JP3572660B2 - 磁気ヘッド装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気記録方式に適用して好適な摺動記録方式の磁気ヘッド装置に関わり、詳細には耐衝撃性,記録特性の向上された磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気記録方式は、磁性薄膜を部分的にキュリー点または温度補償点を越えて昇温し、この部分の保磁力を消滅させて外部から印加される記録磁界の方向に磁化の向きを反転することを基本原理とするもので、光ファイルシステムやコンピュータの外部記憶装置、あるいは音響、映像情報の記録装置等において実用化されつつある。
【0003】
上記光磁気記録方式には、大きく分けて光変調方式と磁界変調方式があるが、このうち磁界変調方式は、オーバーライトが可能であることから注目されている。
【0004】
上記磁界変調方式は、印加磁界を高速で反転することにより磁性薄膜に情報を書き込むものであって、磁界の印加は通常磁界発生手段を有する磁気ヘッドによって行われる。
この場合、高速反転磁界を印加する磁気ヘッドでは、諸々の制約から非常に小さな磁界しか発生できず、磁気ヘッドをなるべく磁性薄膜と近接させなければならない。
【0005】
そこで、このような磁界変調方式においては、磁気ヘッドを光磁気記録媒体である、例えば光磁気ディスクの表面に対して直接接触させ、摺動させながら記録を行う摺動記録方式の採用が検討されている。この摺動記録方式を採用すれば、上記高速反転磁界を印加する磁気ヘッドであっても光磁気ディスクの記録磁性層に対して十分な磁力が印加できる。そして、上記磁界変調方式は、例えば直径64mm程度の小型光磁気ディスクの記録方式として採用が検討されている。
【0006】
このような磁界変調方式を適用した記録装置としては、例えば図6に示すような磁気ヘッド装置が搭載されたものが挙げられる。上記磁気ヘッド装置は、主としてヘッドアーム101と、その一端がヘッドアーム取り付け端102aとされてヘッドアーム101に取り付けられたスライダー支持部材であるサスペンション102と、上記サスペンション102のスライダー取り付け端102bに取り付けられ、図示しない磁気ヘッドの組み込まれるスライダー103、サスペンション102の下方に独立して設けられる跳ね上げレバー105よりなるものである。
【0007】
上記ヘッドアーム101の片方の側部には突出してサスペンション102の延在方向に平行に連続して設けられるアーム部106と、アーム部106の先端にスライダー103配設位置に合わせてストッパー部107が設けられている。上記ストッパー部107は、磁気ヘッド装置に対する不用意な衝撃によりサスペンション102が跳ね上げられた際に、スライダー103に接触することによりその跳ね上げ位置を規制し、スライダー103の破損やサスペンション102の変形を防ぐために設けられるものである。
【0008】
また、サスペンション102は、弾性を有するものであり、ヘッドアーム取り付け端102a側とスライダー取り付け端102b側にそれぞれバネ部を有し、これらの間に剛体部102cを有して構成される。
【0009】
さらに、跳ね上げレバー105は、平面略L字状の部材であり、その屈曲端がサスペンション102の剛体部102cに対応する位置にサスペンション102延在方向に垂直となるように設けられる。そして、跳ね上げレバー105の屈曲端の剛体部102cに対応する位置には、当接部である突起部108が設けられる。なお、上記跳ね上げレバー105は、サスペンション102の下方に適度な間隔を有して配され、かつ図6中矢印m1 で示す方向に回動可能となされ、サスペンション102をヘッドアーム101方向に押し上げることが可能なようになされている。
【0010】
従って、上記磁気ヘッド装置においては、図7に示すように、ヘッドアーム101にネジ止め等によってサスペンション102を取り付け、これにスライダー103を取り付けた状態では、スライダー103はサスペンション102の弾性により図中矢印m2 で示す方向に可動な状態でヘッドアーム101にぶら下がっていることとなる。
【0011】
このような磁気ヘッド装置を記録装置に組み込む際には、図6に示すように、該磁気ヘッド装置のヘッドアーム101を記録装置内に配されるヘッドアーム取り付けバー109に取り付ける。
【0012】
そして、光磁気記録媒体である例えば光磁気ディスク110に情報の記録を行う場合(以下、ローディング状態と称する。)には、磁気ヘッドの組み込まれるスライダー103を光磁気ディスク110に接触させ、サスペンション102の弾性によりスライダー103を光磁気ディスク110に適度な力で押し付けながらスライダー103を光磁気ディスク110に対して摺動させる。
【0013】
また、上記記録装置においては、情報の記録を行わない場合や光磁気ディスクの出し入れを行う場合(以下、アンローディング状態と称する。)には磁気ヘッドを光磁気ディスクから離すようにしている。そこで、図8に示すように、跳ね上げレバー105を図中矢印m1 で示す方向(光磁気ディスク110から遠ざかる方向)に回動させ、サスペンション102の剛体部102cに対応する位置に設けられる突起部108を剛体部102cに接触させてサスペンション102をヘッドアーム101方向に押し上げ、サスペンション102に取り付けられているスライダー103を光磁気ディスク110から離すようにしている。
【0014】
前記のようにスライダー103はサスペンション102の弾性により図7中矢印m2 で示す方向に可動な状態でヘッドアーム101にぶら下がっているため、上記のように跳ね上げレバー105を回動させてサスペンション102を押し上げると、スライダー103も持ち上げられ、光磁気ディスク110から離されることとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような磁気ヘッド装置においては、前述のように、不用意な衝撃によりサスペンション102が跳ね上げられた際に、スライダー103に接触することによりその跳ね上げ位置を規制し、スライダー103の破損やサスペンション102の変形を防ぐためにストッパー部107が設けられている。
【0016】
