JP3582013B2 - 核融合炉のブランケットモジュール構造 - Google Patents

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    • Y02E30/10Nuclear fusion reactors

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核融合炉のブランケットモジュール構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
核融合炉においては、プラズマディスラプション時に、電磁誘導による電流が図13の矢印に示すようにバックプレート103及びブランケット101内を流れ、その電流とプラズマの閉じ込め用に超電導コイルが作る磁場との作用でブランケット101に電磁力が働く。バックプレート103及びブランケット101に電流が流れるのは、プラズマ電流が増減すると、電磁誘導によりバックプレート103及びブランケット101に渦電流が流れるからである。
【0003】
プラズマディスラプション時のプラズマ電流の変化及び超電導コイルの作る磁場が共に大きいことによりブランケット101に働く電磁力は巨大となり、これに耐えるには、ブランケット101のバックプレート103への溶接脚101zを剛構造にすることが必要である。即ち、ブランケット101に働く電磁力により、図13に示すようにブランケット101に矢印Qに示す面圧(引張り圧力)が例えば1MPa≒10atmかかり、しかも矢印Su、Sdで示す上下方向のせん断力が例えば1MN(トータル荷重)がかかるため、溶接脚101zを剛構造にすることが必要である。
【0004】
しかし、溶接脚101zを剛構造にすると、熱応力が増加してしまう。また、ブランケット101を流れる電流を抑制するには、溶接脚ではなく絶縁ボルトによりブランケット101をバックプレート103に結合する方法があるが、この場合には絶縁ボルトでの発熱による温度上昇や耐電気絶縁性材料の耐久性に問題がある。
【0005】
このような問題を解決する手段として、特開2000−241578に開示されるように、ブランケットにポロイダル方向でスリットを設けたり、ブランケットを数枚の板状ブランケットとなして、これを周縁に電気絶縁材を介して接合し板状ブランケット間に隙間を形成したり、あるいは接合面全面に電気絶縁材を介在して接合したりして、スリットや隙間であるいは電気絶縁材で電流を遮断するようにしたものがあり、これにより核融合炉におけるプラズマディスラプション時に、電磁誘導により電流がブランケット内を流れにくくなり、従って、その電流と超電導コイルの作る磁場との作用でブランケットに働く電磁力が低減される。その結果、バックプレートへブランケットを取り付けるための溶接脚や絶縁ボルトに要求する強度が大きく軽減される。
【0006】
しかしながら、上記特開2000−241578に開示されるブランケット構造では、電磁力低減のためにブランケットの製作加工前後に、ポロイダル方向、半径方向などにウォータージェット加工、放電加工、ワイヤーカット加工などによるスリット加工を必要とした、また、スリット深さにも制約があってブランケットの半分程度の深さ=最長200mm程度であった。ウォータージェット加工による場合は、200mm深さになると、切り口が波形状に乱れる現象が生じる場合があった。従って、加工精度、加工コスト、スリット付与に難点があった。さらに、従来の上記ブランケット構造では、電磁力低減のために電導性の良い銅材から成る第一壁と遮蔽体とを分離する分離型構造を採っているため、分離型第一壁は支持脚部が遮蔽体を貫通するような複雑な構造の採択が余儀なくされ、複雑かつ高コストの設計が必要であった。一方、一体型HIP法による第一壁と遮蔽体との接合では、大型HIP装置が必要となり、高コストを招く原因ともなっていた。さらにまた、プラズマ環境により部分的に有意な損傷を被った場合、従来はブランケットモジュール1個を廃棄する必要があり、無駄が多くなっていた。