JP3574569B2 - スターリングエンジン - Google Patents

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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/001Gas cycle refrigeration machines with a linear configuration or a linear motor

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  • Magnetic Bearings And Hydrostatic Bearings (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低温の発生に用いられるスターリングエンジンに関し、特に、ガスベアリングを用いたピストン支持機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷熱の発生を目的としたフリーピストン型スターリングエンジンは、熱サイクル的には逆スターリングサイクルエンジンとも呼ばれている。
【0003】
図8は従来のスターリングエンジンの一構成例を示す断面構成図である。
図8において、ピストン1とディスプレーサ2はシリンダー3の内周壁面3−aを往復摺動可能に配されている。このシリンダー3は密閉された圧力容器4に固定されている。
【0004】
ピストン1及びディスプレーサ2は同軸上に構成されており、ディスプレーサ2に形成されたロッド2−aはシリンダー3の中心部に設けた摺動穴1−aを貫通し、ピストン1とディスプレーサ2はシリンダー3の内周摺動面3−aを滑らかに摺動可能である。
【0005】
また、ピストン1はピストン支持バネ5によって圧力容器4に対して弾性支持され、ディスプレーサ2はディスプレーサ支持バネ6によって圧力容器4に対して弾性支持されている。
【0006】
圧力容器4とシリンダー3により形成される空間はピストン1によって2つの空間に分割される。一つはピストン1のディスプレーサ2側である作動空間7であり、もう一つはピストン1のディスプレーサ2側と反対側である背面空間8である。
【0007】
作動空間7はディスプレーサ2でさらに2つの空間に分割されており、一つはピストン1とディスプレーサ2とに挟まれた圧縮空間7−aであり、もう一つはシリンダー3の先端部の膨張空間7−bである。この2つの空間は再生器9を介して連結され、再生器9は一般にメッシュ形状の銅材などにより形成されている。また、背面空間8はシリンダー3のピストン1が挿入された側を取囲むように形成されている。
【0008】
作動空間7と背面空間8には高圧のヘリウムガス等の作動媒体が充填されている。ピストン1は背面空間8に収められたリニアモータ等のピストン駆動体(図示せず)により所定周期で往復動される。これにより作動媒体は作動空間7内で圧縮、膨張される。ディスプレーサ2は、作動空間内で圧縮、膨張される作動媒体の圧力変化により直線的に往復動される。この時、ピストン1とディスプレーサ2は、一般に約90度の位相差をもって同一周期にて往復動するようディスプレーサ支持バネ6のバネ定数等は設定されている。膨張空間7−bで作動媒体を膨張させることにより、シリンダー3の先端のコールドヘッド10に冷熱を発生させるが、本構成のエンジンを用いた逆スターリング熱サイクルに関しては一般によく知られているのでここでは割愛する。
【0009】
ピストン1内部には加圧室11が形成されている。図示しないピストン駆動体により所定周期で往復動されるピストン1により作動空間7内で圧縮された作動媒体の一部は、加圧室11と作動空間7との連絡流路部12に設けられた逆止弁13を通って加圧室11内に一時的に蓄えられる。逆止弁13はピストン1の動きにより作動空間7内の作動媒体圧力が下がったときに、加圧室11内の作動媒体が作動空間7内へ逆流するのを防ぐために設けられている。
【0010】
ピストン1に固定されたオリフィス14には加圧室11とピストン1、シリンダー3間のクリアランス部15とを結ぶ小径孔14−aが設けられており、加圧室11内の作動媒体の流出量を絞ってクリアランス部15に噴出させ、クリアランス部15に作動媒体の気体膜を形成する。
【0011】
