JP3600295B2 - 印刷配線板の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、配線層間を貫通型の導体配線部で接続する、高密度な配線および実装を可能とする信頼性の高い印刷配線板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、両面印刷配線板もしくは多層印刷配線板において、導電パターン等の配線層の間の電気的接続は、次のようにして行っていた。例えば、両面印刷配線板の場合は、両面銅張基板の所定位置に穴明け加工を施し、穴の内壁面を含めて全面に化学メッキ処理を施してから電気メッキ処理で穴の内壁面の金属層を厚くして信頼性を高め、配線層間の電気的な接続を行っている。また、多層印刷配線板の場合は、内層銅張基板両面に貼られた銅箔をそれぞれパターニングした後、そのパターニング面上に絶縁シート(例えばプリプレグ)を介して銅箔を積層・配置し、加熱加圧により一体化した後、両面印刷配線板のときと同様に、穴明け加工およびメッキ処理による配線層間の電気的接続を行った後、表面銅箔をパターニングすることにより4 層の多層印刷配線板を得ている。なお、4 層より配線層の多い多層印刷配線板の場合は、中間に介挿させる内層銅張基板の枚数を増やす方式で製造できる。
【0003】
前記印刷配線板の製造方法において、配線層間の電気的な接続をメッキ処理によらず行う方法として、両面銅張基板の所定位置に穴明けし、この穴内に導電性ペーストを印刷法などにより流し込み、穴内に流し込んだ導電性ペーストの樹脂分を硬化させて、配線層間を電気的に接続する方法も行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、配線層間の電気的接続にメッキ法を利用する印刷配線板の製造方法においては、配線層間の電気的な接続用の基板穴明け(穿穴)加工、穿設した穴内壁面を含めたメッキ処理工程などを要し、製造工程が冗長であるとともに工程管理も繁雑であるという欠点がある。
【0005】
一方、配線層間の電気的接続用の穴に、導電性ペーストを印刷などにより埋め込む方法の場合も、前記メッキ法の場合と同様に基板穴明け工程を必要とする。しかも、穿設した穴内に、導電性ペーストを均一に流し込むことが難しく、電気的接続の信頼性に問題があった。いずれにしても、前記穴明け工程などを要することは、印刷配線板のコストや歩留りなどに反映し、低コスト化などの要望に対応し得ないという欠点がある。
【0006】
また、前記メッキ処理あるいは導電性ペースト流込みによる電気的接続ではいずれの場合にも、印刷配線板の表裏面に、配線層間接続用の導電体穴が設置されているため、その導電体穴の領域には配線を形成・配置し得ないし、さらに電子部品を搭載することもできないので、配線密度の向上が制約されるとともに、電子部品実装密度の向上も阻害されるという問題がある。つまり従来の製造方法によって得られる印刷配線板は、高密度配線や高密度実装による回路装置のコンパクト化、ひいては電子機器類の小型化などの要望に、十分応え得るものとはいえず、前記コスト面を含め、実用的により有効な印刷配線板の製造方法が望まれていた。
【0007】
それに応えるため、発明者は合成樹脂系シートの厚さ方向に、バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部を形成し、合成樹脂系シートの上面に配置した金属箔を接続する方法を提案したが、合成樹脂系シートが厚いと導体バンプの径を大きくしなければ合成樹脂系シートを貫挿させることができず、回路密度や絶縁層厚さの制限があった。
【0008】
本発明は、上記の欠点や問題点を解消するためになされたもので、導体バンプの貫挿性を向上させ、かつ貫通型の導体配線部と積層体の導電性金属箔との接続信頼性を向上させ、歩留り良好でコスト低減に寄与する印刷配線板の製造方法を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、導体バンプ群を形成貫挿させる工程を複数回行うことによって、上記の目的を達成できることを見いだし、本発明を完成したものである。
【0010】
即ち、本発明は、支持基体の主面における所定位置に導体バンプ群を形設する第一工程と、前記支持基体の主面に合成樹脂系シートの主面を対接させて積層配置して加圧し、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に前記導体バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部を形成する第二工程と、前記貫通型の導体配線部の貫挿した合成樹脂系シートから露出する前記導体バンプ群の先端部に重ねて新たな導体バンプ群を形設する第三工程と、その積層物の導体バンプ形設面に合成樹脂系シートの主面を対接させて積層配置して加圧し、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に前記導体バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部を形成する第四工程と、前記貫通型の導体配線部を貫挿させた合成樹脂系シートの上面に導電性金属箔を配置し一体成形する第五工程とを具備し、前記第三及び第四工程を少なくとも1 回以上複数回行うことを特徴とする印刷配線板の製造方法である。
