JP3556986B2 - Pcブロック - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、コンクリート層を積み重ねてコンクリート構造物を構築する際等に用いられるPCブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
本出願人は、多数のPCブロックを互いに間隔をおいた直線上に並べて二つのPCブロック列を作り、両PCブロック列の間にコンクリートフィニッシャによりコンクリート層を形成し、両PCブロック列の間でコンクリート層を順次積み上げ、コンクリート層が高くなるにつれてPCブロック列にPCブロックを積み重ねてのPCブロックの高さを大きくしていき、このようなコンクリート層とPCブロックの積み重ねの繰り返しにより効率良く砂防ダムの越流部を構築できる工法を出願している。
【0003】
そして、この種のPCブロックとして、断面がほぼ台形状で横方向に所定の長さ延在するブロック本体と、前記ブロック本体の長手方向と直交する方向における一方の側部から下方に膨出形成された膨出部とで構成されたものが用いられることが考えられ、双方のPCブロック列において、上部に至るにつれて互いに近付くように、膨出部をPCブロック列の内側に向けてPCブロックを積み重ねていくことが考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、両PCブロック列の間にコンクリート層を形成する場合、PCブロックに臨むコンクリート部分において、コンクリート部分の上面に膨出部が単に覆い被さったのでは、コンクリート中のエアーが膨出部に妨げられて抜け難く、PCブロック列の近傍においてコンクリート層の強度に問題が生じる。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、PCブロック列を利用してコンクリート層を形成する場合に、PCブロック例の近傍においてエアー抜きが支障なく行われるPCブロックを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明は、断面がほぼ台形状で横方向に所定の長さ延在するブロック本体と、前記ブロック本体の長手方向と直交する方向における一方の側部から下方に膨出形成された膨出部と、前記膨出部に形成され、下に配置されたブロック本体の上にブロック本体を載せた状態で下に配置されたブロック本体の側面に係合する係合面とを備えたPCブロックにおいて、前記膨出部に、前記係合面の下端から前記長手方向と直交する方向でブロック本体の膨出部が形成された前記側面に近付くにつれて上位となるように斜め上方に延在し該側面に交差する傾斜面を形成したことを特徴とする。
【0006】
また、本発明は、前記ブロック本体の上部が平坦な上面に形成され、ブロック本体の下部は前記上面に対応した面積の平坦な下面に形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記上面には係合凸部が膨出形成され、前記下面には前記係合凸部に係合可能な係合凹部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記ブロック本体の長手方向両端に位置する端部がそれぞれ平坦な端面に形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記係合凸部が前記上面でブロック本体の長手方向の端部寄りに形成されて前記端面から外方に膨出形成され、この端面から外方に膨出形成された部分の下部には、前記長手方向の外端に至るにつれて上位となる傾斜面が形成され、前記係合凸部が形成された箇所とはブロック本体の長手方向において反対に位置するブロック本体の端部には上面と端面にわたり前記端面から外方に膨出形成され部分で上面よりも下方に位置する部分が係合する係合凹部が形成され、更に、ブロック本体の長手方向で前記係合凸部が形成された側のブロック本体の下面と端面にわたり前記係合凸部の前記上面の上方に位置する部分が係合可能な係合凹部が形成され、前記係合凸部が形成された箇所とはブロック本体の長手方向において反対に位置するブロック本体の下面と端面にわたり前記係合凸部の前記端面から外方に膨出形成され部分で前記上面よりも上方に位置する部分が係合可能な係合凹部が形成されていることを特徴とする。
また、本発明は、前記膨出部が形成された箇所とは反対に位置する下面の外縁箇所に該外縁の全長にわたり目地材充填用の凹部が形成され、前記両端面のうちの一方の端面で前記膨出部が形成された箇所とは反対に位置する外縁箇所に該外縁全長にわたり目地材充填用の凹部が形成されていることを特徴とする。
