JP3585249B2 - 燃料電池発電装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池発電部に循環供給した冷却水から水蒸気を分離する気水分離器と、原燃料ガスと前記気水分離器から供給される水蒸気とを改質反応させて改質ガスを生成する改質装置と、その改質装置からの改質ガス及び水蒸気を変成反応させて変成ガスを生成する変成装置と、前記気水分離器から供給される水蒸気から熱回収する排熱回収装置と、前記改質装置への原燃料ガス供給量を調整する原燃料ガス供給量調整手段と、前記改質装置への改質用水蒸気供給量を調整する改質用水蒸気供給量調整手段と、前記排熱回収装置への排熱回収用水蒸気供給量を調整する排熱回収用水蒸気供給量調整手段が設けられ、前記燃料電池発電部の電気負荷が大になるほど前記原燃料ガス供給量を大にするように、前記原燃料ガス供給量調整手段を制御する制御手段が設けられた燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる燃料電池発電装置では、COガスは、燃料電池発電部の触媒の表面に吸着されて触媒の表面を少なくして発生電圧を低下させるという、いわゆるCO被毒の原因となる。従って、改質装置にて炭化水素等の原燃料ガスを改質した改質ガスはH2 ガスとCOガスを主成分とするので、その改質ガス中のCOガスを変成装置にて改質装置からの水蒸気と変成反応させて、H2 ガスとCO2 ガスを主成分とする変成ガスに変成して、COガス濃度を低くしている。即ち、変成装置において変成反応用に用いる水蒸気は、改質装置において改質反応用に用いた残りの水蒸気(以下、余剰水蒸気と称する場合もある)を用いている。
又、燃料電池発電部に循環供給した冷却水から分離した水蒸気の一部を、改質装置に改質反応用として供給するとともに、残りを、空調設備、給湯設備等の熱利用設備の熱源として使用するために排熱回収装置に供給する。
【0003】
ところで、改質用水蒸気供給量調整手段及び排熱回収用水蒸気供給量調整手段にて改質装置への改質用水蒸気供給量を調整していても、運転状態の変動に伴って、気水分離器における水蒸気の発生量が変動するので、実際の改質用水蒸気供給量も変動する。従って、従来では、運転状態の変動に伴って実際の改質用水蒸気供給量が減少した場合でも、確実にCO被毒を防止するために、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比が大きくなるように(例えば、改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)が3〜4になるように)、改質用水蒸気供給量調整手段及び排熱回収用水蒸気供給量調整手段を調整していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料電池発電装置では、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比を大きくしてCO被毒を防止するものであるため、排熱回収装置への排熱回収用水蒸気供給量を多くし難く、排熱回収率を増加させ難いという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みて成されたものであり、その目的は、CO被毒を防止しながら、排熱回収率を増大することが可能となる燃料電池発電装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による燃料電池発電装置の特徴構成は、前記気水分離器の加圧高温水を前記変成装置に供給する供給手段と、その供給手段にて加圧高温水を供給する供給状態と供給しない供給停止状態とに切り換える切り換え手段と、前記原燃料ガス供給量を検出する原燃料ガス供給量検出手段と、前記改質用水蒸気供給量を検出する改質用水蒸気供給量検出手段とが設けられ、前記制御手段が、前記原燃料ガス供給量検出手段及び前記改質用水蒸気供給量検出手段の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると前記切り換え手段を前記供給停止状態から前記供給状態に切り換えるように構成されている点にある。
【0007】
【作用】
制御手段は、原燃料ガス供給量検出手段及び改質用水蒸気供給量検出手段の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると、切り換え手段を供給停止状態から供給状態に切り換える。そして、供給手段から気水分離器の加圧高温水が変成装置に供給され、その加圧高温水から発生した水蒸気が変成反応用に用いられる。
【0008】