しかしながら、該磁気ヘッド装置に過度な衝撃が加わった場合には、ストッパー部107にスライダー103が接触した後、その反力によってサスペンション102の剛体部102cとスライダー取り付け端102b側のバネ部の境目を中心として上記スライダー103が回動し、サスペンション102の弾性限界を越えてしまい、上記サスペンション102が変形することがあった。このように、サスペンション102が変形してしまうと、磁気ヘッド装置中に組み込まれる磁気ヘッドと光磁気ディスク110中の記録磁性層間の間隔が広がり、十分な記録磁界を印加することができず、情報の記録が不可能となってしまう。
【0017】
そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案されたものであり、衝撃によるスライダーの回動を抑え、スライダーの破損やサスペンションの損傷を防ぎ、耐衝撃性が高く、また良好な記録特性を有する磁気ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、ヘッドアームと、上記ヘッドアームにその一端が取り付けられて弾性部を有するスライダー支持部材と、上記スライダー支持部材の他端に回動可能に取り付けられ、媒体表面を摺動するスライダーとを備える磁気ヘッド装置において、上記スライダーのヘッドアーム側の端部に、上記スライダーの上記端部側が上記スライダー支持部材に向かって回動する際に、上記スライダー支持部材と接触する突起部が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の磁気ヘッド装置においては、上記スライダー支持部材の上記突起部と接触する部分に剛体部が設けられていることが好ましい。
【0020】
なお、本発明の磁気ヘッド装置においては、上記スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、上記スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時の上記スライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明の磁気ヘッド装置においては、突起部の先端部が曲面形状をなすことが好ましい。
【0022】
さらにまた、本発明の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアームにスライダーの跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられていても良い。
【0023】
【作用】
本発明の磁気ヘッド装置においては、スライダー支持部材に支持されるスライダーのヘッドアーム側の端部に、スライダーの上記端部側がスライダー支持部材に向かって回動する際に、スライダー支持部材と接触する突起部が設けられている。従って、本発明の磁気ヘッド装置に過度の衝撃が加わってスライダーが回動しても、スライダーに設けられた突起部のスライダー支持部材への接触によるスライダーの回動が抑えられる。
【0024】
また、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダー支持部材の突起部と接触する部分に剛体部が設けられていれば、上記のように突起部が接触した場合にスライダー支持部材の揺れが小さく抑えられ、スライダーの回動が早く抑えられる。
【0025】
なお、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時のスライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であれば、ローディング状態の時に突起部が媒体と摺接することがない。また、アンローディング状態の時にスライダーに組み込まれる磁気ヘッドを媒体から離す場合にも、スライダー、媒体間の距離が良好に保たれ、これらが接触する等の事故が回避される。
【0026】
さらに、本発明の磁気ヘッド装置において、突起部の先端部の形状を曲面形状とすれば、突起部のスライダー支持部材への接触面積が十分に確保される。また、このような形状とすることで、突起部による媒体への傷つけが防止される。
【0027】
さらにまた、本発明の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアームにスライダー支持部材の跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられているので、上記ストッパーと突起部によりスライダーの回動が良好に抑えられる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施例の磁気ヘッド装置は、図1および図2に示されるように、主としてヘッドアーム1と、その一端がヘッドアーム取り付け端2aとされてヘッドアーム1に取り付けられたスライダー支持部材であるサスペンション2と、上記サスペンション2のスライダー取り付け端2bに取り付けられ、磁気ヘッド4の組み込まれるスライダー3、サスペンション2の下方に独立して設けられる跳ね上げレバー5よりなるものである。
【0029】
上記ヘッドアーム1は、上記磁気ヘッド装置を記録装置に組み込むための接続孔7が形成され、サスペンション2との接続部にもなっている接続部6と、該接続部6の片方の側部6aにサスペンション2の延在方向に連続して設けられ、スライダー3に組み込まれる磁気ヘッド4への配線の拠点となる配線部17と、該配線部17に連続してサスペンション2に平行に設けられるアーム部8と、アーム部8の先端にスライダー3配設位置に合わせて設けられるストッパー部9により構成されている。上記ストッパー部9は、磁気ヘッド装置に対する不用意な衝撃によりサスペンション2が跳ね上げられた際に、スライダー3に接触することによりその跳ね上げ位置を規制し、スライダー3の破損やサスペンション2の変形を防ぐために設けられるものである。
【0030】
また、サスペンション2は、ヘッドアーム取り付け端2a側に設けられる板バネである第1のバネ部10と、両側縁に立ち上がり板12の設けられる機械的強度の高い剛体部11と、スライダー取り付け端2b側に設けられる第2のバネ部13と第3のバネ部14により構成されている。上記第2のバネ部13は切り込み部13aによる板バネであり、一方の第3のバネ部14は切り込み部14aによる板バネである。そして、スライダー3は第3のバネ部14の切り込み部14aにより形成された板部14bに溶着により固定されて取り付けられている。
