JP3553517B2 - 周波数オフセット量推定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話、自動車電話、自営デジタル無線通信電話等の無線通信システムで使用可能な周波数オフセット量推定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、無線通信システムにおいて受信装置に設けられている周波数オフセット量推定装置は、受信側で繰り返し受信される同一の既知パターンとの複素相関結果と、繰り返し受信される既知パターンの受信時間差により、単位時間当たりの位相差を求めて周波数オフセット量を推定する。以下、従来例として特開平8−195778号公報に記載された周波数オフセット検出方法について説明する。図7は周期的に送信されるスロット構成のバーストデータを受信するTDMA方式の受信機において、周波数オフセット量を推定する状態を示す説明図である。図7の(A)、(B)に示すように、周期的な同一スロットにおいて第1のバーストデータb1と第2のバーストデータb2とを受信し、第1のバーストデータb1に含まれる特定の既知パターンより得られる位相と、第2のバーストデータb2に含まれる特定の既知パターンにより得られる位相とを比較して、比較して算出した位相差に基づいて周波数オフセット量を推定する。ただし、ここで説明した従来例において、図7の(C)は同期ビットを既知パターンとして相関をとった結果であり、t1とt2の位置において相関値のピークが立ったことをあらわしている。図7の(D)に示すθ1、θ2はt1、t2時の複素相関値をIQ平面上であらわしたものである。θ1’はθ1とθ2の初期位相を等しくするようにしたものであるが、周波数オフセットによって図7の(C)に示すt2−t1時間の間に回転する位相が180度以内であるならば正しく周波数オフセット量を推定することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の周波数オフセット量推定装置では、繰り返し数やパターン長は通信路状況やビット誤り率等の目標性能にもよるが、ある一定長の繰り返しパターンを挿入しなければならず、予想され得る最大周波数オフセット量により繰り返し距離を設計しなければならなかった。特に遅延広がりの大きなマルチパスフェージング条件下で精度良く周波数オフセット量の推定を行うためには、繰り返しパターンのシンボル長が大きくなり、演算量、および周波数オフセットを推定する検出時間が多大になる。また、TDMA方式による受信装置において既知パターンであるタイミング同期獲得用のUW(ユニークワード)を使用して周波数オフセットを検出する場合、タイミング同期獲得性能を良好にすることと、周波数オフセットを良好に推定できることの両方を満たすパターンを導出しなければならない。さらに、TDMA方式の受信システムにおいて、UWを復号前にフレームを識別する情報として利用する場合、複数のUWがお互いに相互相関の少なくなるようなパターンを選定しなければならない。これら三つの条件を満たすためには、互いに性能を譲歩し合わなければならず、総合的に受信性能が劣化する可能性が高い。
【0004】
本発明は、このような従来の技術における課題を解決するものであり、既知のパターンを一定長挿入されている通信システムにおいて、符号間干渉の生じるマルチパスフェージング条件下でも精度良く、少ない演算量で周波数オフセット量を推定することのできる周波数オフセット量推定装置、良好な周波数オフセット補償を行うことのできる移動局無線装置、基地局無線装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本発明の周波数オフセット量推定装置は、既知の受信データとの複素相関をとる複素相関演算手段と、前記複素相関演算手段の演算過程において予め設定した異なる相関長での複素相関値を獲得する複素相関値取得手段と、前記獲得した複数の相関値の位相差を算出する位相算出手段と、前記相関長と位相差の関係から周波数オフセット量を推定する周波数オフセット量推定手段とを備えたものであり、各々の相関長に対する複素相関値の位相は、初期位相によらず、常に周波数オフセット成分と相関長により一意的に決まるものとなり、既知パターンがいかなるパターンであっても、周波数オフセット量を推定することができる。
【0006】
また、本発明の周波数オフセット量推定装置は、既知の受信データとの複素相関をとる複素相関演算手段と、前記複素相関演算手段の演算過程において予め設定した異なる相関長での複素相関値を獲得する複素相関値取得手段と、前記獲得した複数の相関値の位相差を算出する位相算出手段と、前記相関長と位相差の関係から周波数オフセット量を推定する周波数オフセット量推定手段と、伝搬路の遅延プロファイルを獲得する遅延プロファイル獲得手段とを備え、複数の到来波のタイミング毎に周波数オフセット量を推定し、これらの周波数オフセット量を平均化することにより、最終的に求まる周波数オフセット量の精度を向上させることができる。
