JP3578846B2 - 光重合性組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン性不飽和の重合性化合物に、二種の光重合開始剤を配合した光重合性組成物に関し、詳しくは、広い波長領域の光に対して優れた感度を有する光重合性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
光重合性組成物は、エチレン性不飽和の重合性化合物に光重合開始剤を加えたものであり、この光重合性組成物に光照射することによって重合硬化させることができるので、光硬化性インキ、感光性印刷版、各種フォトレジスト等に用いられている。
【0003】
この光重合性組成物に用いられる光重合開始剤として、光照射により分解してハロゲン遊離基を発生するハロメチルトリアジン化合物を使用することが知られている。これらのハロメチルトリアジン化合物のなかでも、2−アリール−4,6−ビス(トリハロメチル)−s−トリアジンは感度が比較的良好なことが知られており、例えば、特開昭53−133428号公報には、2−位のアリール基として、2環もしくは多環の芳香族基または複素環式芳香族基を用いた化合物を用いることが提案されており、特に、アリール基としてナフチル基を用いた場合に良好な結果が得られることが記載されている。
【0004】
しかしながら、上記の特開昭53−133428号公報に記載された化合物の感度は実用上は満足しえるものではなく、多量に用いるかあるいは長時間の光照射が必要となるばかりでなく、エチレン性不飽和結合を有する化合物に対する溶解性が不十分であるため、光重合性組成物の経時安定性に劣る欠点があった。
【0005】
また、特開昭63−70243号公報には、2位のナフチル基にアマイド結合またはエステル結合を有する置換基を導入することによって経時安定性を改善することが提案されているが、この場合にも光開始剤としての感度は満足しえるものではなかった。
【0006】
このため、本発明者等は、カルバゾリル基を有するハロメチルトリアジン化合物が優れるばかりでなく、光重合開始剤としての感度が良好なばかりでなく、光重合性組成物とした場合にも経時安定性に優れることを見いだし、先に特願平7−15705号として出願したが、その後さらに検討を加えた結果、カルバゾリル基を有するハロメチルトリアジン化合物は約400nm以下の比較的短波長領域の光に対しては優れた感度を有するが、それ以上の長波長領域の光に対する感度が不十分であり、実用上は未だ満足しえるものではないことを知見した。
【0007】
また、ジアルキルアミノ基で置換されたクマリン化合物は比較的長波長領域の光によってもエチレン性不飽和結合を有する化合物を重合させることが知られているが、その感度は全く不十分であり、多量に用いるかあるいは長時間の光照射が必要となる欠点があった。また、日本化学会誌1984年1月号192〜198頁にはクマリン化合物とハロメチルトリアジン化合物等のラジカル発生剤との組み合わせが長波長領域において良好な感度を示すことが報告されているが、これらを併用した場合にもその効果は相加的なものに過ぎず、実用上満足できるものではなかった。
【0008】
従って、本発明の目的は、広い波長領域の光に対して優れた感度を有し、短時間の光照射によって必要なまでにエチレン性不飽和化合物の重合を進行させることができる光重合性組成物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段題】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、エチレン性不飽和化合物に、特定のハロメチルトリアジン化合物および特定のクマリン化合物を併用して配合した組成物が、上記目的を達成し得ることを知見した。
【0010】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、エチレン性不飽和の重合性化合物、下記〔化3〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(I)で表されるカルバゾリルトリアジン化合物および下記〔化4〕(前記〔化2〕と同じ)の一般式(II)で表されるクマリン化合物を含有する光重合性組成物を提供するものである。
【0011】
【化3】
【0012】
【化4】
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光重合性組成物について詳細に説明する。
【0014】
本発明に用いられる上記一般式(I)で表されるカルバゾリルトリアジン化合物(以下、単に「化合物(I)」ということもある)は、後述の上記一般式(II)で表されるクマリン化合物(以下、単に「化合物(II)」ということもある)とともに光重合開始剤として使用されるものである。
【0015】
上記化合物(I)において、R1およびR2で示される炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル等の基があげられ、R1、R2およびXで示されるハロゲン原子としては塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等の原子があげられ、R3で示される炭素原子数1〜12のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,4−ブチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデカメチレン、ドデカメチレン等の基があげられ、R4で示される炭素原子数1〜12のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