JP3573832B2 - 動画像符号化装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像符号化技術に関する。
特に、MPEG方式,H.261方式等のDCTにより動画像を圧縮符号化する動画像 符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像の圧縮符号化としては、MPEG(ISO/IEC 11172(MPEG1)、ISO/IEC 13818(MPEG2))が、代表される。
技術的には、動き補償画面間圧縮技術、画面内圧縮技術、DCT(Discrete Cosine Transform)技術,量子化技術等を折り混ぜて使用している。
【0003】
ところで、画像をDCT及び量子化により符号化し、この符号化した画像データを復号すると、画質劣化が生じることが、知られている。
この画質劣化としては、周知の如く、以下のものが、挙げられる。
「ボケ」,「ダ−ティウィンドウ」,「ブロック歪」,「モスキ−トノイズ」,「折り返し歪」,「質感の喪失」,「破綻」,「フリッカ」等である。
【0004】
そして、これらは、符号化する画像の情報量を低減すると、発生を押さえることが知られている。
また、使用者が、あまり気にならない劣化は、単なる「ボケ」である。尚、画面の一部だけ「ボケ」たり、一瞬だけ画面が「ボケ」ることは、気になる。
そこで、一般的には、入力画像の高域成分等を予かじめ時空間プリフィルタで除去する前処理を行って、情報量を抑えてから、符号化を行っている。
【0005】
これにより、復号画像には「ボケ」が生じるが、「ボケ」以外の劣化が発生するのを抑圧できる。
つまり、この前処理を行わないと、「ボケ」の発生は抑圧されるが、「ボケ」以外の劣化がひどくなり全体的な画質はかえって悪くなる。
例えば、特開平4−342372号公報(H04N1/41),特開平6−113140号公報(H04N1/41)では、プリフィルタによる前処理により、ブロック歪の発生を抑えている。
【0006】
本発明は、符号化処理の負担を削減した符号化装置を提供するものである。
ところで、MPEG2方式のフレーム構造モードでは、周知の如く、フィールド間動き補償圧縮符号化と、フレーム間動き補償圧縮符号化とを、適応的に切り換えている。
本発明は、MPEG2方式のフレーム構造モードにおける現実的に最適なプリフィルタを提供するものである。
【0007】
つまり、一般に、プリフィルタとしては、大規模であるほど性能が良い。つまり、時間的,空間的に大規模なフィルタが良好である。
しかし、これは、静止している画面部分である。動画像部分に関しては、空間的に大規模なフィルタが良好である。つまり、時間的な遅延回路を含む時空間フィルタは、かえって悪影響を及ぼす。
【0008】
このため、プリフィルタとして時空間フィルタを用いる場合は、動画像部分を検出し、この部分に関しては、時間方向のフィルタを無効として、空間フィルタのみとすることが考えられる。
しかし、これでは、動画部分を検出する検出手段等が必要となる。
このため、時空間フィルタを使用せずに、空間フィルタでプリフィルタを形成する方が良い。
【0009】
MPEG2方式のフレーム構造モードでは、これが、更に複雑となる。
つまり、前述の如く、MPEG2方式のフレーム構造モードでは、フィールド間動き補償圧縮符号化とフレーム間動き補償圧縮符号化とを、適応的に切り換えている。
このために、MPEG2方式のフレーム構造モードでは、前述のプリフィルタとして空間フィルタを用いるためには、以下の処理を行わなくてはならない。
【0010】
つまり、フィールド間動き補償圧縮符号化される画面部分では、フィールド内の空間フィルタを用いて帯域制限を行う。
また、フレーム間動き補償圧縮符号化される画面部分では、フレーム内の空間フィルタを用いて帯域制限を行う。尚、フレーム内の空間フィルタとは、周知の如く、インタレースの映像信号をノンインタレース信号であるフレーム画面に変更し、このフレーム画像内での空間フィルタ処理を行うものである。
【0011】
しかし、これでは、プリフィルタに入力された動画像が、後段の処理で、フィールド間動き補償圧縮符号化されるか、又はフレーム間動き補償圧縮符号化されるか、を前もって検出しなくてはならず実用的ではない。
そこで、プリフィルタ処理としては、上記2つの処理の内、一方に限定することが、考えられるが、それでは、十分ではない。
【0012】
そこで、フィールド内の空間フィルタ(水平・垂直方向のフィルタ)では無く、単なるフィールド内の水平フィルタにより帯域を制限することが、考えられるが、これでは、十分ではない。
