JP3567112B2 - 極細線の洗浄方法、及び極細線の洗浄装置 - Google Patents
極細線の洗浄方法、及び極細線の洗浄装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICやトランジスタのワイヤボンディングに使用される金、アルミニウム、銅等の極細線の表面の汚れを洗い落とす極細線の洗浄方法に係り、特に極細線の伸線工程で付着する潤滑油を極細線の全周にわたって洗浄できる極細線の洗浄方法及び極細線の洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、素線から線引きされ複数回に亘って伸線されて所望線径の極細線を得るには、油性や水性の潤滑油の中に設置された数個のダイスを通しながら順次小径の細線に加工し所望線径の極細線に成形する。このため、加工された極細線の表面には、油性や水性の潤滑油が付着している。この表面に付着した潤滑油は、次工程や使用の時に支障となるため、極細線の表面から除去しておくことが必要である。
【0003】
このような極細線の表面に付着した潤滑油等の付着油の除去は、付着油が時間の経過と共に変質して固化してしまい困難となるため、線引き加工後(所望線径に成形後)できるだけ早く洗浄することが望ましい。しかし、伸線工程の直後に洗浄工程で、複数個の超音波振動子を備えた水槽中を通過させて極細線の洗浄を行おうとすると、洗浄し易い極細線の線速(例えば、50m/分)と線引き加工時の線速(例えば、100m/分)とが異なるため、一般的には線引き工程後線引きとは別個の洗浄工程によって行われていた。
【0004】
そこで、最近、特開平5−138244号公報に示す如き、極細線線引き手段で極細線を縮径させた後、縮径させた極細線を、極細線を巻き取る過程で、水洗スプレーで洗浄する方法が提案されている。特開平5−138244号公報に示される極細線線引き装置1は、図4に示す如き構成を有している。すなわち、潤滑油糟2中には、ダイスホルダ3に着脱可能に支持された複数のダイス4が配置されており、このダイスホルダ3の両側にはキャプスタン5、6が配置されている。このダイス4は、それぞれの内径が徐々に小さくなる順で配置されており、極細線7は、2つのキャプスタン5、6のまわりに交互に掛けられた状態で、個々のダイス4が順に通されて巻取りスプール8に巻き取られるようになっている。このキャプスタン5、6は、極細線7を駆動するために巻取りスプール8で巻き取られる線速よりわずかに早い周速で回転させられている。
【0005】
そして、最終段のダイス4を通過した極細線7は、プーリ9、10に案内されて巻取られるが、プーリ9、10の間を移動中、超音波振動器15によって駆動する超音波振動子を内蔵する水洗スプレー11によって与えられる水膜によって洗浄され、水洗スプレー11で使用した若干の油を含む水(水洗スプレーではポンプ12で水を循環して使用するために若干の油を含む)を除去するために、水洗シャワースプレー13で洗浄され、次に空気ノズル14で水切りされる。なお、16、17は、それぞれ、使用した水を回収するための容器である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の洗浄方法にあっては、前者の方法では、別途洗浄工程を設けて、複数個の超音波振動子を備えた水槽中に極細線を通過することにより行われていたが、洗浄液が汚染されやすいという問題点を有している。また、後者の方法では、水洗スプレー及び水洗シャワーが設置された面は洗浄されるが、反対面は洗浄されにくいという問題点を有していた。
【0007】
本発明の目的は、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明における極細線の洗浄方法は、所望線径に伸線した極細線を、相対向するキャプスタン間に複数回懸走し、各独立しそれぞれに超音波振動子を備えた複数の洗浄槽を前記キャプスタン間を走行する極細線毎に設けると共に、前記複数の洗浄槽に対応して乾燥機を設け、各キャプスタン間を走行する極細線毎に前記各独立した洗浄槽内の洗浄液中を浸漬走行して洗浄し前記乾燥機によって乾燥するようにしたものである。