第二ブチル、第三ブチル、アミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、第三オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の基があげられ、R4で示される炭素原子数1〜12のアルキル基もしくはハロゲン原子で置換されていてもよいアリール基もしくはアラルキル基としては、例えば、上記のアルキル基またはハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル、ナフチル、ベンジル、フェニルエチル等の基があげられ、炭素原子数5〜12のシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロドデシル、4−メチルシクロヘキシル等の基があげられ、総炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基としては、例えば、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−ブトキシエチル、2−オクトキシエチル、2−メトキシ−1−メチルエチル、2−エトキシ−1−メチルエチル、2−ブトキシ−1−メチルエチル、2−メトキシ−1−エチルブチル、3−メトキシブチル、4−メトキシブチル、4−ブトキシブチル、4−オクトキシブチル、6−メトキシヘキシル等の基があげられる。
【0016】
上記化合物(I)のなかでも、特に、Xが塩素原子であるカルバゾリルトリアジン化合物および/またはYが−CO−O−であるカルバゾリルトリアジン化合物を用いた場合は特に感度が大きく、クマリン化合物〔化合物(II)〕との相乗作用に優れているので好ましい。
【0017】
従って、上記化合物(I)なかで、特に好ましい化合物としては、次に示す化合物1〜化合物18等があげられる。
【0018】
化合物1:2−(N−n−ブチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0019】
化合物2:2−(N−n−オクチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0020】
化合物3:2−(N−(2”−メトキシエチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0021】
化合物4:2−(N−(2”−フェノキシエチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0022】
化合物5:2−(N−(2”−p−第三ブチルフェノキシエチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0023】
化合物6:2−(N−(2”−p−クロロフェノキシエチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0024】
化合物7:2−(N−エトキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0025】
化合物8:2−(N−n−ブトキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0026】
化合物9:2−(N−イソアミロキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0027】
化合物10:2−(N−n−オクトキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0028】
化合物11:2−(N−ベンジロキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0029】
化合物12:2−(N−シクロヘキシロキシカルボニルメチル−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0030】
化合物13:2−(N−(2”−メトキシエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0031】
化合物14:2−(N−(2”−エトキシエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0032】
化合物15:2−(N−(2”−メトキシ−1”−メチルエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0033】
化合物16:2−(N−(2”−エトキシ−1”−メチルエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0034】
化合物17:2−(N−(2”−アセトキシエチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0035】
化合物18:2−(N−(2”−ベンゾイルオキシエチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン
【0036】
上記化合物(I)は、ハロメチルトリアジン化合物を製造する周知の方法、例えば、3−シアノ−N−置換カルバゾール化合物とトリハロアセトニトリルとを、ハロゲン化アルミニウムの存在下に反応させることによって容易に製造することができる。
【0037】
また、上記化合物(I)を製造するための原料として用いられる上記3−シアノ−N−置換カルバゾール化合物は、例えば、N−置換カルバゾール化合物をジメチルホルムアミドおよびオキシ塩化リンを反応させて3−ホルミル−N−置換カルバゾールを調製し、次いで、アルデヒド基をシアノ基に変換する周知の手段を用いることによって製造される。
