JP3554257B2 - 表示制御装置及び方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、右眼と左眼の視差を利用してユーザに立体像を観察させる表示装置の表示制御装置及びその方法に関する。特に、通常の2次元画像と3次元画像とを切換えて表示することができる、或いは2次元画像と3次元画像とを混在させて表示することができる表示装置の表示制御装置と方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、2次元表示と3次元表示の切り換えや混在表示を行うことが可能な3次元表示装置が提案されている。ディスプレイ上に立体視表示を行う方式としては、パララックス・バリヤを用いた立体画像表示方式(以下、パララックス・バリヤ方式と呼ぶ)やレンチキュラ方式が広く知られている。
【0003】
パララックス・バリヤ方式については、S.H.Kaplan,“Theory of Parallax Barriers”,J.SMPTE,Vol.59,No.7,pp.11−21(1952)に開示されており、この方式によれば、複数視点からの複数の視差画像のうちの、少なくとも左右視差画像を交互に配列されたストライプ画像を、この画像から所定の距離だけ離れた位置に設けられた所定の開口部を有するスリット(パララックス・バリヤと呼ばれる)を介して、左右それぞれの眼でそれぞれの眼に対応した視差画像を観察することにより立体視を行うことができる。
【0004】
一方、レンチキュラ方式も右眼と左眼の両眼視差を用いて立体画像を表示するものであり、ディスプレイの前面にかまぼこ状のレンズを多数ならべたレンチキュラを設け、空間的に左右の眼に入る画像を分離して、ユーザに立体像を観察させるものである。
【0005】
しかしながら、これらの方式では、観察者が立体視できる範囲が両眼中心距離約65mmの幅でしかない。そのため、観察者は頭の位置を固定するようにして観察する必要があり、非常に使いづらいという問題があった。
【0006】
このような問題に対処すべく、特開平2−44995号では、観察者の両眼の位置を検出して、レンチキュラレンズを水平方向に可動に支持して表示素子との左右方向の相対位置を移動制御することで、立体視領域を広げる方式が提案されている。また、特開平2−50145号では、観察者の両眼位置を検出して画像の表示を観察者位置に応じて入れ換えて、立体視領域を広くする方式が提案されている。更に特開平10−232367号では、観察者と立体画像表示装置との距離の変化によるクロストークの発生を防止する立体画像表示装置が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の視点追従を行ういずれの方式においても、視点の移動量は常に表示画面に固定された座標系によって算出され、表示画面全体に3次元画像が表示されている場合しか考慮されていない。例えば、表示画面中を任意に移動可能なウインドウ内に3次元が像を表示し、このウインドウを移動すると、相対的に視点が移動することになるものの、そのような場合についての考慮はなされていない。
【0008】
すなわち、表示画面中の任意の位置に開かれたウインドウの中に3次元画像が表示されている場合の視点追従については何等考慮されていない。また、一画面中に一つまたは複数のウインドウが表示され、この一つ又は複数のウインドウの夫々に3次元表示がなされているような場合に、どのように視点追従を制御するかについての考慮はなされていない。
【0009】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、表示画面中の任意の位置に任意のサイズで表示することが可能なウインドウ内に3次元画像を表示する場合に、適切に視点追従制御を行うことを可能とすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明による表示制御装置は例えば以下の構成を備える。すなわち、
視差画像を左右の夫々の眼によって観察させるための光指向性を生成して3次元画像を観察可能とする表示制御装置であって、
観察者の視点位置を検出する検出手段と、
表示中の3次元表示ウインドウの位置に基づいて視点追従のための基準位置を取得する取得手段と、
前記検出手段で検出された視点位置と前記取得手段で取得した基準位置とに基づいて、視点追従を行うべく前記光指向性の生成状態を制御する制御手段とを備える。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照して本発明の好適な実施形態を説明する。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態による立体画像表示装置の概略構成を示す図である。図1において、101はCRT等の自発光型表示素子であり、その表面には発光部102と非発光部103を有する市松状の発光パターン104が表示される。105はレンチキュラレンズであり、発光部102よりの射出光に指向性を与える。レンチキュラレンズ105は透明樹脂又はガラス製のシリンドリカルレンズアレイであり、垂直方向に長い縦シリンドリカルレンズを左右方向に並べて構成されている。106はディスプレイデバイスであり、本例では2枚のガラス基板の間に表示画素部(表示面)を形成した透過型の液晶素子を用いる。
