JP3556487B2 - カプラ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気音響的に変換されたデータについて、電話機の送受器(受話器)を接続手段に用い、電話回線を介して情報の送受を行う音響カプラの働きを備えたカプラ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このようなカプラ装置は、電話機の送受器と音響的に接続させるものであるから、周囲の騒音の影響を受け難くするために、その送受器との結合は確実且つ良好に行わなければならない。ところが、電話機の送受器の形態は多種多様であるので、各々の形態に合わせて調節し、結合できるカプラ装置の構成とする必要がある。そこで、従来より、様々な構成の音響カプラ構造が提案されてきている。
【0003】
図14は、いわゆる携帯端末装置に設けられた従来の音響カプラ構造の一例を模式的に示す図である。同図において、51はアーム部、52はスライド板、53はマイク53aを内包する支持体、54はトーションスプリング、55はスピーカー、56はロック爪、57は携帯端末装置の本体、58は電話機の送受器である。そして、同図(a)は収納時の状態、(b)は使用時の状態を示している。いずれの図にも送受器58との配置関係を比較するように描かれている。
【0004】
同図(a)の収納時から同図(b)の使用時の状態にセットするために、支持体53を手動で図の左方に移動させ、本体57から突出させてロック爪56を解除すると、トーションスプリング54の働きにより、アーム部51及び支持体53が回転軸51aを中心にホップアップする。そして、使用する送受器58の受話口58aと送話口58b間のピッチに合わせて、スライド板52を調節して図の左右に移動させ、支持体53を受話口58aに当接させるとともに、送話口58bをスピーカー55の上側にかぶせるように設置し、近接接続させる。
【0005】
このとき、アーム部51及び支持体53は弾性部材により形成されているので、適度に湾曲するとともに、受話口58aに支持体53が適度な圧力で密着し、外部からの騒音の影響が軽減される。尚、スピーカー55は本体57の所定の位置に固定されている。この場合、送話口58bと密着する構造にはなっていないが、これは、本来送話側は外部からの騒音の影響を受ける事が少ないからである。最後に、送信或いは受信が終了すると、スライド板52を図の右方に移動させるとともに、ロック爪56によりアーム部51及び支持体53を本体57に固定させ、同図(a)の収納時の状態にする。
【0006】
また、他の例として、実開昭59−178727号公報に記載されている如く、送信用音響カプラを取り付けた本体に対して、受信用音響カプラを備えた受信ユニットを着脱自在に取り付けて成るデータ端末装置が開示されている。或いは、特開昭62−200951号公報に記載されている如く、導電性を持つ伸縮自在のロッドの両端に電気音響変換装置を支持し、これを送受話器に圧接させる構成の音響カプラが開示されている。さらには、実公平3−6055公報に記載されている如く、送話口受け部と受話口受け部とを板バネで接続するとともに、これらを送受器に合わせられるように任意のところで固定できる構成の音響カプラの送受器受け装置が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記図14に示したような構成では、使用時の状態にセットする度毎に、使用する送受器58の受話口58aと送話口58bのピッチに合わせて、受話口受け部である支持体53と送話口受け部であるスピーカー55間のピッチを調整しなくてはならない。通常は、使用する送受器が公衆電話或いは使用者自身が持つ携帯電話のように限定される場合が多いが、その場合でも逐一ピッチ調整をしなければならない事を考えると、非常に不便である。一度ピッチを調整すれば送受器の形状が変わらない限り使用できる事が望ましい。
【0008】
また、同図のアーム部51及び支持体53が弾性部材で形成されているため、使用時の湾曲状態がそのまま維持されて、いわゆる癖が付く事があり、そうなると本体57への収納が非常にやり難くなるとともに、収納状態において本体57よりはみ出してしまう事となる。また、上記各公報に記載されているような構成においても、同様にして操作性或いは収納性等の面で、まだまだ改善する必要がある。