そこで、フィールド内の空間フィルタか、フレーム内の空間フィルタの内のいずれか一方を選択することが、考えられるが、非選択フィルタに適した符号化においては、符号化能率が低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、符号化処理の負担を削減した符号化装置を提供することを、発明の契機としている。
また、本発明は、MPEG2方式のフレーム構造モード等の符号化処理の前処理用プリフィルタとして好適なプリフィルタを提供するものである。
【0014】
つまり、本発明は、フィールド間動き補償圧縮符号化と、フレーム間動き補償圧縮符号化とを適応的に行う動画像符号化装置において、好適なプリフィルタを提供することを、発明の契機としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の動画像圧縮符号化装置は、入力されたインターレースの動画像信号にフィルタリングを行い所定周波数成分を遮断するプリフィルタ手段(10)と、
このフィルタ処理された動画像信号をDCTするDCT手段(16)と、
このDCT手段(16)からの係数データを量子化する量子化手段(18)と、
この量子化手段(18)の出力を可変長符号化する可変長符号化手段(22)とを備え、
前記プリフィルタ手段(10)は、
前記動画像信号を1フィールド遅延するフィールド遅延手段(12)と、現フィールドの動画像信号と前記フィールド遅延手段によって遅延された1フィールド前の動画像信号にて構成される画像信号に時空間フィルタリング処理を行うフィルタ手段(14)とを備え、
前記量子化手段(18)は、
前記DCT手段(16)からの係数データのうち前記プリフィルタ手段(10)によって遮断された以外の周波数成分に対する係数データを所定のテーブル値(20)に基づいて除算する割算手段(18a)と、前記プリフィルタ手段(10)によって遮断された周波数成分に対する係数データとして所定値の係数データを出力する置換手段(18b)とを備える、
ことを特徴とする。
より好ましくは、前記置換手段(18b)から出力される係数データの値が、「0」であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の動画像圧縮装置は、入力されたインターレースの動画像信号にフィルタリングを行い通過帯域を制限するプリフィルタ手段(10)と、このフィルタ処理された動画像信号をフィールド間動き補償圧縮符号化により符号化画像データに変換する第1圧縮符号化手段(30)と、このフィルタ処理された動画像信号をフレーム間動き補償圧縮符号化により符号化画像データに変換する第2圧縮符号化手段(32)と、この第1、第2圧縮符号化手段による圧縮符号化画像データを選択出力させる選択手段(38)とを備え、前記プリフィルタ手段(10)は、前記動画像信号を1フィールド遅延するフィールド遅延手段(12)と、現フィールドの動画像信号を前記フィールド遅延手段によって遅延された1フィールド前の動画像信号を用いて時空間フィルタリング処理を行うフィルタ手段(14)とを備えることを特徴とする。
〔作用〕
本発明では、プリフィルタ10によって既に削除されている空間周波数成分に関しては、後段の量子化回路18での割り算処理を省略する。
【0017】
また、本発明では、MPEG2等のフィールド間動き補償圧縮符号化と、フレーム間動き補償圧縮符号化とを適応的に行う動画像符号化装置において、そのプリフィルタをフィールド遅延信号を用いた時空間フィルタとする。
【0018】
【実施の形態】
図1〜図5を参照しつつ、本発明の第1実施例を説明する。
図1において、10aは、通常の映像信号が入力される入力端子である。通常の映像信号とは、インタレースのNTSC信号である。
10は、プリフィルタとしての時空間フィルタである。
【0019】
12は、フィールド遅延回路である。
14は、フィルタ回路である。
この時空間フィルタ10について、図2〜図4を参照しつつ、説明する。
通過特性を図2に示す。
図3に示すように画素Aを中心とした場合に、5×5画素の対称フィルタであり、そのタップ係数を図4に示す。
【0020】
このように、このフィルタ10では、斜め方向の高域成分をカットしている。
図1の16は、映像信号を8×8画素のブロックに変換し、このブロック単位でDCTを行うDCT回路である。
18は、量子化回路である。
20は、量子化テーブルである。この内容の一例を図5に示す。
【0021】
18aは、割り算回路である。
18bは、置換回路である。フィルタ10により、斜め方向の高域成分は既にカットされている。従って、この周波数成分に対応する係数データは、「0」のはずである。従って、このような係数データに対して、割算回路で割り算を行うのは無駄である。従って、このように、フィルタ10の処理により、その値が「0」と分かっている係数データは、割り算を行わずに「0」とする。
【0022】