このように構成することにより、請求項1に記載の発明によると、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明における極細線の洗浄装置は、相対向して設けられ所望線径に伸線した極細線を懸架する2つのキャプスタンと、この2つのキャプスタン間に懸架される極細線のそれぞれに対応して設けら極細線を洗浄する洗浄液が収納された洗浄槽と、この洗浄槽内に設けられ走行する極細線を洗浄液中に案内する案内キャプスタンと、洗浄槽内に設けられ洗浄液中を走行する極細線に対向して設けられる超音波振動子と、洗浄槽の極細線の送出近傍に設け洗浄槽から走行してくる極細線の表面を乾燥する乾燥機とによって構成したものである。
このように構成することにより、請求項2に記載の発明によると、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明における極細線の洗浄装置は、超音波振動子を、相隣接する洗浄槽において、極細線との対向する位置を違えて設けたものである。
このように構成することにより、請求項3に記載の発明によると、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明における極細線の洗浄装置は、超音波振動子を、相隣接する洗浄槽において、180°の位相差をもって設けたものである。
このように構成することにより、請求項4に記載の発明によると、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において確実に除去することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明における極細線の洗浄方法は、乾燥機を、極細線が各洗浄槽を出た直後に設けたものである。
このように構成することにより、請求項5に記載の発明によると、洗浄槽の洗浄液の汚染を抑えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る極細線の洗浄方法の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明に係る極細線の洗浄方法及び極細線の洗浄装置の一実施の形態が示されている。
【0014】
図において、極細線の洗浄装置20は、筐体21内に図2に示す如く洗浄液22の収納された洗浄槽23、24、25が設けられている。この洗浄槽23、24、25内に収納される洗浄液22は、極細線7の洗浄を行うため走行すると洗浄液22の温度が上昇すると共に減少するため、随時補給するように構成されている。
【0015】
この洗浄槽23内には、極細線7を洗浄槽23内に案内する案内キャプスタン26が設けられており、洗浄槽23内の洗浄槽23内を走行する極細線7に対向した位置に超音波振動子27が設けられている。また、洗浄槽24内には、極細線7を洗浄槽24内に案内する案内キャプスタン28が設けられており、洗浄槽24内の洗浄槽24内を走行する極細線7に対向した位置に超音波振動子29が設けられている。さらに、洗浄槽25内には、極細線7を洗浄槽25内に案内する案内キャプスタン30が設けられており、洗浄槽25内の洗浄槽25内を走行する極細線7に対向した位置に超音波振動子31が設けられている。
これら筐体21内に設けられる洗浄槽は、本実施の形態においては、3個となっているが、この洗浄槽の数は、極細線の洗浄状態によって適宜増加されるもので、本実施の形態のように3個と限定するものではない。
なお、図3においては、超音波振動子27、29、31が省略されている。
【0016】
この洗浄槽23内に設けられる超音波振動子27は、洗浄槽23内を走行する極細線7の下側から極細線7に向って超音波を発するように設けられている。また、この洗浄槽23に隣接する洗浄槽24内に設けられる超音波振動子29は、洗浄槽24内を走行する極細線7の上側から極細線7に向って超音波を発するように設けられている。すなわち、洗浄槽23内に設けられる超音波振動子27とは、180°の位相差をもって設けられている。さらに、この洗浄槽24に隣接する洗浄槽25内に設けられる超音波振動子31は、洗浄槽25内を走行する極細線7の下側から極細線7に向って超音波を発するように設けられている。すなわち、洗浄槽24内に設けられる超音波振動子29とは、180°の位相差をもって設けられている。
この各洗浄槽内に設けられる超音波振動子の設置位置は、本実施の形態においては、相隣接する洗浄槽間で180°の位相差をもって設けているが、この超音波振動子は、相隣接する洗浄槽間で所定角度の位相差をもって設けられていればよいのであって、必ずしも相隣接する洗浄槽間で180°の位相差をもって設ける必要はない。
【0017】