【0007】
【作用】
PCブロックの近傍に位置するコンクリート部分は、膨出部に接触するものの、コンクリート部分の上に外側に向かうにつれて上位となる傾斜面が位置するので、コンクリート部分のエアー抜きが支障なく行われる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の実施例を砂防ダムの構築に適用した実施例について説明する。
図1は砂防ダムの概略平面図を示す。
1は砂防ダムで、砂防ダム1は、火砕流や土石流が生じたときにこれら流れを受け止めると共に、また、所定量以上の火砕流や土石流が越えて出ていく越流部3と、越流部3のそれぞれ両端に設けられ火砕流や土石流を前記越流部3に導く袖部5とから構成され、本発明により越流部3が構築される。
【0009】
越流部構築箇所では、まず、越流部構築箇所の両側において、越流部3の長手方向に沿ってPCブロック列7が直線状に設置される。
このPCブロック列7は、多数のPCブロック9がクローラダンプにより越流部構築箇所に運搬され、バックホウやスリップフォームペーパ等により直線状に並べられて構成される。
【0010】
図2はPCブロックの平面図、図3乃至図6はそれぞれ図2のA矢視、B矢視、C矢視、D矢視図を示し、図7はPCブロックを積み重ねた状態の側面図、図8は同正面図を示す。
PCブロック9は、断面がほぼ台形状で横方向に所定の長さ延在するブロック本体11と、前記ブロック本体11の長手方向と直交する方向における一方の側部から下方に膨出形成された膨出部13とを備える。
ブロック本体11の上部は平坦な上面15に形成され、ブロック本体11の下部には前記上面15に対応した面積の平坦な下面17が形成されている。
ブロック本体11の長手方向両端に位置する端部はそれぞれ平坦な端面19に形成されている。
ブロック本体11の長手方向と直交する方向に位置する両側部は、上方に至るにつれて互いに近付くように傾斜した側面21で形成されている。
【0011】
膨出部13には、下に配置されたブロック本体11の上にブロック本体11を載せた状態で下に配置されたブロック本体11の側面21に係合する係合面23が形成されている。
また、膨出部13には、係合面23の下端から前記長手方向と直交する方向でブロック本体11の膨出部13が形成された側面21に近付くにつれて上位となるように斜め上方に延在し該側面21に交差する傾斜面25が形成されている。
【0012】
前記上面15でブロック本体11の長手方向の端部寄りに係合凸部27が上方に膨出形成されている。
係合凸部27は端面19からも外方に膨出し、この端面19から外方に膨出された部分27Aには下位になるにつれて端面19から離れる傾斜面29が形成され、また、前記部分27Aの下部には、前記長手方向の外端に至るにつれて上位となる傾斜面31が形成されている。
【0013】
係合凸部27が形成された箇所とはブロック本体11の長手方向において反対に位置するブロック本体11の端部には上面15と端面19にわたり、隣りに配置されるブロック本体11の前記端面19から外方に膨出された部分27Aで上面15よりも下方に位置する部分が係合する係合凹部33が形成されている。
また、ブロック本体11の長手方向で前記係合凸部27が形成された側のブロック本体11の下面17と端面19には、下に配置されるブロック本体11の前記係合凸部27の前記上面15の上方に位置する部分が係合する係合凹部35が形成されている。
また、係合凸部27が形成された箇所とはブロック本体11の長手方向において反対に位置するブロック本体11の下面17と端面19には、斜め下側に配置されるブロック本体11の前記係合凸部27の前記端面19から外方に膨出する部分27Aで前記上面15よりも上方に位置する部分が係合する係合凹部37が形成されている。
【0014】
膨出部13が形成された箇所とは反対に位置する下面17の外縁箇所には、該外縁の全長にわたり目地材充填用の凹部41が形成されている。
両端面19のうちの一方の端面19で前記膨出部13が形成された箇所とは反対に位置する外縁箇所には、該外縁全長にわたり目地材充填用の凹部43が形成されている。
【0015】
前記PCブロック列7は、多数のPCブロック9を、その長手方向をPCブロック列7の長手方向に向けて並べることで作られる。
この作業はバックホウやスリップフォームペーパ等によりなされ、これら作業機の爪部を、PCブロック9の長手方向両端に位置する傾斜面31と係合凹部33に係止させることで、あるいは、両側面21の下端に係止させることで簡単になされる。
