JP3565973B2 - 放射線計数装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、測定対象物の放射線を正しく測定するのに好適な放射線計数装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8は放射線計数装置の従来例を示し、放射線計数装置1は、放射線検出器2と前置増幅器3と主増幅器4と波高弁別器5および計数記憶器6により構成される。
【0003】
ここで、放射線検出器2は、放射性廃棄物等の放射線源7より放射された放射線8を検出する度に放射線8のエネルギーを電気信号に変換する。前置増幅器3は放射線検出器2から出力された電気信号を増幅する。主増幅器4は前置増幅器3により増幅された電気信号をさらに増幅すると共に、放射線8のエネルギーに比例した波高のパルス信号に変換する。このとき、前記パルス信号の時間幅より短い間隔で次の放射線が検出されると、二つのパルス信号が重なって、パルスの数が減ると共に、放射線のエネルギーに比例した波高ではなくなる場合がある。主増幅器4には、このようにして放射線8のエネルギーに比例した波高ではなくなったパルスを無効なパルスと判断する機能を持ったものもある。波高弁別器5は主増幅器4の出力パルスの波高が、一つあるいは複数の境界で区切られた範囲のいずれに属するかを弁別する。
【0004】
この弁別が終了するまでに次のパルスが主増幅器4から出力された場合、波高弁別器5はそのパルスを無効なパルスとして無視する。また、波高弁別器5には、放射線8が放射線検出器2に検出された結果、主増幅器4から出力されるパルスが有効となる時間帯、すなわち、実効測定時間であるか、無効となる時間帯、すなわち、不感時間であるかの区別を示す信号を出力する機能があり、短時間内における実時間に対するそれらの時間帯の比率の表示等を行う機能もある。
【0005】
ここで、上記する不感時間と実効測定時間について、一般的に説明すると、ほとんど全ての検出器では、二つの事象が2個の分離したパルスとして記録されるために必要な最小の時間がある。この最小の分離時間を計数装置の不感時間(dead time)と呼んでいる。放射性崩壊のランダムな性質によって、ある事象が前の事象のすぐ後に起きること、それは記録できないで失われてしまうことになる。
【0006】
計数装置の不感時間の振舞に関し、「まひ型(paralysable)」と「非まひ型(nonparalysable)」の二つのモデルがよく用いられている。
【0007】
まず、「まひ型」について図9に従って説明する。
【0008】
入力パルスに時間巾があって図9に示すように2つ以上が重なり合って(これをパルスアップと言う)いずれも無効となってしまう(波高情報が失われるため)場合、パルスの巾が不感時間となる。第1のパルスによる不感時間中に入力された第2のパルスにより、新たに不感時間が発生するため、これが連続すると回路はまひ状態となる。この場合、真の計数率をn、見かけの計数率(実測される計数率)をm、パルス巾をτとすると次の式(1)が示される。
【0009】
【数1】
【0010】
一方、「非まひ型」について図10に従って説明する。
【0011】
有効な入力パルスの波高値をAD変換等に要する時間中に入力した次のパルスを無効とする場合、不感時間はAD変換等の所要時間であるが、無効となった第2のパルスはAD変換されないため、新たな不感時間が発生せず、回路はまひしない。この場合、次の式(2)が成立する。
【0012】
n=m/(1−mτ)−−−−(2)
【0013】
上記「まひ型」および「非まひ型」のいずれの場合もm/n=実効測定時間/実時間となる。
【0014】
計数記憶器6は、波高弁別器5で区切られた波高範囲の一部または全ての範囲、すなわち、チャンネル毎に整数型の記憶器を具備し、主増幅器4および波高弁別器5のいずれにも有効と判断されたパルスが波高弁別器5により弁別された波高範囲のチャンネルの記憶器の記憶値に1を加算または記憶値から1を減算する。また、計数記憶器6は測定時間計数用の記憶器を別途具備し、測定開始からの経過時間を実時間および実効測定時間のいずれかまたは両方について計数する。計数記憶器6の記憶値は、計算機9に読込まれ、例えば、放射線検出信号の各チャンネルの計数値を実効測定時間の計数値で除することにより、各チャンネルにおける計数率を算出するなどのデータ処理や解析が行われる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし上記した放射線計数装置1では、次に説明するように正しい放射線の数が計数できないという問題がある。
【0016】
まず、第一に、前述のように、従来の技術は実効測定時間内において検出された放射線の数を計数するものであり、計数値を実効測定時間で除して得られる計数率は、実効測定時間について平均計数率となる。従って、測定中に計数率の変化があり、放射線検出の時間間隔の期待値が変化し、それにより各時刻の近辺における短時間中の実効測定時間と実時間の比率が一定でなくなった場合、計数率は実時間についての平均と実効測定時間についての平均が異なった値となり、正確な実時間についての平均を得ることは難しい。
【0017】
例えば、図8に示す放射線計数装置1による場合に、例えば、τ=50μsecの「まひ型」の不感時間があり、1000秒間(実時間)の測定する場合を考える。
【0018】
前半の500秒間の真の計数率が1kcps(毎秒1000パルス)で、後半の500秒間の真の計数率が10kcps(毎秒10000パルス)であったとする。1000秒間における真の平均計数率は、次の式(3)で示される。
【0019】
(1kcps×500sec+10kcps×500sec)/1000sec=5.5kcps−−−−(3)
【0020】
ところが、実測によると、前半500秒における実測計数値は、次の式(4)で示される。
【0021】
【数2】
【0022】
また、実効測定時間は、次の式(5)で示される。
【0023】
【数3】
【0024】
後半500秒における実測計数値は、次の式(6)で示される。
【0025】
【数4】
【0026】
また、実効測定時間は、次の式(7)で示される。
【0027】
【数5】
【0028】
従って、1000秒間では、計数値の合計は、次の式(8)で示される。