【0031】
跳ね上げレバー5は、平面略L字状の部材であり、サスペンション2延在方向に平行にサスペンション2に沿うようにして設けられる支持部19と、サスペンション2延在方向に垂直に剛体部11およびヘッドアーム1のアーム部8の下側に設けられる跳ね上げ部20、跳ね上げ部20上の剛体部11に対応する位置に設けられる当接部である突起部21により構成される。そして、上記跳ね上げレバー5は、サスペンション2の下方に適度な間隔を有して配され、かつ図2中矢印M1 で示す方向に回動可能となされ、サスペンション2をヘッドアーム1方向に押し上げることが可能なようになされている。
【0032】
さらに、スライダー3は、磁気ヘッド4の搭載される箱状の本体15と、スライダー3の摺動を安定化させるために本体15に連続して設けられ、サスペンション2との接続部分ともなっている板状の摺動補助部16により構成されている。なお、磁気ヘッド4の端子部4aにはフレキシブルプリント基板18が接続されており、これはヘッドアーム1の配線部17に接続されて磁気ヘッド4への配線がなされている。
【0033】
そして、本実施例の磁気ヘッド装置においては、特に、図3にも拡大して示すように、スライダー3の本体15の摺動補助部16の反対側、すなわちヘッドアーム1側に突起部24が設けられている。上記突起部24は、スライダー3の媒体摺動面3aに対して角度θ2 を有して斜め方向に設けられ、その先端部24aが曲面形状となされている。従って、本実施例の磁気ヘッド装置においては、スライダー3がサスペンション2の剛体部11と第2のバネ部13との境目25を中心として図中矢印M2 方向に回動した場合、上記突起部24がサスペンション2と接触することとなる。
【0034】
本実施例の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアーム1にサスペンション2を取り付け、これにスライダー3を取り付けた状態では、スライダー3はサスペンション2の第1のバネ部10および第2のバネ部13,第3のバネ部14の弾性により板部14bとスライダー3の固着位置を中心に回動可能な状態でヘッドアーム1にぶら下がっていることとなる。
【0035】
このような本実施例の磁気ヘッド装置を記録装置に組み込む際には、図2に示すように、該磁気ヘッド装置のヘッドアーム1の接続部6の接続孔7を介して、記録装置内に配されて図中矢印M3 で示す方向に回動可能なヘッドアーム取り付けバー22に取り付ける。そして、光磁気記録媒体である例えば光磁気ディスク23に情報の記録を行う場合には、磁気ヘッド4の組み込まれるスライダー3を光磁気ディスク23に接触させ、サスペンション2の第1のバネ部10および第2のバネ部13,第3のバネ部14の弾性によりスライダー3を光磁気ディスク23に適度な力で押し付けながらスライダー3を光磁気ディスク23に対して摺動させる。
【0036】
また、上記記録装置においては、情報の記録を行わない場合や光磁気ディスクの出し入れを行う場合には磁気ヘッドを光磁気ディスクから離すようにしているため、本実施例の磁気ヘッド装置においては、図4に示すように、跳ね上げレバー5を図中矢印M1 で示す方向(光磁気ディスク23から遠ざかる方向)に回動させ、サスペンション2の剛体部11に対応する位置に設けられる突起部21を剛体部11に接触させてサスペンション2をヘッドアーム1方向に押し上げ、サスペンション2に取り付けられているスライダー3を光磁気ディスク23から離すようにしている。
【0037】
すなわち、前記のようにスライダー3はサスペンション2の第1のバネ部10および第2のバネ部13,第3のバネ部14の弾性により板部14bとスライダー3の固着位置を中心に回動可能な状態でヘッドアーム1にぶら下がっているため、上記のように跳ね上げレバー5を回動させてサスペンション2を押し上げると、スライダー3も持ち上げられ、光磁気ディスク23から離されることとなる。
【0038】
さらに跳ね上げレバー5を回動させて跳ね上げ部20をヘッドアーム1のアーム部8に接触させると、ヘッドアーム取り付けバー22も図4中矢印M3 で示す方向に回動可能となされていることからヘッドアーム1およびヘッドアーム取り付けバー22が若干押し上げられる。なお、この押し上げ量は、各部材の重量や剛性によって決定される。その結果、図4中に示すように、スライダー3と光磁気ディスク23間に該光磁気ディスク23の出し入れを行うのに十分な間隔h1 が形成されることとなる。なお、上記スライダー3は、その媒体摺動面3aが光磁気ディスク23の表面23aに対して角度θ1 を有するような姿勢で光磁気ディスク23から離されることとなる。
【0039】
本実施例の磁気ヘッド装置においては、前述のようにスライダー3に突起部24が設けられている。そして、上記突起部24は、スライダー3の媒体摺動面3aに対して角度θ2 を有して斜め方向に設けられているが、該角度θ2 は上記角度θ1 よりも大となされている。
【0040】
従って、本実施例の磁気ヘッド装置においては、情報の記録を行うため、スライダー3を光磁気ディスク23上に摺動させても、突起部24が光磁気ディスク23に摺動してしまうことはなく、光磁気ディスク23を損傷することもない。また、スライダー3を光磁気ディスク23から離した状態においても突起部24がスライダー3と光磁気ディスク23間の間隔h1 に影響を及ぼすこともなく、これらが接触する等の事故も回避される。
【0041】
そして、本実施例の磁気ヘッド装置においては、不用意な衝撃が加わった場合、まず、サスペンション2が跳ね上げられ、図5(a)に示されるように、サスペンション2に支持されるスライダー3がストッパー9に接触する。さらに衝撃の度合いによっては、スライダー3はサスペンション2の剛体部11と第2のバネ部13の境目25を中心として図5(a)中矢印M2 で示すような方向で回動してしまう。
【0042】
このとき、本実施例の磁気ヘッド装置においては、スライダー3の媒体摺動補助部16の反対側、すなわちヘッドアーム1側に突起部24が設けられている。従って、上記のようにスライダー3が回動すると、図5(b)に示すように上記突起部24がサスペンション2に接触し、スライダー3の回動が静止する。すなわち、本実施例の磁気ヘッド装置においては、不用意な衝撃が加わった場合、ストッパー9と突起部24によりスライダーの回動を抑える。