このように構成されるガスベアリンク機構により、ピストン1はシリンダー内周摺動面3−aを非接触状態で摺動可能となるのに加え、圧縮空間7−aと背面空間8との間の作動媒体の流れを遮断するシール手段を兼ねる。一方、ディスプレーサ2に関しても前記ピストン1と同様のガスベアリング機構を用いることにより、シリンダー内周摺動面3−aを非接触状態で摺動可能となる。
【0012】
ところで、本構成のスターリングエンジンでは、ピストン1はある定まった一定周期で図示しないピストン駆動体により往復動される。これは、ピストン1、ディスプレーサ2の運動はバネの共振現象を利用しているためである。ピストン1に関しては主にピストン支持バネ5と作動空間7内の作動媒体のバネ効果による共振であり、ディスプレーサ2に関しては主にディスプレーサ支持バネ6による共振である。したがって、ピストン1を往復動させる際、ピストン1のバネ系を考慮した駆動周波数に設定する必要があるのと同時に、ディスプレーサ2のバネ系はこのピストン駆動周波数に合わせて設定される必要がある。したがって、ピストン1、ディスプレーサ2は常に一定の周波数にて駆動されている。
【0013】
冷熱発生を目的とした本構成のスターリングエンジンを各種装置の冷却器として用いる場合、冷却される領域の温度をある一定温度に保持するためにはこのスターリングエンジンの出力を制御する必要がある。冷却領域の温度を急速に低下させたい場合は、出力を大きくする必要があり、冷却領域の温度を一定に保持する場合には低出力でも可能である。
【0014】
上述のように、ピストン1、ディスプレーサ2の駆動周波数は常に一定であり、この条件下で出力を変動させるためにはピストン1の振幅を変えてやる必要がある。大きな出力を得るためには大きなピストン振幅が必要であり、小さな出力を得るためには小さなピストン振幅を必要とする。ピストン振幅が大きな場合、作動空間内の作動媒体の圧力変動も大きくなり、加圧室11へも高圧の作動媒体が蓄えられる。逆にピストン振幅が小さな場合、作動空間内の作動媒体の圧力変動も小さくなり、加圧室11へは低圧の作動媒体が蓄えられる。
【0015】
図9にピストン1の振幅大きさと加圧室11内作動媒体圧力の大きさとの関係の一例を示す。
【0016】
スターリングエンジンに求められる出力範囲に対応したピストンの振幅の大きさをXpmin〜Xpmaxとすると、加圧室内の圧力はPmin〜Pmaxの範囲で変化する。
【0017】
ガスベアリングによる支持構造の場合、加圧室11内の作動媒体の圧力が高いほど支持力も大きくなる。ところが、ただ単にこの支持力が大きくなるようなガスベアリング支持構造の設計を行った場合、一般にニューマティックハンマと呼ばれる自励振動により、ピストン等の可動軸が大きな振動音を発して激しく振動する現象を起こす場合がある。このガスベアリングの不安定現象に関しては、例えば「気体軸受 −設計から製作まで− 第4章 十合晋一著 共立出版」に詳細に記述されている。この中では、ピストン1とシリンダー3とのクリアランス部15の大きさや、オリフィス小径孔14−aの大きさ、長さ等のガスベアリング各部の形状が設計された場合、ガスベアリングが上記自励振動を起こさずに安定して動作するためには、加圧室11内作動媒体圧力がある許容圧力を超えないことが必要であることが分かる。
【0018】
図10にあるガスベアリング設計条件下で加圧室圧力の大きさを変えた際、上記自励振動を起こさず安定にガスベアリング支持構造が動作可能か、あるいは上記自励振動を起こして不安定な動作を起こしてしまうかの安定・不安定判別結果の一例を示す。
【0019】
加圧室圧力が境界値Pbより小さい場合には自励振動に関しては安定であり、加圧室圧力が境界値Pbを超える場合には自励振動を発生し不安定な動作を起こしてしまうことになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、加圧室内の作動媒体圧力はPmin〜Pmaxの範囲で変化する。したがって、上記自励振動の安定・不安定判別を考えた際、加圧室圧力の最大値Pmaxの大きさが上記境界値Pbの値を超えない場合には問題がないが、仮にPmax>Pbとなる場合には自励振動が発生する不安定領域となり、ガスベアリングの安定動作に関して重大な問題を生ずることがあった。
【0021】
