JP3572001B2 - 電子線発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線発生装置およびそれを利用した画像表示装置等の画像形成装置に関わり、特に表面伝導型電子放出素子を多数個備える電子線発生装置および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子放出素子としては、熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られており、また、これらの電子源を利用した画像形成装置が知られている。
【0003】
熱電子源を用いた平面型の画像形成装置としては、図24に示すものが知られている。図24は、熱電子源を用いた従来の画像形成装置の概略構成図である。この画像形成装置は、絶縁支持体1501上に平行に配置され、表面に電子線衝撃により発光する部材(蛍光体)が塗布された複数の陽極1502と、陽極1502と平行に、かつ、対向して配置された複数のフィラメント1503と、陽極1502とフィラメント1503との間に、陽極1502およびフィラメント1503と直交して配置された複数のグリッド1504とを有し、これら陽極1502、フィラメント1503およびグリッド1504は、透明の容器1505内に保持されている。容器1505は、その内部の真空を保持できるように絶縁支持体1501に気密接着(以下、「封着」という)され、容器1505と絶縁支持体1501とで構成される外囲器の内部は10−6Torr程度の真空に保たれている。
【0004】
フィラメント1503は、真空中で加熱されることにより電子を放出し、グリッド1504と陽極1502に適当な電圧を印加することにより、フィラメント1503から放出された電子が陽極1502に衝突し、陽極1502上に塗布された蛍光体が発光する。陽極1502の列(X方向)とグリッド1504の列(Y方向)をマトリクスアドレッシングすることにより、発光する位置の制御が可能となり、容器1505を通して画像を表示することができる。
【0005】
しかし、熱電子源を用いた画像形成装置は、
(1)消費電力が大きい。
(2)変調スピードが遅いため、大容量の表示が困難である。
(3)各素子間のばらつきが生じやすく、また構造が複雑となるため大画面化が難しい。
という問題点がある。
【0006】
そこで、熱電子源にかえて、冷陰極電子源を用いた画像形成装置が考えられている。
【0007】
冷陰極電子源には電界放出型(以下、FE型という)、金属/絶縁層/金属型(以下、MIM型という)や表面伝導型電子放出素子(以下、SCEという)等がある。
【0008】
FE型の例としては、W.P.Dyke & W.W.Dolan, ”Field emission”, Advance in Electron Physics, 8, 89(1956)、あるいはC.A.SPindt, ”PHYSICAL Properties of thin−film field emission cathodes with moybdenium coces”, J.Appl.Phys., 47, 5248(1976) 等が知られている。
【0009】
MIM型の例としては、C.A.Mead, ”Operation of Tunnel−emission Devices”, J.Appl.Phys., 32, 646(1961) 等が知られている。
【0010】
SCEの例としては、M.I.Elinson, Radio Eng. Electron Phys., 10, (1965)等がある。SCEは、基板上に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。このSCEとしては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いたもの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:”Thin Solid Films”, 9, 317(1972)]、In2O3/SnO2 薄膜によるもの[M.Hartwell and C.G.Fonstad:”IEEE Trans. ED Conf.”, 519(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等が報告されている。
【0011】
これら表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成として、前述のハートウェル(M.Hartwell)の文献による素子構成を図25に示す。図25において、絶縁性基板2011には、素子電極となる電子放出部形成用薄膜2012が形成されている。電子放出部形成用薄膜2012は、H型形状のパターンに、スパッタで形成された金属酸化物膜等からなり、後述のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子放出部2023が形成される。また、電子放出部形成用薄膜2012のうち電子放出部2023が含まれる部分を、電子放出部を含む薄膜2018と呼ぶことにする。
【0012】
従来、これらの表面伝導型電子放出素子においては、電子放出を行なう前に、電子放出部形成用薄膜2012を、予めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部2023を形成するのが一般的であった。すなわちフォーミングとは、電子放出部形成用薄膜2012の両端に電圧を印加し、電子放出部形成用薄膜2012を局所的に破壊もしくは変質させ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部2023を形成することである。なお、電子放出部2023は、電子放出部形成用薄膜2012の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近から電子放出が行なわれる。以下、フォーミングにより形成した電子放出部を含む電子放出部形成用薄膜2012を、電子放出部を含む薄膜2018と呼ぶ。前記フォーミング処理をした表面伝導型電子放出素子は、上述の電子放出部を含む薄膜2018に電圧を印加し、素子に電流を流すことにより、上述の電子放出部2023より電子を放出させるものである。
【0013】
例えば、この種の電子放出素子を用いた画像形成装置としては、電子放出素子が設けられた電子源と、電子の衝突により発光する蛍光体等を備えた画像形成部材とを支持枠を介して対向配置し、これら電子源と画像形成部材と支持枠とで構成される外囲器の内部を真空にしたものが知られていいる。また、画像形成部材には、電子源から放出された電子を画像形成部材に向けて加速するための加速電極が備えられ、加速電極に高電圧を印加することで放出電子が画像形成部材へ向けて加速され、画像形成部材に衝突する。また、薄型画像表示装置等のように扁平な外囲器を用いる画像形成装置においては、耐大気圧構造体として支持柱(スペーサ)を用いる場合もある。
【0014】
多数のSCEを配列した例としては、並列にSCEを配列し、個々の要素の両端を配線にてそれぞれ結線した行を多数配列した電子源が挙げられる(例えば、特開平1−31332号公報)。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人は、SCEを用いた画像形成装置をより簡単な構成で実現する方法として、複数本の行方向配線と複数本の列方向配線とによって、SCEの対向する1対の素子電極をそれぞれ結線することで、行列状に、多数個のSCEを配列した単純マトリクス型の電子源を構成し、行方向と列方向に適当な駆動信号を与えることで、多数のSCEを選択し、電子放出量を制御し得る系を考えている。
【0016】
上記単純マトリクス型のSCE電子源を用いた画像形成装置の検討において、本発明者らは、画像形成部材をなす蛍光体上の発光位置すなわち電子の到達位置や発光形状が設計値からずれる場合が生じることを見出した。特に、カラー画像用の画像形成部材を用いた場合は、発光位置ずれとあわせて、輝度低下や色ずれの発生も見られる場合があった。また、本現象は電子源と画像形成部材間に配置される支持枠または支持柱(スペーサ)の近傍、あるいは画像形成部材の周縁部で起こることを確認した。
【0017】
そこで本発明は、電子放出素子からの電子放出軌道を安定させ、電子の到達位置ずれのない電子線発生装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明の電子線発生装置は、電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられ、
前記複数の電極は、以下の条件式、
(突出量/電極間隔)≧√[(d・Vi)/(z・Va)]
に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置である。
ここで、
d:前記電子源と電子被照射部材との距離、
Vi:前記電子源と電子被照射部材との間に発生する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向における前記電子放出素子の電子放出部または前記電子被照射部材の前記電子放出素子から放出された電子の照射部における電荷担持体発生部から前記電極間までの距離、
Va:前記電子源と電子被照射部材の加速電極との間の電位差、
突出量:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向での前記電極の間隔である。
本発明の他の形態による電子線発生装置は、電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された少なくともひとつの電極部と、前記電子源と前記電極部との間に設置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子源と前記電極部との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられており、
前記複数の電極は、以下の条件式、
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]
に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置である。
ここで、
Vi:前記電子源と前記電極部との間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記電子源と前記電極部との間の電場のなす平均的方向における前記電荷担持体が前記電極部を横切る箇所から前記電極間までの距離、
Ez:前記電子源と前記電極部との間の電場のなす平均的方向の電場の平均値、
突出量:前記電場のなす平均的方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電場のなす平均的方向での前記電極の間隔である。
本発明の更に他の形態による電子線装置は、電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された複数の電極部と、前記複数の電極部の隣接する電極部間に設置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記隣接する電極部間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられており、
前記複数の電極は、以下の条件式、
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]
に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置。
ここで、
