JP3573376B2 - 車両用多機能シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数人掛けが可能なシートの略中央にあたる部分のシートクッションを幼児用シート及びアームレストに兼用する車両用多機能シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
左側シート及び右側シート間に配置した中央シートのシートバックに形成したアームレスト収納凹部にアームレストを収納しておき、そのアームレストを前方に倒して子供用シートとして利用するものが、実開昭60−148135号公報により公知である。
【0003】
このものは、アームレストを前方に倒すとシートバックにアームレスト収納凹部が露出してシートバックとしての機能が失われてしまうため、アームレストを子供用シートとして利用する場合には、前方に倒したアームレストの上半部を後方に回動させて前記アームレスト収納用凹部を塞ぐようになっている。このため、中央シートの本来のシートクッション及びシートバックが子供用シートとして全く利用されず、その代わりにアームレストの下半部及び上半部を利用しているのでクッション性に劣って座り心地が悪い問題がある。
【0004】
また、左側シート及び右側シート間に配置した中央シートのシートクッションを昇降可能に支持し、このシートクッションをアームレストとして利用するものが、実開昭58−68153号公報、実開昭57−5055号公報により公知である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記実開昭58−68153号公報、実開昭57−5055号公報に記載された昇降可能なシートクッションを、アームレストとして使用するだけでなく、子供用シート及びアームレストに兼用することが考えられる。
【0006】
しかしながら、前記実開昭58−68153号公報に記載されたものはアームレストの高さが2段階或いは3段階にしか調節することができず、また前記実開昭57−5055号公報に記載されたものはアームレストの高さの調節が極めて面倒で多くの時間を要する問題がある。
【0007】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、昇降可能なシートクッションを子供用シート及びアームレストに兼用するものにおいて、シートクッションの高さの調節を容易且つきめ細かく行うことことを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明は、左右方向に並んで複数人掛けが可能なシートの略中央にあたる部分のシートクッションを、前部シートクッション及び後部シートクッションに2分割すると共に、その前部シートクッションを、開閉可能な蓋体を上面に備えた中空容器とし、この前部シートクッションを車体にリンク腕を介して昇降可能に支持することにより子供用シート及びアームレストに兼用する車両用多機能シートであって、前部シートクッションに枢軸を介して枢支された前記リンク腕に該枢軸と同心の被ロックギヤを固設するとともに、前部シートクッションに前記被ロックギヤに噛合可能なロックギヤを移動自在に設け、前記シートの前記略中央にあたる部分に設けた子供用シートベルト装置が、該部分のシートバックに内装されたリトラクタから該シートバックの上面に繰り出し可能な左右一対のベルトと、これらベルトの先端に接続されたバックルと、前記蓋体の上面中央部に形成したタング収納凹部に起立自在に収納されたタングと、該左右一対のベルトの先端部の近傍でバックルの外周を覆うように取り付けられた軟質材料よりなる保護パッドとから構成され、前記シートバックの前面下部には、前記保護パッドが嵌合可能な保護パッド収納凹部が形成されたことを特徴とする。
【0009】