【0038】
次に、本発明に用いられる上記カルバゾリルトリアジン化合物〔化合物(I)〕の具体的な合成例を示すが、本発明は下記の合成例によって制限を受けるものではない。
【0039】
合成例〔化合物15:2−(N−(2”−メトキシ−1”−メチルエトキシカルボニルメチル)−3’−カルバゾリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン(下記〔化5〕の化合物)の製造〕
【0040】
【化5】
【0041】
工程a〔3−ホルミル−N−(2’−メトキシ−1’−メチルエトキシカルボニルメチル)カルバゾールの製造〕
カルバゾール16.7重量部、モノクロル酢酸−2−メトキシ−1−メチルエチルエステル20.0重量部、ジエチレングリコールジメチルエーテル66.8重量部、ナトリウムメトキサイド10.2重量部をとり、150℃で3時間攪拌した後、室温まで冷却した。
ジエチレングリコールジメチルエーテルを減圧下に留去した後トルエン83.5重量部を加え、ここに、オキシ塩化リン61.3重量部、ジメチルホルムアミド29.2重量部を加え、還流下4時間攪拌した。10%水酸化ナトリウム水溶液を水層がアルカリ性を示すまで滴下した後、有機層をとり、減圧下に溶媒を留去して3−ホルミル−N−(2’−メトキシ−1’−メチルエトキシカルボニルメチル)カルバゾールを得た。
【0042】
工程b〔3−シアノ−N−(2’−メトキシ−1’−メチルエトキシカルボニルメチル)カルバゾールの製造〕
上記工程aで得られた3−ホルミル−N−(2’−メトキシ−1’−メチルエトキシカルボニルメチル)カルバゾール32.5重量部、塩酸ヒドロキシルアミン8.3重量部、酢酸ナトリウム10.7重量部および酢酸15重量部をとり、還流下12時間攪拌した。酢酸を留去した後、残留物をクロロホルムに溶解し、洗液が中性となるまで洗浄した後、クロロホルムを留去した。
得られた残留物をイソプロパノールから再結晶して、3−シアノ−N−(2’−メトキシ−1’−メチルエトキシカルボニルメチル)カルバゾールを得た。
【0043】
工程c(目的物の製造)
上記工程bで得られた3−シアノ−N−(2’−メトキシ−1’−メチルエトキシカルボニルメチル)カルバゾール32.2重量部、トリクロロアセトニトリル72.2重量部および臭化アルミニウム2.7重量部をとり、20〜30℃で、塩化水素ガスを吸収が認められなくなるまで、3時間を要して吹き込みながら攪拌した。その後、内容物は徐々に固化するので、室温で15時間放置した。
クロロホルム200重量部を加え、水洗、乾燥後溶媒を留去し、得られた黄色固体をイソプロパノール/トルエン(300/130)混合溶媒から再結晶し、融点181〜182℃、λmax 379nmの淡黄色粉末の生成物を得た。
赤外線吸光分析の結果、1740cm−1にエステル結合に基づく吸収が認められ、また、1540、1390および770cm−1にトリアジン環に基づく吸収が認められることから、上記生成物が目的物であることを確認した。
【0044】
また、本発明に用いられるクマリン化合物〔化合物(II)〕は、既知の化合物である。上記化合物(II)において、R5およびR6で示される炭素原子数1〜12のアルキル基および総炭素原子数3〜12のアルコキシアルキル基としては、上記化合物(I)におけるR4で例示したものと同様のものがあげられ、Aで示される炭素原子数2〜12のアシル基としては、例えば、アセチル、プロピオニル、ブチロイル、オクタノイル、デカノイル、ドデカノイル等の脂肪族アシル基、シクロプロパノイル、シクロペンタノイル、シクロヘキサノイル等の脂環族アシル基、ベンゾイル、4−ジメチルアミノベンゾイル、トルオイル、ナフトイル等の芳香族アシル基、ニコチノイル、ベンゾフラノイル、2−テノイル、3−テノイル等の複素環式アシル基があげられる。
【0045】
従って、上記化合物(II)の代表例としては、次に示す化合物A〜化合物J等があげられる。
【0046】
化合物A:3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン
【0047】
化合物B:3−(2’−ベンゾチアゾリル)−7−ジブチルアミノクマリン
【0048】
化合物C:3−(2’−ベンゾイミダゾリル)−7−ジエチルアミノクマリン
【0049】
化合物D:3−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン
【0050】
化合物E:3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)
【0051】
化合物F:3,3’−カルボニルビス(7−ジブチルアミノクマリン)
【0052】
化合物G:3,3’−カルボニルビス(7−ビス(N,N−ブトキシエチル)アミノクマリン
【0053】
化合物H:3,3’−カルボニルビス(7−ビス(N−エチル−N−ブトキシエチル)アミノクマリン
【0054】
化合物I:3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン
【0055】
化合物J:3−(2−ベンゾフラノイル)−7−ジエチルアミノクマリン
【0056】
上記化合物(I)および化合物(II)は、後述のエチレン性不飽和の重合性化合物100重量部に対して各々好ましくは0.1〜20重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部含有される。また、両者の重量比〔化合物(I):化合物(II)〕は、目的に応じて適宜選択されるが、通常は1:10〜10:1である。
【0057】