洗浄槽23の極細線7の送出口近傍には、洗浄槽23から走行してくる極細線7の表面に付着する洗浄液22を除去するための乾燥機32が設けられている。また、洗浄槽24の極細線7の送出口近傍には、洗浄槽24から走行してくる極細線7の表面に付着する洗浄液22を除去するための乾燥機33が設けられている。さらに、洗浄槽25の極細線7の送出近傍には、洗浄槽25から走行してくる極細線7の表面に付着する洗浄液22を除去するための乾燥機34が設けられている。
なお、図3においては、乾燥機32、33、34が省略されている。
この乾燥機32、33、34は、極細線7の表面にエアを吹き付けて極細線7の表面に付着する洗浄液を吹き飛ばして乾燥するエアブロー型の乾燥機である。
【0018】
極細線7は、キャプスタン35を介して洗浄槽23内の案内キャプスタン26に懸架することにより洗浄槽23内に送り込まれる。このようにして洗浄槽内を走行する極細線7は、適宜箇所に支持される2つのキャプスタン36、37に懸架され、2つのキャプスタン36、37間を走行するように構成されている。このキャプスタン36とキャプスタン37は、対向して設けられている。
【0019】
このように洗浄槽25の洗浄液22内を走行することによって最終洗浄を終了した極細線7は、キャプスタン38を介して最終段の乾燥機39に送られる。この乾燥機39は、極細線7の表面にエアを吹き付けて極細線7の表面に付着する洗浄液を完全に吹き飛ばして乾燥するエアブロー型の乾燥機である。
この最終段の乾燥機39で乾燥された極細線7は、巻取ボビン40に巻き取られる。
【0020】
このように構成される極細線の洗浄装置20を用いた極細線7の乾燥は、次のように行われる。
まず、所望線径に伸線された極細線7は、キャプスタン35を介して洗浄槽23内の案内キャプスタン26に懸架され、案内キャプスタン26の案内によって洗浄槽23内に送り込まれる。この洗浄槽23内を走行中に超音波振動子27の作用によって極細線7の表面に付着した水溶性潤滑油を洗い落とす第1次の洗浄が行われる。この洗浄槽23内を走行中に第1次洗浄の行われた極細線7は、乾燥機32によって極細線7の表面の洗浄液を吹き飛ばした後、キャプスタン36に懸架される。
【0021】
このキャプスタン36に懸架された極細線7は、キャプスタン36によってターンし、キャプスタン36に対向して設けられたキャプスタン37を介して、洗浄槽24内の案内キャプスタン28の案内によって洗浄槽24内に送り込まれる。この洗浄槽24内を走行中に超音波振動子29の作用によって極細線7の表面に付着した水溶性潤滑油を洗い落とす第2次の洗浄が行われる。この洗浄槽24内を走行中に第2次洗浄の行われた極細線7は、乾燥機33によって極細線7の表面の洗浄液を吹き飛ばした後、キャプスタン36に懸架される。
【0022】
このキャプスタン36に懸架された極細線7は、キャプスタン36によってターンし、キャプスタン36に対向して設けられたキャプスタン37を介して、洗浄槽25内の案内キャプスタン30の案内によって洗浄槽25内に送り込まれる。この洗浄槽25内を走行中に超音波振動子31の作用によって極細線7の表面に付着した水溶性潤滑油を洗い落とす最終洗浄が行われる。この洗浄槽25内を走行中に最終洗浄の行われた極細線7は、乾燥機34によって極細線7の表面の洗浄液を吹き飛ばした後、キャプスタン38を介して最終段の乾燥機39に送られる。この乾燥機39において、極細線7の表面にエアを吹き付けて極細線7の表面に付着する洗浄液を完全に吹き飛ばして乾燥し、巻取ボビン40で巻き取る。
【0023】
このように本実施の形態によると、所望線径に伸線した極細線7を、洗浄槽23で第1次洗浄を行い、洗浄槽24で第2次洗浄を行い、洗浄槽25で最終洗浄をと独立した洗浄槽によって各段階毎に超音波洗浄を行い、その都度乾燥を行っているため、洗浄液の汚染が洗浄槽の洗浄毎の段階を追って最終洗浄槽に近づくにつれて少なくなり、細線に付着している潤滑油の除去を確実に行うことができる。
また、本実施の形態によると、洗浄槽23、24、25内に設けられる超音波振動子27、29、31の位置を下側、上側、下側というように順次位相差をもって設けてあるため、超音波振動子による極細線の超音波洗浄の漏れが生じるのを防止でき、極細線の全周にわたって洗浄することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0026】
