JP3556734B2 - 地震用安全装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、地震発生時に自動的に稼働して避難、救出などの対処を円滑に行なうための安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
我が国は古来から地震の脅威にさらされており、過去に幾多の大地震に見舞われ、近時おいてもいくつかの大地震が発生し、尊い人命が多数失われている。こののため、地震等の災害に対する備えについての認識が高まり、防災用の各種備品や機器が提供されるようになっている。例えば、充電式の携帯用の蛍光灯、或いは懐中電灯とラジオとを組み合わせたもの等が市販されている。
【0003】
しかしながら、例えば、夜間に地震が発生し、停電となったときに屋外等の安全な場所へ避難する場合、通常は停電により周囲は真っ暗となっており、上述したような蛍光灯や懐中電灯を探すことは実際上困難である。
この対策として、照明器の電源プラグを家庭用のコンセントに差し込んでおくことにより、通常は消灯状態で充電がなされ、停電が発生したときには点灯して周囲を照らすようにした非常用の懐中電灯も知られる。
しかしながら、これとても、コンセントを常に一口分塞いでしまうという問題があるうえ、コンセントが非常時の避難等に適した位置にあるとは限らず、そのため懐中電灯の位置がコンセントの位置に限定されてしまい、点灯しても避難を容易なものにするとは言えない。さらにこれら懐中電灯等は単に周囲を照らすだけであり、他の機能を備えていないことから、災害用としては不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする技術的課題】
本発明は前記したような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、地震の際には自動的にかつ確実に稼働して辺りを照らしたり、居場所を示したり、あるいは避難、誘導の方法や経路などの情報を伝えたりすることができる安全装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、一端をもって揺動自在に軸支され、他端には強磁性材料からなる錘を有する振り子と、前記錘を吸引して常態において所定位置に保持する永久磁石と、前記振り子の揺動に応じてオン・オフする第1のスイッチと、前記第1のスイッチがオンのときに駆動され前記錘を吸引保持する電磁石と、この電磁石に電流を供給する電源部と、前記第1のスイッチのオンで稼働される稼働手段と、常態でオン状態にあり、オフ状態で前記電磁石への電力の供給を遮断する第2のスイッチとを備えた構成としたものである。
稼働手段としては、一般に照明器が用いられるが、これに代えまたはこれとともに通信機器、音響機器、警報機器などが用いられる。
【0006】
【作用】
本発明においては可動体として振り子が一端をもって揺動自在に軸支され、他端の錘が永久磁石の磁力により吸引されることにより保持される。この振り子が地震により揺動し、永久磁石の磁力による保持力を上回る大きな振動により錘及び腕が揺動すると、この揺動に応じて第1のスイッチがオフ状態からオン状態となる。
この第1のスイッチがオンとなった瞬間、電源部から電磁石に電流が供給され電磁石が駆動される。この電磁石の磁力により錘は吸引され保持され、同時に第1のスイッチのオンにより稼働手段にも電流が供給されるため稼働手段も稼働され、この状態が保持される。
【0007】
稼働手段として照明機器が用いられた場合には、地震の発生により自動的に点灯し、あたりを照らす。また、稼働手段として通信機器たとえば発信器である場合には、所定周波数の緊急信号が継続的に発信される。また、稼働手段として音響機器たとえば、ブザーなどの音声機器の場合には、継続的にそれら音声が周囲に拡声される。さらに音響機器がテープレコーダなど音声再生機器である場合は、これから自動的的に対処方法や避難経路などの音声情報が伝達される。
