーザー光の波長はたとえば248nmである。レーザー1からのレーザー光は、レンズ2によって拡大されて火炎3に照射される。レーザー光が照射された火炎3からは高温酸素の量に応じた強度の蛍光が発生する。この蛍光は、高温酸素のLIF信号としてCCDカメラ5および6で撮像される。4は火炎3を通過したレーザー光を吸収し反射をなくすためのビームダンパーである。
【0015】
CCDカメラ5および6で撮像された2つの画像は、それぞれ画像微分演算装置7および8に入力される。画像微分演算装置7および8では、高温酸素のLIF信号による画像を微分処理して、高温酸素のLIF信号が急激に変化している部分を表示する画像を作成する。この微分処理を施された2つの画像は表示装置9において表示される。観測者は、表示装置9に表示された2つの画像のそれぞれを右目、左目別々に見ることにより、交差法または平行法といった手法でステレオ視することができ、火炎面の3次元的形状を計測することができる。
【0016】
なお、本実施の形態では、2台のCCDカメラを設けて2つの画像から火炎面を3次元的にとらえたが、本発明はこれに限られるものではなく、2か所以上の位置で高温酸素からの蛍光を計測するようにすればよい。
【0017】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、高出力のエキシマレーザーを用いることによって、従来のシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターンを成形して適用することができるため、3次元的に広がった領域を測定領域として十分にカバーすることができる。
【0018】
従来の方法による火炎面の断面観測では得られる情報が不十分な場合、特に爆轟等の火炎面が瞬間的に空間を伝播する現象の観測に、本発明は有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による火炎面3次元測定装置の一実施の形態のブロック図である。
【符号の説明】
1 レーザー
2 レンズ
3 火炎
4 ビームダンパー
5、6 CCDカメラ
7、8 画像微分演算装置
9 表示装置
Claims (6)
- 高温酸素のLIF信号を計測するための励起光としてのレーザー光を発生することができるレーザーからのレーザー光をシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターン成形を行い、該ビームパターン成形後のレーザー光を火炎に対して照射し、該火炎中の高温酸素からの蛍光を複数の角度から観測し、該観測結果のそれぞれに対して微分処理を施すことによって前記火炎の火炎面を3次元的に測定することを特徴とする火炎面3次元測定方法。
- 前記ビームパターン成形後のレーザー光を火炎に対して照射し、該火炎中の高温酸素からの蛍光をわずかに異なる2つの角度から観測し、該2つの観測結果のそれぞれに対して微分処理を施し、該微分処理後の2つの観測結果をステレオ視することによって前記火炎の火炎面を3次元的に測定することを特徴とする請求項1に記載の火炎面3次元測定方法。
- 前記レーザーがKrFエキシマレーザーである請求項1または2に記載の火炎面3次元測定方法。
- 高温酸素のLIF信号を計測するための励起光としてのレーザー光を発生することができるレーザーと、該レーザーからのレーザー光をシート状ビーム成形にさらに奥行方向の幅を持たせたビームパターン成形を行うレーザー光成形手段と、該レーザー光成形手段によるビームパターン成形後のレーザー光を火炎に照射したときに生じる高温酸素からの蛍光を複数の角度から観測する観測手段と、該観測手段による観測結果のそれぞれに対して微分処理を施す微分演算手段とを備えたことを特徴とする火炎面3次元測定装置。
- 前記観測手段が2台のCCDカメラであり、前記微分演算手段は前記CCDカメラで撮像した画像に対して微分処理を施し、該微分処理後の2つの画像を表示する表示手段をさらに備えたことを特徴とする請求項4に記載の火炎面3次元測定方法。
- 前記レーザーがKrFエキシマレーザーである請求項4または5に記載の火炎面3次元測定装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31161196A JP3552858B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 火炎面3次元測定方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP31161196A JP3552858B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 火炎面3次元測定方法およびその装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10153416A JPH10153416A (ja) | 1998-06-09 |
| JP3552858B2 true JP3552858B2 (ja) | 2004-08-11 |
Family
ID=18019343
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP31161196A Expired - Fee Related JP3552858B2 (ja) | 1996-11-22 | 1996-11-22 | 火炎面3次元測定方法およびその装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3552858B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
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|---|---|---|---|---|
| JP3830050B2 (ja) * | 2003-08-08 | 2006-10-04 | 株式会社四国総合研究所 | 水素ガス及び水素火炎監視方法及び装置 |
| CN102175174B (zh) * | 2011-01-24 | 2012-11-14 | 华南理工大学 | 一种运动火源火焰锋面结构的可视化测量装置及方法 |
| CN102175178B (zh) * | 2011-02-18 | 2012-10-31 | 华南理工大学 | 运动火源扩散火焰锋面三维结构测量系统与方法 |
| CN102494630B (zh) * | 2011-07-29 | 2014-06-04 | 刘建松 | 锅炉、容器内的火焰的形状特征参数测量方法及装置 |
| CN106092997B (zh) * | 2016-08-09 | 2019-05-28 | 上海禾赛光电科技有限公司 | 基于plif技术的火焰检测装置及方法 |
| CN110608889B (zh) * | 2019-10-11 | 2020-12-15 | 华中科技大学 | 一种单液滴燃烧的火焰温度三维重构方法及实验装置 |
-
1996
- 1996-11-22 JP JP31161196A patent/JP3552858B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH10153416A (ja) | 1998-06-09 |
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| Date | Code | Title | Description |
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| TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20040420 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20040427 |
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| R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
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