JP3561005B2 - Xリンク式昇降装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ベースとテーブルとの間に、一対のリンクを互いに交差させてその交差点を軸止するX型平行伸縮機構を配置して、そのX型平行伸縮機構の開閉操作によりテーブルを昇降作動させるXリンク式昇降装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、特公昭57−16078号公報に公知事例として記載されているXリンク式昇降装置は、上昇状態の正面を示す図6のように、交差点4からテーブル1に軸支される上端部20に至る内側リンク3の内側部分に、基端を枢着するてこ杆5aと、前記交差点4からてこ杆5aの枢着点7に至る内側リンク3の部分の上下線対称に相当する外側リンク2の、ベース21に軸支される下端部13側の内側部分に取り付けるとともに前記てこ杆5aと一体に連設するカムアーム5が接触するローラー6と、前記外側リンク2の下端部13にシリンダを軸支するとともに前記カムアーム5にピストンを軸支するシリンダ機構10と、前記カムアーム5の回動を停止させるストッパー9eを備えている。
このXリンク式昇降装置は、昇降初期はシリンダ機構10が伸長を始めると、てこ杆5aが下方向へ回動しローラー6を上方向へ押圧し、リンク2,3が起立し始める。そして、カムアーム5がストッパー9eに接触するとカムアーム5の回動を停止し、シリンダ機構10が直接リンク2,3を起立させる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のXリンク式昇降装置では、昇降装置を折り畳んだ場合に、外側リンクの内側に位置するローラーと内側リンクの下端とが接触するので、内側リンクと外側リンクとを横から見る場合重ねることができないため、Xリンク式昇降装置の最低地上高が大きくなってしまう。また、単にその内側リンクの下端に、切り欠きを設けても交差点に近いため内側リンクの剛性が低下する。ローラーを下端側に移動すると、てこ杆の回動量が不足する。
そして、その地上高が大きく、乗り入れる際車両の底部をテーブルに接触させないように地上面下へ収納するピットを設けるための掘削を伴う設置作業は困難であって、ピットの底に塵芥又は汚水が溜り不衛生である上、修理及び点検が面倒である。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明は従前の基本的思想を受け継ぎ、その要旨はカムアーム及びローラーを一対のリンク間に位置させるとともにカムアームの取付位置は交差点に近接したままカムアームに軸支されるシリンダ機構をリンクの端部に取り付けることにより操作性を向上させるXリンク式昇降装置である。その構成は、ベースとテーブルとの間に、一対のリンクを互いに交差させてその交差点を軸止し、交差点を中央に配置するX型平行伸縮機構を配置して、そのX型平行伸縮機構の開閉操作によりそのテーブルを昇降作動させるXリンク式昇降装置において、
前記いずれか一方のリンクにおける、前記中央の交差点から端部に至る任意部位に、
基端を枢着されるカムアームと、そのカムアームより短く、且つその枢着点より前記端部側の前記リンクに基端を枢着するテコアームと、それらカムアーム及びテコアームの先端同士を連動可能に連結する連結体と、他方のリンクに取り付けるローラーと、前記カムアームの基端側に一体に連設し、前記ローラーにおける交差点側の周面に接触するてこ杆と、前記ローラーの取付点から前記交差点までの他方のリンク及びテコアームの相互間を連結するシリンダ機構とを備えるとともに、
そのシリンダ機構のシリンダの底面のうち上端部がリンクに取り付けられ、昇降装置を下降させたリンクの上下方向の幅内に収納されることを特徴とするXリンク式昇降装置である。
更に、請求項2に係る発明は、シリンダ機構のピストンロッドが、ベースを摺動するリンクの端部に取り付けられ、シリンダが、他方のリンクの交差点の近接部分に取り付けられ、ピストンロッドに対しシリンダの底面が上側に位置して浮いてくる気泡を集約させるエア抜きが油送管より行えることを特徴とする請求項1記載のXリンク式昇降装置である。
【0005】
【作用】
上述する請求項1に係る発明の構成により、リフト長手方向に対し半分ほどのシリンダ機構を有した、折り畳まれたX型平行伸縮機構の拡開操作により、まずシリンダ機構が伸長すると一方のリンクに基端を枢着するテコアームが回動し、連結された連結体を介してその交差点に近い位置の同じリンクに基端を枢着するカムアームが回動する。そして、そのカムアームの基端側に一体に連設するてこ杆の回動により、交差点側の周面に接触するローラーが上方向に押圧され、リンクが拡開されて起立することにより、テーブルが上昇される。
