JP3586592B2 - 画像読取装置、画像読取装置のデフォルト値調整方法、及びチャート原稿 - Google Patents

画像読取装置、画像読取装置のデフォルト値調整方法、及びチャート原稿 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像読取装置、画像読取装置のデフォルト値調整方法、及びチャート原稿に係り、特に画像読取装置のレンズユニット等を移動させるパルスモータの分解能のデフォルト値を有する画像読取装置と、デフォルト値を調整する画像読取装置のデフォルト値調整方法と、このデフォルト値調整方法の発明の実施に直接使用するチャート原稿に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
特開平5−281631号公報には、写真プリントサイズに応じて、ズームレンズの倍率を調整するズームリングの位置と焦点を調整する焦点リングの位置とを調整する方法が記載されている。この方法では、ズームリングの位置のデフォルト値と焦点リングの位置のデフォルト値とが写真プリントサイズに応じて予めメモリに記憶されており、これらのデフォルト値に基づいてズームリングの位置及び焦点リングの位置を制御し、画像センサに写真プリントの画像を結像し、画像センサに結像された画像をプレビュー表示装置に表示する。プレビュー表示装置に表示された画像が表示画面に合っていない場合には、プレビュー表示装置に表示された画像を観察しながら、プレビュー表示装置に表示される画像が表示画面に合うようにオペレータがズームリングの位置と焦点リングの位置とを調整する。そして、既に記憶されているデフォルト値をズームレンズの調整により得られた値で置き換える。これにより、その後個々の写真プリントサイズに応じて調整されたデフォルト値が使用されるので、各写真プリント毎にサイズに応じたズームレンズの調整を行なう必要がなく、オペレータの時間的、労力的負担を軽減することができる。
【0003】
しかしながら、上記従来の調整方法では、オペレータがデフォルト値の調整後は時間的、労力的負担が軽減されるものの、調整時は表示画面を目視しながら各写真フィルムサイズ毎に調整する必要があるので、調整に時間がかかる、という問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点を解消するために成されたもので、調整の手間を軽減させた画像読取装置と画像読取装置のデフォルト値調整方法とを提供することを目的とする。また、原稿保持部と画像読取素子との位置ずれの検出を容易にするチャート原稿を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の画像読取装置は、光軸方向に移動可能に配置されたレンズユニットと、レンズユニットの結像位置に配置され、かつ原稿読取位置に配置された原稿の画像をレンズユニットを介して読み取る画像読取素子とを備え、前記光軸方向に移動可能に配置された読取部と、入力された第1のパルス数の信号に応じて前記レンズユニットを前記光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、入力された第2のパルス数の信号に応じて前記読取部を前記光軸方向に移動させる第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第1のデフォルト値、及び前記第2の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第2のデフォルト値を記憶した記憶手段と、前記第1のデフォルト値を用いて結像倍率に対応する第1のパルス数を演算し、第1のパルス数の信号を前記第1の駆動手段に入力すると共に、前記第2のデフォルト値を用いて前記結像倍率に対応する第2のパルス数を演算し、第2のパルス数の信号を前記第2の駆動手段に入力するパルス数演算手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の画像読取装置は、前記パルス数演算手段に、予め定められた設定結像倍率に対応する第1のパルス数及び第2のパルス数を演算させて、第1のパルス数の信号を第1の駆動手段に入力させると共に第2のパルス数の信号を第2の駆動手段に入力させてレンズユニット及び読取部を移動させた後、第2の駆動手段を駆動して前記原稿に対して合焦させるオートフォーカスと、第1の駆動手段を駆動してオートフォーカス後の実結像倍率を前記設定結像倍率に一致させるための倍率調整と、を実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になるまで実行し、実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数と前記設定結像倍率に対する共役長とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数と前記設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整する調整手段をさらに備えることが好ましい。
【0007】
また、前記調整手段は、実結像倍率が2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対する共役長の差とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離の差とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整することができる。
【0008】
さらに、本発明の画像読取装置は、前記原稿読取位置に原稿を配置するための原稿保持部と画像読取素子との位置ずれを、原稿保持部の原稿読取位置に配置された原稿の画像を画像読取素子を用いて読み取ることにより検出する位置ずれ検出手段をさらに備えることが好ましい。
【0009】