つまり、運転状態の変動に伴って実際の改質用水蒸気供給量が減少して、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると、気水分離器の加圧高温水が変成装置に供給されるので、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比が小さくなるように、改質用水蒸気供給量調整手段及び排熱回収用水蒸気供給量調整手段を調整しても、CO被毒を防止することが可能となる。
【0009】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、CO被毒を防止しながら、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比を小さくして、排熱回収装置への排熱回収用水蒸気供給量を多くすることが可能となるので、CO被毒を防止しながら、排熱回収率を増大することが可能となる燃料電池発電装置を提供することができるようになった。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1中の1は、原燃料ガス供給路2からの天然ガス(CH4 )等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫する脱硫装置である。脱硫装置1にて脱硫された脱硫原燃料ガスをエジェクタ3に供給するように、脱硫装置1とエジェクタ3とを脱硫原燃料ガス供給路4にて接続し、気水分離器5からの水蒸気をエジェクタ3に噴出供給するように、気水分離器5とエジェクタ3とを水蒸気供給路6にて接続してある。エジェクタ3にて混合された脱硫原燃料ガスと水蒸気とを改質装置7に供給するように、エジェクタ3と改質装置7とを被改質ガス供給路25にて接続してある。
【0011】
改質装置7にて生成された改質ガスを変成装置8に供給するように、改質装置7と変成装置8とを改質ガス供給路9にて接続してある。尚、図中の7Aは改質装置7を加熱するためのガスバーナである。又、8Aは起動時に変成装置8を加熱するための電気ヒータ、8Bは変成反応用の酸化鉄又は銅系の触媒である。
【0012】
図中の10は、燐酸電解質層を備えた燃料電池発電部であり、この燃料電池発電部10は、図示しないが、燐酸電解質層の一方の面に燃料極を付設し且つ他方の面に酸素極を付設して構成したセルの多数を積層状に並設して構成してある。図中の10Aは、前記セル夫々の前記燃料極に燃料ガスを供給するように設けた燃料ガス供給部であり、10Bは、前記セル夫々の前記酸素極に酸素含有ガスとしての空気を供給するように設けた空気供給部である。
【0013】
変成装置8にて生成された変成ガスを燃料ガスとして燃料電池発電部10の燃料ガス供給部10Aに供給するように、変成装置8と燃料ガス供給部10Aとを変成ガス供給路11にて接続してある。ファン12からの空気を空気供給部10Bに供給するように、ファン12と空気供給部10Bとを空気供給路13にて接続してある。もって、燃料電池発電部10における、変成ガス中のH2 ガスと空気中のO2 ガスとの電気化学反応によって、燃料電池発電部10から直流電力を得られるように構成してある。
【0014】
燃料電池発電部10に冷却水を循環供給するように、気水分離器5と燃料電池発電部10とをポンプ14を介装した冷却水循環路15にて接続してあり、又、変成装置8に冷却水を循環供給するように、気水分離器5と変成装置8とをポンプ14を介装した冷却水循環路16にて接続してある。気水分離器5は、燃料電池発電部10及び変成装置8に循環供給した冷却水から水蒸気を分離するように構成してあり、その水蒸気の一部を、水蒸気供給路6にてエジェクタ3を通じて改質装置7に改質反応用として供給すると共に、残りの水蒸気を、排熱回収用水蒸気供給路17にて排熱回収用として排熱回収装置Hとしての熱交換器18に供給する。熱交換器18は、気水分離器5からの水蒸気と熱交換することにより得られた水蒸気、高温水を、空調設備、給湯設備等の熱源として供給するように構成してある。
【0015】
変成装置8には、加圧高温水を変成反応用の触媒8Bに散布するノズル19を配設してある。そして、気水分離器5内の加圧高温水をノズル19から散布するように、気水分離器5とノズル19とを高温水供給路20にて接続してある。
【0016】
図中の21は、変成ガス供給路11を通流する変成ガスの一部を脱流用ガスとして原燃料ガス供給路2に供給する脱流用ガス供給路であり、22は、燃料電池発電部10の前記燃料極からの排ガスを燃焼用ガスとしてガスバーナ7Aに供給する排ガス路であり、23は、ガスバーナ7Aからの燃焼排ガス、及び、燃料電池発電部10の前記空気極からの排ガスを排出する排ガス路である。又、24は、排ガス路23を通流する排ガスと熱交換して温水を得るための熱交換器である。