また請求項2に記載された発明は、左右方向に並んで複数人掛けが可能なシートの略中央にあたる部分のシートクッションを、前部シートクッション及び後部シートクッションに2分割すると共に、その前部シートクッションを、開閉可能な蓋体を上面に備えた中空容器とし、この前部シートクッションを車体にリンク腕を介して昇降可能に支持することにより子供用シート及びアームレストに兼用する車両用多機能シートであって、相互に摺動自在に嵌合するアウタシリンダ及びインナロッドの何れか一方を前部シートクッションに、またその何れか他方を固定部にそれぞれ連結するとともに、前記アウタシリンダ及びインナロッド間に両者の摺動を規制し得るロック部材を設け、前記シートの前記略中央にあたる部分に設けた子供用シートベルト装置が、該部分のシートバックに内装されたリトラクタから該シートバックの上面に繰り出し可能な左右一対のベルトと、これらベルトの先端に接続されたバックルと、前記蓋体の上面中央部に形成したタング収納凹部に起立自在に収納されたタングと、該左右一対のベルトの先端部の近傍でバックルの外周を覆うように取り付けられた軟質材料よりなる保護パッドとから構成され、前記シートバックの前面下部には、前記保護パッドが嵌合可能な保護パッド収納凹部が形成されたことを特徴とする。
【0011】
【作 用】
請求項1の構成によれば、ロックギヤを移動させて被ロックギヤとの噛合を解除すれば、リンク腕が自由に揺動できるようになって前部シートクッションを昇降させることができる。また前部シートクッションを子供用シート或いはアームレストとして使用するのに適した高さに昇降させ、ロックギヤを被ロックギヤに噛合させれば、その高さに前部シートクッションが固定される。また上記前部シートクッションをアームレストとして使用するとき、その内部を物入れとして利用することができる。
【0012】
請求項2の構成によれば、ロック部材によるロックを解除すれば、アウタシリンダとインナロッド間の摺動が可能となって前部シートクッションを昇降させることができる。また前部シートクッションを子供用シート或いはアームレストとして使用するのに適した高さに昇降させ、ロック部材によりアウタシリンダとインナロッド間の摺動を規制すれば、その高さに前部シートクッションが固定される。また上記前部シートクッションをアームレストとして使用するとき、その内部を物入れとして利用することができる。
【0013】
また請求項1,2の何れの構成によっても、シートの略中央にあたる部分を子供用シートとして使用する場合には、そのシートバックのパッド収納凹部から保護パッドを取り出した後に、前部シートクッションを上昇位置においてロックし、この状態で子供を前部シートクッション上に座らせ、子供用シートベルト装置の左右一対のベルトを子供の両肩部及び胸部に沿わせ、バックルにタングを結合すれば良く、このとき、保護パッドによってバックルが子供の腹部に直接接触することが防止される。また子供用シートベルト装置を使用しないときに保護パッドをシートバックのパッド収納凹部に収納しておくことにより、その保護パッドが邪魔になったり或いはシートバックが厚くなったりする不具合がなくなる。しかも、パッド収納凹部に嵌合した保護パッドはシートバックの一部となるため、そこに大人が座った場合にパッド収納凹部が座り心地を損ねることがない。また、前部シートクッションを上昇させるとその前部シートクッションによってシートバックのパッド収納凹部が覆われるため、そこに座った子供の背中がパッド収納凹部に当たって座り心地を損ねることがない。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。 図1〜図10は本発明の第1実施例を示すもので、図1は車両の前部シートの斜視図、図2は図1の2−2線矢視図、図3は図2の3−3線矢視図、図4は図2の要部拡大図、図5は図4の5−5線拡大断面図、図6は図5の6−6線矢視図、図7はロック機構の作用説明図、図8は中央シートを子供用シートとして使用する場合の作用説明図、図9及び図10は中央シートをアームレストとして使用する場合の作用説明図である。
【0015】
図1、2に示すように、車両の車室前部には運転者席としての右側シートSR と、助手席としての左側シートSL と、両シートSL ,SR 間に挟まれた中央シートSC とが左右方向に並設される。左側シートSL 及び右側シートSR は、それぞれシートクッション1L ,1R 、シートバック2L ,2R 及びヘッドレスト3L ,3R から構成される。中央シートSC はシートクッション1c,シートバック2C 及びヘッドレスト3C から構成されており、シートクッション1C は前側の前部シートクッション4及び後側の後部シートクッション5に2分割される。前部シートクッション4は、内部に物品を収納できるように中空のボックス状に形成されており、その上面に開閉可能な蓋体41 が設けられる。
【0016】
