JP3579593B2 - 水離脱型インキ組成物、印刷物、成形品及びインキ組成物被膜の脱離方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐水性の優れた印刷物を与え、且つ必要に応じて印刷物から容易に水系でインキ被膜の脱離が可能なインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチックも金属材料、ガラス材料等と同様にプラスチック容器、プラスチックラベル、プラスチック包装袋等とその用途は極めて多岐にわたって使用されており、それらの多くはその表面が印刷されたり、印刷加工されている。これらのプラスチック材料は自然界で分解しにくいこと、省資源、経済性等より一部は分別回収されてきており、再生加工されて二次製品として利用されてきている。
しかし、再生されるときに印刷物が混入すると再生製品が着色されたり、あるいは異物が混入すると、再生製品の商品価値は著しく低下し、使用できない場合が多く、また、物性的に致命的な欠点を起こす場合がある。
従って、このような印刷物は実際には再生されずに廃棄されているのが現状である。
昨今、ダイオキシン等の環境汚染が社会問題となり、特に焼却が問題となっており、リサイクルできる方法が強く求められている。
【0003】
上記の理由から、印刷が施されているプラスチックフィルム、プラスッチク容器、紙加工製品等は、再生利用される場合は少なく、ほとんど廃棄されているのが現状である。
ところで、印刷されたプラスチックを脱色する方法の特殊な例として、例えば、印刷被膜成分を、それを溶解若しくは膨潤させる溶媒で印刷物から脱離させて脱色させる方法がある。この溶媒を用いる方法は、廃液中に存在する有機溶媒の分離回収、引火性等を考えると防爆装置の設置、安全管理上等問題点が多い。
又、希アルカリ水溶液で処理する方法もあるが、方法自体は単純で、経済的であるが、インキは一般的にウレタン樹脂、アクリル樹脂、繊維系樹脂、ロジン、エチレン酢酸ビニル共重合体等の疎水性のポリマーを用いることが多く、アルカリ処理をしても簡単には印刷被膜を脱離することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような難点を回避し、プラスチックフィルムやプラスチック容器に印刷されたインキ(印刷被膜成分)を希アルカリ水溶液で処理し、無色の状態でプラスチック容器等を回収再生することが、当面の大きな課題である。
従って本発明の目的はプラスチックフィルムやプラスチック容器に印刷されたインキ部分を希アルカリ水溶液で処理することによって鹸化し、印刷被膜成分をプラスチックフィルムやプラスチック容器から容易に脱離させることできるインキ組成物、これを用いて印刷された印刷物品及び印刷加工された物品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の発明によって達成される。即ち、本発明は、インキ組成物成分中に実質的に水不溶性乃至水難溶性であり、且つ鹸化処理により水膨潤性乃至水溶解性となる成分として、モノマー単位としてアクリル酸メチル単位を35〜90重量%含有するランダム、ブロック又はグラフト共重合体を含有することを特徴とする水離脱型インキ組成物及びこのインキを用いて印刷された印刷物である。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の特徴は、疎水性インキ組成物(以下では単にインキと称することがある。)中に疎水性であるが、鹸化処理により水膨潤性乃至水溶解性となる成分(以下潜在的親水性成分という)を含有することである。
インキ中に、疎水性の潜在的親水性成分を含有させることによって、インキとしての接着性、耐水性、印刷適性等の基礎物性の低下を最小限にすることができ、即ち、通常のインキ物性を有する印刷物を得ることができる。一方、このインキ被膜を印刷物から脱離させる時には、水系で鹸化処理することによって前記潜在的親水性成分が水膨潤性乃至水溶解性となり、インキ被膜を容易に脱離させることができる。
【0007】
本発明のインキ組成物は、従来のインキ組成物を構成する成分と潜在的親水性成分とからなる。
潜在的親水性成分の好適例を以下に説明する。