【0017】
次に、脱硫装置1について説明を加える。
脱硫装置1は、原燃料ガス中の硫黄分と脱流用ガス供給路21から供給される変成ガス中のH2 ガスとを下記の反応式で反応させて硫化水素とし、この硫化水素を酸化亜鉛に吸着させるように構成してある。
H2 +S→H2 S
【0018】
次に、改質装置7について説明を加える。
改質装置7は、ガスバーナ7Aにて約700°Cに加熱したニッケル、ルテニウム等の触媒を用いて、原燃料ガス(CH4 )と水蒸気とを下記の反応式で反応させて改質処理するように構成してある。
CH4 +H2 O→CO+3H2
【0019】
次に、変成装置8について説明を加える。
変成装置8は、200〜400°C程度に加熱した触媒8Bを用いて、水蒸気と改質ガス中のCOガスとを下記の反応式で反応させて変成処理するように構成してある。
CO+H2 O→CO2 +H2
尚、上記変成反応は発熱反応であるので、起動時には電気ヒータ8Aにて触媒8Bを加熱するが、起動後は、冷却水にて触媒8Bの温度を200〜400°C程度に維持する。
【0020】
次に、燃料電池発電装置の制御構成について説明する。
原燃料ガス供給路2、水蒸気供給路6及び排熱回収用水蒸気供給路17の夫々には、流量調整用の比例弁V1,V2,V3の夫々を介装し、高温水供給路20には開閉弁V4を介装してある。又、原燃料ガス供給路2には、原燃料ガス供給路2を通流する原燃料ガス流量(原燃料ガス供給量に相当する)を検出する流量検出装置S1を介装し、水蒸気供給路6には、水蒸気供給路6を通流する改質用水蒸気流量(改質用水蒸気供給量に相当する)を検出する流量検出装置S2を介装してある。
【0021】
従って、比例弁V1は改質装置7への原燃料ガス供給量を調整する原燃料ガス供給量調整手段として、比例弁V2は改質装置7への改質用水蒸気供給量を調整する改質用水蒸気供給量調整手段として、及び、比例弁V3は熱交換器18への排熱回収用水蒸気供給量を調整する排熱回収用水蒸気供給量調整手段として夫々機能する。又、ノズル19は、気水分離器5の加圧高温水を変成装置8に供給する供給手段Kとして機能し、開閉弁V4は、ノズル19にて加圧高温水を散布するか否かに切り換える切り換え手段として機能する。又、流量検出装置S1は原燃料ガス供給量を検出する原燃料ガス供給量検出手段として、流量検出装置S2は改質用水蒸気供給量を検出する改質用水蒸気供給量検出手段として夫々機能する。
【0022】
図中のCは、マイクロコンピュータを利用した制御装置であり、その制御装置Cは、比例弁V1,V2,V3夫々の開度の制御、及び、流量検出装置S1,S2夫々の検出情報に基づく開閉弁V4の開閉制御を実行する。以下、制御装置Cの制御作動について説明する。
【0023】
予め、比例弁V1,V2,V3夫々の目標開度を、燃料電池発電部10からの出力電流値に応じて以下のように設定して、制御装置Cに記憶させてある。
比例弁V1の目標開度は、原燃料ガス流量が前記出力電流値に応じた適切な流量になるように、前記出力電流値が大になるほど原燃料ガス流量が大になるように設定する。又、比例弁V2,V3の夫々の目標開度は、前記出力電流値の変動にかかわらず改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が所定の値に維持されるように、改質用水蒸気流量を調整すべく設定する。尚、前記所定の値は、例えば、改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)が1.5〜2.5になる場合の改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比に設定する。
【0024】
制御装置Cは、燃料電池発電部10からの出力電流値を検出する電流検出装置(図示せず)の検出電流値に基づいて、比例弁V1,V2,V3夫々の開度を前記目標開度に調整する。
又、制御装置Cは、流量検出装置S1,S2夫々の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)との比(Ms/Mc)を演算すると共に、その演算比(Ms/Mc)が設定値よりも大きいときは、開閉弁V4を閉成状態に維持し、前記設定値以下になると、開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換える。尚、前記設定値は、改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)が例えば1.0になるときの改質用水蒸気流量(Ns)と原燃料ガス流量(Nc)との比(Ns/Nc)に設定する。