【0013】
なお、自発光型表示素子101とディスプレイデバイス106とは1画素毎又は1走査線毎に同期して発光パターン及びストライプ画像を表示することが望ましい。
【0014】
110はディスプレイ駆動回路、112は観察者113の位置を検知する位置センサ、111は制御ユニットである。位置センサ112は、観察者の水平方向の位置と光軸方向(前後方向)の位置を検知する。また、制御ユニット111は自発光型表示素子101の発光パターンの制御も行う。なお、位置センサ112が観察者113の光軸方向の位置を検知する方法としては、周知の、銀塩カメラやビデオカメラ等で用いられているオートフォーカスの手法を適用することができる。
【0015】
図2は第1の実施形態による立体画像表示装置の立体観察を説明する図である。図は水平の断面図であり、図1中の線A−Aを含む水平面に沿った断面図が(A)に、図1中の線B−Bを含む水平面に沿った断面図が(B)にそれぞれ示されている。
【0016】
制御ユニット111は右目用の視差画像と左目用の視差画像を入力し、入力された2つの視差画像をそれぞれ多数の横ストライプ状のストライプ画像RとLに分割し、図1に示すように画面上端から1走査線毎にR…と交互に並べて1枚の横ストライプ画像を合成する。このように合成された横ストライプ画像はディスプレイ駆動回路110に入力され、図1に示す如く表示される。
【0017】
このとき、R、R…に表示された右視差画像のストライプ(R)は、本立体画像表示装置の光指向性により図2の(A)に示すごとく観察者の右眼に到達する。すなわち、市松パターン104の発光部102から射出された光は、レンチキュラレンズ105のシリンドリカルレンズにより観察者の右眼Eに向かうように指向性が与えられる。この右眼Eに向かう光束は、レンチキュラレンズ3と観察者との間に設けられたディスプレイデバイス106に表示された横長のストライプ画像(ここでは画像R)で変調されて右眼Eに入射する。
【0018】
同様に、L、L…に表示された左視差画像のストライプ(L)は、本立体画像表示装置の光指向性により図2の(B)に示すごとく観察者の左眼Eに到達する。
【0019】
こうして観察者は、左右の眼のそれぞれで対応する視差画像を観察することになり、立体視が可能となる。
【0020】
図3は第1の実施形態による立体表示システムの構成を示すブロック図である。図3において300はホストコンピュータであり、2次元画像と3次元画像の取り扱いが可能である。ホストコンピュータ300において、301はCPUでありメモリ302に格納された制御プログラムに従って各種処理を実行する。ホストコンピュータ300は、描画用のデータがアップデートされる毎にデバイスドライバ310への信号を更新する。なおメモリ302は、ROMやRAM、あるいは磁気ディスクドライバを含む。
【0021】
310は本実施形態の立体ディスプレイの描画全体を制御するディスプレイドライバであり、図1の制御ユニット111に相当する。311はオブジェクト解析部であり、描画用のデータの種類を判別・解析する。312はシステムコントローラであり、各種制御の中枢を担う。システムコントローラ312は、CPUやメモリを備え、以下に説明する視点追従制御等の各種処理を実行する。313は2D3D描画部であり、立体ディスプレイ上に実際に描画されるデータ、即ち従来より取り扱われてきた2次元画像やストライプ合成された3次元画像を描画制御する。
【0022】
314は切換駆動部であり、3次元表示と2次元表示を切換えるために上述の自発光型表示素子101を制御する。すなわち、図1に示すように市松状のパターン104を表示すれば3次元表示が可能となり、全面を発光状態とすれば通常のバックライトとなり、2次元表示が可能となる。315は追従制御部であり、視点検出部320から入力される視点位置に基づいて市松状パターン104を変更し、検出された視点位置で正しく立体視が行えるようにする。この視点追従制御については、詳細を後述する。
【0023】
視点検出部320は、位置センサ112を含み、観察者113の視点位置を検出して、その情報をデバイスドライバ310に出力する。
【0024】
立体ディスプレイ330は、2D3D描画部313より出力された描画データに従って、2次元画像や3次元画像をディスプレイデバイス106上に表示する。なお、本例では、表示部330が、ディスプレイ駆動回路110とディスプレイデバイス106を含むものとする。
【0025】
2D3D切換部332は切換駆動部314からの信号に応じて自発光型表示素子101の市松状パターン104の表示のオンオフを行う。また、視点追従部333は、追従制御部315の信号に応じて、市松状パターン104の表示位置制御や、発光部及び非発光部の表示ピッチの制御を行う。
【0026】
