JP3598144B2 - 写真フイルムパトローネ用容器 - Google Patents

写真フイルムパトローネ用容器 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、写真フイルムパトローネを収納する樹脂製の容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の135タイプの写真フイルムパトローネは、金属薄板製のパトローネ本体に写真フイルムをロール状にして収納したものである。この写真フイルムパトローネは、Pケースと称される写真フイルムパトローネ用容器に収納され、さらに小箱(紙箱)で包装して販売されている。写真フイルムパトローネ用容器は、有底の容器本体と、容器本体の開口端に緊密に装着される蓋とからなり、これらはいずれも樹脂の成形品で作られている。また、従来の写真フイルムパトローネは、フイルム舌片がパトローネから出ており、このフイルム舌片により容器本体内でのがたつきが防止されている。
【0003】
一方、例えば特開平5−127317号公報や特開平5−150402号公報に記載されているように、パトローネ本体が樹脂製部品から構成され、スプールを回転させることによって写真フイルムを送り出す機能をもった写真フイルムパトローネが知られている。このような写真フイルムパトローネでは、未使用状態で写真フイルムがその先端も含めてパトローネ本体内に収納されており、したがって、従来のフイルム舌片のように、容器本体内でのがたつき防止効果が得られないという問題がある。しかも、このようなフイルム送り出し機能を有する写真フイルムパトローネの場合には、収納した写真フイルムパトローネを光密に保持するための蓋部材などをフイルム通路に設ける必要があり、フイルム出入り口の近くのポート部が従来のものに比べて大型化している。このため、円筒型の容器本体にこのパトローネを収納する場合には、容器本体とパトローネとの間の隙間が大きくなり、がたつきが出やすいという問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これに対し、特開平5−297522号公報には、容器本体内にスポンジやバネ体を配置して、蓋を開くと収納した写真フイルムパトローネが容器本体から突出するようにした写真フイルムパトローネ用容器が提案されており、スポンジやバネ体等により写真フイルムパトローネの容器内でのがたつきも抑えられるようになっている。しかしながら、スポンジやバネ体などの別部材が必要になるため、製造コストが高くなるという問題がある。また、特開平6−222512号公報には、一片の摺接リブによりパトローネ側面を摺接させて、容器内でのパトローネのがたつきを抑えるようにした写真フイルムパトローネ用容器が提案されている。このような摺接リブを備えた容器本体に、フイルム送り出し機能を有する新タイプのパトローネを収納する場合には、パトローネの挿入方向によっては摺接リブにパトローネの側面が摺接しなかったりする問題がある。更には、この摺接リブがパトローネを逆方向から入れる場合に挿入時の障害となることもある。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためのものであり、収納した写真フイルムパトローネががたつくことがないようにした写真フイルムパトローネ用容器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した写真フイルムパトローネ用容器は、容器本体の底に、写真フイルムパトローネを収納して蓋を閉めたときにこの写真フイルムパトローネの底部に当接して変形する支持部材を突出して形成し、この支持部材の上端部を薄肉にしたものである。この支持部材を複数個の支持リブから構成し、この支持リブの上端部の厚みを0.12mm〜0.35mmにすることが好ましい。
【0007】
【実施例】
図2に示すように、本発明の写真フイルムパトローネ用容器2は、容器本体3と蓋4とからなる。容器本体3及び蓋4はいずれも樹脂の一体成形品となっている。容器本体3は有底の筒状体をしており、その内部に写真フイルムパトローネ90を収納した後、開口端側に蓋4が装着される。
【0008】