その上従来のブランケット構造では、中性子負荷から生じる核発熱に対しては、後壁部に対してもそれ専用の冷却通路を設ける必要があり、しかも遮蔽体部の冷却水を後壁部に流すなどの考慮が必要であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、従来のブランケット構造のように高価で高度な技術を要する電磁力低減用のスリット加工を施す必要がなく、また複雑な脚部構造が必要となる分離型第一壁構造を採用する必要がなく、さらに大型HIP装置を用いる必要がなく、また部分的な損傷を被った場合、その部分のみ交換すればよく、その上冷却水を後壁部に流すための冷却通路を加工する必要のない核融合炉のブランケットモジュール構造を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の核融合炉のブランケットモジュール構造は、遮蔽ブランケットモジュールをトロイダル方向に細かく分割して多数個の遮蔽ファセットとなすと共に夫々ポロイダル方向で後面上下両端部に取付脚を形成し、この多数個の遮蔽ファセットを一定寸法の隙間をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚にて後壁の前面上下両端部に設けた突出部に溶接固定して、後壁との間に空隙を形成して成り、各遮蔽ファセットは、コ字形の第一壁と箱形の遮蔽体とより成り、前記第一壁が遮蔽体に嵌着され、HIP接合により一体化されている核融合炉のブランケットモジュール構造において、各遮蔽ファセットのコ字形の第一壁は、ポロイダル方向でコ字形に形成され、その上下両端部にトロイダル方向で出口側及び入口側のヘッダーが形成され、その上下のヘッダー間にコ字形の冷却材通路が多数並列に形成されて成り、各遮蔽ファセットの箱形の遮蔽体は、後面上下両端部の取付脚の内部のヘッダーが形成され、上下両面側にヘッダーが形成され、この上下のヘッダー間に多数の冷却材通路が複数層並列に形成され、前記後面上端部の取付脚の内部にヘッダーと下面側のヘッダーとの間に冷却材流路が多数並列に形成され、遮蔽体の上面側のヘッダーと第一壁の上端部のヘッダーは連通され、第一壁の下端部のヘッダーと遮蔽体の下面側のヘッダーは連通され、遮蔽体の後面上部には前記後面上端部の取付脚の内部のヘッダーに連通する入口管又は出口管が取り付けられ、遮蔽体の後面下端部には前記後面下端部の取付脚の内部のヘッダーに連通する出口管又は入口管が取り付けられていることを特徴とするものである。
【0009】
上記の核融合炉のブランケットモジュール構造において、各遮蔽ファセットのコ字形の第一壁は、ポロイダル方向でコ字形に形成され、その上下両端部にトロイダル方向で出口側及び入口側のヘッダーが形成され、その上下のヘッダー間にコ字形の冷却材通路が多数並列に形成されて成り、各遮蔽ファセットの箱形の遮蔽体は、後面の上部、下部、中間部、下部に夫々ヘッダーが形成され、上部のヘッダーと中間部のヘッダーとの間にコ字形の冷却材流路が複数形成され、中間部のヘッダーから遮蔽体の下部にかけて前記冷却材流路と同列に冷却材流路が形成され、この冷却材流路に連なって遮蔽体の前側位置で長いコ字形の冷却材流路が形成され、この冷却材流路が前記第一壁の上端部のヘッダーに連通する連絡溝に連通され、前記遮蔽体の後面下部のヘッダーは第一壁の下端部のヘッダーに連通する連絡溝と冷却材流路にて連通され、遮蔽体の上部のヘッダーと下部のヘッダーには入口管と出口管が取り付けられていることが好ましい。
【0010】
前記の各核融合炉のブランケットモジュール構造において、後壁は、前面の上下端部に多数個の遮蔽ファセットを取付脚にて溶接固定した突出部を有し、前面の上下に多数個の遮蔽ファセットの入口管と出口管を挿入した多数の挿通口を有し、その多数の挿通口の反対側には後面より配管型式のヘッダーが挿入固定されるか又は矩形溝型式のヘッダーが設けられ、後面左右両側端には真空容器又はバックプレートにボルト又は溶接にて固定するL形の取付部がポロイダル方向で突設されていることが好ましい。
【0011】