この装置が、LSI等のハードウエアで具現され、8×8通りの割り算処理を並列処理するために、割り算回路を設けている装置においては、割り算回路の削減が可能である。また、この装置が、プログラム等のソフトウエアで具現される場合は、割り算のための処理時間が短縮され、符号化の高速化が計れる。
22は、可変長符号化回路である。この可変長符号化回路22は、図6に示されるように、量子化回路18からジグザグスキャンの順で出力された量子化済みの係数データを可変長符号化して出力する。この可変長符号化としては、ランレベル可変長符号化、ハフマン符号化等が考えられる。
【0023】
この装置の動作を説明する。
通常のTV信号が入力端子10aから、プリフィルタ10に入力される。
TV信号は、フィールド遅延回路12で約1フィールド遅延される。
つまり、1フィ−ルド遅延した映像信号(図3の×印の画素に対応)を得ることが出来る。
【0024】
フィルタ回路14は、図4に示される係数列によって構成され、図2に示される通過特性で、入力映像信号の斜め方向の高域を中心に周波数成分をカットしている。
DCT回路は、プリフィルタ処理された映像信号を8×8画素のブロック単位でDCTする。
【0025】
これにより、空間周波数成分が求められる。
【0026】
量子化回路18で量子化される。
量子化とは、行列除算である。
これは、各周波数成分と対応して所定の値を持った図5の行列で除算するものである。復号装置側(図示せず)は、可変長復号によって得られた量子化データと同じ量子化行列を乗算することにより、空間周波数成分を復元することが可能になる。つまり、人間の視覚特性が高周波側に対して鈍感であることを利用して、高周波側の行列値を大きくして、高周波では粗く符号化・復号化される。
【0027】
除算回路18aでは、上述の行列除算が行われる。
置換回路18bでは、置換が行われる。
つまり、プリフィルタ10で空間周波数が遮断された周波数成分に関しては、割り算回路18aで処理しなくても、その出力データは「0」である。そこで、この置換回路18bは、この対応する空間周波数成分の量子化データとして「0」を出力する。
【0028】
可変長符号化回路22では、可変長符号化を行う。
図6の如く、この出力順は、図6の如く、斜め方向の高周波成分は、後の方で連続する。従って、プリフィルタ10の特性により、可変長符号化回路22経入力されるデータは、後の方において、「0」が連続する可能性が高くなり、圧縮効率が高くなる可能性が高くなる。
【0029】
このように、本願では、不必要な割り算回路又は割り算処理又を削除できる。
【0030】
尚、第1実施例では、プリフィルタの特性と係数列を図2,図4の如く設定したが、図7,図8または図9,図10の如く、設定しても良い。つまり、斜め方向の高域を遮断する特性をもつものであればよい。
又、第1実施例では、除算回路18aでは、単なる割り算を行ったが、周知のレート制御を合わせて行ってもよい。つまり、図5の値でそのまま割り算をするのではなく、圧縮率に対応した量子化ステップ値(スカラ−値)倍した行列によって割り算を行ってもよい。
【0031】
又、この第1実施例では、動き補償に基づく圧縮符号化を行っていないが、プリフィルタとDCT回路16の間に、動き補償のための、ノンインタレ−スへの変換回路(フレーム画面化回路)、フレ−ム遅延回路、差分回路等を設けてもよい。
【0032】
図11を参照しつつ、本発明の第2実施例を説明する。
第1実施例と同一部分には、同一符号を付した。
【0033】
30は、フィールド間動き補償圧縮符号化回路である。この回路30は、圧縮対象フィ−ルドの画像データと、他フィ−ルドの画像データとの相関を利用し、その動き及び差分を用いて圧縮符号化を行うものである。
このフィールド間動き補償圧縮符号化回路30は、フィールド遅延信号の作成、この遅延フィールド信号との動き補償による差分データの検出、差分データのDCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。
【0034】
32は、フレーム間動き補償圧縮符号化回路である。この回路32は、圧縮対象フレームの画像データと、他フレームの画像データとの相関を利用し、その動き及び差分を用いて圧縮符号化を行うものである。
このフレーム間動き補償圧縮符号化回路30は、ノンインターレース信号(フレーム画面信号)への変換、フレ−ム遅延信号の作成、この遅延フレーム信号との動き補償による差分データの検出、差分データのDCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。また、これらの処理の特性は、それぞれフレーム間動き補償圧縮符号化に最適な値に設定されている。
【0035】
34は、フィ−ルド内圧縮符号化回路である。この回路34は、圧縮対象フィ−ルドの画像内の相関を利用して圧縮符号化を行うものである。
【0036】