なお、デバイスドライバ310は、ホストコンピュータ300の外部装置として接続されてもよいし、ホストコンピュータ300内のスロットルに実装されてもよい。また、ホストコンピュータの一つのソフトウェア或いはソフトウェアと電子回路が混在する構成として実装されてもよい。即ち、ホストコンピュータ300はCPU301と、添付のフローチャートを参照して説明する処理手順を実現する制御プログラムを格納したメモリ302を備え、ディスプレイドライバ310が実現する各種機能をホストコンピュータ300のCPU301が実現するようにしてもよい。
【0027】
以上の様な構造による立体画像表示装置における、本実施形態の視点追従制御について、以下に説明する。本実施形態によれば、観察者の水平方向の位置ずれに起因するクロストークの補正は、自発光型表示素子101の表示面上に形成される市松状パターン104の移動によりなされる。また、観察者とディスプレイデバイスの距離が変化することにより発生するクロストークは、自発光型表示素子101乗の市松状パターン104における発光部と非発光部のピッチを変更することによりなされる。
【0028】
図4は本実施形態による光学系の諸元を説明する図である。図4においては、ディスプレイデバイス106の右ストライプ画素を表示する水平方向の1ラインと、レンチキュラレンズ105と、市松状パターン104を表示する自発光型表示素子101の画面が簡略的に示されている。
【0029】
市松状パターン104の表示画面とレンチキュラレンズ105との換算距離(ガラスなどの部材の厚みを空気換算して求めた距離)をt、レンチキュラレンズ105とディスプレイデバイス106との換算距離をt、ディスプレイデバイス106と観察者との換算距離をLとし、レンチキュラレンズ105のピッチをP、市松状パターンの発光部・非発光部のピッチをPとすると、三角形の相似条件より本実施形態の光学系は以下の式を満足する。
【0030】
【数1】
Figure 0003554257
【0031】
更に、観察者の右眼がディスプレイデバイス106の中心Cから水平方向にxずれた位置にある場合、画像表示面中央のレンチキュラレンズの光軸に対して市松状パターン104の対応する発光部102の中心Dがその基準位置Dから水平方向に以下のdだけずらすことにより、適切な立体視が行える。
【0032】
【数2】
Figure 0003554257
【0033】
なお、本実施形態では、以上の様な視点位置に対応した光指向性の制御を視点追従制御と称する。
【0034】
図5は、本実施形態による視点追従制御を説明するフローチャートである。本処理は、デバイスドライバ310内のシステムコントローラ312に実装された不図示のCPUが、不図示のメモリに格納された制御プログラムを実行することにより実現されるものとする。
【0035】
まずステップS101において、基準位置Xを決定する。この基準位置Xとは、視点検出部320によって検出された視点位置とのずれ量xを求めるための基準となる位置である。以下、ステップS101による処理について図6を参照して説明する。
【0036】
図6は、本実施形態による基準位置Xの決定処理を説明するフローチャートである。ステップS201では、3次元画像表示を行うウインドウ(以下、3次元表示ウインドウ)を抽出する。図7は本実施形態による3次元表示ウインドウの表示状態を説明する図である。図7において、ウインドウ33a、33b、33cはそれぞれ3次元画像を表示するウインドウである。なお、各ウインドウが3次元表示を行うか否かは、ウインドウ内に表示される画像ファイルを調べることにより(例えば拡張子等を参照する)判断することができる。ステップS201では、これらウインドウ33a、33b、33cが抽出されることになる。
【0037】
ステップS202では、ステップS201で抽出されたウインドウに関して重心位置を算出する。そして、算出された重心位置に対して視点検出部320で検出された視点位置が追従範囲にあるか否かを判断し、追従範囲内にあればステップS208へ進み、その重心位置を基準位置Xに決定する。
【0038】
以上の処理により、複数の3次元表示ウインドウが表示されている場合には、それらの重心位置が基準位置Xに設定されることになる。なお、図8に示すように、3次元表示用ウインドウが1つだけ表示されているような場合は、ステップS202で算出される重心位置がその3次元表示用ウインドウの中心と一致することになる。また、アクティブな3次元表示用ウインドウにおいてのみ3次元表示を行い、非アクティブな3次元表示用ウインドウにおいては2次元表示が行われるような場合は、アクティブな3次元表示用ウインドウの中心を基準位置Xとするようにしてもよい(この場合、ステップS201で3次元表示を実行している3次元表示ウインドウを抽出するようにすればよい)。
【0039】