従って、制御装置Cは、燃料電池発電部10の電気負荷が大になるほど原燃料ガス供給量を大にするように、比例弁V1を制御する制御手段として機能する。又、その制御装置Cは、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)との比(Ms/Mc)が設定値以下になる条件をCO被毒防止用設定条件として、原燃料ガス供給量検出手段としての流量検出装置S1及び改質用水蒸気供給量検出手段としての流量検出装置S2の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると切り換え手段としての開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換えるように構成してある。
【0025】
〔別実施例〕
次に別実施例を列記する。
▲1▼ 上記実施例では、燃料電池発電部10からの出力電流値の変動にかかわらず、改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が所定の値に維持されるように、改質用水蒸気流量を調整すべく、比例弁V2,V3の夫々の開度を制御する場合について例示したが、これに代えて、前記出力電流値の変動にかかわらず、熱交換器18への排熱回収用水蒸気供給量を所定の量に維持すべく、比例弁V2,V3の夫々の開度を制御しても良い。尚、この場合は、前記出力電流値が小になるほど、改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が小さくなり、前記出力電流値が所定の値になると、改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が前記設定値以下になる。
【0026】
▲2▼ 上記実施例では、制御装置Cを、流量検出装置S1,S2夫々の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)との比(Ms/Mc)を演算すると共に、その演算比(Ms/Mc)が設定値以下になると、開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換えるように構成したが、これに代えて、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)とにより改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)を演算すると共に、その演算モル比(S/C)が設定値以下になると、開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換えるように構成しても良い。この場合、CO被毒防止用設定条件としての前記設定値は、変成反応用の余剰水蒸気の量が少なくなってCO被毒が防止できなくなるときの改質用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)に設定する。
【0027】
▲3▼ 上記実施例では、供給手段Kとして,加圧高温水を変成反応用の触媒8Bに散布するノズル19を適用する場合について例示したが、これに代えて、加圧高温水を改質ガス供給路9内に噴出する噴出用ノズルを適用しても良い。
【0028】
▲4▼ 排熱回収装置Hの具体構成は、種々の構成が可能であり、例えば、空調設備そのものにて構成しても良い。この場合は、気水分離器5からの水蒸気が空調設備の熱源として用いられる。
【0029】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる燃料電池発電装置の全体構成図
【符号の説明】
5 気水分離器
7 改質装置
8 変成装置
10 燃料電池発電部
C 制御手段
H 排熱回収装置
K 供給手段
V1 原燃料ガス供給量調整手段
V2 改質用水蒸気供給量調整手段
V3 排熱回収用水蒸気供給量調整手段
V4 切り換え手段
S1 原燃料ガス供給量検出手段
S2 改質用水蒸気供給量検出手段
【産業上の利用分野】