【0009】
さらに、近年普及しつつある、電子メールを作成して送受信するための携帯端末装置は、本来の業務場所以外においても容易且つ簡便に使用できる事を目的として作られ、持ち運びが容易なコンパクト性、使用時の機器操作の簡便さ、セッティングの確実性及び信頼性の確保、不使用時の送受部(ここでは音響カプラ部分)の性能維持が要求される。ところが、このような携帯端末装置は、通常、他の事務用品や書類と混在して鞄等に入れられ、一緒に持ち運ばれる事が多く、持ち運び時には装置が他の物と接触する事に加えて、ひどい場合には他の硬質な事務用品等との衝突も生じる事等、装置へのダメージを与える要因は非常に多い。
【0010】
特に、上記送受信部が破損した場合は致命的であり、携帯端末装置本来の機能が損なわれてしまう。また、このような携帯端末装置は、送受手段として公衆電話や出先に備えられた電話の送受器(受話器)或いは携帯電話等を媒体とする必要があるが、最近の電話は、機能はもとよりファッション性も加味され、多種多様なものが存在し、送受の接点である送話口,受話口のピッチや形状も様々であるため、それらに適切に対応できる構造が要求される。そのためには、特に携帯端末装置側の送受の接点となる音響カプラ構造が大きな要素となる。さらに、音響カプラ部分が外観面に露出されず、ダメージを受けにくい構造である事も、非常に重要な要素である。
【0011】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、多種多様の形状を持つ電話機の送受器に対して、柔軟且つ容易に対応する事ができるとともに、その送受器の形状に合わせるための調節の回数を極力少なくする事ができ、また外力によるダメージを受けにくいカプラ装置を提供する事を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、電話機の送受器を介してデータを送受するための受話口受け部及び送話口受け部を備えたカプラ装置において、前記受話口受け部は、マイクを内包するマイクケースと、そのマイクケースを支持するアーム部とを有し、そのマイクケース及びそのアーム部は、コイルバネの両端に設けたフックにそれぞれ係合し、そのコイルバネにより連結される構成とする。
【0013】
そして、前記マイクより延びるリード線は、前記コイルバネの内径空間を挿通して前記マイクケースから前記アーム部へと布設される構成とする。
【0014】
また、前記マイクケースの周囲に、前記送受器の受話口と密着するマイクゴムを嵌合させた構成とする。さらに、前記マイクゴムの内部に空間を設けた構成とする。
【0015】
また、前記受話口受け部を収納する収納部を設け、使用時にはその受話口受け部がその収納部よりホップアップする構成とする。さらに、前記収納部に、前記受話口受け部の収納時に前記マイクケースと当接する突起部を設けた構成とする。
【0016】
また、前記送話口受け部は、前記受話口受け部との間のピッチを調節するようにスライド動作可能である構成とする。さらに、前記送話口受け部のスライド動作に追従し、装置本体内部と外部とを遮断する、単数の、或いはそのスライド動作方向の長さの異なる互いに重畳された複数のシート部材を設けた構成とする。そして、前記シート部材のスライド動作方向の前後両端に、折曲げ部を形成した構成とする。また、前記シート部材は樹脂材料より成る構成とする。
【0017】
また、前記送話口受け部の表面を凹形状とした構成とする。さらに、前記送話口受け部の表面に突起を設けた構成とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1〜図5は、本発明の一実施形態の外観構成を示す斜視図であり、カプラ装置を備えた携帯端末装置の一例を表している。
【0019】
図1は、本体10が閉じた状態の外観を示す斜視図である。同図において、B,Cはそれぞれ厚板状のハウジングであり、ここでは略円柱状のヒンジ部Aを介して互いに閉じた状態となっている。ハウジングBの外側面には、作成されたデータの送信或いは受信操作を行う送信キー1と、送信或いは受信状態を端から順次点灯或いは消灯する事により表示するインジケータ2が設けられている。
【0020】