一方、ステップS203において、算出された重心位置と検出された視点位置との関係により、視点位置が追従範囲にないと判定された場合は、ステップS204へ進み、3次元表示ウインドウの表示内容を2次元表示とする。このとき、2次元表示が行われている旨を明示するように、ウインドウ枠等を変化させてもよい。なお、このとき、自発光型表示素子101の表示を市松パターンから全面発光状態に切換て、2次元表示装置として動作するようにしてもよい。そして、ステップS205、S206において、視点位置が追従範囲内に戻るのを監視する。視点位置が追従範囲内に戻った場合は、ステップS207において、ステップS204で2次元表示に変更したウインドウを3次元表示に戻す。その後、ステップS201へ戻り、上述のようにして基準位置Xを決定する。
【0040】
なお、ステップS205における視点位置が追従範囲には行ったか否かの判定は例えば次のように行える。すなわち、ステップS204で2次元表示に変更したウインドウによる重心位置と視点位置の相対位置関係を監視する。ここで、ウインドウの重心位置は、ドラッグ操作によるウインドウの移動により変化する可能性があるので、少なくとも該当するウインドウに対するドラッグ操作が行われた場合には重心位置を計算しなおす。このようにして、視点位置の移動及び/或いはウインドウの移動によって視点位置が追従範囲に入ったならば、ステップS206からステップS207へ処理を進めることになる。
【0041】
再び図5に戻り、ステップS102において観察者の視点位置とディスプレイとの距離Lを取得する。また、ステップS103では、ステップS101で決定された基準位置Xからの視点位置の水平方向のずれ量xを算出する。
【0042】
ステップS104では、観察者の光軸方向の移動により生じるクロストークの補正を行う。すなわち、ステップS102で得られた距離Lを用いて自発光型表示素子101上の市松状パターン104の水平方向のピッチPを上述の式(1)によって計算しなおし、そのピッチPによって自発光型表示素子101上の市松上パターン表示を行う。
【0043】
続いて、ステップS105以降において、ステップS103で算出されたずれ量xを用いて水平方向の位置ずれに起因するクロストークの補正を行う。
【0044】
まず、ステップS105において、水平方向のずれ量xを予め設定されている基準の眼間距離E(たとえば65mm)で除算し、整数である商Nと、その絶対値がE以下である余りsを得る。すなわち、x、E、N、sは、
x=N・E+s (ただし、Nは整数、|s|<E)
なる関係を有する。
【0045】
ステップS106では、ステップS105で得られたNが奇数か偶数かを判断し、偶数ならばステップS107へ、奇数ならばステップS108へそれぞれ進む。ステップS107において、デバイスドライバ310は、第1の横ストライプ画像をディスプレイデバイス106に表示し、ステップS108においてデバイスドライバ310は第2の横ストライプ画像をディスプレイデバイス106に表示する。第1と第2の横ストライプ画像の関係は、図1において左目用のストライプ画像と右目用ストライプ画像の表示位置を入れ換えた関係にあり、左右の眼の夫々に左右の視差画像が正しく観察されるようにする。
【0046】
ステップS109では、sの絶対値が予め定められた値、例えばE/10より大きいか小さいかを判別する。もし、小さければステップS110へ進み、発光パターンを基準位置に戻す。また、sがE/10よりも大きければ、ステップS111へ進み、発光パターンを基準位置より、数式(2)で与えられる分移動する。すなわち、
s・t/(L+t
だけ移動する。なお、本実施形態はE/10をしきい値としたが、このしきい値は左右像の光学的分離状況等を加味して決定される。
【0047】
以上のように第1の実施形態によれば、任意の位置に表示された3次元表示ウインドウに関して、適切な視点追従制御を行うことが可能となる。また、複数の3次元表示ウインドウが表示されていても、それらのウインドウに関して適切な視点追従制御を行うことが可能となる。
【0048】
なお、上記実施形態では、3次元表示ウインドウについて算出された重心位置に対して視点位置が視点追従範囲外となった場合に、3次元表示ウインドウを2次元表示として、視点位置が追従範囲に戻るの待つが、これに限らない。例えば複数の3次元表示ウインドウのうち、検出された視点位置から遠いものから順に一つずつ2次元表示し、重心計算の対象から外すようにしてもよい。このようにすれば、例えば図7のような表示において、ウインドウ33a、33b、33cの重心位置を用いると視点位置が追従範囲を越える場合に、例えばウインドウ33cを2次元表示として、ウインドウ33aと33bの重心位置と視点位置の関係を調べ、視点位置が追従範囲に入った場合は、その重心位置を基準位置とするようにしてもよい。
【0049】
なお、本実施形態では、視点追従制御において光指向性の制御を行うが、これに加えて運動視差制御を行うようにしてもよい。運動視差とは、検出された視点位置に応じて、徐々に物体の側面が見えてくるといったように、物体の表示状態を変えていくものである。この場合、検出された視点位置のずれ量に応じて立体像を更新していくので、図5、図6のフローチャートで説明した手法によって検出された視点位置のずれ量xに基づいて立体像の更新、描画を行う。
【0050】
この結果、以下の運動視差制御を実現できる。