本発明は、燃料電池発電部に循環供給した冷却水から水蒸気を分離する気水分離器と、原燃料ガスと前記気水分離器から供給される水蒸気とを改質反応させて改質ガスを生成する改質装置と、その改質装置からの改質ガス及び水蒸気を変成反応させて変成ガスを生成する変成装置と、前記気水分離器から供給される水蒸気から熱回収する排熱回収装置と、前記改質装置への原燃料ガス供給量を調整する原燃料ガス供給量調整手段と、前記改質装置への改質用水蒸気供給量を調整する改質用水蒸気供給量調整手段と、前記排熱回収装置への排熱回収用水蒸気供給量を調整する排熱回収用水蒸気供給量調整手段が設けられ、前記燃料電池発電部の電気負荷が大になるほど前記原燃料ガス供給量を大にするように、前記原燃料ガス供給量調整手段を制御する制御手段が設けられた燃料電池発電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかる燃料電池発電装置では、COガスは、燃料電池発電部の触媒の表面に吸着されて触媒の表面を少なくして発生電圧を低下させるという、いわゆるCO被毒の原因となる。従って、改質装置にて炭化水素等の原燃料ガスを改質した改質ガスはH2 ガスとCOガスを主成分とするので、その改質ガス中のCOガスを変成装置にて改質装置からの水蒸気と変成反応させて、H2 ガスとCO2 ガスを主成分とする変成ガスに変成して、COガス濃度を低くしている。即ち、変成装置において変成反応用に用いる水蒸気は、改質装置において改質反応用に用いた残りの水蒸気(以下、余剰水蒸気と称する場合もある)を用いている。
又、燃料電池発電部に循環供給した冷却水から分離した水蒸気の一部を、改質装置に改質反応用として供給するとともに、残りを、空調設備、給湯設備等の熱利用設備の熱源として使用するために排熱回収装置に供給する。
【0003】
ところで、改質用水蒸気供給量調整手段及び排熱回収用水蒸気供給量調整手段にて改質装置への改質用水蒸気供給量を調整していても、運転状態の変動に伴って、気水分離器における水蒸気の発生量が変動するので、実際の改質用水蒸気供給量も変動する。従って、従来では、運転状態の変動に伴って実際の改質用水蒸気供給量が減少した場合でも、確実にCO被毒を防止するために、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比が大きくなるように(例えば、改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)が3〜4になるように)、改質用水蒸気供給量調整手段及び排熱回収用水蒸気供給量調整手段を調整していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の燃料電池発電装置では、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比を大きくしてCO被毒を防止するものであるため、排熱回収装置への排熱回収用水蒸気供給量を多くし難く、排熱回収率を増加させ難いという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる実情に鑑みて成されたものであり、その目的は、CO被毒を防止しながら、排熱回収率を増大することが可能となる燃料電池発電装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明による燃料電池発電装置の特徴構成は、前記気水分離器の加圧高温水を前記変成装置に供給する供給手段と、その供給手段にて加圧高温水を供給する供給状態と供給しない供給停止状態とに切り換える切り換え手段と、前記原燃料ガス供給量を検出する原燃料ガス供給量検出手段と、前記改質用水蒸気供給量を検出する改質用水蒸気供給量検出手段とが設けられ、前記制御手段が、前記原燃料ガス供給量検出手段及び前記改質用水蒸気供給量検出手段の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると前記切り換え手段を前記供給停止状態から前記供給状態に切り換えるように構成されている点にある。
【0007】
【作用】
制御手段は、原燃料ガス供給量検出手段及び改質用水蒸気供給量検出手段の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると、切り換え手段を供給停止状態から供給状態に切り換える。そして、供給手段から気水分離器の加圧高温水が変成装置に供給され、その加圧高温水から発生した水蒸気が変成反応用に用いられる。
【0008】
つまり、運転状態の変動に伴って実際の改質用水蒸気供給量が減少して、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると、気水分離器の加圧高温水が変成装置に供給されるので、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比が小さくなるように、改質用水蒸気供給量調整手段及び排熱回収用水蒸気供給量調整手段を調整しても、CO被毒を防止することが可能となる。
【0009】
【発明の効果】
従って、本発明によれば、CO被毒を防止しながら、改質用水蒸気供給量と原燃料ガス供給量との比を小さくして、排熱回収装置への排熱回収用水蒸気供給量を多くすることが可能となるので、CO被毒を防止しながら、排熱回収率を増大することが可能となる燃料電池発電装置を提供することができるようになった。