このフィ−ルド内圧縮符号化回路34は、DCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。また、これらの処理の特性は、それぞれフィールド内圧縮符号化に最適な値に設定されている。
36は、フレーム内圧縮符号化回路である。この回路36は、圧縮対象フレームの画像内の相関を利用して圧縮符号化を行うものである。
【0037】
このフレーム内圧縮符号化回路36は、ノンインターレース信号(フレーム画面信号)への変換、DCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。また、これらの処理の特性は、それぞれフレーム内圧縮符号化に最適な値に設定されている。
38は、選択回路である。選択回路38は、各回路30.32.34,36からの圧縮率を示すデータを入力し、圧縮率の高い符号化を検出する。そして、その回路からの出力を許容する。
【0038】
このフレーム間動き補償圧縮符号化回路30に、最適なプリフィルタは、フレーム内の空間フィルタである。
また、フィ−ルド内圧縮符号化回路34に、最適なプリフィルタは、フィ−ルド内の空間フィルタである。
そこで、この第2実施例では、プリフィルタとして、図1に示すように、1フィールド遅延した映像信号を利用した時空間フィルタとした。
【0039】
このように、フィ−ルド遅延により時空間フィルタを用いる。
静止画像部分については、このフィールド遅延を用いた時空間フィルタは、フレーム内の空間フィルタと同じである。そして、静止部分であれば、フィ−ルド間動き補償符号化より、フレーム間動き補償符号化で符号化したほうが、圧縮効率は良い。従って、静止画像部分に関しては、実質的に、何ら問題はない。
【0040】
動画像部分については、このフィールド遅延を用いた時空間フィルタは、フィ−ルド間動き補償符号化及びフレーム間動き補償符号化で符号化した場合の、「ボケ」具合が同等であり、両者に適応することができる。
【0041】
【発明の効果】
このように、本願では、不必要な割り算回路又は割り算処理を削除できる。入力映像信号の斜め方向を中心に遮断しているので、これらを削減しても主観的な画質劣化は、少ない。
また、本願では、フレーム/フィールド間圧縮を画面内において適応的に切り換える符号化装置に、切り換え不要の最適なプリフィルタを取りつけることが、できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図である。
【図2】この第1実施例の特性を示す図である。
【図3】この第1実施例の動作を説明するための図である。
【図4】この第1実施例の係数を示す図である。
【図5】量子化テーブルの行列値を示す図である。
【図6】ジグザグスキャンを示す図である。
【図7】第2の特性を示す図である。
【図8】第2の係数を示す図である。
【図9】第3の特性を示す図である。
【図10】第3の係数を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
10・・・・・プリフィルタ(プリフィルタ手段)、
12・・・・・フィールド遅延回路(フィールド遅延手段)、
14・・・・・フィルタ回路(フィルタ手段)、
16・・・・・DCT回路(DCT手段)、
18・・・・・量子化回路(量子化手段)、
18a・・・・割り算回路(割算手段)、
18b・・・・置換回路(置換手段)、
20・・・・・量子化テーブル(テーブル値)、
22・・・・・可変長符号化回路(可変長符号化手段)、
30・・・・・フィールド間動き補償圧縮符号化回路(第1圧縮符号化手段)、
32・・・・・フレ−ム間動き補償圧縮符号化回路(第2圧縮符号化手段)、
33・・・・・選択回路(選択手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、動画像符号化技術に関する。
特に、MPEG方式,H.261方式等のDCTにより動画像を圧縮符号化する動画像 符号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像の圧縮符号化としては、MPEG(ISO/IEC 11172(MPEG1)、ISO/IEC 13818(MPEG2))が、代表される。
技術的には、動き補償画面間圧縮技術、画面内圧縮技術、DCT(Discrete Cosine Transform)技術,量子化技術等を折り混ぜて使用している。
【0003】
ところで、画像をDCT及び量子化により符号化し、この符号化した画像データを復号すると、画質劣化が生じることが、知られている。
この画質劣化としては、周知の如く、以下のものが、挙げられる。
「ボケ」,「ダ−ティウィンドウ」,「ブロック歪」,「モスキ−トノイズ」,「折り返し歪」,「質感の喪失」,「破綻」,「フリッカ」等である。
【0004】