【0029】
さらに、実効測定時間の合計は、次の式(9)で示される。
全実効測定時間=476+303=779(sec)−−−−(9)
従って、平均計数率は、次の式(10)で示される。
平均計数率=3508268/779=約4504=4.5kcps−−−−(10)
【0030】
上記式(10)で得られる平均計数率4.5kcpsは式(3)で得られる真の計数率5.5kcpsと一致しない。
【0031】
ここで、前半500秒について考察すると(実時間/実効測定時間)×計数値の式(11)が得られる。
(500/476)×475615=約500000−−−−(11)
また、後半500秒について考察すると(実時間/実効測定時間)×計数値の式(12)が得られる。
(500/303)×3032653=約5000000−−−−(12)
この値の合計値を全測定時間(実時間)で割ると次の式(13)が得られる。
(500000+5000000)/1000=5500=5.5kcps−−−−(13)
【0032】
従って、真の計数率と一致する。上記例では、各500秒の期間の中で計数率変化は無いと仮定したためであり、実効測定時間が変化すれば正しい計数率をえることは難しい。
【0033】
また、第二に、測定対象物を相対的に走査しながら測定する場合、測定時間内に走査速度の変化があると測定対象物の各位置毎の測定時間が一定でなくなり、計数率の時間積分値である計数値から求めた平均計数率からは、計数率の位置平均が得られない。
【0034】
すなわち、例えば、計数率が濃度に比例する場合において、流量と濃度と計数との関係を考える。
【0035】
まず、前半500秒では、1l/sec(流量)、100g/l(濃度)、100cps(計数)が得られ、続いて、後半500秒では、2l/sec(流量)、200g/l(濃度)、200cps(計数)が得られるとする。この場合、1000秒平均は1.5l/sec(流量)、150g/l(濃度)、150cps(計数)となり、次の式(14)と式(15)が得られる。
【0036】
真の全溶質量=(500×1×100+500×2×200)=25000(g)−−−−(14)
平均計数率による全溶質量=1000×1.5×150=225000(g)−−−−(15)
【0037】
このように、式(14)による真の全溶質量と式(15)による平均計数率による全溶質量とは一致しない。
【0038】
さらに、第三に、求めようとする量と計数率とが線形関係でない場合、例えば、吸収濃度計のように求めようとする物質濃度が計数率の対数の関数となる場合に、計数率の時間積分値と求めようとする物質の時間積分値が比例しないことから明らかなように、計数率の時間積分値である計数値から求めた平均計数率からは、求めようとする量の時間平均が得られない。例えば、レントゲン写真のように放射線の透過で、物質の密度(濃度)等を計る場合、計数率Rは、密度(濃度)ρと試料厚さtとにより次の式(16)が得られる。
【0039】
【数6】
【0040】
上記の場合、次の式(17)と式(18)と式(19)と式(20)が得られる。
【0041】
平均は、(100×500+200×500)/1000=150−−−−(17)
【0042】
【数7】
【0043】
1000秒間の平均計数率は、
(3032653+1839397)/1000=約4872=4.87kcps−−−−(20)
【0044】
上記式(18)と式(19)、式(20)によりρを逆算すると次の式(21)が得られる。
【0045】
【数8】
このように平均と一致しない。
【0046】
そこで、本発明は、測定時間内に計数率や測定対象物の走査速度などが変化しても、求めようとする量の時間平均や位置平均などを正しく測定できる放射線計数装置を提供することを目的とする。
【0047】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、放射線源より放射された放射線を放射線検出器によって検出して電気信号に変換すると共に、放射線のエネルギーに比例した波高パルス信号としての有効な放射線検出信号を計数記憶する放射線計数装置において、有効な放射線検出信号が入力される毎に、その間の放射線検出時間に基づく情報を用いて予め決められた手順によって有効な放射線検出信号の加算値を決定する第1加算値決定手段と、この第1加算値決定手段により得られる加算値を積算して有効な放射線検出信号の計数値を記憶する第1計数値記憶手段と、有効な放射線検出信号が入力される毎に、その間の放射線検出時間に基づく情報を用いて予め決められた手順によって統計誤差値を得るための加算値を決定する第2加算値決定手段と、この第2加算値決定手段により得られる加算値を積算して第1計数値記憶手段により得られる計数値を評価する統計誤差値を記憶する第2計数値記憶手段を具備するようにしたものである。以上の手段によって、有効な放射線検出信号が入力される毎にその間の放射線検出に基づく情報を用いて加算値を決定し積算される。この結果、測定時間中に放射線検出に基づく情報の変化があっても、有効な放射線検出信号の入力毎である最小期間毎に加算値を決定するから計数値に与える影響が最小限に抑えられ正確な計数率を得ることができる。さらに、統計誤差値が最小期間毎に加算値として積算され、得られる全体の統計誤差値も正確なものが得られる。従って、得られる計数率に対して正しい評価をすることができる。
【0050】
請求項2の発明は、放射線源と放射線検出器との間に測定対象物である移動物質を配置して放射線源から移動物質を透過して来た放射線を放射線検出器により検出して電気信号に変換すると共に、放射線のエネルギーに比例した波高パルス信号として有効な放射線検出信号を計数して記憶する放射線計数装置において、有効な放射線検出信号を入力する毎に当該有効な放射線検出信号とその一つ前の有効な放射線検出信号との間の実効測定時間の対数値と実時間の積を加算値と決定する加算値決定手段と、この加算値決定手段により得られる加算値を積算する計数値記憶手段とを具備するようにしたものである。以上の手段によって、有効な放射線検出信号毎である最小期間毎に実時間と実効測定時間の対数値との積が加算値として決定され順次積算される。この結果、実効測定時間や物質の濃度等に変化があっても最小期間毎に加算され、しかも、線形な量を計数するから計数値に与える誤差が最小値とされる。従って、移動物質の速度が一定の場合、得られた計数値に基づいて移動物質の実時間平均が正確に得られる。