図2は、本体10が開いた状態の外観を示す斜視図である。同図に示すように、ハウジングB,Cはヒンジ部Aを介して互いに開いた状態となっている。ハウジングBの内側面には、入力,変換された文字や数値等を表示する、液晶パネル等より成る表示部3が設けられており、ハウジングCの内側面には、文字等を入力,変換する入力キー4が設けられている。また、ハウジングB,Cの側辺にそれぞれ設けられたフックb,cが互いに係合する事により、ハウジングが閉じた状態から容易に開かないようになっている。
【0021】
図3は、本体10が閉じた状態の外観を示す斜視図で、図1とは反対側の面を示すものである。同図に示すように、ハウジングCの外側面には、データ受信時に電話機の送受器(ここでは図示せず)の受話口と密着接続を行うための受話口受け部5、データ受信時に送話口と近接接続させる送話口受け部6、及び受話口受け部5をホップアップするためのホップアップノブ7が設けてある。受話口受け部5は、ハウジングCに収納された状態を描いてある。
【0022】
さらに、電話機の送受器の受話口と送話口間のピッチに合わせて、受話口受け部5と送話口受け部6間のピッチを調節するために、送話口受け部6を本体10の長手方向にスライドさせる事が可能である。ここで、受話口受け部5の収納時及び送話口受け部6においては、露出部は硬質の樹脂材料のみであるので、持ち運び時等に外部からのダメージを受けにくい構成となっている。これらによるカプラ装置の構成について、詳しくは後述する。
【0023】
図4は、受話口受け部5がホップアップした状態を示す斜視図である。ホップアップノブ7を受話口受け部5側へと操作すると、同図に示すように、受話口受け部5は、本体10の端部付近周りに回動し、受話口と当接する面を上に向けつつ、送話口受け部6から離れる方向に、本体10端部から突出するようにホップアップする。これにより、ここでは図示しない電話機の送受器をセットする事が可能な状態となる。尚、上記カプラ装置及び送信キー1,インジケータ2の本体10における配置関係については、本実施形態の構成に限定されるものではない。また、携帯端末装置の構成についても、本実施形態で示したものに限定されない。例えばいわゆるノート型パソコン或いはデスクトップ型パソコン等を含む、通信機能を備えた端末装置全般に本実施形態のカプラ装置を搭載する場合も含まれる。
【0024】
図5は、本体10に電話機の送受器8をセットした状態を示す斜視図である。同図に示すように、受話口受け部5は、送受器8の受話口8aと密着接続されており、ここでは見えない送話口受け部6は、送受器8の送話口8bと近接接続されている。データ送受操作をする場合は、同図の状態を保つために、例えば送受器8と本体10とを片手で同時に掴み、もう一方の手で反対側の面にある、図1に示す送信キー1を押し下げる。このとき、インジケータ2による送受完了の表示が終われば、データの送受が完了した事になる。送受が完了すれば、送受器8を電話機本体(不図示)に戻し、受話口受け部5を手動により図3のように収納させれば良い。ここで、送受されるデータとは、コマンド等をも含む情報全般を意味するものとする。
【0025】
図6は、上記受話口受け部5の組立状態を示す縦断面図であり、図7はその収納状態を示す縦断面図である。また、図8は受話口受け部5の部品構成を示す分解斜視図である。
【0026】
図6或いは図8において、11は上記受話口との接点部品である略リング状のマイクゴム、12はマイクゴム11の内周で嵌合する略円板状のマイクケース、15はマイクケース12の下面に組み合わされる、これも略円板状のマイクケースである。マイクケース15の上面中央部には、上方に延びる略円筒状のケーシング15aが設けられており、その内部に略円柱状のマイク14がはめ込まれる。尚、マイク14から延びるリード線16は、ケーシング15aの切り欠き部15bより外部へと取り出され、コイルバネ17の内部を挿通する。ここでのリード線16は、外部からのノイズを拾わないよう、シールド線となっている。
【0027】
マイク14の上面には、これを保護する略円板状のマイクフィルター13が設けられ、これらがマイクケース12,15の間に挟み込まれて取り付けられる。このとき、コイルバネ17の一端に設けられたフック17aがマイクケース15のケーシング15a外周に嵌合して取り付けられ、このコイルバネ17もマイクケース12,15の間に挟み込まれる。最後にマイクケース12がマイクケース15に、ビス25により締め付け,固定される。マイク14は、マイクケース12の中心部に設けられた孔12aを通して音声をキャッチする。
