JP3554877B2 - 電磁発音体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁石で振動板を振動させることにより音を発生させる電磁発音体に関するものであり、特に、振動板を振動板支持リングで支持するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の電磁発音体としては、図11に示す構造のものがあった。この電磁発音体は、リフロー半田等により回路基板の表面に実装される表面実装型のものであり、上ケース2と下ケース4を接合することにより形成される箱状のケース6内に、電磁石8、振動板支持リング10及び振動板12を収めたものであった。
【0003】
この電磁石8は、ヨーク14と、このヨーク14に取り付けられ且つケース6の外部に引き出された外部端子18、20に端末が接続されたコイル16と、その周囲に設けられた磁石22と、から構成されているものであった。また、振動板支持リング10は、磁石22の外側に配置されており、その外周面及び下面がケース6の内側壁とヨーク14にそれぞれ接着されることにより固定されているものであった。更に、振動板12は、振動板支持リング10の上にその外周部分が載置されることにより振動可能な状態で支持されているものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記構成からなる従来の電磁発音体においては、振動板支持リング10を接着する際に、接着剤が毛細管現象で振動板支持リング10とケース6との間の隙間内を上昇して振動板支持リング10の上面に達し、その上に載置される振動板12を振動板支持リング10及びケース6に固着してしまうことがあった。このように振動板12が固着されると、その振動が抑制されるため発生する音が小さくなってしまうという課題があった。このような毛細管現象による接着剤の上昇は、表面実装時のリフロー半田の熱により、振動板支持リング10を固定するための接着剤が溶解した場合にも起こることがあり、改善が望まれていた。
【0005】
また、上記課題を解決するために、振動板支持リング10とケース6の内側壁との間の隙間を広げると、ケース6を大型化したり、振動板支持リング10と共に振動板12の径を小さくしたり、あるいは振動板支持リング10の固定構造をより複雑なものに変更することが必要となり、回路基板への組み込み、音量又はコストの面で新たな課題が生じることが予想されるものであった。
【0006】
本発明は、上記従来例の課題に鑑みなされたもので、その目的は、構造上の変更を最小限に留めながら振動板支持リングの固着用接着剤の上昇を抑えることができる電磁発音体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の電磁発音体は、振動板支持リングで支持する振動板を電磁石で振動させることにより音を発生させる電磁発音体において、前記振動板支持リングの外周面に環状溝、凹凸、あるいは凹部又は凸部を設けたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の電磁発音体において、振動板を支持する振動板支持リングの外周面には、その外周に沿って形成された環状溝、ホーニング加工により形成された微細な凹凸、あるいは複数の凹部又は凸部が設けられている。この環状溝等を設けたことにより、振動板支持リングの固着用接着剤が毛細管現象により、振動板支持リングの外周面とケースの内側壁との間の隙間を上昇し始めたとしても、接着剤はこの環状溝等の中に溜まる等の作用によってその進行が止まり、振動板に達するまで上昇することがなくなる。
【0009】
【実施例】
図1は本発明の一実施例に係る電磁発音体の構造を示す断面図、図2はその振動板支持リングの拡大断面図、図3はその斜視図である。
【0010】
この電磁発音体は、基本的には前述した従来の電磁発音体と同一の構造を有するものである。即ち、本実施例の電磁発音体は、上ケース32と下ケース34を接合することにより形成される箱状のケース36と、その内部に収められた電磁石38、振動板支持リング40及び振動板42により構成されている。この電磁石38は、板状部44aとその中央に立設された棒状部44bからなるヨーク44と、その棒状部44bの外周に取り付けられ且つケース36の外部に引き出されている外部端子48、50に端末が接続されているコイル46と、このコイル46の外側に一定の間隔をあけてヨーク44の板状部44aに取り付けられたリング状又はC形状をなす磁石52と、から構成されている。
【0011】
一方、振動板支持リング40は金属、耐熱性を有するプラスチック等からなり、その外周面には、本発明の特徴である環状溝40aが設けられている。この環状溝40aは、振動板支持リング40の外周に沿って自動旋盤加工等を施すことにより形成されるものであり、本実施例においては、複数本の環状溝40aが高さ方向に並んで形成されている。この振動板支持リング40の内径及び外径は、磁石52の外側に一定の間隔をあけると共にケース36の内側壁に接着剤で固着することができるように設定されている。また、振動板42は、電磁石38に対向するように、この振動板支持リング40の上に外周部が載置されており、磁石52により吸引されることにより位置決めされている。
【0012】
上記構成からなる本実施例の電磁発音体においては、振動板支持リング40の外周下方の角部40bが当接するヨーク44の板状部44aの上面外周の全周あるいは下ケース34の内側壁の下方の全周に接着剤が塗布された後、振動板支持リング40が下ケース34内に組み込まれる。これにより、振動板支持リング40は、その下面がヨーク44の板状部44aに接着され、外周面が下ケース34の内側壁に接着される。その後、振動板42が振動板支持リング40の上に載置され、上ケース32が下ケース34に接合される。このように、振動板支持リング40が下ケース34に組み込まれるときと、上ケース32が下ケース34に接合されるとき等に、接着剤は毛細管現象により振動板支持リング40とケース36の間の隙間に広がる。しかしながら、本実施例においては、接着剤が環状溝40aの所に達するとここに溜まることになる。このため、接着剤の進行は止まり、接着剤が上昇して振動板42に達することはなくなる。また、リフロー半田の熱等により振動板支持リング40を固着するための接着剤が溶解した場合も同様に、溶解した接着剤は環状溝40aの所でその上昇が止まることになり、振動板42に達することはなくなる。