Vi:前記隣接する電極部間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記隣接する電極部間の電場のなす平均的方向における前記電荷担持体が前記隣接する電極部の一方を横切る箇所から前記電極間までの距離、
Ez:前記隣接する電極部間の電場のなす平均的方向の電場の平均値、
突出量:前記電場のなす平均的方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電場のなす平均的方向での前記電極の間隔である。
本発明の更に他の形態による電子線装置は、電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された電極部と、前記電子被照射部材と前記電極部との間に設置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子被照射部材と前記電極部との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられており、
前記複数の電極は、以下の条件式、
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]
に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置。
ここで、
Vi:前記電子被照射部材と前記電極部との間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記電子被照射部材と前記電極部との間の電場のなす平均的方向における前記電子被照射部材の前記電子放出素子から放出された電子の照射部における電荷担持体発生部から前記電極間までの距離、
Ez:前記電子被照射部材と前記電極部との間の電場のなす平均的方向の電場の平均値、
突出量:前記電場のなす平均的方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電場のなす平均的方向での前記電極の間隔である。
【0019】
この場合、前記絶縁性部材の表面には複数の凸部が形成され、前記複数の凸部のそれぞれに前記電位規定された電極が設けられているとしてもよい。
【0020】
また、前記電荷担持体は、前記電子源から放出される電子、前記電子源から放出される電子が衝突することにより発生する2次電子またはイオンであってもよい。
【0021】
また、前記絶縁性部材は、前記電子源と電極部との間に設置された耐大気圧構造体であってもよい。
【0022】
また、前記絶縁性部材は、前記電子源と電極部との間の真空雰囲気を維持するための外囲器の一部をなす支持枠であってもよい。
【0023】
また、前記複数の電極は、それぞれ引き出し配線により外部に引き出されていてもよい。
【0024】
また、前記複数の電極は、それぞれ引き出し配線により外部に引き出されていてもよい。
【0025】
前記引き出し配線は、前記支持枠に設けられていてもよい。
【0026】
前記引き出し配線は、前記電極部に設けられていてもよい。
【0027】
また、前記電子源が搭載されるリアプレートを有し、
前記引き出し配線が、前記リアプレートに設けられていてもよい。
【0028】
また、前記絶縁性部材に前記複数の電極を接続する高抵抗導電膜が形成されるとともに、前記電極部および前記電子源にそれぞれ前記高抵抗導電膜と電気的に接続される導電性部材が設けられ、
前記引き出し配線が、前記導電性部材に設けられていてもよい。
【0033】
【作用】
本発明者らは鋭意研究した結果、上記課題は電子源から放出される電子がその誘因となることを見出した。
【0034】
電子源から放出された電子は画像形成部材である蛍光体への衝突の他に、確率は低いが真空中の残留ガスへの衝突が起こる。これらの衝突時にある確率で発生した散乱粒子(イオン、2次電子、中性粒子等)の一部が、画像形成装置内の絶縁性材料の露出した部分に衝突し、上記露出部が帯電していることがわかった。この帯電により、上記露出部の近傍では電場が変化して電子軌道のずれが生じ、蛍光体の発光位置や発光形状の変化が引き起こされたと考えられる。
【0035】
また、上記蛍光体の発光位置、形状の変化の状況から、上記露出部には主に正電荷が蓄積していることもわかった。この原因としては、散乱粒子のうちの正イオンが付着帯電する場合、あるいは散乱粒子が上記露出部に衝突するときに発生する2次電子放出により正の帯電が起きる場合などが考えられる。
【0036】
以下に、上述の課題を解決するための手段による作用を説明する。
【0037】
上記のとおり構成された本発明の電子線発生装置では、電子源の電子放出素子から電子が放出され、この電子が電子被照射部材の加速電極に印加された高電圧により加速されて電子被照射に衝突すると、電子被照射部材からは散乱粒子が発生する。この散乱粒子のうち正イオンの散乱時の最大運動エネルギーは50eV程度である(Surface Science, 66(1977), 346による)。また、この正イオンの他に、電子源と電子被照射部材との間には、電子源から放出された電子といった電荷担持体が存在する。一方、電子源と電子被照射部材との間に配置された絶縁性部材の表面には、電位規定された電極が設けられているので、絶縁性部材の表面には前記荷電担持体が付着帯電しにくくなる。その結果、電子放出素子から放出される電子の軌道がずれにくくなる。また、電極は、電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って複数設けられているので、電子被照射部材の加速電極に印加される高電圧にも耐え得る構造となる。
【0038】
ここで、電荷担持体が発生した位置を原点としたとき、電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向をZ、それに直交する方向をY、電子源と電子被照射部材との間隔をd、電子源と電子被照射部材との電位差をVa、電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値をViとすると、電荷担持体のなす軌跡は、
Z=[Va/(4d・Vi)]×Y2
で表わされる。
【0039】
そこで、電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向における電荷担持体発生部から電極間までの距離をzとしたとき、
(突出量/電極間隔)≧√[(d・Vi)/(z・Va)]…条件式(1)
の関係を満たすように各電極を形成すれば、絶縁性部材への電荷担持体の軌道が電極によって遮られ、絶縁性部材への帯電は防止される。
【0040】
また本発明は、複数本の行方向配線と複数本の列方向配線とによってSCEをそれぞれ結線することで、行列状に多数個のSCEを配列した単純マトリクス型の電子源を用いた電子線発生装置に好適である。上記単純マトリクス型の電子源は、行方向と列方向に適当な駆動信号を与えることで、多数のSCEを選択し電子放出量を制御し得るので、基本的には他の制御電極を付加する必要がなく、1枚の基板上で容易に構成できる。
【0041】
もちろん、本発明は電子源と電子被照射部材との間に何らかの付加構造(例えば集束電極や偏向電極等)を有する場合についても、上記の考え方を該付加構造間の各々の空間に適用し、絶縁性部材に設けられる複数の電極の構成を決めることで同様の効果を与える。さらに、上記付加構造が上記複数の電極の一部を兼ねる場合についても適用できる。
【0042】
本発明の画像形成装置では、本発明の電子線発生装置で用いた電子被照射部材に代えて、電子源に対向配置され、電子放出素子から放出された電子が衝突することにより画像が形成される部材および電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた画像形成部材を用いているので、上述したように電子放出素子から放出される電子の軌道が安定し、その結果、発光位置のずれの少ない良好な画像が形成される。
【0043】
【実施例】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0044】
本発明にかかわる画像形成装置は基本的には、薄型の真空容器内に、基板上に多数の冷陰極素子を配列してなるマルチ電子ビーム源と、電子ビームの照射により画像を形成する画像形成部材とを対向して備えている。
【0045】
冷陰極素子は、たとえばフォトリソグラフィーやエッチングのような製造技術を用いれば基板上に精密に位置決めして形成できるため、微小な間隔で多数個を配列することが可能である。しかも、従来からCRT等で用いられてきた熱陰極と比較すると、陰極自身や周辺部が比較的低温の状態で駆動できるため、より微細な配列ピッチのマルチ電子ビーム源を容易に実現することができる。
【0046】
本発明は、上述した冷陰極素子をマルチ電子ビーム源として用いた画像形成装置にかかわるものである。
【0047】
また、冷陰極素子のなかでもとりわけ好ましいのは、表面伝導型電子放出素子(SCE)である。すなわち、前記MIM型素子は絶縁層や上部電極の厚さを比較的精密に制御する必要があり、またFE型は針状の電子放出部の先端形状を精密に制御する必要がある。そのため、これらの素子は比較的製造コストが高くなったり、製造プロセス上の制限から大面積のものを作製するのが困難となる場合があった。
【0048】
これに対してSCEは、構造が単純で製造が簡単であり、大面積のものを容易に作製できる。近年、特に大画面で安価な表示装置が求められている状況においては、とりわけ好適な冷陰極素子であるといえる。
【0049】
SCEの典型的な構成を図22に示す。図22は、SCEの典型的な素子構成を示す図である。すなわち図22に示すように、絶縁性基板1011上に1対の素子電極1016、1017を設け、これら各電極1016、1017を連絡するように金属酸化物等の薄膜1018(以下、「電子放出部形成用薄膜」という。)を成膜し、この薄膜1018をフォーミングと呼ばれる通電処理により局所的に破壊もしくは変質させ電子放出部1023を形成したものである。
【0050】
次に、図22に示した電子放出素子の製造方法を、本出願人による特開平2−56822、4−28139を参考にして、図23の製造工程図を用いて概説する。なお、以下の工程a〜cは図23の(a)〜(c)に対応する。
【0051】
工程a:絶縁性基板1011を洗剤、純水および有機溶剤により十分に洗浄後、真空蒸着法、スパッタ法等により素子電極材料を堆積後、フォトリソグラフィー技術により絶縁性基板1011の面上に素子電極1016、1017を形成する。
【0052】
絶縁性基板1011としては、石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、青板ガラスにスパッタ法等により形成したSiO2 を積層したガラス基板等のガラス部材及びアルミナ等のセラミックス部材等が挙げられる。素子電極1016、1017の材料としては、導電性を有するものであればどのようなものであっても構わないが、例えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属、あるいは合金、或いはPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、あるいはIn2 O3 /SnO2 等の透明導電体、あるいはポリシリコン等の半導体導体材料等が挙げられる。
【0053】
工程b:絶縁性基板1011上に設けられた素子電極1016、1017の間に、有機金属溶液を塗布して放置することにより、有機金属薄膜を形成する。この後、有機金属薄膜を加熱焼成処理し、リフトオフ、エッチング等によりパターニングし、電子放出部形成用薄膜1018を形成する。
【0054】