【0028】
マイクゴム11は、上述したように受話口との接点部品であり、データを正確且つ確実に伝達するために非常に重要な部品であるので、柔軟性があって経年変化によっては変質する事の無い材料である、例えばウレタンゴムやシリコンゴム等の、金型による加工が容易なものを使用する。また、マイクゴム11は、マイクケース12に自在に嵌合させる事ができるとともに、その破損時には容易に取り外して交換する事ができるように、図6に示すように、マイクケース15にマイクケース12が組み合わされたときに周囲に形成される凹溝15cに、マイクゴム11の下部内周部を嵌合させて固定される構造となっている。
【0029】
このとき、マイクゴム11上部の全周には、マイクケース12との間に内部空間11aが形成されており、これによりマイクゴム11の柔軟性が増し、受話口との密着性も助長される。さらに、図7に示すように、本実施形態ではハウジングCを形成する底キャビネット22の収納部Dに突起部27を設け、受話口受け部5が本体10に収納されたときに、マイクケース12に突起部27を当接させる構成とする事により、マイクゴム11が底キャビネット22に接触しないようにしている。これにより、収納状態が長く保たれた場合でも、マイクゴム11が変形してしまうのを防止する事ができる。
【0030】
再び図6或いは図8において、20及び21は、底キャビネット22側に取り付けられる略厚板状のアーム部であり、アーム部21の一端に設けられた一対の固定部21aには、それぞれ一対のフリップスプリング18がはめ込まれ、これらがアーム部20,21の間により上下から挟み込まれて取り付けられ、固定される。
【0031】
このとき、コイルバネ17の他端に設けられたフック17bが、アーム部21の一対の固定部21aの間より上方に延びる略円柱状の突起21b外周に嵌合して取り付けられ、このコイルバネ17もアーム部20,21の間に挟み込まれる。コイルバネ17の内部を挿通しているリード線16は、一方のフリップスプリング18を挿通して外部へと取り出され、底キャビネット22内部へと導かれる。最後に、アーム部20がアーム部21に、ビス26により締め付け,固定される。
【0032】
図8に示すように、フリップスプリング18の各々の一端より、略角柱状の突起18aが延びており、これが底キャビネット22の端部にある収納部Dの左右に形成された角穴22aにそれぞれ挿入,嵌合される事により、フリップスプリング18は、受話口受け部5の回転軸としての機能を持つ。このフリップスプリング18は、その本体と突起18aとを外力により相対的に回転させる場合、所定の角度までの回転量の時は弾性力により元に戻ろうとするが、所定の角度を超えると今度は弾性力により更に一定の角度だけ回転しようとする構造を持った市販部品(加藤スプリング社製)であり、近年は携帯電話の蓋部に多用されているものである。
【0033】
また、図5に示したような送受器8の受話口8aと受話口受け部5の位置関係を確実に保つために、受話口に対する大きな摩擦抵抗となって滑りを防止する滑り止めゴム19が、アーム部20上面に貼り付けられる。これにより、ビス26を覆い隠す事ができるので、見栄えが良くなるとともに、使用者が安易に分解する事ができなくなるので、装置の機能保持のためにも有効となる。
【0034】
また、図8に示すように、底キャビネット22の裏面に摺動自在に嵌合し、受話口受け部5をホップアップさせる働きを持つアーム23が設けられている。これは、上記ホップアップノブ7に連通していて略U字状をしており、その遊離端にある作用点23aがホップアップノブ7の操作により受話口受け部5に作用し、これをホップアップさせるものである。アーム23が取り付けられた状態において、ホップアップノブ7は底キャビネット22表面に設けられた逃げ穴22bより外部に突出した状態となっている。
【0035】
ところで、上記マイクケース12,15,及びアーム部20,21は、熱可塑性の樹脂で成形されるものである。また、コイルバネ17の両端に成形されているフック17a,17bは、受話口受け部5が自在に回転する事を防止するために有効な形状となっている。一方でコイルバネ17は、受話口受け部5が柔軟且つフレキシブルに湾曲して動く事ができるようにする働きを持つとともに、上述のように、そのコイルバネ17の内径空間に、信号伝達のための送信部材としての導電線であるリード線16を通す事ができ、その保護が可能であるとともに線処理が非常に容易となるので、これにより信頼性の高い小型の機器を提供する事が可能となる。