【0051】
請求項3の発明は、測定対象物である放射線放出物を含む移動物質からの放射線を放射線検出器により検出して電気信号に変換すると共に、放射線のエネルギーに比例した波高パルス信号として有効な放射線検出信号を計数して記憶する放射線計数装置において、有効な放射線検出信号を入力する毎に当該有効な放射線検出信号とその一つ前の有効な放射線検出信号との間の実時間を実効測定時間によって除算した値と移動物質の速度との積を加算値と決定する加算値決定手段と、この加算値決定手段により得られる加算値を積算する計数値記憶手段とを具備するようにしたものである。以上の手段によって、有効な放射線検出信号毎である最小期間毎に実時間と実効測定時間との比率と移動物質の速度との積が加算値として決定され順次積算される。この結果、実効測定時間に変化があっても最小期間毎に加算されるために、実効測定時間が、計数値に与える誤差が最小値とされる。従って、得られた計数値に基づいて移動物質の位置平均を正確に得ることができる。
【0052】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の第1実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【0053】
図1において、従来例を示す図8と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図1について図8と異なる主な点は、計数記憶器6と計算機9に代えて、加算値決定手段10と計数値記憶手段11とを設けたことである。
【0054】
ここで、加算値決定手段10は、波高弁別器5から放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出時間と共に変化する情報を用いて、予め決められた手順により積算すべき加算値を決定するものである。計数値記憶手段11は、加算値決定手段10により得られた加算値を積算する機能を有するものである。
【0055】
以上の構成によれば、加算値決定手段10へ放射線検出信号が入力される毎に、例えば、実効測定時間と実時間の比率や、放射線検出器2が測定対象物を走査する速度などの時間と共に変化する情報を用いて、測定目的に応じて予め決められた手順により加算値を決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、可能な限り小さい最小区間によって得られる情報を用いて加算値を決定するから積算値として得られる値は、正確であり、計数率の実効測定時間についての積分値ではなく、測定目的に応じたもの、例えば、計数率の実時間平均を得ることが測定目的であるならば計数率の実時間積分とすることができる。
【0056】
なお、第1実施の形態に対して第2の実施の形態として、加算値決定手段10および計数値記憶手段11が、加算値および積算値を浮動小数点方式の実数として取扱う構成としてもよい。
【0057】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時間と共に変化する他の情報を用いて、測定目的に応じた加算値を浮動小数点方式の実数として決定し、計数値記憶手段11により加算値を浮動小数点方式の実数として積算し記憶する。従って、測定目的から加算値や積算値を実数とする必要がある場合でも、計数値記憶手段11に記憶された積算値から、測定目的を達成できる。
【0058】
なお、第1実施の形態に対して第3の実施の形態として、図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、積算することにより実時間について平均計数率が得られるところの値としてもよい。
【0059】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時間と共に変化する他の情報を用いて、実時間についての平均計数率を求めることを目的とした加算値を決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、計数値記憶手段11に記憶された積算値から、実時間についての平均計数率が正しく得られる。
【0060】
なお、第1実施の形態に対して第4の実施の形態として、図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、時刻を含む短時間内の実効測定時間に対する実時間の比率を加算値とするものであることを加えるようにしてもよい。
【0061】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時刻を含む短時間内における実効測定時間に対する実時間の比率を加算値として決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、放射線検出信号が無効となることによる放射線検出数の補償が行われ、計数値記憶手段11に記憶された積算値を全実時間で除することにより、実時間についての平均計数率が得られる。
【0062】
なお、第1実施の形態に対して第5の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間について実測した実効測定時間間隔実測値に対する放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実時間について実測した実測時間間隔実測値の比率を加算値とするものでもよい。
【0063】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間と実時間についてそれぞれ実測し、実効測定時間間隔実測値に対する実時間間隔実測値の比率を加算値として決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、実効測定時間間隔の逆数、すなわち、計数率の実時間での積分が得られ、計数値記憶手段11に記憶された積算値を全実時間で除することにより、実時間についての平均計数率が得られる。
【0064】
