JP3554967B2 - 油受皿の排出口具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘度のどろっとした粘性流体の一種である油が作業位置から飛散,滴下した場合、この油を受ける受皿の排出口に装着される排出口具に関する。特に、潤滑油,切削油として油を利用する工作機械に使用される油受皿の排出口具を対象とする。
【0002】
【従来の技術】
潤滑油,切削油等の各種の油を利用する機械は、多岐にわたって使用されている。例えば、旋盤,ボール盤等の工作機械、揚げ物等の食用油を扱う調理器、浮遊油を集める換気扇、その他の各種産業機械等である。これらの機械において、作業位置等から飛散,滴下等する油を受ける受皿が、薄板によって形成され、機械1台に対してひとつと限定せずに適宜数設けられている。そして、受皿上に溜まった油を除去する手段としては、単孔を明けて排出口とし、下方の容器へ排出する場合、または、この排出口の下側に短パイプを溶接してホース等を接続して流出させる場合がある。また、油と同程度の粘度のどろっとした他の粘性流体であれば、上記と同様にその受皿及び排出口を設けて利用している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の孔を明けただけの排出口では、直下に容器等を配置させる必要があるため、受皿の下方の利用空間を狭くしてしまう。短パイプを排出口の下側に溶接した場合、ホース等の接続によって広く空間を使用できる。しかし、この排出口の位置は、通常、機械の製造時から決められており、工作機械等の使用方法、設置場所等が変更になったときに柔軟に対応できないという問題がある。特に、工作機械では、多様な工作物に対応して作業内容を変更しうる融通性に富むことが具備すべき性能の一つであるが、排出口の位置を適宜変更できないとこの融通性を阻害することとなる。また、単に短パイプを溶接した場合、粘性のある油は、表面張力の影響もあって排出口付近に滞留し、そこに切り屑等のごみが溜まって汚れひどくなり、短パイプも含めて掃除が必要となっても、随時簡単に掃除できない。さらに、パイプ溶接も油受皿が薄板であるために、作業難易度が高くなり高コストとなってしまう問題もある。また、油と同程度の粘度のどろっとした他の粘性流体が使用される場合においても、上記と同様にその受皿及び排出口に関して同じ問題を有している。
本発明は、上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、受皿の任意位置に孔さえ明ければ簡単に排出口として設置でき、使用中何時でも簡単に分解して受皿の排出口付近を掃除でき、簡単に再組立できる安価な排出口具を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1に係る排出口具は、
本体が外周におねじ部を有する中空材であり、前記おねじ部の外径が油受皿の孔への挿入可能に選択され、中空部分が上流路であり、前記本体の上端部がフランジ状であり、前記上端部の中央の流路口が前記上流路の上端となる上支持部材と、
本体が内周の一部にめねじ部を有する中空材であり、前記めねじ部が前記上支持部材のおねじ部とねじ結合し、中空部分が下流路であって前記上流路と連通又は一体となり、前記本体の上面が油受皿の下面に接して、前記ねじ結合時に、前記上端部とによって油受皿を挟持し、前記本体上面が前記めねじ部の外側円周部分にパッキン座面を有し、前記本体の下端部が落流路として前記下流路と連通する下支持部材と、
前記パッキン座面に収納されるパッキン部材とで、構成される油受皿の排出口具において、
(イ)上記油受皿が工作機械用であり、上記油受皿の孔が任意位置に明けられ可能であり、使用しない他の孔が塞がれること、
(ロ)上記上支持部材のフランジ状の上端部は、下面が上記油受皿の上面に接する状態に て、切り屑と油を前記油受皿の孔付近に溜め、かつ上記上支持部材と下支持部材とのねじ結合を工具又は手指にて分解・組立可能とすること、
(ハ)導入路が、上記流路口に連通しかつ前記油受面の上面と面一又は低い位置であって、前記上端部の半径方向に設けられ、前記油受皿の孔付近の油を前記流路口へ導く、構成である。
【0005】
【発明の実施の形態】
請求項1に対応する第1実施形態の排出口具を詳細に説明する。図1に示す第1実施形態の排出口具は、主として上支持部材1と下支持部材2とパッキン3とで構成されている。
【0006】
