JP3599565B2 - 酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法 - Google Patents

酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法に関する。詳細には、めっき液中に存在する不要な不可避的不溶性汚染物質は除去するが、明度向上等の目的で積極的に添加された有用成分(例えばSn,In,Se,Sb,Geよりなる群から選択される少なくとも1種の元素)は除去しない、といった不要物質・有用物質の選択的篩い分けが可能な酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電気亜鉛めっき鋼板は、亜鉛めっき層が鋼板素材に対して犠牲防食性能を発揮して優れた耐食性を有することから、家電製品、自動車、建材用途を始めとして広範に実用化されている。
【0003】
一般に工業的規模では、熱間圧延または冷間圧延した鋼板コイルを連続的に電気亜鉛めっき処理している。以下、酸性亜鉛めっき液を用いて連続電気亜鉛めっきする方法につき、説明する。
【0004】
まず、熱間圧延または冷間圧延された鋼板コイルは、連続電気亜鉛めっき設備入側のペイオフリールと呼ばれる鋼板コイル払出装置にセットされる。次いで、該ペイオフリールより払出された鋼板をアルカリ脱脂槽に浸漬し、表面に付着した圧延油、防錆油等の油分や、これらと鉄粉等が混合した汚れ成分を除去する。通常は、この浸漬脱脂処理以外に、ブラシロールによるブラッシングや電解脱脂処理等を組合わせることにより表面に付着した油分を取り除いている。この様に表面処理した鋼板を水洗した後、酸洗槽において硫酸等の強酸性溶液に浸漬することにより、鋼板表面を活性化処理(酸化皮膜除去)する。次に、電気亜鉛めっき槽において、該鋼板を亜鉛めっき液中に浸漬すると共に、鋼板をカソードとし、陽極(一般的には、Pb−In−Ag等のPb系合金または酸化イリジウム等の不溶性陽極を使用)との間に電流を通ずることにより鋼板表面に金属亜鉛を電析させる。この様に処理した亜鉛めっき鋼板を水洗し、インラインにて所望の後処理(りん酸亜鉛処理、クロメート処理、各種樹脂被覆処理等)した後、最終的には、電気亜鉛めっき設備出側の鋼板巻取り装置(テンションリールと呼ばれる)で再度コイルとして巻取られる。尚、前述のペイオフリールは通常、一ラインにつき2基設置されており、この様な一連の処理が途切れることなく連続して実施される様になっている。
【0005】
以上の如く連続電気亜鉛めっき処理は行われている。尚、めっき中に消費されたイオンは、めっき液を供給することにより補給されており、不溶性陽極の場合は系外から、溶性陽極の場合は陽極自身の溶解により随時供給されている。
【0006】
この様にしてめっき液は繰り返し使用されるが、該めっき液は、脱脂、酸洗等の前処理によっても除去しきれなかった微量の油分が混入したり、めっき槽のゴム・プラスチック・FRP等の各種ライニング類、めっき液の配管若しくは給電ロール(コンダクターロール)、サポートロール等が損耗若しくは腐食する等したものが混入したり、空気中の塵埃が混入する等して常時汚染されている。
【0007】
上記不溶性汚染物質のなかでも、酸性電気亜鉛めっき液に不溶な油分やゴム類等の有機物質(例えばゴム成分、FRP、油等のかけら、或いはこれらの複合物など)、金属酸化物(SiO ,TiO ,Fe 等)等は、めっき液中に多量に蓄積すると鋼板表面やロール等に付着し、めっき後の製品表面に汚れ模様が生じたり、汚れがひどい場合には不めっきや押疵といった重大な欠陥を招き、製品価値が著しく損なわれてしまう。
【0008】
従って、これらの不溶性汚染物質がめっき液中へ過剰に蓄積するのを防止する為には、めっき液を濾過することが必要である。濾過法としては一般に、濾布や金属製スクリーン等を濾体として用いる濾過方法;濾布等の濾体の上に多孔性珪藻土微粉末(濾過助剤)等を薄く堆積(以下、コートと称する)させた濾過膜を用いると共に、該濾過助剤を濾液中に少量添加しながら(ボディーフィード)濾過する助剤濾過法が汎用されている。