前部シートクッション4は、後部シートクッション5の前側に連なる下降位置と、その後端が後部シートクッション5の前端に重なり合う上昇位置との間を昇降機構6を介して昇降可能である。中央シートSC の前部シートクッション4を下降させれば、そこに大人が座ることができ、また中央シートSC の前部シートクッション4を上昇させれば、そこに子供が座ることができる。
【0017】
図3を併せて参照すると明らかなように、中央シートSC に設けられた子供用シートベルト装置7は、シートバック2C に内装されたリトラクタ8からシートバック2C の上面に繰り出し可能な左右一対のベルト9,9と、これらベルト9,9の先端に接続されたバックル10と、前部シートクッション4の上面中央部に形成したタング収納凹部42 に起立自在に収納されたタング11と、左右一対のベルト9,9の先端部の近傍、即ちバックル10の外周を覆うように取り付けられた軟質材料よりなる保護パッド12とから構成される。シートバック2C の前面下部には、保護パッド12が嵌合可能な保護パッド収納凹部13が形成される。
【0018】
次に、図4〜図6に基づいて昇降機構6の構造を説明する。
【0019】
図4から明らかなように、車両のフロアパネル21に前後のブラケット22,23を介して固定した左右一対の固定レール24,24に左右一対の可動レール25,25がそれぞれ前後摺動自在に支持されており、この可動レール25,25の上面に中央シートSC のベースフレーム26が固定される。ベースフレーム26の前部に前部シートクッション4が昇降機構6を介して昇降自在に支持されるとともに、ベースフレーム26の後部に後部シートクッション5が固定される。
【0020】
前部シートクッション4をベースフレーム26に連結する4節リンク機構27は、下端がベースフレーム26にピン28,28で枢支された左右一対の前部リンク腕29,29と、下端がベースフレーム26にピン30,30で枢支された左右一対の後部リンク腕31,31とを備える。前部リンク腕29,29の上端は前部シートクッション4の下面に設けたブラケット32,32にピン33,33で枢支され、また後部リンク腕31,31の上端は前部シートクッション4の下面に設けたブラケット34,34にピン35,35で枢支される。一方の前部リンク腕29の中間部とベースフレーム26との間にコイルスプリング36が張設されており、このコイルスプリング36が収縮しようとする弾発力で4節リンク機構27が起立する方向に、即ち前部シートクッション4が上昇する方向に付勢される。
【0021】
前部シートクッション4の昇降位置はロック機構37によって多段階に調節可能である。
【0022】
図5及び図6を併せて参照すると明らかなように、ロック機構37は前記一方の前部リンク腕29の上端にピン35を中心として形成されたセクタギヤよりなる被ロックギヤ38と、この被ロックギヤ38に噛合可能なロックギヤ39を備えて、前記ピン35及びブラケット32,32に支持したピン40にそれぞれ長孔411 ,412 を介して前後摺動自在に支持されたロックピース41と、ロックピース41をロックギヤ39が被ロックギヤ38に噛合する方向に付勢するコイルスプリング42と、ブラケット32,32にピン43を介して前後揺動可能に枢支され、その長孔441 にロックピース41の前端に突設したピン413 を係合させたレバー44とを備える。
【0023】
レバー44の下端に指を掛けて前方に引くと、その長孔441 に係合するピン413 を引かれたロックピース41が長孔411 ,412 の範囲で前方にスライドし、ロックギヤ39と被ロックギヤ38との噛合が解除される。またレバー44から指を離すと、コイルスプリング42の弾発力でロックピース41が後方にスライドし、ロックギヤ39が被ロックギヤ38に噛合する。
【0024】
次に、前述の構成を備えた本発明の実施例の作用について説明する。
【0025】
前部シートを大人3人掛けとして使用する場合には、その中央シートSC のシートクッション1C の前部シートクッション4を図8(a)に示す下降位置においてロックする。これにより、左側シートSL のシートクッション1L 、右側シートSR のシートクッション1R 及び中央シートSC のシートクッション1C は同じ高さになり、大人3人が並んで座ることができる。
【0026】