【0007】
また、本発明の周波数オフセット量推定装置は、既知の受信データとの複素相関をとる複素相関演算手段と、前記複素相関演算手段の演算過程において予め設定した異なる相関長での複素相関値を獲得する複素相関値取得手段と、前記獲得した複数の相関値の位相差を算出する位相算出手段と、前記相関長と位相差の関係から周波数オフセット量を推定する周波数オフセット量推定手段と、伝搬路の遅延プロファイルを獲得する遅延プロファイル獲得手段とを備え、複数の到来波のタイミング毎に周波数オフセット量を推定し、これらの周波数オフセット量を到来波レベルに応じた重み付け平均をすることにより、最終的に求まる周波数オフセット量の精度を向上させることができる。
【0008】
また、本発明の周波数オフセット量推定装置は、上記した周波数オフセット量推定装置により周波数オフセット量の推定を複数回行い、複数回の周波数オフセット量推定結果を平均化し、これを最終的なオフセット量とすることを特徴とするものであり、平均化することにより最終的な周波数オフセット量の推定精度を向上させることができる。
【0009】
また、本発明の周波数オフセット量推定装置は、受信データの受信レベルを検出する手段と、上記した周波数オフセット量推定装置により周波数オフセット量の推定を複数回行い、複数回の周波数オフセット量推定結果を各々の推定時における受信レベルに応じた重み付け平均し、これを最終的なオフセット量とすることを特徴とするものであり、最終的な周波数オフセット量の推定精度を向上させることができる。
【0010】
また、本発明の移動局無線装置は、上記した周波数オフセット量推定装置と、推定された周波数オフセット量に基づいて周波数オフセットを補正する手段とを備えたものであり、周波数オフセット推定値に基づいて発振周波数を制御し周波数オフセットを補正するか、または、周波数オフセット推定値に基づいて受信データに位相回転をかけて周波数オフセットを補正することにより、前記周波数オフセット量推定装置により受信データに含まれる既知パターンがいかなるパターンであっても、周波数オフセット量を推定し、前記手段によって周波数オフセットを補正し、良好な受信特性を確保することができる。
【0011】
また、本発明の基地局無線装置は、上記した周波数オフセット量推定装置と、推定された周波数オフセット量に基づいて周波数オフセットを補正する手段とを備えたものであり、周波数オフセット推定値に基づいて発振周波数を制御し周波数オフセットを補正するか、または、周波数オフセット推定値に基づいて受信データに位相回転をかけて周波数オフセットを補正することにより、前記周波数オフセット量推定装置により受信データに含まれる既知パターンがいかなるパターンであっても、周波数オフセット量を推定し、前記手段によって周波数オフセットを補正し、良好な受信特性を確保することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態における周波数オフセット量推定装置を備えた移動局無線装置または基地局無線装置の送信部の構成を示している。図1において、アンテナ101から受信された受信信号は、ミキサ部102に入力され、ダウンコンバートされる。ダウンコンバートされた信号は直交復調器103に入力され、直交復調された信号が出力される。この信号はAD変換部104に入力され、アナログ信号からサンプリングされたデジタル信号へ変換される。この信号はタイミング同期部105に入力され、既知シンボルの到来タイミング時における信号が出力される。この信号は周波数オフセット量推定装置106に入力され、周波数オフセット量が推定される。この周波数オフセット推定量は発信周波数変換部107に入力され、周波数オフセットを補正するために発振器108の発振周波数を変換するか、または、この周波数オフセット推定量は位相回転部109に入力され、AD変換部104の出力信号に周波数オフセットを補正するための位相回転をかける。
【0014】
図2は上記した周波数オフセット量推定装置106の構成を示しており、既知の受信データとの複素相関をとる複素相関演算手段201と、複素相関演算手段201の演算過程において予め設定した異なる相関長での複素相関値を獲得する複素相関値取得手段202と、獲得した複数の相関値の位相差を算出する位相算出手段203と、相関長と位相差の関係から周波数オフセット量を推定する周波数オフセット量推定手段204とを備える。
【0015】