そして、非常事態が治まった後には、常態でオン状態である第2のスイッチをオフ状態とするもので、こうすれば前記電磁石への電力の供給が遮断され、可動体としての振り子の保持が解除されるため、振り子は元の位置に戻って保持手段としての永久磁石により保持されるとともに第1のスイッチがオフとなり、稼働手段は非作動状態に戻される。
【0008】
【実施例】
以下本発明による地震用安全装置の一実施例を添付図面に基いて説明する。
図1ないし図6は本発明の第1実施例を示しており、1は強化プラスチックなど強度の高い材料で構成されたケーシングであり、一部に壁等に対する取付け用部9を有し、内部には機構部3と、稼働手段としての駆動部5、および電源部7が配されている。
機構部3は可動体13と、これを常態において定位置に保持する手段15と、振動で可動体13が移動したときにオンとなる第1のスイッチ11と、この第1のスイッチ11のオンにより駆動され前記可動体13を強制的に保持する電磁石19を有している。
【0009】
前記可動体13はこの実施例では振り子が用いられており、該振り子13は腕13bを有し、腕13bの一端(基端)がケーシング1内に取り付けた支軸13aにより揺動自在に支持され、他端(自由端)には錘13cを有している。
保持手段15は錘13cに対応するケーシング側壁領域に設けられており、たとえば錘13cの機械的に動かないように止めておく板状、カップ状などのストッパ、あるいは腕13bの一端付近をケーシング側壁に近接するように牽引しておくフック状、紐状の留め部材でもよい。
しかしこれらは作動後に復旧し次の使用に備える場合に難がある。そこで、この実施例では錘13cを強磁性材料から構成する一方、保持手段15として永久磁石を用い、これをケーシング側壁付近に固定することで磁力により錘13cを吸着保持するようにしている。
【0010】
この振り子の揺動に応じてオン・オフする第1のスイッチ11はたとえばプッシュスイッチが用いられ、ケーシング側に固定側接点11aを設ける一方、腕13aの基端付近に可動側接点11bを設けている。
好ましくはさらに前記腕13aを保持手段方向に付勢する付勢手段17が用いられる。この付勢手段17は一端がケーシング1に固定され、他端が腕13aに当接ないし接続される。付勢手段17としては弾性体たとえばコイルバネや板バネが用いられる。この付勢手段17は可動側接点11bの保持手段を兼ねていてもよいし、可動側接点11bの保持機能がない別体のものであってもよい。
電磁石19は前記可動体13の移動域すなわちこの実施例では永久磁石15と対向位置のケーシング内他側壁領域に配置されている。電磁石19は永久磁石15よりも強力な磁力が発生するように巻線数などが設定されている。
【0011】
さらにケーシング1には、通常の状態(待機状態)でオン状態であり、オフ状態とされたときに前記電磁石19への電力の供給を遮断する第2のスイッチ27が設けられている。この第2のスイッチ27としてはたとえばスライドスイッチが用いられ、操作部27aがケーシング1の側壁に設けた長孔から外部に吐出している。
【0012】
次に駆動部5は、ケーシング1の第1のスイッチ11のオンで点灯される稼働手段として電球23と、この電球23の光を前方へ照射する反射板25により構成されている。
電源部7は、前記電球23及び電磁石19に電流を供給する部分であり、前記機構部3に隣接するケーシング1通常は電池21が使用される。電池21は乾電池、充電式電池のいずれでもよい。
なお、可動体13は好適には振り子であるが、場合によっては摺動体であってもよい。この場合には可動体13はボールや円筒体が用いられ、溝状ないし筒状のガイドの一端に保持手段15としてたとえば永久磁石が位置され、これに常態において吸着保持され、溝状ガイドの他端に電磁石19が配置される。
【0013】
【第1実施例の作用】
この第1実施例は、第2のスイッチ27を前面にして、ホルダ9を介して建物内の耐震性の高い構造物たとえば壁面等にしっかりと固定される。
図3ないし図6は第1実施例の作動を段階的に示している。なおこれらの図では、説明の都合上第2のスイッチ27の位置を第1のスイッチ11と電磁石19との間から、電球23と第2のスイッチ27との間に移動している。