上記有機金属溶液とは、電圧印加により電子を放出しやすいもの、即ち仕事関数の低いもので、かつ安定なもの、例えばPd、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb、Hg、Cd、Pt、Mn、Sc、La、Co、Ce、Zr、Th、V、Mo、Ni、Os、Rh、Ir等の金属、AgMg、NiCu、Pb、Sn等の合金を主元素とする有機化合物の溶液である。
【0055】
なお、ここでは、有機金属溶液の塗布法により説明したが、これに限る物でなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等によって形成される場合もある。
【0056】
工程c:素子電極1016、1017間に電圧を不図示の電源により電圧を印加することで、先述のフォーミングと呼ばれる通電処理を施し、電子放出部形成用薄膜1018に、電子放出部形成用薄膜1018の構造が変化した部位である電子放出部1023を形成する。このようにして形成された電子放出部1023は、導電性微粒子で構成されていることを本発明者等は観察している。
【0057】
このSCEは、素子電極1016、1017間にある程度(しきい値電圧)以上の電圧を印加することにより急激に放出電流が増加して電子放出部1023から電子を放出し、一方、上記しきい値電圧未満では放出電流がほとんど検出されない非線形素子である。SCEの放出電流は素子電極1016、1017間に印加する電圧で制御でき、また、放出電荷はこの電圧の印加時間により制御できる。
【0058】
また、本出願人は、SCEのなかでは電子放出部もしくはその周辺部を微粒子膜から形成したものが特性上、あるいは大面積化する上で好ましいことを見出している。
【0059】
そこで、以下に述べる実施例では、微粒子膜を用いて形成したSCEをマルチ電子ビーム源として用いた画像表示装置を、本発明の画像形成装置の好ましい例として説明する。
【0060】
(第1実施例)
図1は、本発明の電子線発生装置を応用した画像形成装置の第1実施例の一部を破断した斜視図であり、図2は、図1に示した画像形成装置の要部断面図である。
【0061】
図1および図2において、リアプレート2には、複数の表面伝導型の電子放出素子(SCE)15がマトリクス状に配列された電子源1が固定されている。電子源1には、ガラス基板6の内面に蛍光膜7と加速電極であるメタルバック8が形成された、画像形成部材としてのフェースプレート3が、絶縁性材料からなる支持枠4を介して対向配置されており、電子源1とメタルバック8との間には、不図示の電源により高電圧が印加される。これらリアプレート2、支持枠4およびフェースプレート3は互いにフリットガラス等で封着され、リアプレート2と支持枠4とフェースプレート3とで外囲器10を構成する。
【0062】
また、外囲器10の内部は10−6Torr程度の真空に保持されるので、大気圧や不意の衝撃などによる外囲器10の破壊を防止する目的で、耐大気圧構造体として、外囲器10の内部には薄板状のスペーサ5が設けられている。スペーサ5は絶縁性材料からなるもので、上記目的を達成するのに必要な数だけ、かつ、必要な間隔をおいてX方向に平行に配置され、外囲器10の内面および電子源1の表面にフリットガラス等で封着される。
【0063】
スペーサ5の表面には、X方向に延びる3つのストライプ状の電極9a、9b、9cが、それぞれZ方向に間隔をおいて互いに平行に設けられている。各電極9a、9b、9cは、後述する取り出し配線を通じて、外囲器10の外部への取り出しが行なわれる。
【0064】
以下に、上述した各構成要素について詳細に説明する。
【0065】
(1)電子源1
図3は、図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面図であり、図4は、図3に示した電子源のA−A’線断面図である。
【0066】
図3および図4に示すように、ガラス基板等からなる絶縁性基板11には、m本のX方向配線12とn本のY方向配線13とが、層間絶縁層14(図3では不図示)で電気的に分離されてマトリクス状に配線されている。各X方向配線12と各Y方向配線13との間には、それぞれ表面伝導型の電子放出素子15が電気的に接続されている。各電子放出素子15は、それぞれX方向に間をおいて配置された1対の素子電極16、17と、各素子電極16、17を連絡する電子放出部形成用薄膜18とで構成され、1対の素子電極16、17のうち一方の素子電極16が、層間絶縁層14に形成されたコンタクトホール14aを介してX方向配線12に電気的に接続され、他方の素子電極17がY方向配線13に電気的に接続される。各素子電極16、17は、それぞれ導電性金属等からなるものであり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成される。
【0067】
絶縁性基板11の大きさ及び厚みは、絶縁性基板11に設置される電子放出素子15の個数および個々の素子の設計上の形状や、電子源1の使用時に容器の一部を構成する場合には、その容器を真空に保持するための条件等に依存して適宜設定される。
【0068】
各X方向配線12および各Y方向配線13は、それぞれ絶縁性基板11上に、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等により所望のパターンに形成された導電性金属等からなり、多数の電子放出素子15にできるだけ均等な電圧が供給されるように、材料、膜厚、配線巾が設定される。また、層間絶縁層14は、真空蒸着法、印刷法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等であり、X方向配線12を形成した絶縁性基板11の全面或いは一部に所望の形状で形成され、特にX方向配線12とY方向配線13の交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が適宜設定される。
【0069】
また、X方向配線12には、X方向に配列する電子放出素子15の行を任意に走査するための走査信号を印加するための不図示の走査信号発生手段と電気的に接続されている。一方、Y方向配線13には、Y方向に配列する電子放出素子15の各列を任意に変調するための変調信号を印加するための不図示の変調信号発生手段と電気的に接続されている。ここにおいて、各電子放出素子15に印加される駆動電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差電圧として供給されているものである。
【0070】
ここで、電子源1の製造方法の一例について図5により工程順に従って具体的に説明する。尚、以下の工程a〜hは、図5の(a)〜(h)に対応する。
【0071】
工程a:清浄化した青板ガラス上に厚さ0.5μmのシリコン酸化膜をスパッタ法で形成した絶縁性基板11上に、真空蒸着により厚さ50オングストロームのCr、厚さ6000オングストロームのAuを順次積層した後、ホトレジスト(AZ1370 ヘキスト社製)をスピンナーにより回転塗布、べークした後、ホトマスク像を露光、現像して、X方向配線12のレジストパターンを形成し、Au/Cr堆積膜をウエットエッチングして、所望の形状のX方向配線12を形成する。
【0072】
工程b:次に、厚さ1.0μmのシリコン酸化膜からなる層間絶縁層14をRFスパッタ法により堆積する。
【0073】
工程c:工程bで堆積したシリコン酸化膜にコンタクトホール14aを形成するためのホトレジストパターンを作り、これをマスクとして層間絶縁層14をエッチングしてコンタクトホール14aを形成する。エッチングはCF4 とH2 ガスを用いたRIE(Reactive Ion Etching)法による。
【0074】
工程d:その後、素子電極と素子電極間ギャップとなるべきパターンをホトレジスト(RDー2000Nー41 日立化成社製)で形成し、真空蒸着法により厚さ50オングストロームのTi、厚さ1000オングストロームのNiを順次堆積した。ホトレジストパターンを有機溶剤で溶解し、Ni/Ti堆積膜をリフトオフし、素子電極間隔L1(図3参照)が3μm、素子電極幅W1(図3参照)が300μmである素子電極16、17を形成する。
【0075】
工程e:素子電極16、17の上にY方向配線13のホトレジストパターンを形成した後、厚さ50オングストロームのTi、厚さ5000オングストロームのAuを順次真空蒸着により堆積し、リフトオフにより不要の部分を除去して、所望の形状のY方向配線13を形成する。
【0076】
工程f:図6に示すような、素子電極間隔L1だけ間をおいて位置する1対の素子電極16、17を跨ぐような開口20aを有するマスク20を用い、膜厚1000オングストロームのCr膜21を真空蒸着により堆積・パターニングし、その上に有機Pd(ccp4230 奥野製薬(株)社製)をスピンナーにより回転塗布、300℃で10分間の加熱焼成処理をした。
【0077】
このようにして形成されたPdを主元素とする微粒子からなる電子放出部形成用薄膜18の膜厚は約100オングストローム、シート抵抗値は5×104 Ω/□であった。なお、ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは、重なり合った状態(島状も含む)の膜をさし、その粒径とは、前記状態で粒子形状が認識可能な微粒子についての径をいう。
【0078】
工程g:酸エンチャントによりCr膜21を除去して、所望のパターン形状を有する電子放出部形成用薄膜18を形成した。
【0079】
工程h:コンタクトホール14a部分以外にレジストを塗布するようなパターンを形成し、真空蒸着により厚さ50オングストロームのTi、厚さ5000オングストロームのAuを順次堆積した。リフトオフにより不要の部分を除去することにより、コンタクトホール14aを埋め込んだ。
【0080】
以上の工程を経て、X方向配線12、Y方向配線13および電子放出素子15が絶縁性基板11上に2次元状に等間隔に形成配置される。
【0081】
そして、外囲器10(図1参照)を、不図示の排気管を通じて真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、電子放出素子15の素子電極16、17間に電圧を印加し、電子放出部形成用薄膜18を通電処理(フォーミング処理)することにより電子放出部形成用薄膜18が局所的に破壊して電子放出部形成用薄膜18に電子放出部23(図4参照)が形成される。例えば、フォーミング処理として、10−6Torrの真空雰囲気下で、図7に示すようなパルス幅T1が1ミリ秒、波高値(フォーミング時のピーク電圧)が5Vの三角波を、10ミリ秒のパルス間隔T2 で60秒間、素子電極16、17間に通電することにより、電子放出部形成用薄膜18に電子放出部23を形成できる。
【0082】
(2)蛍光膜7
蛍光膜7は、モノクロームの場合は、電子が衝突することにより画像を形成する部材としての蛍光体のみから成るが、カラーの場合は、図8に示されるように蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電材7bと蛍光体7aとで構成される。蛍光体7aは電子放出素子15に対応して配置する必要があるので、外囲器10を構成する場合、フェースプレート3とリアプレート2との位置合わせを精度よく行なわなければならない。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体7a間の塗り分け部を黒くすることで混色を目立たなくすることと、蛍光膜7における外光反射によるコントラストの低下を抑制することである。黒色導電材7bの材料としては、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料だけでなく、導電性があり、光の透過及び反射が少ない材料であれば適用できる。また、ガラス基板6に蛍光体7aを塗布する方法はモノクローム、カラーによらず、沈殿法や印刷法が用いられる。