(1)観察者の移動にともなってウインドウの立体像が更新、描画される。
(2)ウインドウの移動(ドラッグ)に伴って、ウインドウの立体像が更新、描画される。
【0051】
なお、例えばウインドウの移動中には2次元の運動視差画像を表示するようにしてもよい。この場合、ウインドウの移動終了後には、3次元表示に戻すことになる。
【0052】
また、上記実施形態の光学系は、図13に示すように、特開平10−78563号等に開示されているような、シリンドリカルレンズを水平方向に並べたレンチキュラ1301を用いた構成でもよい。
【0053】
<第2の実施形態>
上記第1の実施形態では、自発光型表示素子101に市松状パターン104を表示して立体視を可能とした。本実施形態では、市松状に光透過部と非透過部を設けたマスクパターンを用いる場合を説明する。
【0054】
図9は第2の実施形態による立体表示装置の構成を示す図である。同図において、第1の実施形態(図1)と同様の構成には同一の参照番号を付してある。
【0055】
図9において、901はバックライト光源(面光源)であり、902は市松状の開口部903と遮光部904を有するマスク基板である。第2の実施形態では、第1の実施形態における市松状パターン104を表示した自発光型表示素子101とを、バックライト光源901とマスク基板902で置き換えた構成となっている。また、910は、アクチュエータであり、マスク基板902を水平方向に移動する。第1の実施形態では、マスクパターン104の表示を移動することにより水平方向の補正を行ったが、第2の実施形態では、マスク基板902をアクチュエータ910によって移動することにより水平方向の視点追従を行う。
【0056】
以上のように、第2の実施形態では、視点追従制御を行うに際して、マスク基板902の移動という機械的な動作が必要となる。このような移動を視点追従のための動作を行っている最中は、光指向性が刻々と変化し、観察者にとって見苦しいものとなってしまう。第2の実施形態では、このような問題に対処する。
【0057】
図10は第2の実施形態による視点追従制御を説明するフローチャートである。図10において、ステップS101、S103、S105〜S109は上述の第1の実施形態(図5)と同様の処理である。ただし、マスク基板902では、開口部と遮光部のピッチPを変更することが容易ではないので、第2の実施形態では光軸方向の観察者の移動に対するクロストークの補正は実行しないものとする(すなわち、ステップS102とS104は省略される)。
【0058】
ステップS109において、s≦E/10の場合は、ステップS301へ進み、マスク基板902を基準位置へ移動する。また、s>E/10となった場合はステップS302へ進み、数式(2)で与えられる分移動する。すなわち、
s・t/(L+t
だけ移動する。
【0059】
その後、ステップS303へ進み、マスク基板902が上記ステップS301及びS302によって移動中か否かを判断し、移動中であればステップS304で遅延処理を行う。遅延処理としては、
(1)マスク基板902の移動中はディスプレイデバイス106上に何も表示しない。
(2)マスク基板902の移動中は、3次元ウインドウ内の表示を禁止する。
(3)マスク基板902の移動中は、ディスプレイデバイス106上の表示を全て2次元表示とすること等が挙げられる。
【0060】
また、図6のフローチャートで説明した処理により、観察者が追従範囲外に出てしまった場合は、
(1)3次元表示ウインドウの表示を2次元表示とし、2次元表示であることを明示するウインドウ枠に変更する。
(2)視点位置が追従範囲に戻るまで視点追従制御を中止する。
という処理が行われることになる。
【0061】
また、第2の実施形態において、ウインドウのドラッグ操作による移動速度が、視点追従制御の追従速度を越えた場合に、すべての3次元表示ウインドウを2次元表示とするように制御してもよい。
【0062】
なお、図9に示した構成において、光の拡散状態と透過状態の2状態の制御ができる、高分子分散型液晶で構成された光指向制御素子(PDLC)等をディスプレイデバイス106とレンチキュラレンズ105の間、或いはレンチキュラレンズ105とマスク基板902の間に設けて、2次元表示と3次元表示の切り換えを行えるようにしてもよい。すなわち、PDLCを拡散状態として光指向性を打ち消すことにより2次元表示装置となり、透過状態とすることにより3次元表示装置となる。なお、PDLCの代わりに拡散シートの挿入状態と非挿入状態を切換えるようにしてもよい。
【0063】
また、上記のように2次元表示と3次元表示の切換を行える装置において、2次元表示状態となっている場合、マスク基板902の移動は表示状態に影響を及ぼさない。従って、2次元表示となっている間は、3次元表示状態に切り換わったときにマスク基板の追従遅れが少なくなるような位置にマスク基板902を移動しておく(以下、マスク基板のバックグランド処理という)ようにしてもよい。以下、この処理を説明する。
【0064】