請求項3に係る発明によれば、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができる。
【0027】
請求項4に係る発明によれば、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において確実に除去することができる。
【0028】
請求項5に係る発明によれば、洗浄槽の洗浄液の汚染を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る極細線の洗浄装置の一実施の形態を示す全体構成斜視図である。
【図2】図1に図示の極細線の洗浄装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】図1に示す極細線の洗浄装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】従来の極細線の洗浄方法を示す極細線線引き装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
7…………………………………極細線
20………………………………洗浄装置
21………………………………筐体
22………………………………洗浄液
23、24、25………………洗浄槽
26、28、30………………案内キャプスタン
27、29、31………………超音波振動子
32、33、34、39………乾燥機
35、36、37、38………キャプスタン
40………………………………巻取ボビン
【発明の属する技術分野】
本発明は、ICやトランジスタのワイヤボンディングに使用される金、アルミニウム、銅等の極細線の表面の汚れを洗い落とす極細線の洗浄方法に係り、特に極細線の伸線工程で付着する潤滑油を極細線の全周にわたって洗浄できる極細線の洗浄方法及び極細線の洗浄装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、素線から線引きされ複数回に亘って伸線されて所望線径の極細線を得るには、油性や水性の潤滑油の中に設置された数個のダイスを通しながら順次小径の細線に加工し所望線径の極細線に成形する。このため、加工された極細線の表面には、油性や水性の潤滑油が付着している。この表面に付着した潤滑油は、次工程や使用の時に支障となるため、極細線の表面から除去しておくことが必要である。
【0003】
このような極細線の表面に付着した潤滑油等の付着油の除去は、付着油が時間の経過と共に変質して固化してしまい困難となるため、線引き加工後(所望線径に成形後)できるだけ早く洗浄することが望ましい。しかし、伸線工程の直後に洗浄工程で、複数個の超音波振動子を備えた水槽中を通過させて極細線の洗浄を行おうとすると、洗浄し易い極細線の線速(例えば、50m/分)と線引き加工時の線速(例えば、100m/分)とが異なるため、一般的には線引き工程後線引きとは別個の洗浄工程によって行われていた。
【0004】
そこで、最近、特開平5−138244号公報に示す如き、極細線線引き手段で極細線を縮径させた後、縮径させた極細線を、極細線を巻き取る過程で、水洗スプレーで洗浄する方法が提案されている。特開平5−138244号公報に示される極細線線引き装置1は、図4に示す如き構成を有している。すなわち、潤滑油糟2中には、ダイスホルダ3に着脱可能に支持された複数のダイス4が配置されており、このダイスホルダ3の両側にはキャプスタン5、6が配置されている。このダイス4は、それぞれの内径が徐々に小さくなる順で配置されており、極細線7は、2つのキャプスタン5、6のまわりに交互に掛けられた状態で、個々のダイス4が順に通されて巻取りスプール8に巻き取られるようになっている。このキャプスタン5、6は、極細線7を駆動するために巻取りスプール8で巻き取られる線速よりわずかに早い周速で回転させられている。
【0005】
そして、最終段のダイス4を通過した極細線7は、プーリ9、10に案内されて巻取られるが、プーリ9、10の間を移動中、超音波振動器15によって駆動する超音波振動子を内蔵する水洗スプレー11によって与えられる水膜によって洗浄され、水洗スプレー11で使用した若干の油を含む水(水洗スプレーではポンプ12で水を循環して使用するために若干の油を含む)を除去するために、水洗シャワースプレー13で洗浄され、次に空気ノズル14で水切りされる。なお、16、17は、それぞれ、使用した水を回収するための容器である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の洗浄方法にあっては、前者の方法では、別途洗浄工程を設けて、複数個の超音波振動子を備えた水槽中に極細線を通過することにより行われていたが、洗浄液が汚染されやすいという問題点を有している。また、後者の方法では、水洗スプレー及び水洗シャワーが設置された面は洗浄されるが、反対面は洗浄されにくいという問題点を有していた。