【0083】
(3)メタルバック8
メタルバック8の目的は、蛍光体7aの蛍光のうち内面側への光をフェースプレート3側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するための加速電極として作用すること、外囲器10内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの蛍光体7aの保護等である。メタルバック8は、蛍光膜7を作製後、蛍光膜7の内側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製できる。フェースプレート3には、さらに蛍光膜7の導電性を高めるため、蛍光膜7とガラス基板6との間にITO等の透明電極(不図示)を設けてもよい。
【0084】
(4)外囲器10
外囲器10は、不図示の排気管に通じ、10−6Torr程度の真空度にされた後、封止される。そのため、外囲器10を構成するリアプレート2、フェースプレート3、支持枠4は、外囲器10に加わる大気圧に耐えて真空雰囲気を維持でき、かつ、電子源1とメタルバック8間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有するものを用いることが望ましい。その材料としては、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げられる。ただし、フェースプレート3については可視光に対して一定以上の透過率を有するものを用いる必要がある。また、各々の部材の熱膨張率が互いに近いものを組み合わせることが好ましい。
【0085】
リアプレート2は、主に電子源1の強度を補強する目的で設けられるため、電子源1自体で十分な強度をもつ場合にはリアプレート2は不要であり、電子源1に直接支持枠4を封着し、電子源1と支持枠4とフェースプレート3とで外囲器10を構成してもよい。
【0086】
また、外囲器10の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行う場合もある。これは、外囲器10の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等により、外囲器10内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Baが主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、たとえば1×10−5〜1×10−7Torrの真空度を維持するものである。
【0087】
(5)スペーサ5
スぺーサ5としては、電子源1とメタルバック8間に印加される高電圧に耐えるだけの絶縁性を有するものであればどのようなものであっても構わないが、例えば石英ガラス、Na等の不純物含有量を減少したガラス、青板ガラス、アルミナ等のセラミックス部材等が挙げられる。ただし、その熱膨張率が外囲器10を成す部材と近いものが好ましい。
【0088】
図9はスぺーサ5の要部拡大図斜視図である。前述したようにスペーサ5の表面には、各素子電極16、17が対向する方向(X方向)、すなわち電子源1とフェースプレート3のメタルバック8(図1参照)との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って延びる3つのストライプ状の電極9a、9b、9cが間隔をおいて互いに平行に設けられており、その互いの間隔Sab、Sbcと厚みDa 、Db 、Dc との関係は、上記条件式(1)を満たしている。
【0089】
スぺーサ5上の電極9a、9b、9cの材料としては、導電性を有するものであればどのようなものであっても構わないが、例えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属あるいは合金、あるいはPd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、あるいはIn2 O3 −SnO2 等の透明導電体、あるいはポリシリコン等の半導体導体材料等が挙げられる。ただし、一定以上の厚み(数十μm以上)の形成に適した製法(印刷等)を適用できる材料が好ましい。
【0090】
また、図10に示すように、各電極9a、9b、9cには、支持枠4の内面に設けられた3本の取り出し配線4a、4b、4cがそれぞれ電気的に接続されており、これら各取り出し配線4a、4b、4cにより、各電極9a、9b、9cには外囲器10(図1参照)の外部の不図示の電源により所定の電位が与えられる。各取り出し配線4a、4b、4cは、例えば金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を用いて印刷により支持枠上に形成することができる。
【0091】
以上説明した構成に基づき、各電子放出素子15に、容器外端子Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じて電圧を印加すると、電子放出部23から電子が放出される。それと同時にメタルバック8(あるいは不図示の透明電極)に高圧端子HV を通じて数kV以上の高電圧を印加して電子放出部から放出された電子を加速し、フェースプレート3の内面に衝突させる。これにより、蛍光膜7の蛍光体7aが励起されて発光し、画像が表示される。
【0092】
この様子を図11および図12に示す。図11および図12は、それぞれ図1に示した画像形成装置における電子およびイオンの軌跡を説明するための図であり、図11はY方向から見た図、図12はX方向から見た図である。すなわち図11に示すように、電子源1の素子電極16、17に電圧Vfを印加することにより電子放出部23から放出された電子は、フェースプレート3上のメタルバック8に印加された加速電圧Vaにより、電子源1の面に対する電子放出部23からの法線に対して、正極側の素子電極17のほうにずれて25tで示した放物線軌跡をとって飛翔する。このため、蛍光膜7上の発光部中心は電子源1の面に対する電子放出部23からの法線上からずれることになる。このような放射特性は、電子源1に平行な面内での電位分布が、電子放出部23に対して非対称になることによるものと考えられる。
【0093】
電子がフェースプレート3の内面に衝突することにより、蛍光膜7の発光現象以外に、図12に示すように、蛍光膜7やメタルバック8に付着した粒子が電離・散乱される現象が生じる。この散乱粒子のうち、正イオンは電子源1及びフェースプレート3間に印加される電圧Vaにより電子源1側に向かって加速され、電界に対して垂直方向(図示Y方向)の初速度に応じて、例えば、26t、26tab、26tbcで示したような放物線軌道をとって飛翔する。
【0094】
ここで、前記正イオンが電離した位置を原点としたとき、電子源1とフェースプレート3との間の電場のなす方向をZ、それに直交する方向をY、電子源1とフェースプレート3との間隔をd、正イオンの初期運動エネルギーの最大値をViとすると、電荷担持体のなす軌跡は、
Z=[Va/(4d・Vi)]×Y2
で表わされる。
【0095】
そして、フェースプレート3からの距離Zsでスペーサ5に衝突するとき、電荷担持体の飛翔方向は、
dy/dz=√[(d・Vi)/(Zs・Va)]
となる。
【0096】
そこで、電極9a、9b、9cの厚みと間隔との関係を条件式(1)に従って設定することにより、正イオンは電極9a、9b、9cの表面に全て衝突し、スぺーサ5の非電極面に衝突することはない。従って、スぺーサ5への電荷付着による帯電は起こらない。なお、電極9a、9b、9cは、正イオンが付着しても不図示の電源により、その位置における電子源1とメタルバック8のなす電位と同程度の電圧V1、V2、V3に保持される。
【0097】
また、フェースプレート3と電子源1との間の空間には、上述した正イオンの他にも、電子源1から放出される電子の電荷担持体が存在するが、これについても同様に適用される。
【0098】
正イオン等の電荷担持体がスペーサ5に付着しないようにするためには、スペーサ5の全面を1つの電極で覆ってしまうことも考えられるが、これでは電子源1とメタルバック8間の高電圧に耐えられなくなってしまうので、複数の電極9a、9b、9cを設けた。また、電界強度が一部に集中しないようにするために、各電極9a、9b、9cに適切な電位を与えている。
【0099】
通常、電子放出素子15の一対の素子電極16、17間の印加電圧Vfは12〜16V程度、メタルバック8と電子放出素子15との距離dは2mm〜8mm程度、メタルバック8と電子放出素子15間の電圧Vaは1kV〜10kV程度である。また、スペーサ5上に設けられた各電極9a、9b、9cに印加される電圧V1、V2、V3は、各電極9a、9b、9cがない場合の各位置での電位に対し、各々の値に対し20〜30%までは異なる値を設定してもよい。
【0100】
以上述べた構成は、画像表示等に用いられる好適な画像形成装置を作製する上で必要な概略構成であり、例えば各部材の材料や配置等、詳細な部分は上述内容に限定されるものでなく、画像形成装置の用途に適するように適宜選択する。
【0101】
以下に、本実施例の画像形成装置を用いた画像表示の実験例を示す。
【0102】
(実験例1−1)
本実験例では、まず、未フォーミングの電子源1をリアプレート2に固定し、さらに図13に示すように3本のストライプ電極9a、9b、9cを両側の表面に形成したスぺーサ5(板厚200μm、高さ5mm)を電子源1上に等間隔でX方向配線12と平行に固定した。その後、電子源1の5mm上方に、フェースプレート3を支持枠4を介し配置し、リアプレート2、フェースプレート3、支持枠4の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。このとき、スぺーサ5上の各々の電極9a、9b、9cを支持枠4の表面に形成された複数の取出配線(不図示)に接触させるようにした。また、リアプレート2への電子源1の固定及びスぺーサ5の電子源1への固定もフリットガラスで行った。
【0103】
スぺーサ5上への3本の電極9a、9b、9cの形成は、Pd、Ag、RuO2 、Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を用いて印刷により行った。このとき、図13の(b)に示すように、各電極9a、9b、9cの厚みDは50μm、高さHは1.4mm、各電極9a、9b、9c間および電子源1、フェースプレート3との間隔Sは200μmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、フェースプレート3の内面上で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電子源1上から放出される電子(最大初期エネルギー約14eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ5の非電極面上に到達しないという条件を満たすように条件式(1)に従って設定したものである。
【0104】
画像形成部材であるところの蛍光膜7は、本実験例では蛍光体7aはストライプ形状(図8の(a)参照)を採用した。ブラックストライプの材料として、通常よく用いられている黒鉛を主成分とする材料を用いた。ガラス基板6に蛍光体7aを塗布する方法はスラリー法を用いた。
【0105】
また、蛍光膜7の内面側に設けられるメタルバック8は、蛍光膜7の作製後、蛍光膜7の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着することで作製した。フェースプレート3には、さらに蛍光膜7の導電性を高めるため、蛍光膜7の外面側に透明電極が設けられる場合もあるが、本実験例では、メタルバック8のみで十分な導電性が得られたので省略した。前述の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体7aを電子放出素子15と対応させなくてはいけないため、十分な位置合わせを行った。