次に、この周波数オフセット量推定装置106における周波数オフセットを推定する方法について図3を参照して説明する。図3の(B)に示すVnは、受信データの既知パターンを含む部分と図3の(A)に示す既知パターンの先頭から相関長Nまで複素相関演算した結果の複素相関値である。図3の(B)に示すVmは、受信データの既知パターンを含む部分と図3の(A)に示す既知パターンの先頭から相関長Mまで複素相関演算した結果の複素相関値である。つまり複素相関値Vnは、複素相関値Vmを計算する際の途中結果である。複素相関演算は、複素共役積を相関長分累積加算することであるが、各サンプル点における複素共役積の位相は周波数オフセット、ノイズおよびマルチパスによる干渉により決まる。しかし、一定相関長分累積加算することによって、ノイズおよびマルチパス干渉による位相への影響が平均化され、周波数オフセットによる位相への影響のみが残る。また、相関長の異なる時点において比較した複素相関値の位相差は相関長の差により、周波数オフセット量に対して一意的に位相差が決まる。逆に言うと、相関長の差と各々の複素相関値の位相差によって単位時間あたりの周波数オフセット量を推定することができる。
【0016】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2における周波数オフセット量推定装置は、図4に示すように、図2の構成に伝搬路の遅延プロファイルを獲得する遅延プロファイル獲得手段205を追加したものであり、伝搬路の遅延プロファイルに基づいて、周波数オフセット量の推定精度を向上させることを意図したものである。
【0017】
以下、本実施の形態2の動作について説明する。図5は遅延プロファイル推定手段205に既知パターンとの相関を利用した例であり、横軸は時間、縦軸は相関値を示す。相関値S1および相関値S2は他の時間の相関値と比較して大きいため、その時点の受信データに含まれる既知パターンの成分が比較的多大であったことを示す。従って、図5に示すS1およびS2の時点に到来波があると推定することができる。このようにマルチパス環境においては既知パターンの成分が分散される。実施の形態2では、マルチパスにより分散された既知パターン成分を積極的に吸収するための手段を備え、実施の形態1で説明した周波数オフセット量推定手段204により求められた周波数オフセット推定量を平均化もしくは重み付け平均をする。
【0018】
このように、本実施の形態2では、図5に示す相関値S1および相関値S2の時点において各々の時点での実施の形態1で説明した周波数オフセット量推定手段204により周波数オフセット量を推定し、その周波数オフセット推定量を平均化することにより、最終的な周波数オフセット量を推定する。また、図5に示す相関値S1および相関値S2の時点において各々の時点での実施の形態1で説明した周波数オフセット量推定手段204により周波数オフセット量を推定し、その周波数オフセット推定量を相関値S1および相関値S2の大きさに比例した加算をすることにより、最終的な周波数オフセット量を推定する。
【0019】
(実施の形態3)
次に図6を用いて本発明の実施の形態3について説明する。図6は受信データに既知パターンが複数含まれていることを示す。本実施の形態3は、実施の形態1および2で説明した手段により求まる周波数オフセット推定量を使用する。図6に示す受信データに既知パターンにより、周波数オフセット推定量を求め、その周波数オフセット推定量を保持する。図6に示す受信データには既知パターンが複数含まれているため各々に対して周波数オフセット推定量を求め、その周波数オフセット推定量を保持する。次に、各々の既知パターン到来時点で求めた周波数オフセット推定量を平均化することにより、最終的な周波数オフセット量を推定する。また、各々の既知パターン受信時における受信レベルを検出する手段を備え、各々の既知パターン到来時点で求めた周波数オフセット推定量に対して受信レベルに比例した重み付け平均をすることにより、最終的な周波数オフセット量を推定する。
【0020】
このように、上記各実施の形態によれば、既知パターンの含まれる受信データと予め用意された既知パターンとの複素相関演算を行い、その演算過程において予め設定しておいた異なる相関長での複素相関値を複数算出し、相関長に対する複素相関値から各々の相関長の差によって単位時間あたりの位相差を求めることにより、周波数オフセット量を推定するので、既知パターンに繰り返しパターンを含ませる必要がなく、また、最大周波数オフセット量の許容推定範囲に対しては、各々の相関長に対する複素相関値の位相差が180度を超えないように相関長の差を設定することにより対応することができる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように、本発明の周波数オフセット量推定装置によれば、一定長の既知パターンが受信データに含まれているだけで、複素相関演算の演算過程における相関長の違う時点での複素相関値の位相差から周波数オフセット量推定できるため、既知パターンがいかなるパターンであっても、周波数オフセット量を推定することができるという効果を有する。また、その周波数オフセット推定量は、受信データに含まれる既知パターン成分のレベルおよび既知パターン受信時の受信レベルに応じて平均化および重み付けを行うことができるため、それら行うことにより周波数オフセット量の推定精度を向上させることができるという効果を有する。