なお、第1実施の形態に対して第6の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、積算することにより、測定対象物の位置についての平均計数率が得られるところの値を加算値するものでもよい。
【0065】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時間と共に変化する他の情報を用いて、測定対象物の位置について平均計数率を求めることを目的とした加算値を決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、計数値記憶手段11に記憶された積算値から、測定対象物の位置について平均計数率が正しく得られる。
【0066】
なお、第1実施の形態に対して第7の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、時刻を含む短時間内の実効測定時間に対する実時間の比率と図示しない測定対象物と放射線検出器の相対的移動速度の積を加算値とするものでもよい。
【0067】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時刻を含む短時間内の実効測定時間に対する実時間の比率と測定対象物と放射線検出器の相対的移動速度の積を加算値として決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、放射線検出信号が無効となることによる放射線検出数の補償と測定対象物各位置における測定時間の違いの補償が同時に行われ、計数値記憶手段11に記憶された積算値を測定対象物と放射線検出器の相対的全移動距離で除することにより、位置についての平均計数率が得られる。
【0068】
なお、第1実施の形態に対して第8の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間について実測した実効測定時間間隔実測値に対する放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実時間について実測した実測時間間隔実測値の比率と図示しない測定対象物と放射線検出器の相対的移動速度を加算値とするものでもよい。
【0069】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間と実時間についてそれぞれ実測し、実効測定時間間隔実測値に対する実時間間隔実測値の比率と、測定対象物と放射線検出器の相対的移動速度の積を加算値として決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、実効測定時間間隔の逆数、すなわち、計数率の移動距離での積分が得られ、計数値記憶手段11に記憶された積算値を測定対象物と放射線検出器の相対的全移動距離で除することにより、位置についての平均計数率が得られる。
【0070】
なお、第1実施の形態に対して第9の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、積算することにより、放射線が透過してきた物質の量の時間平均が得られるところの値を加算値とするものでもよい。
【0071】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時間と共に変化する他の情報を用いて、放射線が透過する物質の量の実時間についての平均を求めることを目的とした加算値を決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、計数値記憶手段11に記憶された積算値から放射線が透過する物質の量の実時間について平均が正しく得られる。
【0072】
なお、第1実施の形態に対して第10の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、放射線検出信号とそれ以前の同じチャンネルの最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間について実測した実効測定時間間隔実測値の対数値と放射線検出信号とそれ以前の同じチャンネルの最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実時間について実測した実時間間隔実測値の積を加算値とするものでもよい。
【0073】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出信号とそれ以前の同じチャンネルの最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間と実時間についてそれぞれ実測し、実効測定時間実測値の対数値と実時間実測値の積を加算値として決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。物質の量は、それを透過した放射線の強度の対数と線形な関係であり、放射線計数率の対数値を実時間で積分し、全実時間で除した値から、物質量の時間平均が得られる。放射線検出信号の実効測定時間での間隔の逆数は、その時間での計数率であり、実効測定時間間隔の対数値に実時間間隔を乗じた値の積算値は、物質の量の時間平均の符号を反転した値に比例する。従って、計数値記憶手段11に記憶された積算値の符号を反転し、全実時間で除した値から、放射線が透過する物質の量の実時間についての平均が正しく得られる。
【0074】
なお、第1実施の形態に対して第11の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、積算することにより、放射線が透過してきた物質の量の測定対象物の位置について平均が得られるところの値を加算値とするものでもよい。
【0075】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、時間と共に変化する他の情報を用いて、放射線が透過する物質の量の測定対象物の位置についての平均を求めることを目的とした加算値を決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。従って、計数値記憶手段11に記憶された積算値から放射線が透過する物質の量の位置について平均が容易に得られる。
【0076】