上記化合物(I)および化合物(II)各々の含有量が0.1重量部未満であるとその効果がほとんど認められない場合があり、また、20重量部を超えてもその量に見合う効果が得られず無駄となるばかりでなく、硬化物の物性に悪影響を及ぼす場合もある。また、両者の比率が上記の範囲外の場合は、併用による効果が小さくなり、広い波長領域に渡って優れた感度を付与することが困難となる。
【0058】
本発明に用いられるエチレン性不飽和の重合性化合物としては、従来、光重合性組成物に用いられているものをそのまま用いることができるが、特に効果が向上する点からアクリル酸またはメタクリル酸のエステル化合物を用いるのが好ましい。
【0059】
上記エチレン性不飽和の重合性化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜14のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2〜14のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の多価アルコールをα,β−不飽和カルボン酸でエステル化して得られる化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルアクリル酸付加物(1/3)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルアクリル酸付加物(1/2)等のグリシジル基含有化合物に(メタ)アクリル酸を付加して得られる化合物;β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのフタル酸ジエステル、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートのトルエンジイソシアネート付加物等の水酸基およびエチレン性不飽和結合を有する化合物と多価カルボン酸とのエステル化合物またはポリイソシアネートとの付加物;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル等があげられる。
【0060】
また、上記エチレン性不飽和の重合性化合物とともに、熱可塑性有機重合体を用いることによって、硬化物の特性を改善することもできる。該熱可塑性有機重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物と(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)アクリル酸エステル化合物、(メタ)アクリル酸およびこれらと共重合しえる他のビニルモノマーとの共重合体があげられる。
【0061】
上記(メタ)アクリル酸エステル化合物としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、第三ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレートなどがあげられ、また、他のビニルモノマーとしては、例えば、ジアセトンアクリルアミド、スチレン、ビニルトルエン等があげられる。
【0062】
また、本発明の光重合性組成物に、必要に応じて他の光重合開始剤とさらに組み合わせて使用することも可能であり、他の光重合開始剤と組み合わせて使用することによって著しい相乗効果を奏する場合もある。
【0063】
本発明の光重合性組成物に併用できる上記の他の光重合開始剤としては、従来既知の化合物を用いることが可能であり、例えば、ベンゾフェノン、フェニルビフェニルケトン、1−ヒドロキシ−1−ベンゾイルシクロヘキサン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、1−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4’−モルホリノベンゾイル)プロパン、2−モルホリル−2−(4’−メチルメルカプト)ベンゾイルプロパン、チオキサントン、1−クロル−4−プロポキシチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチルアントラキノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾインブチルエーテル、2−ヒドロキシ−2−ベンゾイルプロパン、2−ヒドロキシ−2−(4’−イソプロピル)ベンゾイルプロパン、4−ブチルベンゾイルトリクロロメタン、4−フェノキシベンゾイルジクロロメタン、ベンゾイル蟻酸メチル、1,7−ビス(9’−アクリジニル)ヘプタン、9−n−ブチル−3,6−ビス(2’−モルホリノイソブチロイル)カルバゾール、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどがあげられる。
【0064】
また、本発明の光重合性組成物には、必要に応じて、p−アニソール、ハイドロキノン、ピロカテコール、第三ブチルカテコール、フェノチアジン等の熱重合抑制剤;可塑剤;接着促進剤;充填剤、顔料、染料等の慣用の添加物を加えることができる。
【0065】
また、本発明の光重合性組成物は、通常、必要に応じて前記の各成分を溶解または分散しえる溶媒、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチロセロソルブ、エチルセロソルブ、クロロホルム、塩化メチレン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、イソプロパノールを加えた溶液状組成物として用いられる。
【0066】