【0009】
ところが、めっき液中には前述の不溶性汚染物質の他に、所望のめっき性能を付与する為に積極的に添加された有用物質を含有する場合も多く、これらが混入するめっき液を従来の濾過法で濾過すると、不要な不溶性物質のみならず、上記有用物質までもが無差別に除去されてしまうことが分かった。
【0010】
例えば本発明者等は、めっき層中に、平衡電位が亜鉛よりも高く且つ水素過電圧が亜鉛よりも低い金属元素(例えばSn,In,Se,Sb,Ge等)を添加することにより外観および明度の優れた電気亜鉛めっき鋼板が提供できることを見出し、既に出願を済ませている(特願平9−136998)。この様に外観・明度向上の目的で添加される上記金属元素は、pH2.5以下の酸性めっき液中では、酸化還元反応によりその一部が酸化物若しくは水酸化物等の不溶性成分(凝集物)として存在している。上記酸化還元反応はめっき液中で平衡に保たれており、一定量の不溶性成分が常に存在していることになる。ところが従来の濾過法により、上記金属元素の不溶性成分を含むめっき液を濾過すると、前述の不要な汚染物質のみならず有用な不溶性成分まで除去されてしまう。その結果、めっき液中における酸化還元反応の平衡関係が崩れ、該めっき液中にイオンとして存在していた金属元素イオンまでもが酸化されて不溶性成分へと変化し、除去される為、当該金属元素イオンの有効濃度が急速に減少するという問題が生じた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、酸性電気亜鉛めっき液中に存在する不要な不可避的不溶性汚染物質を効率良く除去しつつ、所望の特性を付与させる目的でめっき液中に積極的に添加された有効成分(例えばSn,In,Se,Sb,Geよりなる群から選択される少なくとも1種の元素)については除去しない、といった有用成分・不要成分の選択的篩い分けが可能な酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明に係る酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法は、外観・明度向上の目的で添加されるSn,In,Se,Sb及びGeよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸性電気亜鉛めっき液を濾過するに当たり、該めっき液のpHを2.5以下にした後、繊維の直径が5〜50μmであり、且つ繊維の織り込み密度が1000〜20000本/cm2 を満足する濾布を用いて該めっき液の濾過を行うところに要旨を有する。
【0013】
ここで、上記濾布に濾過助剤をコートした後、酸性電気亜鉛めっき液を濾過する方法、即ち、濾布に濾過助剤を薄く堆積(コート)する方法は本発明の好ましい態様である。この方法によれば、コート層に目詰まりが生じたとしても、水洗等によって該コート層を容易に除去することが可能であり、濾布自体を洗浄する必要がない為、作業効率が著しく高められる点で極めて有用である。
【0014】
尚、上記濾過助剤は、粒径分布:0.05〜5mm,コート量:50〜6000g/mとすることが好ましい。
【0015】
上記の通り、上述した本発明の濾過方法は、Sn,In,Se,Sb及びGeよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸性電気亜鉛めっき液を濾過するのに好適に用いられる。即ち、酸性電気亜鉛めっき液中にSn,In,Se,Sb及びGeよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を添加しためっき液を濾過するに当たり、該元素の酸化凝集物は濾過してめっき液中に残しておき、不要な不溶性汚染物質は選択的に濾去することができるので極めて有用である。
【0016】
【発明の実施の形態】