図3は容器本体3の平面図を示すもので、図4は容器本体3内に写真フイルムパトローネ90を収納した平面図である。図3に示すように、容器本体3の水平断面形状は、半径R1(=5.5mm)の円弧▲1▼と半径R2(=17.7mm)の円弧▲2▼とをそれぞれ2つずつ連続させた略楕円であり、開口部における内周の長径L1が32mm、短径L2が23mmとなっている。また、容器本体3の側壁の厚みは全周に亘って1mm程度である。容器本体3は底部3aに向かうにしたがい水平断面形状が次第に小さくなるテーパー状に形成されており、底部3aにおける長径L3は31.5mm、短径L4は22.5mmとなっている。底部3aの形状は開口部の形状とほぼ相似形である。
【0009】
容器本体3の略楕円形状を形づくる各円弧は、連続し合う2つの円弧の半径が互いに異なっており、径が長い方の円弧の半径をR、径が短い方の円弧の半径をRとしたときに、これらの半径比R/Rが10以下となるように形成するのが好ましく、さらに好ましくは8以下、特に好ましくは5以下にするのがよい。半径比R/Rが10よりも大きくなると、長径の円弧がほぼ直線状になり、この直線部分で容器本体3と蓋4との緊密性が損なわれて防湿性を維持することができなくなる。なお本実施例においては、円弧▲1▼の半径R1が5.5mm、円弧▲2▼の半径R2が17.7mmであるので、半径比R/Rは、R2 /R1 =3.22となる。
【0010】
上記の形状を得るには、図3に示すように、まず長軸S1上の中心Oから左右に10.5mmずつ離れた点A,A’をそれぞれ中心にして半径R1の2つの半円を描く。次に、中心Oを通り長軸S1に対して垂直な短軸S2上に、短径L2(=23mm)に対応して中心Oから上下に11.5mmずつ離れた点D,D’をとる。そして、点Dを通り且つ半径R1の2つの半円に接する半径R2の半円、及び点D’を通り且つ半径R1の2つの半円に接する半径R2の半円を描き、先に描いた半径R1の2つの半円のそれぞれと連続させればよい。
【0011】
図2及び図5に示すように、容器本体3の開口端側には蓋4を装着したときに緊密な嵌合が得られるように深さ0.3mmの溝5が形成され、したがってこの蓋4との嵌合部(溝5の谷部での内周)では、容器本体3の長径は32.6mm、短径は23.6mmとなっている。
【0012】
蓋4の側壁の全周には、前記溝5に嵌まり込む突条6が一体に形成されている。突条6の頂点で形成される蓋4の長径は33.2mm、短径は24.2mmで、容器本体3の嵌合部における長径32.6mm,短径23.6mmに対してわずかに大きくなっている。したがって、蓋4の突起6の頂点で形成される長径をL5,容器本体3の溝5の内周で形成される長径をL6とすると、図5に示すように両者間にw(w=0.3mm)の重なりが生じる。そして図2に示すように容器本体3に蓋4を装着すると、容器本体3の溝5内に蓋4の突起6が押しつけられるようになり、容器本体3及び蓋4のもつ弾性によって、容器本体3と蓋4とは緊密な嵌合状態に保たれる。
【0013】
wの寸法は、全周に亘って0以上であればよいが、0.02mm〜0.4mmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.05mm〜0.3mmである。wの寸法が0.02mm以下であると成形時のバラツキによってマイナスの値になるおそれがあり、また0.4mm以上にすると成形後に蓋4を金型から抜くときに無理抜きの度合が強くなって成形しにくくなったり、また容器本体3から蓋4が外しにくくなる。
【0014】
図2(A)に示すように、容器本体3から蓋4を外すときに指を掛け易くするために、蓋4の上面には側壁方向に0.5mm〜3.5mm程度突出した突出部7が形成されている。蓋4の全周に亘って突出部7を設けてもよいが、図3に示すように、隣接し合う円弧▲1▼,▲2▼の頂点を結んだ領域内に収まるように突出部7を設けると外容積が小さくなり、これを包装するための小箱を小さくすることができる。なお、突出部7の外周縁には図示は省略したがローレット加工がされており、指掛かりがよくなるようにされている。図5に示すように、蓋4には凹陥部8が形成されている。この凹陥部8は、容器本体3に蓋4を装着するとき、あるいは蓋4を取り外すときに蓋4が適当に撓みやすくするためのもので、これにより蓋4の開閉操作がしやすくなる。
【0015】