【0036】
図9は、受話口受け部5がホップアップするメカニズムの説明図である。同図の(a)はその平面図、(b)は側面図である。同図に示すように、本実施形態におけるカプラ装置不使用時は、通常、受話口受け部5は底キャビネット22に収納された状態であり、ホップアップノブ7及びそれに連通するアーム23は、スプリング24に付勢されて通常は図の右方にスライドしており、その作用点23aはアーム部21と接していない状態である。使用時にはホップアップノブ7を図の左方に移動させると、アーム23も図の矢印で示すように左方にスライドし、作用点23aがアーム部21に接触する。
【0037】
さらに、作用点23aを成す斜面の働きにより、同図(b)に破線で示すアーム部20,21が持ち上がり、引いては受話口受け部5がフリップスプリング18を回転軸(フリップヒンジ)として、図の左回りに回転する。本実施形態の場合、受話口受け部5が底キャビネット22に対して約15度開いたときに、フリップスプリング18の特性より、更に自動的に120度回転し、即ち受話口受け部5が底キャビネット22に対して135度まで開くようになっている。
【0038】
さらに、図示しない受話口をセットしたときの負荷により、実線で示すように最高180度まで開く事が可能である。このときはフリップスプリング18の特性により、逆に右回転する付勢力が働く。収納時には受話口受け部5を、底キャビネット22に対して約15度以内になるように、手動で戻してやると、同図(a)に示す収納時の状態となる。
【0039】
ここでのフリップスプリングの特性としては、フリップスプリング自体の定常状態から外力により回転させる時に、自動的にさらなる回転をするに至るまでに必要な所定の回転角度は、実際は約30度であり、30−15=15度だけ同図(b)における収納状態より更に右回転する余力がある。これにより、収納時には受話口受け部5が付勢された状態で浮き上がりを防止しつつ底キャビネット22に当接,固定される。尚、フリップスプリングの所定の回転角度については、本実施形態に限定されるわけではなく、その特性を選択する事や、底キャビネット22或いはアーム部21に取り付ける際の相対的な角度を調節する事により、変更する事が可能である。
【0040】
さらに、このようなフリップスプリングを使用する構成に限定されるものではなく、例えば受話口受け部5を常にホップアップする方向に付勢しておき、収納時には何らかの係合部が働いてこれを保持し、使用時にはその係合を解除する事により、ホップアップさせてスタンバイするというような、オーソドックスな構成とする事も勿論可能である。また、受話口受け部5を直接手で持ち上げて起こすといった、単純な方法を用いる構成でも良い。
【0041】
図10は送話口受け部6とその周辺の部品構成を示す分解斜視図である。同図に示すように、図5に示したような送受器8の送話口8bと送話口受け部6の位置関係を確実に保つために、送話口に対する大きな摩擦抵抗となって滑りを防止する滑り止めゴム31が、底キャビネット表面の段差部22cに貼り付けてある。これら各部には、送話口受け部6(正確には後述するスピーカーハウジング36の突部36a)が挿通し、スライド可能な長穴31a,22dがそれぞれ設けてある。
【0042】
また、37は略円板状のスピーカーであり、作成されたデータに基づく電気信号を音声信号に変換する働きを持つ。このスピーカー37より側方にリード線32が延びている。スピーカー37の上方に位置する略平板状の36は、スピーカーハウジングであり、この上面には略円板状の突部36aが設けられていて、ここにスピーカー37が下部よりはめ込まれ、内包される。突部36a上面は、送話口8bが近接接合される際に安定しやすいように、凹面となっており、またスピーカー37からの音声を放射する孔36bが多数開けられている。尚、対象となる電話機の送話口8bの形状によっては、突部36aの上面は必ずしも凹面である必要はなく、対応した形で平面や凸面となっていても良い。
【0043】
