JP3580973B2 - 光電面 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光電面に関し、特にダイヤモンドからなる光電面に関する。
【0002】
【従来の技術】
エネルギギャップに対応した光の波長よりも長い光に感度を有する半導体光電面として、例えば特開平2−260349号公報に開示されたものが知られている。図5には、この半導体光電面50のエネルギバンド図が示されている。この半導体光電面50では、価電子帯(VB)と伝導帯(CB)との間に高密度の不純物準位(同図中一点鎖線で示されている)をもつ半絶縁性のGaAs基板51とn型GaAs層52とが接合している。また、GaAs基板51及びGaAs層52には、電極53,54を介して逆バイアス電圧Vが印加されている。
【0003】
この半導体光電面50では、エネルギギャップに対応した光の波長よりも長い被検出光(hν)の入射により、不純物準位の電子(e)が伝導帯に励起される。そして、その電子が拡散してGaAs基板51とn型GaAs層52との接合部分に到達すると、逆バイアス電圧Vにより形成された空乏層の電界により加速されてホットエレクトロンとなり、表面障壁を越えて真空中へ光電子として放出される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した半導体光電面50がホットエレクトロンを外部に放出させるために、数100Vの逆バイアスの電圧を必要とする。このため、被検出光の入射がないときも、電極から暗電流の原因となるリーク電流が無視できないほど生じる。その結果、この半導体光電面50が光電管や光電子増倍管等に適用された場合、SN比の悪化といった欠陥が生じる。
【0005】
ところで、Himpsel等らの報告(フィジカル・レビュー(Physical ReviewB,20,2,(1979)624))により、ホウ素(B)をドープした天然単結晶ダイヤモンドの(111)面が原子的に清浄にされたとき、負の電子親和力を有することが明らかになっている。このダイヤモンドを材料とした光電面では、光子エネルギが5.5eVから9eVの範囲で量子効率が20%となり、また、13eVから35eVの範囲では40〜70%となって、比較的高い。
【0006】
また、栄森等によって報告されたダイヤモンド(ダイヤモンド・アンド・リレイテッド・マテリアル(Diamond and Related Material)4(1995)806,ジャパン・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジクス(Jpn.J.Appl.Phys.)33,(1994)6312)でも、電子親和力が負であることが見出されている。この報告によれば、高圧合成された単結晶ダイヤモンド(100)基板上にマイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapour Deposition:化学気相堆積)法により形成された単結晶ダイヤモンド膜の表面が、水素によって終端されて負の電子親和力を有していることが見出されている。このように、単結晶ダイヤモンド膜の(111)面ばかりでなく(100)面においても、光電面の電子親和力が負になる。
【0007】
しかしながら、上述した光電面では、被検出光が入射して電子を価電子帯から伝導帯に励起させるために、単結晶ダイヤモンドのエネルギギャップ(5.5eV)に対応した波長を有しなければならない。このことは逆に、これら単結晶ダイヤモンドの光電面では、そのエネルギギャップより小さい光子エネルギをもった被検出光、すなわち波長に換算して225nmより長い波長を有する被検出光に感度がないことを意味する。したがって、このような光電面は非常に限られた範囲でしか適用されない。
【0008】
そこで、本発明は、225nmより長い波長を有する光に対しても感度がある光電面を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光電面は上記目的を達成するためになされたもので、光の入射により光電子が外部に放出される光電面において、多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分としたものからなる粒状物が膜状に形成されたダイヤモンド材料を有し、ダイヤモンド材料の禁制帯中に、光の入射により電子を伝導帯へ励起する不純物準位を形成する不純物がドープされることにより、225nmより大きい波長の光に感度を有し、光電子が外部に放出される面の電子親和力が零又は負とされていることを特徴としている。