なお、第1実施の形態に対して第12の実施の形態として図1に示した例において、加算値決定手段10における加算値決定手順が、放射線検出信号とそれ以前の同じチャンネルの最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間について実測した実効測定時間間隔実測値の対数値と放射線検出信号とそれ以前の同じチャンネルの最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実時間について実測した実時間間隔実測値と図示しない測定対象物と放射線検出器の相対的移動速度の積を加算値とするものでもよい。
【0077】
この構成によれば、加算値決定手段10に放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出信号とそれ以前の同じチャンネルの最後の有効な放射線検出信号の時間間隔を実効測定時間と実時間についてそれぞれ実測し、実効測定時間実測値の対数値と実時間実測値と測定対象物と放射線検出器の相対的移動速度の積を加算値として決定し、計数値記憶手段11により加算値を積算し記憶する。物質の量は、それを透過した放射線の強度の対数と線形な関係であり、放射線計数率の対数値を測定対象物と放射線検出器の相対的位置で積分し、全移動距離で除した値から、物質量の位置平均が得られる。放射線検出信号の実効測定時間での間隔の逆数は、その時間での計数率であり、実効測定時間間隔の対数値にその時間間隔での移動距離、すなわち、実時間間隔と移動速度を乗じた値の積算値は、物質の量の位置平均の符号を反転した値に比例する。従って、計数値記憶手段11に記憶された積算値の符号を反転し、測定対象物と放射線検出器の相対的全移動距離で除した値から、放射線が透過する物質の量の位置についての平均が正しく得られる。
【0078】
次に、図2は、本発明の第13実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【0079】
図2において、従来例を示す図8と同一符号は、同一部分または相当部分を示し、図2について図8と異なる主な点は、計数記憶器6と計算機9に代えて複数の加算値決定手段10a,10bと複数の計数値記憶手段11a,11bとを設けたことである。
【0080】
ここで、加算値決定手段10a,10bは、放射線検出信号が入力される毎に放射線検出時間と共に変化する情報を用いて予め決められた手順により積算すべき値を決定するものである。計数値記憶手段11a,11bは、加算値決定手段10a,10bにより得られた加算値を積算するものである。
【0081】
以上の構成によれば、複数の加算値決定手段10a,10bに放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出時間と共に変化する情報を用いて、例えば、放射性物質量の測定と放射線吸収物質量の測定などのように、複数の測定目的毎にそれぞれに応じた複数の加算値を決定し、複数の計数値記憶手段11a,11bにより測定目的毎に加算値を積算し記憶する。従って、複数の加算値決定手段10a,10bに記憶された複数の積算値から、同時に複数の測定目的を達成できる。
【0082】
なお、第13実施の形態に対して第14実施の形態として、図2に示した例において、一つの加算値決定手段10aにおける加算値決定手順が積算することにより、他の加算値決定手段10bにより決定される加算値の積算値の偶発誤差の分散が得られるところの値を加算値とするものでもよい。
【0083】
この構成によれば、複数の加算値決定手段10a,10bに放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出時間と共に変化する情報を用いて、少なくとも一つの測定目的に応じた加算値と、その加算値の積算値の偶発誤差の範囲の評価を目的とした加算値を決定し、複数の計数値記憶手段11a,11bによりそれぞれの独立に加算値を積算し記憶する。従って、複数の計数値記憶手段11a,11bに記憶された複数の積算値から、少なくとも一つの測定目的が達成されると同時に、その測定目的の偶発誤差評価が容易に達成できる。
【0084】
例えば、計数統計の揺らぎによる偶発誤差の分散は、加算値が常に1の場合は従来技術による計数の場合と同様に積算値そのものになるが、そうでない場合は一つの加算値の計数統計の揺らぎによる偶発誤差の分散の積算を別途行うことで、前述の計数統計揺らぎによる偶発誤差の分散が得られる。
【0085】
例えば、次の式(22)から計数統計誤差値が得られる。
【0086】
【数9】
【0087】
ここで、F’(i):ある有効な放射線検出信号とその一つ前の有力な放射線検出信号との間の加算値の関数の微分値
n:有効な放射線検出信号の区間数
i:ある有効な放射線検出信号の区間の信号パルス
【0088】
なお、第13実施の形態に対して第15実施の形態として、図2に示した例において、一つの加算値決定手段10aにおける加算値決定手順が、他の加算値決定手段10bにより決定された加算値の2乗を項として含んだ値を加算値とするものでもよい。
【0089】
この構成によれば、複数の加算値決定手段10a,10bのうちの少なくとも一つにより放射線検出信号が入力される毎に、放射線検出時間と共に変化する情報を用いて、測定目的に応じた加算値を決定し、一つの計数値記憶手段11によって加算値を積算し記憶する。
【0090】
また、他の加算値決定手段10により前記測定目的に応じた加算値の2乗を加算値として決定し、他の計数値記憶手段11により後者の加算値を積算し記憶する。測定目的に応じた加算値の2乗の積算値の平方根は、次の式(23)に示す如く、計数統計誤差による測定目的に応じた加算値の偶発誤差σに相当する。
【0091】
【数10】
【0092】
上記のように、前者の計数値記憶手段11に記憶された積算値から、少なくとも一つの測定目的が達成されると同時に後者の計数値記憶手段11に記憶された積算値から前記測定目的の偶発誤差評価が容易に達成できる。
【0093】
次に、図3に示す第16実施の形態について説明する。
【0094】
第16実施の形態は、第1実施の形態乃至第5実施の形態、第13実施の形態乃至第15実施の形態を具体的に本発明に適用したものである。
【0095】