【0106】
以上にようにして完成したガラス容器内の雰囲気を排気管(不図示)を通じ真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、容器外端子Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ電子放出素子15の素子電極16、17間に電圧を印加し、電子放出部形成用薄膜18を通電処理(フォーミング処理)することにより電子放出部23を形成した。フォーミング処理は、図7に示した、パルス幅T1が1ミリ秒、波高値(フォーミング時のピーク電圧)が5Vの三角波を、10ミリ秒のパルス間隔T2 で60秒間、素子電極16、17間に通電することにより行なった。
【0107】
次に、10−6Torr程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナで熱することで溶着し外囲器10の封止を行った。
【0108】
最後に、封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行った。
【0109】
以上のようにして完成した画像形成装置において、各電子放出素子15には、容器外端子Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞれ印加することにより電子を放出させ、メタルバック8(或いは不図示の透明電極)には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより電子ビームを加速し、蛍光膜7に電子を衝突させ、蛍光体を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧は5kV、素子電極16、17への印加電圧は14Vとした。また、スぺーサ5上に設けられた3本の電極9a、9b、9cへの印加電圧は、メタルバック8に近い側から各々4kV、2.5kV、1kVとした。
【0110】
このとき、スぺーサ5に近い位置にある電子放出素子15からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。このことは、スぺーサ5を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。
【0111】
(実験例1−2)
実験例1−1との差異は、電極9a、9b、9cの各々の厚みDを互いに異ならせたことにあり、メタルバック8に近い側から各々の厚みDを50、40、30μmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、フェースプレート3の内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ5の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0112】
このときも、スペーサ5に近い位置にある電子放出素子15からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0113】
(実験例1−3)
実験例1−1との差異は、電極9a、9b、9cの高さHおよび間隔Sを互いに異ならせたことにあり、メタルバック8に近い側から各々の高さHを1.45、1.4、1.35mmとし、互いの間隔Sを0.15、0.25mmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、実験例2と同様に、フェースプレート3の内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ5の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0114】
このときも、スペーサ5に近い位置にある電子放出素子15からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0115】
本実施例では、取り出し配線4aを支持枠4に設け、外囲器10の外部への各電極9a、9b、9cの取り出しを支持枠4から行なった例を示したが、この場合、支持枠4の近傍での電界乱れも防止でき、かつ、耐電圧特性も良好に保つことができる。
【0116】
他の方法としては、図14に示すように、支持枠4よりも一回り大きいリアプレート2’を用い、このリアプレート2’に取り出し配線2’a 、2’b 、2’c を設けてリアプレート2’から各電極9a、9b、9cの取り出しを行なったり、図15に示すように、支持枠4よりも一回り大きいフェースプレート3’を用い、このフェースプレート3’に取り出し配線3’a 、3’b 、3’c を設けてフェースプレート3’から各電極9a、9b、9cの取り出しを行なってもよい。この場合は、電子源1またはフェースプレート3の基板上から配線が取り出せるので、電気的接続がやり易くなる。
【0117】
さらに、図16に示すように、フェースプレート3のメタルバック8および電子源1の、スペーサ5が接触する部位にそれぞれ印刷等により導電性部材(不図示)を設け、これら各導電性部材間を、各電極9a、9b、9c間に設けられた高抵抗導電膜32を介して電気的に接続した構成としてもよい。あるいは各導電性部材の代りに、電子源1のX方向配線12またはY方向配線13が取り出し配線を兼ねてもよく、また、メタルバック8が取り出し配線を兼ねてもよい。高抵抗導電膜32は、例えば、電子源1とメタルバック8間に印加される高電圧に耐え、かつ、各電極9a、9b、9cの電位を安定させるのに適当な抵抗値を持つ半絶縁性膜で形成される。この場合は、電子源1およびフェースプレート3の周辺部へ取り出し配線を追加して設ける必要がないので、装置サイズを小さくできる。また、スペーサ5自体を上記周辺部まで延ばす必要がなくなるので、スペーサ5の配置をかなり自由に行なうことができる。
【0118】
(第2実施例)
本実施例は、スペーサに設ける電極の数を5本とした点が、第1実施例と異なる。その他の構成は第1実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0119】
具体的には、各電極の厚みは20μm、高さは0.9mm、各電極間および電子源、フェースプレートとの間隔は80μmとした。また、5本の電極への印加電圧は、メタルバックに近い側から各々4.15、3.3、2.5、1.7、0.85kVとした。この電極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、第1実施例と同様に、フェースプレートの内面上で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサの非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0120】
このときも、スペーサに近い位置にある電子放出素子からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0121】
本実施例では5本の電極を設け、また、第1実施例では3本の電極を設けたが、電極の数は3本や5本に限定されるものではなく、必要に応じて増減することができる。
【0122】
(第3実施例)
図17は、本発明の画像形成装置の第3実施例の一部を破断した斜視図である。本実施例は、装置サイズを小さくするために、支持枠54を電子源51上の電子放出部及びフェースプレート53上の発光部に近接して設け、かつ支持枠54の内側の表面にスぺーサ55の電極59a、59b、59cと同様なストライプ状の電極79a、79b、79cを設けた点が、第1実施例と異なる。その他の構成は第1実施例と同様であるのでそれらの詳しい説明は省略し、以下、本実施例の画像形成装置について、その製造手順とともに説明する。
【0123】
まず、未フォーミングの電子源51をリアプレート52に固定し、さらに3本のストライプ状の電極59a、59b、59cを表面に形成したスぺーサ55(板厚200μm、高さ5mm)を電子源51上に等間隔でX方向配線62と平行に固定した。その後、電子源51の5mm上方にフェースプレート53を、3本のストライプ状の電極79a、79b、79cを内側の表面に形成した支持枠54を介し配置し、リアプレート52、フェースプレート53、支持枠54の接合部にフリットガラスを塗布し、大気中で400℃乃至500℃で10分以上焼成することで封着した。スぺーサ55上の各々の電極59a、59b、59cおよび支持枠54上の各々の電極79a、79b、79cには、それぞれ取り出し配線(不図示)により所定の電位が与えられる。また、リアプレート52への電子源51の固定及びスぺーサ55の電子源51への固定もフリットガラスで行った。
【0124】
支持枠54は4本の板状部材からなり、スぺーサ55上への電極59a、59b、59cの形成、および支持枠54(板状部材)上への電極79a、79b、79cの形成は、Pd、Ag、Au、RuO2 、Pd−Ag等の金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を用いて印刷により行った。このとき、各電極59a、59b、59c、79a、79b、79cの厚みは50μm、高さは1.4mm、各電極間及び電子源51、フェースプレート53との間隔は200μmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する電極厚の比)は、フェースプレート53の内面上で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電子源51上から放出される電子(最大初期エネルギー約14eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ55および支持枠54の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0125】
以上のようにして完成した画像形成装置において、各電子放出素子65には、容器外端子Dox1ないしDoxmとDoy1ないしDoynを通じ、走査信号及び変調信号を不図示の信号発生手段によりそれぞれ印加することにより電子放出させ、メタルバック58(あるいは不図示の透明電極)には、高圧端子Hvを通じて高圧を印加することにより電子ビームを加速し、蛍光膜57に電子を衝突させ、蛍光体を励起・発光させることで画像を表示した。なお、高圧端子Hvへの印加電圧は5kV、電子放出素子65の一対の素子電極への印加電圧は14Vとした。また、各電極59a、59b、59c、79a、79b、79cへの印加電圧は、メタルバック58に近い側から各々4kV、2.5kV、1kVとした。
【0126】
このとき、スぺーサ55および支持枠54に近い位置にある電子放出素子65からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。このことは、スぺーサ55を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れは発生しなかったことを示している。また、装置サイズも第1実施例に比べ、よりコンパクトになった。
【0127】
(第1参考例)
図18は、本発明の画像形成装置の第1参考例のスペーサの断面図であり、図19は、図18に示したスペーサの拡大斜視図である。
【0128】