【0006】
【実施例】
以下本発明に係るXリンク式昇降装置を備える車両整備用リフトについて図面に基づき説明する。
図1はそのXリンク式昇降装置の概略を示す正面図であって、この昇降装置を上昇した状態を示し、左右の長手方向の端部を一部省略している。
1は整備をする車両を載置するテーブルであり、テーブル1の下方の地上面にはベース21が固着され、これらのテーブル1及びベース21との間には、一対のリンク2,3を互いに交差させてその交差点4を中央で軸止するX型平行伸縮機構を2基並列に配置している。整備車両の片側前後輪は1基毎のテーブル1により支持され、それらのX型平行伸縮機構の2基を同調させた開閉操作によりそのテーブル1の整備車両を昇降作動させる。なお、車両中央部の整備作業の利便性を考え、テーブル1を載置する整備車両の両側に2本としているが、テーブルは1枚の板状である場合又はテーブル1上に、整備車両のシャーシーを支持する小型昇降装置を備える場合もある。
そのX型平行伸縮機構の外側のリンク2は、その上端18をテーブル1に回動可能に枢着され、その下端にはローラー19を軸止し、ベース21のレール21rに沿って摺動自在に設ける。また、内側のリンク3は前記と逆に、下端17をべース21に回動可能に枢着され、上端にはローラー20を軸止し、テーブル1下面のレール1rに沿って摺動自在に設ける。
【0007】
5は、リンク2における前記交差点4から下端部19に至る部分2aのうち、後述するテコアームの取り付け位置に対しその交差点4に近くなる、つまり、その部分2aの中間付近である位置7に、基端が枢着されるカムアームである。そのリンク2におけるカムアーム5の位置は、前記交差点4から、上端部又は下端部に至るいずれかのうち下端部19に至る部分2aのうち、その交差点4から、後述するテコアームの取り付け位置に対し近い位置7である。9は、そのカムアーム5と同じリンク2に基端を枢着するテコアームであって、そのリンク2におけるテコアーム9の取り付け位置は、カムアーム5の取り付け位置7より下端部19側であってその交差点4から遠い側の位置9aとなる。8は、それらカムアーム5及びテコアーム9の先端同士を連動可能に連結する連結体である。カムアーム5の、連結体8との連結点から枢着点7までの長さは、テコアーム9の、連結体8との連結点から枢着点9aまでの長さより長く、テコアーム9の駆動力をカムアーム5に効率よく伝達できる。
6は、前記交差点4からカムアーム5の枢着点7に至る前記リンク2における部分2bに対し、交差点4を通る平行線pについて上下方向で線対称に相当する他方のリンク3の部分3bに取り付けられるローラーである。5bは、前記カムアーム5の基端付近へ一体に連設され、前記ローラー6における交差点4側の周面に接触するてこ杆である。そして、短いカムアーム5に対し、直交し長いてこ杆5bは、カムアーム5とL字状の形態となる。なお、カムアーム5とてこ杆5bとの角度及び各々の長さは、各々の取り付け位置、カムアーム5に伝達される駆動力及び整備車両の重量又は昇降高さにより実施例には限定されない。10は、前記ローラー6の取付点6aから交差点4に至る他方のリンク3における部分3c及びテコアーム9における中央部分の相互間を連結するシリンダ機構である。
【0008】
図2は、前記テーブル1の全体及びレール21rの端部を省略する図1の平面図である。X型平行伸縮機構の外側に一対のリンク2が、また、その内側に一対のリンク3が各々位置し、それら総べては交差点4により軸止されている。片側のリンク2の内側に、カムアーム5、てこ杆5b、連結体8及びテコアーム9が、またリンク3の外側にローラー6が各々位置している。それらの各部材は片側のリンク2及びリンク3の間に位置しているので、一対のリンク2間に位置するシリンダ機構10並びに落下防止機構としてのラック11及び係止爪12を備えるピストンロッド10bのカバー13と下降時に干渉しないようになっている。なお、ラック11はシリンダ10aの両側に固着され、そのラック11の段部に、一端をピストンロッド10bと同軸に枢着されるカバー13の係止爪12が接触している。そして、昇降装置の上昇時にはラック11の上を係止爪12は摺動し、下降時には係止爪12がラック11に係止し落下防止機能を発揮する。また、係止状態を解除するためには、一端を枢着するカバー13を持ち上げつつ、シリンダ機構10を収縮させる。