【0043】
また、上述のように突起部24はサスペンション2の剛体部11に接触するため、サスペンション2の揺れは小さく抑えられ、スライダー3の回動が早く抑えられる。
【0044】
従って、本実施例の磁気ヘッド装置においては、スライダー3の破損やサスペンション2の損傷が起こり難く、耐衝撃性が高まるとともに、その記録特性は良好なものとなる。
【0045】
なお、本実施例の磁気ヘッド装置においては、突起部24の先端部24aを曲面形状としている。従って、突起部24のサスペンション2に対する接触面積は十分に確保され、スライダー3の回動が確実に抑えられる。また、万が一、上記突起部24が光磁気ディスク23に接触してしまった場合にも、光磁気ディスク23の損傷を最低限に抑えることができる。
【0046】
上記のような本実施例の磁気ヘッド装置と従来の磁気ヘッド装置について耐衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1の結果から、本実施例の磁気ヘッド装置においては、耐衝撃性が大きく向上していることが確認された。
【0049】
本実施例の磁気ヘッド装置は、耐衝撃性に優れることから、使用者が持ち歩いて使用する記録装置に搭載して好適である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、ヘッドアームと、上記ヘッドアームにその一端が取り付けられて弾性部を有するスライダー支持部材と、上記スライダー支持部材の他端に回動可能に取り付けられ、媒体表面を摺動するスライダーとを備える磁気ヘッド装置において、上記スライダーのヘッドアーム側の端部に、上記スライダーの上記端部側が上記スライダー支持部材に向かって回動する際に、上記スライダー支持部材と接触する突起部が設けられている。従って、本発明の磁気ヘッド装置においては、過度の衝撃が加わってスライダーが回動しても、スライダーに設けられた突起部のスライダー支持部材への接触によりスライダーの回動が抑えられ、スライダーの破損やサスペンションの損傷が起こり難く、耐衝撃性が高まり、記録特性は良好なものとなる。
【0051】
また、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダー支持部材の突起部と接触する部分に剛体部が設けられていれば、上記のように突起部が接触した場合にスライダー支持部材の揺れが小さく抑えられ、スライダーの回動が早く抑えられ、スライダーの破損やサスペンションの損傷がさらに起こり難くなる。
【0052】
なお、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時のスライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であれば、ローディング状態の時に突起部が媒体と摺接することがない。また、アンローディング状態の時にスライダーに組み込まれる磁気ヘッドを媒体から離す場合にも、スライダー、媒体間の距離が良好に保たれ、これらが接触する等の事故が回避される。
【0053】
さらに、本発明の磁気ヘッド装置において、突起部の先端部の形状を曲面形状とすれば、突起部のスライダー支持部材への接触面積が十分に確保され、スライダーの回動が確実に抑えられる。また、このような形状とすることで、突起部による情報の記録時の媒体への傷つけを防止できる。
【0054】
さらにまた、本発明の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアームにスライダー支持部材の跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられているので、上記ストッパーと突起部によりスライダーの回動が良好に抑えられられ、スライダーの破損やサスペンションの損傷がさらに抑えられ、耐衝撃性が高まり、記録特性は良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッド装置を示す平面図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッド装置を記録装置に組み込み、光磁気ディスクに情報の記録を行っている状態を示す側面図である。
【図3】本発明を適用した磁気ヘッド装置のスライダー近傍部を拡大して示す側面図である。
【図4】本発明を適用した磁気ヘッド装置において、スライダーを光磁気ディスクから離している状態を示す側面図である。
【図5】本発明を適用した磁気ヘッド装置において、スライダーが回動する様子を拡大して示す模式図である。
【図6】従来の磁気ヘッド装置を記録装置に組み込み、ローディング状態としている側面図である。
【図7】従来の磁気ヘッド装置において、ヘッドアームにサスペンションを取り付け、サスペンションにスライダーを取り付けた状態を示す側面図である。
【図8】従来の磁気ヘッド装置において、スライダーを光磁気ディスクから離している状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドアーム
2 サスペンション
2a ヘッドアーム取り付け端
2b スライダー取り付け端
3 スライダー
3a 媒体摺動面
5 跳ね上げレバー
9 ストッパー部
10 第1のバネ部
11 剛体部
13 第2のバネ部
14 第3のバネ部
23 光磁気ディスク
23a 表面
24 突起部
24a 先端部
θ1 ,θ2 角度
【産業上の利用分野】
本発明は、光磁気記録方式に適用して好適な摺動記録方式の磁気ヘッド装置に関わり、詳細には耐衝撃性,記録特性の向上された磁気ヘッド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光磁気記録方式は、磁性薄膜を部分的にキュリー点または温度補償点を越えて昇温し、この部分の保磁力を消滅させて外部から印加される記録磁界の方向に磁化の向きを反転することを基本原理とするもので、光ファイルシステムやコンピュータの外部記憶装置、あるいは音響、映像情報の記録装置等において実用化されつつある。
【0003】