【0010】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1中の1は、原燃料ガス供給路2からの天然ガス(CH4 )等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫する脱硫装置である。脱硫装置1にて脱硫された脱硫原燃料ガスをエジェクタ3に供給するように、脱硫装置1とエジェクタ3とを脱硫原燃料ガス供給路4にて接続し、気水分離器5からの水蒸気をエジェクタ3に噴出供給するように、気水分離器5とエジェクタ3とを水蒸気供給路6にて接続してある。エジェクタ3にて混合された脱硫原燃料ガスと水蒸気とを改質装置7に供給するように、エジェクタ3と改質装置7とを被改質ガス供給路25にて接続してある。
【0011】
改質装置7にて生成された改質ガスを変成装置8に供給するように、改質装置7と変成装置8とを改質ガス供給路9にて接続してある。尚、図中の7Aは改質装置7を加熱するためのガスバーナである。又、8Aは起動時に変成装置8を加熱するための電気ヒータ、8Bは変成反応用の酸化鉄又は銅系の触媒である。
【0012】
図中の10は、燐酸電解質層を備えた燃料電池発電部であり、この燃料電池発電部10は、図示しないが、燐酸電解質層の一方の面に燃料極を付設し且つ他方の面に酸素極を付設して構成したセルの多数を積層状に並設して構成してある。図中の10Aは、前記セル夫々の前記燃料極に燃料ガスを供給するように設けた燃料ガス供給部であり、10Bは、前記セル夫々の前記酸素極に酸素含有ガスとしての空気を供給するように設けた空気供給部である。
【0013】
変成装置8にて生成された変成ガスを燃料ガスとして燃料電池発電部10の燃料ガス供給部10Aに供給するように、変成装置8と燃料ガス供給部10Aとを変成ガス供給路11にて接続してある。ファン12からの空気を空気供給部10Bに供給するように、ファン12と空気供給部10Bとを空気供給路13にて接続してある。もって、燃料電池発電部10における、変成ガス中のH2 ガスと空気中のO2 ガスとの電気化学反応によって、燃料電池発電部10から直流電力を得られるように構成してある。
【0014】
燃料電池発電部10に冷却水を循環供給するように、気水分離器5と燃料電池発電部10とをポンプ14を介装した冷却水循環路15にて接続してあり、又、変成装置8に冷却水を循環供給するように、気水分離器5と変成装置8とをポンプ14を介装した冷却水循環路16にて接続してある。気水分離器5は、燃料電池発電部10及び変成装置8に循環供給した冷却水から水蒸気を分離するように構成してあり、その水蒸気の一部を、水蒸気供給路6にてエジェクタ3を通じて改質装置7に改質反応用として供給すると共に、残りの水蒸気を、排熱回収用水蒸気供給路17にて排熱回収用として排熱回収装置Hとしての熱交換器18に供給する。熱交換器18は、気水分離器5からの水蒸気と熱交換することにより得られた水蒸気、高温水を、空調設備、給湯設備等の熱源として供給するように構成してある。
【0015】
変成装置8には、加圧高温水を変成反応用の触媒8Bに散布するノズル19を配設してある。そして、気水分離器5内の加圧高温水をノズル19から散布するように、気水分離器5とノズル19とを高温水供給路20にて接続してある。
【0016】
図中の21は、変成ガス供給路11を通流する変成ガスの一部を脱流用ガスとして原燃料ガス供給路2に供給する脱流用ガス供給路であり、22は、燃料電池発電部10の前記燃料極からの排ガスを燃焼用ガスとしてガスバーナ7Aに供給する排ガス路であり、23は、ガスバーナ7Aからの燃焼排ガス、及び、燃料電池発電部10の前記空気極からの排ガスを排出する排ガス路である。又、24は、排ガス路23を通流する排ガスと熱交換して温水を得るための熱交換器である。
【0017】
次に、脱硫装置1について説明を加える。
脱硫装置1は、原燃料ガス中の硫黄分と脱流用ガス供給路21から供給される変成ガス中のH2 ガスとを下記の反応式で反応させて硫化水素とし、この硫化水素を酸化亜鉛に吸着させるように構成してある。
H2 +S→H2 S
【0018】
次に、改質装置7について説明を加える。
改質装置7は、ガスバーナ7Aにて約700°Cに加熱したニッケル、ルテニウム等の触媒を用いて、原燃料ガス(CH4 )と水蒸気とを下記の反応式で反応させて改質処理するように構成してある。
CH4 +H2 O→CO+3H2
【0019】
次に、変成装置8について説明を加える。
変成装置8は、200〜400°C程度に加熱した触媒8Bを用いて、水蒸気と改質ガス中のCOガスとを下記の反応式で反応させて変成処理するように構成してある。
