JP3559084B2 - 水性分散体及びその用途 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、製膜性に優れ、防曇性、透明性、柔軟性、基材密着性に優れた塗膜を形成することが可能な水性分散液に関する。さらに詳しくは、防曇性フィルム、とりわけ長期にわたって高度の防曇性を持続できる農業用フィルムを製造することが可能な塗布型防曇剤となり得る水性分散体に関する。
【0002】
【従来の技術及び問題点】
一般に、プラスチック、ガラス、金属などの物体は、表面が雰囲気の露点以下になると微細な水滴が一面に付着し、とくに透明な物体の場合は曇りが生じる。その結果、透明性が要求される物体の機能が低下する。例えば、農業用フィルムにおける光線透過率の低下、鏡の曇り、各種窓の視界の低下などがあげられる。
【0003】
このような現象を防止する方法として、例えば、農業用フィルムにおいては、防曇性を改良するためにソルビタン、グリセリン等の脂肪酸エステルを代表例とする界面活性剤を添加する方法が一般的である。
【0004】
しかしながら、この方法では、界面活性剤のブリードに効果を依存することから、経時的に効果が低下するという欠点を有する。またその添加量を増やすと、その吸湿性に基づきフィルム加工時に発泡トラブルが生じるおそれがあった。したがって2年以上の長期にわたって良好な防曇性を持続させることは、このような練込み型の防曇剤を使用する限りは必ずしも容易ではなかった。
【0005】
一方、シリカゾル、アルミナゾルの如き無機質コロイドを塗布したものが長期防曇性に優れることはすでに知られており、関連する提案が数多くなされている(例えば、特開昭55−99987号、59−15473号、57−119974号、64−246984号公報等)。
【0006】
このような無機質コロイドを使用する塗布型防曇剤で考慮されなければならないことは、製膜性、塗膜の初期及び耐久密着性が優れるとともに、基材フィルムが有する優れた特性、例えば透明性、柔軟性等を損なわないことであり、これら全てを満足する塗布剤を得ることは必ずしも容易ではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明者らは、無機質コロイドを一成分とする優れた性能を有する塗布型防曇剤を得るべく検討を行った。その結果、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体をアンモニア又はアミンで中和した水性分散液と混合使用することにより、その目的が達成できることを知った。
【0008】
従って、本発明の目的は、基材上への製膜性が良好で、しかも基材との密着性、透明性、長期防曇性、柔軟性に優れた塗膜を形成できる塗布型防曇剤として利用可能な水性分散体を提供するにある。
本発明の目的はまた、基材上に上記水性分散体により塗膜を形成させてなる積層体を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、アンモニア又はアミンで中和度50%以上に中和され、不飽和カルボン酸含有量が10〜35重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)及びコロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロイド状合成スメクタイトから選ばれた少なくとも1種の無機質コロイド(B)が水に混合分散されてなる水性分散体であって、前記共重合体(A)と前記無機質コロイド(B)の混合割合が40/60〜60/40(固形分重量比)であることを特徴とする水性分散体に関する。
共重合体(A)及び無機質コロイド(B)に加え、更に水性ウレタン樹脂(C)を含有させることも出来る。
【0010】
本発明はまた、基材上に上記水性分散体により塗膜を形成させて成る積層体にも関する。
【0011】
【作用】
本発明の水性分散体は、上記特定無機質コロイド(B)を分散させる水性バインダーとして、上記特定エチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)を選択し、更に、この共重合体をアンモニア又はアミンで中和し、且つ、前記(A)、(B)両成分を特定混合割合で用いたことが顕著な特徴である。
【0012】
従来、コロイダルシリカ等による防曇処理に使用されている水性バインダーは、
分子内に多数の水酸基を有する重合体から成り、これらの処理液から形成される皮膜は防曇性の点からは満足できるものではあったが、この皮膜は耐水性が低く、基材への密着性や皮膜自体の強度も低く、防曇性の持続性においても未だ不満足なものであった。
【0013】