ここで、放射線計数装置1Cには、放射性物質が含まれている測定対象物12と測定対象物を一定速度で回転させるモータ13と測定対象物内の放射性物質より発生する放射線8を絞るコリメータ14および放射線計数装置1のデータ処理用の計算機9が接続されている。
【0096】
また、放射線計数装置1は、測定対象物12に対してコリメータ14を介した位置に配置された放射線検出器2と前置増幅器3と主増幅器4と波高弁別器5と放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔に対する実時間間隔の比率を加算値として決定する機能を有する加算値決定手段10aと放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔に対する実時間間隔の比率の2乗を加算値として決定する機能を有する加算値決定手段10bと計数値記憶手段11aおよび計数値記憶手段11bにより構成される。
【0097】
なお、加算値決定手段10a,10bと計数値記憶手段11a,11bは、加算値および積算値を浮動小数点方式の実数として扱うようにしている。
【0098】
以上の構成で、モータ13により一定速度で回転する測定対象物12のうち、コリメータ14によって絞られた範囲内の放射性物質から発生した放射線8が入射する。これにより、波高弁別器5より弁別された波高範囲の値と共に放射線検出信号が加算値決定手段10a,10bに入力される。
【0099】
加算値決定手段10aでは、図4および図5に示すように、放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔に対する実時間間隔の比率を加算値aとして決定し、計数値記憶手段11aの前記波高範囲に割当てられた記憶器にて加算値aを積算し記憶する。
【0100】
具体的な説明をすると、図4は、放射線検出信号が放射線検出器2へ入力した際の各機器の作用を示し、放射線検出器2では、放射線検出信号が入力したとき瞬時だけパルス状の信号が出力され、前置増幅器3では、CR回路による図示する波形に変換され、主増幅器4へ出力される。そして、主増幅器4により図示する山状の波形として増幅される。この場合に図示左側のように主増幅器4から山状の波形が重なって波高弁別器5へ入力すると波高弁別器5では、まひ型不感時間のとき、図示上段のように、重なった短形波を出力する一方、非まひ型不感時間のときA−D変換を開始するが、パイルアップを検知して図示するように中断してしまう。
【0101】
これに対応して、計数値記憶手段11aでは、実効測定時間のクロックをRUN→STOPとしてクロックのカウントを停止する。この結果、この間について実効測定時間の加算が除外される。
【0102】
図示最下段のように、時刻t1に一つ前の有効な放射線検出信号が入力し、その後の時刻t2に当該有効な放射線検出信号が入力すると、実時間および実効測定時間は、次の式(24),式(25)で示される。
【0103】
実時間=時刻t2−時刻t1−−−−(24)
実効測定時間=実時間−{(時刻tc−時刻ta)−−−−} −−(25)
【0104】
さらに、本発明の実施の形態では、上記時刻t2−時刻t1の区間で、次の計数のための加算値と計数統計誤差のためのそれぞれの加算値を決定する。まず、加算値決定手段10aでは、次の式(26)について加算値を区間毎に決定する。
【0105】
加算値=(実時間/実効測定時間)−−−−(26)
【0106】
また、加算値決定手段10bでは、次の式(27)について加算値を区間毎に決定する。
【0107】
加算値=(実時間/実効測定時間)の二乗−−−−(27)
【0108】
さらに、具体的に説明すると、図5に示すように第1の有効な放射線検出信号(図示第1有効パルス)から第nの有効な放射線検出信号(図示第n有効パルス)が主増幅器4へ入力されたとする。この場合に、それぞれの有効パルスとその一つの前の有効パルスとにより形成される各区間では、次の式(28)から加算値が決定され、積算がされる。
【0109】
【数11】
【0110】
ここで、H(i):ある区間の実時間
G(i):ある区間の実効測定時間
n:有効パルス数
【0111】
図5の例の場合において、第1区間では、加算値14/10=1.4、第2区間では、加算値8/6=1.3、第3区間では、加算値15/15=1.0が得られる。なお、図5の例では、説明のために数値は無単位で示している。
【0112】
このような計算により、式(28)により得られる積算値から計数率の実時間の平均値が次の式(29)から求められる。
【0113】
【数12】
【0114】
ここで、H(i):ある区間の実時間
G(i):ある区間の実効測定時間
n:有効パルス数
【0115】
一方、加算値決定手段10bでは、放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔に対する実時間間隔の比率の2乗を加算値bとして決定し、計数値記憶手段11bの前記波高範囲に割当てられた記憶器にて加算値bを積算し記憶する。
【0116】
計算機9は、計数値記憶手段11aの積算値と実測定時間を読出し、その積算値を実測定時間で除することにより計数率の実時間平均を算出する。また、計算機9は、計数値記憶手段11bの積算値を読出し、その積算値の平方根を実測定時間で除することにより計数率の実時間平均の計数統計誤差の範囲の推定値を算出する。
【0117】
このように第16実施の形態によれば、測定対象物12内の放射性物質の分布の不均一性による計数率変動の影響を受けることなく、計数率の実時間平均およびそれらの計数統計誤差による偶発誤差の範囲の推定値を正しく求めることができる。
【0118】
次に、図6に示す本発明の第17実施の形態について説明する。
【0119】
第17実施の形態は、第1実施の形態、第2実施の形態、第8実施の形態乃至第10実施の形態を具体的に本発明に適用して、配管16内を流れた放射線を吸収し易い元素の位置についての平均濃度を求める。そして、流速は一定であるとの条件から、放射線源7と放射線検出器2に挟まれた範囲の放射線を吸収しやすい元素の量の時間平均を算出するようにしている。
【0120】
ここで、放射線計数装置1には、放射線を吸収しやすい元素が含まれている測定対象溶液15を一定速度で流す配管16と放射線計数装置1のデータ処理用の計算機9が接続されている。
【0121】