また、中央シートSC を子供用シートとして使用する場合には、シートバック2C のパッド収納凹部13から保護パッド12を取り出した後に、シートクッション1C の前部シートクッション4を図8(b)に示す上昇位置においてロックする。この状態で、図2に示すように子供を前部シートクッション4上に座らせ、子供用シートベルト装置7の2本のベルト9,9を子供の両肩部及び胸部に沿わせ、バックル10にタング11を結合すれば良い。このとき、保護パッド12によってバックル10が子供の腹部に直接接触することが防止される。また中央シートSC を子供用シートとして使用するとき、本来の前部シートクッション4及びシートバック2C がそのまま利用されるので、大人用シートとして使用する場合と同じ座り心地が確保される。
【0027】
子供用シートベルト装置7を使用しないときに保護パッド12をシートバック2C のパッド収納凹部13に収納しておくことにより、その保護パッド12が邪魔になったり、シートバック2C が厚くなったりする不具合がない。しかも、パッド収納凹部13に嵌合した保護パッド12はシートバック2C の一部となるため、そこに大人が座った場合にパッド収納凹部13が座り心地を損ねることがない。また、前部シートクッション4を上昇させるとその前部シートクッション4によってシートバック2C のパッド収納凹部13が覆われるため、そこに座った子供の背中がパッド収納凹部13に当たって座り心地を損ねることがない。
【0028】
更に、シートクッション1C の前部シートクッション4を上昇位置においてロックすれば、図9に示すように左側シートSL 又は右側シートSR に座った乗員のアームレストとして使用することができる。また前部シートクッション4の蓋体41 を開けば、図10に示すように前部シートクッション4の内部に形成した物入れに物品を出し入れしたり、蓋体41 の内面に装着したナビゲーションシステム等の操作を行うことができる。
【0029】
前部シートクッション4がロックされているとき、図6に示すようにロックピース41のロックギヤ39が前部リンク腕29の被ロックギヤ38に噛合しており、これにより前部リンク腕29の回動が規制されて前部シートクッション4が昇降不能に固定される。レバー44を操作してロックギヤ39と被ロックギヤ38との噛合を解除すると前部リンク腕29が自由に回動できるようになるため、コイルスプリング36の弾発力で前部シートクッション4を自動的に上昇させ、或いは前部シートクッション4をコイルスプリング36の弾発力に抗して押し下げることができる。
【0030】
上述したように、ロック機構37がロックギヤ39と被ロックギヤ38との噛合により前部シートクッション4をロックしているので、両ギヤ38,39の歯数に応じた多段のロックが可能になり、簡単な操作及び簡単な構造で前部シートクッション4の高さをきめ細かく調節することができる。
【0031】
ところで、4節リンク機構27で支持された上部シートクッション4は、その下降位置の近傍では略上下方向に移動するが、前部リンク腕29,29及び後部リンク腕31,31が起立する上昇位置の近傍では主として前後方向に移動することになる。従って、シートバック2C のリクライニング角を調節したときに、そのシートバック2C の前後動に応じて前部シートクッション4の前後位置を調節してやれば、前部シートクッション4と干渉することなくシートバック2C を任意の位置にリクライニングさせることができる。
【0032】
図11及び図12は本発明の第2実施例を示すもので、図11は前記図2に対応する昇降機構6の側面図、図12は図11の12−12線拡大断面図である。尚、図11において、図1〜図10の第1実施例の部材に対応する部材には、それらと同一の符号が付してある。
【0033】
図11に示すように、中央シートSC の前部シートクッション4は4節リンク機構27を介して昇降自在に支持されており、その一方の前部リンク腕29に形成したアーム部291 の先端とベースフレーム26とに、ロック手段51の前後両端がそれぞれピン52,53で枢支される。前部シートクッション4の前部にピン54で枢支したレバー55と、ロック手段51の長手方向中央部に設けられたロック解除部材56とが、ボーデンワイヤ57を介して接続される。
【0034】