本実施例では、図18および図19に示すように、電子源101とフェースプレート103との間に封着されるスペーサ105の表面には、X方向、すなわち電子放出素子115を構成する一対の素子電極116、117が対向する方向に延びる3つのストライプ状の凸部105a、105b、105c(厚みD’、高さH’)が互いにZ方向に間隔S’をおいて一体的に設けられ、これら各凸部105a、105b、105cの表面に、それぞれ電極109a、109b、109cが形成されている。各電極109a、109b、109cの間隔と突出量との関係は、それぞれ条件式(1)を満たしている。スペーサ105へ凸部105a、105b、105cを形成する方法としては、例えばガラス研磨による方法が挙げられる。また、電極109a、109b、109cを形成する方法としては、印刷による方法や、斜方蒸着による方法などが挙げられる。その他の構成については第1実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0129】
このように、スペーサ105に凸部105a、105b、105cを設け、その表面に電極109a、109b、109cを形成しても、結果として電極109a、109b、109cの間隔に対する突出量の比が条件式(1)を満たしていれば、スペーサ105への電荷付着による帯電は起こらない。また、各電極109a、109b、109cそのものの厚みは、他の実施例に比べ、より薄くできた。
【0130】
以下に、本実施例の画像形成装置を用いた画像表示の実験例を示す。
【0131】
(実験例4−1)
本実験例では、厚みD’が50μm、高さH’が1.4mm、間隔S’が200μmで凸部105a、105b、105cが形成されたスペーサ105を用い、各凸部105a、105b、105cの表面に電極を形成した。電極の形成は、金属や金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体を用いて印刷により行なった。この電極形状(特に電極間隔に対する突出量の比)は、フェースプレート103の内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電子源101から放出される電子(最大初期エネルギー約14eV)がなす放物線軌道が、スペーサ105の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0132】
そして、その他の条件を第1実施例と同様の条件として画像を表示させたところ、スペーサ105に近い位置にある電子放出素子115からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現正のよい画像表示ができた。このことは、スペーサ105を設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れが発生しなかったことを示している。
【0133】
(実験例4−2)
実験例4−1との差異は、スペーサ105の凸部105a、105b、105cの各々の厚みD’を互いに異ならせたことにあり、メタルバック108に近い側から各々の厚みD’を50、40、30μmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する突出量の比)は、フェースプレート103の内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ105の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0134】
このときも、スペーサ105に近い位置にある電子放出素子115からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0135】
(実験例4−3)
実験例4−1との差異は、スペーサ105の凸部105a、105b、105cの高さH’および間隔S’を互いに異ならせたことにあり、メタルバック108に近い側から各々の高さH’を1.45、1.4、1.35mmとし、互いの間隔S’を0.15、0.25mmとした。この電極形状(特に電極間隔に対する突出量の比)は、実験例2と同様に、フェースプレート103の内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサ105の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0136】
このときも、スペーサ105に近い位置にある電子放出素子115からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0137】
なお、本参考例では、スペーサ105に設けられる凸部105a、105b、105cの形状が矩形状のものの例を示したが、それに限らず、図20の(a)〜(c)に示すような断面視三角状の凸部155a、155b、155cとしたり、図20の(d)に示すような断面視円弧状の凸部155dとすることもできる。このようにした場合でも、凸部の表面に形成される電極の間隔Sと突出量Dとの比が条件式(1)を満たしていれば、スペーサへの荷電付着による帯電を防止できる。
【0138】
(第2参考例)
本実施例は、スペーサ近傍での電界をより均一にするために、スペーサに設ける凸部の数を5本とし、その各々に電極を形成した点が、第1参考例と異なる。その他の構成は第1参考例と同様であるので、その説明は省略する。
【0139】
具体的には、スペーサの各凸部の厚みを20μm、高さを0.9mmとし、各電極間および電子源、フェースプレートとの間隔は80μmとした。また、5本の電極への印加電圧は、メタルバックに近い側から各々4.15、3.3、2.5、1.7、0.85kVとした。この電極形状(特に電極間隔に対する突出量の比)は、第1実施例と同様に、フェースプレートの内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)がなす放物線軌道が、スぺーサの非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。
【0140】
このときも、スペーサに近い位置にある電子放出素子からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。
【0141】
(第3参考例)
本参考例は、図17で説明した第3実施例と同様に支持枠にも3つの電極を設けたものであるが、支持枠の内面に3つのストライプ状の凸部を設け、その表面にそれぞれ電極を形成した点が第3実施例と異なる。
【0142】
具体的には、支持枠の内面に、厚みが50μm、高さが1.4mm、間隔が200μmの3つの凸部を電子源に沿って設け、その表面にそれぞれ電極を形成した。この電極形状(特に電極間隔に対する突出量の比)は、フェースプレートの内面で散乱された正イオン(最大初期エネルギー約50eV)あるいは電子源から放出される電子(最大初期エネルギー約14eV)がなす放物線軌道が、スペーサおよび支持枠の非電極面上に到達しないという条件を満たすように設定した。その他の構成については第3実施例と同様であるので、その説明は省略する。
【0143】
そして、第3実施例と同様の条件で画像を表示したところ、スペーサおよび支持枠に近い位置にある電子放出素子からの放出電子による発光スポットも含め、2次元状に等間隔の発光スポット列が形成され、鮮明で色再現性のよい画像表示ができた。このことは、スペーサを設置しても電子軌道に影響を及ぼすような電界の乱れが発生しなかったことを示している。また、第3実施例と同様に、装置サイズがよりコンパクトになった。
【0144】
(第4実施例)
図21は、本発明の画像形成装置に、例えばテレビジョン放送をはじめとする種々の画像情報源より提供される画像情報を表示できるように構成した画像表示装置の一例を示すための図である。尚、本表示装置は、例えばテレビジョン信号のように映像情報と音声情報の両方を含む信号を受信する場合には、当然映像の表示と同時に音声を再生するものであるが、本発明の特徴と直接関係しない音声情報の受信、分離、再生、処理、記憶等に関する回路やスピーカー等については説明を省略する。
【0145】
以下、画像信号の流れに沿って各部を説明してゆく。
【0146】
まず、TV信号受信回路513は、例えば電波や空間光通信などのような無線伝送系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回路である。受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、例えば、NTSC方式、PAL方式、SECAM方式などの諸方式でも良い。また、これらよりさらに多数の走査線よりなるTV信号(例えばMUSE方式を始めとするいわゆる高品位TV)は、大面積化や大画素数化に適した本発明の画像形成装置を用いたディスプレイパネル500の利点を生かすのに好適な信号源である。TV信号受信回路513で受信されたTV信号は、デコーダ504に出力される。
【0147】
また、画像TV信号受信回路512は、例えば同軸ケーブルや光ファイバーなどのような有線伝送系を用いて伝送されるTV画像信号を受信するための回路である。TV信号受信回路513と同様に、受信するTV信号の方式は特に限られるものではなく、また本回路で受信されたTV信号もデコーダ504に出力される。
【0148】
また、画像入力インターフェース回路511は、例えばTVカメラや画像読取スキャナーなどの画像入力装置から供給される画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0149】
また、画像メモリインターフェース回路510は、ビデオテープレコーダ(以下VTRと略す)に記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0150】
また、画像メモリインターフェース回路509は、ビデオディスクに記憶されている画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた画像信号はデコーダ504に出力される。
【0151】
また、画像メモリインターフェース回路508は、いわゆる静止画ディスクのように、静止画像データを記憶している装置から画像信号を取り込むための回路で、取り込まれた静止画像データはデコーダ504に出力される。
【0152】
また、入出力インターフェース回路505は、本表示装置と、外部のコンピュータ、コンピュータネットワークもしくはプリンタなどの出力装置とを接続するための回路である。画像データや文字・図形情報の入出力を行うのはもちろんのこと、場合によっては本表示装置の備えるCPU506と外部との間で制御信号や数値データの入出力などを行うことも可能である。
【0153】
また、画像生成回路507は、入出力インターフェース回路505を介して外部から入力される画像データや文字・図形情報や、あるいはCPU506より出力される画像データや文字・図形情報に基づき表示用画像データを生成するための回路である。本回路の内部には、例えば画像データや文字・図形情報を蓄積するための書き換え可能メモリや、文字コードに対応する画像パターンが記憶されている読み出し専用メモリや、画像処理を行うためのプロセッサなどを初めとして画像の生成に必要な回路が組み込まれている。
【0154】
画像生成回路507により生成された表示用画像データは、デコーダ504に出力されるが、場合によっては入出力インターフェース回路505を介して外部のコンピュータネットワークやプリンターに出力することも可能である。
【0155】
また、CPU506は、主として本表示装置の動作制御や、表示画像の生成、選択、編集に関わる作業を行なう。
【0156】
例えば、マルチプレクサ503に制御信号を出力し、ディスプレイパネルに表示する画像信号を適宜選択したり組み合わせたりする。また、その際には表示する画像信号に応じてディスプレイパネルコントローラ502に対して制御信号を発生し、画像表示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンインターレースか)や一画面の走査線の数など表示装置の動作を適宜制御する。
