JP3554555B2 - サセプターの支持構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、サセプターのチャンバーへの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体製造用途等においては、例えば図6に示すように、セラミックヒーター2をチャンバー10の内側壁面へと取り付ける必要がある。このため、セラミックス板製の筒状の支持部材21の一端21aをセラミックヒーター2の接合面(背面)2bへと取り付け、この支持部材21の他端21cをチャンバー10の内側壁面10dへと取り付けることが行われている。支持部材21は、アルミナ、窒化アルミニウム等の耐熱性のセラミックスによって形成されている。支持部材21の内側空間6とチャンバー10の開口10aとを連通させる。支持部材21とチャンバー10との間はOリング20によって気密に封止する。これによって、支持部材21の内側空間6とチャンバー10の内部空間5との間を気密に封止し、チャンバー10の内部空間5内のガスがチャンバー10の外部へと漏れないようにする。セラミックサセプター2内には、例えば抵抗発熱体4が埋設されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
セラミックサセプター2の半導体ウエハー1の設置面(加熱面)2aの温度は、例えば400℃以上、時には600℃以上にも達する。一方、Oリング等のゴム製の封止部材20は高熱には耐えられず、その耐熱温度は通常200℃程度である。このため、チャンバー内に冷却フランジ8を設けることによって、Oリングの周辺を冷却し、Oリングの周辺の温度が200℃以下となるように調節することが好ましい。
【0004】
ところが、セラミックサセプター2の温度が上記のように高くなり、支持部材21の一端21aの温度が例えば400℃を超え、支持部材21の他端21cの温度を200℃以下に冷却したものとすると、支持部材の内部における温度勾配は200℃以上となる。
【0005】
支持部材のサセプターに対する接合強度を向上させるためには、およびガス穴や、端子および熱電対を通すための貫通孔を支持部材21の壁面の内部に設けるためには、支持部材21を肉厚にし、支持部材のサセプターに対する接合面積を増大させる必要がある。しかし、支持部材を肉厚にすると、前述のように支持部材に温度勾配があることから、支持部材を伝搬する熱伝導量が大きくなる。この結果、支持部材の接合部分21aの近辺からの熱伝導の増大によって、加熱面2aにコールドスポットが生ずる。このため、支持部材の本体部分は肉薄にし、支持部材のサセプター側端部に肉厚の拡張部分(フランジ部分)を設けることが有用である。
【0006】
しかし、支持部材の端部に肉厚のフランジ部分を設けると、サセプターを高温に加熱するときに、本体部分とフランジ部分との境界付近に集中する内部応力が過大になる傾向がある。このために、支持部材の破壊を避けるためには、サセプターにおける温度の上限に限界がある。
【0007】
本発明の課題は、被処理物を加熱するためのサセプターと、このサセプターに接合されており、内側空間が設けられている支持部材と、支持部材に接合されている開口が設けられたチャンバーとを備えており、チャンバーの開口と支持部材の内側空間とが連通しており、支持部材の内側空間がチャンバーの内部空間に対して気密に封止されている取付構造において、サセプターから支持部材中へと伝達される熱を抑制すると共に、サセプターを高温にしたときに支持部材に集中する応力を緩和することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、被処理物を加熱するためのサセプター、およびこのサセプターに接合されており、内側空間が設けられている支持部材、開口が設けられたチャンバーであって、該支持部材とこのチャンバーが接合されており、その開口が支持部材の内側空間と連通しているチャンバー、および、チャンバーの内部空間に対して気密に封止されている支持部材の内側空間、を備えている支持構造であって、前記支持部材が、さらに、筒状の本体部分を規定する第1の壁部と、前記支持部材の前記サセプター側の端部に設けられた拡径部を規定する第2の壁部と、前記支持部材の縦断面の外側輪郭において前記本体部分と前記拡径部との間に一つまたは複数の連続したアール部分とを備えており、前記第2の壁部の外表面の部分が前記第1の壁部の外表面の部分と平行であり、前記第1の壁部の半径方向の厚みが前記第2の壁部の半径方向の厚みより小さく、前記支持部材の内表面が前記支持部材の全長さに亘って均一な内径を有することを特徴とするものである。
【0009】
拡径部とは、本体部分に比べて外径が大きくなっている部分を指している。
【0010】