放射線計数装置1は、放射線源7に対して配管16を介して位置に配置された放射線検出器2と前置増幅器3と主増幅器4と波高弁別器5と放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔の対数と実時間間隔の積を加算値として決定する機能を有する加算値決定手段10および計数値記憶手段11により構成される。なお、加算値決定手段10および計数値記憶手段11は、加算値および積算値を浮動小数点方式の実数として扱うようにしている。
【0122】
以上の構成で、放射線源7から発生した放射線8が放射線検出器2に入射すると、測定対象溶液15の濃度等に応じて入射する波高値が変化して入力する。従って、波高弁別器5より弁別される波高範囲を越える放射線検出信号のみが加算値決定手段10に入力される。加算値決定手段10では、次の式(30)によって放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔の対数と実時間間隔の積を加算値として決定する。
【0123】
【数13】
【0124】
ここで、H(i):ある区間の実時間
G(i):ある区間の実効測定時間
n:有効パルス数
【0125】
ところで、上記式(30)の第1項について説明すると、発明が解決しようとする課題で説明した前記式(16)において対数をとると次の式(31),式(32)が得られる。
【0126】
lnR=−σ・ρ・tlnRo−−−−(31)
ρ=(1/σ・t)・ln(Ro/R)=KlnG(i)−−−(32)
【0127】
ここで、 R:計数率
ρ:濃度(密度)
t:試料の厚さ
Ro:試料がない場合の計数率
σ:試料の放射線に対する吸収計数
K:定数
そして、第2項との積によりあるパルス区間の物質量が求められる。
【0128】
計数値記憶手段11の前記波高範囲に割当てられた記憶器にて加算値を積算し記憶する。計算機9では、計数値記憶手段11の積算値と実測定時間を読出し、次の式(33)により放射線を吸収しやすい物質の量の実時間平均をもとめる。
【0129】
物質量の実時間平均=積算値/実時間−−−−(33)
【0130】
これを測定対象溶液15内の放射線を吸収しやすい元素濃度に変換する。
【0131】
このように第17実施の形態によれば、測定対象溶液15内の放射線を吸収しやすい元素の濃度の変動に伴う計数率変動の影響や吸収物質量と計数の非線形関係の影響を受けることなく、測定目的である放射線を吸収しやすい元素の濃度の時間平均を正しく求めることができる。
【0132】
次に、図7に示す本発明の第18実施の形態について説明する。
【0133】
第18実施の形態は、第1実施の形態、第6実施の形態乃至第8実施の形態、第11実施の形態、第12実施の形態乃至第14実施の形態を具体的に本発明に適用したものである。
【0134】
本実施の形態は、配管16内を流れた放射性物質量および放射線を吸収し易い元素の位置について平均濃度を求めることであり、前者は配管16内の測定対象溶液15のうち、放射線検出器2付近の放射性物質から発生した放射線8aの計数率の位置平均から算出することを手段とし、後者は放射線源7と放射線検出器2に挟まれた範囲の放射線を吸収しやすい元素の量の位置平均から算出することを手段としている。
【0135】
ここで、放射線計数装置1には、放射性物質と放射線を吸収しやすい元素が含まれている測定対象溶液15を流す配管16と配管16中の測定対象溶液15の時間当たりの流量およびその時間積分を計る流量計17と測定対象溶液15に含まれる放射性物質と異なるエネルギーの放射線を放出する放射線源7およびデータ処理用の計算機9が接続されている。
【0136】
また、放射線計数装置1は、放射線源7に対して配管16を介して配置された放射線検出器2と前置増幅器3と主増幅器4と波高弁別器5と放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔に対する実時間間隔の比率と流量計17により計られた時間当たりの流量の積を加算値として決定する機能を有する加算値決定手段10aと放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔の対数に、実時間間隔と流量計17により計られた時間当たりの流量の積を加算値として決定する機能を有する加算値決定手段10bと計数値記憶手段11a,11bにより構成されている。
【0137】
なお、加算値決定手段10a,10bと計数値記憶手段11a,11bは、加算値および積算値を浮動小数点方式の実数として扱うようにしている。
【0138】
以上の構成で、測定対象溶液15の放射性物質から発生した放射線aおよび放射線源7から発生した放射線bが放射線検出器2に入射すると、波高弁別器5より弁別されたそれぞれの波高範囲の値に応じて放射線検出信号が加算値決定手段10a,10bに入力される。
【0139】
加算値決定手段10aでは、放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔に対する実時間間隔の比率と、流量計17により計られた時間当たりの流量の積を加算値aとして決定し、次の式(34)により積算値を得る。
【0140】
【数14】
【0141】
ここで、H(i):ある区間の実時間
G(i):ある区間の実効測定時間
F(i):ある区間の時間当たりの流量値
n:有効パルス数
【0142】
加算値決定手段10bは、放射線検出信号が入力される毎に放射線検出信号とそれ以前の最後の有効な放射線検出信号の実効測定時間間隔の対数し実効時間間隔と流量計17により計られた時間当たりの流量の積を加算値bとして決定し、計数値記憶手段11bの前記波高範囲に割当てられた記憶器にて次の式(35)に基づいて加算値bを積算し記憶する。
【0143】
【数15】
【0144】
ここで、H(i):ある区間の実時間
G(i):ある区間の実効測定時間
F(i):ある区間の時間当たりの流量値
n:有効パルス数
【0145】
計算機9は、計数値記憶手段11aの積算値と流量計17の流量の時間積分値である実効測定時間を読出し、測定対象溶液15に含まれる放射性物質から発生する放射線のエネルギーに相当するチャンネルの積算値を流量の時間積分値で除することにより計数率の位置平均を算出し、これを測定対象溶液15内の放射性物質量へ変換する。