図3は地震が発生していない状態を示しており、揺動自在に軸支された腕13bの自由端の錘13cが強磁性材料で形成されていることから、常態では保持手段15としての永久磁石15の磁力により吸着保持されている。したがって、このときには第1のスイッチ11の可動側接点11bは固定側接点11aと離間しており、第1のスイッチ11はオフとなっている。
【0014】
なお、このオフ状態は付勢手段17によっても維持される。すなわち、ケーシング1の設置方向によっては錘13cの自重によって軽微な地震でも振り子が揺動する可能性があるが、付勢手段17を設けた場合には腕13bが反電磁石側に押圧されるため、第1のスイッチ11の不用意な閉成が規制される。
本発明の作動する振動すなわち地震の震度は、錘13cの重さと永久磁石15の磁力の双方または一方によって任意にせっていあるいは調整することができる。また、付勢手段17を用いた場合には、錘13cの重さと永久磁石15の磁力および付勢手段17のばね定数によって作動震度が設定される。
【0015】
次に地震が発生し、その強さが永久磁石15による保持力を下回る軽微なものである場合には、錘13cは永久磁石15から離間しない。しかし、その地震の震度が永久磁石15の磁力による保持力を上回るものである場合には、錘13cが永久磁石15から離間し、図4に示すように、腕13bが基端の支軸13aを支点として揺動する。これにより腕13bに設けられている固定側接点11bがケーシング側の固定側接点11aに接触し、図5に示すように、第1のスイッチ11がオフ状態からオン状態となる。
この第1のスイッチ11がオンとなることで電源部7と電磁石19を結ぶ回路が導通し、電磁石19に電流が供給されるため電磁石19が駆動される。この電磁石19の磁力により錘13cは吸引される。また第1のスイッチ11のオンで電球23と電源部7とを結ぶ回路も導通するため、電球23へも電流が流れ、電球23が点灯する。
電磁石19の磁力は永久磁石15の磁力よりも強く設定されているため、錘13cはもはや電磁石19から離間せず、しっかりと保持され、したがって、第1のスイッチ11のオン状態が安定して保持され、電球23の作動は維持される。それゆえ、本実施例によれば、夜間に地震により停電が発生した際にも、瞬時に電球が点灯し室内等を照明するので、避難を安全にかつ容易にすることが可能となり、また点灯により本装置の位置もよくわかるため、本装置を壁等から取外し、携帯することにより安全に避難することができる。
【0016】
そして、非常事態が治まった後には、常態でオン状態である第2のスイッチ27を図6のようにオフ状態とすればよく、これにより電磁石19への電力の供給が遮断されるため振り子13の錘13cは吸着が解放され、ケーシング1を傾けて錘13cを永久磁石15に近接させれば、これの吸着力により再び元のように保持される。
【0017】
第1実施例は本発明をライトないし懐中電灯に適用した例であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図7は本発明の第2実施例を示しており、稼働手段23として照明器を用いるとともに、少なくとも1つの他の稼働手段23’も接続し、稼働手段23と連動させるようにしている。
他の稼働手段23’はケーシング1に内蔵させていてもよいし、外部に取り付けていてもよいし、独立していてもよい。
他の稼働手段23’の例としては、通信機器、音響機器、音声再生機器などが挙げられる。
【0018】
音響機器としてはブザーや警笛などの連続音または間欠音を出力する機器が挙げられる。
このようにすれば、地震の際には、前記のように腕13bが基端の支軸13aを支点として揺動して固定側接点11bがケーシング側の固定側接点11aに接触し、第1のスイッチ11がオフ状態からオン状態となることにより電磁石19と電球23および他の稼働手段23’がオンとなるため、光と音でその存在位置を周囲に知らしめることができることから、夜間等であっても被災者がその位置を容易に知ることが出来るばかりか、寝たきり老人等の身体の不自由な者の近傍に配備しておくことにより、災害時には、その位置を確実に知ることができ、当該老人の救助を迅速にかつ確実に行うことが可能になる。