ただし、スペース的に片側のリンク2及びリンク3の間に設置できないシリンダ機構10の押圧力を、内側のリンク2に干渉する事無くテコアーム9に伝達するために、外側アーム2の下端部19付近を斜視図として示す図3のようにテコアーム9は、リンク2,2間に連架される回動軸9bに固着される長アーム9cと短アーム9dとに分離され、長アーム9cの先端には連結体8を、短アーム9dの先端にはシリンダ機構10を各々軸支している。そして、X型平行伸縮機構の収縮時には、長アーム9cと短アーム9dとの間の回動軸9b部分に、リンク3の上端部20の下面に設ける逃がし部3dが接触するので、図4のように正面においてはリンク2,3が平行に重複する。また、前記逃がし部3dは、例えば、連結体8及びテコアーム9を省略し、シリンダ機構10を直接カムアーム5に軸支することにより、リンク3の下面の上端部以外にも設けることが可能であるが、リンク2の一部に形成する切り欠きが交差点4に接近する程、曲げモーメントが大きくなり、逃がし部3dによりリンク3の剛性が低下するので、従来のリンク3より剛性が強化される場合を除き昇降装置としては好ましくない。
【0009】
次に、この昇降装置の作動を説明する。
図4は、図1に示す昇降装置を下降させた状態を示す正面図であって、その全体とリンク2における部分2aを部分的に拡大するものとを示す。各部材は、折畳まれたリンク2,3の幅内に収まる上下方向の高さを有するので、昇降装置として最低の地上高しか有しないから、昇降装置を収容するためのピットは必要なくなる。
シリンダ機構10が伸長すると、テコアーム9は図1の左方向であるリンク2の下端部19側へ回動し、連結体8を介して、カムアーム5及びてこ杆5bを左方向に回動させ、カムアーム5とほぼ直角の角度を有するてこ杆5bがローラー6の周面に接触し、ローラー6を回転させながら上方へ押圧するので、リンク2,3が起立していく。
図5は、図4に示す昇降装置を上昇させた途中の状態を示す正面図である。左方向に回動されるてこ杆5bが接触していたローラー6から、遅くとも離反する位置で、カムアーム5又はテコアーム9の左方向への傾斜を停止するストッパー9eを備えており、これ以降はカムアーム5及びテコアーム9は左方向の回動を停止し、リンク2の部分2b及びリンク3の部分3bの間隔を、シリンダ機構10が直接拡大して、テーブル1の上昇作動を図1に示す状態まで続けていく。
【0010】
特に、上記実施例においては、下端部19を摺動する外側リンク2の交差点4より下端部19側に、カムアーム5、てこ杆5b、連結体8及びテコアーム9を、また下端部17を枢着する内側リンク3の交差点4より上端部20側に、ローラー6及びシリンダ機構10のシリンダ10aを各々軸支する。
つまり、図1において、シリンダ機構10のシリンダ10aは、リンク2の下端部19側ではなく、リンク3の交差点4に近接するリンク3の部分3bに取り付けることにより、交差点4に対しシリンダ機構10の作用点を偏心させ上昇力を得なければならない位置において曲げに対する剛性がピストンロッド10bより大きいシリンダ10aを利用することができる。
そして、シリンダ10aの底面のうち上端部がリンク3に取り付けられ、昇降装置を下降させた図4においてリンク2,3の上下方向の幅内にシリンダ機構10が収納される。この取り付け位置により、例えば底面の中心だと偏心しているシリンダ3の上端部がリンク幅から突出する場合に比べ、最低地上高を小さくできる。
また、シリンダ機構10のピストンロッド10bに対し、油送管(図示省略)を取り付けるシリンダ10aの底面が上側に位置するので、2基のX型平行伸縮機構において同調されているシリンダのエア抜きを、浮いてくる気泡が集約される油送管から簡単に行うことができる。
更に、シリンダ機構10のシリンダ10aを取り付けるリンク3は下端側17を固定し、シリンダ10aから下端部17までの距離が一定なので、シリンダ機構10へ作動油を供給する油送管に折曲げ又は伸縮などの余分な負荷がかからない上、油送管はシリンダ機構10と平行にリンク2の内側に位置しないで、シリンダ10a、油送管及び下端部17の順序で直列になるのでシリンダ機構10周囲の空間を有効に利用し、X型平行伸縮機構を小型化できる。
また、シリンダ2,3の内外の位置関係は下端部17を回動可能に枢着するリンク3を内側としているので、シリンダ機構10の一端は、直接一方のリンクであるリンク3に軸支できる。万が一、下端部を回動可能に枢着するリンクを外側とする場合、最低地上高の点を考慮してシリンダ機構10のシリンダを取り付ける軸が内側のリンクに干渉しないように、内側のリンクの交差点に近い部分を切り欠いて逃し部を設けなければならなくなる。
【0011】