上支持部材1は、本体4が外周におねじ部5を有する中空材であり、おねじ部5の外径が油受皿30に明けた孔31への挿入に適した数値に選択される。本体4の中空部分は上流路6として形成されている。本体4の上端部7はフランジ状であり、上端部7の下面が油受皿30の上面32に接するように形成される。図2Aに示すように、上端部7の中央の流路口8が上流路6の上端となっている。また、上端部7の半径方向には、流路口8に連通しかつ、油受皿30の上面32と面一又は低い位置に導入路9を設けている。導入路9はマイナスドライバ(ねじ回し)が係合できる一文字溝に形成される。この溝形状は一文字状に限定されることなく、プラスドライバ用の十字形溝でも、数本の放射状溝等の半径方向の溝形状及び配置が採用される。溝の寸法は、ドライバのJIS B 4609(ねじ回し),4633(十字ねじ回し)を参考とする。上支持部材1の材料としては、汎用性及び加工性等から金属及び合成樹脂を使用する。金属であれば、適宜熱処理、表面処理を施す。以下に説明する下支持部材2についても同様である。
【0007】
下支持部材2は、本体10が内周の一部にめねじ部11を有する中空材であり、めねじ部11が上支持部材1のおねじ部5とねじ結合する。本体10の中空部分は下流路12であり、めねじ部11とおねじ部5とのねじ結合によって上流路6と連通又は一体となる。ここで、ねじ結合部分における油漏れは流路一体のために問題とならないので、粗い精度にてねじ加工が可能であり、安価に製造可能となる。本体10の上面は、油受皿30の下面33に接して、ねじ結合時に、上支持部材1の上端部7とともに油受皿30を挟持して、孔31に固定設置される。また、めねじ部11の外側円周部分にパッキン座面13が設けられる。このパッキン座面13の寸法等は、例えばパッキン3がOリングであれば日本工業規格(JIS)のOリング取付溝部の形状・寸法(JIS B 2406)に準拠する。本体10の下端部は、落流路14としての短パイプが圧入,接着剤又は溶接によって結合され(漏れ防止処置済み)、下流路12と連通する。本体10の外周は四角柱又は六角柱であり、二面幅がスパナ等の工具に合った寸法に形成され、スパナ等の工具によって簡単に回転止めと仮固定ができる。請求項1に対応する他の実施形態としては、六角柱に限定されることなくローレット目(JIS B 0951)等の粗面仕上げすることで、手指によって回転止め又は手動できる構成でもよい。落流路14の先端部分はホース等との接続を確実にするため多少太めとしている。なお、落流路14は短パイプであるが、これに限定されることなく、各種ホース類(JIS K 6343送油用ゴムホース等)との接続を可能とする各種形状の継手,結合具を採用することもできる。
【0008】
パッキン3は下支持部材2のパッキン座面13に収納されて、油受皿30の孔31からの油が、油受皿30の下面33と本体10の上面との間からの漏れるのを防止する。パッキン3としては、Oリング(JIS B 2401),Vパッキン(JIS B 2403),Uパッキン等の各種シール材が適宜選択使用される。なお、上支持部材1と下支持部材2との間のねじ結合面の漏れについては、ねじ面の適度な潤滑となり、最終的に落流路14に油が流下するので、問題とならない。
【0009】
次に、上述した排出口具の設置・分解の取扱いについて説明する。
油受皿30の排出口を設置すべき任意位置において、上支持部材1の本体4のおねじ部5外径に合う口径に孔31が明けられる。不要となった他の孔31は板材等にて塞ぐこととなる。下支持部材2のパッキン座面13にパッキン3を入れて孔31の下側に配置し、上方から上支持部材1のおねじ部5をめねじ部11へねじ結合させる。このとき上支持部材1はマイナスドライバを導入路9に係合させれば簡単にねじ込みでき、下支持部材2はスパナ等によって本体10外周を回転止めとして仮固定される。このねじ結合が完了すると、上,下支持部材1,2が油受皿30を挟持して固定される。そして、落流路14へホース等を接続すれば、排出口具の設置が完了する。排出口付近に溜まった切り屑等のごみを取り除く場合、前述した組み付けのねじ結合を緩め、上,下支持部材1,2を分解取り外し、孔31付近を掃除して再度組み付ければ、短時間で簡単に終了する。
【0010】
また、この排出口具の作用について説明する。
油受皿30に設置された排出口具の周囲に粘性のため溜まった油は、油受皿30の上面32と面一又は低い位置の導入路9によって、導かれるように表面張力を逃して流れ始め、流路口8、上,下流路6,12そして落流路14へと導かれて排出される。他方、油受皿30の下面33と下支持部材2との間のは、パッキン3によって完全にシールされるので漏れは防止される。
【0011】
請求項1に対応する第2実施形態は、前記第1実施形態に対して上支持部材41の上端部42の外周が四角柱又は六角柱であり、他の構成が同じである。図2Bでは、六角柱の上端部42を示しており、スパナ(JIS B 4630等),ソケットレンチ(JIS B 4636等)等の各種工具を使って締め付けることができる。上,下支持部材1,2のねじ結合に対して多種類の工具を使用できるので、設置・分解の取扱いに汎用性が備わる。図2Bに示す第2実施形態では、導入路9でもマイナスドライバを併用可能としている。なお、請求項1に対応する他の実施形態としては、上端部42の外周が六角柱に限定されることなく、ローレット目等の粗面仕上げすることで、手指によって手動できる構成でもよい。また、請求項1に対応する他の実施形態としては、上端部7の流路口8の内周を六角形として、六角棒スパナ(JIS B 4648)が使用できる構成もある。