本発明で使用するエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレン単位に由来する非極性とカルボン酸に由来する極性とをバランスの良い形で兼ね備えている。共重合体中のカルボン酸が遊離の状態にある場合、この共重合体は親水性が低く、一方カルボン酸が塩の状態にある場合、共重合体は親水性が高くなる。
【0014】
このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体をアンモニア又はアミンで中和して、アンモニウム塩又はアミン塩とすることにより、共重合体は自己乳化性となり、水性分散体となって良好な塗装作業性が得られる。しかも、この水性乳化液は無機質コロイドの分散性や分散安定性にも優れている。
【0015】
好都合なことには、この水性分散体を基材に塗布し、乾燥すると、塩を形成していたアンモニア又はアミンが揮発し、遊離のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体に転化するので、被覆中のバインダーは耐水性のものとなり、このため、後述する例に示すとおり、この被覆は、無機質コロイドによる防曇性を示しながら、耐水性に優れたものとなる。このエチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、耐磨耗性、耐ピンホール性等の機械的性質に優れていると共に、カルボキシル基で変性されているため、基材に対する密着性に優れていると共に、無機質コロイドの保持性にも優れている。
【0016】
このため、本発明による水性分散体で処理した基材は、持続した防曇性を有する農業用フィルム等の用途に有用である。
【0017】
【発明の好適態様】
上記エチレン・不飽和カルボン酸共重合体における不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸などである。
【0018】
該共重合体はまた、上記単量体以外に、不飽和カルボン酸エステル、ビニルエステル、一酸化炭素のような他の単量体が共重合された多元共重合体であってもよい。ここに不飽和カルボン酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸nブチル、メタクリル酸メチルなどが代表的なものであり、またビニルエステルとしては、酢酸ビニルやプロピオン酸ビニルなどを例示することができる。
【0019】
上記共重合体としてはまた、エチレンが50〜90重量%、好ましくは70〜85重量%、不飽和カルボン酸が10〜35重量%、好ましくは15〜30重量%、他の単量体が0〜30重量%、好ましくは0〜15重量%となるような割合で共重合されているものが好ましい。
【0020】
不飽和カルボン酸の共重合割合があまり少ないものを用いると水分散性が良好でないため優れた水分散液を得ることが難しくなり、またその割合が多くなりすぎると、水分散液から得られる塗膜の吸湿性が大きくなるので、適当な共重合割合のものを用いるのが好ましい。
【0021】
このような共重合体はまた、水性分散液の製造の容易性を考慮すると、190℃、2160g荷重におけるメルトフローレートが、10〜1000g/10分、好ましくは20〜500g/10分、さらに好ましくは50〜300g/10分程度のものを使用するのが好ましい。
【0022】
このような共重合体は、高圧法ポリエチレンの製造と同様の高温、高圧下のラジカル共重合によって製造することができる。
【0023】
このような共重合体の中和源として、本発明においては、アンモニアまたはアミンが用いられる。これは、共重合体の水性分散液の製造が容易であるとともに、本発明の水性分散体を基材に塗布、乾燥する際、アンモニアまたはアミンであれば除去が容易であり、その結果、塗膜の耐水性を向上させることができるためである。アンモニアまたはアミンの代わりにアルカリ金属を用いた場合には、水性分散液の製造は容易であるが、塗膜の耐水性が不充分となるので望ましくない。またアルカリ土類金属や他の多価金属による中和では、水性分散液の製造が容易でない。
【0024】
アミンを使用する場合には、塗膜の乾燥の際の除去の容易性を考慮すると、低級アミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン等の使用が好ましいが、取扱性、沸点等を考慮すると、アンモニアの使用が最も好ましい。
【0025】
アンモニアまたはアミンによる中和は、水性分散液の安定性を考慮すると、共重合体中のカルボキシル基の50〜100%、通常60〜100%、好ましくは75〜100%中和するように行われる。
【0026】
中和された共重合体は、通常は、水性分散液の形で製造される。例えば所定量のアンモニアまたはアミンの共存下、共重合体を溶融させつつ、例えば100〜150℃の温度において、水中で高速攪拌することにより、水性分散液が得られる。