【0146】
また、計算機9は、計数値記憶手段11bの積算値を読出し、放射線源7から発生する放射線のエネルギーに相当するチャンネルの積算値を流量の時間積分値で除することにより測定対象溶液15内の放射線を吸収しやすい物質の量の位置平均と線形な量を算出し、測定対象溶液15内の放射線を吸収しやすい元素濃度に変換する。
【0147】
このように第18実施の形態によれば、測定対象溶液15内の放射性物質の分布の不均一性による計数率変動の影響や、放射線を吸収し易い元素の濃度の変動に伴う吸収物質量と計数の非線形関係の影響および測定対象溶液15の流量変動の影響を受けることなく、計数率の位置間平均および測定目的である放射性物質濃度および放射線を吸収しやすい元素の位置平均を正しく求められる。
【0148】
このように本発明による第1実施の形態乃至第18実施の形態によれば、計数率の実時間平均、計数率の位置平均、放射線を吸収する物質の量の実時間平均、放射線を吸収する物質の量の位置平均、その他放射線計数により求めようとする量が正確に得られる。
【0149】
これらの測定値の誤差範囲の推定値のうちの一つ、あるいは複数を測定中における種々の条件の変動の影響を受けずに、かつ、同時に正しく求められる。
【0150】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1の発明によれば、有効な放射線検出信号が入力される毎にその間の放射線検出に基づく情報を用いて加算値を決定し積算し、測定時間中に放射線検出に基づく情報の変化があっても、有効な放射線検出信号の入力毎である最小期間毎に加算値を決定し、計数値に与える影響を最小限に抑え、正確な計数率を得ることができ、さらに、統計誤差値が最小期間毎に加算値として積算し、得られる全体の統計誤差値も正確なものとなり、計数率に対して正しい評価をすることができる。
【0153】
また、請求項2の発明によれば、有効な放射線検出信号毎である最小期間毎に実効測定時間の対数値と実時間の積を加算値として決定し順次積算するようにしたために実効測定時間や物質の濃度等に変化があっても最小期間毎に加算され、しかも、線形な量を計数するから計数値に与える誤差を最小値とし、移動物質の速度が一定の場合、得られた計数値に基づいて移動物質の実時間平均を正確に得ることができる。
【0154】
また、請求項3の発明によれば、有効な放射線検出信号毎である最小期間毎に実時間と実効測定時間の対数値と移動物質の速度との積を加算値として決定して順次積算するようにしたために実効測定時間に変化があっても最小期間毎に加算し、しかも、線形な量を計数するから計数値に与える誤差が最小値とし、得られた計数値に基づいて移動物質の位置平均を正確に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【図2】本発明の第13実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【図3】本発明の第16実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【図4】図3の放射線計数装置の第1の作用を示す説明図である。
【図5】図3の放射線計数装置の第2の作用を示す説明図である。
【図6】本発明の第17実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【図7】本発明の第18実施の形態を示す放射線計数装置の構成図である。
【図8】従来の放射線計数装置を示す構成図である。
【図9】放射線の検出に当たって第1の不感時間を示す説明図である。
【図10】放射線の検出に当たって第2の不感時間を示す説明図である。
【符号の説明】
1 放射線計数装置
2 放射線検出器
3 前置増幅器
4 主増幅器
5 波高弁別器
6 計数記憶器
7 放射線源
9 計算機
10 加算値決定手段
11 計数値記憶手段
16 配管
17 流量計
Claims (3)
- 放射線源より放射された放射線を放射線検出器によって検出して電気信号に変換すると共に、放射線のエネルギーに比例した波高パルス信号としての有効な放射線検出信号を計数記憶する放射線計数装置において、有効な放射線検出信号が入力される毎に、その間の放射線検出時間に基づく情報を用いて予め決められた手順によって有効な放射線検出信号の加算値を決定する第1加算値決定手段と、この第1加算値決定手段により得られる加算値を積算して有効な放射線検出信号の計数値を記憶する第1計数値記憶手段と、前記有効な放射線検出信号が入力される毎に、その間の放射線検出時間に基づく情報を用いて予め決められた手順によって統計誤差値を得るための加算値を決定する第2加算値決定手段と、この第2加算値決定手段により得られる加算値を積算して前記第1計数値記憶手段により得られる計数値を評価する統計誤差値を記憶する第2計数値記憶手段を具備することを特徴とする放射線計数装置。
- 放射線源と放射線検出器との間に測定対象物である移動物質を配置して前記放射線源から前記移動物質を透過して来た放射線を前記放射線検出器により検出して電気信号に変換すると共に、放射線のエネルギーに比例した波高パルス信号として有効な放射線検出信号を計数して記憶する放射線計数装置において、有効な放射線検出信号を入力する毎に当該有効な放射線検出信号とその一つ前の有効な放射線検出信号との間の実効測定時間の対数値と実時間の積を加算値と決定する加算値決定手段と、この加算値決定手段により得られる加算値を積算する計数値記憶手段とを具備することを特徴とする放射線計数装置。
- 測定対象物である放射線放出物を含む移動物質からの放射線を放射線検出器により検出して電気信号に変換すると共に、放射線のエネルギーに比例した波高パルス信号として有効な放射線検出信号を計数して記憶する放射線計数装置において、有効な放射線検出信号を入力する毎に当該有効な放射線検出信号とその一つ前の有効な放射線検出信号との間の実時間を実効測定時間によって除算した値と前記移動物質の速度との積を加算値と決定する加算値決定手段と、この加算値決定手段により得られる加算値を積算する計数値記憶手段とを具備することを特徴とする放射線計数装置。
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