図12から明らかなように、ロック手段51は後端を前記ピン53でベースフレーム26に枢支されたアウタシリンダ58と、前端に設けブラケット59を前記ピン52で前記アーム部291 に枢支されたインナロッド60とを備えており、インナロッド60はアウタシリンダ58の内部に固設した前部ベアリング61F 及び後部ベアリング61R に摺動自在に支持される。アウタシリンダ58に溶接したばね座62とインナロッド60に溶接したばね座63間にコイルスプリング64が縮設されており、このコイルスプリング64が伸長しようとする弾発力でインナロッド60にはアウタシリンダ58から前方に突出する付勢力が与えられる。そして前記付勢力は前部リンク腕29をピン28回りに図11の時計方向に回動させるように、即ち4節リンク機構27を起立させるように作用する。
【0035】
アウタシリンダ58の内部に、前後のベアリング61F ,61R 間に挟まれるように筒状のスプリングリテーナ65が配置される。ロック解除部材56は、インナロッド60の外周に相対回転自在に嵌合する筒状部66と、この筒状部66からスプリングリテーナ65に形成した開口及びアウタシリンダ58に形成した開口を介して外部に延出し、前記ボーデンワイヤ57に接続されるアーム部67とを備える。
【0036】
前部ベアリング61F とロック解除部材56の筒状部66との間に前部ロックスプリング68F が配置されるとともに、後部ベアリング61R とロック解除部材56の筒状部66との間に後部ロックスプリング68R が配置される。各ロックスプリング68F ,68R の一端は各ベアリング61F ,61R に形成した切欠き611 ,611 にそれぞれ係止され、また他端はロック解除部材56の筒状部66に形成した一対の段部661 ,661 にそれぞれ当接する。
【0037】
各ロックスプリング68F ,68R は縮径する方向の弾発力を持ち、その弾発力によってインナロッド60の外周に密に係合している。従って、インナロッド60はロックスプリング68F ,68R を介してアウタシリンダ58に固定され、アウタシリンダ58に対する摺動が規制される。
【0038】
インナロッド60が図12の左方向に強く引かれると、前部ロックスプリング68F の前端が前部ベアリング61F に形成した斜面612 に押し付けられて鎖線状態に傾き、インナロッド60を強く締め付ける。また、インナロッド60が図12の右方向に強く押されると、後部ロックスプリング68R の後端が後部ベアリング61R に形成した斜面612 に押し付けられて鎖線状態に傾き、インナロッド60を強く締め付ける。これにより、インナロッド60に大きな荷重が作用しても、その摺動が確実に規制される。
【0039】
レバー55を操作することによりボーデンワイヤ57を介してロック解除部材56のアーム部67を図12の矢印方向に引くと、筒状部66の一対の段部661 ,661 が各ロックスプリング68F ,68R の他端部を押圧し、各ロックスプリング68F ,68R を強制的に拡径する。その結果、各ロックスプリング68F ,68R の内周とインナロッド60の外周間に隙間が発生し、インナロッド60はアウタシリンダ58に対して自由に摺動できるようになり、インナロッド60はコイルスプリング64の弾発力でアウタシリンダ58から突出する。
【0040】
従って、レバー55を操作してロック手段51のロックを解除してやれば、コイルスプリング64の弾発力で前部シートクッション4を自動的に上昇させ、或いは前部シートクッション4をコイルスプリング36の弾発力に抗して押し下げることができる。また、レバー55を離してロック手段51を作動させれば、前部シートクッション4を任意の位置で固定することができる。この実施例によれば、前部シートクッション4の位置を無段階に固定することができるので一層きめ細かい調節が可能となる。
【0041】
上記第1、第2実施例において、図13に示すように、中央に位置する子供は左右に位置する乗員と公平に会話することが可能となって楽しさが増加する。しかも幼児用の中央シートScを変形させても、左側シートSL 及び右側シートSR に影響を与えないので、居住性が損なわれることはない。
【0042】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0043】
例えば、第1実施例において被ロックギヤ38を前部リンク腕29に一体に形成しているが、それらを別部材で構成して一体に結合することができる。また、第2実施例においてロック機構51を前後反対にして取り付けることができる。更に、第2実施例においてロック機構51を前部リンク腕29に連結しているが、これを前部シートクッション4に直接連結しても良い。即ち、ロック機構51は直接的に或いは間接的に前部シートクッション4に連結されていれば良い。
