JP3577384B2 - 酸化タンタル薄膜の製造方法及び酸化タンタル薄膜形成材料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学的気相成長(CVD)法による酸化タンタル薄膜の製造方法及びそれに用いる酸化タンタル薄膜形成材料に関し、更に詳細には大容量メモリ半導体素子用絶縁膜として好適に使用することができる酸化タンタル薄膜の製造方法及びそれに用いる酸化タンタル薄膜形成材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子用絶縁膜として、大容量メモリ化を図るため容量部に高誘電率膜である酸化タンタル薄膜の導入が進められている。このような酸化タンタル薄膜を成膜する方法として、例えば特開昭61−190074号公報には、反応室に導入された金属アルコキシドガスを有効成分とするガスに対して紫外光を照射して光励起反応を生ぜしめ、基板表面に金属酸化物を形成することを特徴とする酸化物薄膜の形成方法が開示されており、また、特開平4−115533号公報には、ダイナミック−ランダム・アクセス・メモリにおける蓄積容量形成用絶縁膜に適用するTa(OCの酸化種として、Oガスを用いることを特徴とする半導体素子の製造方法が開示されている。これらの公報では、従来のスパッタ法で生ずる荷電粒子による基板への損傷が少ない、Ta(OCH、Ta(OC等のTaアルコキシドを酸化タンタル薄膜原料として使用したCVD方法が提案されている。
【0003】
そして、現在では、CVD法により酸化タンタル薄膜を成膜するに適した特性(蒸気圧、融点等)の観点から、半導体素子用絶縁膜としての酸化タンタル薄膜のCVD原料として、Ta(OCの実用化が検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、現在、原料としての使用が検討されているTa(OCは、その熱的特性として、蒸気圧が202℃/10ト−ル、147℃/0.2ト−ルと低く、融点が21℃を示して大気温度によっては一部結晶化する等作業性に難があり、また、空気中の水分による加水分解性が高いといった難点があるため、半導体素子用絶縁膜として均一で良好な酸化タンタル薄膜を得るには、原料であるTa(OCを窒素などの不活性ガスで封入して水分を1ppm以下に保たなければならないこと、及び所定の気化量を得るためには原料のみならず、CVD装置の配管、バルブ類も耐熱温度の極限に近い高温に保持しておく必要があるなど、多大且つ困難を伴う工夫を要する。
【0005】
従って、本発明の目的は、CVD成膜方法による上記の問題点を解決するため、作業性に優れ、均一でかつ良好な特性を有する酸化タンタル薄膜の形成方法を提供することにある。
【0006】
又、本発明の他の目的は、作業性に優れ、均一でかつ良好な特性を有する酸化タンタル薄膜を形成することのできる酸化タンタル薄膜形成材料を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、化学的気相成長法による酸化タンタル薄膜の製造方法において、一般式
【化3】
Figure 0003577384
(式中、mは、2〜4の整数、R及びR’は、炭素数1〜2のアルキル基を表し、Meは、メチル基を表す)
で示されるタンタル化合物の一種若しくは二種以上を酸化タンタル薄膜原料として使用することを特徴とする酸化タンタル薄膜の製造方法に係る。
【0008】
又、本発明は、一般式
【化4】
Figure 0003577384
(式中、mは、2〜4の整数、R及びR’は、炭素数1〜2のアルキル基を表し、Meは、メチル基を表す)
で示されるタンタル化合物の一種若しくは二種以上からなることを特徴とする酸化タンタル薄膜形成材料に係る。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の酸化タンタル薄膜形成材料は、以下の一般式で表されるタンタル化合物から選択される一種若しくは二種以上である:
【化5】
Figure 0003577384
(式中、mは、2〜4の整数であり、Rは、炭素数1〜2のアルキル基を表し、特に、エチル基が好ましく、R’は、炭素数1〜2のアルキル基を表し、Meは、メチル基を表す)
【0010】
これらに該当するタンタル化合物としては種々挙げることができるが、好ましくはTa(OCH、Ta(OCに比べて蒸気圧が高く、融点が0℃未満にあり、且つ水との反応性が低いものが良く、特に、以下の表1に示した蒸気圧と融点を有するタンタル化合物及びこれらの混合物が適当である。
【0011】
【表1】
Figure 0003577384
【0012】
上述のようなタンタル化合物を原料とするCVD法により、作業性良く、均一で良好な酸化タンタル薄膜を形成することができる。
【0013】
本発明の酸化タンタル薄膜の製造方法を実施するには、CVD成膜装置として常圧熱CVD装置、減圧熱CVD装置、または減圧プラズマCVD装置を用いることができる。原料として使用されるタンタル化合物は80〜160℃の温度に保持し、窒素、アルゴンなどの不活性ガスをキャリアガスとして吹き込むことにより、タンタル化合物同伴ガスとしてCVD装置の反応器へ導入することができる。ここで、タンタル化合物の温度を上記範囲内に保持するのは適当な蒸気圧を保つためであり、この範囲外では一定の成膜速度を保ち、均一な酸化タンタル薄膜を得る条件としての蒸気圧が不適当となる。