該成分は、モノマー単位としてアクリル酸メチル単位を35〜90重量%含有するランダム、ブロック又はグラフト共重合体である。上記のアクリル酸メチル単位の含有量が、上記範囲未満ではインキ被膜の鹸化処理時における被膜の膨潤が不十分であり、一方、上記範囲を超えて使用しても本発明の効果は飽和し、特別の利益はなく、不経済である。アクリル酸のメチルエステルが特異的に鹸化反応が早い。
【0008】
本発明で使用する潜在的親水性成分を得るに当たっては、上記のモノマーと親水性モノマーを共重合させることができる。共重合体中への親水性モノマーの導入は、苛性ソーダ等のアルカリ存在下に印刷物中の潜在的親水性成分と水との接触を促進させる作用のためであり、インキ被膜の脱離時の鹸化反応をスムーズに進行させる。
好ましい親水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルピリジン、末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリエチレングリコール或いはそのアルキルエーテル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。尚、イオン性の親水性モノマー単位はアンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の如く熱によって脱離できる中和剤で処理しておいてもよい。特に印刷物の耐水性を考慮するとカルボン酸フリーモノマーとの共重合が好ましい。
【0009】
共重合体中の親水性モノマー単位の含有量は、20重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.5〜15重量%である。親水性モノマー単位の含有量が20重量%を超える潜在的親水性成分は、インキの耐水性あるいは接着性能を低下させるので好ましくない。
又、以上のモノマーと共重合可能なモノマーを共重合体の全モノマー単位中に0〜45重量%の範囲で含有させることができる。かかるモノマーとしては、メタクリル酸の低級アルキルエステル(低級アルキル基は前記と同じである)、スチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられるが、本発明の効果が損なわれないモノマーであれば特に制限されない。
【0010】
又、潜在的親水性成分は架橋重合体であってもよく、架橋の方法は特に制限されない。
例えば、前記単量体と二官能以上の多官能性ビニル系のモノマーとを共重合させることにより化学的に架橋した共重合体を得ることができる。二官能以上のビニル系のモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレングリコールのジ(メタ)アクリルエステル、(ポリ)プロピレングリコールのジ(メタ)アクリルエステル、多価アルコールの(ポリ)(メタ)アクリルエステル等が挙げられる。これらの単量体単位の含有量は共重合体中に10重量%以下が好ましい。
【0011】
上記の化学的架橋の他にも、分子鎖の集合(凝集)や結晶化を利用し、これらを疑似架橋点とする物理的架橋方法もある。
物理的架橋方法としては、例えば、上記の多官能性ビニル系モノマーに代えて疎水性の末端ビニル基を有する分子量4,000〜100,000程度のマクロマー、例えば、スチレンポリマー、(メタ)アクリル酸エステルポリマー(エステル残基の炭素数1〜17)等を前記のモノマーと共重合させる方法が挙げられる。親水性のマクロマー、例えば、末端ビニル基を有するポリビニルアルコール等を用いることもできる。得られる共重合体は、これらのマクロマーは側鎖を形成し、いわゆるグラフト型の共重合体である。
【0012】
尚、本発明の潜在的親水性成分の水膨潤度は、希苛性ソーダ水溶液中に常温で1時間浸漬処理した後の状態が、水可溶、コロイダル状、水膨潤状態のいずれであってもよく、特に制限されない。
架橋型潜在的親水性成分は、特に水性あるいは分散型のインキに用いることができる。
【0013】
以上の如き潜在的親水性成分を含む本発明のインキ組成物は、水系溶解型、水分散型、溶剤分散型、溶剤溶液型、粉末状等の何れの形態でも取り得る。例えば、水分散型のインキとする場合には、上記潜在的親水性成分は、乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法等で製造することができる。又、上記親水性成分を他の形態のインキに使用する場合にも従来公知の重合法を用いることによって製造することができ、重合の方式は特に制限されない。