【0010】
この構成によれば、ダイヤモンド材料のエネルギギャップに対応した光の波長よりも長い波長の光、つまり、225nmより大きい波長の光に対しても、本発明の光電面は感度を有するようになる。また、光電子が放出される面が零又は負の電子親和力を有するため、光電面は高い感度を有するようになると共に、電子が表面障壁を越えるための高いバイアス電圧を光電面に印加する必要がなくなる。これにより、電極から注入されるリーク電流によって発生する暗電流は存在しなくなる結果、本発明では、ダイヤモンド材料のエネルギギャップに対応した特定波長以外に、感度が高く且つ雑音の低い光電面が得られるようになる。
【0011】
また、ダイヤモンド表面の仕事関数を実効的に低下させるために、ダイヤモンド材料の表面が水素により終端されているのが好適である。これにより、表面準位の形成が抑制されて不純物準位の制御が容易になるだけでなく、炭素よりも電気陰性度の低いために正に分極した水素により終端されたダイヤモンド表面の電子親和力は容易に零又は負となると考えられる。
【0012】
また、ダイヤモンド表面の仕事関数をさらに低下させるために、ダイヤモンド材料の表面には、電気的に陽性なアルカリ金属又はその化合物の層が形成されていることがより好適である。
【0013】
また、ダイヤモンド材料の表面が酸素又はフッ素により終端されると共に、アルカリ金属又はその化合物の層が形成されていても、電子親和力が零又は負になる。これは、例えばCsやCs等の表面ダイポールが形成されるため、その表面ダイポールの存在により、ダイヤモンド表面の仕事関数が実効的に低下するからである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。また、図中において同一要素には、同一符号を付すこととする。
【0015】
図1の光電管10の断面図には、本発明が適用される光電面20が用いられた状態で示されている。図示の通り、光電管10は真空容器11を備え、真空容器11は側面に開口が形成された円筒形状の円筒部12と、ドーム状の頂部13と、平板状の底部14とを有している。円筒部13の側面の開口端部は外方に突出しており、ここに例えばフッ化マグネシウム(MgF)からなる入射窓15が取り付けられている。
【0016】
真空容器11の底部には、金属製のステムピン30a,30bが貫通して固定されている。ステムピン30aの上端部は真空容器11内部に突出して、矩形枠状の陽極40と接続している。また、ステムピン40bの上端部も真空容器11内部に突出して、光電面20と接続している。これにより、光電面20は入射窓15を臨み、陽極40は入射窓15と光電面20との間に位置するよう、真空容器11内部で支持される。
【0017】
なお、真空容器11外部に突出したステムピン30a,30bの下端部間には、直流電源Vが電気リード31a,31bを介して接続されて、陽極40が光電面20よりも約100Vだけ高い電圧を有するようにしている。また、このとき、ステムピン31aと直流電源Vとの間には電流計32が介在しており、光電管10からの出力信号を検出できるようになっている。
【0018】
光電面20は、Si基板21上に多結晶ダイヤモンド(ダイヤモンド材料)22が膜状に形成されたものである。多結晶ダイヤモンド22の膜の表面には、図2に模式的に示されるように水素の単原子からなる層23が形成され、多結晶ダイヤモンド22とその外部空間との境界をなしている。
【0019】
また、本実施形態では、多結晶ダイヤモンド22にホウ素(B)や窒素(N)が不純物元素として所定量だけ含まれている。したがって、多結晶ダイヤモンド22のエネルギバンド図は図2に示されるようなり、伝導帯(CB)と価電子帯(VB)との間の禁制帯に不純物準位(一点鎖線で示される)が形成される。このときの不純物準位の位置は、多結晶ダイヤモンド22の膜内のBやNの濃度に依存する。Bの濃度がNの濃度に比べて比較的高い場合には、図2(a)に示されるように、比較的浅い不純物準位が価電子帯上端付近に形成される。一方、Bの濃度がNの濃度に比べて低い場合は、図2(b)に示されるように、比較的深い不純物準位が禁制帯中央付近に形成されるようになる。かくして、上述した不純物準位の位置が制御可能となる。また、上記いずれの場合も不純物準位は、フェルミ準位(E)とほぼ一致した状態で形成されるので、ほとんど束縛電子によって占有される。この結果、伝導帯と価電子帯との間のバンド間以外における任意の電子の遷移も可能となる。このことは、225nm以下の紫外領域の光にのみ感度を有していたダイヤモンドからなる光電面が、可視領域の光に対しても感度を有することを意味する。
