JP3556727B2 - 変倍光学系のモータ取付け構造 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、変倍光学系に設けられた複数のモータの取付け構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、2つのモータをそれぞれ駆動させることによって2つのレンズ保持枠をそれぞれ独立して光軸方向に進退させてズームを行う変倍光学系が知られている。この変倍光学系には、各レンズ保持枠を光軸方向に移動自在に支持する固定筒が設けられている。固定筒には、各モータからの駆動を各レンズ保持枠に伝達させるためのレンズ移動機構が設けられている。レンズ移動機構は、一般的にモータの駆動をギヤ列の入力側に伝達させ、ギヤ列の出力をリードスクリューに伝達させてレンズ保持枠を直進的に進退させている。
【0003】
このような変倍光学系では、レンズ送り精度を高めるためにモータを高精度で取り付ける必要がある。そこで、予め位置決め用の取り付け板をモータの数だけ用意しておき、取り付け板をそれぞれ固定筒に取り付けることで、各モータを各レンズ移動機構に高精度に連結していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数のモータを備えた変倍光学系の組立作業では、予め各モータを取り付け板に1個ずつ取り付けるサブ組立が必要となる。しかも、これらのモータは合焦用モータと変倍用モータとで働きが異なるため、サブ組立した後に取り付け間違いが生じないように組立の管理を必要としていた。
【0005】
上記問題点を解決するために、本発明は、複数のモータを取り付ける作業を減らして生産コストの低減を図った変倍光学系のモータ取付け構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、変倍時に駆動される複数のモータを予めベース部材に取り付けておき、このベース部材を固定筒に取り付けることで、簡単に各モータと各駆動系とが連結される。各モータとしては、例えば変倍用モータと合焦用モータである。
【0007】
また、各モータと各駆動系との連結は、ズムーズに行える方が、ベース部材と固定筒との取り付け作業の効率がアップする。そこで、駆動系の一部であるフォーク部材をベース部材に組み込み、また連結片を固定筒側のレンズ保持枠に設けておき、フォーク部材と連結片との係合によってスムーズな連結を行うようにした。
【0008】
ところで、フォーク部材と連結片とが光軸方向に沿ってずれていると一々ずれを調節する作業が必要となる。しかも、連結片は、レンズ保持枠が光軸方向に移動自在であるため簡単にずれの調節を行えるのに対し、フォーク部材はリードスクリューのリードにかみ合っているから、簡単にずれを調節することはできない。そこで、フォーク部材に、リードスクリューと平行に配置された回転止め用ガイド棒に挿通される支持部と、リードスクリューのリードに螺子を押し付けている弾性自在なクリップ片とを設け、クリップ片を撓ませて螺子部をリードスクリューのリードから退避させることでずれの調節をスムーズに行えるようにした。そして、フォーク部材と連結片とを光軸方向に沿った所定位置、例えば簡単に位置決めし易い両端のうちの一端側に片寄せしておけばこれらの連結作業が容易となる。
【0009】
モータとしては、小型、軽量とともに電力消費の少ないステッピングモータが好適である。しかも、ローコスト化を図るために、モータシャフトにリードスクリューを形成し、モータシャフトにそのシャフト方向に沿って自由度を持たせている。通常、このようなモータは、モータ本体に与圧用の板バネを設け、板バネをモータシャフトの端面に背後から当接させてシャフト方向に常に押圧するようにしたタイプが周知である。しかしながら、このようなモータでは、個々の板バネの与圧が異なる。このため、このようなモータを複数個用いた場合には、与圧のバラツキによってリードスクリューを駆動させるトルクにロスが生じ、レンズ送り精度に支障をきたす恐れがある。そこで、個々のモータシャフトの端面を1個のバネ板で当接させるようにした。
【0010】
【実施例】
図1は、画像入力装置10を示す。画像入力装置10は、透過又は反射原稿の画像を変倍光学部を通してCCDで読み取り、得られた3色の画像信号をビデオ信号、例えばNTSC信号として映像出力端子11から出力する。ネガフイルム12の画像を読み取る場合には、同図に示すように、脚13,14を半開にして本体15を安定させた後に、ネガフイルム12をセットしたキャリア16をスロット17に差し込んで使用する。なお、反射原稿、例えばプリント写真の画像を読み取る場合には、ランプハウス18,19を開いた後に、脚13,14を全開にして倒立させて使用する。