【0014】
尚、原料ガスの導入方法は、上記方法に限定されるものではなく、例えば、原料を液状のまま別に設置した気化器に所定量連続的に送液し、そこで120〜200℃の温度で瞬間的に蒸発させながら反応器に導入する方法等を使用することも可能である。
【0015】
また、CVD装置を使用して酸化タンタル薄膜を形成するに際しての基板の加熱温度は300〜600℃、好ましくは400〜500℃程度である。加熱温度が上記範囲外では均一な酸化タンタル薄膜が得られにくく、特に、300℃未満の温度では有機分が酸化タンタル薄膜中に残留するなどの可能性が大きいために好ましくない。なお、基板としては、シリコンウエハ、各種ガラス等を使用することができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】
更に、酸化タンタル薄膜の膜厚は、膜成長時間をコントロ−ルすることにより、任意の膜厚に制御することができる。
【0017】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
実施例1
図1は、本実施例で使用した熱CVD装置の模式的構造図である。図1において、(1)はキャリアガス、(2)は気化室で、内部に原料であるTa化合物を所定の温度に加熱できる構成となっている。(3)は酸化ガスであり、(4)は反応器で外部に加熱手段(7)が設置されており、反応器(4)からの排ガスは排気口(6)から排気される構成となっている。
まず、酸化タンタル薄膜形成材料としてTa(OC(CHCOCHCOOCHを気化室に充填し、100℃に保温して蒸気圧を一定にした。一方、反応器(4)内の基板(5)としてポリシリコン[直径6インチ(100)P型CZ法研磨シリコンウエハ]を用い、500℃に加熱した。次に、キャリアガス(1)としてアルゴンを用い、気化室(2)に50ml/分の割合で吹き込み、反応器(4)内へ原料を同伴したガスを送り込んだ。更に、酸化ガス(3)として酸素を反応器(4)内へ100ml/分の割合で吹き込み、反応器から(4)からの排ガスを5ト−ルの減圧で排気口(6)から除去し、10分間の反応でウエハ(5)上に厚さ約40nmの酸化タンタル(Ta)薄膜を形成した。
得られた酸化タンタル薄膜の膜厚をウエハ基板面の数箇所で膜厚計を用いて計ったところ次のようになり、膜厚の平均値に対する均一度は±1.2%以下であった。
【0018】
Figure 0003577384
【0019】
実施例2
実施例1の装置を用いて、酸化タンタル薄膜製形成材料をTa(OC(CHCOCHCOOCH、ウエハの加熱温度を400℃に、排ガスの除去を2ト−ルの減圧とした他は実施例1と同様に成膜を行った結果、ウエハ上に厚さ38nmの酸化タンタル(Ta)薄膜を形成した。
得られた酸化タンタル薄膜の膜厚をウエハ基板面の数箇所で膜厚計を用いて計ったところ次のようになり、膜厚の平均値に対する均一度は±1.0%以下であった。
【0020】
Figure 0003577384
【0021】
実施例3
実施例1の装置を用いて、酸化タンタル形成材料をTa(OC(CHCOCHCOOCHとTa(OC(CHCOCHCOOCHの混合物(等モル比)、ウエハの加熱温度を450℃にした他は実施例1と同様に成膜を行った結果、ウエハ上に厚さ39nmの酸化タンタル(Ta)薄膜を形成した。
得られた酸化タンタル薄膜の膜厚をウエハ基板面の数箇所で膜厚計を用いて計ったところ膜厚の平均値に対する均一度は±1.1%以下であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の効果は、作業性に優れ、均一でかつ良好な特性を有する酸化タンタル薄膜の製造方法を提供したことにある。
又、本発明の他の効果は、作業性に優れ、均一でかつ良好な特性を有する酸化タンタル薄膜を形成することのできる酸化タンタル薄膜形成材料を提供したことにある。
本発明による酸化タンタル薄膜は大容量メモリ半導体用絶縁膜として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で使用した熱CVD装置の模式的構造図である。
【符号の説明】
1 キャリアガス
2 気化室
3 酸化ガス
4 反応器
5 ウエハ(基板)
6 排気口
7 加熱手段

Claims (2)

  1. 化学的気相成長法による酸化タンタル薄膜の製造方法において、一般式
    Figure 0003577384
    (式中、mは、2〜4の整数、R及びR’は、炭素数1〜2のアルキル基を表し、Meは、メチル基を表す)
    で示されるタンタル化合物の一種若しくは二種以上を酸化タンタル薄膜原料として使用することを特徴とする酸化タンタル薄膜の製造方法。
  2. 一般式
    Figure 0003577384
    (式中、mは2〜4の整数、R及びR’は、炭素数1〜2のアルキル基を表し、Meは、メチル基を表す)
    で示されるタンタル化合物の一種若しくは二種以上からなることを特徴とする酸化タンタル薄膜形成材料。
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