また、通信機器としてはたとえば所望周波数の発信器が挙げられる。この場合には、光と電波あるいは光と電波と音によってもその所在を知らしめることから倒壊して建物の下敷きになったような場合であっても、救助を容易にすることが可能となる。
【0019】
また、他の稼働手段23’として拡声器付きのテープレコーダやCDなどの音声再生装置を用いた場合には、地震が発生したときにその音声再生装置に予め録音された情報が自動的に周囲に拡声されるため、より確実な行動をとったり、誘導を行うことができるようになる。
例えば、家庭内で使用する場合には、予め両親の声で地震時の行動順序や避難経路、避難場所や家族の落ち合う場所などのマニュアルをテープなどの媒体に録音しておき、その媒体を音声再生装置に装着し、その音声再生装置を本装置に組込みあるいは一体的に装備させておき、本装置を台所、子供室部屋などに設置しておくことで、留守中の地震の際にも光(またはこれと音、電波)と両親の声による指示や対処方法が子供に自動的に伝えられるため、大きな心理的動揺による危険が避けられ、安全に避難することが可能となる。
また、当該録音・拡声器システムを例えばリレー回路を介して本発明装置と接続する等して他の非常用電源による大規模システムを構築することも可能であり、このようなシステムをデパート、地下街、オフィスビル、集会所、旅館やホテルの客室及び廊下等に設置することにより地震時の対処及び避難等が円滑かつ安全に行われるようになる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によれば、一端をもって揺動自在に軸支され、他端には強磁性材料からなる錘を有する振り子と、前記錘を吸引して常態において所定位置に保持する永久磁石を有するため、第1のスイッチ11の不用意な閉成が規制され、地震の際には自動的にかつ確実に稼働して停電等による事故の発生を未然に防止することができ、しかも構造が簡単で安価に実施できるというすぐれた効果が得られる。
請求項2によれば、付勢手段17により腕13bが反電磁石側に押圧されるため、第1のスイッチ11の不用意な閉成が規制され、可動体としての振り子がみだりに動くことが確実に防止されるため、装置の取付け位置や姿勢の自由度が増すというすぐれた効果が得られる。
請求項3によれば、一定以上の地震の発生時に自動的に点灯されて辺りが照らされたり、ブザーや警笛などの音が自動的に出力されたり、電波が出力されたりあるいは予め録音された避難方法や経路などの情報が自動的に出力されるため、安全に避難することができるというすぐれた効果が得られる。
請求項4によれば、一定以上の地震の発生時に自動的に点灯されて辺りが照らされるだけでなく、ブザーや警笛などの音が自動的に出力されたり、電波が出力されたりあるいは予め録音された避難方法や経路などの情報が自動的に出力されるため、より確実かつ安全に避難したり、被災者の存在や存在場所を周囲に知らせることができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】本発明装置の第1実施例の構成を示す回路図である。
【図4】図3の動作を説明する回路図である。
【図5】図3の動作を説明する回路図である。
【図6】図3の動作を説明する回路図である。
【図7】本発明装置の第2実施例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 機構部
5 駆動部
7 電源部
11 第1のスイッチ
13 可動体
13b 腕
13c 錘
15 保持手段
17 付勢手段
19 電磁石
21 電池
23 稼働手段
23’ 稼働手段
27 第2のスイッチ
【産業上の利用分野】
本発明は、地震発生時に自動的に稼働して避難、救出などの対処を円滑に行なうための安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
我が国は古来から地震の脅威にさらされており、過去に幾多の大地震に見舞われ、近時おいてもいくつかの大地震が発生し、尊い人命が多数失われている。こののため、地震等の災害に対する備えについての認識が高まり、防災用の各種備品や機器が提供されるようになっている。例えば、充電式の携帯用の蛍光灯、或いは懐中電灯とラジオとを組み合わせたもの等が市販されている。