【0011】
本体15には、前面にピント調節用のボタン群20とズームボタン群21とが配置されている。ピント調節は、通常はオートボタン22を操作してオートフォーカス機構を作動させておけば操作する必要はないが、ビデオカメラとして立体物等を撮る場合には、前ピンボタン23、あるいは後ピンボタン24を操作して行う。ズームは、テレボタン25、あるいはワイドボタン26を操作する。
【0012】
図2に示すように、ランプ27,28から放たれた光は、スロット17に差し込まれたネガフイルムのコマを背後から照明する。照明されたコマの画像は、変倍光学部29によってCCD30の結像面30aに結像される。変倍光学部29は、本体15の内部にレンズの光軸29aをネガフイルムと直交する方向に合わせて配置されている。
【0013】
変倍光学部29は、図3に示すように、固定筒33、後群レンズ保持枠34、前群レンズ保持枠35、レンズカバー36、及びモータユニット37等で構成されており、モータユニット37に取り付けられた2つのモータ38,39をそれぞれ駆動させることによって後群レンズ保持枠34と前群レンズ保持枠35とを独立して光軸29aの方向に進退させてズームを行うようにしている。
【0014】
固定筒33には、前面、後面、及び上面にそれぞれ開口40,41,42が形成されている。前面の開口40には、レンズカバー36がビスで固定され、また、後面の開口41には背後からCCD30がビスで固定される。そして、固定筒42の後面内壁43とレンズカバー36の内壁との間には、3本の直線ガイド棒44〜46が支持される。
【0015】
前群レンズ保持枠35は合焦用レンズで、外周に2つの支持部47,48、スリット板49、及び連結片50が一体に形成されており、2つの支持部47,48に挿通されるガイド棒45,46により回転規制を受けながら光軸29aの方向に移動自在に支持される。スリット板49は、固定筒33の内部に突出して設けられた原点位置検出用の馬蹄形フォトセンサー51で検出される。連結片50は、長手方向をレンズの光軸29aに直交する方向に合わせた平板形状となっており、これにはモータユニット37から直進的な駆動が伝達される。
【0016】
後群レンズ保持枠34は変倍用レンズで、外周に2つの支持部52,53、スリット板54、及び、連結片55が一体に形成されており、2つの支持部52,53に挿通されるガイド棒44,46により回転規制を受けながら、前群レンズ保持枠35の背後で移動自在に支持される。スリット板54は、固定筒33の内部に突出して設けられた原点位置検出用の馬蹄形フォトセンサーで検出される。連結片55は、長手方向をレンズの光軸29aに直交する方向に合わせた平板形状となっており、これにはモータユニット37から直進的な駆動が伝達される。前群レンズ保持枠35と後群レンズ保持枠34とをそれぞれガイド棒44〜46の先端側(レンズカバー36側)に片寄せすると、各連結片50,55が光軸29aの方向において同じ位置となる。
【0017】
後群レンズ保持枠34には、後群レンズを構成するレンズ間に絞り基板57が取り付けられている。絞り基板57は、長手方向を光軸29aに対して直交する方向に向けた平板形状となっており、光軸29aの上に絞り機構が、また、光軸29aから離れた位置に絞り機構を駆動させるアイリスモータ58がそれぞれ組み込まれている。アイリスモータ58には、本体15側の露出機構等の出力に応じて、アイリスモータ58に動作信号を与えるためのフレキシブルプリント基板59の一端が固定されている。フレキシブルプリント基板59は、他端が固定筒33の後面の開口を介して本体15の内部の露出機構等に接続される。
【0018】
モータユニット37は、図4に示すように、ベース60、後群レンズ用モータ38、前群レンズ用モータ39、2本のガイド棒61,62、及び2個のリード従動部材63,64等で構成されており、固定筒33の上方の開口42にビスで取り付けられる。後群レンズ用モータ38は、本体15に設けられた制御部から得られるパルス信号に応じて後群レンズ保持枠34を移動させる変倍用のステッピングモータであり、また、前群レンズ用モータ39は、制御部から得られるパルス信号に応じて前群レンズ保持枠35を移動させる合焦用のステッピングモータである。
【0019】
これらのモータ38,39は、小型、軽量とともに、ローコスト化を図るために、モータシャフトにリードスクリュー65,66を形成し、これらモータシャフトにそれぞれシャフト方向に沿って自由度を持たせている。そして、各モータシャフトに与圧を与えるために、モータ38,39の内部には、モータシャフトの端面に背後から当接する弾性自在な板バネが設けられている。
【0020】