CO+H2 O→CO2 +H2
尚、上記変成反応は発熱反応であるので、起動時には電気ヒータ8Aにて触媒8Bを加熱するが、起動後は、冷却水にて触媒8Bの温度を200〜400°C程度に維持する。
【0020】
次に、燃料電池発電装置の制御構成について説明する。
原燃料ガス供給路2、水蒸気供給路6及び排熱回収用水蒸気供給路17の夫々には、流量調整用の比例弁V1,V2,V3の夫々を介装し、高温水供給路20には開閉弁V4を介装してある。又、原燃料ガス供給路2には、原燃料ガス供給路2を通流する原燃料ガス流量(原燃料ガス供給量に相当する)を検出する流量検出装置S1を介装し、水蒸気供給路6には、水蒸気供給路6を通流する改質用水蒸気流量(改質用水蒸気供給量に相当する)を検出する流量検出装置S2を介装してある。
【0021】
従って、比例弁V1は改質装置7への原燃料ガス供給量を調整する原燃料ガス供給量調整手段として、比例弁V2は改質装置7への改質用水蒸気供給量を調整する改質用水蒸気供給量調整手段として、及び、比例弁V3は熱交換器18への排熱回収用水蒸気供給量を調整する排熱回収用水蒸気供給量調整手段として夫々機能する。又、ノズル19は、気水分離器5の加圧高温水を変成装置8に供給する供給手段Kとして機能し、開閉弁V4は、ノズル19にて加圧高温水を散布するか否かに切り換える切り換え手段として機能する。又、流量検出装置S1は原燃料ガス供給量を検出する原燃料ガス供給量検出手段として、流量検出装置S2は改質用水蒸気供給量を検出する改質用水蒸気供給量検出手段として夫々機能する。
【0022】
図中のCは、マイクロコンピュータを利用した制御装置であり、その制御装置Cは、比例弁V1,V2,V3夫々の開度の制御、及び、流量検出装置S1,S2夫々の検出情報に基づく開閉弁V4の開閉制御を実行する。以下、制御装置Cの制御作動について説明する。
【0023】
予め、比例弁V1,V2,V3夫々の目標開度を、燃料電池発電部10からの出力電流値に応じて以下のように設定して、制御装置Cに記憶させてある。
比例弁V1の目標開度は、原燃料ガス流量が前記出力電流値に応じた適切な流量になるように、前記出力電流値が大になるほど原燃料ガス流量が大になるように設定する。又、比例弁V2,V3の夫々の目標開度は、前記出力電流値の変動にかかわらず改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が所定の値に維持されるように、改質用水蒸気流量を調整すべく設定する。尚、前記所定の値は、例えば、改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)が1.5〜2.5になる場合の改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比に設定する。
【0024】
制御装置Cは、燃料電池発電部10からの出力電流値を検出する電流検出装置(図示せず)の検出電流値に基づいて、比例弁V1,V2,V3夫々の開度を前記目標開度に調整する。
又、制御装置Cは、流量検出装置S1,S2夫々の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)との比(Ms/Mc)を演算すると共に、その演算比(Ms/Mc)が設定値よりも大きいときは、開閉弁V4を閉成状態に維持し、前記設定値以下になると、開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換える。尚、前記設定値は、改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)が例えば1.0になるときの改質用水蒸気流量(Ns)と原燃料ガス流量(Nc)との比(Ns/Nc)に設定する。
従って、制御装置Cは、燃料電池発電部10の電気負荷が大になるほど原燃料ガス供給量を大にするように、比例弁V1を制御する制御手段として機能する。又、その制御装置Cは、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)との比(Ms/Mc)が設定値以下になる条件をCO被毒防止用設定条件として、原燃料ガス供給量検出手段としての流量検出装置S1及び改質用水蒸気供給量検出手段としての流量検出装置S2の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると切り換え手段としての開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換えるように構成してある。
【0025】
〔別実施例〕
次に別実施例を列記する。