上記光磁気記録方式には、大きく分けて光変調方式と磁界変調方式があるが、このうち磁界変調方式は、オーバーライトが可能であることから注目されている。
【0004】
上記磁界変調方式は、印加磁界を高速で反転することにより磁性薄膜に情報を書き込むものであって、磁界の印加は通常磁界発生手段を有する磁気ヘッドによって行われる。
この場合、高速反転磁界を印加する磁気ヘッドでは、諸々の制約から非常に小さな磁界しか発生できず、磁気ヘッドをなるべく磁性薄膜と近接させなければならない。
【0005】
そこで、このような磁界変調方式においては、磁気ヘッドを光磁気記録媒体である、例えば光磁気ディスクの表面に対して直接接触させ、摺動させながら記録を行う摺動記録方式の採用が検討されている。この摺動記録方式を採用すれば、上記高速反転磁界を印加する磁気ヘッドであっても光磁気ディスクの記録磁性層に対して十分な磁力が印加できる。そして、上記磁界変調方式は、例えば直径64mm程度の小型光磁気ディスクの記録方式として採用が検討されている。
【0006】
このような磁界変調方式を適用した記録装置としては、例えば図6に示すような磁気ヘッド装置が搭載されたものが挙げられる。上記磁気ヘッド装置は、主としてヘッドアーム101と、その一端がヘッドアーム取り付け端102aとされてヘッドアーム101に取り付けられたスライダー支持部材であるサスペンション102と、上記サスペンション102のスライダー取り付け端102bに取り付けられ、図示しない磁気ヘッドの組み込まれるスライダー103、サスペンション102の下方に独立して設けられる跳ね上げレバー105よりなるものである。
【0007】
上記ヘッドアーム101の片方の側部には突出してサスペンション102の延在方向に平行に連続して設けられるアーム部106と、アーム部106の先端にスライダー103配設位置に合わせてストッパー部107が設けられている。上記ストッパー部107は、磁気ヘッド装置に対する不用意な衝撃によりサスペンション102が跳ね上げられた際に、スライダー103に接触することによりその跳ね上げ位置を規制し、スライダー103の破損やサスペンション102の変形を防ぐために設けられるものである。
【0008】
また、サスペンション102は、弾性を有するものであり、ヘッドアーム取り付け端102a側とスライダー取り付け端102b側にそれぞれバネ部を有し、これらの間に剛体部102cを有して構成される。
【0009】
さらに、跳ね上げレバー105は、平面略L字状の部材であり、その屈曲端がサスペンション102の剛体部102cに対応する位置にサスペンション102延在方向に垂直となるように設けられる。そして、跳ね上げレバー105の屈曲端の剛体部102cに対応する位置には、当接部である突起部108が設けられる。なお、上記跳ね上げレバー105は、サスペンション102の下方に適度な間隔を有して配され、かつ図6中矢印m1 で示す方向に回動可能となされ、サスペンション102をヘッドアーム101方向に押し上げることが可能なようになされている。
【0010】
従って、上記磁気ヘッド装置においては、図7に示すように、ヘッドアーム101にネジ止め等によってサスペンション102を取り付け、これにスライダー103を取り付けた状態では、スライダー103はサスペンション102の弾性により図中矢印m2 で示す方向に可動な状態でヘッドアーム101にぶら下がっていることとなる。
【0011】
このような磁気ヘッド装置を記録装置に組み込む際には、図6に示すように、該磁気ヘッド装置のヘッドアーム101を記録装置内に配されるヘッドアーム取り付けバー109に取り付ける。
【0012】
そして、光磁気記録媒体である例えば光磁気ディスク110に情報の記録を行う場合(以下、ローディング状態と称する。)には、磁気ヘッドの組み込まれるスライダー103を光磁気ディスク110に接触させ、サスペンション102の弾性によりスライダー103を光磁気ディスク110に適度な力で押し付けながらスライダー103を光磁気ディスク110に対して摺動させる。
【0013】
また、上記記録装置においては、情報の記録を行わない場合や光磁気ディスクの出し入れを行う場合(以下、アンローディング状態と称する。)には磁気ヘッドを光磁気ディスクから離すようにしている。そこで、図8に示すように、跳ね上げレバー105を図中矢印m1 で示す方向(光磁気ディスク110から遠ざかる方向)に回動させ、サスペンション102の剛体部102cに対応する位置に設けられる突起部108を剛体部102cに接触させてサスペンション102をヘッドアーム101方向に押し上げ、サスペンション102に取り付けられているスライダー103を光磁気ディスク110から離すようにしている。
【0014】
前記のようにスライダー103はサスペンション102の弾性により図7中矢印m2 で示す方向に可動な状態でヘッドアーム101にぶら下がっているため、上記のように跳ね上げレバー105を回動させてサスペンション102を押し上げると、スライダー103も持ち上げられ、光磁気ディスク110から離されることとなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような磁気ヘッド装置においては、前述のように、不用意な衝撃によりサスペンション102が跳ね上げられた際に、スライダー103に接触することによりその跳ね上げ位置を規制し、スライダー103の破損やサスペンション102の変形を防ぐためにストッパー部107が設けられている。
【0016】
しかしながら、該磁気ヘッド装置に過度な衝撃が加わった場合には、ストッパー部107にスライダー103が接触した後、その反力によってサスペンション102の剛体部102cとスライダー取り付け端102b側のバネ部の境目を中心として上記スライダー103が回動し、サスペンション102の弾性限界を越えてしまい、上記サスペンション102が変形することがあった。このように、サスペンション102が変形してしまうと、磁気ヘッド装置中に組み込まれる磁気ヘッドと光磁気ディスク110中の記録磁性層間の間隔が広がり、十分な記録磁界を印加することができず、情報の記録が不可能となってしまう。
【0017】