図4に示すように、写真フイルムパトローネ90はポート部90bが少し突出して形成されており、これをスペース効率良く収納するために、前述したように、容器本体3の水平断面がほぼ楕円形状に形成されている。このスペース効率を上げるためには、写真フイルムパトローネ90の外周面と容器本体3の内周面との隙間を小さくすればよいが、これを小さくし過ぎると開口が狭くなり、写真フイルムパトローネ90を収納するときに入れづらくなってしまう。したがって、挿入を容易にするために、写真フイルムパトローネ90の外周面と容器本体3の内周面3bとの間には0.5〜2.0mm程度の少しの隙間が設けられる。この隙間が大きくなると、写真フイルムパトローネ90は容器本体3内でがたついて異音が発生するばかりか、容器本体3の内壁に擦り傷が生じたり、あるいは衝撃によって写真フイルムパトローネ90又は容器本体3が破損する等の不具合が生じる。
【0016】
このため、図1に示すように、容器本体3の底部3a内面に1対の支持リブ11,12からなる支持部材10が形成されている。支持リブ11,12は、写真フイルムパトローネ90が容器本体3内でがたつくことのないようにするものであり、薄肉状の突出片から構成されている。この支持リブ11,12は、図3に示すように、長径方向に離して長径方向両端部近くで、短径方向に平行に形成されている。図2(B)のVI−VI線に沿う断面図である図6に示すように、支持リブ11の上端部11aは底部3aに対し平行になっている。
【0017】
また、図6における VII−VII 線に沿う断面図である図7に示すように、支持リブ11の上端部11aの厚みt2は0.2mmとされており、底部3aに向かうにしたがい次第にその厚みが大きくなるようにされている。また、上端部11aは断面円弧形状に形成されており、その半径R3は0.1mmとされている。他方の支持リブ12も同様に構成されている。さらに、写真フイルムパトローネ用容器2に写真フイルムパトローネ90を収納して蓋4を閉めたときに、この蓋4の装着により支持リブ11,12の上端部11a,12aが少し変形する程度の押し下げ量が得られるように容器本体3の収納長さと蓋4の高さとが規定されている。これにより、蓋4を装着すると、支持リブ11,12と蓋4の底部4bとにより写真フイルムパトローネ90が挟持されて、写真フイルムパトローネ90が容器本体3内に一層確実に固定され、がたつきがなくなる。しかも、蓋4の装着により写真フイルムパトローネ90の底部が支持リブ11,12の上端部11a,12aにあたり、この上端部11a,12aが少し変形してこの変形による復元力によってばね性が付与されるため、蓋4と補強リブ11,12との挟持による固定がより確実に行われる。
【0018】
図1に示すように容器本体3は有底の筒状体となっているので、図8に示すように、射出成形時に金型20のコア21から容器本体3を抜き取るときに、コア21の表面が平滑であると、容器本体3と金型20のコア21との間が真空状態になる。これによって、容器本体3の底や側壁が内側に変形したりするトラブルが発生する。これを防止するために、金型20のコア21の外周面に凹凸型付けをしてシボ面21aを形成して、成形性を良化させる。金型20は、コア21を有する下型20aと、容器本体3を形成する凹部からなるキャビティ22を有する上型20bとから、構成されている。コア21の先端部には、支持リブ形成用の凹部23が形成されている。凹部23の表面にも、シボ面が形成されている。また、上型20bにはゲート24が形成されている。
【0019】
凹凸型付けは公知の各種方法を用いることができるが、特に加工性が優れ安価なので、サンドブラスト加工方法が好ましい。特に支持リブ11,12の形成用凹部23にも凹凸型付けをすると、離型性が良化するとともに、支持リブ11,12の変形も抑えられるので好ましい。
【0020】
また、蓋4も樹脂によって射出成形される。図9に示すように、蓋4の金型25は上型25aと下型25bとからなり、中央部に設けられたゲート26から樹脂材が注入される。この際、図2(A)に二点鎖線で囲んで示すように、ゲート26からの距離が最も短い最短部27と最も長い最長部28とでは樹脂材の流動長が異なるので、ゲート26から注入された樹脂材は最長部28よりも早く最短部27に達し、最短部27に達した樹脂材が蓋4の縁周に沿って最長部28側に分流する。また、図9に示すように、金型25内に溜まっていた空気も樹脂材に押されて最長部28に集められ、上型25aと下型25bとのパーティングライン25cにできる僅かな隙間から外部に放出される。