さらに、ここには送話口受け部6のスライド方向と略直角となる短い線状に、複数の突起36cが配列されていて、これらは突部36aの上端より上に突出しないように高さを抑えられている。この突起36cは、送話口受け部6を手動でスライドさせる時の指の滑り止め効果をもたらすので、これにより送受器セッティング時の操作性を向上させる事ができる。尚、突起36cは本実施形態における形状に限定されるものではなく、丸型や角型等、様々な形状のものを採用しても良く、指の滑り止め効果をもたらすものであれば良い。
【0044】
また、スピーカーハウジング36は、長板状のスピーカー押さえ板38,39により、図の両側面及び下面より支持され、底キャビネット22の裏面にビス40により取り付けられる。このとき、スピーカーハウジング36の片側面に設けられたロック凸部36dに対面するように、スピーカー押さえ板38側面にロック凹部38aが連続的に形成されており、これらのいずれかにロック凸部36dが係合する事により、スピーカーハウジング36引いては送話口受け部6が任意のスライド位置で固定されるようになっている。
【0045】
尚、このようなスライド位置を調節する構成については、本実施形態のものに限定されるわけではなく、例えばロック凸部とロック凹部の配置関係が入れ替わっていても良いし、また摩擦力の利用等により無段階に調節できるように構成されていても良い。また、以上のような送話口受け部6のスライド位置を調節する構成によれば、特に使用する送受器が限定される場合は、一度調節しておけば次回からはそのスライド位置のままで使用する事ができるので、便利である。
【0046】
また、同図に示すように、スピーカーハウジング36と底キャビネット22との間には、ハイドシート33,34,35が重ねて配設されている。これは、スピーカー37のコーン部の表側と裏側が音響的に干渉しないよう、装置の内部と外部を遮断するためのものである。各ハイドシートには、スピーカーハウジング36の突部36aが挿通し、スライド可能な長穴33a,34a,35aがそれぞれ設けてある。
【0047】
また、各ハイドシートの上記スライド方向の長さは、段階的に順次短くなっており、更にその前後端には折曲げ部33b,34b,35bがそれぞれ設けてある。これにより、各ハイドシートが重ね合わされた状態で、互いの相対的なスライドのストロークが、折曲げ部同士の当接によって長さの差の範囲内に規制され、スピーカーハウジング36つまりは送話口受け部6をどの位置にスライド移動させても、常に装置の内部が外部に対して閉塞する効果をもたらす。さらに、このような折曲げ部によれば、各ハイドシートの強度をアップする効果も得られる。但し、折曲げ部を設ける構成には限定されるものではなく、例えばスライドのストロークが規制されるような当接部を個々のスライドシートに設ける構成等としても良い。
【0048】
このハイドシートの枚数は、本実施形態で示した3枚に限定されるわけでは勿論なく、効果が確実に得られてしかも効率的な枚数が必要に応じて選択される。例えば、同図に二点鎖線で示すように、上記各ハイドシートの間に、段階的に長さの違うハイドシート群41が更に挿入される場合もある。また、ハイドシートの材質としては、静電気の影響がなくてしかも軽量の、PET材或いはPVC材のような樹脂材料が好ましい。いずれにしても、スピーカーハウジング36のスライド移動にスムーズに追従し、装置の内部と外部を確実に遮断できる構成が必要である。
【0049】
その意味では、本実施形態のようにハイドシートを重ね合わせる構成には限定されるものではなく、例えば、シャッターを設けて巻き上げ巻き戻しを行う構成としても良いし、蛇腹状のものを伸縮させる構成としても良い。若しくは、ハイドシート1枚のみをスライドさせる構成とする事も可能であるが、この場合はそのストローク分だけ装置が余分に長くなる。
【0050】
図11は、セットされる送受器8の長さによる送話口受け部6のスライド位置の変化を示す図である。同図(a)は本実施形態のカプラ装置に対して、送受器8が使用可能な最長のものである場合、即ち受話口8aと送話口8b間のピッチが最長の場合を示しており、同図(b)は同様にして最短の場合を示している。いずれの場合も受話口受け部5は受話口8aに密着接続し、送話口受け部6は送話口8bに十分近接接続している。このようにして、送受器8の長さに応じてフレキシブルな対応が可能となっている。
【0051】