前述の如く濾布を用いた従来のめっき液濾過方法によれば、非常に目の細かい濾布を用いている為、▲1▼めっき中に生じた不溶性物質で所定の大きさに達したものは、有用成分であれ不要成分であれ全て一律に除去してしまうこと、▲2▼上記濾布により除去される不溶性物質のなかには、めっき液中に有効成分として添加された金属元素の酸化物・水酸化物等の凝集物まで含まれてしまうこと、▲3▼これらの凝集物が除去されると、めっき液中における該金属元素の酸化還元反応の平衡関係が崩れてしまい、有効イオン濃度が急速に減少してしまう為、当該金属元素の添加による所望の特性が発揮されない、という問題が生じることが分かった。
【0017】
特に上記の問題は、明度・外観向上の目的でSn,In,Se,Sb,Geよりなる群から選択される少なくとも1種の元素をめっき液中に積極的に添加した場合に顕著に見られることから、本発明者らは、不溶性物質のなかでも、めっき中に不可避的に析出する不要物質のみを選択的に除去することができ、めっき液中に意図的に添加された有用物質については除去しない、といった選択的篩い分けが可能な濾過方法について鋭意検討した。
【0018】
その結果、めっき液中に存在する不要な不可避的不溶性汚染物質(不要成分)と上記金属元素の凝集物(有用成分)は、共に不溶性成分として存在するが粒径が相違すること、即ち、不要成分の粒径は数μm程度に達するのに対し、有用成分の粒径は不要成分に比べて小さいことが分かった。上述したSn,In等の有用成分は、pH2.5以下の酸性域で酸化物等の凝集物を生成するが、生成直後は数nmと微細であり、その後二次凝集して大きくなるものの、該有用成分の添加濃度は上記不要成分のめっき液中濃度の1/100〜1/1000と極めて少ない為、不要成分に比べ、あまり大きくならないものと思料される。
【0019】
そこで、めっき液の濾過に使用する濾布につき、繊維の直径と繊維の織り込み密度の範囲を、不要成分は除去しつつ(めっき液から取り除く)有用成分は除去しない(めっき液中に残しておく)様な範囲に制御してやれば、有用成分と不要成分の選択的篩い分けが可能であることを見出し、本発明を完成したのである。従来使用される濾布は非常に目の細かいものであり、不要成分のみならず有用成分も無差別に除去してしまうのに対し、本発明の濾過法は、真に不要成分のみを除去し得、有用成分はめっき液中に残しておくことができる点で極めて有用である。
以下、本発明法について説明する。
【0020】
上述した様に本発明法は、酸性電気亜鉛めっき液を濾過するに当たり、直径が5〜50μmの繊維を、1cmあたり1000〜20000本織り込んだ濾布を用いるところに特徴を有する。この様に本発明法では、繊維の直径のみならず繊維の織り込み密度についても制御することが必要であり、両者をバランス良く制御することにより始めて所望の目的を達成することができるのである。
【0021】
まず、本発明法では、直径が5〜50μm以下の繊維を使用することが必要である。繊維の直径が5μm未満では、繊維の織り込み密度を本発明の範囲内に制御したとしても繊維間の空隙が大きくなる為、不要な不溶性汚染物質を有効に除去することができない。好ましくは10μm以上である。一方、50μmを超えると、織り込み密度を本発明の範囲内に制御したとしても、不要な不溶性汚染物質のみならず有用な凝集物までもが除去されてしまう。また、繊維の直径が大きくなり過ぎると濾過抵抗が増大し、単位面積・単位時間当たりの濾過流量が減少することから、鋼板コイルへの連続電気亜鉛めっき処理設備の様に多量のめっき液を繰返し使用する設備においては面積の大きな濾布が必要となり、設備的にも経済的にも好ましくない。好ましくは30μm以下である。
【0022】
更に、本発明法では織り込み密度を1000〜20000本/cm の繊維を使用することが必要である。織り込み密度が1000本/cm 未満の場合、繊維間の空隙が大きくなり、不要な不溶性汚染物質を効率良く除去することができない。好ましくは2000本/cm以上である。一方、上限値である20000本/cmを超えると、必要添加元素の不溶性成分まで除去されてしまう。好ましくは10000本/cm以下である。
【0023】
上記方法により、めっき液中に存在する不溶性成分のうち有用成分と不要成分の選択的篩い分けが可能になるが、連続して濾過処理する場合には、上記の濾布に濾過助剤をコートした後、酸性電気亜鉛めっき液を濾過することが有用である。