【0157】
また、画像生成回路507に対して画像データや文字・図形情報を直接出力したり、あるいは入出力インターフェース回路505を介して外部のコンピュータやメモリをアクセスして画像データや文字・図形情報を入力する。
【0158】
なお、CPU506は、むろんこれ以外の目的の作業にも関わるものであってもよい。例えば、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどのように、情報を生成したり処理する機能に直接関わってもよい。
【0159】
あるいは、前述したように入出力インターフェース回路505を介して外部のコンピュータ−ネットワークと接触し、例えば数値計算などの作業を外部機器と協同して行なってもよい。
【0160】
また、入力部514は、CPU506に使用者が命令やプログラム、あるいはデータなどを入力するためのものであり、例えばキーボードやマウスの他、ジョイステック、バーコードリーダー、音声認識装置など多様な入力機器を用いることが可能である。
【0161】
また、デコーダ504は、画像生成回路507ないしTV信号受信回路513より入力される種々の画像信号を3原色信号、または輝度信号とI信号、Q信号に逆変換するための回路である。なお、同図中に点線で示すように、デコーダ504は内部に画像メモリを備えるのが望ましい。これは、例えばMUSE方式をはじめとして、逆変換するに際して画像メモリを必要とするようなテレビ信号を扱うためである。また、画像メモリを備えることにより、静止画の表示が容易になる、あるいは画像生成回路507およびCPU506と協同して画像の間引き、補間、拡大、縮小、合成をはじめとする画像処理や編集が容易に行なえるようになるという利点が生まれるからである。
【0162】
また、マルチプレクサ503はCPU506より入力される制御信号に基づき表示画像を適宜選択するものである。すなわち、マルチプレクサ503はデコーダ504から入力される逆変換された画像信号のうちから所望の画像信号を選択して駆動回路501に出力する。その場合には、一画面表示時間内で画像信号を切り換えて選択することにより、いわゆる多画面テレビのように、一画面を複数の領域に分けて領域によって異なる画像を表示することも可能である。
【0163】
また、ディスプレイパネルコントローラ502は、CPU506より入力される制御信号に基づき駆動回路501の動作を制御するための回路である。
【0164】
まず、ディスプレイパネル500の基本的な動作に関わるものとして、例えばディスプレイパネル500の駆動用電源(不図示)の動作シーケンスを制御するための信号を駆動回路501に対して出力する。
【0165】
また、ディスプレイパネル500の駆動方法に関わるものとして、例えば画面表示周波数や走査方法(例えばインターレースかノンインターレースか)を制御するための信号を駆動回路501に対して出力する。
【0166】
また、場合によっては表示画像の輝度、コントラスト、色調、シャープネスといった画質の調整に関わる制御信号を駆動回路501に対して出力する場合もある。
【0167】
また、駆動回路501は、ディスプレイパネル500に印加する駆動信号を発生するための回路であり、マルチプレクサ503から入力される画像信号と、ディスプレイパネルコントローラ502より入力される制御信号に基づいて動作するものである。
【0168】
以上、各部の機能を説明したが、図21に例示した構成により、本表示装置においては多様な画像情報源より入力される画像情報をディスプレイパネル500に表示することが可能である。すなわち、テレビジョン放送をはじめとする各種の画像信号はデコーダ504において逆変換された後、マルチプレクサ503において適宜選択され、駆動回路501に入力される。一方、ディスプレイコントローラ502は、表示する画像信号に応じて駆動回路501の動作を制御するための制御信号を発生する。駆動回路501は、上記画像信号と制御信号に基づいてディスプレイパネル500に駆動信号を印加する。これにより、ディスプレイパネル500において画像が表示される。これらの一連の動作は、CPU506により統括的に制御される。
【0169】
また、本表示装置においては、デコーダ504に内蔵する画像メモリや、画像生成回路507およびCPU506が関与することにより、単に複数の画像情報の中から選択したものを表示するだけでなく、表示する画像情報に対して、例えば拡大、縮小、回転、移動、エッジ強調、間引き、補間、色変換、画像の縦横比変換などをはじめとする画像処理や、合成、消去、接続、入れ替え、はめ込みなどをはじめとする画像編集を行なうことも可能である。また、本実施例の説明では、特に触れなかったが、上記画像処理や画像編集と同様に、音声情報に関しても処理や編集を行なうための専用回路を設けてもよい。
【0170】
従って、本表示装置は、テレビジョン放送の表示機器、テレビ会議の端末機器、静止画像及び動画像を扱う画像編集機器、コンピューターの端末機器、ワードプロセッサをはじめとする事務用端末機器、ゲーム機などの機能を一台で兼ね備えることが可能で、産業用或いは民生用として極めて応用範囲が広い。
【0171】
尚、上記図21は、本発明による画像形成装置を用いた表示装置の構成の一例を示したに過ぎず、これのみに限定されるものでないことは言うまでもない。例えば図21の構成要素のうち使用目的上必要のない機能に関わる回路は省いても差し支えない。またこれとは逆に、使用目的によってはさらに構成要素を追加してもよい。例えば、本表示装置をテレビ電話機として応用する場合には、テレビカメラ、音声マイク、照明機、モデムを含む送受信回路などを構成要素に追加するのが好適である。
【0172】
本表示装置においては、とりわけ本発明による画像形成装置の薄型化が容易なため、表示装置の奥行きを小さくすることができる。それに加えて、大画面化が容易で輝度が高く視野角特性にも優れるため、本表示装置は臨場感あふれ迫力に富んだ画像を視認性良く表示することが可能である。
【0173】
上述した各実施例では、電子源上に配置した各電子放出素子の一対の素子電極への印加電圧により電子のオン(放出)とオフ(非放出)を制御したが、電子放出素子とは別の変調電極を設け、この変調電極により電子のオンとオフを制御してもよい。変調電極としては、電子源が設けられる絶縁性基板上に一体成型したものや、電子源が設けられる絶縁性基板とフェースプレートとの間の空間上に配置したもの等が可能である。上記構成においては、変調電極に印加される電圧により、これまでの実施例とは異なる電界分布となるが、基本的にはこの電位分布に対して、これまでの実施例と同様の条件式に従った電極を設けたスペーサあるいは支持枠を設置することにより、これまでの実施例と同様の効果を得ることができる。特に、絶縁性基板とフェースプレートとの間の空間上に配置した場合は、電子源と変調電極間およびフェースプレートと変調電極の間の各々の空間に形成される電位分布に対し、これまでの条件式と同様の条件式に従った電極を設けたスペーサあるいは支持枠を設置することにより、これまでの実施例と同様の効果を得ることができる。また、変調電極を前記空間上に支持するための別のスペーサが付加される場合もあるが、そのスペーサに対しても同様な構成を用いればよい。
【0174】
さらに、他の作用をなす電極(偏向電極、収束電極等)を付加した場合についても、これら付加電極間の空間に設置されるスペーサあるいは支持枠に対し、同様の条件で電極を設けることにより、同様の効果を得ることができる。
【0175】
これらの場合、変調電極等の各電極で区分される空間(以下、「部分空間」という)内に設置された絶縁性部材の表面には、条件式(1)と実質的に同等な以下の条件式(2)にしたがって、電位規定された電極を設ければよい。
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]…条件式(2)
ただし、
Vi:上記部分空間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値
z:上記部分空間内の電場の平均的方向のなす方向
Ez:上記部分空間内のz方向の電場の平均値
突出量:z方向に直交する方向への前記電極の突出量
電極間隔:z方向での前記電極の間隔
とする。
【0176】
以上の実施例においては、電子放出素子として表面伝導型電子放出素子を用いた例を示したが、それに限らず、FE型電子放出素子やMIM型電子放出素子を用いたものでも、電子放出軌道の安定性の点では同様の効果が得られる。ただし、素子構造が簡単で、かつ複数の素子を容易に配置することができるという点を考えると、表面伝導型電子放出素子を用いることが好ましい。これは特に、大型の画像形成装置において有効である。
【0177】
また、本発明の画像形成装置を画像表示装置に応用した例で示したが、本発明はこの範囲に限られるものではなく、光プリンタの画像形成用発光ユニットとして用いるなど、記録装置への応用も可能である。この場合、通常の形態としては1次元的に配列された画像形成ユニットを用いることが多いが、上述のm本の行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選択することで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の発光源としても応用できる。
【0178】
さらに、以上の実施例で用いた蛍光体のように直接発光する物質を有する画像形成部材を用いたものに限らず、電子の帯電による潜像画像が形成されるような部材を有する画像形成部材を用いたものであれば、本発明は適用できる。
【0179】
そして、電子被照射体は特定せず、マルチの平面電子源をなす電子線発生装置としての応用も可能である。
【0180】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおり構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0181】
本発明の電子線発生装置は、電子源と電子被照射部材との間に配置された支持枠や耐大気圧構造体等の絶縁性部材の表面に、電位規定された電極を設けることにより、絶縁性部材の表面には前記荷電担持体が付着しにくくなるので、電子放出素子から放出される電子の軌道のずれを防止できる。しかも、電極は電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って複数設けられているので、電子被照射部材の加速電極に印加される電圧にも耐え得る構造とすることができる。
【0182】
特に、電子源と電子被照射部材との間に存在する電荷担持体の軌跡を考慮し、各電極の突出量と電極間隔との比を条件式(1)に従って設定することにより、絶縁性部材への電荷担持体の軌跡が電極によって遮られ、絶縁性部材への帯電を完全に防止することができる。従って、絶縁性部材に複数の凸部を形成し、それら各凸部にそれぞれ電極を設けても同様の効果が得られる。
【0183】
電子源と電子被照射部材との間に少なくともひとつの電極部を有する場合にも、絶縁性部材の表面に、絶縁性部材が設置された空間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って複数の電極を設けることで、上述した効果と同様の効果を得ることができる。この場合には、各電極の突出量と電極間隔との比は、条件式(2)に従って設定すれば、絶縁性部材への帯電を完全に防止できる。
【0184】