【0014】
以上の如き潜在的親水性成分は、そのまま従来公知インキ組成物として使用できる。通常のインキ或いはインキ成分と混合することによって本発明のインキ組成物とすることもできる。
インキ成分のベヒクルとしては、天然物又は合成物のいずれでもよく、例えば、蛋白質、カゼイン、デンプン;天然ゴム;クロロプレン、イソプレン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合成ゴム;アクリル系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン及びそれらの塩素化物、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩化ゴム、環化ゴム等が挙げられる。尚、上記共重合体はランダム、ブロック或いはグラフトのいずれの結合様式の共重合体であってもよい。可塑剤としてジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジブチルアジペート等が挙げられる。
【0015】
本発明においては着色剤として顔料を用いるが、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、弁柄、鉄黒、黄色酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラック、亜鉛華、チタンブラック等の無機顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドレニン系顔料、チオインジゴ系顔料、ジオキサジン系顔料、ピロロピロール系顔料等有機顔料が挙げられる。
更に、本発明のインキ組成物を印刷物の上に保護の目的でクリヤーとして使用する場合等には着色剤は用いない場合もある。
尚、本発明のインキ組成物には、上記成分の他にワックス、界面活性剤、シリカ等のブロッキング防止剤等を必要に応じて添加することもできる。
【0016】
インキ成分と潜在的親水性成分の使用比率は、その使用目的によって異なるが、一般的には潜在的親水性成分を含む全インキ成分中の潜在的親水性成分の含有割合は10〜95重量%が好ましく、更に好ましくは10〜80重量%である。潜在的親水性成分の含有割合が10重量%未満では、インキ被膜(及びラベル等)の脱離時の鹸化処理におけるインキ被膜の膨潤度が小さく、インキ被膜の脱離が不十分で、インキ被膜が基材面に残存する傾向にある。又、潜在的親水性成分の割合が95重量%を超えると、インキとしての着色濃度あるいは被膜の基材へのインキ特性を調整することができず実用的ではない。
【0017】
本発明のインキ組成物は、上記のインキ成分と潜在的親水性成分とを均一に混合することによって得ることができる。混合方法は、両者が均一に混合される方法であればいずれの方法であってもよく、特に制限されない。
本発明のインキ組成物は、従来公知の印刷、記録等及び塗布等の方法で使用されるものであり、例えば、グラビアインキ、オフセットインキ、フレキソインキ等、電子写真トナー、静電気記録トナー、熱転写リボン、インクジェットインキ等、コーティング材等に使用される。
【0018】
本発明のインキ組成物は、プラスチック等の基材に従来公知の方法で印刷等がされた各種印刷物の作成に使用され、又、印刷物は成型品を着色したり、成型品に文字や画像を付す等のために、成型品の表面に適当な方法で取り付けられる。
着色PETボトル等のプラスチック製容器は、プラスチック自体に着色剤が練り込まれているため再生されず、焼却あるいは廃棄処分されている。プラスチック製容器、例えば、PETボトルを直接着色せずに、本発明のインキ組成物で着色印刷層を表面に形成した熱収縮性ポリマーフィルム(筒状)をPETボトル全体に被せ、これを加熱収縮させることで着色PETボトルとすることができる。熱収縮性フィルムもPETフィルムを用いれば、着色印刷層を脱離させることができ、ボトルとともに再生可能である。上記の再生事情はガラス製容器(ボトル等の)についても同様であり、PETボトルと同様にして着色印刷された熱収縮性フィルムで無色ガラスボトルを被覆することで着色ガラスボトルの製造が可能である。