ところが、蓋4の最外周部4aでの厚みt1を厚くしすぎると、最長部28に集中した空気が、最外周部4aのパーティングライン25c側のみならず上部にも滞りやすくなる。そして、金型25内に空気が滞留すると、この空気に接する部分の樹脂が圧縮時の発熱によって発色してしまう。したがって、蓋4の最外周部4aでの厚みt1は2mm以下にするのが好ましく、さらに好ましくは1.7mm以下、特に好ましくは1.5mm以下にしておくのがよい。また厚みt1を0.5mm以下にすると、容器本体3に嵌合された蓋4への指掛け部分が小さくなりすぎ、蓋4の容器本体3からの取り外し操作が困難になるので、厚みt1は0.5mm以上にしておくのが好ましく、さらに好ましくは0.8mm以上としておくのがよい。
【0021】
容器本体3と蓋4との嵌合部の構造としては、上記実施例のものだけでなく、周知のように、容器本体の開口部外周を蓋の嵌合部が覆うような構造にしてもよい。
【0022】
本発明の写真フイルムパトローネ用容器2を成形するための樹脂材料としては、ポリスチレン、ポリエチレン(高密度(HDPE),中密度(MDPE),低密度(LDPE),あるいはこれらの混合物)、ポリプロピレン(ブロック共重合体,ランダム共重合体,単独重合体あるいはこれらの混合物)等のオレフィン系ポリマー、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂系等の熱可塑性をもつものが用いられる。
【0023】
外部応力による変形を防ぐために、容器本体3は剛性の高い材料を用い、防湿性,開封容易性のために蓋4は容器本体3よりも剛性の低い材料を用いることが好ましい。容器本体3に用いる樹脂の曲げ弾性率は3000kg/cm 以上が好ましく、より好ましくは6000kg/cm 以上、さらに好ましくは8000kg/cm 以上である。蓋4に用いる樹脂の曲げ弾性率は800kg/cm 以上、より好ましくは1000kg/cm 以上、さらに好ましくは1200kg/cm 以上である。容器本体3と蓋4の樹脂材料の好ましい組み合わせは、容器本体3がポリプロピレンもしくは高密度ポリエチレン、蓋4が低密度ポリエチレンである。
【0024】
また、樹脂の流動性を示すMI(メルトインデックス)あるいはMFR(メルトフローレシオ)の好ましい範囲は、容器本体3においては7以上、好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上である。蓋4においては、5以上、好ましくは8以上、さらに好ましくは12以上である。この値が容器本体3で7以下、蓋4で5以下の樹脂を使用すると、成形時に樹脂の流れが悪くなってショートショットが発生しやすくなり、好ましくない。
【0025】
さらに、使用する樹脂には各種の添加剤を加えることが好ましい。成形時の高温による樹脂の酸化を防ぐためには酸化防止剤が、成形性及び写真フイルムパトローネの挿入性を向上させるためには滑剤が、結晶化速度の向上,成形サイクルの短縮化,剛性の向上及び変形防止,物理的強度の向上のためには造核剤が、また収納後の写真フイルムパトローネを外光やX線から保護するには遮光性物質やX線遮断物質が用いられる。
【0026】
酸化防止剤には、酸化反応の連鎖伝播体である遊離基(主としてROO・)と反応してこれを不活性化させる遊離基連鎖停止剤と、遊離基の主要な発生源であるヒドロペルオキシドROOHを分解して、これを安定化する過酸化物分解剤とがある。前者としては、フェノール系酸化防止剤と芳香族アミン系酸化防止剤がある。後者としては、硫黄系酸化防止剤とリン系酸化防止剤がある。これらの理由からフェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤を混合使用することが好ましい。
【0027】
各種酸化防止剤は写真感光材料に悪影響を与える還元剤でもあるので、添加量は慎重に検討しないと写真感光材料の品質劣化を大きくして問題になる。本発明に使用する樹脂の酸化分解防止には、特にフェノール系及びリン系酸化防止剤をミックスして用いるのが好ましい。以上のような酸化防止剤の添加量は、0.001〜2.0重量%、特に0.01〜0.5重量%が好ましく、0.03〜0.3重量%が最も好ましい。添加量が0.001重量%未満であると添加効果がほとんどなく、混練経費増になるだけである。また、添加量が2.0重量%を越えると、酸化,還元作用を利用している写真フイルムにカブリや感度異常発生等の悪影響を及ぼす。