「本体部分と拡径部との間に一つのアール部分が設けられている」とは、本体部分と拡径部との間に、2つ以上のアール部分が設けられている場合を排除することを意図している。アール部の個数は曲率中心の数によって定まる。曲率中心が1つであれば、その曲率中心に対応するアール部も1つである。アール部が2つあれば、各アール部に対応して各曲率中心が存在する。
【0011】
また、本発明においては、本体部分と拡径部との間に、複数のアール部分が連続的に形成されている場合を含む。ここで、複数のアール部分とは、曲率中心の異なる複数のアール部分を意味する。また、複数のアール部分が連続しているとは、複数のアール部分の間に、直線状部、真直部分や段差などのアール部以外の形態を挟むことなしに、複数のアール部が連続的に形成されていることを意味する。この場合には、複数のアール部分の各曲率半径が異なっていても良いし、各曲率半径が同一であってもよい。
【0012】
むろん、拡径部とサセプターとの間に、別途アール部分を設けることは排除されない。
【0013】
図1−図3の実施形態を参照しつつ、本発明を更に説明する。
【0014】
筒状の支持部材7の一端には拡径部7aが設けられており、他端にも拡径部7cが設けられている。拡径部7aの接合面(端面)7eがサセプター2の接合面(背面)2bへと接合されている。支持部材7の他端の拡径部7cの端面7gがチャンバー10の内側壁面10dへと接合されている。支持部材7の内側空間6とチャンバー10の開口10aとが連通している。支持部材7とチャンバー10との間はOリング20によって気密に封止する。7dは支持部材7の縦断面の内側輪郭であり、7fは外側輪郭である。
【0015】
支持部材とサセプターとの接合方法は特に限定されず、例えばろう材によって接合でき、あるいは特開平8−73280号公報に記載のようにして固相接合または固液接合できる。サセプター2の加熱面2aの最高温度は、例えば400℃以上、時には600℃以上、1200℃以下に達する。
【0016】
チャンバー10の外側空間11、チャンバー10の開口10aおよび支持部材7の内側空間6が連通しており、チャンバー10の内部空間5とは隔離されている。チャンバー10内に冷却フランジ8を設けることによって、封止部材20の周辺を冷却し、封止部材20の周辺の温度が230℃以下となるように調節している。
【0017】
支持部材7は、筒状の本体部分7bと、サセプター側の拡径部7aと、チャンバー側の拡径部7cとを備えている。本発明は、本体部分7bから拡径部7aへと至る、支持部材7の縦断面の外側輪郭7fに関するものである。
【0018】
即ち、本例では、図2、3に示すように、本体部分の外側輪郭は略真直であり、拡径部7aの外側面16も略真直であり、支持部材7の中心軸Aに対して略平行である。支持部材7の外側輪郭を見ると、本体部分7bからサセプター2へと向かって、アール部分13(13A、13B)、真直部14、角15、拡径部7aの外側面16、アール部分17、サセプターの背面18が順に形成されている。なお、Rはアール部分13(13A、13B)の曲率半径であり、REはアール部分17の曲率半径である。
【0019】
本発明者は、前述した拡径部近辺における応力集中を緩和する構造を検討していく過程で、例えは図1−図3に示したような特定形態が特に有効であることを発見した。即ち、本体部分7bと拡径部7aとの間に一つのアール部分13(13A、13B)を設けた場合に、特に支持部材の内部応力が減少し、かつ支持部材7のチャンバー10側の端部7cの温度を最も低く抑制できることを見出した。
【0020】
本発明者は、他の複数の形態についても詳細に検討を加え、支持部材の内部応力のシミュレーションを行った。例えば、図5に示すような形態の支持部材7Aを検討した。この例では、本体部分7fと拡径部7aの外側面16との間に、第一のアール部分21、真直部22、角23、真直部24、第二のアール部分25、真直部26、角15が設けられている。R1、R2は、それぞれアール部分21、25の各曲率半径である。本発明者は、このように本体部分7fと拡径部7aとの間に複数のアール部分を設け、各アール部分の曲率半径を種々変更することで、支持部材の内部応力の低減を図った。しかし、実際のシミュレーション結果によると、本体部分7fと拡径部7aとの間に単一のアール部分を設けることによって、多数のアール部分を設けて応力を分散させた場合に比べて、支持部材における内部応力の最大値が著しく低下することを発見し、本発明に到達した。
【0021】
アール部分13の曲率半径は限定されないが、支持部材における内部応力を低減するという観点から、3mm以上とすることが好ましく、5mm以上とすることが更に好ましく、10mm以上とすることが一層好ましい。
【0022】