そして、これらは、符号化する画像の情報量を低減すると、発生を押さえることが知られている。
また、使用者が、あまり気にならない劣化は、単なる「ボケ」である。尚、画面の一部だけ「ボケ」たり、一瞬だけ画面が「ボケ」ることは、気になる。
そこで、一般的には、入力画像の高域成分等を予かじめ時空間プリフィルタで除去する前処理を行って、情報量を抑えてから、符号化を行っている。
【0005】
これにより、復号画像には「ボケ」が生じるが、「ボケ」以外の劣化が発生するのを抑圧できる。
つまり、この前処理を行わないと、「ボケ」の発生は抑圧されるが、「ボケ」以外の劣化がひどくなり全体的な画質はかえって悪くなる。
例えば、特開平4−342372号公報(H04N1/41),特開平6−113140号公報(H04N1/41)では、プリフィルタによる前処理により、ブロック歪の発生を抑えている。
【0006】
本発明は、符号化処理の負担を削減した符号化装置を提供するものである。
ところで、MPEG2方式のフレーム構造モードでは、周知の如く、フィールド間動き補償圧縮符号化と、フレーム間動き補償圧縮符号化とを、適応的に切り換えている。
本発明は、MPEG2方式のフレーム構造モードにおける現実的に最適なプリフィルタを提供するものである。
【0007】
つまり、一般に、プリフィルタとしては、大規模であるほど性能が良い。つまり、時間的,空間的に大規模なフィルタが良好である。
しかし、これは、静止している画面部分である。動画像部分に関しては、空間的に大規模なフィルタが良好である。つまり、時間的な遅延回路を含む時空間フィルタは、かえって悪影響を及ぼす。
【0008】
このため、プリフィルタとして時空間フィルタを用いる場合は、動画像部分を検出し、この部分に関しては、時間方向のフィルタを無効として、空間フィルタのみとすることが考えられる。
しかし、これでは、動画部分を検出する検出手段等が必要となる。
このため、時空間フィルタを使用せずに、空間フィルタでプリフィルタを形成する方が良い。
【0009】
MPEG2方式のフレーム構造モードでは、これが、更に複雑となる。
つまり、前述の如く、MPEG2方式のフレーム構造モードでは、フィールド間動き補償圧縮符号化とフレーム間動き補償圧縮符号化とを、適応的に切り換えている。
このために、MPEG2方式のフレーム構造モードでは、前述のプリフィルタとして空間フィルタを用いるためには、以下の処理を行わなくてはならない。
【0010】
つまり、フィールド間動き補償圧縮符号化される画面部分では、フィールド内の空間フィルタを用いて帯域制限を行う。
また、フレーム間動き補償圧縮符号化される画面部分では、フレーム内の空間フィルタを用いて帯域制限を行う。尚、フレーム内の空間フィルタとは、周知の如く、インタレースの映像信号をノンインタレース信号であるフレーム画面に変更し、このフレーム画像内での空間フィルタ処理を行うものである。
【0011】
しかし、これでは、プリフィルタに入力された動画像が、後段の処理で、フィールド間動き補償圧縮符号化されるか、又はフレーム間動き補償圧縮符号化されるか、を前もって検出しなくてはならず実用的ではない。
そこで、プリフィルタ処理としては、上記2つの処理の内、一方に限定することが、考えられるが、それでは、十分ではない。
【0012】
そこで、フィールド内の空間フィルタ(水平・垂直方向のフィルタ)では無く、単なるフィールド内の水平フィルタにより帯域を制限することが、考えられるが、これでは、十分ではない。
そこで、フィールド内の空間フィルタか、フレーム内の空間フィルタの内のいずれか一方を選択することが、考えられるが、非選択フィルタに適した符号化においては、符号化能率が低下する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、符号化処理の負担を削減した符号化装置を提供することを、発明の契機としている。
また、本発明は、MPEG2方式のフレーム構造モード等の符号化処理の前処理用プリフィルタとして好適なプリフィルタを提供するものである。
【0014】
つまり、本発明は、フィールド間動き補償圧縮符号化と、フレーム間動き補償圧縮符号化とを適応的に行う動画像符号化装置において、好適なプリフィルタを提供することを、発明の契機としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の動画像圧縮符号化装置は、入力されたインターレースの動画像信号にフィルタリングを行い所定周波数成分を遮断するプリフィルタ手段(10)と、
このフィルタ処理された動画像信号をDCTするDCT手段(16)と、
このDCT手段(16)からの係数データを量子化する量子化手段(18)と、
この量子化手段(18)の出力を可変長符号化する可変長符号化手段(22)とを備え、
前記プリフィルタ手段(10)は、