【0028】
成形性の向上及び写真フイルムパトローネの挿入性を向上させるために添加される滑剤としては、ベヘニン酸アミド,ステアリン酸アミド,バルミチン酸アミド,ラウリン酸アミド等の飽和脂肪酸アミド系滑剤、エルカ酸アミド,オレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸アミド系滑剤、メチレンビスベヘニン酸アミド,メチレンビスステアリン酸アミド,メチレンビオオレイン酸アミド,エチレンビスステアリン酸アミド,ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド,ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド等のビス脂肪酸アミド系滑剤、ジメチルポリシロキサン及びその変性物のシリコーン系滑剤、非イオン界面活性剤系滑剤、流動パラフィン,天然パラフィン,マイクロワックス,合成パラフィン,ポリエチレンワックス,ポリプロピレンワックス,塩素化炭化水素,フルオロカーボン等の炭化水素系滑剤、高級脂肪酸(C12以上が好ましい)等の脂肪酸系滑剤、脂肪酸の低級アルコールエステル、脂肪酸のポリグリコールエステル等のエステル系滑剤、多価アルコール,ポリグリコール,ポリグリセロール等のアルコール系滑剤、ラウリン酸,ステアリン酸,リシノール酸,ナフテン酸,オレイン酸等の高級脂肪酸とLi,Mg,Ca,Sr,Ba,Zn,Cd、Al、Sn、Pb等の金属との化合物等の金属石鹸がある。これらの滑剤は単独で用いてもよいし、必要によっては2種以上を併用しても良い。
【0029】
以上のような滑剤の添加量は0.01〜5.0重量%が好ましい。添加量が0.01重量%未満では添加効果が殆どなく、混練経費増になるだけで、5.0重量%を越えるとブリードアウトが発生したり、スクリューのスリップが発生し、吐出量が不安定になって成形故障が多発するだけでなく、樹脂との混練性が悪化する。安価で、写真フイルムにカブリや感度異常発生等の悪影響を与えず、滑性向上効果、射出成形サイクル短縮効果の大きい脂肪酸アミド系滑剤の場合には0.01〜3.0重量%が好ましく、特に0.02〜1.0重量%にすることが成形故障大幅減少、ブリードアウト防止等の点から好ましい。また、滑性効果の向上は小さいが、各種添加剤の分散性を向上させ樹脂の流動性を良化させる炭化水素系滑剤や金属石鹸等は、20重量%以下で問題が発生しない量まで使用可能である。
【0030】
造核剤は、結晶化速度向上,成形サイクル短縮、剛性向上、透明度向上及び変形防止、物理強度向上等のためのものであるが、このために添加される造核剤には有機造核剤と無機造核剤がある。これらの代表例を以下に示す。
【0031】
有機造核剤は、カルボン酸、ジカルボン酸、これらの塩及び無水物、芳香族スルホン酸の塩及びエステル、芳香族ホスフィン酸、芳香族ホスホン酸、芳香族カルボン酸、そのアルミニウム塩、芳香族リン酸金属塩、炭素数8〜30のアルキルアルコール、多価アルコールとアルデヒドの縮合物ならびにアルキルアミンなどであり、例えばpーtーブチル安息香酸アルミニウム、1,3・2,4ジベンジリデンソルビトール、ジ置換ベンジリデンソルビトール化合物、ステアリル乳酸のカルシウム、マグネシウム等の金属塩、Nー(2ーヒドロキシエチル)ーステアリルアミン、1.2ヒドロキシステアリン酸のリチウム塩,ナトリウム塩,カリウム塩,カルシウム塩,マグネシウム塩等の金属塩、ステアリルアルコール,ラウリルアルコール等のアルキルアルコール、安息香酸ソーダ,安息香酸,セバチン酸等を含む。
【0032】
無機造核剤は、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、酸化ナトリウム等のアルカリ金属酸化物、炭酸リチウム,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化バリウム等のアルカリ土類金属水酸化物、炭酸カルシウム,酸化カルシウム等のアルカリ土類金属酸化物等である。
【0033】