【0003】
しかしながら、例えば、夜間に地震が発生し、停電となったときに屋外等の安全な場所へ避難する場合、通常は停電により周囲は真っ暗となっており、上述したような蛍光灯や懐中電灯を探すことは実際上困難である。
この対策として、照明器の電源プラグを家庭用のコンセントに差し込んでおくことにより、通常は消灯状態で充電がなされ、停電が発生したときには点灯して周囲を照らすようにした非常用の懐中電灯も知られる。
しかしながら、これとても、コンセントを常に一口分塞いでしまうという問題があるうえ、コンセントが非常時の避難等に適した位置にあるとは限らず、そのため懐中電灯の位置がコンセントの位置に限定されてしまい、点灯しても避難を容易なものにするとは言えない。さらにこれら懐中電灯等は単に周囲を照らすだけであり、他の機能を備えていないことから、災害用としては不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする技術的課題】
本発明は前記したような問題点を解消するために創案されたもので、その目的とするところは、簡単な構成でありながら、地震の際には自動的にかつ確実に稼働して辺りを照らしたり、居場所を示したり、あるいは避難、誘導の方法や経路などの情報を伝えたりすることができる安全装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明は、一端をもって揺動自在に軸支され、他端には強磁性材料からなる錘を有する振り子と、前記錘を吸引して常態において所定位置に保持する永久磁石と、前記振り子の揺動に応じてオン・オフする第1のスイッチと、前記第1のスイッチがオンのときに駆動され前記錘を吸引保持する電磁石と、この電磁石に電流を供給する電源部と、前記第1のスイッチのオンで稼働される稼働手段と、常態でオン状態にあり、オフ状態で前記電磁石への電力の供給を遮断する第2のスイッチとを備えた構成としたものである。
稼働手段としては、一般に照明器が用いられるが、これに代えまたはこれとともに通信機器、音響機器、警報機器などが用いられる。
【0006】
【作用】
本発明においては可動体として振り子が一端をもって揺動自在に軸支され、他端の錘が永久磁石の磁力により吸引されることにより保持される。この振り子が地震により揺動し、永久磁石の磁力による保持力を上回る大きな振動により錘及び腕が揺動すると、この揺動に応じて第1のスイッチがオフ状態からオン状態となる。
この第1のスイッチがオンとなった瞬間、電源部から電磁石に電流が供給され電磁石が駆動される。この電磁石の磁力により錘は吸引され保持され、同時に第1のスイッチのオンにより稼働手段にも電流が供給されるため稼働手段も稼働され、この状態が保持される。
【0007】
稼働手段として照明機器が用いられた場合には、地震の発生により自動的に点灯し、あたりを照らす。また、稼働手段として通信機器たとえば発信器である場合には、所定周波数の緊急信号が継続的に発信される。また、稼働手段として音響機器たとえば、ブザーなどの音声機器の場合には、継続的にそれら音声が周囲に拡声される。さらに音響機器がテープレコーダなど音声再生機器である場合は、これから自動的的に対処方法や避難経路などの音声情報が伝達される。
そして、非常事態が治まった後には、常態でオン状態である第2のスイッチをオフ状態とするもので、こうすれば前記電磁石への電力の供給が遮断され、可動体としての振り子の保持が解除されるため、振り子は元の位置に戻って保持手段としての永久磁石により保持されるとともに第1のスイッチがオフとなり、稼働手段は非作動状態に戻される。
【0008】
【実施例】
以下本発明による地震用安全装置の一実施例を添付図面に基いて説明する。
図1ないし図6は本発明の第1実施例を示しており、1は強化プラスチックなど強度の高い材料で構成されたケーシングであり、一部に壁等に対する取付け用部9を有し、内部には機構部3と、稼働手段としての駆動部5、および電源部7が配されている。