ベース60は、断面コの字形状に折り曲げ成形されており、対向する側面67,68が光軸29aに対して直交する向きで、且つ断面コの字形状の開放側を固定筒33に向けて取り付けることで固定筒33の内部を遮光する。
【0021】
ベース60の対向する側面67,68には、2本のリードスクリュー65,66の両端と2本のガイド棒61,62の両端とをそれぞれ支持するために、4つの開口69〜76が形成されている。リードスクリュー65,66用の開口69,72,73,76には、軸受77〜80がそれぞれ嵌め込まれる。各モータ38,39は、一方側の側面67の軸受77,78にリードスクリュー65,66を挿通し、挿通したリードスクリュー65,66の先端を他方側の軸受79,80に支持させることで、ベース60に対して正しく位置決めが行われ、その後、一方側の側面67に内側からビスで固定される。
【0022】
リード従動部材63,64には、ガイド棒61,62が挿通される支持部81,82が一体に形成されている。支持部81,82の周りには、突出してリードスクリュー用係合部83,84とフォーク部85,86とが一体に形成されている。リードスクリュー用係合部83,84は、リードスクリュー65,66を両側から挟み付ける螺子部87,88とクリップ片89,90とから構成されている。螺子部87,88は、半円に切り欠かれた溝にリードスクリュー65,66のリードに合わせて螺子が刻まれている。クリップ片89,90は、一部を切り欠いて弾性自在とされており、リードスクリュー65,66を片側から押圧してリードスクリュー65,66のリードを螺子部87,88に押し付けている。フォーク部85,86は、光軸29aの方向に所定間隔隔てて並んだ一対の爪とされている。これらの一対の爪の間には、各レンズ保持枠34,35の連結片50,55が嵌入される。
【0023】
次に上記構成の作用を説明する。変倍光学部29の組立は、先ずモータユニット37の組立から行われる。モータユニット37の組立は、ベース60の加工から開始される。ベース60の加工は、素材を打ち抜いてベース60の展開形状、及び各開口69〜76とを形成する打ち抜き工程と、打ち抜いた素材を断面コの字形状に折り曲げて両側面67,68を成形する折り曲げ工程とからなる。
【0024】
折り曲げ工程では、2本のガイド棒61,62を所定位置にセットしておき、折り曲げながらガイド棒61,62の両端を両側面67,68の開口70,71,74,75に圧入する。このとき、ガイド棒61,62には、予めリード従動部材63,64の支持部81,82が挿通されている。
【0025】
完成したベース60には、両側面67,68の開口69,72,73,76にそれぞれ軸受77〜80が嵌め込まれる。その後、一方側の側面67の軸受77,78にリードスクリュー65,66を挿通し、挿通したリードスクリュー65,66の先端を他方側の軸受79,80に支持させる。このとき、互いのリードスクリュー65,66をリード従動部材63,64の螺子部87,88とクリップ片89,90との間に挿通しておく。最後に、一方側の側面67に2つのモータ38,39をそれぞれビスで内側から固定することで、モータユニット37の組立が完了する。
【0026】
組立が完了したモータユニット37は、その後の作業効率を考慮して、リード従動部材63,64をガイド棒61,62に沿った他方側の側面68に当接する位置まで片寄せしておく。この操作は、フォーク85,86を持ってクリップ片89,90を撓ませるように回転させれば、螺子部87,88がリードスクリュー65,66のリードから離れるため、その後にガイド棒61,62に沿って移動させれば簡単に行える。
【0027】
変倍光学部29の組立は、先ず、固定筒33の内部の後面内壁43に3本のガイド棒44〜46の一端を嵌め込む。その後、ガイド棒44,46に支持部52,53を挿通しながら後群レンズ保持枠34を組み込む。次に、同じようにガイド棒45,46に支持部47,48を挿通しながら前群レンズ保持枠35を組み込んで、レンズカバー36を取り付けることで、3本のガイド棒44〜46の他端が支持される。このとき、作業効率を考慮して、各レンズ保持枠34,35をガイド棒44〜46に沿ったレンズカバー36の側に片寄せしておく。
【0028】
その後は、フレキシブルプリント基板59の一端を固定筒33の後面41の開口を通して挿通させておき、また、2個のフォトセンサー51,56とCCD30とを固定筒33に取り付ける。そして、最後にモータユニット37を固定筒33の上方の開口42に被せるように取り付けてビスで固定する。この取り付けは、各モータ38,39を固定筒33の後面41に向けた姿勢で行う。このとき、モータユニット37の側では、予めリード従動部材63,64を他方側の側面68に片寄せしており、また固定筒33の側では、各レンズ保持枠34,35をレンズカバー36の方向に片寄せしているから、モータユニット37を固定筒33に取り付けることで、自然にフォーク85,86が連結片55,50に係合する。