【0024】
一般に、濾布(濾体)は洗浄して繰返し使用するが、連続使用していくと不溶性成分等の蓄積により目詰まりが生じる様になる。不溶性汚染物質のなかでも有機系不純物は、あたかも糊の如く濾布に貼り付いてしまい、容易に除去することが困難である。従って、この様な目詰まりを取除く為には、非常に負荷の大きい洗浄作業(高圧水によるスプレー水洗、手作業によるブラッシング等)が別途必要になる。濾布上に濾過助剤を均一に堆積(コート)してから濾過する方法は、この様な目詰まりが発生した場合に極めて有効である。
【0025】
本発明に用いられる濾過助剤は通常使用されるものであれば特に限定されず、パーライト、珪藻土、ポリプロピレン、ポリエチレン等の粉末を使用することが推奨される。
【0026】
上記濾過助剤を濾布上にコートすると、めっき液中に存在する不要な不溶性汚染物質は該コート層に補足されることになる。従って、濾過流量が低下したり濾過圧力が上昇したりする等してコート層が目詰まりした場合には該コート層のみを除去すれば良く、濾布自体を洗浄するという面倒な作業を省略することが可能である。このコート層は前述の粉末によって形成されている為、たとえ有機系不溶性汚染物質等が該コート層に糊状に貼り付いたとしても、低圧スプレーによる水洗等簡便な処理によって容易に除去することができ、作業負荷が大幅に軽減されるという利点がある。
【0027】
尚、上記濾過助剤として用いられるパーライト、珪藻土、ポリプロピレン、ポリエチレンの粉末の粒径分布は、0.05〜5mmに制御することが好ましい。0.05mm未満では、形成されたコート層の空隙率が小さくなり、必要な添加元素の不溶性成分まで該コート層に補足されてしまう。より好ましくは0.1mm以上である。一方、5mmを超えるとコート層を均一に形成することが困難であり、該コート層の厚さが部分的に薄くなったりする場合がある。コート層が薄くなると、濾過中に不溶性汚染物質が該コート層を突き抜けて濾布自体に到達してしまう為、コート層を水洗除去したとしても清浄な濾布面を再生することができなくなる。より好ましくは3mm以下である。
【0028】
また、上記濾過助剤のコート量は、50〜6000g/mの範囲に制御することが推奨される。コート量が50g/m未満の場合、濾布上に均一なコート層を形成することができず、適切に濾過することが困難であるばかりか、濾過中に過程に不溶性汚染物質がコート層を突き抜けて濾布自体に到達してしまう為、該コート層を水洗除去しても清浄な濾布面を再生することができない。より好ましくは100g/m以上である。一方、コート量が6000g/mを超えると、不溶性汚染物質のみならず必要な添加成分の凝集物まで該コート層に捕捉されてしまう。より好ましくは4000g/m以下である。
【0029】
更に本発明法を実施するに当たっては、本発明で特定するコート量を超えない範囲で、濾過したいめっき液に少量の濾過助剤を添加しながら濾過しても良く、これにより、目詰まりが発生するまでの濾過時間を延長することが可能となる。
【0030】
尚、本発明法は、亜鉛を主成分とし、Sn,In,Se,Sb及びGeよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する硫酸酸性電気亜鉛めっき液を濾過するのに好適に適用できるが、該めっき液のpHが2.5以下(好ましくは2.0以下)の場合にとりわけ効果的である。めっき液のpHが2.5を超えると、上記金属元素イオンが加水分解して不溶性成分が極めて多量に生じる為、本発明の濾過法を適用したとしても、金属元素イオン濃度の著しい減少を有効に阻止することが困難である。pHが2.5以下の場合は、上記加水分解反応は殆ど進行せず、酸化還元反応は平衡に達している為、本発明法を有効に適用することができる。尚、めっき液pHの下限は特に限定されないが、概ね0.5以下になると電気亜鉛めっき時の水素発生反応が激しくなり、めっきの電流効率が低下する等の弊害が生じる。よって、めっき液のpHを0.5以上にすることが好ましい。