本発明は上記課題を解決するためになされたもであって、大きな冷却出力を得るようエンジンを運転した際にも、安定したピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを提供することを目的とする。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するためになされたものであって、請求項1記載の発明は、シリンダと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記ピストンのシリンダ内の往復運動に伴って、作動空間内で圧縮、膨張を繰返す作動媒体の働きにより駆動されるディスプレーサと、前記ピストン内部に形成され、作動空間内で圧縮された作動媒体を一時的に蓄える加圧室と、前記加圧室内の作動媒体を前記ピストンと前記シリンダーとのクリアランス部に噴出するオリフィスとを具備するスターリングエンジンであって、前記加圧室の圧力が特定圧力を超えないように、前記加圧室の圧力を制御する圧力制御手段を設けたことを特徴とするスターリングエンジンである。
【0023】
また、請求項2記載の発明は、前記請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、前記圧力制御手段は、加圧室と作動空間とを結ぶ連結流路をオリフィス構造とすることを特徴とするスターリングエンジンである。
【0024】
また、請求項3記載の発明は、前記請求項2記載のスターリングエンジンにおいて、前記オリフィス構造は、薄板状の逆止弁と、当該逆止弁の当り部材とによって構成されることを特徴とするスターリングエンジンである。
【0025】
また、請求項4記載の発明は、前記請求項2記載のスターリングエンジンにおいて、前記オリフィス構造は、非線形バネを有する構成であることを特徴とするスターリングエンジンである。
【0026】
また、請求項5記載の発明は、前記請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、前記圧力制御手段は、前記加圧室内の作動媒体圧力がある所定の圧力を超えた際に開放される弁から構成されることを特徴とするスターリングエンジンである。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図をもとに本発明について詳細に説明する。なお、これによって本発明は限定されるものではない。
【0028】
[実施例1]
図1は加圧室の圧力を制御する圧力制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【0029】
一定周期で駆動されるピストンがディスプレーサ側に変位すると、圧縮空間の作動媒体が圧縮され圧縮空間内圧力が上昇する(ステップS1)。加圧室内に設けられた圧力検知手段により加圧室内の圧力Pcはモニターされ(ステップS2)、圧縮空間内圧力Paが加圧室内圧力Pcより高くなると(ステップS3)、圧縮空間と加圧室を結ぶ流路に設けられた逆止弁が開き(ステップS4)、加圧室内に作動媒体が流入する。この時、ガスベアリングの安定・不安定動作の境界である加圧室圧力Pbを超えないような加圧室内基準圧力として、安定境界値Pb1が予め設定されている。加圧室内圧力Pcは安定境界値Pb1と比較され(ステップS5)、ガスベアリングの安定動作条件であるPc<Pb1(No)の場合は、加圧室の圧力が圧縮空間の圧力Paと等しくなる条件Pc=Paまで逆止弁が開かれる(ステップS6)。一方、逆止弁が開かれて加圧室内の圧力が上昇し、ガスベアリングが安定に動作するための安定境界値Pc=Pb1(Yes)となった場合は、圧力制御手段により逆止弁の開度が制限、あるいは閉鎖され、加圧室の圧力が境界値Pbを超えないように制御される(ステップS7)。
【0030】
加圧室に一時的に蓄えられた作動媒体は、ガスベアリングを動作させる媒体として加圧室外部へ流出するため加圧室内圧力は低下するが、ピストンは一定周期で往復動されており、ピストンによる作動媒体の圧縮も同じ周期にて引き起こされ、上述のフローを繰返すことになる。
【0031】
なお、本フローチャートでは、加圧室の圧力が安定境界値Pc=Pb1となった場合に、逆止弁の開度が制限、あるいは閉鎖され、加圧室の圧力が境界値Pbを超えないように制御する構成としたが、圧縮空間から加圧室内へ流入する作動媒体を常に制御し、加圧室の圧力が境界値Pbを超えないよう制御する構成とすることも可能である。
【0032】
[実施例2]
図2は加圧室と作動空間とを結ぶ流路をオリフィス構造とし圧力制御手段を形成した一実施例のスターリングエンジン主要構造断面図である。
【0033】
ピストン1内部には加圧室11が形成されている。図示しないピストン駆動体により所定周期で往復動されたピストン1により作動空間内7で圧縮された作動媒体の一部は、加圧室11と作動空間7との連絡流路部16、逆止弁17を通って加圧室11内に一時的に蓄えられる。逆止弁17はピストン1の動きにより作動空間7内の作動媒体圧力が下がったときに、加圧室11内の作動媒体が作動空間7内へ逆流するのを防ぐために設けられている。