本発明の画像読取装置のデフォルト値調整方法は、光軸方向に移動可能に配置されたレンズユニットと、レンズユニットの結像位置に配置され、かつ原稿読取位置に配置された原稿の画像をレンズユニットを介して読み取る画像読取素子とを備え、前記光軸方向に移動可能に配置された読取部と、入力された第1のパルス数の信号に応じて前記レンズユニットを前記光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、入力された第2のパルス数の信号に応じて前記読取部を前記光軸方向に移動させる第2の駆動手段と、前記第1の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第1のデフォルト値、及び前記第2の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第2のデフォルト値を記憶した記憶手段と、前記第1のデフォルト値を用いて結像倍率に対応する第1のパルス数を演算し、第1のパルス数の信号を前記第1の駆動手段に入力すると共に、前記第2のデフォルト値を用いて前記結像倍率に対応する第2のパルス数を演算し、第2のパルス数の信号を前記第2の駆動手段に入力するパルス数演算手段と、を備えた画像読取装置の前記デフォルト値を調整するにあたり、前記記憶手段に記憶された第1のデフォルト値及び第2のデフォルト値を用いて、予め定められた設定結像倍率に対応する第1のパルス数及び第2のパルス数を演算し、第1のパルス数の信号を第1の駆動手段に入力すると共に第2のパルス数の信号を第2の駆動手段に入力してレンズユニット及び読取部を移動させ、第2の駆動手段を駆動して前記原稿に対して合焦させるオートフォーカスと、第1の駆動手段を駆動してオートフォーカス後の実結像倍率を前記設定結像倍率に一致させるための倍率調整とを実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になるまで実行し、実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数と前記設定結像倍率に対する共役長とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数と前記設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整することを特徴とする。
【0010】
本発明の画像読取装置のデフォルト値調整方法では、実結像倍率が2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対する共役長の差とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離の差とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整することもできる。
【0011】
本発明のチャート原稿は、第1の仮想線と直交する第1の線分と、該第1の線分に交差するように該第1の線分に対して各々反対の位置に設けられた2本の第2の線分とから構成され、第1の仮想線と3点で交差するパターンを、第1の仮想線と直交する第2の仮想線に対して対称に、所定間隔を隔てて2以上配置したことを特徴とする。
【0012】
本発明では、前記第1のデフォルト値を用いて結像倍率に対応する第1のパルス数を演算して、この第1のパルス数の信号を入力することにより、前記第1の駆動手段により前記レンズユニットを光軸方向に移動させ、前記第2のデフォルト値を用いて前記結像倍率に対応する第2のパルス数を演算して、この第2のパルス数の信号を入力することにより、前記第2の駆動手段により前記読取部を光軸方向に移動させて、レンズユニットの結像位置に配置され、かつ原稿読取位置に配置された原稿の画像をレンズユニットを介して画像読取素子により読み取る。
【0013】
本発明でデフォルト値を調整する場合には、記憶手段に記憶されているデフォルト値を用いて駆動手段を駆動することにより予め定められた設定結像倍率に対応する位置にレンズユニット及び読取部を移動する。その後、第2の駆動手段を駆動して原稿に対して合焦させるオートフォーカスと、第1の駆動手段を駆動してオートフォーカス後の実結像倍率を設定結像倍率に一致させるための倍率調整とを実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になるまで実行する。
【0014】
そして、実結像倍率が設定倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数と設定結像倍率に対する共役長とに基づいて第2の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を演算し、記憶手段に記憶されている第2のデフォルト値を演算した値に変更する。また、実結像倍率が設定倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数と設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離とに基づいて第1の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を演算し、記憶手段に記憶されている第1のデフォルト値を演算した値に変更する。
【0015】
これによって、結像倍率に対するレンズユニット及び読取部の設計位置と実際の位置とが一致する。
【0016】
本発明では、1つの設定倍率を用いてデフォルト値を調整することができるが、2つの設定倍率を用い、実結像倍率が2つの設定倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数の差と2つの設定結像倍率に対する共役長の差とに基づいて第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が2つの設定倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数の差と2つの設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離の差とに基づいて第1のデフォルト値を調整することにより、更に精度よくデフォルト値を調整することができる。
【0017】
本発明では、前記原稿読取位置に原稿を配置するための原稿保持部と画像読取素子との位置ずれを、原稿保持部の原稿読取位置に配置された原稿の画像を画像読取素子を用いて読み取ることにより検出する、位置ずれ検出手段をさらに備えることが好ましい。
【0018】
原稿保持部と画像読取素子との位置ずれの検出は、第1の仮想線と直交する第1の線分と、該第1の線分に交差するように該第1の線分に対して各々反対の位置に設けられた2本の第2の線分とから構成され、第1の仮想線と3点で交差するパターンを、第1の仮想線と直交する第2の仮想線に対して対称に、所定間隔を隔てて2以上配置した本発明のチャート原稿を用い、画像読取素子の多数の画素の配列方向と対応する方向に第1の仮想線が向くように本発明のチャート原稿を配置し、画素の配列方向と交差する3点の間隔をそれぞれ検出することで、原稿保持部と画像読取素子との位置ずれを修正することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態の画像読取装置のラインCCDスキャナ14は、パーソナルコンピュータで構成された画像処理部16、画像処理部16に接続されたマウス20、画像処理部16に接続された2種類のキーボード12A、12B、及び画像処理部16に接続されたディスプレイ18が設けられた作業テーブル27に備えられている。
【0021】