本発明の核融合炉のブランケットモジュール構造の他の1つは、増殖ブランケットモジュールをトロイダル方向に細かく分割して多数個の増殖ファセットとなすと共に夫々ポロイダル方向で後面側上下両端部に取付脚を形成し、この多数個の増殖ファセットを一定寸法の隙間をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚にて後壁の前面上下両端部に設けた突出部に溶接固定して成る核融合炉のブランケットモジュール構造において、各増殖ファセットは、前側内部に独立した増殖体を前後方向に重層して複数設け、後側内部に独立した増殖体を左右方向に並列に複数設けてなり、各増殖体は増倍材にて増殖材を内包してなることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明による核融合炉のブランケットモジュール構造の1つの実施形態を図によって説明する。図1において、1は遮蔽ブランケットモジュールで、この遮蔽ブランケットモジュール1は、トロイダル方向(図1において左右方向)に細かく分割して多数個(例えば6〜8個)の遮蔽ファセット2となすと共に夫々ポロイダル方向(図1において上下方向)で後面上下両端部に取付脚3、3′を突設し、この多数個の遮蔽ファセット2を一定寸法(例えば2〜3mm)の隙間4をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚3、3′にて後壁5の前面上下端部に設けた突出部6、6′に溶接固定して、後壁5との間に空隙7を形成して成り、各遮蔽ファセット2は、図2に示すようにコ字形の第一壁8と箱形の遮蔽体9とより成り、前記第一壁8が遮蔽体9に嵌合され、HIP接合により一体化されて成る。この遮蔽ブランケットモジュール1において、上記各遮蔽ファセット2のコ字形の第一壁8の1つは、図3に示すようにポロイダル方向でコ字形に形成され、その上下両端部にトロイダル方向で入口側のヘッダー10及び出口側のヘッダー10′が形成され、その上下のヘッダー10、10′間にコ字形の冷却材流路11がトロイダル方向で多数並列に形成されている。各遮蔽ファセット2の箱形の遮蔽体9の1つは、図3、図4に示すように後面上下両端部の取付脚3、3′の内部に大、小のヘッダー12、12′が形成され、遮蔽体9の上下両面側にヘッダー14、14′が形成され、この上下のヘッダー14、14′間に多数の冷却材流路15が複数層並列に形成されている。前記ヘッダー12とヘッダー14′との間には冷却材流路13が多数並列に形成され、ヘッダー14と第一壁8のヘッダー10とは連通するようにしてあり、第一壁8のヘッダー10′と遮蔽体9のヘッダー12′とは連通するようにしてある。遮蔽体9の後面上部には前記ヘッダー12に連通する入口管16が取り付けられ、後面下端部には前記ヘッダー12′に連通する出口管17が取り付けられている。
【0013】
このように構成された遮蔽ファセット2において、冷却材は入口管16から遮蔽体9のヘッダー12に入り、ヘッダー12から冷却材流路13を通ってヘッダー14′に入り、ヘッダー14′から冷却材流路15を通ってヘッダー14に入り、ヘッダー14から第一壁8のヘッダー10に入り、ヘッダー10から冷却材流路11を通ってヘッダー10′に入り、ヘッダー10′から遮蔽体9のヘッダー12′に入り、ヘッダー12′から出口管17を通って出る。
【0014】
各遮蔽ファセット2のコ字形の第一壁8の他の1つと箱形の遮蔽体9の他の1つを図5、図6によって説明する。第一壁8は、ポロイダル方向でコ字形に形成され、その上下両端部にトロイダル方向で入口側のヘッダー10及び出口側のヘッダー10′が形成され、その上下のヘッダー10、10′間にコ字形の冷却材流路11がトロイダル方向で多数並列に形成されている。遮蔽体9は、後面の上部、中間部、下部に、夫々ヘッダー18、19、20が形成され、上部のヘッダー18と中間部のヘッダー19との間にコ字形の冷却材流路21が複数並列に形成され、中間部のヘッダー19から遮蔽体9の下部にかけて冷却材流路21と同列に冷却材流路22が形成され、この冷却材流路22に連なって遮蔽体9の前側位置で長いコ字形の冷却材流路23が形成され、この冷却材流路23が前記第一壁8の上端部のヘッダー10に連通する連絡溝24に連通されている。前記遮蔽体9の後面下部のヘッダー20は、前記第一壁8の下端部のヘッダー10′と連通する連絡溝25と冷却材流路26にて連なっている。前記遮蔽体9の上部のヘッダー18と下部のヘッダー20には入口管16と出口管17が取り付けられている。