【0034】
ピストン1に固定されたオリフィス14には加圧室11とピストン1、シリンダー3間のクリアランス部15とを結ぶ小径孔14−aが設けられており、加圧室11内の作動媒体の流出量を絞ってクリアランス部15に噴出させ、クリアランス部15に作動媒体の気体膜を形成する。このように構成されるガスベアリンク機構により、ピストン1はシリンダー内周摺動面3−aを非接触状態で摺動可能となるのに加え、圧縮空間7−aと背面空間8との間の作動媒体の流れを遮断するシール手段を兼ねる。
【0035】
ところで、連絡流路部16は、従来、作動媒体の流入時に大きな流路抵抗とならないような形状とされており、ガスベアリングを構成するオリフィス小径孔14−aに比較して遥かに大きい孔形状であった。それに対して、本実施例の連絡流路部は、圧力損失を生じるような孔径、長さが設定されたオリフィス小径孔形状に形成されている。
【0036】
図3は加圧室11部分を示す拡大断面図である。
ピストン1内部の加圧室11と作動空間7を結ぶ連結流路は小径孔のオリフィス16が形成されている。加圧室側のオリフィス端部には逆止弁17が設けられている。逆止弁17は薄い板バネで形成され、その一端は加圧室壁面11−aに固定されており、作動媒体の流れは作動空間7側から加圧室11側への一方向のみ可能としている。圧力制御手段であるオリフィス16は、作動媒体が流れる際に流路抵抗として働くため、加圧室11に流入する作動媒体の圧力Pcは作動空間7の作動媒体圧力Paより低い値とすることができる。
【0037】
したがって、スターリングエンジンに最大の冷却能力を出すよう運転する際に作動空間に発生する最大圧力Pcmaxが、ガスベアリングが安定に動作する加圧室圧力安定境界値Pb1以下となるように圧力制御手段であるオリフィス形状を形成することにより、冷却能力の大きさに影響されず、常に安定たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを得ることができる。
【0038】
[実施例3]
図4は圧力制御手段であるオリフィス構造を、薄板状の逆止弁18と逆止弁18の当り部材19とにより形成した状態を示す図である。
【0039】
なお、ここで示す圧力制御手段を成すオリフィス形状は、ある程度の長さを持つ小径孔にて形成したものではなく、薄板状の逆止弁18の開口の大きさを制限することで小径孔のオリフィスを設けるのと同様の圧力損失効果を得るようにしたものである。
【0040】
加圧室11と作動空間7とを結ぶ連結流路20の加圧室11側には、薄板状の逆止弁18が設けられ、その一端は加圧室壁面11−aに固定されており、作動媒体の流れは圧縮空間7−a側から加圧室11側への一方向のみ可能としている。逆止弁当り部材19は薄板状の逆止弁18に近接して加圧室壁面11−bに固定されている。
【0041】
逆止弁当り部材19がない場合、作動空間7内でピストンにより圧縮され高い圧力となった作動媒体は、連結流路20を通って一気に加圧室11内に流れ込み、加圧室内圧力は作動空間内圧力とほぼ同じ圧力に高められてしまう。
【0042】
作動空間7の圧力が加圧室11より高い場合、流入する作動媒体の圧力により薄板状の逆止弁18は大きく変形し連結流路20は十分に開放されるが、本実施例においては逆止弁当り部材19を逆止弁18に近接して設けており、逆止弁当り部材19に薄板状の逆止弁18の変形量は制限されよう構成している。
【0043】
逆止弁当り部材19を連結流路開口部20−aから離して設定した場合、薄板状の逆止弁18は大きく変形し連結流路20は十分に開放されるが、逆止弁当り部材19を連結流路開口部20−aに近接させた場合、薄板状の逆止弁18の変形は小さく連結流路20の開放量を非常に小さくすることができる。
【0044】
変形時の薄板状の逆止弁18と連結流路開口部20−aとの間を微小隙間に設定した場合、連結流路に小径孔のオリフィスを設けて圧力損失効果を得るのと同様の効果を得ることができる。その結果、加圧室11に流入する作動媒体の圧力は作動空間7の作動媒体圧力より低い値とすることができ、冷却能力の大きさに影響されず、常に安定たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを得ることができる。
【0045】
[実施例4]
図5は加圧室11と作動空間7とを結ぶ連絡流路部が非線形バネを含むオリフィス構造により形成された状態を示す図である。