一方のキーボード12Aは、作業テーブル27の作業面27U内に埋設されている。他方のキーボード12Bは、不使用時は、作業テーブル27の下側に設けられたトレイ24内に収納され、使用時は、トレイ24から取り出され、一方のキーボード12A上に重ねて使用される。このとき、キーボード12Bのコードは、画像処理部16に接続されたジャック110に接続されて使用され、キーボード12B使用時はキーボード12Aからのデータ入力は不能になる。
【0022】
マウス20のジャックは作業テーブル27に設けられたジャック108に挿入され、ジャック108を介して画像処理部16に接続されている。マウス20は、不使用時はマウスホルダ20Aに収納され、使用時はマウスホルダ20Aから取り出し、作業面27U上に載置される。
【0023】
画像処理部16は、作業テーブル27の下側に設けられた収納部16Aに収納されている。収納部16Aの開口部には、開閉扉25が設けられている。なお、開閉扉25を開放することにより、画像処理部16を取り出すことができる。
【0024】
ラインCCDスキャナ14は、ネガフィルムやリバーサルフィルム等の写真フィルムに記録されているフィルム画像を読み取るためのものであり、例えば135サイズの写真フィルム、110サイズの写真フィルム、透明な磁気層が形成された写真フィルム(240サイズの写真フィルム:所謂APSフィルム)、及び120サイズ及び220サイズ(ブローニサイズ)の写真フィルムのフィルム画像を読取対象とすることができる。ラインCCDスキャナ14は、上記の読取対象のフィルム画像をラインCCDで読み取り、画像データを出力する。
【0025】
画像処理部16は、ラインCCDスキャナ14から入力された画像データに対して各種の補正等の画像処理を行って、記録用画像データとして、図示しないレーザを用いて印画紙に画像を記録する画像出力部へ出力する。
【0026】
図2及び図3に示すように、ラインCCDスキャナ14の光学系は、作業テーブル27の下方に配置された光源部30、作業テーブル27に取替え可能に支持された拡散ボックス40、作業テーブル27に取替え可能にセットされるフィルムキャリア38、及び作業テーブル27を挟んで光源部30の反対側に配置された読取部43を備えている。
【0027】
光源部30は金属製のケーシング31内に収容されており、ケーシング31内部には、ハロゲンランプまたはメタルハライドランプ等から成るランプ32が配置されている。
【0028】
ランプ32の周囲にはリフレクタ33が設けられており、ランプ32から射出された光の一部はリフレクタ33によって反射され、読取部43方向へ射出される。リフレクタ33の側方には、複数のファン34が設けられている。ファン34はランプ32が点灯している間作動され、ケーシング31の内部が過熱状態となることを防止する。
【0029】
リフレクタ33の光反射側には、リフレクタ33からの反射光の光軸Lに沿って、赤外域の波長の光をカットすることで写真フィルム22の温度上昇を防止し読取精度を向上させる赤外線(IR)カットフィルタ35、ランプ32からの光及びリフレクタ33からの反射光の光量を調整する絞り39、及び、写真フィルム22及び読取部43に到達する光の色成分を、写真フィルムの種類(ネガフィルム/リバーサルフィルム)に応じて適切に設定するネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pが嵌め込まれたターレット36(図4(B)も参照)が順に設けられている。
【0030】
絞り39は光軸Lを挟んで配置された一対の板材から成り、一対の板材が接近離間するようにスライド移動可能とされている。図4(A)に示すように、絞り39の一対の板材は、スライド方向に沿った一端側から他端側に向けて、スライド方向に直交する方向に沿った断面積が連続的に変化するように、一端側に切り欠き39Aが各々形成されており、切り欠き39Aが形成されている側が対向するように配置されている。
【0031】
上記構成では、所定の色成分の光となるように、写真フィルムの種類に応じたフィルタ(36N、36P)の何れが光軸L上に位置され、絞り39の位置によって絞り39を通過する光の光量が所定の光量に調整される。
【0032】
拡散ボックス40は、上部になるに従って、即ち、写真フィルム22に近づくに従って、フィルムキャリア38によって搬送される写真フィルム22の搬送方向の長さが狭くなり(図2参照)、この搬送方向に直交する方向(写真フィルム22の幅方向)の長さが広がる(図3参照)ように形成されている。このフィルムキャリア38は、キャリア台41に取り付けられている。また、拡散ボックス40の光射出側には光拡散板(図示せず)が取付けられている。なお、上記の拡散ボックス40は、135サイズの写真フィルム用であるが、他の写真フィルムに応じた形状の拡散ボックス(図示せず)も用意されており、写真フィルムのサイズに応じて取り替えて使用される。
【0033】
拡散ボックス40に入射された光は、フィルムキャリア38(すなわち写真フィルム22)に向けて、写真フィルム22の幅方向を長手方向とするスリット光となり、また、光拡散板によって拡散されて射出される。このように、拡散ボックス40から射出される光が拡散されることにより、写真フィルム22に照射される光の光量むらが低減され、フィルム画像に均一な光量のスリット光が照射されると共に、フィルム画像に傷が付いていたとしても、この傷が目立ちにくくなる。
【0034】
フィルムキャリア38及び拡散ボックス40は、写真フィルム22の種類毎に用意されており、写真フィルム22に応じて選択されて、キャリア台41に搭載される。なお、キャリア台41の詳細を図16に示す。
【0035】
フィルムキャリア38の上面及び下面における光軸Lに対応する部位には、写真フィルム22の幅方向に写真フィルム22の幅より長い細長い開口(図示しない)が各々設けられている。拡散ボックス40からのスリット光は、フィルムキャリア38の下面に設けられたこの開口を介して写真フィルム22に照射され、写真フィルム22を透過してフィルムキャリア38の上面に設けられた開口を介して、読取部43に照射される。
【0036】
また、フィルムキャリア38には、拡散ボックス40からのスリット光が照射される位置(読取位置)で写真フィルムがフィルム幅方向に沿った部位が直線状に凸(図2参照)または凹となるように、写真フィルム22を湾曲させてガイドする図示しないガイドが設けられている。これにより、読取位置での写真フィルム22の平面性が確保される。
【0037】
また、拡散ボックス40は、上面が読取位置に接近するように支持されている。また、フィルムキャリア38の装填時にフィルムキャリア38と拡散ボックス40が干渉しないように、フィルムキャリア38の下面には、拡散ボックス40が進入可能な切り欠け部が設けられている。
【0038】
なお、フィルムキャリアは、プレスキャン時には写真フィルムを第1の速度で搬送し、ファインスキャン時には写真フィルムを第1の速度より遅い第2の速度で搬送する。これにより、ファインスキャン時の解像度はプレスキャン時の解像度より良好になる。プレスキャンにより得られたデータにより、各フィルム画像の濃度やサイズ等が検出され、これらのデータによりファインスキャンの読取条件、すなわちフィルムを照明する光量及びCCDの電荷蓄積時間を定める条件が演算される。ファインスキャンでは、一定の第2の速度で搬送しながら、読取条件に応じてフィルム画像の濃度に応じた光量の光が照射されるように絞り39を制御すると共に、CCDの電荷蓄積時間を制御する。