【0031】
また、上記めっき液には、本発明の作用を損なわない範囲で前述のSn等の金属元素以外に他の元素が含まれていても良く、具体的には例えばNi,Co,Fe,Cr,Mn,Mo,Al,Mg等の金属元素;NaSO(NH)SO,KCl,NaCl等の伝導度助剤が挙げられる。これらの元素は、前述のSn等とは異なり、めっき液pH:2.5以下の条件下においても凝集して不溶性成分として存在することはないから、本発明法を採用しても濾過により除去されることはなく、濾液中に有効にイオンのまま在することができる。
【0032】
従って、本発明法は、めっき液中に種々の目的で有用成分を添加した場合であって、酸性下(好ましくはpH2.5以下)で微細な凝集物(例えば粒径が概ね5μm未満の凝集物)を生成する成分を含むめっき液を濾過する場合に有用であり、この様な成分は前述のSn等に限定されるものではない。
【0033】
以上の通り、本発明法は濾過に使用する濾布の繊維直径及び繊維織り込み密度を特定したところに最重要ポイントがあり、その他の条件については特に限定されず、本発明の作用を損なわない範囲で適宜適切な濾過条件を選択することができる。例えば、濾過液の循環経路等についても特に限定されず、めっき液を貯めておくタンクからめっき槽への配管の一部に、本発明法を採用した濾過装置を設置しても良いし、或いは、めっき液貯蔵タンクから別系統で該濾過装置を経由した後再びめっき液貯蔵タンクに戻る様に配置しても良い。このうち後者の方法は、連続運転のみならず、めっき液の清澄度に応じて間欠運転に適宜切り換えることも可能であり、目詰まりが発生するまでの期間を一層長くすることができる点で極めて有用である。
【0034】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明は、もとより下記実施例によって制限されるものでは決してなく、前・後記の主旨に適合し得る範囲で適切に変更して実施することも勿論可能であり、いずれも本発明の技術的範囲内に包含される。
【0035】
【実施例】
実施例1
有機系および無機系の各種不溶性汚染物質を含む硫酸酸性電気亜鉛めっき液(pH1.5)をベースとし、以下の濾過実験を行った。尚、該めっき液中には、金属元素として亜鉛の他にNi及びFeを夫々微量添加すると共に、更に明度・外観向上の目的でSnを1ppm添加した。
【0036】
[濾過実験]
貯蔵タンクからポンプアップした上記めっき液を、表1に記載の種々の濾布を用いた濾過装置に通過させた後、再び貯蔵タンクに戻すという濾過方法を繰り返し、連続して合計5時間の濾過実験を行った。濾過実験前後のめっき液を採取し、該めっき液中の不溶性汚染物質の量を以下の要領で測定した。
【0037】
即ち、ポアーサイズ0.1μmのメンブランフィルターにめっき液(1リットル)を濾過させた後、フィルターに捕捉された固形物を十分乾燥させてから該固形物の重量を測定した。次に、下式を用いて不溶性汚染物質の除去率(%)を算出した。
不溶性汚染物質の除去率(%)={(Mb−Ma)/Mb}x100
式中、Maは濾過後のめっき液(1リットル)中に含まれる不溶
性汚染物質の質量、
Mbは濾過前のめっき液(1リットル)中に含まれる不溶
性汚染物質の質量を夫々意味する。
【0038】
また、めっき液中のSn量については、採取しためっき液をイオン交換水で100倍に希釈した後、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いて定量分析し、次式により必要添加元素残存率(%)を算出した。
必要添加元素残存率(%)=(RMa/RMb)x100
式中、RMaは濾過後のめっき液中に含まれるSn濃度、
RMbは濾過前のめっき液中に含まれるSn濃度
を夫々意味する。
【0039】
上記方法に基づき算出された数値を用いて、以下の基準で不溶性汚染物質除去能および必要添加元素(Sn)の残存率を夫々評価した。
【0040】
<不溶性汚染物質除去能>
◎:不溶性汚染物質除去率が80%以上
○: 〃 が60%以上80%未満
△: 〃 が30%以上60%未満
×: 〃 が30%未満