【0044】
また、実施例はそれぞれ独立した右側シートSR 、左側シートSL 及び中央シートSC を左右方向に並置しているが、本発明はシートクッションを共用したベンチシート或いはシートクッション及びシートバックを共用したベンチシートに対しても適用することができる。更に、実施例ではフロントシートに本発明を適用しているが、前後に3列以上のシートを備えた車両では中間列のシートに対して本発明を適用することができ、またリヤシートに対しても本発明を適用することができる(図14参照)。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、前部シートクッションを子供用シート及びアームレストとして兼用することができるだけでなく、前部シートクッションに枢軸を介して枢支されたリンク腕に該枢軸と同心の被ロックギヤを固設するとともに、前部シートクッションに前記被ロックギヤに噛合可能なロックギヤを移動自在に設けたので、ロックギヤ及び被ロックギヤを噛合及び噛合解除するだけの簡単な操作で前部シートクッションの高さをきめ細かく調節することができる。しかも前部シートクッションが開閉可能な蓋体を上面に備えた中空容器であるので、前部シートクッションをアームレストとして使用する際に、その内部を物入れとして利用することができる。
【0046】
また請求項2に記載された発明によれば、前部シートクッションを子供用シート及びアームレストとして兼用することができるだけでなく、相互に摺動自在に嵌合するアウタシリンダ及びインナロッドの何れか一方を前部シートクッションに、またその何れか他方を固定部にそれぞれ連結するとともに、前記アウタシリンダ及びインナロッド間に両者の摺動を規制し得るロック部材を設けたので、ロック部材によりアウタシリンダとインナロッドとを結合及び結合解除するだけの簡単な操作で前部シートクッションの高さをきめ細かく調節することができる。しかも前部シートクッションが開閉可能な蓋体を上面に備えた中空容器であるので、前部シートクッションをアームレストとして使用する際に、その内部を物入れとして利用することができる。
【0047】
また請求項1,2に記載された各発明によれば、シートの略中央にあたる部分に設けた子供用シートベルト装置が、該部分のシートバックに内装されたリトラクタから該シートバックの上面に繰り出し可能な左右一対のベルトと、これらベルトの先端に接続されたバックルと、前記蓋体の上面中央部に形成したタング収納凹部に起立自在に収納されたタングと、該左右一対のベルトの先端部の近傍でバックルの外周を覆うように取り付けられた軟質材料よりなる保護パッドとから構成され、前記シートバックの前面下部には、前記保護パッドが嵌合可能な保護パッド収納凹部が形成されるので、前記部分を子供用シートとして使用する場合には、そのシートバックのパッド収納凹部から保護パッドを取り出した後に、前部シートクッションを上昇位置においてロックし、この状態で子供を前部シートクッション上に座らせ、子供用シートベルト装置の左右一対のベルトを子供の両肩部及び胸部に沿わせ、バックルにタングを結合すれば良く、このとき、保護パッドによってバックルが子供の腹部に直接接触することが防止される。また子供用シートベルト装置を使用しないときに保護パッドをシートバックのパッド収納凹部に収納しておくことにより、その保護パッドが邪魔になったり或いはシートバックが厚くなったりする不具合がなくなる。しかも、パッド収納凹部に嵌合した保護パッドはシートバックの一部となるため、そこに大人が座った場合にパッド収納凹部が座り心地を損ねることがない。また、前部シートクッションを上昇させるとその前部シートクッションによってシートバックのパッド収納凹部が覆われるため、そこに座った子供の背中がパッド収納凹部に当たって座り心地を損ねることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両の前部シートの斜視図
【図2】図1の2−2線矢視図
【図3】図2の3−3線矢視図
【図4】図2の要部拡大図
【図5】図4の5−5線拡大断面図
【図6】図5の6−6線矢視図
【図7】ロック機構の作用説明図