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の第一及び第三工程において形設する導体バンプ群は、バインダーとなる合成樹脂に導電性粉末を配合した導電性組成物を用いて形成される。バインダーとなる合成樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂あるいはこれらの混合樹脂が使用できる。例えば、ユリア樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、レゾルシノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ビニルウレタン樹脂、シリコーン樹脂、α−オレフィン無水マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられ、これらは単独または 2種以上混合して使用することができる。また、ここで用いる導電性粉末としては、金粉末、銀粉末、銅粉末、ニッケル粉末、カーボン粉末、表面に導電物層を有する粉末等が挙げられ、これらは単独または 2種以上混合して使用することができる。導電性組成物は、合成樹脂と導電性粉末を主成分として配合したものであるが、本発明の目的に反しない程度において、また必要に応じて、粘度調整用の溶剤、カップリング剤、その外の添加物を配合することができる。ここで用いる溶剤としては、ジオキサン、ベンゼン、ヘキサン、トルエン、ソルベントナフサ、工業用ガソリン、酢酸セロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、これらは単独または 2種以上混合して使用することができる。こうして得られる導電性組成物を用いてバンプ群を形成する。
【0013】
導体バンプ群の形成手段としては、比較的厚いメタルマスクを用いた印刷法等が挙げられるが、特に制限されるものではない。1 種類の導電性組成物を数回繰り返し印刷して導体バンプ群を形成するが、異なる2 種以上の導電性組成物を1 種類につき各1 回以上繰り返し印刷することによって、異なる2 種以上の導電性組成物の2 層以上の導体バンプを形成することができる。そのバンプ群の高さは一般的に 100〜400 μm 程度が望ましく、さらに導体バンプ群の高さは 1層の合成樹脂系シートを貫通し得る高さ及び複数層の合成樹脂系シートを貫通し得る高さとが適宜混在していてもよい。
【0014】
本発明の第一工程に用いる支持基体、つまりバンプ群が形設される支持基体としては、例えば剥離性良好な合成樹脂系シート類、もしくは導電性シート(箔)などが挙げられ、この支持基体は 1枚のシートであってもよいし、パターン化されたものでもよく、その形状は特に限定されない。さらに導体バンプ群は、支持基体の一方の主面だけでなく、両主面にそれぞれ形設したものを用いてもよい。
【0015】
本発明の第二及び第四工程において用いる合成樹脂系シートとしては、前記導体バンプ群が貫挿され、貫通型の導体配線部を形成するもので、その厚さは50〜800 μm 程度が好ましい。具体的な合成樹脂系シートとして、まず熱可塑性樹脂フィルム、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、4 フッ化ポリエチレン樹脂、6 フッ化ポリプロピレン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等のシート類が挙げられる。次に、硬化前状態に保持される熱硬化性樹脂シート、例えば、エポキシ樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂等のプリプレグ類が挙げられ、或いは生ゴムシート類、例えば、ブタジエンゴム、ブチルゴム、天然ゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴムなどのシートが挙げられる。これらの合成樹脂系シートは、合成樹脂単独でもよいが無機物や有機物系の絶縁性充填物を含有してもよく、さらにガラスクロスやマット、有機合成繊維布やマット、或いは紙等の補強材と組み合わせてなるシートであってもよい。
【0016】
上述の導電性組成物を用いて導体バンプ群を形設することを第一工程とした支持基体の主面に、合成樹脂系シート(プリプレグ)主面を対接させて積層配置し、その積層体をそのままもしくは加熱加圧して合成樹脂系シートに導体バンプ群を貫挿することを第二工程とするのであるが、そのとき、合成樹脂系シートを載置する基台(当て板)としては、寸法や変形の少ない金属板もしくは耐熱性樹脂板、例えばステンレス板、真鍮板、ポリイミド樹脂板(シート)、ポリテトラフロロエチレン樹脂板(シート)等が使用される。この積層体の加圧に際し、加熱して合成樹脂系シートの樹脂分が柔らかくなった状態で加圧すれば、良好なバンプ群の貫挿をさせることができる。
【0017】
本発明で最も重要なことは、第二工程を経て導体配線部を形成した積層物に、第一工程と同様に導体バンプ群を形設する第三工程と、導体バンプ群を形設した積層物に第二工程と同様に合成樹脂系シートを重ねて貫通型の導体配線部を形成する第四工程を繰り返すことにある。そのように合成樹脂系シートの厚さ方向に前記導体バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部を形成する工程を複数回行うことによって、貫挿性を向上させることである。こうして印刷配線板が製造できる。
【0018】
【作用】