【0020】
なお、B及びNの濃度の最適値は、フェルミ準位に対する真空準位(VL)の差である仕事関数(φ)に影響を及ぼす多結晶ダイヤモンド22の表面状態と、多結晶ダイヤモンド22内で励起された電子の平均自由行程とによってきまる。仕事関数及び平均自由行程は、後述する多結晶ダイヤモンド21の成膜方法及び表面処理の条件に依存するので、具体的な最適値はかかる条件を勘案して定められるべきである。
【0021】
多結晶ダイヤモンド22には結晶粒界が多数存在する。結晶粒界の界面には結合相手のない未結合の炭素が含まれている。また、このような未結合炭素は、多結晶ダイヤモンド22の表面にも存在する。この未結合の炭素は禁制帯中に局在準位を形成する。このとき、局在準位の密度によっては、フェルミ準位が禁制帯中央付近に固定され、不純物元素により不純物準位の位置の制御を行うことが困難となる場合がある。しかし、本実施形態では、多結晶ダイヤモンド22とその外部空間との境界をなす単原子の層23の水素が、多結晶ダイヤモンド22の未結合の炭素と結合している。これにより、局在準位が大幅に低減され、上述した制御が十分に可能となる。
【0022】
この水素は多結晶ダイヤモンド22に化学吸着したものと考えることができる。このとき、未結合の炭素と炭素より電気陰性度の低い水素との間で電子の授受が生じて電子のしみ出し具合が変化し、ダイヤモンド表面22が正に帯電すると推測される。その結果、表面電位が形成され、図2の仕事関数(φ)が実効的に低下する。また、多結晶ダイヤモンド22はワイドギャップ半導体の一種である。このため、図3に示されるように、半導体としてよく知られた図5のGaAs51のエネルギギャップ(Eg)より、多結晶ダイヤモンド22のエネルギギャップ(Eg)は大きい。このとき、伝導帯下端に対する真空準位(VL)の差である電子親和力について両者を比較すると、GaAs51の電子親和力(χ)に比べて多結晶ダイヤモンド22の電子親和力(χ)が小さくなる。したがって、図3(b)に示されるように、多結晶ダイヤモンド22の仕事関数が実効的に低下してφになった場合には、エネルギギャップが大きい多結晶ダイヤモンド22の電子親和力(χ)は、容易に零または負となる。これに対して、図3(a)のGaAs51では、表面準位が形成されるために、不純物のドーピングなどに関係なく表面ではフェルミ準位(EF1)が禁制帯の中央付近でピニングされてしまう。また、ダイヤモンドに比べてGaAsのエネルギギャップが小さい。したがって、表面に強いダイポールを形成しない限り電子親和力(χ)が容易に零または負にならない。
【0023】
このような光電面20の作製は、図示されないが、以下の方法でなされる。まず、Si基板21を脱脂洗浄した後に所定のエッチング処理をする。その後、例えば、マイクロ波励起によるプラズマ放電室内で、マイクロ波プラズマCVD法によって、Si基板21上に多結晶ダイヤモンド22を成膜する。すなわち、Si基板21をプラズマ放電室に配置し、そのプラズマ放電室内に例えば原料ガスとしての一酸化炭素(CO)及びメタン(CH)と、キャリアガスとしての水素(H)とを導入する。この状態で、マイクロ波を用いて、このプラズマ放電室内の原料ガス等を放電分解すると、Si基板21上に多結晶ダイヤモンド22が堆積する。また、本実施形態では上記堆積中に、ジボラン(B),アンモニア(NH)のガスをドーパントガスとして所定量だけ導入して、多結晶ダイヤモンド22に所定濃度のB、Nをドープして、多結晶ダイヤモンド22に不純物準位を形成する。その後、水素プラズマ雰囲気中でSi基板21上の多結晶ダイヤモンド22を数分間放置することにより、その表面を水素によって終端する。なお、多結晶ダイヤモンド22の薄膜を形成する際に、本実施形態ではマイクロ波プラズマCVD法を用いたが、形成方法についてもこれに限定されず、例えば熱フィラメント法等で形成してもよい。
【0024】
また、以上に述べた光電面20を図1に示した光電管10の一部として使用するためには、光電管10の入射窓15に検出対象である被検出光(hν)を入射させる。入射窓12に入射した被検出光は入射窓12を透過して光電面20に入射する。この光電面20では、多結晶ダイヤモンド22にBとNが含まれていることにより、図2又は図3(b)に示されるように、不純物準位が禁制帯に形成されている。したがって、光電面20に入射した被検出光のうち、ダイヤモンドのエネルギギャップの5.5eVより低いエネルギを有する被検出光が吸収される。この吸収により、不純物準位の電子(e)が伝導帯(CB)に励起する。