【0027】
水性分散液中の共重合体微粒子の平均粒径は、通常5〜1000nm程度、好ましくは10〜100nm程度である。この水性分散液における固形分濃度は、作業性の点から15〜30重量%程度に維持するのが望ましい。
【0028】
無機質コロイド(B)としては、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、合成スメクタイト、これらの混合物などを用いることができる。具体的には、水または親水性溶媒に分散されたゾル状の無機質コロイドを用いるのが好ましいが、上記共重合体(A)の水性分散液に配合してコロイド状になるような形で配合することもできる。
【0029】
例えば、ケイ酸アルカリ金属塩や合成スメクタイトは、共重合体の水性分散液と配合することによってコロイド状を呈する。コロイドの平均粒径としては5〜100nm程度のものが好ましく、これにより本発明の水性分散液を基材に塗布した場合に透明な塗膜を得ることができる。
【0030】
なお、ケイ酸アルカリ金属塩は、式、M2 O・nSiO3 ・xH2 O(Mは、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、nは0.1〜10、xは0〜10)で表されるもので、その代表例が水ガラスである。このケイ酸アルカリ金属塩は、水溶液あるいは水分散液として入手可能である。
【0031】
また、合成スメクタイトとしては、親水性のものと親油性のものが上市されているが、本発明においては親水性スメクタイトを使用するのが好ましい。使用可能な親水性スメクタイトにとくに制限はないが、水に1%分散させたときのpHが10以上のものが好ましい。具体的なものとして、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等のトリオクタヘドラル型スメクタイト、ベントナイト等のジオクタヘドラル型スメクタイト等が挙げられる。
【0032】
本発明の水性分散体は、このような無機質ゾルあるいは無機質コロイド生成材料と、上述のアンモニアあるいはアミンで中和された共重合体の水性分散液を混合することによって容易に得ることができる。
【0033】
本発明の水性分散体における共重合体と無機質コロイドの固形分比率(重量比)は、これより製造される塗膜の要求レベルによって若干異なるが、共重合体(A)と無機質コロイド(B)を固形分比で40/60〜60/40となるような割合で配合する。
【0034】
無機質コロイドの割合が少なすぎると、製膜した場合に防曇性能が不足し、また逆にその割合が多くなりすぎると製膜性が損なわれ、また柔軟な塗膜が得られない。
【0035】
本発明の水性分散体には、種々の添加剤を配合することができる。かかる添加剤として、通常の界面活性剤型の防曇剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、着色剤、無機質コロイド以外の無機フィラー、架橋剤などを挙げることができる。
【0036】
例えば、初期防曇性付与のため、グリセリン、ジグリセリン、ソルビタン等の多価アルコールの脂肪酸エステルを、共重合体(A)100重量部当たり、0.1〜5重量部程度配合すると有効である。
【0037】
また、本発明の水性分散体を塗布する基材との密着性、塗膜強度等を高めるため、エポキシ化合物、ウレタン樹脂などを配合すると有効な場合がある。
【0038】
例えば、熱反応性の水溶性ウレタン樹脂や乳化分散型ウレタン樹脂、あるいは非反応性の水分散型ウレタン樹脂のような水性ウレタン樹脂は、本発明の水性分散体との混合性にも優れ、かつ塗膜強度の改善に有効である。
【0039】
有効なウレタン樹脂(C)の配合量は、(A)+(B)/(C)=50/50〜99/1(固形分重量比)の範囲である。
【0040】
なお、熱反応性水溶性ウレタン樹脂としては、ポリエーテルポリオールまたはポリエステルポリオールの末端をポリイソシアネートと反応させ、カルバモイルスルホネート基で活性イソシアネート基を保護したものが入手可能で好ましい。また非反応型水系ウレタン樹脂でも、架橋構造を有するため、塗膜の耐久性、弾性回復力の向上に効果的である。
【0041】
本発明の水性分散体は、基材に防曇被膜を形成させる塗布剤として有用である。より具体的には、農業用フィルムの防曇被覆に有用である。かかる基材、例えば農業用フィルム基材としては、オレフィンの重合体または共重合体のものが特に好適である。例えば、低密度ポリエチレン、中・高密度ポリエチレン、エチレンと炭素数3以上のα−オレフィンとの共重合体である線状低密度ポリエチレン、酢酸ビニル含量が例えば20重量%以下であるエチレン・酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル含量が20重量%以下であるエチレン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体、不飽和カルボン酸含量が例えば20重量%以下であるエチレン・不飽和カルボン酸共重合体またはそのアイオノマー、あるいはこれらの混合物などを好適例として挙げることができる。