【0007】
本発明の目的は、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明における極細線の洗浄方法は、所望線径に伸線した極細線を、相対向するキャプスタン間に複数回懸走し、各独立しそれぞれに超音波振動子を備えた複数の洗浄槽を前記キャプスタン間を走行する極細線毎に設けると共に、前記複数の洗浄槽に対応して乾燥機を設け、各キャプスタン間を走行する極細線毎に前記各独立した洗浄槽内の洗浄液中を浸漬走行して洗浄し前記乾燥機によって乾燥するようにしたものである。
このように構成することにより、請求項1に記載の発明によると、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0009】
請求項2に記載の発明における極細線の洗浄装置は、相対向して設けられ所望線径に伸線した極細線を懸架する2つのキャプスタンと、この2つのキャプスタン間に懸架される極細線のそれぞれに対応して設けら極細線を洗浄する洗浄液が収納された洗浄槽と、この洗浄槽内に設けられ走行する極細線を洗浄液中に案内する案内キャプスタンと、洗浄槽内に設けられ洗浄液中を走行する極細線に対向して設けられる超音波振動子と、洗浄槽の極細線の送出近傍に設け洗浄槽から走行してくる極細線の表面を乾燥する乾燥機とによって構成したものである。
このように構成することにより、請求項2に記載の発明によると、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明における極細線の洗浄装置は、超音波振動子を、相隣接する洗浄槽において、極細線との対向する位置を違えて設けたものである。
このように構成することにより、請求項3に記載の発明によると、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができる。
【0011】
請求項4に記載の発明における極細線の洗浄装置は、超音波振動子を、相隣接する洗浄槽において、180°の位相差をもって設けたものである。
このように構成することにより、請求項4に記載の発明によると、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において確実に除去することができる。
【0012】
請求項5に記載の発明における極細線の洗浄方法は、乾燥機を、極細線が各洗浄槽を出た直後に設けたものである。
このように構成することにより、請求項5に記載の発明によると、洗浄槽の洗浄液の汚染を抑えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る極細線の洗浄方法の実施の形態について説明する。
図1〜図3には、本発明に係る極細線の洗浄方法及び極細線の洗浄装置の一実施の形態が示されている。
【0014】
図において、極細線の洗浄装置20は、筐体21内に図2に示す如く洗浄液22の収納された洗浄槽23、24、25が設けられている。この洗浄槽23、24、25内に収納される洗浄液22は、極細線7の洗浄を行うため走行すると洗浄液22の温度が上昇すると共に減少するため、随時補給するように構成されている。
【0015】
この洗浄槽23内には、極細線7を洗浄槽23内に案内する案内キャプスタン26が設けられており、洗浄槽23内の洗浄槽23内を走行する極細線7に対向した位置に超音波振動子27が設けられている。また、洗浄槽24内には、極細線7を洗浄槽24内に案内する案内キャプスタン28が設けられており、洗浄槽24内の洗浄槽24内を走行する極細線7に対向した位置に超音波振動子29が設けられている。さらに、洗浄槽25内には、極細線7を洗浄槽25内に案内する案内キャプスタン30が設けられており、洗浄槽25内の洗浄槽25内を走行する極細線7に対向した位置に超音波振動子31が設けられている。
これら筐体21内に設けられる洗浄槽は、本実施の形態においては、3個となっているが、この洗浄槽の数は、極細線の洗浄状態によって適宜増加されるもので、本実施の形態のように3個と限定するものではない。