【0039】
読取部43は、ケーシング44内部に収容された状態で配置されている。ケーシング44の内部には、上面にラインCCD116が取付けられた載置台47が設けられている。
【0040】
図7に示すように、載置台47には鏡筒49を構成すると共に光軸Lと平行な直線方向に延びた2つの長孔49Cが対向するように穿設された外筒49Aが固定されている。外筒49A内には、螺旋状の2つの長孔49Dが対向するように穿設された内筒49Bが回転可能に配置されている。内筒49Bの載置台47側の端部外周には、リング状のギヤ49Eが固定れており、このギヤ49Eはギヤ列を介してレンズモータ60の回転軸に固定されたギヤに歯合されている。
【0041】
焦点距離がfのレンズユニット50には、2つのロッド50Aが対向するように固定されている。これらのロッド50Aは、長孔49D、49Cを貫通するように挿入されている。
【0042】
従って、レンズモータ60を回転させると、内筒49Bが回転し、ロッド50Aが螺旋状の長孔49Dによって長孔49Cに沿って移動されるため、レンズユニット50が光軸L方向、すなわち縮小・拡大等の変倍のために作業テーブル27と接近離間する方向Aにスライド移動される。
【0043】
作業テーブル27には支持フレーム45が立設されている。読取部43は、支持フレーム45に取り付けられ、かつボールねじが設けられたガイドレール42に噛合されており、ガイドレール42に噛合された共役長モータ58を回転させることにより、ガイドレール42に沿って作業テーブル27と接近離間する方向Bにスライド移動可能に支持されている。この読取部43は、共役長を調整してオートフォーカスする際に移動される。レンズユニット50は複数枚のレンズから成り、複数枚のレンズの間にはレンズ絞り51が設けられている。
【0044】
図4(C)に示すように、レンズ絞り51は略C字状に成形された絞り板51Aを複数枚備えている。各絞り板51Aは光軸Lの周囲に均等に配置され一端部がピンを中心として回動可能に軸支されている。複数枚の絞り板51Aは図示しないリンクを介して連結されており、レンズ絞り駆動モータ(後述)の駆動力が伝達されると同一の方向に回動する。この絞り板51Aの回動に伴って、光軸Lを中心として絞り板51Aにより遮光されていない部分(図4(C)における略星型の部分)の面積が変化し、レンズ絞り51を通過する光の光量が変化する。
【0045】
ラインCCD116は、フォトダイオード等の光電変換素子で構成されたCCDセルが写真フィルム22の幅方向に一列に多数配置されて構成され、かつ電子シャッタ機構が設けられたセンシング部を備えている。このセンシング部は、間隔を空けて互いに平行に3ライン設けられ、各センシング部の光入射側にR、G、Bの色分解フィルタの何れかが各々取付けられ、これによってRラインセンサ、Gラインセンサ、及びBラインセンサから成る3ラインカラーCCDが構成されている。また、各センシング部の近傍には、多数のCCDセルから成る転送部が各センシング部に対応して各々設けられており、各センシング部の各CCDセルに蓄積された電荷は、対応する転送部を介して順に転送される。
【0046】
またラインCCD116の光入射側には、CCDシャッタ52が設けられている。なお、図4(D)に示すように、このCCDシャッタ52にはNDフィルタ52NDが嵌め込まれている。CCDシャッタ52は、矢印u方向に回転して、暗補正のためにラインCCD116に入射される光を遮光する全閉状態(NDフィルタ52NDが嵌め込まれていない部分52B等が、光軸Lを含む位置52Cに位置する)、通常の読み取りや明補正のためにラインCCD116に光を入射させる全開状態(図4(D)の位置)、リニアリティ補正のためにラインCCD116に入射される光をNDフィルタ52NDによって減光する減光状態(NDフィルタ52NDが位置52Cに位置する)の何れかの状態に切り替わる。
【0047】
図3に示すように、作業テーブル27には、写真フィルム22を冷却するための冷却風を生成するコンプレッサ94が配置されている。コンプレッサ94により生成された冷却風は、案内管95によりフィルムキャリア38の図示しない読取位置に供給される。これにより、写真フィルム22の読取位置を含む領域を冷却することができる。なお、案内管95には、冷却風の流量を検出する流量センサ96が取り付けられている。
【0048】
また、図5に示すようにガイドレール42の近傍には、読取部43の原点位置を検出する読取部原点センサ59が取り付けられ、鏡筒にはレンズユニット50の原点位置を検出するレンズ原点センサ61が取り付けられている。
【0049】
次に、図5に示したラインCCDスキャナ14の光学系の主要部を参照しながら、ラインCCDスキャナ14及び画像処理部16の電気系の概略構成を図6を用いて説明する。
【0050】
ラインCCDスキャナ14は、ラインCCDスキャナ14全体を制御するマイクロプロセッサ46を備えている。マイクロプロセッサ46には、バス66を介してRAM68(例えばSRAM)、ROM70(例えば、記憶内容を書換え可能なROM)が接続されていると共に、ランプドライバ53、コンプレッサ94、流量センサ96、及びモータドライバ48が接続されている。ランプドライバ53は、マイクロプロセッサ46からの指示に応じてランプ32を点消灯させる。
【0051】
また、写真フィルム22のフィルム画像の読み取りの際、写真フィルム22に冷却風を供給するために、マイクロプロセッサ46は、コンプレッサ94を稼働させる。なお、流量センサ96により冷却風の流量が検出され、マイクロプロセッサ46は検出された流量からコンプレッサ94の異常を検知することができる。
【0052】
また、モータドライバ48には、ターレット36に設けられたネガフィルム用のバランスフィルタ36N及びリバーサルフィルム用のバランスフィルタ36Pの何れかが光軸Lに位置するように、ターレット36を図4(B)矢印t方向に回転駆動するターレット駆動モータ54、ターレット36の基準位置(図示しない切り欠け)を検出するターレット位置センサ55(図4(B)も参照)が接続されている。モータドライバ48には、更に、絞り39をスライド移動させる絞り駆動モータ56、絞り39の位置を検出する絞り位置センサ57、読取部43(即ち、ラインCCD116及びレンズユニット50)をガイドレール42に沿ってスライド移動させるためのステップモータで構成された共役長モータ58、読取部43の原点位置を検出する読取部原点センサ59、レンズユニット50を光軸Lに沿ってスライド移動させるステップモータで構成されたレンズモータ60、レンズユニット50の原点位置を検出するレンズ原点センサ61、レンズ絞り51の絞り板51Aを回動させるレンズ絞り駆動モータ62、レンズ絞り51の位置(絞り板51Aの位置)を検出するレンズ絞り位置センサ63、CCDシャッタ52を全閉状態、全開状態及び減光状態の何れかの状態に切り換えるシャッタ駆動モータ64、シャッタ位置を検出するシャッタ位置センサ65、ファン34を駆動するファン駆動モータ37が接続されている。