本発明の光重合性組成物は、ロールコーター、カーテンコーター、スピンコーター、各種の印刷、浸漬等の公知の手段で、金属、紙、プラスチック等の支持基体上に適用される。また、一旦フィルム等の支持基体上に施した後、他の支持基体上に転写することもでき、その適用方法に制限はない。
【0067】
本発明の光重合性組成物は、光硬化性塗料、光硬化性インキ、光硬化性接着剤、印刷版、印刷配線板用フォトレジスト等の各種の用途に使用することができ、その用途に特に制限はない。
【0068】
また、本発明の光重合性組成物は広い波長領域の光に対する感度に優れているので、これを重合硬化させる際に用いられる活性光の光源としては、波長300〜600nmの光を発光するものを用いることができ、例えば、アルゴンレーザー、水銀蒸気アーク、カーボンアーク、キセノンアーク等、従来既知の光源を使用することができる。
【0069】
【実施例】
【0070】
以下、具体的な実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。尚、以下の実施例で使用した化合物1〜18および化合物A〜Jは、それぞれ前述の化合物(I)および化合物(II)で例示した化合物である。
【0071】
実施例1
トリメチロールプロパントリアクリレート 10重量部
ポリエチレングリコール(分子量300)ジアクリレート 10
アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(モル比8/2) 30
化合物E:カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン) 1
ハロメチルトリアジン化合物(下記〔表1〕参照) 1
メチルエチルケトン 150
上記の配合物を十分に混合することによって光重合性組成物を調製し、この溶液を表面処理アルミニウム板上に乾燥膜厚が10μmとなるように均一に塗布し、乾燥機で2分間乾燥させた後、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを密着させて光重合性エレメントを形成した。
【0072】
この光重合性エレメントをキセノンランプを光源とする分光照射装置によって下記〔表1〕に示す各波長の光に露光し、その後、上記PETフィルムを取り除き、1重量%炭酸ナトリウム水溶液によって現像し、残存した硬化膜の段数によって硬化に必要な最小の照射エネルギー(mJ/cm2 )を求めた。その結果を下記〔表1〕に示す。
【0073】
上記分光照射装置は照射光を分光する回折格子、照射時間を13段階に制御できるシャッターおよびこのシャッターと連動する移動ステージを備えており、この移動ステージに上記光重合性エレメントをセットすることにより、13段階の異なるエネルギーを照射した連続画像を形成することができるようになっており、また、各段階の照射エネルギーは光量と照射時間(シャッターの開閉時間)から測定することができる。
【0074】
また、化合物Eのみを2重量部用いトリアジン化合物を用いない例(比較例1−1)、トリアジン化合物のみを2重量部用い化合物Eを用いない例(比較例1−2)および本発明に係る前記化合物(I)以外のトリアジン化合物を用いた例(比較例1−3)についても同様の試験を行った。
【0075】
【表1】
【0076】
実施例2
ハロメチルトリアジン化合物として化合物15を1重量部用い、クマリン化合物の種類およ配合量を下記〔表2〕に示すように変化させた他は実施例1と同様の試験を行った。その結果を下記〔表2〕に示す。
【0077】
【表2】
【0078】
実施例3
ペンタエリスリトールトリメタクリレート 100重量部
塩素化ポリエチレン(塩素含有率66%) 90
下記〔表3〕に示す試料化合物 1
1,2−ジクロロエタン 400
上記の配合によって光重合性組成物を調製し、この溶液を乾燥膜厚10μmとなるようにアルミニウム板上に塗布・乾燥し、その後ポリエチレンテレフタレートフィルムを密着させて光重合性エレメントを得た。
【0079】
この光重合性エレメントを波長488nmおよび514.5nmの可視光を放出するアルゴンレーザーで、感光層の表面での光量が10mW〜500mWとなるように段階的に変化させて10cm/秒で走査した。
【0080】
ポリエチレンテレフタレートフィルムを取り除いた後、トリクロロエタンで未硬化部分を除去し、アルミニウム板上に形成された光硬化画像を形成させた。このようにして画像が形成される最小の走査光量を下記〔表3〕に示す。尚、小さい光量で画像が形成されるほど光感度が高いことを示す。
【0081】
【表3】
【0082】
以上の結果より、エチレン性不飽和の重合性化合物、前記化合物(I)および前記化合物(II)を含有してなる本発明の光重合性組成物(実施例 1−1〜1−18, 2−1〜2−12,3−1〜3−4 )は、優れた感度を有することが判る。
【0083】
【発明の効果】
本発明の光重合性組成物は、広い波長領域の光に対して優れた感度を有しており、小さいエネルギーで硬化物を得ることができるものである。
Claims (6)
- 上記一般式(I)におけるXが塩素原子である請求項1記載の光重合性組成物。
- 上記一般式(I)におけるYが−CO−O−である請求項1記載の光重合性組成物。
- 上記カルバゾリルトリアジン化合物が、上記エチレン性不飽和の重合性化合物100重量部に対して0.1〜20重量部含有された請求項1記載の光重合性組成物。
- 上記クマリン化合物が、上記エチレン性不飽和の重合性化合物100重量部に対して0.1〜20重量部含有された請求項1記載の光重合性組成物。
- 上記エチレン性不飽和の重合性化合物が、アクリル酸またはメタクリル酸のエステル化合物である請求項1〜5の何れかに記載の光重合性組成物。
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