<必要添加元素(Sn)の残存率>
◎:必要添加元素の残存率が80%以上
○: 〃 が50%以上80%未満
△: 〃 が20%以上50%未満
×: 〃 が20%未満
これらの結果を表1にまとめて示す。
【0041】
尚、Snの代わりにIn,Se,Geを夫々単独で添加した場合、並びにSn及びInを混合添加した場合における不溶性汚染部室除去能および必要添加元素残存率を同様に評価した。これらの結果を表2〜4に示す。
【0042】
【表1】
Figure 0003599565
【0043】
表1より明らかな様に、濾布の繊維径および織り込み密度が本発明の範囲内を満足するNo.1〜20は、不溶性汚染物質の除去能および必要添加元素の残存率が共に優れている。
【0044】
これに対し、本発明の要件を満足しないNo.21〜29は、夫々以下の不具合を伴っている。
【0045】
No.21〜23は濾布の繊維径が小さい為、Sn残存率は良好であるが不溶性汚染物質の除去能に劣っている。
【0046】
No.24〜26は濾布の繊維径が大きい為、Sn残存率が低く、繊維の織り込み密度を可能な限り小さくしても、顕著な改善効果は得られなかった。
【0047】
No.27は繊維の織り込み密度が小さい為、不溶性汚染物質の除去能に劣っており、一方、No.28は該織り込み密度が大きい為、Snの残存率が低かった。
【0048】
No.29は濾布の繊維径が小さく繊維の織り込み密度が非常に大きい例であるが、織り込み密度を非常に大きくした為、繊維径が小さくても不溶性汚染物質の除去能を高めることはできたものの、織り込み密度を大きくし過ぎた為、Snの残存率が著しく低下した。
【0049】
【表2】
Figure 0003599565
【0050】
【表3】
Figure 0003599565
【0051】
【表4】
Figure 0003599565
【0052】
上記表より以下の様に考察することができる。
表2のNo.1〜16及び表3のNo.1〜16は、濾布の繊維径および織り込み密度が本発明の範囲内を満足する例であり、添加元素としてIn,Se,Geを夫々単独使用した場合もSnとInを混合添加した場合も、不溶性汚染物質の除去能および必要添加元素の残存率が共に優れている。
【0053】
これに対し、表4のNo.1〜20は、本発明の要件を満足しない例であるが、夫々以下の不具合を伴っている。
【0054】
No.1,6,11,16は濾布の繊維径が小さい為、必要添加元素残存率は良好であるが不溶性汚染物質の除去能に劣っている。
【0055】
No.2,7,12,17は濾布の繊維径が大きい為、必要添加元素残存率が低く、繊維の織り込み密度を可能な限り小さくしても、顕著な改善効果は得られなかった。
【0056】
No.3,8,13,18は繊維の織り込み密度が小さい為、不溶性汚染物質の除去能に劣っており、一方、No.4,9,14,19は該織り込み密度が大きい為、必要添加元素残存率が低かった。
【0057】
No.5,10,15,20は濾布の繊維径が小さく繊維の織り込み密度が非常に大きい例であるが、織り込み密度を非常に大きくした為、繊維径が小さくても不溶性汚染物質の除去能を高めることはできたものの、織り込み密度を大きくし過ぎた為、必要添加元素残存率が著しく低下した。
【0058】
実施例2
本実施例では、濾布に濾過助剤をコートする濾過法について検討した。
まず、実施例1で用いた硫酸酸性電気亜鉛めっき液中に必要添加元素としてSn,1n,Sbを1ppm添加した後、パーライト、珪藻土、ポリエチレンまたはポリプロピレンの濾過助剤をコートした濾布をセットした濾過装置を用い、実施例1と同様に濾過実験を行った。尚、本実施例に使用した濾布および濾過助剤の種類、並びに濾過助剤の粒径分布・コート量は表1に示す通りである。
【0059】
不溶性汚染物質除去能および必要添加剤の残存率は、実施例1と同様にして算出し、実施例1と同様の判定基準で評価した。尚、本実施例では、コート層の形成に伴う「不溶性汚染物質による濾布の目詰まり防止(濾布洗浄負荷の軽減の指標となる)」を評価する為、濾過実験終了後に該コート層を水道水で洗浄・除去した後、濾布への不溶性汚染物質の付着状況を目視にて観察し、以下の判定基準で評価した。