【0053】
マイクロプロセッサ46は、ラインCCD116によるプレスキャン(予備読み取り)及びファインスキャン(本読み取り)を行う際に、ターレット位置センサ55及び絞り位置センサ57によって検出されるターレット36及び絞り39の位置に基づき、ターレット駆動モータ54によってターレット36を回転駆動させると共に、絞り駆動モータ56によって絞り39をスライド移動させ、フィルム画像に照射される光を調節する。
【0054】
またマイクロプロセッサ46は、フィルム画像のサイズやトリミングを行うか否か等に応じて結像倍率を決定し、フィルム画像が決定した結像倍率でラインCCD116によって読み取られるように、レンズ原点センサ61によって検出されるレンズユニットの原点位置に基づきレンズモータ60によって読取部43をスライド移動させると共に、読取部原点センサ59によって検出される読取部43の位置に基づき共役長モータ58によって読取部43をスライド移動させてオートフォーカスを実行する。
【0055】
なお、ラインCCD116の受光面をレンズユニット50によるフィルム画像の結像位置に一致させる合焦制御(オートフォーカス制御)を行う場合、マイクロプロセッサ46は、共役長モータ58により読取部43のみをスライド移動させる。この合焦制御は、一例としてラインCCD116によって読み取られたフィルム画像のコントラストが最大となるように行う(所謂画像コントラスト法)ことができるが、これに代えて写真フィルム22とレンズユニット50(又はラインCCD116)との距離を赤外線等により測定する距離センサを設け、フィルム画像のデータに代えて距離センサによって検出された距離に基づいて行うようにしてもよい。
【0056】
一方、ラインCCD116にはタイミングジェネレータ74が接続されている。タイミングジェネレータ74は、ラインCCD116や後述するA/D変換器82等を動作させるための各種のタイミング信号(クロック信号)を発生する。ラインCCD116の信号出力端は、増幅器76を介してA/D変換器82に接続されており、ラインCCD116から出力された信号は、増幅器76で増幅されA/D変換器82でディジタルデータに変換される。
【0057】
A/D変換器82の出力端は、相関二重サンプリング回路(CDS)88、インタフェース(I/F)回路90を順に介して画像処理部16に接続されている。CDS88では、フィードスルー信号のレベルを表すフィードスルーデータ及び画素信号のレベルを表す画素データを各々サンプリングし、各画素毎に画素データからフィードスルーデータを減算する。そして、演算結果(各CCDセルでの蓄積電荷量に正確に対応する画素データ)を、I/F回路90を介してスキャン画像データとして画像処理部16へ順次出力する。
【0058】
なお、ラインCCD116からはR、G、Bの測光信号が並列に出力されるので、増幅器76、A/D変換器82、CDS88から成る信号処理系も3系統設けられており、I/F回路90からは、スキャン画像データとしてR、G、Bの画像データが並列に、画像処理部16に入力される。
【0059】
更に、画像処理部16には、前述したディスプレイ18、キーボード12A、12B、マウス20、及びフィルムキャリア38が接続されている。
【0060】
工場出荷前の画像読取装置の読み書き可能なROM70には、各設定倍率m(例えば、0.7、1.0、1.5等)に応じて、共役長モータ58用の駆動パルス数KSP、及びレンズモータ60用の駆動パルス数LSPを各々演算するための以下に示す(1)式、及び(2)式が記憶されている。また、ROM70には、各モータの分解能(1パルスで移動させることができる距離)のデフォルト値KSB、LSBが予め記憶されている。なお、設定倍率mは、135、APS、ブロニー等のフルムサイズに応じて異なる値が設定されている。
【0061】
KSP=(K−K)/KSB−KGO ・・・(1)
ただし、Kは読取部が原点に位置しているときの焦点距離fのレンズユニットの共役長、KGOは読取部が原点に位置しているときのパルス数(原点オフセットパルス数)、KSBは共役長モータ58の分解能のデフォルト値、Kは以下の(1−1)式で表される設定倍率mのときのレンズユニットの共役長である。
【0062】
=(1+m)・f/m ・・・(1−1)
LSP=(b−b)/LSB−LGO ・・・(2)
ただし、bはレンズユニットが原点に位置しているときのレンズの主点からラインCCDの受光面までの距離、LGOはレンズユニットが原点に位置しているときのパルス数(原点オフセットパルス数)、LSBはレンズモータ60の分解能のデフォルト値、bは、以下の式で表される設定倍率mのときのレンズユニットの主点からCCDの受光面までの距離である。
【0063】
=(1+m)・f ・・・(2−2)
なお、レンズユニットの温度がT℃のときの焦点距離fは、基準温度T(例えば、20℃)のときの焦点距離をf、焦点距離の変化係数をk(例えば、0.004)とすると、
=f+k(T−T
で与えられる。
【0064】
次に、本実施の形態の光学倍率のキャリブレーションについて説明する。このキャリブレーションは、画像読取装置の出荷時に行なわれ、このキャリブレーションにより、実結像倍率を設計値に一致させ、設定パルスのオフセットにより機械的取り付け誤差のキャンセルを行って、光軸方向の移動分解能が補正される。
【0065】
なお、この光学倍率のキャリブレーションは、光学系の光軸をラインCCDの中心に一致させる光軸調整を行なった後、さらに原稿保持部であるフィルムキャリアの位置をラインCCDの位置に合わせるようにキャリア台41の位置を調整する読み取り位置の調整を行った後に実行される。読み取り位置の調整は、図16に示すように、チャートパターンが記録されたチャート原稿72が表面に保持された治具71を用い、キャリア台41のラインCCDからの位置ずれ量を、原稿読取位置に配置されたチャート原稿72の画像をラインCCDを用いて読み取ることにより検出し、検出した位置ずれ量に応じて行う。なお、チャート原稿72は、ガラス板にエッチングによりチャートパターンを記録して構成されている。
【0066】
まず、位置ずれ量の検出に用いるチャートパターンについて説明する。本実施形態で用いるチャートパターンは、図11に示すように、中心に位置するパターンGに対して左右対象になった複数(本実施形態ではA〜Mの13個)のパターンで構成されている。図11において、破線は、チャート原稿72が原稿読取位置に配置されたときに、ラインCCDセルの配列方向(CCDのライン方向)に対応する第1の仮想線VLを示す。パターンFとH、パターンEとI、パターンDとJ、パターンCとK、パターンBとL、及びパターンAとMとはそれぞれパターンGの一部をなす中心線CLに対し対称に所定間隔を隔てて配置されている。