【0029】
上記実施例では、モータ38,39の各シャフトに与圧を与えるために、各モータ38,39の内部に設けた板バネによってモータシャフトの端面に背後から与圧を与えるようにしているが、個々の板バネの与圧が異なるため、与圧のバラツキによってリードスクリュー65,66を駆動させるトルクにロスが生じ、レンズ送り精度に支障をきたす恐れがある。そこで、個々のモータ38,39の内部に設けた板バネの代わりに、図5に示すように、両端に弾性自在なバネ片93a,93bを一体に設けた1個の板バネ93で各モータ94,95のシャフト端面65a,66aに背後から与圧を与えるようにしてもよい。
【0030】
以上の説明は、モータ及びレンズ保持枠とを2個ずつ備えた変倍光学系についての例であるが、本発明ではモータやレンズ保持枠の数を2個に限定することなく、複数であればよい。また、本発明の変倍光学系はビデオカメラやスチルカメラ、さらには写真用カメラ等にも採用することができるのはいうまでもない。さらに、上記実施例では、前群レンズを合焦用レンズ、また後群レンズを変倍用レンズとした構成としてるが、本発明ではこれに限らず、例えば2群レンズ構成では前群レンズを変倍用レンズ、後群レンズを合焦用レンズにしていもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、変倍時に駆動される複数のモータを予め取り付けたモータユニットと、に全部取り付けたから、全部のモータをいっぺんに取り付けることができ、従来技術で説明したように、一々モータを取り付けるのと比較して取り付け作業の工数が削減でき、しかも各々の管理を必要としないから生産コストの低減や取り付け間違い等の作業ミスの低減を図ることができる。
【0032】
また、請求項2記載の発明では、各モータにそれぞれ使用したステッピングモータの各軸の端面を軸方向にそれぞれ付勢する板バネを、モータユニットに設けたから、個々に与圧を与えるのと比較して与圧のバラツキが減少でき、リードスクリューを駆動させるトルクにロスが生じないため、レンズ送り精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の変倍光学部を用いた画像入力装置の斜視図である。
【図2】画像入力装置に組み込まれた変倍光学部の概略説明図である。
【図3】変倍光学部の分解斜視図である。
【図4】変倍光学部に用いられるモータユニットの分解斜視図である。
【図5】1個の板バネで各モータシャフトに与圧を与える実施例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 画像入力装置
29 変倍光学部
33 固定筒
34 後群レンズ保持枠
35 前群レンズ保持枠
37 モータユニット
38,94 後群レンズ用モータ
39,95 前群レンズ用モータ
63,64 リード従動部材
85,86 フォーク
93 板バネ
Claims (2)
- 変倍駆動用の複数のモータの出力軸となっている、前記モータと同じ数だけ設けられたリードスクリューと、前記リードスクリューの螺子に係合する螺子部と前記螺子を螺子部に向けて付勢するクリップ片とを有し前記リードスクリューの回転により前記螺子のリードに従って移動するとともに前記クリップ片を弾性変形させることで前記リードスクリューの軸方向に移動自在となる、前記リードスクリューと同じ数だけ設けられたリード従動部材とを備え、前記各リードスクリューが平行に並ぶように前記モータをベースに取り付けたモータユニットと、
前記モータと同じ数だけ光軸方向に沿って並べて配置される複数のレンズ保持枠と、前記レンズ保持枠の各々を光軸方向に移動自在にガイドするガイド部材と、前記各レンズ保持枠に設けられ各レンズ保持枠を光軸方向のうちの一方に寄せたときに光軸方向において同じ位置に揃う連結片とを有しており、前記ガイド部材とレンズ保持枠とを一体的に取り付けた固定筒と、を備え、
前記リード従動部材とレンズ保持枠とを前記一方に寄せた状態で前記リードスクリューが光軸に平行になるように前記モータユニットを固定筒に取り付けることで、前記各リード従動部材に設けたフォーク部に前記連結片の各々が同時に連結されることを特徴とする変倍光学系のモータ取り付け構造。 - 前記各モータにステッピングモータを使用するとともに、前記各モータの軸の端面をその軸方向に付勢する板バネを前記モータユニットに設けたことを特徴とする請求項1記載の変倍光学系のモータ取付け構造。
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