【0022】
また、本発明によれば、周波数オフセットによる性能劣化の問題を解決するための既知パターンの制約が少なくなり、システム構築の拘束条件が緩和されることから、無線通信システムの設計がしやすくなる。例えば、タイミング同期獲得に使用する既知パターンをそのままのパターンを使用して周波数オフセット量を推定することができるため、受信データに含まれる既知パターンの割合を削減することができる。既知パターンは自由度が少ないため情報としての価値が薄い、ゆえに、受信データに含まれる既知パターンの割合を削減することができることにより、システム構築を容易に行うことができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における移動局無線装置または基地局無線装置の送信部の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における周波数オフセット量推定装置のブロック図
【図3】本発明の実施の形態1における周波数オフセット量推定方法の説明図
【図4】本発明の実施の形態2における周波数オフセット量推定装置のブロック図
【図5】本発明の実施の形態2における遅延プロファイルを既知パターンの相関結果で推定した状態図
【図6】本発明の実施の形態3における受信データに複数の既知パターンが含まれている状態図
【図7】従来例における周波数オフセット量推定方法の説明図
【符号の説明】
101 受信アンテナ
102 ミキサ部
103 直交復調部
104 AD変換部
105 タイミング同期部
106 周波数オフセット量推定装置
107 発振周波数変換部
108 発振器
109 位相回転部
201 複素相関演算手段
202 複素相関値獲得手段
203 位相算出手段
204 周波数オフセット量推定手段
205 遅延プロフィル獲得手段
Claims (7)
- 既知の受信データとの複素相関をとる複素相関演算手段と、前記複素相関演算手段の演算過程において予め設定した異なる相関長での複素相関値を獲得する複素相関値取得手段と、前記獲得した複数の相関値の位相差を算出する位相算出手段と、前記相関長と位相差の関係から周波数オフセット量を推定する周波数オフセット量推定手段とを備えた周波数オフセット量推定装置。
- 伝搬路の遅延プロファイルを獲得する遅延プロファイル獲得手段を備え、複数の到来波のタイミング毎に周波数オフセット量を推定し、これらの周波数オフセット量を平均化し、最終的な周波数オフセット量を決定することを特徴とする請求項1記載の周波数オフセット量推定装置。
- 伝搬路の遅延プロファイルを獲得する遅延プロファイル獲得手段を備え、複数の到来波のタイミング毎に周波数オフセット量を推定し、これらの周波数オフセット量を到来波レベルに応じた重み付け平均をし、最終的な周波数オフセット量を決定することを特徴とする請求項1記載の周波数オフセット量推定装置。
- 周波数オフセット量の推定を複数回行い、複数回の周波数オフセット量推定結果を平均化し、これを最終的な周波数オフセット量とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の周波数オフセット量推定装置。
- 受信データの受信レベルを検出する手段を備え、周波数オフセット量の推定を複数回行い、複数回の周波数オフセット量推定結果を各々の推定時における受信レベルに応じた重み付け平均し、これを最終的な周波数オフセット量とすることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の周波数オフセット量推定装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載の周波数オフセット量推定装置と、推定された周波数オフセット量に基づいて周波数オフセットを補正する手段とを備えた移動局無線装置。
- 請求項1から5のいずれかに記載の周波数オフセット量推定装置と、推定された周波数オフセット量に基づいて周波数オフセットを補正する手段とを備えた基地局無線装置。
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