【図8】中央シートを子供用シートとして使用する場合の作用説明図
【図9】中央シートをアームレストとして使用する場合の作用説明図
【図10】中央シートをアームレストとして使用する場合の作用説明図
【図11】本発明の第2実施例に係る、前記図2に対応する図
【図12】図11の12−12線拡大断面図
【図13】車室の内部を示す斜視図
【図14】本発明を後席に適用した実施例を示す斜視図
【符号の説明】
1C シートクッション
4 前部シートクッション
41 蓋体
5 後部シートクッション
26 ベースフレーム(固定部)
29 前部リンク腕(リンク腕)
33 ピン(枢軸)
38 被ロックギヤ
39 ロックギヤ
58 アウタシリンダ
60 インナロッド
68F 前部ロックスプリング(ロック部材)
68R 後部ロックスプリング(ロック部材)
SL 左側シート(シート)
SR 右側シート(シート)
SC 中央シート(シート)
Claims (2)
- 左右方向に並んで複数人掛けが可能なシート(SL ,SC ,SR )の略中央にあたる部分(SC )のシートクッション(1C )を、前部シートクッション(4)及び後部シートクッション(5)に2分割すると共に、その前部シートクッション(4)を、開閉可能な蓋体(41 )を上面に備えた中空容器とし、この前部シートクッション(4)を車体にリンク腕(29)を介して昇降可能に支持することにより子供用シート及びアームレストに兼用する車両用多機能シートであって、
前部シートクッション(4)に枢軸(33)を介して枢支された前記リンク腕(29)に該枢軸(33)と同心の被ロックギヤ(38)を固設するとともに、前部シートクッション(4)に前記被ロックギヤ(38)に噛合可能なロックギヤ(39)を移動自在に設け、
前記シート(S L ,S C ,S R )の前記略中央にあたる部分(S C )に設けた子供用シートベルト装置(7)が、該部分(S C )のシートバック(2 C )に内装されたリトラクタ(8)から該シートバック(2 C )の上面に繰り出し可能な左右一対のベルト(9)と、これらベルト(9)の先端に接続されたバックル(10)と、前記蓋体(4 1 )の上面中央部に形成したタング収納凹部(4 2 )に起立自在に収納されたタング(11)と、該左右一対のベルト(9)の先端部の近傍でバックル(10)の外周を覆うように取り付けられた軟質材料よりなる保護パッド(12)とから構成され、
前記シートバック(2 C )の前面下部には、前記保護パッド(12)が嵌合可能な保護パッド収納凹部(13)が形成されることを特徴とする、車両用多機能シート。 - 左右方向に並んで複数人掛けが可能なシート(SL ,SC ,SR )の略中央にあたる部分(SC )のシートクッション(1C )を、前部シートクッション(4)及び後部シートクッション(5)に2分割すると共に、その前部シートクッション(4)を、開閉可能な蓋体(41 )を上面に備えた中空容器とし、この前部シートクッション(4)を車体にリンク腕(29)を介して昇降可能に支持することにより子供用シート及びアームレストに兼用する車両用多機能シートであって、
相互に摺動自在に嵌合するアウタシリンダ(58)及びインナロッド(60)の何れか一方を前部シートクッション(4)に、またその何れか他方を固定部(26)にそれぞれ連結するとともに、前記アウタシリンダ(58)及びインナロッド(60)間に両者の摺動を規制し得るロック部材(68F ,68R )を設け、
前記シート(S L ,S C ,S R )の前記略中央にあたる部分(S C )に設けた子供用シートベルト装置(7)が、該部分(S C )のシートバック(2 C )に内装されたリトラクタ(8)から該シートバック(2 C )の上面に繰り出し可能な左右一対のベルト(9)と、これらベルト(9)の先端に接続されたバックル(10)と、前記蓋体(4 1 )の上面中央部に形成したタング収納凹部(4 2 )に起立自在に収納されたタング(11)と、該左右一対のベルト(9)の先端部の近傍でバックル(10)の外周を覆うように取り付けられた軟質材料よりなる保護パッド(12)とから構成され、
前記シートバック(2 C )の前面下部には、前記保護パッド(12)が嵌合可能な保護パッド収納凹部(13)が形成されることを特徴とする、車両用多機能シート。
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