なお、上記実施例はテーブルに整備用車両を載置する整備用車両リフトであるが、そのテーブルに、段ボールなどを摺動させるローラーを設ける荷役用リフトとして又はそのベースの下面に、自在輪を設ける搬送用台車として利用することも可能である。また、上記実施例においては、カムアーム5、てこ杆5b、連結体8及びテコアーム9、並びにローラー6及びシリンダ機構10のシリンダ10aの各々軸支する位置は、下端部19を摺動する外側リンク2の交差点4より下端部19側、及び下端部17を枢着する内側リンク3の交差点4より上端部20側にする場合であるが、他にいずれか一方のリンクにおける、交差点から端部に至る任意部位に軸支する場合として、上下逆に、その内側リンク3の交差点4より上端部20側、及びその外側リンク2の交差点4より下端部19側にする場合と、上記実施例の左右逆にして、その内側リンク3の交差点4より下端部17側、及びその外側リンク2の交差点4より上端部18側にする場合と、上記実施例の上下・左右逆にして、その外側リンク2の上端部18側、及びその内側リンク3の下端部17側にする場合とに設定できる。
【0012】
【発明の効果】
請求項1に係る本発明によれば、交差点を中央に配置するXリンク式昇降装置を折り畳んだ場合に、内側リンクと外側リンクと重ね、Xリンク式昇降装置の最低地上高を小さくするので、乗り入れる際車両の底部を接触させないためのピットを設ける必要がない。このため掘削を伴う設置作業を省略でき設置作業を簡便にした上、従来ピットの底に塵芥又は汚水が溜らず衛生的であり、ピットに度々降りる必要がなくなり修理又は点検が容易である。また、昇降装置を下降させたリンクの上下方向の幅内に収納されるので、最低地上高を小さくすることができる。
更に、請求項2に係る本発明により、ピストンロッドに対しシリンダの底面が上側に位置して浮いてくる気泡を集約させるエア抜きが油送管より行えるので、設置・保守作業が簡単に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るXリンク式昇降装置を上昇させた状態を示す正面図である。
【図2】図1のテーブルを省略する平面図である。
【図3】外側リンクの下端部を示す斜視図である。
【図4】図1のXリンク式昇降装置を下降させた状態を示す正面図である。
【図5】図1のXリンク式昇降装置の上昇途中の状態を示す正面図である。
【図6】従来のXリンク式昇降装置を上昇させた状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1・・テーブル、2・・外側リンク、3・・内側リンク、4・・交差点、5・・カムアーム、5b・・てこ杆、6・・ローラー、7・・枢着点、8・・連結体、9・・テコアーム、10・・シリンダ機構。

Claims (2)

  1. ベース(21)とテーブル(1)との間に、一対のリンク(2,3)を互いに交差させてその交差点(4)を軸止し、交差点(4)を中央に配置するX型平行伸縮機構を配置して、そのX型平行伸縮機構の開閉操作によりそのテーブル(1)を昇降作動させるXリンク式昇降装置において、
    前記いずれか一方のリンク(2)における、前記中央の交差点(4)から端部に至る任意部位に、
    基端を枢着されるカムアーム(5)と、そのカムアーム(5)より短く、且つその枢着点(7)より前記端部側の前記リンク(2)に基端を枢着するテコアーム(9)と、それらカムアーム(5)及びテコアーム(9)の先端同士を連動可能に連結する連結体(8)と、他方のリンク(3)に取り付けるローラー(6)と、前記カムアーム(5)の基端側に一体に連設し、前記ローラー(6)における交差点側の周面に接触するてこ杆(5b)と、前記ローラー(6)の取付点(6a)から前記交差点(4)までの他方のリンク(3)及びテコアーム(9)の相互間を連結するシリンダ機構(10)とを備えるとともに、
    そのシリンダ機構(10)は、シリンダ(10a)の底面のうち上端部がリンク(3)に取り付けられ、昇降装置を下降させたリンク(2,3)の上下方向の幅内に収納されることを特徴とするXリンク式昇降装置。
  2. シリンダ機構(10)は、ピストンロッド(10b)が、ベース(21)を摺動するリンク(2)の端部に取り付けられ、シリンダ(10a)が、他方のリンク(3)の交差点(4)の近接部分に取り付けられ、ピストンロッド(10b)に対しシリンダ(10a)の底面が上側に位置して浮いてくる気泡を集約させるエア抜きが油送管より行えることを特徴とする請求項1記載のXリンク式昇降装置。
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