【0067】
パターンC、D、E、I、J、K(以下、N字パターンと称する)は、図12に示すように、仮想線VLと直交する第1の線分と、該第1の線分の端部で該線分に対して45°の角度で交差し、該第1の線分に対して各々反対の方向に向かう2本の第2の線分と、から構成されており、N字パターンと仮想線VLとはα、β、γの3点で交差しており、αβ間の間隔とβγ間の間隔とは等しくなっている。
【0068】
次に、チャート原稿72が表面に保持された治具71を用いて位置ずれ量を検出する方法について説明する。
【0069】
光学系とラインCCDとの光軸調整が終了すると、チャート原稿72が表面に保持された治具71がキャリア台41の基準突き当て面73に突き当てられて、キャリア台41にセットされ、ラインCCDによりチャート原稿のチャートパターンが読み取られる。フィルムはラインCCDに直交するように搬送されるため、搬送方向を左右方向と称しCCDのライン方向を奥行き方向と称する。チャート原稿72が表面に保持された治具71は、CCDのライン方向、すなわち奥行き方向がチャートパターンの長手方向(第1の仮想線の方向)となるようにセットされる。
【0070】
図14に示すように、読み取られたチャートパターンがディスプレイ18に表示され、チャートパターンの仮想線VLがCCDのライン方向からどの程度位置ずれしているかを示す位置ずれ量が検出され、読み取られたチャートパターンと共に画面に表示される。
【0071】
例えば、パターンGを用いて、仮想線VLの奥行き方向の位置ずれ量(パターンGの中心線の光軸からのずれ)が検出され、手前/奥###のように表示される。また、例えば、対称に配置された一対のN字パターンであるパターンCとパターンKとを用いて、CCDのライン方向に対する仮想線VLの左右方向の位置ずれ量、及びCCDのライン方向に対する仮想線VLの光軸を中心とした回転方向の位置ずれ量が検出され、左/右###のように表示される。
【0072】
ここで、対称に配置された一対のN字パターンを用いた位置ずれ量の検出原理を簡単に説明する。図15(A)は、キャリア台41が正確な読み取り位置にあり、仮想線VLがCCDのライン方向に一致している場合のパターンEとパターンIの投影像である。このときのディスプレイへの表示パターンが図15(B)に模式的に示されている。各パターンのCCDのライン方向との交点をα、β、γとすると、各パターン内でのαβ間の間隔とβγ間の間隔とが等しく、パターンEとパターンIとの間でのαβ間の間隔とβγ間の間隔とがそれぞれ等しくなっている。
【0073】
キャリア台41が正確な読み取り位置より右方向にずれると、治具71に保持されたチャート原稿72に対してCCDのライン方向は左方向にずれ、図15(D)に示すように、CCDのライン方向のずれ量に応じてαβ間の間隔が広がりβγ間の間隔が狭くなる。逆に、キャリア台41が正確な読み取り位置より左方向にずれると、CCDのライン方向は右方向にずれ、図15(C)に示すように、CCDのライン方向のずれ量に応じてαβ間の間隔が狭くなりβγ間の間隔が広くなる。従って、αβ間の間隔とβγ間の間隔との比からキャリア台41の左右方向の位置ずれ量を演算することができる。
【0074】
また、キャリア台41が正確な読み取り位置より右回りに回転していると、CCDのライン方向は左回りに回転し、図15(F)に示すように、パターンEについてはCCDのライン方向の回転量に応じてαβ間の間隔が狭くなりβγ間の間隔が広くなるが、パターンIについてはCCDのライン方向の回転量に応じてαβ間の間隔が広くなりβγ間の間隔が狭くなる。逆に、キャリア台41が正確な読み取り位置より左回りに回転すると、CCDのライン方向は右回りに回転し、図15(E)に示すように、パターンEについてはCCDのライン方向の回転量に応じてαβ間の間隔が広くなりβγ間の間隔が狭くなるが、パターンIについてはCCDのライン方向の回転量に応じてαβ間の間隔が狭くなりβγ間の間隔が広くなる。従って、パターンEのαβ間の間隔とβγ間の間隔との比、およびパターンIのαβ間の間隔とβγ間の間隔との比から、キャリア台41の回転方向の位置ずれ量を演算することができる。
【0075】
読み取り位置の調整は、検出した仮想線VLのCCDのライン方向からの位置ずれ量に応じて行う。例えば、仮想線VLが右方向に##ずれていると表示された場合は、キャリア台41を右方向に##に対応する量だけ移動させ、仮想線VLが右回りに####ずれていると表示された場合は、キャリア台41を右回りに####に対応する量だけ移動させる。読み取り位置の調整は手動で行ってもよく、また自動で行うこともできる。なお、キャリア台41は、キャリア台移動治具71を用いて、治具71を移動させることによって移動させることができる。
【0076】
以上の通り、光軸調整と読み取り位置の調整とが行われた後は、仮想線VLは光軸を通過するラインCCDの配列方向に一致し、中心線CLは光軸を通過することになる。
【0077】
次に、図11に示すチャート原稿72が表面に保持された治具71を再度用いて、図8に示すように、ステップS1で設定倍率m1(例えば、0.7倍)におけるキャリブレーションが実行された後、ステップS2で設定倍率m2(例えば、1.0倍)におけるキャリブレーションが実行される。
【0078】
まず、倍率m1におけるキャリブレーションを図9を参照して説明する。ステップS11において、ROM70に記憶されている上記(1)、(2)式及びデフォルト値KSB、LSBを用いて倍率m1における共役長モータ58の設計パルス数、及びレンズモータ60の設計パルス数を演算し、設計パルス数でモータ58、60を駆動することにより、レンズユニット及び読取部を設計位置に移動する。
【0079】
ステップS12では、Gラインセンサ出力に基づいてチャートパターンに焦点が合うように、共役長モータを駆動して、オートフォーカス(AF)を実行する。ステップS13では、焦点が合った時点のパルス数をオートフォーカス終了後の共役長モータのパルス数KSPAF、及びレンズモータのパルス数LSPAFとしてRAMに記憶する。なお、オートフォーカス実行時にはレンズモータ60は停止されている。
【0080】
ステップS14では、Gラインセンサ出力に基づいて図11のパターンC、Kの中心の位置座標β、βを求め、以下の式に従って、Gラインセンサへの実結像倍率JMm1を演算する。この中心座標は、図12に示すように水平線とパターンの垂直線との交点の座標で表すことができる。
【0081】
JMm1=(β−β)/BN ・・・(3)
ただし、BNは、チャートC、K間の実際の距離である。
【0082】
次のステップS16では、実結像倍率JMm1が、倍率m1を基準とする所定範囲外の値になっているか否かを判断することにより、実結像倍率JMm1が規格範囲外か否かを判断する。