図11は第2の実施形態によるマスク基板902のバックグランド処理について説明するフローチャートである。図11に示されるフローチャートは、図10のステップS103とステップS105の間に挿入される。
【0065】
まず、ステップS401において、当該表示装置が3次元表示状態にあるかどうかを判断する。すなわち、PDLCが透過状態にある場合、或いは拡散シートが挿入されていない場合は3次元表示状態であり、この場合はそのままステップS105へ進み、上述した視点追従制御を実行する。
【0066】
一方、PDLCが拡散状態にある場合、或いは拡散シートが挿入された状態にある場合は、2次元表示状態であり、処理はステップS402へ進む。ステップS402では、3次元表示ウインドウ(3次元表示される可能性のあるウインドウ)を抽出する。そして、ステップS403において、ステップS402で抽出されたウインドウの重心位置を求め、この重心位置と視点位置とに基づいてマスク基板を最適な位置に移動する。
【0067】
以上のように処理することにより、2次元表示状態から3次元表示状態に切り換わった際に、マスク基板902が既に適切な位置に移動しているので、スムースな表示切換が可能となる。
【0068】
なお、上記実施形態ではマスク基板902を移動したが、例えばレンチキュラレンズのような他の光学部材を移動するようにしてもよい。
【0069】
<第3の実施形態>
上述した第1の実施形態では、光軸方向の観察者の移動に対して、市松パターンのピッチPを制御することで対応した。しかしながら、第2の実施形態のようなマスク基板を用いた場合は、市松パターンのピッチを変更することは困難であり、このため第2の実施形態では光軸方向の補正を行っていない。第3の実施形態では、市松パターンのピッチを制御せずに、3次元表示ウインドウの表示サイズを制御することにより、観察者の光軸方向の移動に対する画質の維持を行う。
【0070】
図12は第3の実施形態による3次元表示ウインドウのサイズ決定処理を説明するフローチャートである。なお、図12に示されるフローチャートは、図10に示されるフローチャートのステップS101とステップS103の間に挿入されるものとする。
【0071】
まず、ステップS501において、ディスプレイデバイス106と視点位置との距離Lを取得する。次に、ステップS502では、3次元表示ウインドウの幅に基づいて、立体視可能な距離範囲を算出する。ウインドウの幅と、立体視可能な距離範囲は、例えば文献「3D映像 Vol.7 No.2, 1993/March、4〜7ページ」に記載されている立体視領域に基づいて算出される。上述の文献では、レンチキュラ方式について言及しているが、他の直視型立体ディスプレイにも適用できる。設計上の立体視最適距離をD0、立体視できる最近距離をDF、立体視できる最遠距離をDS、ウインドウの横幅をA(mm)、眼間距離をK(通常65mm)、nを画像数とした場合に以下のように表わされる。
【0072】
【数3】
Figure 0003554257
【0073】
ステップS503では、上記の式のAに処理対象の3次元表示ウインドウの幅を代入し、当該ウインドウの立体視可能範囲を求める。そして、この求まった立体視可能範囲に、ステップS501で得られた距離Lが入っているかを判断する。距離Lが立体視可能範囲に入らない場合は、この距離Lが立体視可能範囲に収まるように当該ウインドウの幅を変更する。以上の処理をすべての3次元表示ウインドウに対して行う(ステップS505)。
【0074】
以上のように、第3の実施形態によれば、ディスプレイデバイス106と視点位置との距離が、立体視可能となるように3次元表示ウインドウ幅が調整されるので、観察者は多様な視点位置で、高品位な立体視を行うことができる。
【0075】
なお、本実施形態の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0076】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本実施形態を構成することになる。
【0077】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0078】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0079】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0080】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、表示画面中の任意の位置に任意のサイズで表示することが可能なウインドウ内に3次元画像を表示する場合に、適切な視点追従制御を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態による立体画像表示装置の概略構成を示す図である。
【図2】第1の実施形態による立体画像表示装置の立体観察を説明する図である。
【図3】第1の実施形態による立体表示システムの構成を示すブロック図である。
【図4】本実施形態による光学系の諸元を説明する図である。