図12は、送受器8の形状による各種寸法の違いを示す図である。同図(a)は例えば家庭で主に用いられるファッション性を重視した電話機の送受器、同図(b)は例えばオフィスで主に用いられるビジネス用の電話機の送受器或いは公衆電話の送受器、同図(c)は本体が送受器を兼ねる携帯電話である。各送受器8の受話口8aと送話口8b間のピッチはそれぞれPa,Pb,Pcで示されるが、これらは様々な寸法のものが存在している。また、同図(a),(b)にそれぞれ示す受話口8a及び送話口8bの表面の傾斜角度α,α′及びθ,θ′も、様々な値のものが存在している。本実施形態のカプラ装置は、これら送受器の様々な形状にできるだけ対応可能なように構成している。
【0052】
図13は、カプラ装置の他の形態の例を模式的に示す斜視図である。同図(a)は本体10の側面に受話口受け部5及び送話口受け部6を設けた場合を示している。また、同図(b)は本体10両端部に設けられた各収納部5a,6aからそれぞれ受話口受け部5及び送話口受け部6を取り出し、各リード線5b,6bを従えた状態で図示しない受話口及び送話口にそれぞれ接続させる構成を示している。このように、カプラ装置の形態も、上述の実施形態のようなものには限定されず、様々なバリエーションが考えられる。
【0053】
尚、特許請求の範囲で言うシート部材は、実施形態におけるハイドシートに対応するものである。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、多種多様の形状を持つ電話機の送受器に対して、柔軟且つ容易に対応する事ができるとともに、その送受器の形状に合わせるための調節の回数を極力少なくする事ができ、また外力によるダメージを受けにくいカプラ装置を提供する事ができる。
【0055】
特に、請求項1によるならば、コイルバネの特性により、柔軟で自由運動が可能であり、耐久性,復元力に優れた、受話口に密着させやすい受話口受け部とする事ができる。また、コイルバネの両端に設けたフックにより、マイクケースの回転を抑制する事が可能となる。
【0056】
また、請求項2によるならば、リード線の保護及び線処理の簡便化を図る事ができ、また線処理を行うための専用の空間を必要としないので、装置のコンパクト化を図る事ができる。
【0057】
また、請求項3によるならば、マイクゴムにより外部からの騒音の影響が軽減されるとともに、摩耗時等にはこれを容易に交換する事ができ、常に最適な状態で装置を使用する事ができる。
【0058】
また、請求項4によるならば、ゴムの弾力性の他に空間を緩衝器として利用する事ができ、受話口に対する受話口受け部のより幅広い追従密着性を確保する事ができる。
【0059】
また、請求項5によるならば、不使用時は受話口受け部を外部に露出させない構造とする事ができ、外力によりマイク等が破損するのを防ぐ事ができる。また、ワンタッチで受話口受け部をセットする事ができ、迅速な送受を行う事ができる。
【0060】
また、請求項6によるならば、不使用時の受話口受け部の収納状態において、マイクゴムに常に負荷を加える事がないので、これの変形を防止する事ができ、常に最適な使用状態を保つ事ができる。
【0061】
また、請求項7によるならば、受話口と送話口との間のピッチが異なる電話機の送受器にも柔軟に対応する事ができ、受話口受け部と送話口受け部とを最適な位置関係に固定する事ができ、送受器のサイズが限定される場合は、送受の度毎にこれらを調節する必要がなく、迅速な送受を行う事ができる。
【0062】
また、請求項8によるならば、スピーカーの表側と裏側が音響的に干渉しないようにするとともに、装置内部を保護する事ができる。
【0063】
また、請求項9によるならば、装置内部と外部との遮断を確実に行う事ができるとともに、シート部材の強度が増し、外部からの圧力による変形を防止する事ができる。
【0064】
また、請求項10によるならば、静電気による影響を防ぐとともに、軽量化を図る事ができる。
【0065】
また、請求項11によるならば、送話口受け部に送話口がセットされる際に安定しやすくなり、更に手動によるスライド動作が行いやすくなる。
【0066】
また、請求項12によるならば、別部品を必要とせずにスライド動作時における指の滑り止め効果をもたらす事ができる。さらに、突起が凹面から出ていない構成とすれば、送受器をセットしたときに邪魔にならず、操作性を向上させる事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】携帯端末装置本体が閉じた状態の外観を示す斜視図。