【0083】
実結像倍率JMm1が規格範囲内の場合には、ステップS17においてオートフォーカス終了後のパルス数KSPAFを共役長モータの制御パルス数KPm1として記憶すると共に、パルス数LSPAFを倍率m1に対するレンズモータの制御パルス数LPm1として記憶する。
【0084】
一方、ステップS16で実結像倍率JMm1が規格範囲外と判断された場合には、ステップS18において実結像倍率JMm1におけるレンズの主点からラインCCDの受光面までの距離bJMm1(レンズ主点位置)を演算する。
【0085】
この距離bJMm1は、上記(1−1)式及び(2−2)式より次のように与えられる。
【0086】
JMm1=JMm1・KJMm1/(1+JMm1) ・・・(4)
但し、KJMm1=(1+JMm1・f/JMm1である。
【0087】
次のステップS19では、実結像倍率におけるレンズの主点からラインCCDの受光面までの距離bJMm1と倍率m1のときのレンズの主点からラインCCDの受光面までの距離bm1との差をレンズモータの分解能で除算することにより以下の式で示すようにレンズモータのオフセットパルスLOPを演算する。
【0088】
LOP=(bJMm1−bm1)/LSB ・・・(5)
次のステップS20では、倍率m1のときのレンズモータの設計パルス数LSPm1とオフセットパルスLOPを加算してレンズモータの駆動パルス(=LSPm1+LOP)を再設定してレンズユニットを移動させる。その後、ステップS12に戻って、共役長モータを駆動して再度オートフォーカスを実行し、ステップS16で実結像倍率JMm1が規格内になったと判断されるまで、上記で説明したステップS12〜ステップS16を繰返し実行する。これによって、オートフォーカス後の実結像倍率が設定倍率に一致するようにレンズユニットの位置が制御される。
【0089】
実結像倍率JMm1が規格範囲内となった場合には、上記で説明したようにステップS17においてオートフォーカス終了後のパルス数KSPAFを共役長モータの制御パルス数KPm1として記憶すると共に、パルス数LSPAFを倍率m1に対するレンズモータの制御パルス数LPm1として記憶する。
【0090】
次に、設定倍率m2におけるキャリブレーションを図10を参照して説明する。図10は、図9の倍率をm1からm2に変更すると共に、実結像倍率を演算するのにパターンD、Jの中心の位置座標β、βを用いたものであり、その他は図9と上記の説明と同一であるので、説明は省略する。
【0091】
図8のステップS3では、異なる設定倍率における共役長の差と異なる倍率における実測パルス数との差とを用いて、以下の式に従って、共役長モータの分解能KJB、及びレンズモータの分解能LJBを演算する。
【0092】
KJB=(Km1−Km2)/(KPm1−KPm2) ・・・(6)
LJB=(bm2−bm1)/(LPm2−LPm1) ・・・(7)
そして、ステップS4において、共役長モータのデフォルト値KSBを上記のように演算した(6)式に示すデフォルト値KJBに変更すると共に、レンズモータのデフォルト値LSBを上記のように演算した(7)式に示すデフォルト値LJBに変更する。このように実行されたキャリブレーションは、図13に示すようにキャリブレーション結果として画面に表示される。なお、図13の♯は数値を表すものである。
【0093】
また、倍率キャリブレーションが終了した後の設定パルス数は、以下の式で与えられ、以下の式に従って各倍率における設定パルス数が演算されて共役長モータ及びレンズモータが制御される。
【0094】
共役長モータ
KP=((1+m)・f/m−K)/KJB−KGO・・・(8)
レンズモータ
LP=(b−(1+m)・f)/LJB−LGO・・・(9)
なお、上記では2つの設定倍率を用いてデフォルト値を調整する例について説明したが、1つの設定倍率を用いてデフォルト値を調整してもよい。
【0095】
以上の調整が終了したら、治具71をキャリア台41から取り外して、調整を終了する。
【0096】
次に、オペレータが上記の画像読取装置を使用してプリント倍率を調整する場合について説明する。画像読取装置のROMには、フィルムサイズ及びプリントサイズに応じてプリント倍率を調整するための電子倍率のデフォルト値が記憶されている。プリント倍率は、光学倍率mと電子倍率との積で定義され、光学倍率を変更することなく電子倍率を変更してプリント倍率を変更する。この電子倍率は、画像処理による画素の増減によって表示された画像の倍率を変更するものである。
【0097】
ラインCCDによって読み取られたフィルムの画像データは、RAMに記憶される。ディスプレイ18には、RAMに記憶された画像データに基づいてフィルムの画像が表示される。オペレータは、プリント倍率を調整する場合には、表示された画像を見ながらキーボードから調整値を入力する。これにより、表示画面の大きさが調整値に応じて変化すると共に、電子倍率のデフォルト値が調整値に応じて変化する。デフォルト値を調整した後は、調整されたデフォルト値に応じたプリント倍率の画像がディスプレイ18に表示される。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、調整の手間を軽減させた画像読取装置と画像読取装置のデフォルト値調整方法とを提供することができるという効果が得られる。また、原稿保持部と画像読取素子との位置ずれの検出を容易にするチャート原稿を提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像読取装置の外観図である。
【図2】画像読取装置の光学系の正面断面図である。
【図3】画像読取装置の光学系の側面断面図である。
【図4】(A)は絞り、(B)はターレット、(C)はレンズ絞り、(D)はCCDシャッタの一例を各々示す平面図である。
【図5】画像読取装置の光学系の主要部のみを示した図である。
【図6】画像読取装置の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図7】画像読取装置の読取部の外観図である。
【図8】本発明の実施の形態の倍率キャリブレーションを実行するルーチンの流れ図である。
【図9】図8のステップS1の詳細を示す流れ図である。
【図10】図8のステップS2の詳細を示す流れ図である。
【図11】チャートパターンを示す平面図である。
【図12】チャートパターンのパターンKの拡大図である。
【図13】倍率キャリブレーション終了結果時の表示画面を示す平面図である。
【図14】読み取られたチャートパターンと検出された位置ずれ量の表示画面を示す平面図である。
【図15】(A)から(F)は、N字パターンによる位置ずれ量の検出原理を説明するための説明図である。
【図16】キャリア台とキャリア台の位置を調整するための治具の斜視図である。
【符号の説明】
14 ラインCCDスキャナ
22 写真フィルム
32 ランプ
36 ターレット
38 フィルムキャリア
39 絞り