前記動画像信号を1フィールド遅延するフィールド遅延手段(12)と、現フィールドの動画像信号と前記フィールド遅延手段によって遅延された1フィールド前の動画像信号にて構成される画像信号に時空間フィルタリング処理を行うフィルタ手段(14)とを備え、
前記量子化手段(18)は、
前記DCT手段(16)からの係数データのうち前記プリフィルタ手段(10)によって遮断された以外の周波数成分に対する係数データを所定のテーブル値(20)に基づいて除算する割算手段(18a)と、前記プリフィルタ手段(10)によって遮断された周波数成分に対する係数データとして所定値の係数データを出力する置換手段(18b)とを備える、
ことを特徴とする。
より好ましくは、前記置換手段(18b)から出力される係数データの値が、「0」であることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の動画像圧縮装置は、入力されたインターレースの動画像信号にフィルタリングを行い通過帯域を制限するプリフィルタ手段(10)と、このフィルタ処理された動画像信号をフィールド間動き補償圧縮符号化により符号化画像データに変換する第1圧縮符号化手段(30)と、このフィルタ処理された動画像信号をフレーム間動き補償圧縮符号化により符号化画像データに変換する第2圧縮符号化手段(32)と、この第1、第2圧縮符号化手段による圧縮符号化画像データを選択出力させる選択手段(38)とを備え、前記プリフィルタ手段(10)は、前記動画像信号を1フィールド遅延するフィールド遅延手段(12)と、現フィールドの動画像信号を前記フィールド遅延手段によって遅延された1フィールド前の動画像信号を用いて時空間フィルタリング処理を行うフィルタ手段(14)とを備えることを特徴とする。
〔作用〕
本発明では、プリフィルタ10によって既に削除されている空間周波数成分に関しては、後段の量子化回路18での割り算処理を省略する。
【0017】
また、本発明では、MPEG2等のフィールド間動き補償圧縮符号化と、フレーム間動き補償圧縮符号化とを適応的に行う動画像符号化装置において、そのプリフィルタをフィールド遅延信号を用いた時空間フィルタとする。
【0018】
【実施の形態】
図1〜図5を参照しつつ、本発明の第1実施例を説明する。
図1において、10aは、通常の映像信号が入力される入力端子である。通常の映像信号とは、インタレースのNTSC信号である。
10は、プリフィルタとしての時空間フィルタである。
【0019】
12は、フィールド遅延回路である。
14は、フィルタ回路である。
この時空間フィルタ10について、図2〜図4を参照しつつ、説明する。
通過特性を図2に示す。
図3に示すように画素Aを中心とした場合に、5×5画素の対称フィルタであり、そのタップ係数を図4に示す。
【0020】
このように、このフィルタ10では、斜め方向の高域成分をカットしている。
図1の16は、映像信号を8×8画素のブロックに変換し、このブロック単位でDCTを行うDCT回路である。
18は、量子化回路である。
20は、量子化テーブルである。この内容の一例を図5に示す。
【0021】
18aは、割り算回路である。
18bは、置換回路である。フィルタ10により、斜め方向の高域成分は既にカットされている。従って、この周波数成分に対応する係数データは、「0」のはずである。従って、このような係数データに対して、割算回路で割り算を行うのは無駄である。従って、このように、フィルタ10の処理により、その値が「0」と分かっている係数データは、割り算を行わずに「0」とする。
【0022】
この装置が、LSI等のハードウエアで具現され、8×8通りの割り算処理を並列処理するために、割り算回路を設けている装置においては、割り算回路の削減が可能である。また、この装置が、プログラム等のソフトウエアで具現される場合は、割り算のための処理時間が短縮され、符号化の高速化が計れる。
22は、可変長符号化回路である。この可変長符号化回路22は、図6に示されるように、量子化回路18からジグザグスキャンの順で出力された量子化済みの係数データを可変長符号化して出力する。この可変長符号化としては、ランレベル可変長符号化、ハフマン符号化等が考えられる。
【0023】
この装置の動作を説明する。
通常のTV信号が入力端子10aから、プリフィルタ10に入力される。
TV信号は、フィールド遅延回路12で約1フィールド遅延される。
つまり、1フィ−ルド遅延した映像信号(図3の×印の画素に対応)を得ることが出来る。
【0024】
フィルタ回路14は、図4に示される係数列によって構成され、図2に示される通過特性で、入力映像信号の斜め方向の高域を中心に周波数成分をカットしている。
DCT回路は、プリフィルタ処理された映像信号を8×8画素のブロック単位でDCTする。
【0025】
これにより、空間周波数成分が求められる。