【図2】携帯端末装置本体が開いた状態の外観を示す斜視図。
【図3】携帯端末装置本体が閉じた状態の反対側の面の外観を示す斜視図。
【図4】受話口受け部がホップアップした状態を示す斜視図。
【図5】携帯端末装置本体に送受器をセットした状態を示す斜視図。
【図6】受話口受け部の組立状態を示す縦断面図。
【図7】受話口受け部の収納状態を示す縦断面図。
【図8】受話口受け部の部品構成を示す分解斜視図。
【図9】受話口受け部がホップアップするメカニズムの説明図。
【図10】送話口受け部とその周辺の部品構成を示す分解斜視図。
【図11】送受器の長さに対する送話口受け部のスライド位置を示す図。
【図12】送受器の形状による各種寸法の違いを示す図。
【図13】カプラ装置の他の形態の例を模式的に示す斜視図。
【図14】従来の音響カプラ構造の一例を模式的に示す図。
【符号の説明】
1 送信キー
2 インジケータ
3 表示部
4 入力キー
5 受話口受け部
6 送話口受け部
7 ホップアップノブ
8 送受器
10 本体
11 マイクゴム
12,15 マイクケース
13 マイクフィルター
14 マイク
16,32 リード線
17 コイルバネ
18 フリップスプリング
19,31 滑り止めゴム
20,21 アーム部
22 底キャビネット
23 アーム
24 スプリング
25,26,40 ビス
27 突起部
33,34,35 ハイドシート
36 スピーカーハウジング
37 スピーカー
38,39 スピーカー押さえ板
A ヒンジ部
B,C ハウジング
D 収納部
Claims (12)
- 電話機の送受器を介してデータを送受するための受話口受け部及び送話口受け部を備えたカプラ装置において、
前記受話口受け部は、マイクを内包するマイクケースと、該マイクケースを支持するアーム部とを有し、該マイクケース及び該アーム部は、コイルバネの両端に設けたフックにそれぞれ係合し、該コイルバネにより連結される事を特徴とするカプラ装置。 - 前記マイクより延びるリード線は、前記コイルバネの内径空間を挿通して前記マイクケースから前記アーム部へと布設される事を特徴とする請求項1に記載のカプラ装置。
- 前記マイクケースの周囲に、前記送受器の受話口と密着するマイクゴムを嵌合させた事を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカプラ装置。
- 前記マイクゴムの内部に空間を設けた事を特徴とする請求項3に記載のカプラ装置。
- 前記受話口受け部を収納する収納部を設け、使用時には該受話口受け部が該収納部よりホップアップする事を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のカプラ装置。
- 前記収納部に、前記受話口受け部の収納時に前記マイクケースと当接する突起部を設けた事を特徴とする請求項5に記載のカプラ装置。
- 前記送話口受け部は、スピーカーを内包し、前記受話口受け部との間のピッチを調節するようにスライド動作可能である事を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のカプラ装置。
- 前記送話口受け部のスライド動作に追従し、装置本体内部と外部とを遮断する、単数の、或いは該スライド動作方向の長さの異なる互いに重畳された複数のシート部材を設けた事を特徴とする請求項7に記載のカプラ装置。
- 前記シート部材のスライド動作方向の前後両端に、折曲げ部を形成した事を特徴とする請求項8に記載のカプラ装置。
- 前記シート部材は樹脂材料より成る事を特徴とする請求項8又は請求項9に記載のカプラ装置。
- 前記送話口受け部の表面を凹形状とした事を特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載のカプラ装置。
- 前記送話口受け部の表面に突起を設けた事を特徴とする請求項11に記載のカプラ装置。
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1998
- 1998-11-06 JP JP31637298A patent/JP3556487B2/ja not_active Expired - Fee Related
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