40 拡散ボックス
41 キャリア台
46 マイクロプロセッサ
50 レンズユニット
116 ラインCCD

Claims (7)

  1. 光軸方向に移動可能に配置されたレンズユニットと、レンズユニットの結像位置に配置され、かつ原稿読取位置に配置された原稿の画像をレンズユニットを介して読み取る画像読取素子とを備え、前記光軸方向に移動可能に配置された読取部と、
    入力された第1のパルス数の信号に応じて前記レンズユニットを前記光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、
    入力された第2のパルス数の信号に応じて前記読取部を前記光軸方向に移動させる第2の駆動手段と、
    前記第1の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第1のデフォルト値、及び前記第2の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第2のデフォルト値を記憶した記憶手段と、
    前記第1のデフォルト値を用いて結像倍率に対応する第1のパルス数を演算し、第1のパルス数の信号を前記第1の駆動手段に入力すると共に、前記第2のデフォルト値を用いて前記結像倍率に対応する第2のパルス数を演算し、第2のパルス数の信号を前記第2の駆動手段に入力するパルス数演算手段と、
    を備えた画像読取装置。
  2. 前記パルス数演算手段に、予め定められた設定結像倍率に対応する第1のパルス数及び第2のパルス数を演算させて、第1のパルス数の信号を第1の駆動手段に入力させると共に第2のパルス数の信号を第2の駆動手段に入力させてレンズユニット及び読取部を移動させた後、
    第2の駆動手段を駆動して前記原稿に対して合焦させるオートフォーカスと、第1の駆動手段を駆動してオートフォーカス後の実結像倍率を前記設定結像倍率に一致させるための倍率調整と、を実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になるまで実行し、
    実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数と前記設定結像倍率に対する共役長とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数と前記設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整する調整手段をさらに備えた請求項1に記載の画像読取装置。
  3. 前記調整手段は、実結像倍率が2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対する共役長の差とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離の差とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整する請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記原稿読取位置に原稿を配置するための原稿保持部と画像読取素子との位置ずれを、原稿保持部の原稿読取位置に配置された原稿の画像を画像読取素子を用いて読み取ることにより検出する位置ずれ検出手段をさらに備えた請求項1から3までのいずれか1項に記載の画像読取装置。
  5. 光軸方向に移動可能に配置されたレンズユニットと、レンズユニットの結像位置に配置され、かつ原稿読取位置に配置された原稿の画像をレンズユニットを介して読み取る画像読取素子とを備え、前記光軸方向に移動可能に配置された読取部と、
    入力された第1のパルス数の信号に応じて前記レンズユニットを前記光軸方向に移動させる第1の駆動手段と、
    入力された第2のパルス数の信号に応じて前記読取部を前記光軸方向に移動させる第2の駆動手段と、
    前記第1の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第1のデフォルト値、及び前記第2の駆動手段の単位パルスに応じた移動量を表す第2のデフォルト値を記憶した記憶手段と、
    前記第1のデフォルト値を用いて結像倍率に対応する第1のパルス数を演算し、第1のパルス数の信号を前記第1の駆動手段に入力すると共に、前記第2のデフォルト値を用いて前記結像倍率に対応する第2のパルス数を演算し、第2のパルス数の信号を前記第2の駆動手段に入力するパルス数演算手段と、
    を備えた画像読取装置の前記デフォルト値を調整するにあたり、
    前記記憶手段に記憶された第1のデフォルト値及び第2のデフォルト値を用いて、予め定められた設定結像倍率に対応する第1のパルス数及び第2のパルス数を演算し、第1のパルス数の信号を第1の駆動手段に入力すると共に第2のパルス数の信号を第2の駆動手段に入力してレンズユニット及び読取部を移動させ、 第2の駆動手段を駆動して前記原稿に対して合焦させるオートフォーカスと、第1の駆動手段を駆動してオートフォーカス後の実結像倍率を前記設定結像倍率に一致させるための倍率調整とを実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になるまで実行し、
    実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数と前記設定結像倍率に対する共役長とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数と前記設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整する
    ことを特徴とする画像読取装置のデフォルト値調整方法。
  6. 実結像倍率が2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第2のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対する共役長の差とに基づいて前記第2のデフォルト値を調整し、実結像倍率が前記2つの設定結像倍率に対して規格範囲内の値になったときの第1のパルス数の差と前記2つの設定結像倍率に対するレンズユニットの主点から結像位置までの距離の差とに基づいて前記第1のデフォルト値を調整する請求項5に記載の画像読取装置のデフォルト値調整方法。
  7. 前記倍率調整を行う前に、前記原稿読取位置に原稿を配置するための原稿保持部と画像読取素子との位置ずれを、原稿保持部の原稿読取位置に配置されたチャート原稿の画像を画像読取素子を用いて読み取ることにより検出し、検出した位置ずれ量に応じて前記原稿読取位置を調整する請求項5又は6に記載の画像読取装置のデフォルト値調整方法。
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