【0015】
このように構成された遮蔽ファセット2において、冷却材は入口管16から遮蔽体9のヘッダー18に入り、ヘッダー18から冷却材流路21を通ってヘッダー19に入り、ヘッダー19から冷却材流路22、冷却材流路23を通って連絡溝24に入り、連絡溝24から第一壁8のヘッダー10に入り、ヘッダー10から冷却材流路11を通ってヘッダー10′に入り、ヘッダー10′から遮蔽体9の連絡溝25に入り、連絡溝25から冷却材流路26を通ってヘッダー20に入り、ヘッダー20から出口管17を通って出る。
【0016】
前記の各核融合炉のブランケットモジュール構造において、図1に示される後壁5は、前述の如く前面の上下両端部に多数個の遮蔽ファセット2を取付脚3、3′にて溶接固定した突出部6、6′を有し、前面の上下に図7に示すように多数個の遮蔽ファセット2の入口管16と出口管17を挿入した多数の挿通口31、32を有し、その多数の挿通口31、32の反対側には後面より配管型式のヘッダー33、34が各分岐配管33a、34aが挿入固定され、この配管型式のヘッダー33、34の後側には夫々1個の入口管33b、出口管34bが取り付けられている。配管型式のヘッダー33、34の代りに、図8に示すように多数の挿通口31、32の後半部に夫々矩形溝35、36をトロイダル方向(左右方向)に設け、この矩形溝35、36の開口面に入口管37、出口管38を備えた封塞板39、40を溶接して矩形溝型式のヘッダー41、42を形成してもよい。後壁5の後面左右両側端には真空容器又はバックプレートにボルト又は溶接にて固定するL形の取付部43がポロイダル方向で突設されている。
【0017】
上記のように構成された核融合炉のブランケットモジュール構造において、遮蔽ブランケットモジュール1は、トロイダル方向で多数個の小さな遮蔽ファセット2を後壁5に対し並列に一定寸法の隙間4をあけて後面上下両端の取付脚3、3′にて溶接固定しているので、従来のように加工精度、加工コスト、スリット付与に難点のあったスリット加工は全く不要となり、一定寸法の隙間4が従来よりも多いポロイダル方向の後壁5までの深い(約500mm)貫通スリットとなって、電磁力の大幅な低減を図ることができる。その上各遮蔽ファセット2の背後には後壁5との間で空隙7が形成されているので、半径方向の電流の流れも大きく遮られる結果、過大電磁力を低減できる。また、多数個の小さな遮蔽ファセット2は、第一壁8と遮蔽体9とが一体となっているので、従来のように複雑な脚部構造が必要となる分離型第一壁構造は採用する必要がなくなり、電磁力の低減はより確実なものとなる。
【0018】
上記多数個の遮蔽ファセット2の第一壁8は、ヘッダー10、10′の切削加工と、冷却材流路11のドリル加工や半割れ板はさみ込みHIPで第一壁8と遮蔽体9を同時に接合などの方法で製作され、図3、図4に示される遮蔽体9は、ヘッダー12、12′、14、14′の切削加工と、その開口面への封塞板12a、14aの溶接固定と、冷却材流路13、15のドリル加工と、入口管16、出口管17の取り付けで製作され、図5、図6に示される遮蔽体8は、ヘッダー18、19、20、連絡溝24、25の切削加工と、その開口面への封塞板18a、19a、20a、24a、25aの溶接固定と、冷却材流路21、22、23、26、これらを夫々トロイダル方向で連絡する流路21a、22a、23a、26aのドリル加工と、遮蔽体9の外面に開口された冷却材流路21、22、23、26及び流路21a、22a、23a、26aの端部を封塞するプラギング45と、入口管16、出口管17の取り付けで製作されるので、第一壁8と遮蔽体9は簡素で安価な既存の製作方法により製作され、しかも第一壁8と遮蔽体9はHIP接合により一体化されるので、そのHIP接合には小型、安価なHIP装置で対応できる。
【0019】