【0013】
上記のように、環状溝40aは、毛細管現象による接着剤の進行を止めるためのものであるため、その進行を停止させることができるように溝の幅を広くし、更に、図1に示すように複数本形成することが望ましい。
【0014】
また、環状溝40aの形状は、図2に示すように断面形状がV字形をなすものであっても良いし、この他、加工方法に応じて図4に示すようにコの字形、図5に示すようにU字形、図6に示すように下方も開口した段状をなすように形成したものであっても良い。更に、環状溝40aを形成する位置も、図2に示すように、外周の高さ方向の全域に形成しても良いし、また図7に示すように外周の上方に1本又は数本形成して振動板42の手前で確実に接着剤の上昇を阻止するようにしても良い。
【0015】
図8は図1に示す電磁発音体の振動板支持リング40の変更例を示す側面図である。この振動板支持リング40の外周面には、その全域に微細な凹凸40cが形成されており、いわゆる梨子地状の外周面となっている。この微細な凹凸40cは、ホーニング加工等により形成されている。このように振動板支持リング40の外周面に微細な凹凸40cを設けることにより、振動板支持リング40の外周面と接着剤との間の抵抗が増して、毛細管現象による接着剤の上昇を阻止することができる。尚、この凹凸40cは、比較的大きいものであっても接着剤の溜まりを形成することができるので、同様に接着剤の上昇を阻止することができる。また、この凹凸40cは、振動板支持リング40をプラスチックで形成した場合には、その成形時に形成することも可能である。
【0016】
図9及び図10は図1に示す電磁発音体の振動板支持リング40の他の変更例を示す断面図である。この振動板支持リング40の外周面には、その全域に複数の凹部40d又は凸部40eが形成されている。このように凹部40d又は凸部40eを形成することにより、毛細管現象で上昇する接着剤を凹部40d内又はケース36の内側壁と凸部40e周辺の面との間内に溜めることができ、接着剤の上昇を阻止することができる。
【0017】
【発明の効果】
本発明によれば、振動板支持リングの外周に環状溝等を設けているので、振動板支持リングの固着用接着剤が振動板支持リングとケースとの間の隙間内を上昇することを阻止することができ、上昇してきた接着剤で振動板が固着されることを防ぐことができる。このため、信頼性の高い電磁発音体を提供することができる。
【0018】
また、形状、大きさ、構造等の大幅な変更を必要としていないので、構造の変更に伴う新たな課題の発生やコストの増加をまねくことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電磁発音体の構造を示す断面図である。
【図2】図1に示す振動板支持リングの拡大断面図である。
【図3】図2に示す振動板支持リングの斜視図である。
【図4】図2に示す環状溝の他の断面形状を示す断面図である。
【図5】図2に示す環状溝の他の断面形状を示す断面図である。
【図6】図2に示す環状溝の他の断面形状を示す断面図である。
【図7】図2に示す環状溝の形成位置の他の例を示す断面図である。
【図8】図1に示す電磁発音体の振動板支持リングの変更例を示す側面図である。
【図9】図1に示す電磁発音体の振動板支持リングの他の変更例を示す断面図である。
【図10】図1に示す電磁発音体の振動板支持リングの他の変更例を示す断面図である。
【図11】従来の電磁発音体の構造を示す断面図である。
【符号の説明】
6、36 ケース
8、38 電磁石
10、40 振動板支持リング
12、42 振動板
40a 環状溝
40c 凹凸
40d 凹部
40d 凸部
Claims (5)
- 振動板支持リングで支持する振動板を電磁石で振動させることにより音を発生させる電磁発音体において、
前記振動板支持リングの外周面に環状溝を設けたことを特徴とする電磁発音体。 - 前記環状溝は複数設けられていることを特徴とする請求項1記載の電磁発音体。
- 振動板支持リングで支持する振動板を電磁石で振動させることにより音を発生させる電磁発音体において、
前記振動板支持リングの外周面の全面に凹凸を形成したことを特徴とする電磁発音体。 - 前記凹凸はホーニング加工により微細に形成されていることを特徴とする請求項3記載の電磁発音体。
- 振動板支持リングで支持する振動板を電磁石で振動させることにより音を発生させる電磁発音体において、
前記振動板支持リングの外周面の全面に複数の凹部又は凸部を形成したことを特徴とする電磁発音体。
Priority Applications (1)
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| JP35369696A JP3554877B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 電磁発音体 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP35369696A JP3554877B2 (ja) | 1996-12-17 | 1996-12-17 | 電磁発音体 |
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1996
- 1996-12-17 JP JP35369696A patent/JP3554877B2/ja not_active Expired - Fee Related
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