PCブロック9を並べる際、図8に示すように、係合凸部27の端面19から外方に膨出された部分27Aで上面15よりも下方に位置する部分を、隣りに位置するPCブロック9の係合凹部33に係合していき、これにより多数のPCブロック9が一体化され直線上に簡単に並べられる。
PCブロック9を直線上に並べたならば、図8に示すように、端面19の目地材充填用の凹部43に目地材を充填し、隣位のPCブロック9間を水密に結合する。
【0016】
このようにして越流部構築箇所の両側において、越流部3の長手方向に沿ってPCブロック列7が直線状に設置されたならば、図7に示すように、PCブロック列7の間にコンクリート層Cを形成する。
コンクリート層Cの形成は、越流部構築箇所の長手方向の一端にコンクリートフィニッシャを配置し、コンクリートフィニッシャのホッパー部にクローラダンプからコンクリートを投入しつつ、コンクリートフィニッシャとクローラダンプを越流部構築箇所の長手方向の他端側に走行させつつ行い、コンクリートフィニッシャからコンクリートが所定の厚み幅で越流部構築箇所に敷き均されていく。また、コンクリートフィニッシャの走行方向後方から敷均されたコンクリート上に振動ローラがコンクリートフィニッシャと同方向に走行され、コンクリートが締固められる。
更に、振動ローラの後方において、グリーンカットマシンにより締固められたコンクリート表面に散水されコンクリートの養生がなされ、次いで、グリーンカット作業が行われる。
このようにして所定の厚み、幅のコンクリート層Cが越流部構築箇所の長手方向に沿って直線状に形成される。
そして、両側のPCブロック列7の間で、前記作業が複数回繰り返して行われ、両側のPCブロック列7間にわたってコンクリート層Cが形成される。
【0017】
両側のPCブロック列7の間にコンクリート層Cが形成されたならば、前記と同様にコンクリート層Cの上にコンクリート層Cを重ねていく。
そして、コンクリート層Cが所定の高さまできたときに、詳細には、係合凹部33の下端近傍まで位置したときに、前記両側のPCブロック列7の上にPCブロック9を重ねてPCブロック列7を高くする。
【0018】
前記PCブロック9の積み重ねは、前記と同様に、バックホウやスリップフォームペーパ等により簡単になされる。
PCブロック9の積み重ねは、図7に示すように、下位のPCブロック9の側面21に積み重ねるPCブロック9の係合面23を係合させ、また、図8に示すように、下位のPCブロック9の両端面19と、積み重ねるPCブロック9の両端面19が同一面になるように行う。
このようにして積み重ねることで、下位のPCブロック9の係合凸部27が積み重ねるPCブロック9の係合凹部35,37に係合し、また、前記と同様に、係合凸部27の端面19から外方に膨出された部分27Aで上面15よりも下方に位置する部分が、隣りに位置するPCブロック9の係合凹部33に係合し、これにより多数のPCブロック9が一体化され水平方向及び前記PCブロック列7の長手方向の位置決めがなされる。
PCブロック9をPCブロック列7の上に並べたならば、前記と同様に、端面19の目地材充填用の凹部43に目地材を充填し、隣位のPCブロック9間を水密に結合する。また、下面17の目地材充填用の凹部41に目地材を充填し、下位のPCブロック9間を水密に結合する。
【0019】
PCブロック9をPCブロック列7の上に並べ凹部41,43に目地材を充填したならば、前記と同様にコンクリートフィニッシャにより、PCブロック列7の間にコンクリート層Cを形成する。
そして、PCブロック9の近傍に位置するコンクリート層C部分は、図7に示すように、PCブロック9の膨出部13に接触するものの、コンクリート層C部分の上には傾斜面25が位置するので、コンクリート層C部分のエアー抜きが支障なく行われ、強度に問題のないコンクリート層Cが得られる。
そして、このようなPCブロック9の積み重ねとコンクリート層Cの積み重ねにより越流部3が構築される。
【0020】
本実施例によれば、コンクリート層Cが形成される側であるブロック本体11の膨出部13に傾斜面25が形成されているので、PCブロック9の近傍に位置するコンクリート層C部分のエアー抜きが支障なく行われ、強度に問題のないコンクリート層Cが得られる。
また、ブロック本体11に係合凸部27と係合凹部33,35,37を設けたので、多数のPCブロック9が一体化されることは無論のこと、PCブロック9を直線上に並べる作業や積み重ねる作業を効率良く行うことができる。
また、側面21の下方に作業機の爪部を挿入することでPCブロック9の長手方向と直交する方向からPCブロック9を把持できることは無論のこと、ブロック本体11に傾斜面31と係合凹部33を形成したので、長手方向からもPCブロック9を把持でき、上記のPCブロック9を直線上に並べる作業や積み重ねる作業をより一層効率良く行うことができる。