【0019】
本発明のインキ被膜の脱離方法は、印刷物や印刷物を表面に有する成形品(例えば、上記のPETボトル、ガラスボトル等)又は該成形品から剥した印刷物を酸又はアルカリで鹸化処理するものである。鹸化によって生じるカルボキシル基をアルカリ金属の塩、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩とすることが好ましく、従って鹸化剤としてはカセイソーダや炭酸ソーダ等のアルカリ水溶液を用い、該水溶液中で鹸化処理を行なってインキ被膜を脱離させることが好ましい。鹸化に際しては鹸化反応を促進させる目的でアルカリ水溶液中にメタノールやエタノール等を添加してもよい。
【0020】
鹸化に際しては、印刷物や印刷加工物品をそのまま、或いは細断してから鹸化処理液に投入する方法等が挙げられるが、例えば、印刷されたプラスチックフィルムあるいはプラスチック容器の場合にはシュレッダー等で小片化した後に処理液に投入してゆっくり攪拌しながら70から80℃に加熱して印刷物を脱離する方法が好ましい。
潜在的親水性成分を含有する印刷物等を希アルカリによって鹸化処理することにより、印刷層は溶解せずに凝集した状態で脱離され、処理液からの印刷層の除去は容易であるが、これは潜在的親水性成分中の架橋成分、疎水性セグメントの作用効果によるものと考えられる。
【0021】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0022】
実施例1
(1)潜在的親水性成分の合成
30部のメチルアクリレート、10部のブチルメタアクリレート、2部のアクリル酸、1部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、1部の末端に重合性のアクリロイル基を有するポリスチレン(分子量約6000)、1部の末端に重合性のアクリロイル基を有するポリエチレンオキサイド(分子量約200)、67.5部のメチルエチルケトン、40.5部のイソプロピルアルコール、27部のシクロヘキサンと0.6部のアゾビスイソブチロニトリルを反応容器に添加し、窒素ガス雰囲気中、攪拌下に、70℃で8時間重合した。
得られた溶液中の重合体の固形分は25%で、溶液は超微分散型であった。
この重合体の乾燥物を5%の苛性ソーダ水溶液に70℃で30分間浸漬後水洗した時の状態はコロイダル分散体であった。
【0023】
(2)インキの調製
10部の溶性アゾ系顔料、12部のブチルメタアクリレートを主体とする共重合体、3部の繊維素系樹脂、2部のポリエチレン系ワックス、27部のイソプロピルアルコール、27部の酢酸プロピル、6.5部の酢酸エチルからなるグラビア印刷用インキを比較インキとして調製した。
又、上記インキ中の樹脂成分を潜在的親水性成分/樹脂成分の比がそれぞれ0.25/1、0.5/1、1/1及び2/1の混合物に代えて本発明のインキを調製した。
【0024】
以上のインキを用いて下記に従って印刷加工物品を作製し印刷層の脱離性、耐水性及び接着性を試験した。以下の実施例も同様である。
(3)印刷加工物品の作製
収縮PETフィルム(東洋紡績社製SC00:厚さ450μm)にバーコータ#4にて各インキを乾燥厚さが1〜3μmとなるように塗布した後、80℃で10分間乾燥した。
(4)試験方法
(1) 脱離試験
印刷したフィルムを85℃の1.5%NaOH水溶液に浸漬し、所定経過時間毎に取り出し、弱攪拌をしながら水洗し、印刷物の脱離状態を観察した。結果を以下のように表示する。試験結果を表1に示す。
○:印刷層は完全に脱離し、印刷物は印刷前のPETフィルムとなる
△:印刷層は一部脱離するが、印刷層がPETフィルムにも残っている
×:完全に印刷層がPETフィルムに残っている
(2) 耐水性試験
印刷したフィルムをアルカリ処理液に変えて85℃の脱イオン水に30分浸漬した後の脱離の有無を観察する。
(3) 接着性試験
脱離試験前にセロハンテープ剥離試験で剥離しないことを確認した。
【0025】
試験結果
(1)脱離試験
表1 脱離試験結果
(2)耐水性
いずれも脱離しなかった。
【0026】
実施例2