そこで本発明は、従来の実情に鑑みて提案されたものであり、衝撃によるスライダーの回動を抑え、スライダーの破損やサスペンションの損傷を防ぎ、耐衝撃性が高く、また良好な記録特性を有する磁気ヘッド装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために本発明は、ヘッドアームと、上記ヘッドアームにその一端が取り付けられて弾性部を有するスライダー支持部材と、上記スライダー支持部材の他端に回動可能に取り付けられ、媒体表面を摺動するスライダーとを備える磁気ヘッド装置において、上記スライダーのヘッドアーム側の端部に、上記スライダーの上記端部側が上記スライダー支持部材に向かって回動する際に、上記スライダー支持部材と接触する突起部が設けられていることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の磁気ヘッド装置においては、上記スライダー支持部材の上記突起部と接触する部分に剛体部が設けられていることが好ましい。
【0020】
なお、本発明の磁気ヘッド装置においては、上記スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、上記スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時の上記スライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であることが好ましい。
【0021】
さらに、本発明の磁気ヘッド装置においては、突起部の先端部が曲面形状をなすことが好ましい。
【0022】
さらにまた、本発明の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアームにスライダーの跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられていても良い。
【0023】
【作用】
本発明の磁気ヘッド装置においては、スライダー支持部材に支持されるスライダーのヘッドアーム側の端部に、スライダーの上記端部側がスライダー支持部材に向かって回動する際に、スライダー支持部材と接触する突起部が設けられている。従って、本発明の磁気ヘッド装置に過度の衝撃が加わってスライダーが回動しても、スライダーに設けられた突起部のスライダー支持部材への接触によるスライダーの回動が抑えられる。
【0024】
また、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダー支持部材の突起部と接触する部分に剛体部が設けられていれば、上記のように突起部が接触した場合にスライダー支持部材の揺れが小さく抑えられ、スライダーの回動が早く抑えられる。
【0025】
なお、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時のスライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であれば、ローディング状態の時に突起部が媒体と摺接することがない。また、アンローディング状態の時にスライダーに組み込まれる磁気ヘッドを媒体から離す場合にも、スライダー、媒体間の距離が良好に保たれ、これらが接触する等の事故が回避される。
【0026】
さらに、本発明の磁気ヘッド装置において、突起部の先端部の形状を曲面形状とすれば、突起部のスライダー支持部材への接触面積が十分に確保される。また、このような形状とすることで、突起部による媒体への傷つけが防止される。
【0027】
さらにまた、本発明の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアームにスライダー支持部材の跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられているので、上記ストッパーと突起部によりスライダーの回動が良好に抑えられる。
【0028】
【実施例】
以下、本発明を適用した具体的な実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。
本実施例の磁気ヘッド装置は、図1および図2に示されるように、主としてヘッドアーム1と、その一端がヘッドアーム取り付け端2aとされてヘッドアーム1に取り付けられたスライダー支持部材であるサスペンション2と、上記サスペンション2のスライダー取り付け端2bに取り付けられ、磁気ヘッド4の組み込まれるスライダー3、サスペンション2の下方に独立して設けられる跳ね上げレバー5よりなるものである。
【0029】
上記ヘッドアーム1は、上記磁気ヘッド装置を記録装置に組み込むための接続孔7が形成され、サスペンション2との接続部にもなっている接続部6と、該接続部6の片方の側部6aにサスペンション2の延在方向に連続して設けられ、スライダー3に組み込まれる磁気ヘッド4への配線の拠点となる配線部17と、該配線部17に連続してサスペンション2に平行に設けられるアーム部8と、アーム部8の先端にスライダー3配設位置に合わせて設けられるストッパー部9により構成されている。上記ストッパー部9は、磁気ヘッド装置に対する不用意な衝撃によりサスペンション2が跳ね上げられた際に、スライダー3に接触することによりその跳ね上げ位置を規制し、スライダー3の破損やサスペンション2の変形を防ぐために設けられるものである。
【0030】
また、サスペンション2は、ヘッドアーム取り付け端2a側に設けられる板バネである第1のバネ部10と、両側縁に立ち上がり板12の設けられる機械的強度の高い剛体部11と、スライダー取り付け端2b側に設けられる第2のバネ部13と第3のバネ部14により構成されている。上記第2のバネ部13は切り込み部13aによる板バネであり、一方の第3のバネ部14は切り込み部14aによる板バネである。そして、スライダー3は第3のバネ部14の切り込み部14aにより形成された板部14bに溶着により固定されて取り付けられている。
【0031】
跳ね上げレバー5は、平面略L字状の部材であり、サスペンション2延在方向に平行にサスペンション2に沿うようにして設けられる支持部19と、サスペンション2延在方向に垂直に剛体部11およびヘッドアーム1のアーム部8の下側に設けられる跳ね上げ部20、跳ね上げ部20上の剛体部11に対応する位置に設けられる当接部である突起部21により構成される。そして、上記跳ね上げレバー5は、サスペンション2の下方に適度な間隔を有して配され、かつ図2中矢印M1 で示す方向に回動可能となされ、サスペンション2をヘッドアーム1方向に押し上げることが可能なようになされている。