造核剤はこれらに限定されるものではなく、その他の公知の造核剤を用いることもできる。また、造核剤は単独の場合に限らず、二種以上を併用することもできることはいうまでもない。造核剤の添加量は0.01〜2.0重量%、好ましくは0.05〜1.10重量%が好ましい。添加量が0.01重量%以下ではほとんど効果がなく、2.0重量%を越えても増量効果がなくコストアップになるだけである。
【0034】
収納した写真フイルムパトローネを外光から保護するために遮光性を付与する場合には遮光性物質が用いられる。この遮光性物質には、カーボンブラックやグラファイト、アルミニウム粉末、アルミニウムフレーク、酸化チタン、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、タルク、クレー、マイカ、ステンレス粉末、スターチ、錫粉末、パール顔料、酸化亜鉛、チタン酸カリウム、ガラスビーズ等がある。これらの遮光性物質は上記物質の単独使用でも2種以上の併用でも、または染料等との併用でもよい。上記、遮光性物質は各種の表面処理を施したものであってもよい。以上のような遮光性物質の添加量は0.01〜30重量%が好ましく、添加量が0.01重量%未満であると添加効果が殆どなく、混練経費増になるだけである。
【0035】
X線不透過機能を付与するには、本発明の写真フイルムパトローネ用容器の成形樹脂材料中に、バリウム化合物、亜鉛又は亜鉛化合物、錫又は錫化合物、鉛又は鉛化合物のうちの少なくとも一種を、10〜50重量%含ませればよい。ただし、外観や落下衝撃強度は肉厚にしないと低下する。
【0036】
上記写真フイルムパトローネ用容器2に要求される防湿能力は、その中に収納される写真フイルムの種類によって多少異なるが、20mg/24hour以下、好ましくは15mg/24hour以下、特に好ましくは10mg/24hour以下、最も好ましいのは5mg/24hourである。この防湿能力を測定するには、容器本体3内に5g程度の塩化カルシウム等の吸湿剤を入れて蓋4を装着した後、温度40°C、湿度90%RHの環境下に24時間放置して重量測定を行うことによって評価することができる。
【0037】
本発明を用いた写真フイルムパトローネ用容器の防湿効果を確認するために、支持リブ11,12の上端部11a、12aの厚みを0.07〜0.40mmの範囲で変化させて、上端部厚みを0.07mm,0.10mm,0.40mmにした比較例1〜3の容器本体と、0.10mm,0.12mm,0.14mm,0.20mm,0.25mm,0.30mm,0.35mmにした実施例1〜7の容器本体3と、これらに対応した形状の蓋4とを成形して、比較例サンプルと実施品とを各10個ずつ作成し、各例について、充填適性,金型製作適性,リブの変形性に起因する防湿性のテストを行った。このテスト結果を表1に示す。なお、容器本体3と蓋4との嵌合部における重なり厚(図5のwの値に対応)は、0.3mmである。また、上端部11a,12aは、本実施例では断面円弧形状に形成してある。なお、表1における評価マーク◎は優れている、○は良好、●は実用限度,▲は実用不可改良必要を示している。
【0038】
【表1】
Figure 0003598144
【0039】
表1から判るように、支持リブの上端部厚みを0.07mmにした比較例1では、上端部が薄くなって変形性が良好になる反面、充填不足や充填不良が発生して所期の支持リブ形状が得られなくなり、また型離れ時の支持リブ上端部の切断も発生した。また、金型の支持リブ成形凹部の形成が困難であった。比較例2では、充填適性は少し良くなるものの、やはり支持リブ成形凹部の形成が困難であった。更に、比較例3では、上端部厚みが0.40mmであり、金型製作適性及び充填適性が向上するとともに、型離れ時の切断が無くなるものの、写真フイルムパトローネを収納したときの上端部の変形性が悪くなり、蓋が十分に閉まらなくなって、防湿性が低下した。実施例1〜6では、充填適性,金型製作性,防湿性について実用限度以上の成果が得られた。したがって、本発明の支持リブの上端部厚みt2は、0.12mm〜0.35mmの範囲にするとよい。好ましくは上端部厚みt2は0.13mm〜0.3mm、特に好ましくは0.14mm〜0.25mmである。
【0040】