【0026】
量子化回路18で量子化される。
量子化とは、行列除算である。
これは、各周波数成分と対応して所定の値を持った図5の行列で除算するものである。復号装置側(図示せず)は、可変長復号によって得られた量子化データと同じ量子化行列を乗算することにより、空間周波数成分を復元することが可能になる。つまり、人間の視覚特性が高周波側に対して鈍感であることを利用して、高周波側の行列値を大きくして、高周波では粗く符号化・復号化される。
【0027】
除算回路18aでは、上述の行列除算が行われる。
置換回路18bでは、置換が行われる。
つまり、プリフィルタ10で空間周波数が遮断された周波数成分に関しては、割り算回路18aで処理しなくても、その出力データは「0」である。そこで、この置換回路18bは、この対応する空間周波数成分の量子化データとして「0」を出力する。
【0028】
可変長符号化回路22では、可変長符号化を行う。
図6の如く、この出力順は、図6の如く、斜め方向の高周波成分は、後の方で連続する。従って、プリフィルタ10の特性により、可変長符号化回路22経入力されるデータは、後の方において、「0」が連続する可能性が高くなり、圧縮効率が高くなる可能性が高くなる。
【0029】
このように、本願では、不必要な割り算回路又は割り算処理又を削除できる。
【0030】
尚、第1実施例では、プリフィルタの特性と係数列を図2,図4の如く設定したが、図7,図8または図9,図10の如く、設定しても良い。つまり、斜め方向の高域を遮断する特性をもつものであればよい。
又、第1実施例では、除算回路18aでは、単なる割り算を行ったが、周知のレート制御を合わせて行ってもよい。つまり、図5の値でそのまま割り算をするのではなく、圧縮率に対応した量子化ステップ値(スカラ−値)倍した行列によって割り算を行ってもよい。
【0031】
又、この第1実施例では、動き補償に基づく圧縮符号化を行っていないが、プリフィルタとDCT回路16の間に、動き補償のための、ノンインタレ−スへの変換回路(フレーム画面化回路)、フレ−ム遅延回路、差分回路等を設けてもよい。
【0032】
図11を参照しつつ、本発明の第2実施例を説明する。
第1実施例と同一部分には、同一符号を付した。
【0033】
30は、フィールド間動き補償圧縮符号化回路である。この回路30は、圧縮対象フィ−ルドの画像データと、他フィ−ルドの画像データとの相関を利用し、その動き及び差分を用いて圧縮符号化を行うものである。
このフィールド間動き補償圧縮符号化回路30は、フィールド遅延信号の作成、この遅延フィールド信号との動き補償による差分データの検出、差分データのDCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。
【0034】
32は、フレーム間動き補償圧縮符号化回路である。この回路32は、圧縮対象フレームの画像データと、他フレームの画像データとの相関を利用し、その動き及び差分を用いて圧縮符号化を行うものである。
このフレーム間動き補償圧縮符号化回路30は、ノンインターレース信号(フレーム画面信号)への変換、フレ−ム遅延信号の作成、この遅延フレーム信号との動き補償による差分データの検出、差分データのDCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。また、これらの処理の特性は、それぞれフレーム間動き補償圧縮符号化に最適な値に設定されている。
【0035】
34は、フィ−ルド内圧縮符号化回路である。この回路34は、圧縮対象フィ−ルドの画像内の相関を利用して圧縮符号化を行うものである。
【0036】
このフィ−ルド内圧縮符号化回路34は、DCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。また、これらの処理の特性は、それぞれフィールド内圧縮符号化に最適な値に設定されている。
36は、フレーム内圧縮符号化回路である。この回路36は、圧縮対象フレームの画像内の相関を利用して圧縮符号化を行うものである。
【0037】
このフレーム内圧縮符号化回路36は、ノンインターレース信号(フレーム画面信号)への変換、DCT、この量子化、及び、可変長符号化等を行っている。また、これらの処理の特性は、それぞれフレーム内圧縮符号化に最適な値に設定されている。
38は、選択回路である。選択回路38は、各回路30.32.34,36からの圧縮率を示すデータを入力し、圧縮率の高い符号化を検出する。そして、その回路からの出力を許容する。
【0038】
このフレーム間動き補償圧縮符号化回路30に、最適なプリフィルタは、フレーム内の空間フィルタである。
また、フィ−ルド内圧縮符号化回路34に、最適なプリフィルタは、フィ−ルド内の空間フィルタである。