また、各電極の取り出し配線を支持枠に設けることで、支持枠近傍での電界乱れも防止でき、かつ、耐電圧特性も良好に保つことができるし、取り出し配線をフェースプレートに設けると、電気的接続をやり易くすることができる。さらに、絶縁性部材に高抵抗導電膜を形成し、これと電気的に接続される導電性部材に取り出し配線を設けることで、装置サイズを小さくすることができるとともに、スペーサを自由に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の第1実施例の一部を破断した斜視図である。
【図2】図1に示した画像形成装置のスペーサ近傍の断面図である。
【図3】図1に示した画像形成装置の電子源の要部平面図である。
【図4】図3に示した電子源のA−A’線断面図である。
【図5】図1に示した画像形成装置の電子源の製造工程を順に示した図である。
【図6】電子放出部形成用薄膜を形成する際に用いられるマスクの一例の平面図である。
【図7】フォーミング処理に用いられる電圧波形の一例を示す図である。
【図8】蛍光膜の構成を説明するための図である。
【図9】図1に示した画像形成装置のスペーサ近傍の拡大斜視図である。
【図10】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線の一例を示す図である。
【図11】図1に示した画像形成装置における電子およびイオンの軌跡を説明するための図で、スペーサ近傍の電子放出部をY方向から見た図である。
【図12】図1に示した画像形成装置における電子およびイオンの軌跡を説明するための図で、スペーサ近傍の電子放出部をX方向から見た図である。
【図13】スペーサに設けられた各電極の形状を説明するための図である。
【図14】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線の他の例を示す図である。
【図15】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線の他の例を示す図である。
【図16】スペーサに設けられた各電極の取り出し配線の他の例を示す図である。
【図17】本発明の画像形成装置の第3実施例の一部を破断した斜視図である。
【図18】本発明の画像形成装置の第1参考例のスペーサ近傍の断面図である。
【図19】図18に示した画像形成装置のスペーサ近傍の拡大斜視図である。
【図20】図18に示した画像形成装置のスペーサの形状の他の例を示す断面図である。
【図21】本発明の画像形成装置を用いた画像表示装置の一例のブロック図である。
【図22】表面伝導型電子放出素子の典型的な素子構成を示すであり、同図(a)はその平面図、同図(b)はそのA−A’線断面図である。
【図23】図22に示した表面伝導型電子放出素子の製造工程を順に示した図である。
【図24】熱電子源を用いた従来の画像形成装置の概略構成図である。
【図25】従来の表面伝導型電子放出素子の平面図である。
【符号の説明】
1、51、101 電子源
2、2’、52 リアプレート
2’a 、2’b 、2’c 取り出し配線
3、3’、53、103 フェースプレート
3’a 、3’b 、3’c 取り出し配線
4、54 支持枠
4a、4b、4c 取り出し配線
5、55、105 スペーサ
6 ガラス基板
7、57 蛍光膜
7a 蛍光体
7b 黒色導電材
8、58、108 メタルバック
9a、9b、9c、59a、59b、59c、79a、79b、79c、109a、109b、109c 電極
10 外囲器
11 絶縁性基板
12、62 X方向配線
13 Y方向配線
14 層間絶縁層
14a コンタクトホール
15、65、115 電子放出素子
16、17、116、117 素子電極
18 電子放出部形成用薄膜
20 マスク
20a 開口
21 Cr膜
23 電子放出部
32 高抵抗導電膜
105a、105b、105c、155a、155b、155c、155d 凸部
500 ディスプレイパネル
501 駆動回路
502 ディスプレイパネルコントローラ
503 マルチプレクサ
504 デコーダ
505 入出力インターフェース回路
506 CPU
507 画像生成回路
508、509、510 画像メモリインターフェース回路
511 画像入力インターフェース回路
512、513 TV信号受信回路
514 入力部
Claims (11)
- 電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられ、
前記複数の電極は、以下の条件式に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置。
(突出量/電極間隔)≧√[(d・Vi)/(z・Va)]
d:前記電子源と電子被照射部材との距離、
Vi:前記電子源と電子被照射部材との間に発生する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向における前記電子放出素子の電子放出部または前記電子被照射部材の前記電子放出素子から放出された電子の照射部における電荷担持体発生部から前記電極間までの距離、
Va:前記電子源と電子被照射部材の加速電極との間の電位差、
突出量:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電子源と電子被照射部材との間の電場のなす方向での前記電極の間隔。 - 前記電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値が50eVである請求項1に記載の電子線発生装置。
- 電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された少なくともひとつの電極部と、前記電子源と前記電極部との間に設置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子源と前記電極部との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられており、
前記複数の電極は、以下の条件式に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置。
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]
Vi:前記電子源と前記電極部との間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記電子源と前記電極部との間の電場のなす平均的方向における前記電荷担持体が前記電極部を横切る箇所から前記電極間までの距離、
Ez:前記電子源と前記電極部との間の電場のなす平均的方向の電場の平均値、
突出量:前記電場のなす平均的方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電場のなす平均的方向での前記電極の間隔。 - 電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された複数の電極部と、前記複数の電極部の隣接する電極部間に設置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記隣接する電極部間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられており、
前記複数の電極は、以下の条件式に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置。
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]
Vi:前記隣接する電極部間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記隣接する電極部間の電場のなす平均的方向における前記電荷担持体が前記隣接する電極部の一方を横切る箇所から前記電極間までの距離、
Ez:前記隣接する電極部間の電場のなす平均的方向の電場の平均値、
突出量:前記電場のなす平均的方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電場のなす平均的方向での前記電極の間隔。 - 電子放出素子が設けられた電子源と、前記電子源に真空雰囲気中で対向配置され、前記電子放出素子から放出された電子を加速するための加速電極を備えた電子被照射部材と、前記電子源と前記電子被照射部材との間に配置された電極部と、前記電子被照射部材と前記電極部との間に設置された絶縁性部材とを有する電子線発生装置において、
前記絶縁性部材の表面には、電位規定された複数の電極が、それぞれ前記電子被照射部材と前記電極部との間の電場のなす方向と垂直な方向に沿って設けられており、
前記複数の電極は、以下の条件式に従って設けられていることを特徴とする電子線発生装置。
(突出量/電極間隔)≧√[Vi/(z・Ez)]
Vi:前記電子被照射部材と前記電極部との間に入射する電荷担持体の初期運動エネルギーの最大値、
z:前記電子被照射部材と前記電極部との間の電場のなす平均的方向における前記電子被照射部材の前記電子放出素子から放出された電子の照射部における電荷担持体発生部から前記電極間までの距離、
Ez:前記電子被照射部材と前記電極部との間の電場のなす平均的方向の電場の平均値、
突出量:前記電場のなす平均的方向に直交する方向への前記電極の突出量、
電極間隔:前記電場のなす平均的方向での前記電極の間隔。 - 前記絶縁性部材の表面には複数の凸部が形成され、前記複数の凸部のそれぞれに前記電位規定された電極が設けられている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の電子線発生装置。
- 前記電荷担持体は、前記電子源から放出される電子、前記電子源から放出される電子が衝突することにより発生する2次電子またはイオンである請求項1ないし6のいずれか1項に記載の電子線発生装置。
- 前記絶縁性部材は、前記電子源と電極部との間に設置された耐大気圧構造体である請求項3に記載の電子線発生装置。
- 前記絶縁性部材は、前記電子源と電極部との間の真空雰囲気を維持するための外囲器の一部をなす支持枠である請求項3ないし8のいずれか1項に記載の電子線発生装置。
- 前記複数の電極は、それぞれ引き出し配線により外部に引き出されている請求項1ないし9のいずれか1項に記載の電子線発生装置。
- 前記絶縁性部材に前記複数の電極を接続する高抵抗導電膜が形成されるとともに、前記電極部および前記電子源にそれぞれ前記高抵抗導電膜と電気的に接続される導電性部材が設けられ、前記引き出し配線が、前記導電性部材に設けられている請求項10に記載の電子線発生装置。
Priority Applications (1)
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| JP2000205068A JP3572001B2 (ja) | 1994-06-27 | 2000-07-06 | 電子線発生装置 |
Applications Claiming Priority (2)
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|---|---|---|---|
| JP06144634A JP3113150B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 電子線発生装置および該電子線発生装置を用いた画像形成装置 |
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| JP06144634A Division JP3113150B2 (ja) | 1994-06-27 | 1994-06-27 | 電子線発生装置および該電子線発生装置を用いた画像形成装置 |
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