図10は、表1のテストに用いた写真フイルムパトローネ50の形状を示すものである。写真フイルムパトローネ90は、半径4mmの円弧92a及び半径10.5mmの円弧92bと、直線部分92cとを連続させた形状をしているとともに、ポート部90aが3.7mm突出し、全体としては長径が30.29mm、短径が21mmの略楕円形状となっている。写真フイルムパトローネ90の長径及び短径を決定する2つの円弧92a,92bの半径は、それぞれ上記の値の±20%の範囲内の長さとするのが好ましく、さらに好ましくは±10%の範囲内、特に好ましくは±5%の範囲内とするのがよい。円弧92a,92bの半径の誤差が±20%の範囲を越えると、その外形を自然な連続形状に形成することが困難になる。
【0041】
なお、上記支持リブ11,12の上端部11a,12aの厚みt2は、上端部11a,12aの断面形状が平面である場合にはその厚みをいい、断面形状が三角形状に尖っている場合には上端から0.2mmの位置の厚みをいう。この上端部11a,12aの断面形状は円弧状,三角形状、台形状や、これらの複合形状を用いることができる。
【0042】
図11は、本発明の他の実施例を示している。この実施例では、支持リブ30,31を上記実施例と同じように平行に配置するとともに、その上端部30a,31aを正面から見てV字形に形成したものである。なお、図示例のものは支持リブ30,31を2個設けたが、これは3個またはそれ以上設けてもよい。この場合には、V字形の斜面によって写真フイルムパトローネの底部が当接して移動するため、V字形のほぼ中央部に写真フイルムパトローネを位置させることができる。V字形の斜面の傾斜角度は6度〜20度がよく、好ましくは8度〜18度、特に好ましくは9度〜16度である。
【0043】
図12は、V字形の上端部を有する支持リブ35,36を交差させて設けたものであり、この場合には、V字形の上端部35a,36aによって写真フイルムパトローネを容器本体37の中央部に位置決めすることができる。なお、支持リブ35,36は図12のように配置する他に、長径方向及び短径方向に配置してもよい。また、支持リブ35,36は2個に限定されることなく、3個以上設けてもよい。
【0044】
図13は、V字形の上端部40a,41aを有する支持リブ40,41を容器本体42の側周面42aに連続させることなく底部42bからのみ延設したものである。このように、支持リブ40,41を容器本体42の側周面42aから連続させることのないようにすると、支持リブ40,41の変形が容易に行えるようになり、その分だけ上端部40a,41aの厚みを増やすことができ、成形性や金型製作適性が向上する。また、側周面から分断する構成は図13に示すV字形の支持リブ40,41に限定されることなく、図1,図12に示すような支持リブ11,12,35,36に対して実施してもよい。
【0045】
また、図14は、上端部45a,46a,47a,48aが傾斜された支持リブ45〜48を傾斜方向を変えて配置したものである。なお、図14では支持リブを4個配置したが、これは3個以上であればよく、これにより容器本体49内でのパトローネのがたつきをより一層効果的に抑えることができる。また、図15に示すように、支持リブ50,51の上端部50a,51aを同じ方向に傾斜させてもよい。この場合には、上端部50a,51aの傾斜によって写真フイルムパトローネが下方に移動して、その周面が容器本体52の内周面52aに接触するようになり、パトローネの支持点が増加してこれのがたつきをより一層効果的に防止することができる。なお、収納する写真フイルムパトローネの底部を水平に保持することができるように、各支持リブ45〜48,50,51の形状及び傾斜角度を変えることが好ましい。
【0046】
また、図16に示すように、円錐状の微小突起50を多数個配置して支持リブ51を構成してもよい。なお、微小突起50の形は円錐に限定されることなく、他の角錐や円柱,角柱などを用いてもよい。また、微小突起50を底部の全域にわたって形成する他に、図1,図11〜図15に示す各支持リブの突出位置に対応させて形成したり、部分的に形成したりしてよい。更には、微小突起50の高さを図11〜図15に示す支持リブの傾斜に合わせて次第に低くするようにしてもよい。また、図示は省略したが、ゲート部を容器本体の内部に窪ませるようにする場合には、このゲート部を支持リブとして用いてもよい。
【0047】