【0032】
さらに、スライダー3は、磁気ヘッド4の搭載される箱状の本体15と、スライダー3の摺動を安定化させるために本体15に連続して設けられ、サスペンション2との接続部分ともなっている板状の摺動補助部16により構成されている。なお、磁気ヘッド4の端子部4aにはフレキシブルプリント基板18が接続されており、これはヘッドアーム1の配線部17に接続されて磁気ヘッド4への配線がなされている。
【0033】
そして、本実施例の磁気ヘッド装置においては、特に、図3にも拡大して示すように、スライダー3の本体15の摺動補助部16の反対側、すなわちヘッドアーム1側に突起部24が設けられている。上記突起部24は、スライダー3の媒体摺動面3aに対して角度θ2 を有して斜め方向に設けられ、その先端部24aが曲面形状となされている。従って、本実施例の磁気ヘッド装置においては、スライダー3がサスペンション2の剛体部11と第2のバネ部13との境目25を中心として図中矢印M2 方向に回動した場合、上記突起部24がサスペンション2と接触することとなる。
【0034】
本実施例の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアーム1にサスペンション2を取り付け、これにスライダー3を取り付けた状態では、スライダー3はサスペンション2の第1のバネ部10および第2のバネ部13,第3のバネ部14の弾性により板部14bとスライダー3の固着位置を中心に回動可能な状態でヘッドアーム1にぶら下がっていることとなる。
【0035】
このような本実施例の磁気ヘッド装置を記録装置に組み込む際には、図2に示すように、該磁気ヘッド装置のヘッドアーム1の接続部6の接続孔7を介して、記録装置内に配されて図中矢印M3 で示す方向に回動可能なヘッドアーム取り付けバー22に取り付ける。そして、光磁気記録媒体である例えば光磁気ディスク23に情報の記録を行う場合には、磁気ヘッド4の組み込まれるスライダー3を光磁気ディスク23に接触させ、サスペンション2の第1のバネ部10および第2のバネ部13,第3のバネ部14の弾性によりスライダー3を光磁気ディスク23に適度な力で押し付けながらスライダー3を光磁気ディスク23に対して摺動させる。
【0036】
また、上記記録装置においては、情報の記録を行わない場合や光磁気ディスクの出し入れを行う場合には磁気ヘッドを光磁気ディスクから離すようにしているため、本実施例の磁気ヘッド装置においては、図4に示すように、跳ね上げレバー5を図中矢印M1 で示す方向(光磁気ディスク23から遠ざかる方向)に回動させ、サスペンション2の剛体部11に対応する位置に設けられる突起部21を剛体部11に接触させてサスペンション2をヘッドアーム1方向に押し上げ、サスペンション2に取り付けられているスライダー3を光磁気ディスク23から離すようにしている。
【0037】
すなわち、前記のようにスライダー3はサスペンション2の第1のバネ部10および第2のバネ部13,第3のバネ部14の弾性により板部14bとスライダー3の固着位置を中心に回動可能な状態でヘッドアーム1にぶら下がっているため、上記のように跳ね上げレバー5を回動させてサスペンション2を押し上げると、スライダー3も持ち上げられ、光磁気ディスク23から離されることとなる。
【0038】
さらに跳ね上げレバー5を回動させて跳ね上げ部20をヘッドアーム1のアーム部8に接触させると、ヘッドアーム取り付けバー22も図4中矢印M3 で示す方向に回動可能となされていることからヘッドアーム1およびヘッドアーム取り付けバー22が若干押し上げられる。なお、この押し上げ量は、各部材の重量や剛性によって決定される。その結果、図4中に示すように、スライダー3と光磁気ディスク23間に該光磁気ディスク23の出し入れを行うのに十分な間隔h1 が形成されることとなる。なお、上記スライダー3は、その媒体摺動面3aが光磁気ディスク23の表面23aに対して角度θ1 を有するような姿勢で光磁気ディスク23から離されることとなる。
【0039】
本実施例の磁気ヘッド装置においては、前述のようにスライダー3に突起部24が設けられている。そして、上記突起部24は、スライダー3の媒体摺動面3aに対して角度θ2 を有して斜め方向に設けられているが、該角度θ2 は上記角度θ1 よりも大となされている。
【0040】
従って、本実施例の磁気ヘッド装置においては、情報の記録を行うため、スライダー3を光磁気ディスク23上に摺動させても、突起部24が光磁気ディスク23に摺動してしまうことはなく、光磁気ディスク23を損傷することもない。また、スライダー3を光磁気ディスク23から離した状態においても突起部24がスライダー3と光磁気ディスク23間の間隔h1 に影響を及ぼすこともなく、これらが接触する等の事故も回避される。
【0041】
そして、本実施例の磁気ヘッド装置においては、不用意な衝撃が加わった場合、まず、サスペンション2が跳ね上げられ、図5(a)に示されるように、サスペンション2に支持されるスライダー3がストッパー9に接触する。さらに衝撃の度合いによっては、スライダー3はサスペンション2の剛体部11と第2のバネ部13の境目25を中心として図5(a)中矢印M2 で示すような方向で回動してしまう。
【0042】
このとき、本実施例の磁気ヘッド装置においては、スライダー3の媒体摺動補助部16の反対側、すなわちヘッドアーム1側に突起部24が設けられている。従って、上記のようにスライダー3が回動すると、図5(b)に示すように上記突起部24がサスペンション2に接触し、スライダー3の回動が静止する。すなわち、本実施例の磁気ヘッド装置においては、不用意な衝撃が加わった場合、ストッパー9と突起部24によりスライダーの回動を抑える。
【0043】
また、上述のように突起部24はサスペンション2の剛体部11に接触するため、サスペンション2の揺れは小さく抑えられ、スライダー3の回動が早く抑えられる。
【0044】
従って、本実施例の磁気ヘッド装置においては、スライダー3の破損やサスペンション2の損傷が起こり難く、耐衝撃性が高まるとともに、その記録特性は良好なものとなる。
【0045】