また、ブロック本体11に目地材充填用の凹部41,43を設けたので、上下左右の隣位のPCブロック9間を水密に簡単に結合させることができる。
尚、本発明に係るPCブロック9はダムに限らず、種々のコンクリート構造物や土木構造物の構築に適用可能である。
【0021】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明は、断面がほぼ台形状で横方向に所定の長さ延在するブロック本体と、前記ブロック本体の長手方向と直交する方向における一方の側部から下方に膨出形成された膨出部と、前記膨出部に形成され、下に配置されたブロック本体の上にブロック本体を載せた状態で下に配置されたブロック本体の側面に係合する係合面とを備えたPCブロックにおいて、前記膨出部に、前記係合面の下端から前記長手方向と直交する方向でブロック本体の膨出部が形成された前記側面に近付くにつれて上位となるように斜め上方に延在し該側面に交差する傾斜面を形成した。
そのため、PCブロック列を利用してコンクリート層を形成する場合に、PCブロック例の近傍においてエアー抜きが支障なく行われるPCブロックが得られ、本発明に係るPCブロックを用いることにより強度に問題のないコンクリート層が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】砂防ダムの概略平面図である。
【図2】PCブロックの平面図である。
【図3】図2のA矢視である。
【図4】図2のB矢視図である。
【図5】図2のC矢視図である。
【図6】図2のD矢視図である。
【図7】PCブロックを積み重ねた状態の側面図である。
【図8】PCブロックを積み重ねた状態の正面図である。
【符号の説明】
9 PCブロック
11 ブロック本体
13 膨出部
23 係合面
25,31 傾斜面
27 係合凸部
33,35,37 係合凹部

Claims (6)

  1. 断面がほぼ台形状で横方向に所定の長さ延在するブロック本体と、
    前記ブロック本体の長手方向と直交する方向における一方の側部から下方に膨出形成された膨出部と、
    前記膨出部に形成され、下に配置されたブロック本体の上にブロック本体を載せた状態で下に配置されたブロック本体の側面に係合する係合面と、
    を備えたPCブロックにおいて、
    前記膨出部に、前記係合面の下端から前記長手方向と直交する方向でブロック本体の膨出部が形成された前記側面に近付くにつれて上位となるように斜め上方に延在し該側面に交差する傾斜面を形成した、
    ことを特徴とするPCブロック。
  2. 前記ブロック本体の上部は平坦な上面に形成され、ブロック本体の下部は前記上面に対応した面積の平坦な下面に形成されている請求項1記載のPCブロック。
  3. 前記上面には係合凸部が膨出形成され、前記下面には前記係合凸部に係合可能な係合凹部が形成されている請求項2記載のPCブロック。
  4. 前記ブロック本体の長手方向両端に位置する端部はそれぞれ平坦な端面に形成されている請求項2または3記載のPCブロック。
  5. 前記係合凸部は前記上面でブロック本体の長手方向の端部寄りに形成されて前記端面から外方に膨出形成され、この端面から外方に膨出形成された部分の下部には、前記長手方向の外端に至るにつれて上位となる傾斜面が形成され、前記係合凸部が形成された箇所とはブロック本体の長手方向において反対に位置するブロック本体の端部には上面と端面にわたり前記端面から外方に膨出形成され部分で上面よりも下方に位置する部分が係合する係合凹部が形成され、更に、ブロック本体の長手方向で前記係合凸部が形成された側のブロック本体の下面と端面にわたり前記係合凸部の前記上面の上方に位置する部分が係合可能な係合凹部が形成され、前記係合凸部が形成された箇所とはブロック本体の長手方向において反対に位置するブロック本体の下面と端面にわたり前記係合凸部の前記端面から外方に膨出形成され部分で前記上面よりも上方に位置する部分が係合可能な係合凹部が形成されている請求項4記載のPCブロック。
  6. 前記膨出部が形成された箇所とは反対に位置する下面の外縁箇所に該外縁の全長にわたり目地材充填用の凹部が形成され、前記両端面のうちの一方の端面で前記膨出部が形成された箇所とは反対に位置する外縁箇所に該外縁全長にわたり目地材充填用の凹部が形成されている請求項5記載のPCブロック。
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