また、上記遮蔽ブランケットモジュール1は、プラズマ環境により、部分的に有害な損傷を被った場合、損傷した遮蔽ファセット2のみの部分交換が容易であるので、従来の設計概念のようにブランケットモジュール1個を破棄したり、複雑な構造である分離型の第一壁構造だけを交換したりするようなことはなくなり、経済的である。
【0020】
また、多数の遮蔽ファセット2が並列に隙間4をあけて溶接固定された後壁5には、配管型式のヘッダー33、34あるいは矩形溝型式のヘッダー、41、42を設けて、ヘッダー機能に冷却機能を兼ね備えさせているので、中性子負荷から生じる核発熱に対して冷却効果があり、従来のように後壁に対して専用の冷却通路を設ける必要がなく、遮蔽体部の冷却水を後壁部に流すなど考慮を払う必要がない。
【0021】
また、上記後壁5には後面左右両側端にL形の取付部43がポロイダル方向で突設されているので、図9に示すように真空容器又はバックプレート50の支持脚51に前面側よりブランケットモジュール1をボルト52により固定するのは容易であり、また図10に示すように真空容器又はバックプレート50の支持脚51にブランケットモジュール1を溶接機53により側方より溶接するのは容易である。
【0022】
以上述べた核融合炉のブランケットモジュール構造は、遮蔽ブランケットモジュールの場合であるが、増殖ブランケットモジュールにも適用できるものである。その実施形態を図11により説明すると、55は増殖ブランケットモジュールで、この増殖ブランケットモジュール55は、トロイダル方向(左右方向)に細かく分割して多数個(例えば4〜6個)の増殖ファセット56となすと共に夫々ポロイダル方向(図11において上下方向)で後面上下両端部に取付脚57、57′を突設し、この多数個の増殖ファセット56を一定寸法(例えば2〜3mm)の隙間58をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚57、57′にて後壁59の前面上下両端部に設けた突出部60、60′に溶接固定して、後壁59との間に空隙61を形成して成るものである。
【0023】
上記構成のブランケットモジュール構造において、各増殖ファセット56は、図12に示すように前側内部に独立した増殖体62を前後方向に重層して複数、本例の場合四体設け、後側内部に独立した増殖体63を左右方向に重ねて複数、本例の場合三体設けて成り、各増殖体62、63は増倍材(Beなど)64にて増殖材(酸化Liなど)65を内包してなるものである。
【0024】
上記のように独立した増殖体62、63を供えた増殖ファセット56をトロイダル方向に隙間58をあけて並列させ、取付脚57、57′にて後壁59の前面上下両端部に設けた突出部60、60′に溶接固定して、後壁59との間に空隙61を形成した増殖ブランケットモジュール55は、多数の増殖ファセット56が各々独立して増殖ブランケットの機能を果たすので、効率のよい増殖作用をすることになる。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明で判るように本発明の核融合炉のブランケットモジュール構造は、トロイダル方向で多数個の小さな遮蔽ファセットを後壁に対し並列に一定寸法の隙間をあけて溶接固定しているので、従来のようなスリット加工は全く不要で、一定寸法の隙間は従来よりも効果の大きい後壁までの深い貫通スリットとなって、電磁力の大幅な低減を図ることができ、その上各遮蔽ファセットと後壁との間に空隙が形成されているので、半径方向の電流の流れが大きく遮られ、過大電磁力が低減される。しかも各遮蔽ファセットは第一壁が遮蔽体となっているので、従来のような複雑な脚部構造が必要となる分離型第一壁構造は採用する必要がなく、電磁力に耐える強度はより確実なものとなる。
【0026】
また、各遮蔽ファセットの第一壁及び遮蔽体は、ヘッダーの切削加工、冷却材流路のドリル加工、ヘッダーの封塞板の溶接固定、冷却材流路の端部を封塞するプラギング、入口管、出口管の取り付け等の簡素で安価な既存の製作方法により製作され、しかも第一壁と遮蔽体はHIP接合により一体化されるので、そのHIP接合には小型で安価なHIP装置で対応できる。
【0027】
