JP3585667B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、洗い兼脱水ドラムが水平軸心を中心として回転するドラム式洗濯機に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ドラム式洗濯機は、洗濯機本体内に、サスペンションによって支持された外槽と、外槽の内側で駆動モータにより水平軸心を中心として回転自在に制御され、洗い兼脱水ドラムとなる内槽とを備えた構造となっており、前面の開閉扉を開けることで投入口から洗濯物の出し入れが行なえるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ドラム式洗濯機の洗濯槽となる内槽は、構造上水平軸心を中心として回転する所から、上方から出し入れする通常の洗濯機と異なり、前面から出し入れする投入口の位置は、床面から約480mmの高さしかなく、洗濯物の出し入れにあたって、大きく腰を曲げる必要がある等使い勝手の面で望ましくなかったものである。
【0004】
そこで、この発明は、洗濯物の出し入れを容易にし、かつ、振動を小さく抑えるようにしたドラム式洗濯機を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、この発明は、洗濯機本体内に、サスペンションによって支持された外槽と、外槽の内側で駆動モータにより水平軸心を中心として回転自在に制御され、開閉可能な扉より衣類を出し入れする投入口を有する内槽とを備えたドラム式洗濯機において、前記外槽を支持するサスペンションより下方で、かつ、前記洗濯機本体の下部に、前記投入口の位置を高くする防振機能を備えた本体支持部を設ける。
【0011】
かかる構成において、本体支持部により投入口の位置が高くなるため、洗濯物の出し入れが容易となる。また、脱水起動時の共振振動は、防振機能を備えた本体支持部によって小さく抑えられる。
【0012】
また、この発明にあっては、洗濯機本体内に、サスペンションによって支持された外槽に、外槽の内側で駆動モータにより水平軸心を中心として回転自在に制御され、開閉可能な扉より衣類を出し入れする投入口を有する内槽とを備えたドラム式洗濯機において、前記洗濯機本体を、前記外槽を支持するサスペンションより下方に配置され、前記投入口の位置を高くする本体支持部の支持台上にゴムでできた支脚部を介して設置し、本体支持部の支持台を、ばねを介して鉛直方向に上下動自在に支持する。
【0013】
そして好ましい実施形態として、洗濯機本体と本体支持部と一体形状とする。
【0014】
かかる構成によれば、本体支持部により投入口の位置が高くなるため、洗濯物の出し入れが容易となる一方、本体支持部の使用をユーザが選択できるメリットが得られる。また、脱水運転時に、発生する振動系の内、特に床面へ伝達される振動は上下動自在に支持台を支持するばねによって低減が図れる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図3の図面を参照しながらこの発明の実施の形態を説明する。
【0017】
図1において、1は下部に設けられた本体支持部3により床面5からの開閉扉7の位置DをH分、高くしたドラム式洗濯機9の洗濯機本体を示している。洗濯機本体1の内部には、サスペンション11によって支持された外槽13と、外槽13の内部に配置され、駆動モータ15により水平軸心を中心として回転自在に制御され、開閉可能な扉7より衣類を出し入れする投入口17を有する脱水兼洗い槽となる内槽19が配置されている。
【0018】
開閉扉7は、洗濯機本体1の前面に配置され、ヒンジ21を支点として開閉可能となっている。
【0019】
サスペンション11は、シリンダ26と、ばね24により付勢されると共にシリンダ26に対して上下に摺動可能なピストン23と、ピストン23からシリンダ26の外へ延長されたピストンロッド25とから成り、シリンダ26は洗濯機本体1内に設けられた支持板部材27に枢支されている。ピストンロッド25は、前記外槽13を支持する支持ブラケット29に枢支され、振動の減衰を図る減衰器構造となっている。即ち、ピストン23は、シリンダ26に対する摺動摩擦力と、空気の出入りによる粘性減衰とにより、振動発生時にピストン23の動き量が制限されることで、上下方向の減衰力が得られるようになっている。
【0020】
一方、本体支持部3の上部は、図1に示すように前記サスペンション11のシリンダ26を枢支した前記支持板部材27となっている。また、本体支持部3の下部には床面5に設置するための支脚部31を有し、防振機能を備えた構造となっている。具体的には、本体支持部3内に防振機能を有する動吸振器35を設けるものである。
【0021】
動吸振器35は、サスペンション11に支持されている構造品、例えば、駆動モータ15,内槽19,外槽13,支持ブラケット29の質量の約15%に相当する質量体37と、ダンパ39とで構成されている。
【0022】