【0046】
加圧室内壁面11−bにその一端が固定されたバネ支持材21と薄板状の逆止弁18との間には逆止弁当り部材としての非線形バネ22が設けられており、そのバネ力により薄板状の逆止弁18が連絡流路20を閉じる方向に加圧している。この非線形バネ22により薄板状の逆止弁18の変形量が制限されるよう構成されている。
【0047】
バネは一般に線形性を有し、変位量とその変位に有する力とは比例関係にある。一方非線形バネは変位量とその変位に有する変形力とは比例関係にはなく、例えば、変位を2倍とするのに必要とする変形力が4倍となるなどの特性を持つ。
【0048】
本実施例の非線形バネ22は、図6に示すような変位量の増加の割合より、その変位に要する変形力増加の割合が大きな特性を有しており、言い換えれば、小さな力を加えることにより変形は開始するが、さらに変形させようとするとより一層大きな力が必要となり変形し難い構造となっている。
【0049】
このような非線形バネの製作方法は、例えば、コイルバネ巻線間隔を徐々に変えたり、あるいはまた、コイルバネのバネ線材径を徐々に変えたり、あるいはまた、長さの異なる板バネを積層構造にするなど種々の方法で可能である。
【0050】
ピストン振幅が小さな場合、作動空間7内で圧縮される作動媒体の圧力はさほど上昇しない。作動空間7から加圧室11へ連絡流路20を通って流入する作動媒体の圧力により薄板状の逆止弁18は変形されるが、前述のように逆止弁当り部材は小さな変形力でも変位できるバネであるため、作動媒体は作動空間7から加圧室11に十分に流入し、加圧室11内の作動媒体圧力は作動空間7内の圧力に近い値まで高められる。
【0051】
一方、ピストン振幅が大きな場合、作動空間7内で圧縮される作動媒体の圧力は大きく上昇する。作動空間7から加圧室11へ流入する作動媒体の大きな圧力により薄板状の逆止弁18には大きな変形力が作用するが、上述のように逆止弁当り部材は大きな力を加えてもその変位量はさほど大きくならない非線形バネ22にて形成されているため、作動媒体の加圧室11への流入量が制限される。その結果、加圧室11に流入する作動媒体の圧力は作動空間7の作動媒体圧力より低い値とすることができ、冷却能力の大きさに影響されず、常に安定たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを得ることができる。
【0052】
[実施例5]
図7は加圧室11内の作動媒体圧力がある所定の圧力を超えた際に開放される弁手段をピストン1に形成した状態を示す図である。
【0053】
加圧室11と作動空間7を結ぶ連結流路は小径孔を持つオリフィス16にて形成され、加圧室側のオリフィス端部には逆止弁17が設けられて第1の圧力制御手段が形成されている。
【0054】
一方、第2の圧力制御手段として、加圧室壁面には加圧室11と背面空間8とを結ぶ第2の連結流路23が設けられ、背面空間側の連結流路端部には第2の逆止弁24が設けられている。ここでの作動媒体の流れは加圧室11側から背面空間8側への一方向のみ可能とされている。逆止弁24は板バネで形成され、その一端はピストン端面1−aに固定されており、板バネを予め変形させ所定の与圧力が与えられている。
【0055】
今、第2の逆止弁24に与える予圧力の大きさFpを、ガスベアリングが安定に動作する加圧室圧力安定境界値Pb1時に第2の逆止弁に作用する力の大きさFpb1と同じ値に設定したとする。エンジンが正常に運転されている場合、ピストンにより作動空間内で圧縮された作動媒体が加圧室に流入する際の加圧室内圧力は、前記第1の圧力制御手段によりガスベアリングが安定に動作する加圧室圧力安定境界値Pb1以下とされる。
【0056】
ところが、何らかの異常が発生し、例えば、リニアモータ等のピストン駆動体(図示せず)への入力が大きくなった際、ピストン振幅が増大し作動空間内の作動媒体圧力も当初予定値よりも大きくなる事態が発生する。この時、加圧室11内には加圧室圧力安定境界値Pb1超える作動媒体が流入し、その結果、ガスベアリングの自励振動を発生し、ピストンが激しく振動しエンジン内部が破損するなど重大な問題を引き起こす可能性がある。
【0057】
本実施例では、第2の圧力制御手段として、加圧室壁面には加圧室11と背面空間8とを結ぶ第2の連結流路23を設け、背面空間側の連結流路端部には第2の逆止弁24を設けた。このため、万一、加圧室内の作動媒体圧力Pcが安定境界値Pbと等しい圧力になった場合、加圧室11内の作動媒体はこの逆止弁24から背面空間8へ放出され、加圧室内の圧力Pcが境界値Pbを超えないように制御される。図7では、第2の逆止弁24が開放された状態を示している。その結果、常に安定たピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを得ることができる。