【0012】
請求項1に対応する第3実施形態は、図3に示すように、上述第1実施形態に対して、上支持部材51の回転締付作業に工具を用いることなく、手指にて手動回転できるように、上端部52に手指にて摘める大きさのつみ手部53が形成される構成であり、他の構成は同じである。このつみ手部53はちょうボルト(JIS B 1184)、ちょうナット(JIS B 1185)と類似形状であり、他のつみ手形状としてはアイボルト(JIS B 1168)のごとき環状等の種々の形状を採用できる。上,下支持部材1,2のねじ結合に対して、工具を必要としないので、設置・分解の取扱いが容易簡単になる。
【0013】
請求項1に対応する第4実施形態は、図示を省略するが、上述した第1乃至第3実施形態に対して、下端部である落流路14が各種管継手となって、各種管材に着脱自在に接続できる構成であり、他の構成は第1実施例等と同じである。例えば、管継手には、管の種類に応じてねじ込み式管継手、メカニカル式管継手等がある(機械工学便覧,B1編機械要素設計・トライボロジ,第3章機械要素,配管要素,管継手)。このように各種の管材に容易に接続可能となるため、排出口具の汎用性が広がる。なお、油と同程度の粘度のどろっとした他の粘性流体が使用される場合においても、上述と同様な実施形態を採用して同じ問題を解決できる。
【0014】
【実施例】
実施例1として主要部寸法を以下に示す。
受皿板厚0.9〜1.2mm、孔径約10.5mm、
上支持部材:おねじ部M10、上端部直径15mm,厚さ2.5mm、導入路幅3mm、
下支持部材:めねじ部M10、外周二面幅17mm,落流路外径6mmパイプ
【0015】
実施例2として主要部寸法を以下に示す。
受皿板厚0.9〜1.2mm、孔径約12.5mm、
上支持部材:おねじ部M12、上端部直径16mm,厚さ2.5mm、導入路幅4mm、
下支持部材:めねじ部M12、外周二面幅19mm,落流路外径6mmパイプ
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る排出口具であれば、受皿の任意位置に孔さえ明ければ簡単に排出口を設置でき、使用中何時でも簡単に分解して受皿の排出口付近を掃除でき、簡単に再組立でき、かつ安価に製造可能である。また、各種工具が使用できて取扱いに汎用性が備わり、手指による手動力にて設置、分解、再組付けが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の排出口具の断面図である。
【図2】Aは第1実施形態の上支持部材の平面図であり、Bは第2実施形態の上支持部材の平面図である。
【図3】第3実施形態の上支持部材の正面図である。
【符号の説明】
1,41,51 上支持部材 4 本体 5 おねじ部 6 上流路 7,42,52 上端部 8 流路口 9 導入路 53 つみ手部
2 下支持部材 10 本体 11 めねじ部 12 下流路 13 パッキン座面 14 落流路 3 パッキン
Claims (1)
- 本体が外周におねじ部を有する中空材であり、前記おねじ部の外径が油受皿の孔への挿入可能に選択され、中空部分が上流路であり、前記本体の上端部がフランジ状であり、前記上端部の中央の流路口が前記上流路の上端となる上支持部材と、
本体が内周の一部にめねじ部を有する中空材であり、前記めねじ部が前記上支持部材のおねじ部とねじ結合し、中空部分が下流路であって前記上流路と連通又は一体となり、前記本体の上面が油受皿の下面に接して、前記ねじ結合時に、前記上端部とによって油受皿を挟持し、前記本体上面が前記めねじ部の外側円周部分にパッキン座面を有し、前記本体の下端部が落流路として前記下流路と連通する下支持部材と、
前記パッキン座面に収納されるパッキン部材とで、構成される油受皿の排出口具において、
(イ)上記油受皿が工作機械用であり、上記油受皿の孔が任意位置に明けられ可能であり、使用しない他の孔が塞がれること、
(ロ)上記上支持部材のフランジ状の上端部は、下面が上記油受皿の上面に接する状態にて、切り屑と油を前記油受皿の孔付近に溜め、かつ上記上支持部材と下支持部材とのねじ結合を工具又は手指にて分解・組立可能とすること、
(ハ)導入路が、上記流路口に連通しかつ前記油受面の上面と面一又は低い位置であって、前記上端部の半径方向に設けられ、前記油受皿の孔付近の油を前記流路口へ導くこと、を特徴とする油受皿の排出口具。
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