なお、図3においては、超音波振動子27、29、31が省略されている。
【0016】
この洗浄槽23内に設けられる超音波振動子27は、洗浄槽23内を走行する極細線7の下側から極細線7に向って超音波を発するように設けられている。また、この洗浄槽23に隣接する洗浄槽24内に設けられる超音波振動子29は、洗浄槽24内を走行する極細線7の上側から極細線7に向って超音波を発するように設けられている。すなわち、洗浄槽23内に設けられる超音波振動子27とは、180°の位相差をもって設けられている。さらに、この洗浄槽24に隣接する洗浄槽25内に設けられる超音波振動子31は、洗浄槽25内を走行する極細線7の下側から極細線7に向って超音波を発するように設けられている。すなわち、洗浄槽24内に設けられる超音波振動子29とは、180°の位相差をもって設けられている。
この各洗浄槽内に設けられる超音波振動子の設置位置は、本実施の形態においては、相隣接する洗浄槽間で180°の位相差をもって設けているが、この超音波振動子は、相隣接する洗浄槽間で所定角度の位相差をもって設けられていればよいのであって、必ずしも相隣接する洗浄槽間で180°の位相差をもって設ける必要はない。
【0017】
洗浄槽23の極細線7の送出口近傍には、洗浄槽23から走行してくる極細線7の表面に付着する洗浄液22を除去するための乾燥機32が設けられている。また、洗浄槽24の極細線7の送出口近傍には、洗浄槽24から走行してくる極細線7の表面に付着する洗浄液22を除去するための乾燥機33が設けられている。さらに、洗浄槽25の極細線7の送出近傍には、洗浄槽25から走行してくる極細線7の表面に付着する洗浄液22を除去するための乾燥機34が設けられている。
なお、図3においては、乾燥機32、33、34が省略されている。
この乾燥機32、33、34は、極細線7の表面にエアを吹き付けて極細線7の表面に付着する洗浄液を吹き飛ばして乾燥するエアブロー型の乾燥機である。
【0018】
極細線7は、キャプスタン35を介して洗浄槽23内の案内キャプスタン26に懸架することにより洗浄槽23内に送り込まれる。このようにして洗浄槽内を走行する極細線7は、適宜箇所に支持される2つのキャプスタン36、37に懸架され、2つのキャプスタン36、37間を走行するように構成されている。このキャプスタン36とキャプスタン37は、対向して設けられている。
【0019】
このように洗浄槽25の洗浄液22内を走行することによって最終洗浄を終了した極細線7は、キャプスタン38を介して最終段の乾燥機39に送られる。この乾燥機39は、極細線7の表面にエアを吹き付けて極細線7の表面に付着する洗浄液を完全に吹き飛ばして乾燥するエアブロー型の乾燥機である。
この最終段の乾燥機39で乾燥された極細線7は、巻取ボビン40に巻き取られる。
【0020】
このように構成される極細線の洗浄装置20を用いた極細線7の乾燥は、次のように行われる。
まず、所望線径に伸線された極細線7は、キャプスタン35を介して洗浄槽23内の案内キャプスタン26に懸架され、案内キャプスタン26の案内によって洗浄槽23内に送り込まれる。この洗浄槽23内を走行中に超音波振動子27の作用によって極細線7の表面に付着した水溶性潤滑油を洗い落とす第1次の洗浄が行われる。この洗浄槽23内を走行中に第1次洗浄の行われた極細線7は、乾燥機32によって極細線7の表面の洗浄液を吹き飛ばした後、キャプスタン36に懸架される。
【0021】
このキャプスタン36に懸架された極細線7は、キャプスタン36によってターンし、キャプスタン36に対向して設けられたキャプスタン37を介して、洗浄槽24内の案内キャプスタン28の案内によって洗浄槽24内に送り込まれる。この洗浄槽24内を走行中に超音波振動子29の作用によって極細線7の表面に付着した水溶性潤滑油を洗い落とす第2次の洗浄が行われる。この洗浄槽24内を走行中に第2次洗浄の行われた極細線7は、乾燥機33によって極細線7の表面の洗浄液を吹き飛ばした後、キャプスタン36に懸架される。
【0022】
このキャプスタン36に懸架された極細線7は、キャプスタン36によってターンし、キャプスタン36に対向して設けられたキャプスタン37を介して、洗浄槽25内の案内キャプスタン30の案内によって洗浄槽25内に送り込まれる。この洗浄槽25内を走行中に超音波振動子31の作用によって極細線7の表面に付着した水溶性潤滑油を洗い落とす最終洗浄が行われる。この洗浄槽25内を走行中に最終洗浄の行われた極細線7は、乾燥機34によって極細線7の表面の洗浄液を吹き飛ばした後、キャプスタン38を介して最終段の乾燥機39に送られる。この乾燥機39において、極細線7の表面にエアを吹き付けて極細線7の表面に付着する洗浄液を完全に吹き飛ばして乾燥し、巻取ボビン40で巻き取る。