【0025】
伝導帯へ励起した電子は拡散して多結晶ダイヤモンド22表面まで到達する。
【0026】
このとき、光電面20は多結晶ダイヤモンド22からなるので、その表面には凹凸が形成される。その結果、被検出光がその凹凸によって光学的に屈折・散乱されてその光路長が長くなり、実質的な光吸収効率が増加するので、発生する光電子が多くなる。また、その膜は粒状物からなるため、各粒状物から放出された光電子の電子走行距離は短かくなり、光電子が放出表面へ到達する到達効率も増加する。また、多結晶ダイヤモンド22の表面の未結合炭素は単原子の層23の水素と結合しているので、仕事関数が低下して、図3(b)に示されるように電子親和力(χ)が零または負の状態になっている。したがって、多結晶ダイヤモンド22の表面まで効率よく到達した電子のほとんどが、光電子となって真空中へ容易に放出される。
【0027】
真空中へ放出された光電子(e)は、図1に示されるように、光電面20に対して正の電圧が印加された陽極40に集められる。陽極40に集められた光電子はステムピン30a,30bにより外部に取り出されると共に、光電流として電流計32により検出される。
【0028】
このように、本実施形態では、光電子がその表面障壁を容易に越えて放出されるため、光電面20内に暗電流を増加させるバイアス電圧を印加する必要がなくなる。その結果、光電面20の冷却をせずに使用が可能となる。したがって、これを用いた光電管では、高感度且つ低雑音が得られるだけでなく、微小電流の取り扱いが容易となり、微弱光の検出が可能となる。
【0029】
なお、光電面20の仕事関数をさらに低下させるために、図4に示されるように、その表面上に例えば電気的に陽性なCs,Rb又はKのようなアルカリ金属からなる吸着層24がさらに形成されていてもよい。ただし、吸着層24はアルカリ金属のみからなるものに限定されず、上記アルカリ金属の酸化物のような化合物からなるものであってもよい。
【0030】
本発明の光電面は上記実施形態に限定されない。すなわち、多結晶ダイヤモンド22表面に形成された図4の水素の単原子の層23の代わりに、酸素又はフッ素の単原子の層が形成されても、電子親和力が負又は零の光電面20が得られる。これは、酸素やフッ素がアルカリ金属と化合して例えばCsやCs等の表面ダイポールが形成されるため、その表面ダイポールの存在により、ダイヤモンド表面の仕事関数が実効的に低下するからである。なお、多結晶ダイヤモンド22表面が単に酸素やフッ素によって終端されただけでは、電子親和力が零又は負とならないことに留意すべきである。表面準位の形成を抑制するためにダイヤモンド表面を終端している酸素やフッ素が、水素と異なり炭素より高い電気陰性度を有するために負に分極するからである。
【0031】
上記実施形態の光電面は、多結晶ダイヤモンドがSi基板上に形成されたものであるが、本発明はこれに限定されない。他の半導体、金属等の上に多結晶ダイヤモンドを主成分としたものが形成されても、同様の効果を有する光電面が得られることはもちろんである。また、光電面は、多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分としたものからなるものに限定されず、単結晶ダイヤモンド又はダイヤモンドライクカーボンからなるものでもよいことはいうまでもない。しかし、単結晶ダイヤモンド内では、光の入射により励起された電子の走行距離が長くなるため、結晶格子と電子は衝突して運動エネルギを失うおそれがある。このため、多結晶ダイヤモンドに比べて感度が低下するおそれがある。また、単結晶ダイヤモンドの合成は現状では高価な単結晶ダイヤモンド基板を必要とし、産業上利用性び経済性の観点からは問題がある。さらに、ダイヤモンドライクカーボンでは、一定の品質のもの作成するのが困難である。したがって、安価で品質の安定した大面積のSi基板等を使用できる多結晶ダイヤモンド等が現状では好適である。
【0032】
また、不純物準位の形成にBとNをドーピングしたものを例に説明したが、所定の位置に不純物準位を形成できるものであれば、不純物元素の種類はBやNに限られないことはもちろんであり、Erなどの希土類元素などをドーピングしても構わない。しかしながら、不純物準位と伝導帯下端との間のエネルギ差が小さくなりすぎて、零または負の電子親和力の状態が達成されない場合には、感度は著しく低下するので、本発明の効果も著しく低下することは留意すべきである。また、光電面の電子親和力の値は、上述した仕事関数の値と同様、ダイヤモンドの表面状態に強く依存するので、不純物元素の種類、濃度だけでは決定できない。