ダンパ39は、質量体37の中央部位からシリンダ部41が立上がり、シリンダ部41に対して、ばね43によるばね圧によってピストン45の動き量が制御されると共に、ピストン45から上方へ延長されたピストンロッド47を有し、動きが制限されたピストンロッド47の移動時に減衰力を生じる構成となっている。ばね43のばね定数及び減衰係数は、内槽19の脱水運転時に発生する上下方向の振動を制限するように設定されている。
【0023】
このように構成されたドラム式洗濯機3において、図3に示す振動系の概略図に基づき説明すると、サスペンション11,11に支持されている構造品(駆動モータ15,内・外槽19,13等)の質量をM、ダンパ39に支持された質量体37の質量をmで示す。脱水行程時において、内槽19内に生じる被洗濯物のアンバランスの遠心力が、外力Fとして質量Mに作用する。
【0024】
脱水起動時では、共振点において、質量Mの振動は大きくなるが、共振振動はサスペンション11内の摩擦力により低減される。と同時に、質量mが、質量Mにばね43によるばね減衰を介して取付けられた動吸振器35として作用するため、共振点での質量M、即ち、内槽19の上下方向の振動が低減される。
【0025】
この場合、図4に示す如く、シリンダ部41から延長されたピストンロッド47を、支持ブラケット29の取付部49に対して、取付軸51により矢印方向へ回動自在に枢支する一方、取付軸51から質量体37の重心位置までの長さLを、内槽19の左右方向の振動を制振する動吸振器35として作用する構成とすることで、上下方向の振動に加えて、左右方向の共振振動の低減が図れるようになる。
【0026】
なお、前記実施形態にあっては、脱水起動時の共振振動を動吸振器35により減衰させることができるため、例えば、サスペンション11に作用する摩擦力を小さく、あるいは、無くすようにすることで、サスペンション11を介して支持板部材27へ伝達される振動伝達力を低減し、脱水定常時に床面5と、洗濯機本体1への振動伝達力を小さく抑えることが可能となる。
【0027】
一方、投入口17は、本体支持部3により高い位置に設定されているため、洗濯物の出し入れが容易に行なえるようになる。
【0028】
図5は、本体支持部3の別の実施形態を示したものである。
【0029】
即ち、本体支持部3を洗濯機本体1と独立して形成する。洗濯機本体1は、床面5に直接設置できるようにゴムでできた支脚部53が設けられ、本体支持部1の支持台55の上面に設置されている。これにより、床面5からの投入口17の位置Dは、本体支持部3のH分、高くなっている。
【0030】
洗濯機本体1の底板1aの中央部位は、大きく開口された開放口57となっている。
【0031】
本体支持部3は、ボックス状に形成され、底板には床面5に設置するための支脚部59が設けられている。本体支持部3には動吸振器35が配置される一方、支持台55の中央部位は、前記洗濯機本体1の底板に設けられた開放口57と対応する開放口61が設けられている。
【0032】
動吸振器35は、サスペンション11に支持されている構造品、例えば駆動モータ15,内槽19,外槽13,支持ブラケット29の質量の約15%に相当する質量体37と、ダンパ39とで構成されている。
【0033】
ダンパ39は、質量体37の中央部位からシリンダ部41が立上がり、シリンダ部41に対して、ばね43によるばね圧によってピストン45の動き量が制御されると共に、ピストン45から上方へ延長されたピストンロッド47を有し、ピストンロッド47は、各開放口61,57を介して支持ブラケット29の取付部49に、取付軸51により矢印方向に回動自在に取着されている。これにより、動きが制限されるピストンロッド47の移動時に減衰力を生じる構成となっており、ばね43のばね定数及び減衰係数は、内槽19の脱水運転時に発生する上下方向の振動を制振するように設定されている。
【0034】
また、ピストンロッド47の取付軸51は、本体振動系の重心位置鉛直線上Xに配置されると共に、必要に応じて取外し可能となっている。
【0035】
なお、他の構成要素は、図1と同一のため同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0036】
かかるドラム式洗濯機によれば、前記実施形態の効果に加えて、使用場所あるいは使用条件によって本体支持部3の使用を選択できるメリットが得られる。
【0037】
図6は、動吸振器35の別の実施形態を示したものである。
【0038】
動吸振器35は、サスペンション11に支持されている構造品、例えば、駆動モータ15,内槽19,外槽13,支持ブラケット29の質量の約15%に相当する質量体61で構成され、床面5からの投入口17の位置DをH分、高くする本体支持部3内に配置されている。
【0039】
質量体61は、中央部位から立上がる支持ロッド63の上端部が支持ブラケット29に設けられた取付部65に、取付軸67を中心として矢印方向へ振り子運動自在に枢支されている。
【0040】
質量体61の重心位置と取付軸67までの長さLは、内槽19の左右方向の振動を制振する動吸振器35として作用するよう設定されている。
【0041】
なお、他の構成要素は図1と同一のため同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0042】