【図5】本実施形態による視点追従制御を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態による基準位置Xの決定処理を説明するフローチャートである。
【図7】本実施形態による3次元表示ウインドウの表示状態を説明する図である。
【図8】本実施形態による3次元表示ウインドウの表示状態を説明する図である。
【図9】第2の実施形態による立体表示装置の構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態による視点追従制御を説明するフローチャートである。
【図11】第2の実施形態によるマスク基板902のバックグランド処理について説明するフローチャートである。
【図12】第3の実施形態による3次元表示ウインドウのサイズ決定処理を説明するフローチャートである。
【図13】水平方向にシリンドリカルレンズを配置したレンチキュラを用いた光学系を示す図である。

Claims (35)

  1. 視差画像を左右の夫々の眼によって観察させるための光指向性を生成して3次元画像を観察可能とする表示制御装置であって、
    観察者の視点位置を検出する検出手段と、
    表示中の3次元表示ウインドウの位置に基づいて視点追従のための基準位置を取得する取得手段と、
    前記検出手段で検出された視点位置と前記取得手段で取得した基準位置とに基づいて、視点追従を行うべく前記光指向性の生成状態を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とする表示制御装置。
  2. 前記取得手段は、アクティブな3次元表示ウインドウの中心位置を基準位置として取得する
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  3. 前記取得手段は、表示中の3次元表示ウインドウの重心位置を算出し、これを基準位置とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  4. 前記基準位置に対する前記視点位置が追従範囲を出た場合に、表示内容を全て2次元表示とする表示変更手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  5. 前記表示変更手段によって2次元表示がなされている状態で、視点位置が追従範囲に入った場合に、3次元表示ウインドウを2次元表示から3次元表示へ戻す
    ことを特徴とする請求項4に記載の表示制御装置。
  6. 前記取得手段で取得された基準位置と前記検出手段で検出された視点位置とに基づいて運動視差表示を実行する手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  7. 前記制御手段は、前記基準位置に対する前記視点位置が追従範囲を出た場合に、重心位置の計算対象とする3次元表示ウインドウの組み合わせを変更して視点追従を試みる
    ことを特徴とする請求項3に記載の表示制御装置。
  8. 前記検出手段は、更に視点位置と画像表示面との距離を検出し、
    前記距離に基づいて光指向性を制御する第2制御手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  9. 前記制御手段は、光学部材を移動制御することにより視点追従を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  10. 前記視点追従のために前記光学部材を移動している間は3次元の表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
  11. 前記視点追従のために前記光学部材を移動している間は、表示画面における画像表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
  12. 前記光指向性を除去して2次元画像表示装置として機能させる切換手段と、
    前記切換手段によって2次元画像表示装置として機能している場合に、前記光学部材を待機位置へ移動する移動手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
  13. 前記移動手段は、3次元表示が可能なウインドウを抽出し、それらの重心位置に基づいて前記待機位置を決定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の表示制御装置。
  14. 前記制御手段は、前記3次元ウインドウの移動速度を検出し、該移動速度が前記制御手段による視点追従の速度を越えた場合には、該3次元ウインドウを2次元表示に切換える
    ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
  15. 前記検出手段は、更に視点位置と画像表示面との距離を検出し、
    前記距離に基づいて3次元ウインドウの表示幅を制限する
    ことを特徴とする請求項9に記載の表示制御装置。