そこで、この第2実施例では、プリフィルタとして、図1に示すように、1フィールド遅延した映像信号を利用した時空間フィルタとした。
【0039】
このように、フィ−ルド遅延により時空間フィルタを用いる。
静止画像部分については、このフィールド遅延を用いた時空間フィルタは、フレーム内の空間フィルタと同じである。そして、静止部分であれば、フィ−ルド間動き補償符号化より、フレーム間動き補償符号化で符号化したほうが、圧縮効率は良い。従って、静止画像部分に関しては、実質的に、何ら問題はない。
【0040】
動画像部分については、このフィールド遅延を用いた時空間フィルタは、フィ−ルド間動き補償符号化及びフレーム間動き補償符号化で符号化した場合の、「ボケ」具合が同等であり、両者に適応することができる。
【0041】
【発明の効果】
このように、本願では、不必要な割り算回路又は割り算処理を削除できる。入力映像信号の斜め方向を中心に遮断しているので、これらを削減しても主観的な画質劣化は、少ない。
また、本願では、フレーム/フィールド間圧縮を画面内において適応的に切り換える符号化装置に、切り換え不要の最適なプリフィルタを取りつけることが、できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図である。
【図2】この第1実施例の特性を示す図である。
【図3】この第1実施例の動作を説明するための図である。
【図4】この第1実施例の係数を示す図である。
【図5】量子化テーブルの行列値を示す図である。
【図6】ジグザグスキャンを示す図である。
【図7】第2の特性を示す図である。
【図8】第2の係数を示す図である。
【図9】第3の特性を示す図である。
【図10】第3の係数を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す図である。
【符号の説明】
10・・・・・プリフィルタ(プリフィルタ手段)、
12・・・・・フィールド遅延回路(フィールド遅延手段)、
14・・・・・フィルタ回路(フィルタ手段)、
16・・・・・DCT回路(DCT手段)、
18・・・・・量子化回路(量子化手段)、
18a・・・・割り算回路(割算手段)、
18b・・・・置換回路(置換手段)、
20・・・・・量子化テーブル(テーブル値)、
22・・・・・可変長符号化回路(可変長符号化手段)、
30・・・・・フィールド間動き補償圧縮符号化回路(第1圧縮符号化手段)、
32・・・・・フレ−ム間動き補償圧縮符号化回路(第2圧縮符号化手段)、
33・・・・・選択回路(選択手段)。
Claims (3)
- 入力されたインターレースの動画像信号にフィルタリングを行い所定周波数成分を遮断するプリフィルタ手段(10)と、
このフィルタ処理された動画像信号をDCTするDCT手段(16)と、
このDCT手段(16)からの係数データを量子化する量子化手段(18)と、
この量子化手段(18)の出力を可変長符号化する可変長符号化手段(22)とを備え、
前記プリフィルタ手段(10)は、
前記動画像信号を1フィールド遅延するフィールド遅延手段(12)と、現フィールドの動画像信号を前記フィールド遅延手段によって遅延された1フィールド前の動画像信号を用いて時空間フィルタリング処理を行うフィルタ手段(14)とを備え、
前記量子化手段(18)は、
前記DCT手段(16)からの係数データのうち前記プリフィルタ手段(10)によって遮断された以外の周波数成分に対する係数データを所定のテーブル値(20)に基づいて除算する割算手段(18a)と、前記プリフィルタ手段(10)によって遮断された周波数成分に対する係数データとして所定値の係数データを出力する置換手段(18b)とを備える、
ことを特徴とする動画像圧縮符号化装置。 - 前記置換手段(18b)から出力される係数データの値は、「0」であることを特徴とする請求項1の動画像圧縮符号化装置。
- 入力されたインターレースの動画像信号にフィルタリングを行い通過帯域を制限するプリフィルタ手段(10)と、
このフィルタ処理された動画像信号をフィールド間動き補償圧縮符号化により符号化画像データに変換する第1圧縮符号化手段(30)と、
このフィルタ処理された動画像信号をフレーム間動き補償圧縮符号化により符号化画像データに変換する第2圧縮符号化手段(32)と、
この第1、第2圧縮符号化手段による圧縮符号化画像データを選択出力させる選択手段(38)とを備え、
前記プリフィルタ手段(10)は、
前記動画像信号を1フィールド遅延するフィールド遅延手段(12)と、現フィールドの動画像信号を前記フィールド遅延手段によって遅延された1フィールド前の動画像信号を用いて時空間フィルタリング処理を行うフィルタ手段(14)とを備える、
ことを特徴とする動画像圧縮符号化装置。
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