また、アール部分の曲率半径が大きくなると、支持部材を伝達される熱が多くなる傾向がある。例えは、図3においては、実線で示すアール部分13Aの曲率半径Rは相対的に小さく、点線で示すアール部分13Bの曲率半径Rは相対的に大きい。支持部材7における内部応力を低減するという観点からは、曲率半径が大きいアール部分13Bの方が好適である。しかし、アール部分の曲率半径が大きいと、それだけ支持部材の横断面の面積が大きくなり、支持部材の他端の拡径部7c(図1参照)近辺の温度が上昇する傾向がある。こうした支持部材のチャンバー側端部における温度を低減するという観点からは、アール部分13の曲率半径30mm以下が好ましく、25mm以下が更に好ましく、20mm以下が最も好ましい。アール部分13の曲率半径の最も好適な範囲は14−16mmである。
【0023】
本発明の好適な実施形態においては、例えば図3に示すように、支持部材7の縦断面の外側輪郭7fにおいて、拡径部7aと湾曲部分13A(13B)との間に、支持部材7の中心軸Aに対して交差する方向に延びる真直部14を設ける。この真直部14を設けることによって、拡径部7aの厚さを十分に大きくでき、あるいは、本体部分7bの厚さを十分に小さくできる。例えば図3において直線状部を設けないと、拡径部7aの厚さは著しく小さい設計になる。
【0024】
真直部14のAに対する傾斜角度θは限定されないが、上記の観点から、45−90度とすることが好ましい。
【0025】
また、好適な実施形態においては、支持部材7の縦断面の外側輪郭7fにおいて、拡径部7aとサセプター2の表面18との間に他のアール部分17が設けられている。
【0026】
この際、図2、3に示すように、他のアール部分17の少なくとも一部がサセプターに形成されていることが好ましい。言い換えると、サセプター2の表面18と接合面7eとの間に段差aが生じていることが好ましい。これによって、接合部分における応力集中を最大限緩和できる。
【0027】
本発明においては、図4に示すように、接合面7eとサセプター2の表面(露出面)18との間に段差が生じないようにすることもできる。ただし、この場合には、アール部分17Aを形成すると、アール部分17Aにおける支持部材の厚さが非常に小さくなり、かつ異形となる。このため、アール部分17Aの近辺に応力が集中し易くなり、あるいは剥離の起点となり易い。
【0028】
他のアール部分17、17Aの曲率半径REは、接合部分における応力を最小限とするという観点からは1mm以上が好ましく、2mm以上が更に好ましい。
【0029】
段差aは限定されないが、接合部分における応力を低減するという観点からは1mm以上が好ましい。
【0030】
好適な実施形態においては、拡径部7aの外側輪郭16が支持部材7の中心軸Aと略平行に延びる。外側輪郭または外側面16の長さbを大きくすることは、つまり拡径部7aの厚さを大きくすることを意味している。そして、bを大きくすることによって、拡径部の近辺における応力が一層減少することを発見した。この観点からは、bを2mm以上とすることが好ましく、5mm以上とすることが一層好ましい。
【0031】
しかし、bを大きくすると、今度は支持部材7を伝達してチャンバーの方へと逃げる熱が多くなり、支持部材のチャンバー側端部の温度が上昇し、規定温度(例えば200℃)を超える傾向がある。このため、bは10mm以下が特に好ましい。
【0032】
サセプター、支持部材の材質は限定されないが,好ましくはセラミックスである。ハロゲン系腐食性ガスに対して耐蝕性を有するセラミックスが好ましく、特に窒化アルミニウムまたは緻密質アルミナが好ましく、95%以上の相対密度を有する窒化アルミニウム質セラミックス、アルミナが一層好ましい。
【0033】
セラミックサセプターは何らかの加熱源によって加熱されるが、その加熱源は限定されず、外部の熱源(例えば赤外線ランプ)によって加熱されるサセプターと、内部の熱源(例えばサセプター内に埋設されたヒーター)によって加熱されるサセプターとの双方を含む。サセプター中には、抵抗発熱体、静電チャック用電極、プラズマ発生用電極などの機能性部品を埋設することができる。
【0034】
封止部材の材質は限定されないが、Oリングシールやメタルリングシールを例示できる。
【0035】
【実施例】
(本発明例1−5)
図1−図3を参照しつつ説明した本発明の取付構造を作製した。サセプター2としては、直径330mm、厚さ15mmの窒化アルミニウム焼結体製の円盤を使用した。支持部材7は、緻密質の窒化アルミニウム焼結体によって成形した。支持部材7とサセプター2とを、特開平8−73280号公報に記載のようにして固相接合した。支持部材7とチャンバー10との間は、ネジによって締めつけ固定した。Oリング12はフッ素ゴムからなる。
【0036】
支持部材7の全長は180mmとした。支持部材7の内径は38mmとし、本体部分7bの厚さは8mmとし、拡径部7aの厚さは8mmとした。アール部分17の曲率半径REは3mmとし、段差aは2mmとし、真直部分16の長さbは5mmとした。アール部分13の曲率半径Rは表1に示す。
【0037】