  16. 前記3次元ウインドウの表示幅の制限は、前記距離と観察者の眼間距離とに基づいてなされる
    ことを特徴とする請求項15に記載の表示制御装置。
  17. グラフィカルユーザインタフェースとして、前記3次元表示ウインドウを含むオブジェクトを表示する手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1に記載の表示制御装置。
  18. 視差画像を左右の夫々の眼によって観察させるための光指向性を生成して3次元画像を観察可能とする表示制御装置の制御方法であって、
    観察者の視点位置を検出する検出工程と、
    表示中の3次元表示ウインドウの位置に基づいて視点追従のための基準位置を取得する取得工程と、
    前記検出工程で検出された視点位置と前記取得工程で取得した基準位置とに基づいて、視点追従を行うべく前記光指向性の生成状態を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とする表示制御方法。
  19. 前記取得工程は、アクティブな3次元表示ウインドウの中心位置を基準位置として取得する
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  20. 前記取得工程は、表示中の3次元表示ウインドウの重心位置を算出し、これを基準位置とする
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  21. 前記基準位置に対する前記視点位置が追従範囲を出た場合に、表示内容を全て2次元表示とする表示変更工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  22. 前記表示変更工程によって2次元表示がなされている状態で、視点位置が追従範囲に入った場合に、3次元表示ウインドウを2次元表示から3次元表示へ戻す
    ことを特徴とする請求項21に記載の表示制御方法。
  23. 前記取得工程で取得された基準位置と前記検出工程で検出された視点位置とに基づいて運動視差表示を実行する工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  24. 前記制御工程は、前記基準位置に対する前記視点位置が追従範囲を出た場合に、重心位置の計算対象とする3次元表示ウインドウの組み合わせを変更して視点追従を試みる
    ことを特徴とする請求項20に記載の表示制御方法。
  25. 前記検出工程は、更に視点位置と画像表示面との距離を検出し、
    前記距離に基づいて光指向性を制御する第2制御工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  26. 前記制御工程は、光学部材を移動制御することにより視点追従を行う
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  27. 前記視点追従のために前記光学部材を移動している間は3次元の表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項26に記載の表示制御方法。
  28. 前記視点追従のために前記光学部材を移動している間は、表示画面における画像表示を禁止する
    ことを特徴とする請求項26に記載の表示制御方法。
  29. 前記光指向性を除去して2次元画像表示装置として機能させる切換手段によって2次元画像表示装置として機能させている間に、前記光学部材を待機位置へ移動する移動工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項26に記載の表示制御方法。
  30. 前記移動工程は、3次元表示が可能なウインドウを抽出し、それらの重心位置に基づいて前記待機位置を決定する
    ことを特徴とする請求項29に記載の表示制御方法。
  31. 前記制御工程は、前記3次元ウインドウの移動速度を検出し、該移動速度が前記制御工程による視点追従の速度を越えた場合には、該3次元ウインドウを2次元表示に切換える
    ことを特徴とする請求項26に記載の表示制御方法。
  32. 前記検出工程は、更に視点位置と画像表示面との距離を検出し、
    前記距離に基づいて3次元ウインドウの表示幅を制限する
    ことを特徴とする請求項26に記載の表示制御方法。
  33. 前記3次元ウインドウの表示幅の制限は、前記距離と観察者の眼間距離とに基づいてなされる
    ことを特徴とする請求項32に記載の表示制御方法。
  34. グラフィカルユーザインタフェースとして、前記3次元表示ウインドウを含むオブジェクトを表示する工程を更に備える
    ことを特徴とする請求項18に記載の表示制御方法。
  35. 請求項18乃至34のいずれかに記載の表示制御方法をコンピュータによって実現するための制御プログラムを格納する記憶媒体。
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