【0033】
本発明の光電面の効果を説明するために、上記実施形態では光電面が光電管に用いられていた。しかし、広い検出範囲及び高い検出感度を有する本発明の光電面が組み込まれるものは光電管に限定されず、他の微弱光検出機器でもよい。例えば、極めて低雑音の2次電子増倍部と組み合わた光電子増倍管でもよい。これにより、極微弱光検出が可能となる。また、2次電子増倍部をマイクロチャンネルプレートにすることにより、極微弱光の2次元光の検出が可能となるので、暗視力メラなどの性能が飛躍的に向上するようになる。さらに、本発明の光電面が、電子偏向を利用したストリークカメラ等に適用されれば、非常に高い検出効率をもって超高速の微弱光の測定が可能となる。
【0034】
【発明の効果】
本発明の光電面では、ダイヤモンド材料が不純物準位を有しているので、不純物準位から伝導帯へ電子の遷移が可能となる。すなわち、ダイヤモンド材料のエネルギギャップに対応した光の波長よりも長い波長の光に対しても、本発明の光電面は感度を有する。また、不純物準位の位置は、それを形成する不純物元素の濃度等により制御されうる。したがって、かかる光電面の適用範囲は広い。
【0035】
さらに、本発明の光電面のダイヤモンド材料が水素等によって適当に処理されることにより、零又は負の電子親和力を容易に有するようになる。このため、電子が表面障壁を越えるための高いバイアス電圧を印加する必要がなくなり、電極から注入されるリーク電流によって発生する暗電流は存在しなくなる。したがって、本発明では、広い波長範囲にわたって感度が高く且つ雑音の低い光電面が得られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の光電面が用いられた光電管の断面図である。
【図2】不純物元素がドーピングされた多結晶ダイヤモンドのエネルギバンド図である。
【図3】GaAsのエネルギバンド図と比較して示した、図1の光電面のエネルギバンド図である。
【図4】本発明の光電面の第2実施形態を示した断面図である。
【図5】GaAsからなる従来の半導体光電面のエネルギバンド図である。
【符号の説明】
10…光電管、20…光電面、21…Si基板、22…多結晶ダイヤモンド、24…吸着層、30,30a,30b…ステムピン、40…陽極。

Claims (5)

  1. 光の入射により光電子が外部に放出される光電面において、
    多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分としたものからなる粒状物が膜状に形成されたダイヤモンド材料を有し、
    前記ダイヤモンド材料の禁制帯中に、前記光の入射により電子を伝導帯へ励起する不純物準位を形成する不純物がドープされることにより、225nmより大きい波長の光に感度を有し、
    前記光電子が外部に放出される面の電子親和力が零又は負とされていることを特徴とする光電面。
  2. 前記ダイヤモンド材料の表面が水素により終端されていることを特徴とする請求項1に記載の光電面。
  3. 前記ダイヤモンド材料の表面には、アルカリ金属又はその化合物の層が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の光電面。
  4. 光の入射により光電子が外部に放出される光電面において、 多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分としたものからなるダイヤモンド材料によって構成されると共に、禁制帯中に前記光の入射により電子を伝導帯へ励起する不純物準位を形成する不純物がドープされ、
    前記光電子が外部に放出される面の電子親和力が零又は負とされており、
    前記ダイヤモンド材料の表面が酸素により終端されると共に、アルカリ金属又はその化合物の層が形成されていることを特徴とする光電面。
  5. 光の入射により光電子が外部に放出される光電面において、 多結晶ダイヤモンド又は多結晶ダイヤモンドを主成分としたものからなるダイヤモンド材料によって構成されると共に、禁制帯中に前記光の入射により電子を伝導帯へ励起する不純物準位を形成する不純物がドープされ、
    前記光電子が外部に放出される面の電子親和力が零又は負とされており、
    前記ダイヤモンド材料の表面がフッ素により終端されると共に、アルカリ金属又はその化合物の層が形成されていることを特徴とする光電面。
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