実施例1と同じ潜在的親水性成分を用い、インキ成分顔料と樹脂成分を以下のように変えたインキを作製した。
32部の酸化チタン顔料、23部のウレタン樹脂、1部の繊維素系樹脂、0.4部ロジン、0.5部のポリエチレン系ワックス、26部のトルエン、14,5部のMEK、8.4部の酢酸エチル,7部のイソプロピルアルコールからなるグラビア印刷用インキを比較インキとして調製した。
又、上記インキ中の樹脂成分を潜在的親水性成分/樹脂成分の比がそれぞれ0.25/1、0.5/1、1/1、2/1の混合物に代えて本発明のインキを調製した。
【0027】
結果
(1)脱離試験
表2 脱離試験結果
(2)耐水試験
いずれも脱離しなかった。
(3)接着試験
全サンプル剥離しなかった。
【0028】
実施例3
潜在的親水性成分をアクリル酸を除いて調製する他は実施例1と同様にしてインキを作製し、試験を行った。結果は以下の通りである。
結果
(1)脱離試験
表3 脱離試験結果
処理時間を30分以上で0.25/1から0.5/1の範囲で脱離可能であることが分かった。
(2)耐水試験
いずれも脱離しなかった。
(3)接着試験
全サンプル剥離しなかった。
【0029】
実施例4
実施例1の潜在的親水性成分+樹脂成分の合計量に対して10%のスチレン−アクリル酸樹脂(分子量約1600、スチレン分70%)を添加したものは実施例1の脱離試験において△の評価が○になった。
【0030】
実施例5
実施例1で用いたインキをPETフィルムをポリスチレン、ポリ塩化ビニルのフィルムに代えて試験したところ実施例1とほぼ同じ脱離結果を得た。
【0033】
実施例6
30部のメチルアクリレート、10部のエチルメタアクリレート、1.5部のスチレンスルホン酸ソーダ、1.5部のアクリル酸、0.01部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、0.6部のジビニルベンゼン、0.1部のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、0.3部の過硫酸カリウム及び200部の脱イオン水を反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下で70℃で8時間重合し、重合後の重合液のpHを8に調整した。得られた重合体(潜在的親水性成分)を5%苛性ソーダ水溶液中に常温で1時間浸漬処理した後の水膨潤度(脱イオン水)は200倍であった(容積比)。
この潜在的親水性成分と鹸化処理後の赤外吸収スペクトルとガスマスの分析の結果アクリル酸メチルが選択的に分解し、メタアクリル酸エチルはほとんど分解していないことが分かった。
〔トップコート材の調製〕
スチレン−ブタジエン共重合体ラテックス(固形分50%)と上記親水性成分の比率を親水性成分/樹脂成分の比をそれぞれ0.25/1、0.5/1、1/1、2/1に調整したインキを作製した。これらのインキをダンボールに印刷して脱離試験を行った結果、上記のすべての混合割合で脱離時間は15分以下であった。
【0034】
【発明の効果】
以上の本発明によれば、潜在的親水性成分を含むインキ組成物を用いることによって、印刷層の鹸化処理による水脱離が可能なプラスチック等の印刷物及び印刷加工品が得られ、これらは再生可能である。
本発明のインキ組成物は上記詳述したプラスチック製品のほか同様に金属製品、ガラス製品、木製品、紙製品の印刷、塗布、印字等にも使用される。
Claims (5)
- インキ組成物成分中に実質的に水不溶性乃至水難溶性であり、且つ鹸化処理により水膨潤性乃至水溶解性となる成分として、モノマー単位としてアクリル酸メチル単位を35〜90重量%含有するランダム、ブロック又はグラフト共重合体を含有することを特徴とする水離脱型インキ組成物。
- 全インキ組成物成分中の該成分の含有量が、10〜95重量%である請求項1に記載のインキ組成物。
- 請求項1又は2に記載のインキ組成物を用いて印刷されたことを特徴とする印刷物。
- 請求項3に記載の印刷物を表面に有することを特徴とする成形品。
- 請求項3に記載の印刷物又は請求項4に記載の成形品をアルカリ水で処理してこれらから印刷層を脱離させることを特徴とするインキ組成物被膜の脱離方法。
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