JP3588632B2 - アスファルト舗装表層及び舗装構造 - Google Patents

アスファルト舗装表層及び舗装構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透水性、保水性、吸水性を兼ね備えたアスファルト舗装表層及び透水性、保水性、吸水性を兼ね備えたアスファルト舗装構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時都市のコンクリートやアスファルト化が進むことにより、潜熱輸送量が減少して地表面が高温化するとともに、蓄熱量が増大して、夜間に地表面から熱が放出され、熱帯夜の原因ともなる。また夏期の熱中症発生率は、道路空間で相対的に高く、人間に及ぼす熱ストレスの悪影響も懸念される。さらに人口地覆の増大により、雨水の地中への浸透が遮られ、地下水位の低下や河川流量の減少につながっている。このような背景から悪化を続けるヒートアイランド現象の軽減と熱環境の改善を図り、快適な生活環境をつくるとともに、地下水涵養や都市型洪水の抑制に寄与する舗装が強く求められている。
【0003】
そこで従来アスファルト舗装として、透水性舗装や保水性舗装が開発され、現場に導入されてきた。しかし透水性舗装表層には、雨水を地下に浸透させる能力はあるが、保水性はほとんどないため、高温化防止にはつながらなかった。一方これまでの保水性舗装表層の多くは、透水性がきわめて低く、地下水涵養や流出抑制にはほとんど効果がなかった。
【0004】
ところでアスファルト舗装空隙にシルト系材料を充填して保水性を確保するタイプのものがあり、このものの中には透水性が確保されているものもあるが、これらのものはアスファルト施工現場で充填作業を行う必要があるという問題がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、舗装の表層に微細な連続空隙を有し、降雨時には雨水が効果的に浸透して地下水の涵養と流出の抑制に役立つとともに、舗装表層の間隙の毛細管を利用して降雨等の水を保ち、又は表層空隙内に蓄えられる水分を毛管理力の作用によって、表層に吸い上げながら、蒸発に伴う潜熱輸送によって表面温度を抑制することができ、またアスファルト施工現場で充填作業を行う必要のないアスファルト舗装構造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記のような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、細骨材として砕砂、山砂及び珪砂3号のうちの1種を30〜60重量部粗骨材として7号砕石を50〜70重量部、アスファルト量を3.0〜4.5重量部、及び石粉を配合することにより、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水の一部が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えたことを特徴とするアスファルト舗装表層である
【0007】
請求項2に記載の発明は、透水係数が1.0×10-3cm/s以下の透水性能を有する低透水性舗装の上に、細骨材として砕砂、山砂及び珪砂3号のうちの1種を30〜60重量部、7号砕石50〜70重量部、アスファルト量を3.0〜4.5重量部、及び石粉を配合することにより、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水の一部が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えた舗装表層を敷設したことを特徴とするアスファルト舗装構造である
【0008】
【発明の実施の形態】
前記のような本発明の請求項1に記載の発明の3実施例(以下実施例1、2、3という)と、典型的な従来技術からなる2比較例(以下比較例1、2という)とからなる供試体について、その性能について比較実験を行ったので、その結果について図1、2、3を参照して述べることとする。
【0009】
この実験に供された実施例1、2、3及び比較例1、2からなる供試体の大きさは、30cm4方で高さは5cmの舗装体であって、図1には、その構成が示されており、(1)実施例1は、粗骨材割合として7号砕石50重量部骨材の種類と量は砕砂であって47重量部、アスファルトの種類は高粘度改質、アスファルト量は3重量部、石粉量は3重量部である。(2)実施例2は、粗骨材割合として7号砕石60重量部骨材の種類と量は山砂であって37重量部、アスファルトの種類は高粘度改質、アスファルト量は3.5重量部、石粉量は3重量部である。(3)実施例3は、粗骨材割合として7号砕石50重量部骨材の種類と量は砕砂であって47重量部、アスファルトの種類は高粘度脱色、アスファルト量は3.5重量部、石粉量は3重量部である。
【0010】
(4)比較例1は、粗骨材割合として6号砕石39重量部、7号砕石20重量部骨材の種類と量は粗砂13重量部、細砂10重量部、砕砂13重量部、アスファルトの種類はST60−80、アスファルト量は5.5重量部、石粉量は5重量部である。(5)比較例2は、粗骨材割合として6号砕石82重量部骨材の種類と量は粗砂13重量部、アスファルトの種類はST60−80、アスファルト量は4.3重量部、石粉量は5重量部である。
【0011】