機構部3は可動体13と、これを常態において定位置に保持する手段15と、振動で可動体13が移動したときにオンとなる第1のスイッチ11と、この第1のスイッチ11のオンにより駆動され前記可動体13を強制的に保持する電磁石19を有している。
【0009】
前記可動体13はこの実施例では振り子が用いられており、該振り子13は腕13bを有し、腕13bの一端(基端)がケーシング1内に取り付けた支軸13aにより揺動自在に支持され、他端(自由端)には錘13cを有している。
保持手段15は錘13cに対応するケーシング側壁領域に設けられており、たとえば錘13cの機械的に動かないように止めておく板状、カップ状などのストッパ、あるいは腕13bの一端付近をケーシング側壁に近接するように牽引しておくフック状、紐状の留め部材でもよい。
しかしこれらは作動後に復旧し次の使用に備える場合に難がある。そこで、この実施例では錘13cを強磁性材料から構成する一方、保持手段15として永久磁石を用い、これをケーシング側壁付近に固定することで磁力により錘13cを吸着保持するようにしている。
【0010】
この振り子の揺動に応じてオン・オフする第1のスイッチ11はたとえばプッシュスイッチが用いられ、ケーシング側に固定側接点11aを設ける一方、腕13aの基端付近に可動側接点11bを設けている。
好ましくはさらに前記腕13aを保持手段方向に付勢する付勢手段17が用いられる。この付勢手段17は一端がケーシング1に固定され、他端が腕13aに当接ないし接続される。付勢手段17としては弾性体たとえばコイルバネや板バネが用いられる。この付勢手段17は可動側接点11bの保持手段を兼ねていてもよいし、可動側接点11bの保持機能がない別体のものであってもよい。
電磁石19は前記可動体13の移動域すなわちこの実施例では永久磁石15と対向位置のケーシング内他側壁領域に配置されている。電磁石19は永久磁石15よりも強力な磁力が発生するように巻線数などが設定されている。
【0011】
さらにケーシング1には、通常の状態(待機状態)でオン状態であり、オフ状態とされたときに前記電磁石19への電力の供給を遮断する第2のスイッチ27が設けられている。この第2のスイッチ27としてはたとえばスライドスイッチが用いられ、操作部27aがケーシング1の側壁に設けた長孔から外部に吐出している。
【0012】
次に駆動部5は、ケーシング1の第1のスイッチ11のオンで点灯される稼働手段として電球23と、この電球23の光を前方へ照射する反射板25により構成されている。
電源部7は、前記電球23及び電磁石19に電流を供給する部分であり、前記機構部3に隣接するケーシング1通常は電池21が使用される。電池21は乾電池、充電式電池のいずれでもよい。
なお、可動体13は好適には振り子であるが、場合によっては摺動体であってもよい。この場合には可動体13はボールや円筒体が用いられ、溝状ないし筒状のガイドの一端に保持手段15としてたとえば永久磁石が位置され、これに常態において吸着保持され、溝状ガイドの他端に電磁石19が配置される。
【0013】
【第1実施例の作用】
この第1実施例は、第2のスイッチ27を前面にして、ホルダ9を介して建物内の耐震性の高い構造物たとえば壁面等にしっかりと固定される。
図3ないし図6は第1実施例の作動を段階的に示している。なおこれらの図では、説明の都合上第2のスイッチ27の位置を第1のスイッチ11と電磁石19との間から、電球23と第2のスイッチ27との間に移動している。
図3は地震が発生していない状態を示しており、揺動自在に軸支された腕13bの自由端の錘13cが強磁性材料で形成されていることから、常態では保持手段15としての永久磁石15の磁力により吸着保持されている。したがって、このときには第1のスイッチ11の可動側接点11bは固定側接点11aと離間しており、第1のスイッチ11はオフとなっている。
【0014】
なお、このオフ状態は付勢手段17によっても維持される。すなわち、ケーシング1の設置方向によっては錘13cの自重によって軽微な地震でも振り子が揺動する可能性があるが、付勢手段17を設けた場合には腕13bが反電磁石側に押圧されるため、第1のスイッチ11の不用意な閉成が規制される。