また、上記のブランケットモジュール構造では、プラズマ環境により、部分的に有害な損傷を被った場合、損傷した遮蔽ファセットのみの部分交換が容易であるので、従来のようにブランケットモジュール1個を破棄するようなことはなくなり、経済的である。
【0028】
また、多数の遮蔽ファセットが並列に隙間をあけて溶接固定された後壁にヘッダーを設けて、ヘッダー機能に冷却機能を兼ね備えさせているので、中性子負荷から生じる核発熱に対して冷却効果があり、従来のように後壁に対して専用の冷却通路を設ける必要がない。さらに、この後壁には後面左右両側端に取付部が突設されているので、真空容器又はバックプレートにボルト又は溶接により固定するのが容易である。
【0029】
さらに、本発明の核融合炉のブランケットモジュール構造は、増殖ブランケットモジュールにも適用でき、多数の分割した増殖ファセット内に独立した増殖体を設けることにより、各増殖ファセットは独立して増殖ブランケットの機能を果たすことになり、効率のよい増殖作用をすることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による核融合炉のブランケットモジュール構造の1つの実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1のブランケットモジュール構造における遮蔽ファセットを示す概略斜視図である。
【図3】図2の遮蔽ファセットの一例を示す分解斜視図である。
【図4】図3の遮蔽ファセットを組立てた時の縦断側面図である。
【図5】図2の遮蔽ファセットの他の例を示す分解斜視図である。
【図6】図5の遮蔽ファセットを組立てた時の縦断側面図である。
【図7】図1のブランケットモジュールにおける後壁の入口ヘッダー、出口ヘッダーの一例を示す分解斜視図である。
【図8】図7の後壁の入口ヘッダー、出口ヘッダーに代わる他の例を示す分解斜視図である。
【図9】図1のブランケットモジュールを真空容器又はバックプレートにボルトにより固定する状態を示す斜視図である。
【図10】図1のブランケットモジュールを真空容器又はバックプレートに溶接により固定する状態を示す斜視図である。
【図11】本発明による核融合炉のブランケットモジュール構造の他の1つの実施形態を示す概略斜視図である。
【図12】図11のブランケットモジュール構造における増殖ファセットを示す横断斜視図である。
【図13】核融合炉においてプラズマディスラプション時に従来のバックプレート及びブランケット内を流れる電磁誘導による過大電流の流れと、ブランケットにかかる面圧(引張り圧力)とせん断力を示す図である。
【符号の説明】
1 遮蔽ブランケットモジュール
2 遮蔽ファセット
3、3′ 取付脚
4 隙間
5 後壁
6、6′ 突出部
7 空隙
8 コ字形の第一壁
9 箱形の遮蔽体
10、10′ ヘッダー
11 冷却材流路
12、12′ ヘッダー
13 冷却材流路
14、14′ ヘッダー
15 冷却材流路
16 入口管
17 出口管
18、19、20 ヘッダー
21、22、23、26 冷却材流路
24、25 連絡溝
31、32 挿通口
33、34 配管型式のヘッダー
33a、34a 分岐配管
33b 入口管
34b 出口管
35、36 矩形溝
37 入口管
38 出口管
39、40 封塞板
41、42 矩形溝型式のヘッダー
43 取付部
45 プラギング
50 真空容器又はバックプレート
51 支持脚
52 ボルト
53 溶接機
55 増殖ブランケットモジュール
56 増殖ファセット
57、57′ 取付脚
58 隙間
59 後壁
60、60′ 突出部
61 空隙
62、63 増殖体
64 増倍材
65 増殖材

Claims (4)