[濾布目詰まり状況]
○:濾布への不溶性汚染物質の付着は認められない。
△: 〃 わずかに認められる。
×: 〃 明らかに認められる。
これらの結果を表5及び表6に示す。
【0060】
【表5】
Figure 0003599565
【0061】
【表6】
Figure 0003599565
【0062】
表の結果より、濾布の条件(繊維径・織り込み密度)および濾過助剤の条件(粒径分布・コート量)が本発明範囲を満足する表5のNo.1〜20及び表6のNo.1,2は、いずれも不溶性汚染物質の除去能、必要添加元素の残存率が両方優れており、且つ濾布の目詰まりも全く発生していなかった。この傾向は、濾過助剤の種類を変えた表6のNo.3〜14についても、同様に見られた。
【0063】
これに対し、濾過助剤の条件が本発明の好ましい要件を外れる例は以下の不具合を抱えている。
【0064】
表6のNo.15〜18は、濾過助剤の粒径分布が本発明の好ましい下限値を下回る例、No.19はコート量が本発明の好ましい上限値を超える例であるが、いずれも必要添加元素の残存率が著しく低下している。
【0065】
表6のNo.21はコート量が好ましい範囲を下回る例、No.20は濾過助剤の粒径分布が好ましい範囲を超える例であるが、いずれも濾布の目詰まりが認められた。また、No.22は濾過助剤を使用しない例であるが、やはり濾布の目詰まりが見られた。
【0066】
実施例3
本実施例では、めっき液中のpHを種々変化させて濾過実験を行った。
具体的には、硫酸濃度を変えることによりpHを種々変化させた硫酸酸性電気亜鉛めっき液(亜鉛を主成分とし、FeおよびNiを微量含有する)に、必要添加元素成分としてSe,Sb,Geを総量で5ppm添加し、実施例1と同様に濾過実験した後、実施例1と同様にして不溶性汚染物質の除去能および必要添加剤の残存率を測定・評価した。濾布条件および濾過助剤条件は表1に示す通りであり、いずれも本発明の範囲内に制御した。
これらの結果を表7に示す。
【0067】
【表7】
Figure 0003599565
【0068】
表7の結果より、めっき液のpHが本発明の好ましい範囲を満足するNo.1〜5は、不溶性汚染物質の除去能および必要添加元素の残存率が共に優れているのに対し、pHが本発明の好ましい範囲を超えるNo.6〜7は本発明の作用を有効に発揮させることができず、必要添加元素の残存率が低下した。
【0069】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されているので、連続電気亜鉛めっき処理設備において酸性電気亜鉛めっき液を濾過するに当たり、めっき液中に不可避的に析出する不要な不溶性汚染物質を効率良く除去しつつ、所望の特性を付与させる目的でめっき液中に積極的に添加された必要添加元素成分については除去しない、といった有用成分・不要成分の選択的篩い分けが可能になった。

Claims (5)

  1. 外観・明度向上の目的で添加されるSn,In,Se,Sb及びGeよりなる群から選択される少なくとも1種の元素を含有する酸性電気亜鉛めっき液を濾過するに当たり、
    該めっき液のpHを2.5以下にした後、
    繊維の直径が5〜50μmであり、且つ繊維の織り込み密度が1000〜20000本/cm2 を満足する濾布を用いて該めっき液の濾過を行うことを特徴とする酸性電気亜鉛めっき液の濾過方法。
  2. 前記濾布に濾過助剤をコートした後、酸性電気亜鉛めっき液を濾過するものである請求項1に記載の濾過方法。
  3. 粒径分布が0.05〜5mmの濾過助剤を用いるものである請求項2に記載の濾過方法。
  4. 前記濾過助剤のコート量が50〜6000g/m2 である請求項2または3に記載の濾過方法。
  5. 前記元素の酸化凝集物は濾過して該めっき液中に残し、不溶性汚染物質を選択的に濾去するものである請求項1〜4のいずれかに記載の濾過方法。
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