本発明の作動する振動すなわち地震の震度は、錘13cの重さと永久磁石15の磁力の双方または一方によって任意にせっていあるいは調整することができる。また、付勢手段17を用いた場合には、錘13cの重さと永久磁石15の磁力および付勢手段17のばね定数によって作動震度が設定される。
【0015】
次に地震が発生し、その強さが永久磁石15による保持力を下回る軽微なものである場合には、錘13cは永久磁石15から離間しない。しかし、その地震の震度が永久磁石15の磁力による保持力を上回るものである場合には、錘13cが永久磁石15から離間し、図4に示すように、腕13bが基端の支軸13aを支点として揺動する。これにより腕13bに設けられている固定側接点11bがケーシング側の固定側接点11aに接触し、図5に示すように、第1のスイッチ11がオフ状態からオン状態となる。
この第1のスイッチ11がオンとなることで電源部7と電磁石19を結ぶ回路が導通し、電磁石19に電流が供給されるため電磁石19が駆動される。この電磁石19の磁力により錘13cは吸引される。また第1のスイッチ11のオンで電球23と電源部7とを結ぶ回路も導通するため、電球23へも電流が流れ、電球23が点灯する。
電磁石19の磁力は永久磁石15の磁力よりも強く設定されているため、錘13cはもはや電磁石19から離間せず、しっかりと保持され、したがって、第1のスイッチ11のオン状態が安定して保持され、電球23の作動は維持される。それゆえ、本実施例によれば、夜間に地震により停電が発生した際にも、瞬時に電球が点灯し室内等を照明するので、避難を安全にかつ容易にすることが可能となり、また点灯により本装置の位置もよくわかるため、本装置を壁等から取外し、携帯することにより安全に避難することができる。
【0016】
そして、非常事態が治まった後には、常態でオン状態である第2のスイッチ27を図6のようにオフ状態とすればよく、これにより電磁石19への電力の供給が遮断されるため振り子13の錘13cは吸着が解放され、ケーシング1を傾けて錘13cを永久磁石15に近接させれば、これの吸着力により再び元のように保持される。
【0017】
第1実施例は本発明をライトないし懐中電灯に適用した例であるが、本発明はこれに限定されるものではない。
図7は本発明の第2実施例を示しており、稼働手段23として照明器を用いるとともに、少なくとも1つの他の稼働手段23’も接続し、稼働手段23と連動させるようにしている。
他の稼働手段23’はケーシング1に内蔵させていてもよいし、外部に取り付けていてもよいし、独立していてもよい。
他の稼働手段23’の例としては、通信機器、音響機器、音声再生機器などが挙げられる。
【0018】
音響機器としてはブザーや警笛などの連続音または間欠音を出力する機器が挙げられる。
このようにすれば、地震の際には、前記のように腕13bが基端の支軸13aを支点として揺動して固定側接点11bがケーシング側の固定側接点11aに接触し、第1のスイッチ11がオフ状態からオン状態となることにより電磁石19と電球23および他の稼働手段23’がオンとなるため、光と音でその存在位置を周囲に知らしめることができることから、夜間等であっても被災者がその位置を容易に知ることが出来るばかりか、寝たきり老人等の身体の不自由な者の近傍に配備しておくことにより、災害時には、その位置を確実に知ることができ、当該老人の救助を迅速にかつ確実に行うことが可能になる。
また、通信機器としてはたとえば所望周波数の発信器が挙げられる。この場合には、光と電波あるいは光と電波と音によってもその所在を知らしめることから倒壊して建物の下敷きになったような場合であっても、救助を容易にすることが可能となる。
【0019】
また、他の稼働手段23’として拡声器付きのテープレコーダやCDなどの音声再生装置を用いた場合には、地震が発生したときにその音声再生装置に予め録音された情報が自動的に周囲に拡声されるため、より確実な行動をとったり、誘導を行うことができるようになる。