この状態で、サセプター2の設置面2aの温度を約600°に加熱したものという設定で、シュミレーションを行った。この状態で、支持部材7の内部応力をその全体にわたって計算し、最大応力を求めた。また、支持部材7のチャンバー側の端部7cの温度を求めた。
【0038】
【表1】
【0039】
(比較例1)
図5に示した比較例の構造を作製した。基本的には本発明例1と同様にしたが、ただしアール部分21、25、真直部分22、24、26、角23、15を設けた。アール部分21の曲率半径R1は5mmとし、R2を3mmとした。実験1と同様にして最大応力と支持部材7のチャンバー側の端部7cの温度を求めた。この結果、最大応力は3.2kgf/mm2であり、7cの温度は180℃であった。
【0040】
(本発明例6、7)
本発明例6においては、本発明例1と同様の構造を作製した。ただし、アール部分17の曲率半径REは3mmとし、段差aは2mmとし、真直部分16の長さbは5mmとし、アール部分13の曲率半径Rは15mmとした。この結果、最大応力2.6kgf/mm2であった。
【0041】
本発明例7においては、本発明例6において真直部分16を除いた。この結果、最大応力は2.7kgf/mm2であった。
【0042】
(本発明例8、9)
本発明例1と同様の構造を作製した。ただし、真直部分16の高さbを表2のように変更した。各構造について、最大応力と端部7cの温度とを算出した。
【0043】
【表2】
【0044】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、サセプターから支持部材中へと伝達される熱を抑制すると共に、サセプターを高温にしたときにも支持部材に集中する応力を緩和できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る取付構造の全体を概略的に示す断面図である。
【図2】図1の構造において、支持部材7とサセプター2との接合部分の拡大図である。
【図3】図2の一部を更に拡大して示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態に係る取付構造を示す断面図である。
【図5】本発明外の取付構造を示す断面図である。
【図6】本発明外の取付構造を示す断面図である。
【符号の説明】
2 サセプター 2a 設置面 2b、18 背面
5 チャンバーの内部空間 6 支持部材の内側空間 7、7A 支持部材 7a 拡径部 7b 本体部分 7c 拡径部(チャンバー側の端部) 7d 支持部材の内側輪郭(内側面)
7e、7g 接合面 7f 支持部材の外側輪郭(外側面)
8 冷却機構 10 チャンバー 10a 開口 10dチャンバーの内側面 13 本体部分7bと拡径部7aとの間のアール部分 14 アール部分13と拡径部との間の真直部分 16 拡径部の外側面(外側輪郭) 17 他のアール部分 20 封止部材 A 支持部材の中心軸 R アール部分13の曲率半径
RE アール部分17、17Aの曲率半径 O 曲率中心
Claims (6)
- 被処理物を加熱するためのサセプター、およびこのサセプターに接合されており、内側空間が設けられている支持部材、開口が設けられたチャンバーであって、該支持部材とこのチャンバーが接合されており、その開口が支持部材の内側空間と連通しているチャンバー、および、チャンバーの内部空間に対して気密に封止されている支持部材の内側空間、を備えている支持構造であって、前記支持部材が、さらに、筒状の本体部分を規定する第1の壁部と、前記支持部材の前記サセプター側の端部に設けられた拡径部を規定する第2の壁部と、前記支持部材の縦断面の外側輪郭において前記本体部分と前記拡径部との間に一つまたは複数の連続したアール部分とを備えており、前記第2の壁部の外表面の部分が前記第1の壁部の外表面の部分と平行であり、前記第1の壁部の半径方向の厚みが前記第2の壁部の半径方向の厚みより小さく、前記支持部材の内表面が前記支持部材の全長さに亘って均一な内径を有することを特徴とする、サセプターの支持構造。
- 前記アール部分の曲率半径が3mm以上、30mm以下であることを特徴とする、請求項1記載の構造。
- 前記支持部材の縦断面の外側輪郭において、前記拡径部と前記アール部分との間に、前記支持部材の中心軸に対して交差する方向に延びる真直部分が設けられていることを特徴とする、請求項1または2記載の構造。
- 前記支持部材の縦断面の外側輪郭において、前記拡径部と前記サセプターの表面との間に他のアール部分が設けられていることを特徴とする、請求項1−3のいずれか一つの請求項に記載の構造。
- 前記他のアール部分の少なくとも一部が前記サセプターに形成されていることを特徴とする、請求項4記載の構造。
- 前記サセプターまたは前記支持部材の材質がセラミックスであることを特徴とする、請求項1−5のいずれか一つの請求項に記載の構造。
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