上記各実施例は水平断面形状がほぼ楕円である容器本体であるが、この他に、水平断面形状が円形である従来の135タイプ用の写真フイルムパトローネ用容器に実施してもよい。また、容器本体の水平断面形状は、円形,楕円形の他に、3角や4角,その他の多角形、更にはこれらの複合形であってもよい。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明では、容器本体の底部に、写真フイルムパトローネを収納したときにこの写真フイルムパトローネの底部に当接して変形する支持部材を突出して形成したから、写真フイルムパトローネを容器本体内に収納して蓋を閉めると、蓋に押されて写真フイルムパトローネの底部が支持部材を変形させるようになり、この変形によるリブ復元力で蓋との間で写真フイルムパトローネを挟持するから、容器本体内で写真フイルムパトローネががたつくことがなくしっかりと保持することができる。したがって、移動の際に異音が発生することがない。また、がたつくことがないため、樹脂製の写真フイルムパトローネが破損することもない。更に、運搬時の振動等によっても写真フイルムパトローネががたつくことがないため、写真フイルムの減感などの原因となる内壁削り粉の発生を防止することができる。
【0049】
また、支持リブは底部から突出して形成して、容器本体に一体成形したから、バネ板やスポンジ等の別部材を設ける必要がなくなる。したがって、部品点数や組付け工数が増加することなく、簡単且つ安価に写真フイルムパトローネ用容器を提供することができる。
【0050】
また、支持リブの上端部を薄肉にしたから、変形によるリブ復元力を小さくすることができ、この復元力で蓋を押し上げることがないから、防湿性が低下することもない。特に、支持リブの上端部の厚みを0.12mm〜0.35mmにすることにより、写真フイルムパトローネの支持力を満たした上で、蓋の密閉性が損なわれることがなく、防湿性の低下を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真フイルムパトローネ用容器の容器本体を切り欠いて示す斜視図である。
【図2】写真フイルムパトローネ用容器を示し、(A)が平面図、(B)が断面図である。
【図3】容器本体を拡大して示す平面図である。
【図4】容器本体内に写真フイルムパトローネを収納した状態を示す平面図である。
【図5】容器本体と蓋との嵌合部を示す断面図である。
【図6】支持リブを示すもので、図2のVI−VI線に沿う拡大した断面図である。
【図7】図6の VII−VII 線に沿う拡大した断面図である。
【図8】容器本体を成形する金型の断面図である。
【図9】蓋を成形する金型の断面図である。
【図10】写真フイルムパトローネの一例を示す平面図である。
【図11】他の実施例における容器本体の底部を示す斜視図である。
【図12】他の実施例における容器本体の底部を示す斜視図である。
【図13】他の実施例における容器本体の底部を示す斜視図である。
【図14】他の実施例における容器本体の底部を示す斜視図である。
【図15】他の実施例における容器本体の底部を示す斜視図である。
【図16】他の実施例において容器本体の底部に多数個形成した微小突起を示す拡大した斜視図である。
【符号の説明】
2 写真フイルムパトローネ用容器
3,37,42,49,52 容器本体
4 蓋
5 溝
6 突起
7 突出部
10 支持部材
11,12,30,31,35,36,40,41,45〜48,50,51支持リブ
51 微小突起
90 写真フイルムパトローネ

Claims (2)

  1. 有底の容器本体と、この容器本体の開口端側に装着される蓋とからなり、写真フイルムパトローネを収納する樹脂製の写真フイルムパトローネ用容器において、
    前記容器本体の底に、写真フイルムパトローネを収納して前記蓋を閉めたときにこの写真フイルムパトローネの底部に当接して変形する支持部材を突出して形成し、この支持部材の上端部を薄肉にしたことを特徴とする写真フイルムパトローネ用容器。
  2. 請求項1記載の写真フイルムパトローネ用容器において、
    前記支持部材を複数個の支持リブから構成し、この支持リブの上端部の厚みを0.12mm〜0.35mmにしたことを特徴とする写真フイルムパトローネ用容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108082744A (zh) * 2017-12-23 2018-05-29 李晓辉 一种岩土工程用岩石检测采样瓶

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