【0058】
上述の実施例1〜5の説明では、ピストン部分ついて説明したが、ディスプレーサ部分に関しても同様の構成をとり安定したディスプレーサの摺動が可能となる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、シリンダと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記ピストンのシリンダ内の往復運動に伴って、作動空間内で圧縮、膨張を繰返す作動媒体の働きにより駆動されるディスプレーサと、前記ピストン内部に形成され、作動空間内で圧縮された作動媒体を一時的に蓄える加圧室と、前記加圧室内の作動媒体を前記ピストンと前記シリンダーとのクリアランス部に噴出するオリフィスとを具備するスターリングエンジンであって、加圧室の圧力を制御する圧力制御手段を設けたことにより、自励振動が発生せず、安定したピストンの摺動を可能とする信頼性の高いスターリングエンジンを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の圧力制御手段の動作を示すフローチャート図である。
【図2】実施例2のスターリングエンジン主要構造断面図である。
【図3】実施例2の圧力制御手段の構成を示す図である。
【図4】実施例3の圧力制御手段の構成を示す図である。
【図5】実施4の圧力制御手段の構成を示す図である。
【図6】非線形バネの特性を示す図である。
【図7】実施例5の圧力制御手段の構成を示す図である。
【図8】従来のスターリングエンジン主要構造断面図である。
【図9】ピストンの振幅大きさと加圧室内作動媒体圧力の大きさとの関係を示す図である。
【図10】加圧室内圧力とガスベアリング安定動作判別との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 ピストン
2 ディスプレーサ
3 シリンダー
4 圧力容器
5 ピストン支持バネ
6 ディスプレーサ支持バネ
7 作動空間
8 背面空間
9 再生器
10 コールドヘッド
11 加圧室
12、20、23 連結流路
13、17、18、24 逆止弁
14、16 オリフィス
19 逆止弁当り部材
22 非線形バネ

Claims (5)

  1. シリンダと、前記シリンダ内を往復運動するピストンと、前記ピストンのシリンダ内の往復運動に伴って、作動空間内で圧縮、膨張を繰返す作動媒体の働きにより駆動されるディスプレーサと、前記ピストン内部に形成され、作動空間内で圧縮された作動媒体を一時的に蓄える加圧室と、前記加圧室内の作動媒体を前記ピストンと前記シリンダーとのクリアランス部に噴出するオリフィスとを具備するスターリングエンジンであって、
    前記加圧室の圧力が特定圧力を超えないように、前記加圧室の圧力を制御する圧力制御手段を設けたことを特徴とするスターリングエンジン。
  2. 前記請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記圧力制御手段は、加圧室と作動空間とを結ぶ連結流路をオリフィス構造とすることを特徴とするスターリングエンジン。
  3. 前記請求項2記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記オリフィス構造は、薄板状の逆止弁と、当該逆止弁の当り部材とによって構成されることを特徴とするスターリングエンジン。
  4. 前記請求項2記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記オリフィス構造は、非線形バネを有する構成であることを特徴とするスターリングエンジン。
  5. 前記請求項1記載のスターリングエンジンにおいて、
    前記圧力制御手段は、前記加圧室内の作動媒体圧力がある所定の圧力を超えた際に開放される弁から構成されることを特徴とするスターリングエンジン。
JP21206898A 1998-07-28 1998-07-28 スターリングエンジン Expired - Fee Related JP3574569B2 (ja)

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