【0023】
このように本実施の形態によると、所望線径に伸線した極細線7を、洗浄槽23で第1次洗浄を行い、洗浄槽24で第2次洗浄を行い、洗浄槽25で最終洗浄をと独立した洗浄槽によって各段階毎に超音波洗浄を行い、その都度乾燥を行っているため、洗浄液の汚染が洗浄槽の洗浄毎の段階を追って最終洗浄槽に近づくにつれて少なくなり、細線に付着している潤滑油の除去を確実に行うことができる。
また、本実施の形態によると、洗浄槽23、24、25内に設けられる超音波振動子27、29、31の位置を下側、上側、下側というように順次位相差をもって設けてあるため、超音波振動子による極細線の超音波洗浄の漏れが生じるのを防止でき、極細線の全周にわたって洗浄することができる。
【0024】
【発明の効果】
請求項1に係る発明によれば、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0025】
請求項2に係る発明によれば、伸線工程において極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができ、洗浄液の汚染を抑え洗浄性を向上することができる。
【0026】
請求項3に係る発明によれば、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において除去することができる。
【0027】
請求項4に係る発明によれば、極細線の表面に付着した水溶性潤滑油を全周方向において確実に除去することができる。
【0028】
請求項5に係る発明によれば、洗浄槽の洗浄液の汚染を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る極細線の洗浄装置の一実施の形態を示す全体構成斜視図である。
【図2】図1に図示の極細線の洗浄装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】図1に示す極細線の洗浄装置の全体構成を示す平面図である。
【図4】従来の極細線の洗浄方法を示す極細線線引き装置の全体斜視図である。
【符号の説明】
7…………………………………極細線
20………………………………洗浄装置
21………………………………筐体
22………………………………洗浄液
23、24、25………………洗浄槽
26、28、30………………案内キャプスタン
27、29、31………………超音波振動子
32、33、34、39………乾燥機
35、36、37、38………キャプスタン
40………………………………巻取ボビン
Claims (5)
- 所望線径に伸線した極細線を、相対向するキャプスタン間に複数回懸走し、各独立しそれぞれに超音波振動子を備えた複数の洗浄槽を前記キャプスタン間を走行する極細線毎に設けると共に、前記複数の洗浄槽に対応して乾燥機を設け、各キャプスタン間を走行する極細線毎に前記各独立した洗浄槽内の洗浄液中を浸漬走行して洗浄し前記乾燥機によって乾燥するようにしたことを特徴とする極細線の洗浄方法。
- 相対向して設けられ所望線径に伸線した極細線を懸架する2つのキャプスタンと、前記2つのキャプスタン間に懸架される前記極細線のそれぞれに対応して設けられ該極細線を洗浄する洗浄液が収納された洗浄槽と、前記洗浄槽内に設けられ走行する前記極細線を前記洗浄液中に案内する案内キャプスタンと、前記洗浄槽内に設けられ前記洗浄液中を走行する前記極細線に対向して設けられる超音波振動子と、前記洗浄槽の前記極細線の送出近傍に設け前記洗浄槽から走行してくる前記極細線の表面を乾燥する乾燥機とからなる極細線の洗浄装置。
- 前記超音波振動子は、相隣接する洗浄槽において、極細線との対向する位置を違えて設けたものである請求項2に記載の極細線の洗浄装置。
- 前記超音波振動子は、相隣接する洗浄槽において、180°の位相差をもって設けたものである請求項3に記載の極細線の洗浄装置。
- 前記乾燥機は、前記極細線が前記各洗浄槽を出た直後に設けたものである請求項2、3又は4に記載の極細線の洗浄装置。
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