このように構成された実施形態によれば、脱水起動時に発生する振動系の内、上下方向への共振振動は、サスペンション11によって低減される。また、左右方向の振動は、取付軸67を中心とする質量体61の振り子運動によって低減され、洗濯機本体1への振動伝達が小さく抑えられる。
【0043】
また、本体支持部3によってH分、投入口17の位置が高くなるため、洗濯物の出し入れが容易となる。
【0044】
図7は、投入口17の位置を高くする本体支持部3の別の実施形態を示したものである。
【0045】
即ち、本体支持部3を内槽19、外槽13及びそれを支持するサスペンション11等が内装された洗濯機本体1と独立して形成する。洗濯機本体1の底部にゴムでできた支脚部69を設け、その支脚部69を介して洗濯機本体1を、前記本体支持部3の支持台71に設置するものである。
【0046】
ゴムでできた支脚部69は、図8に示す如くゴム硬度によって床への振動伝達力に影響を与えるのがわかる。即ち、ゴム硬度が小さいほど伝達力が最大となる共振点は低くなる。特に、脱水回転1000rpm付近で比較すると、実線で示す如くゴム硬度が小さい、即ち、柔らかい方が、床への振動伝達力が小さくなる。
【0047】
反面、柔らかいために左右方向へ動き易くなり、左右方向の振動が大きくなる。また、支脚部自体がへたり易くなる問題を招来する所から、支脚部69は硬いものを使用している。
【0048】
一方、本体支持部3の支持台71は、ばね73と、ピストン75及びピストンロッド77とから成る支持機構79とにより上下動自在に支持された構造となっている。
【0049】
ばね73は、ばね定数が小さいものを用いた組合せとすることで、前記支脚部69のゴム硬度をみかけ上、柔らかくなる構造をとっている。
【0050】
なお、他の構成要素は、図1と同一のため同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0051】
このように形成された実施形態によれば、脱水時において、内槽19内の洗濯物が偏っていれば、アンバランスの遠心力が内槽19に作用し振動する。
【0052】
この時、上下方向の振動は、ばね73によって床面5への振動が小さく抑えられる。と同時に、支脚部69は、硬いゴム硬度によって左右方向への振動を増大させることはない。
【0053】
また、本体支持部3によってH分、投入口17の位置Dが高くなるため、洗濯物の出し入れが容易となる。
【0054】
なお、この実施形態では、本体支持部3を別体に構成する手段となっているが、図9に示す如く、本体支持部3を一体に形成した洗濯機本体1とする構造としても同様の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】
以上、説明したように、この発明のドラム式洗濯機によれば、次のような効果を奏する。
【0056】
(1) 本体支持部によって投入口の位置を高くすることができるため、洗濯物の出し入れが容易となり、使い勝手の面で優れたものとなる。
【0057】
(2) 脱水起動時の共振振動及び脱水定常時の床面への振動伝達力を低減することができる。
【0058】
(3) 本体支持部を、使用場所、使用条件によってユーザーが選択できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるドラム式洗濯機の概要説明図。
【図2】ドラム式洗濯機の概要斜視図。
【図3】振動系の概要モデル図。
【図4】動吸振器を振り子運動自在に支持した図1と同様の概要説明図。
【図5】本体支持部の別の実施形態を示した図4と同様の概要説明図。
【図6】質量体を振り子運動自在に支持した図1と同様の概要説明図。
【図7】本体支持部の別の実施形態を示したドラム式洗濯機の概要説明図。
【図8】ゴム硬度による伝達力の説明図。
【図9】本体支持部を洗濯機本体と一体形状とした図7と同様の概要説明図。
【符号の説明】
1 洗濯機本体
3 本体支持部
5 床面
7 開閉扉
11 サスペンション
13 外槽
15 駆動モータ
17 投入口
19 内槽

Claims (3)

  1. 洗濯機本体内に、サスペンションによって支持された外槽と、外槽の内側で駆動モータにより水平軸心を中心として回転自在に制御され、開閉可能な扉より衣類を出し入れする投入口を有する内槽とを備えたドラム式洗濯機において、前記外槽を支持するサスペンションより下方で、かつ、前記洗濯機本体の下部に、前記投入口の位置を高くすると共に、防振機能を備えた本体支持部を設けたことを特徴とするドラム式洗濯機。
  2. 洗濯機本体内に、サスペンションによって支持された外槽に、外槽の内側で駆動モータにより水平軸心を中心として回転自在に制御され、開閉可能な扉より衣類を出し入れする投入口を有する内槽とを備えたドラム式洗濯機において、前記洗濯機本体を、前記外槽を支持するサスペンションより下方に配置され、前記投入口の位置を高くする本体支持部の支持台上にゴムでできた支脚部を介して設置し、本体支持部の支持台を、ばね要素を介して鉛直方向に上下動自在に支持したことを特徴とするドラム式洗濯機。
  3. 洗濯機本体と本体支持部とは一体形状であることを特徴とする請求項記載のドラム式洗濯機。
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