【0042】
かかる基材はまた、種々の樹脂の多層構造のものであってもよい。これら基材はまた、防曇塗膜との密着性を改善するために、コロナ処理やオゾン処理などの表面処理を施したものであってもよく、ポリエチレンイミン、シランカップリング剤等のアンカーコーティング処理を施したものであってもよい。
【0043】
これら基材の中では、防曇塗膜との密着性を考慮すると、エチレン・極性化合物共重合体、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体またはその組成物を塗布面とするものが好ましい。使用可能な他の基材として、ポリ塩化ビニル、ポリエステルなどを例示することができる。
【0044】
本発明の水性分散体を基材に塗布するには、一般にフィルムに用いられている塗布方法、例えばバーコード法、ロールコート法、スプレーコート法、刷毛塗り法等の方法で行うことができる。
【0045】
塗布後の乾燥方法としては、自然乾燥でもよいが、作業能率の点から加熱強制乾燥法を採用するのが好ましい。加熱乾燥には、熱風乾燥法、赤外線乾燥法等があり、水分、アンモニア、アミン等の蒸発によって耐水性、防曇性、透明性に優れた塗膜を形成することができる。
【0046】
水性分散体の塗布量は、用途、使用条件等によって決定されるものであり、とくに制限はないが、農業用フィルムにおいては、例えば無機質コロイド分が、1m2 当たり、1〜5g程度となるように塗布するのが好ましい。
【0047】
【実施例】
以下に本発明をさらに詳細に説明するために実例を示すが、これらは本発明を限定するものではない。
【0048】
1.原材料 実施例に使用した樹脂及び無機化合物の種類は次のとうりである。
【0049】
2.測定法
得られた塗膜の物性の測定法は以下の通りである。
【0050】
3.エチレン・不飽和カルボン酸共重合体水性分散体の製法
EMAAの水性分散体
200ml容量、攪拌機付きのステンレス製オートクレーブに蒸留水135ml、EMAA−1のペレット45g、KOH6.1g(90mol%中和相当)を仕込み(水性分散体の固形分として25重量%)、13/sの回転数にて攪拌下に加熱して昇温した。オートクレーブ内温が150℃に昇温後その温度にて20分攪拌を続けた後、攪拌下にオートクレーブを冷却し、室温まで冷却して水に安定して分散したエチレン・メタクリル酸共重合体のK分散体を得た。水性分散体は透明で粘度は120cps、平均粒径は30nm、pHは10であった。
EAAの水性分散体
200ml容量、攪拌機付きのステンレス製オートクレーブに蒸留水135ml、EMAA−1のペレット45g、アンモニア1.6g(75mol%中和相当)を仕込み(水性分散体の固形分として25重量%)、13/sの回転数にて攪拌下に加熱して昇温した。オートクレーブ内温が150℃に昇温後その温度にて60分攪拌を続けた後、攪拌下にオートクレーブを冷却し、室温まで冷却して水に安定して分散したエチレン・メタクリル酸共重合体のアンモニア水性分散体を得た。水性分散体はやや白色で透明性良く、粘度は290cps、平均粒径は70nm、pHは9.3であった。
【0051】
実施例1
EAAの水性分散体で作成した水性分散体(固形分25wt%)20gに室温にてコロイダルシリカのスノーテックスUPを5g添加し均一になるように攪拌した。この分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一になるように広げてコーティングした。コーティングしたフィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥して水分、アンモニア成分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得た。このコーティングしたフィルムは耐水性に優れ、防曇性テストでもフィルム表面が一様に濡れ、水が水滴状になることはなかった。また、シリカ成分を含むことからフィルムの滑り性も良く、この乾燥温度で処理すれば基材フィルムと塗膜との密着性も良好であった。
【0052】
実施例2〜4
EAAの水性分散体で作成した水性分散体(固形分25wt%)20gに室温にて無機化合物を計算量添加し、均一になるように攪拌した。
この分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一になるように広げてコーティングした。
コーティングしたフィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥して水分、アンモニア成分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得た。
塗膜の物性測定結果を表1に示す。
【0053】
実施例5
EAAの水性分散体(固形分25wt%)20gに室温にてコロイダルシリカのスノーテックスUPを5gとポリウレタン樹脂水性分散体スーパーフレックスSF300を1.67g添加し均一になるように攪拌した。
この分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一になるように広げてコーティングした。
コーティングしたフィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥して水分、アンモニア成分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得た。
このコーティングしたフィルムは耐水性に優れ、防曇テストでもフィルム表面が一様に濡れ、水が水滴状になることはなかった。
また、シリカ成分を含むことからフィルムの滑り性も良く、この乾燥温度で処理すれば基材フィルムと塗膜との密着性も良好であった。
製膜性も良く、ポリウレタンを含むことから柔軟な塗膜が得られた。
【0054】
比較例1
EMAAの水性分散体で作成した水性分散体(固形分25wt%)20gに室温にてコロイダルシリカのスノーテックスUPを5g添加し均一になるように攪拌した。この分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一になるように広げてコーティングした。コーティングしたフィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥して水分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得た。このコーティングしたフィルムは、防曇性テストでフィルム表面が一様に濡れ水が水滴状になることは見られなかったが、塗膜内にKイオンが存在することから耐水性テストでは塗膜の膨潤が見られた。その他の物性を表1に示す。
【0055】
比較例2
ポリアクリル酸(PAA)の水溶液20gに室温にてコロイダルシリカのスノーテックスUPを5g添加し均一になるように攪拌した。この分散体を50μm厚のエチレン・酢酸ビニル共重合体フィルム上に2番のワイヤーバーを用いて厚みが均一になるように広げてコーティングした。コーティングしたフィルムを70℃の熱風乾燥機に1分間入れ、加熱乾燥して水分を除去し、厚み約3μmの透明な塗膜を得た。このコーティングしたフィルムは、防曇性テストでフィルム表面が一様に濡れ水が水滴状になることは見られなかったが、PAA自体が水溶性であることから耐水性テストでは塗膜の膨潤が見られた。その他の物性を表1に示す。
【0056】
比較例3、4
実施例1に於いて、EAAと無機化合物(スノーテックスUP)の組成比(50/50)を夫々70/30(比較例3)、80/20(比較例4)に変更した以外は実施例1と同様に処理して塗膜を得、同様に評価した。
結果を表1に示す。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
Claims (5)
- アンモニア又はアミンで中和度50%以上に中和され、不飽和カルボン酸含有量が10〜35重量%のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体(A)及びコロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、コロイド状合成スメクタイトから選ばれた少なくとも1種の無機質コロイド(B)が水に混合分散されてなる水性分散体であって、
前記共重合体(A)と前記無機質コロイド(B)の混合割合が40/60〜60/40(固形分重量比)であることを特徴とする水性分散体。 - 前記共重合体(A)及び無機質コロイド(B)に加え、さらに水性ウレタン樹脂(C)を含有してなる請求項1記載の水性分散体。
- 前記共重合体(A)、無機質コロイド(B)及び水性ウレタン樹脂(C)の混合割合が、〔(A)+(B)〕/C=50/50〜99/1(固形分重量比)である請求項2記載の水性分散体。
- 基材上に、請求項1乃至3の何れかに記載の水性分散液を塗布、乾燥して塗膜を形成させてなる積層体。
- 基材が、オレフィンの重合体もしくは共重合体のフィルムである請求項4記載の積層体。
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