なお、本実施例の磁気ヘッド装置においては、突起部24の先端部24aを曲面形状としている。従って、突起部24のサスペンション2に対する接触面積は十分に確保され、スライダー3の回動が確実に抑えられる。また、万が一、上記突起部24が光磁気ディスク23に接触してしまった場合にも、光磁気ディスク23の損傷を最低限に抑えることができる。
【0046】
上記のような本実施例の磁気ヘッド装置と従来の磁気ヘッド装置について耐衝撃試験を行った。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
【0048】
表1の結果から、本実施例の磁気ヘッド装置においては、耐衝撃性が大きく向上していることが確認された。
【0049】
本実施例の磁気ヘッド装置は、耐衝撃性に優れることから、使用者が持ち歩いて使用する記録装置に搭載して好適である。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように、本発明は、ヘッドアームと、上記ヘッドアームにその一端が取り付けられて弾性部を有するスライダー支持部材と、上記スライダー支持部材の他端に回動可能に取り付けられ、媒体表面を摺動するスライダーとを備える磁気ヘッド装置において、上記スライダーのヘッドアーム側の端部に、上記スライダーの上記端部側が上記スライダー支持部材に向かって回動する際に、上記スライダー支持部材と接触する突起部が設けられている。従って、本発明の磁気ヘッド装置においては、過度の衝撃が加わってスライダーが回動しても、スライダーに設けられた突起部のスライダー支持部材への接触によりスライダーの回動が抑えられ、スライダーの破損やサスペンションの損傷が起こり難く、耐衝撃性が高まり、記録特性は良好なものとなる。
【0051】
また、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダー支持部材の突起部と接触する部分に剛体部が設けられていれば、上記のように突起部が接触した場合にスライダー支持部材の揺れが小さく抑えられ、スライダーの回動が早く抑えられ、スライダーの破損やサスペンションの損傷がさらに起こり難くなる。
【0052】
なお、本発明の磁気ヘッド装置において、スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時のスライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であれば、ローディング状態の時に突起部が媒体と摺接することがない。また、アンローディング状態の時にスライダーに組み込まれる磁気ヘッドを媒体から離す場合にも、スライダー、媒体間の距離が良好に保たれ、これらが接触する等の事故が回避される。
【0053】
さらに、本発明の磁気ヘッド装置において、突起部の先端部の形状を曲面形状とすれば、突起部のスライダー支持部材への接触面積が十分に確保され、スライダーの回動が確実に抑えられる。また、このような形状とすることで、突起部による情報の記録時の媒体への傷つけを防止できる。
【0054】
さらにまた、本発明の磁気ヘッド装置においては、ヘッドアームにスライダー支持部材の跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられているので、上記ストッパーと突起部によりスライダーの回動が良好に抑えられられ、スライダーの破損やサスペンションの損傷がさらに抑えられ、耐衝撃性が高まり、記録特性は良好なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ヘッド装置を示す平面図である。
【図2】本発明を適用した磁気ヘッド装置を記録装置に組み込み、光磁気ディスクに情報の記録を行っている状態を示す側面図である。
【図3】本発明を適用した磁気ヘッド装置のスライダー近傍部を拡大して示す側面図である。
【図4】本発明を適用した磁気ヘッド装置において、スライダーを光磁気ディスクから離している状態を示す側面図である。
【図5】本発明を適用した磁気ヘッド装置において、スライダーが回動する様子を拡大して示す模式図である。
【図6】従来の磁気ヘッド装置を記録装置に組み込み、ローディング状態としている側面図である。
【図7】従来の磁気ヘッド装置において、ヘッドアームにサスペンションを取り付け、サスペンションにスライダーを取り付けた状態を示す側面図である。
【図8】従来の磁気ヘッド装置において、スライダーを光磁気ディスクから離している状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ヘッドアーム
2 サスペンション
2a ヘッドアーム取り付け端
2b スライダー取り付け端
3 スライダー
3a 媒体摺動面
5 跳ね上げレバー
9 ストッパー部
10 第1のバネ部
11 剛体部
13 第2のバネ部
14 第3のバネ部
23 光磁気ディスク
23a 表面
24 突起部
24a 先端部
θ1 ,θ2 角度
Claims (5)
- ヘッドアームと、
上記ヘッドアームにその一端が取り付けられて弾性部を有するスライダー支持部材と、
上記スライダー支持部材の他端に回動可能に取り付けられ、媒体表面を摺動するスライダーとを備える磁気ヘッド装置において、
上記スライダーのヘッドアーム側の端部に、上記スライダーの上記端部側が上記スライダー支持部材に向かって回動する際に、上記スライダー支持部材と接触する突起部が設けられていることを特徴とする磁気ヘッド装置。 - 上記スライダー支持部材の上記突起部と接触する部分に剛体部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
- 上記スライダーの突起部と媒体摺動面とのなす角が、上記スライダー支持部材をヘッドアーム方向に押し上げた時の上記スライダーの媒体摺動面と媒体表面とのなす角よりも大であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
- 上記突起部の先端部が曲面形状をなすことを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
- 上記ヘッドアームに上記スライダーの跳ね上げ位置を規制するストッパー部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド装置。
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