  1. 遮蔽ブランケットモジュールをトロイダル方向に細かく分割して多数個の遮蔽ファセットとなすと共に夫々ポロイダル方向で後面上下両端部に取付脚を突設し、この多数個の遮蔽ファセットを一定寸法の隙間をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚にて後壁の前面上下両端部に設けた突出部に溶接固定して、後壁との間に空隙を形成して成り、各遮蔽ファセットは、コ字型の第一壁と箱型の遮蔽体とより成り、前記第一壁が遮蔽体に嵌着され、HIP接合により一体化されている核融合炉のブランケットモジュール構造において、各遮蔽ファセットのコ字形の第一壁は、ポロイダル方向でコ字形に形成され、その上下両端部にトロイダル方向で出口側及び入口側のヘッダーが形成され、その上下のヘッダー間にコ字形の冷却材通路が多数並列に形成されて成り、各遮蔽ファセットの箱形の遮蔽体は、後面上下両端部の取付脚の内部にヘッダーが形成され、上下両面側にヘッダーが形成され、この上下のヘッダー間に多数の冷却材通路が複数層並列に形成され、前記後面上端部の取付脚の内部のヘッダーと下面側のヘッダーとの間に冷却材流路が多数並列に形成され、遮蔽体の上面側のヘッダーと第一壁の上端部のヘッダーは連通され、第一壁の下端部のヘッダーと遮蔽体の下面側のヘッダーは連通され、遮蔽体の後面上部には前記後面上端部の取付脚の内部のヘッダーに連通する入口管又は出口管が取り付けられ、遮蔽体の後面下端部には前記後面下端部の取付脚の内部のヘッダーに連通する出口管又は入口管が取り付けられていることを特徴とする核融合炉のブランケットモジュール構造。
  2. 遮蔽ブランケットモジュールをトロイダル方向に細かく分割して多数個の遮蔽ファセットとなすと共に夫々ポロイダル方向で後面上下両端部に取付脚を突設し、この多数個の遮蔽ファセットを一定寸法の隙間をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚にて後壁の前面上下両端部に設けた突出部に溶接固定して、後壁との間に空隙を形成して成り、各遮蔽ファセットは、コ字型の第一壁と箱型の遮蔽体とより成り、前記第一壁が遮蔽体に嵌着され、HIP接合により一体化されている核融合炉のブランケットモジュール構造において、各遮蔽ファセットのコ字形の第一壁は、ポロイダル方向でコ字形に形成され、その上下両端部にトロイダル方向で出口側及び入口側のヘッダーが形成され、その上下のヘッダー間にコ字形の冷却材通路が多数並列に形成されて成り、各遮蔽ファセットの箱形の遮蔽体は、後面の上部、中間部、下部に夫々ヘッダーが形成され、上部のヘッダーと中間部のヘッダーとの間にコ字形の冷却材流路が複数形成され、中間部のヘッダーから遮蔽体の下部にかけて前記冷却材流路と同列に冷却材流路が形成され、この冷却材流路に連なって遮蔽体の前側位置で長いコ字形の冷却材流路が形成され、この冷却材流路が前記第一壁の上端部のヘッダーに連通する連絡溝に連通され、前記遮蔽体の後面下部のヘッダーは第一壁の下端部のヘッダーに連通する連絡溝と冷却材流路にて連通され、遮蔽体の上部のヘッダーと下部のヘッダーには入口管と出口管が取り付けられていることを特徴とする核融合炉のブランケットモジュール構造。
  3. 請求項1または2に記載の核融合炉のブランケットモジュール構造において、後壁は、前面の上下端部に多数個の遮蔽ファセットを取付脚にて溶接固定した突出部を有し、前面の上下に多数個の遮蔽ファセットの入口管と出口管を挿入した多数の挿通口を有し、その多数の挿通口の反対側には後面より配管型式のヘッダーが挿入固定されるか又は矩形溝型式のヘッダーが設けられ、後面左右両側端には真空容器又はバックプレートにボルト又は溶接にて固定するL形の取付部がポロイダル方向で突設されていることを特徴とする核融合炉のブランケットモジュール構造。
  4. 増殖ブランケットモジュールをトロイダル方向に細かく分割して多数個の増殖ファセットとなすと共に夫々ポロイダル方向で後面上下両端部に取付脚を突設し、この多数個の増殖ファセットを一定寸法の隙間をあけてトロイダル方向に並列させ、取付脚にて後壁の前面上下両端部に設けた突出部に溶接固定して後壁との間に空隙を形成して成る核融合炉のブランケットモジュール構造において、各増殖ファセットは、前側内部 に独立した増殖体を前後方向に重層して複数設け、後側内部に独立した増殖体を左右方向に並列に複数設けてなり、各増殖体は増倍材にて増殖材を内包してなるものであることを特徴とする核融合炉のブランケットモジュール構造。
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