本発明の印刷配線板の製造方法によれば、合成樹脂系シートの厚さ方向に導体バンプ群を貫挿させて貫通型の導体配線部を形成する工程を複数回行うことによって、前記導体バンプ径を大きくすることなく、合成樹脂系シートを容易に貫挿させ、かつ貫通型の導体配線部と積層体の導電性金属箔との接続信頼性を向上させるものである。
【0019】
【実施例】
本発明の実施例を図面を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0020】
実施例
図1(a)に示したように、厚さ35μm の電解銅箔を支持基体1として、熱可塑性アクリル樹脂系銀ペーストAをメタルマスク(ステンレス製、板厚 0.2mm、穴径 0.4mm、図示せず)を用いて印刷、乾燥後、同一マスクを用い、同一位置に印刷することを 4回繰り返し、高さ約 200μm の導体バンプ2を形成した。次に合成樹脂系シートとして、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸してなる厚さ100 μm のプリプレグ3を用い、積層配置して加圧し、前記プリプレグ3の厚さ方向に、前記バンプ群2をそれぞれ貫挿させて図1(b)に示したように貫通型の導体配線部4を形成した。次いで、導体バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部4を形成した前記プリプレグに、上記熱可塑性アクリル樹脂系銀ペーストAをメタルマスクを用いて印刷、乾燥硬化後、同一マスクを用い、同一位置に印刷することを 4回繰り返し、高さ約 200μm の導体バンプ2′を形成した。図1(c)に示したように導体バンプ群2′に上記と同様にしてガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸してなる厚さ100 μm のプリプレグ3′を積層配置して加圧し、プリプレグ3′の厚さ方向に、前記導体バンプ群2′をそれぞれ貫挿させて図1(d)に示したように貫通型の導体配線部4′を形成した。次いで図1(e)に示したように、裏面シート(当て板兼用)として用いる厚さ35μm の電解銅箔5を積層配置して加圧し、170 ℃,50kg/cm2 で90分間、加熱加圧一体に成形して両面印刷配線板を製造した。
【0021】
比較例
図2(a)に示したように、支持基体として厚さ35μm の電解銅箔11に、熱可塑性アクリル樹脂系銀ペーストAをメタルマスク(前出)を用いて印刷、乾燥後、同一マスクを用い、同一位置に印刷することを 4回繰り返し、高さ約 200μm の導体バンプ12を形成した。次いで導体バンプ群12を形成した支持基体11と、裏面シート(当て板兼用)として用いる厚さ35μm の電解銅箔15の上に合成樹脂系シートとして、ガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸してなる厚さ200 μm のプリプレグ13を用い、積層配置して加圧し、図2(b)のように、プリプレグ13の厚さ方向に前記バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部14を形成した。次いで、図2(c)のように、170 ℃,50kg/cm2 で90分間、加熱加圧一体に成形して両面印刷配線板を製造した。
【0022】
実施例及び比較例で製造した印刷配線板について、バンプ貫通率、スルーホール信頼性を試験したのでその結果を表1に示した。本発明は優れた特性を示し、本発明の効果を確認することができた。
【0023】
【表1】
【0024】
【発明の効果】
以上の説明および表1から明らかなように、本発明の印刷配線板の製造方法によればバンプの貫挿性を向上させ、かつ貫通型の導体配線部と積層体の導電性金属箔との信頼性を向上させ、歩留り良好でコスト低減に寄与する印刷配線板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)〜(e)は、本発明の印刷配線板の製造工程を説明する模式図である。
【図2】図2(a)〜(c)は、従来方法による貫通型導体配線部の形成工程を説明する模式図である。
【符号の説明】
1,11 電解銅箔(支持基体)
2,2′,12 導体バンプ
3,3′,13 合成樹脂系シート
4,14 導体配線部
5,15 電解銅箔
Claims (1)
- 支持基体の主面における所定位置に導体バンプ群を形設する第一工程と、前記支持基体の主面に合成樹脂系シートの主面を対接させて積層配置して加圧し、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に前記導体バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部を形成する第二工程と、前記貫通型の導体配線部の貫挿した合成樹脂系シートから露出する前記導体バンプ群の先端部に重ねて新たな導体バンプ群を形設する第三工程と、その積層物の導体バンプ形設面に合成樹脂系シートの主面を対接させて積層配置して加圧し、前記合成樹脂系シートの厚さ方向に前記導体バンプ群をそれぞれ貫挿させて貫通型の導体配線部を形成する第四工程と、前記貫通型の導体配線部を貫挿させた合成樹脂系シートの上面に導電性金属箔を配置し一体成形する第五工程とを具備し、前記第三及び第四工程を少なくとも1 回以上複数回行うことを特徴とする印刷配線板の製造方法。
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