図2は、実施例1、2、3と比較例1、2との表面温度の時間変化について行った比較実験の結果を示す図面であり、これを参照してその実験結果について説明する。この実験は、人工気候室において行なわれ、この人工気候室は、高さが3.4m、平面形状は3.7m×3.6mで、室内の壁はすべて反射鏡で覆われて、室内の気温は30℃に設定した。そして供試体上の放射量を一定値に調節するために、合計64のハロゲン灯(500w)を点灯させ、一度に4の供試体を置いた。この供試体の表面は、床面から15cmの高さにおいた。
【0012】
このようにして各供試体の中心点において放射量を測定したところ、1190W/ 2 〜1250W/ 2 の範囲であった。強制的な風は発生させていないが、気温を一定値に保つための空調機能によって、供試体の表面から約10cm(床面から25cm)の高さにおいて、およそ0.7〜0.9m/sの風が常に吹いていた。このような状態のところに各供試体を断熱容器に収容して底面は不透水とし、実験の開始時には空隙を水がほぼ充填している状態とした。そして実験開始後約4時間経過した時点において、実施例1、2、3は、比較例1、2に比較して表面温度がそれぞれ12.9℃、16.8℃、16.6℃低下していた。また初期の保水量に対して、それぞれおよそ25%、32%、25%の水分が蒸発によって失われていた。
【0013】
図3に示されているように、実施例1、2、3は、比較例1、2に比較して連続空隙率%、透水係数cm/s及び保水率%が大きく、また安定度が約2.5kN以上が確保されていることがわかり、このような特性をもつことから、図2に示されたこととあいまって、降雨時、散水時に土壌と同程度の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層の間隙に毛管力により、降雨を保水し、晴天時、非散水時にその保水が毛管力の働きによって、表層表面に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止することになる。
【0014】
また本発明の請求項2に記載された発明は、このような実施例1、2、3を透水係数が1.0×10-3cm/s以下の透水性能を有する低透水性舗装の上に、敷設することによって構成されたアスファルト構造からなるものであることから、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えたものとなっている。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、前記のようであって、請求項1に記載の発明は、細骨材として砕砂、山砂及び珪砂3号のうちの1種を30〜60重量部粗骨材として7号砕石を50〜70重量部、アスファルト量を3.0〜4.5重量部、及び石粉を配合することにより、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水の一部が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えたことを特徴とする舗装表層であるので、舗装の表面が高温化するのを防止することができるという効果がある。
【0016】
請求項2に記載の発明は、透水係数が1.0×10-3cm/s以下の透水性能を有する低透水性舗装の上に、細骨材として砕砂、山砂及び珪砂3号のうちの1種を30〜60重量部、7号砕石50〜70重量部、アスファルト量を3.0〜4.5重量部、及び石粉を配合することにより、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水の一部が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えた舗装表層を敷設したことを特徴とするアスファルト舗装構造であるので、舗装の表面が高温化するのを防止して、都市のヒートアイランド現象の軽減や熱環境の改善が図れるとともに、地下水の涵養や雨天時の流出抑制にも寄与するという効果をもち、これによって都市環境問題や地球環境問題の解決の一助として大きく貢献することとなるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1に記載の発明の実施例1、2、3の構成図である。
【図2】同実施例1、2、3と比較例1、2との表面温度の時間変化を示す比較図である。
【図3】同実施例1、2、3と比較例1、2との各性能の比較図である。

Claims (2)

  1. 細骨材として砕砂、山砂及び珪砂3号のうちの1種を30〜60重量部粗骨材として7号砕石を50〜70重量部、アスファルト量を3.0〜4.5重量部、及び石粉を配合することにより、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水の一部が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えたことを特徴とする舗装表層。
  2. 透水係数が1.0×10-3cm/s以下の透水性能を有する低透水性舗装の上に、細骨材として砕砂、山砂及び珪砂3号のうちの1種を30〜60重量部、7号砕石50〜70重量部、アスファルト量を3.0〜4.5重量部、及び石粉を配合することにより、降雨時には舗装透水試験による透水係数が1.0×10-2cm/s以上の透水性をもって雨水を地下に浸透させるとともに、表層空隙の毛管力により、体積含水率で10%以上、雨水や散水を空隙内に保持し、晴天時、非散水時には、空隙内に保持された水の一部が毛管力の作用で表層に移動して蒸発することにより、舗装の表面が高温化するのを防止する保水性、透水性、吸水性を備えた舗装表層を敷設したことを特徴とするアスファルト舗装構造。
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