例えば、家庭内で使用する場合には、予め両親の声で地震時の行動順序や避難経路、避難場所や家族の落ち合う場所などのマニュアルをテープなどの媒体に録音しておき、その媒体を音声再生装置に装着し、その音声再生装置を本装置に組込みあるいは一体的に装備させておき、本装置を台所、子供室部屋などに設置しておくことで、留守中の地震の際にも光(またはこれと音、電波)と両親の声による指示や対処方法が子供に自動的に伝えられるため、大きな心理的動揺による危険が避けられ、安全に避難することが可能となる。
また、当該録音・拡声器システムを例えばリレー回路を介して本発明装置と接続する等して他の非常用電源による大規模システムを構築することも可能であり、このようなシステムをデパート、地下街、オフィスビル、集会所、旅館やホテルの客室及び廊下等に設置することにより地震時の対処及び避難等が円滑かつ安全に行われるようになる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した本発明の請求項1によれば、一端をもって揺動自在に軸支され、他端には強磁性材料からなる錘を有する振り子と、前記錘を吸引して常態において所定位置に保持する永久磁石を有するため、第1のスイッチ11の不用意な閉成が規制され、地震の際には自動的にかつ確実に稼働して停電等による事故の発生を未然に防止することができ、しかも構造が簡単で安価に実施できるというすぐれた効果が得られる。
請求項2によれば、付勢手段17により腕13bが反電磁石側に押圧されるため、第1のスイッチ11の不用意な閉成が規制され、可動体としての振り子がみだりに動くことが確実に防止されるため、装置の取付け位置や姿勢の自由度が増すというすぐれた効果が得られる。
請求項3によれば、一定以上の地震の発生時に自動的に点灯されて辺りが照らされたり、ブザーや警笛などの音が自動的に出力されたり、電波が出力されたりあるいは予め録音された避難方法や経路などの情報が自動的に出力されるため、安全に避難することができるというすぐれた効果が得られる。
請求項4によれば、一定以上の地震の発生時に自動的に点灯されて辺りが照らされるだけでなく、ブザーや警笛などの音が自動的に出力されたり、電波が出力されたりあるいは予め録音された避難方法や経路などの情報が自動的に出力されるため、より確実かつ安全に避難したり、被災者の存在や存在場所を周囲に知らせることができるというすぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明装置の第1実施例を示す縦断面図である。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】本発明装置の第1実施例の構成を示す回路図である。
【図4】図3の動作を説明する回路図である。
【図5】図3の動作を説明する回路図である。
【図6】図3の動作を説明する回路図である。
【図7】本発明装置の第2実施例の構成を示す回路図である。
【符号の説明】
1 ケーシング
3 機構部
5 駆動部
7 電源部
11 第1のスイッチ
13 可動体
13b 腕
13c 錘
15 保持手段
17 付勢手段
19 電磁石
21 電池
23 稼働手段
23’ 稼働手段
27 第2のスイッチ
Claims (4)
- 一端をもって揺動自在に軸支され、他端には強磁性材料からなる錘を有する振り子と、前記錘を吸引して常態において所定位置に保持する永久磁石と、前記振り子の揺動に応じてオン・オフする第1のスイッチと、前記第1のスイッチがオンのときに駆動され前記錘を吸引保持する電磁石と、この電磁石に電流を供給する電源部と、前記第1のスイッチのオンで稼働される稼働手段と、常態でオン状態にあり、オフ状態で前記電磁石への電力の供給を遮断する第2のスイッチとを有することを特徴とする地震用安全装置。
- 振り子を永久磁石側に付勢する手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の地震用安全装置。
- 稼働手段が、照明器、通信機器、音響機器、音声再生機器のいずれかである請求項1または請求項2のいずれかに記載の地震用安全装置。
- 稼働手段が照明器と通信機器、音響機器、音声再生機器の2種以上である請求項1または請求項2のいずれかに記載の地震用安全装置。
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