▲1▼ 上記実施例では、燃料電池発電部10からの出力電流値の変動にかかわらず、改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が所定の値に維持されるように、改質用水蒸気流量を調整すべく、比例弁V2,V3の夫々の開度を制御する場合について例示したが、これに代えて、前記出力電流値の変動にかかわらず、熱交換器18への排熱回収用水蒸気供給量を所定の量に維持すべく、比例弁V2,V3の夫々の開度を制御しても良い。尚、この場合は、前記出力電流値が小になるほど、改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が小さくなり、前記出力電流値が所定の値になると、改質用水蒸気流量と原燃料ガス流量との比が前記設定値以下になる。
【0026】
▲2▼ 上記実施例では、制御装置Cを、流量検出装置S1,S2夫々の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)との比(Ms/Mc)を演算すると共に、その演算比(Ms/Mc)が設定値以下になると、開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換えるように構成したが、これに代えて、検出改質用水蒸気流量(Ms)と検出原燃料ガス流量(Mc)とにより改質反応用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)を演算すると共に、その演算モル比(S/C)が設定値以下になると、開閉弁V4を閉成状態から開成状態に切り換えるように構成しても良い。この場合、CO被毒防止用設定条件としての前記設定値は、変成反応用の余剰水蒸気の量が少なくなってCO被毒が防止できなくなるときの改質用水蒸気と原燃料ガス中の炭素のモル比(S/C)に設定する。
【0027】
▲3▼ 上記実施例では、供給手段Kとして,加圧高温水を変成反応用の触媒8Bに散布するノズル19を適用する場合について例示したが、これに代えて、加圧高温水を改質ガス供給路9内に噴出する噴出用ノズルを適用しても良い。
【0028】
▲4▼ 排熱回収装置Hの具体構成は、種々の構成が可能であり、例えば、空調設備そのものにて構成しても良い。この場合は、気水分離器5からの水蒸気が空調設備の熱源として用いられる。
【0029】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる燃料電池発電装置の全体構成図
【符号の説明】
5 気水分離器
7 改質装置
8 変成装置
10 燃料電池発電部
C 制御手段
H 排熱回収装置
K 供給手段
V1 原燃料ガス供給量調整手段
V2 改質用水蒸気供給量調整手段
V3 排熱回収用水蒸気供給量調整手段
V4 切り換え手段
S1 原燃料ガス供給量検出手段
S2 改質用水蒸気供給量検出手段
Claims (1)
- 燃料電池発電部(10)に循環供給した冷却水から水蒸気を分離する気水分離器(5)と、原燃料ガスと前記気水分離器(5)から供給される水蒸気とを改質反応させて改質ガスを生成する改質装置(7)と、その改質装置(7)からの改質ガス及び水蒸気を変成反応させて変成ガスを生成する変成装置(8)と、前記気水分離器(5)から供給される水蒸気から熱回収する排熱回収装置(H)と、前記改質装置(7)への原燃料ガス供給量を調整する原燃料ガス供給量調整手段(V1)と、前記改質装置(7)への改質用水蒸気供給量を調整する改質用水蒸気供給量調整手段(V2)と、前記排熱回収装置(H)への排熱回収用水蒸気供給量を調整する排熱回収用水蒸気供給量調整手段(V3)が設けられ、前記燃料電池発電部(10)の電気負荷が大になるほど前記原燃料ガス供給量を大にするように、前記原燃料ガス供給量調整手段(V1)を制御する制御手段(C)が設けられた燃料電池発電装置であって、
前記気水分離器(5)の加圧高温水を前記変成装置(8)に供給する供給手段(K)と、その供給手段(K)にて加圧高温水を供給する供給状態と供給しない供給停止状態とに切り換える切り換え手段(V4)と、前記原燃料ガス供給量を検出する原燃料ガス供給量検出手段(S1)と、前記改質用水蒸気供給量を検出する改質用水蒸気供給量検出手段(S2)とが設けられ、前記制御手段(C)が、前記原燃料ガス供給量検出手段(S1)及び前記改質用水蒸気供給量検出手段(S2)の検出情報に基づいて、検出改質用水蒸気供給量(Ms)と検出原燃料ガス供給量(Mc)との関係がCO被毒防止用設定条件になると前記切り換え手段(V4)を前記供給停止状態から前記供給状態に切り換えるように構成されている燃料電池発電装置。
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