JP3600660B2 - 内視鏡用注射具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、内視鏡の処置具挿通チャンネルを通じて患者の体腔内に注射をするための内視鏡用注射具に関する。
【0002】
【従来の技術】
内視鏡用注射具の針部は、体腔内壁に対して穿刺できる必要がある。そこで、従来の針部は固い金属パイプで形成されている。
【0003】
しかし、金属針は硬くて殆ど曲がらないので、その長さがある程度以上に長いと、内視鏡の挿入部可撓管内に挿通されていて挿入部可撓管と共に自由に曲がる処置具挿通チャンネル内を通過することができない。そこで、できるだけ短く形成した金属針を、可撓性チューブからなる送液チューブの先端に接続している。
【0004】
また、処置具挿通チャンネルは一般にフッ素樹脂チューブ等によって形成されているので、その中に注射針装置を通して行く際に、針部が剥き出しになっていると針先が処置具挿通チャンネルに突き刺さって穴をあけてしまう。
【0005】
そこで、金属針と送液チューブとを連結した連結体を可撓性チューブからなる外套管内に軸方向に進退自在に配置して、金属針を外套管の先端から出し入れできるようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、従来の内視鏡用注射具は、一定の長さを有する金属針を先端に有していてその部分は殆ど曲がらないので、内視鏡の湾曲部を小さな曲率半径で曲げると、その部分で金属針が処置具挿通チャンネル内に引っ掛かって通過させることができない。
【0007】
また、内視鏡用注射具が二重管構造に構成されているので、送液チューブの内径が細くなって送気抵抗が大きく、外套管の外径が太くなって挿入部の細い内視鏡には使用することができない。また、使用後の洗浄消毒が容易でなく、使い捨てにするには製造コストが高くつく等の問題がある。
【0008】
そこで本発明は、処置具挿通チャンネル内での挿通性がよく、挿入部の細い内視鏡にも使用することができ、しかも洗浄及び消毒が容易で、使い捨てにできる経済性も有している内視鏡用注射具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の内視鏡用注射具は、内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通して使用される内視鏡用注射具であって、可撓性と弾力性があって上記処置具挿通チャンネル内に直接挿脱自在な一本の合成樹脂製チューブからなる送液チューブの先端を斜めに切り削いで針部を形成し、上記送液チューブ内に液体を送り込むための液体注入口を上記送液チューブの基端に設けたことを特徴とする。
【0010】
なお、上記送液チューブの硬度が上記処置具挿通チャンネルの硬度より大きくてもよく、また、上記針部の穿刺深さを規制するための穿刺深さ規制手段が、上記針部の先端から間隔をあけて上記針部の先端近傍に上記送液チューブの外周面から突出して設けられていてもよい。
【0011】
【実施例】
図面を参照して実施例を説明する。
図1は、本発明の内視鏡用注射具10を示しており、この注射具10は、図3に示されるように、内視鏡1の処置具挿通チャンネル2内に挿通して使用される。
【0012】
注射具10は、全長にわたって、可撓性と弾力性があって処置具挿通チャンネル2内に直接挿脱自在な一本の合成樹脂製のチューブからなる送液チューブ11によって形成されている。
【0013】
その材料としては、例えばポリイミド樹脂、ポリエチレン四フッ化エチレン樹脂(ETFE)等を用いることができる。ただし、その他の種類の合成樹脂でもよい。その硬さについては後述する。
【0014】
送液チューブ11の先端は、人の体腔内壁に突き刺すことができるように、斜めに切り削がれて、針部12が形成されている。また、送液チューブ11の基端には、送液チューブ11内に液体を送り込むための液体注入口部13が送液チューブ11と一体成形によって形成されている。ただし、図2に示されるように、液体注入口部13を送液チューブ11とは別に形成して送液チューブ11の基端に連結してもよい。
【0015】
このように形成された注射具10は、図3に示されるように、内視鏡1の処置具挿通チャンネル2に挿通されて、針部12が、内視鏡1の挿入部先端から突き出されて体腔内壁に穿刺され、手元側の液体注入口部13に接続された注射器14から送り出される薬液が、送液チューブ11を通って体腔内壁に注射される。
【0016】
この場合、注射具10には外套管がないので、従来の内視鏡用注射具と比較すると、注射具10の外径寸法を細くして、しかも薬液が通る管路径を十分に太くとることができる。したがって、挿入部の細い内視鏡を介して十分な薬液を注射することができる。
【0017】
図3に示される3は、内視鏡操作部4からの遠隔操作によって屈曲自在に、内視鏡の挿入部の先端部分に形成された湾曲部であり、この湾曲部3を一杯に屈曲させると、その内部の処置具挿通チャンネル2も小さな曲率半径で曲げられ、注射具10の針部12がそこを支障なく通過できるかどうかが問題になる。
【0018】
そこで、その点について検討すると、まず、図4に示されるように、針部12の針先が送液チューブ11の曲がりの内周側に位置するように曲げられた状態で通過する際には、針先が処置具挿通チャンネル2に突き刺さる恐れはない。
【0019】
そして、送液チューブ11は最先端の針部12まで可撓性があるので、処置具挿通チャンネル2の曲がりに沿って滑らかに曲がりながらそこを通過して、針部12が処置具挿通チャンネル2の先端から突出される。
【0020】
なお、そのように小さな曲率半径で曲げられた処置具挿通チャンネル2内を無事に通過してしまえば、送液チューブ11には弾力性があるので元の真っ直ぐに近い状態に戻り、体腔内壁へ穿刺することができる。
【0021】
図5に示されるように、針部12の針先が送液チューブ11の曲がりの外周側に位置していると、条件によっては針部12が処置具挿通チャンネル2に刺さってしまう可能性がある。
【0022】
一般に、処置具挿通チャンネル2の材料としては、低密度ポリエチレン(硬度:ショアーD41〜50)、高密度ポリエチレン(硬度:ショアーD60〜70)、四フッ化エチレン(PFA)(硬度:ショアーD60〜64)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)(硬度:ショアーD50〜56)等が用いられる。
【0023】
これに対し、注射具10の送液チューブ11として、硬度が処置具挿通チャンネル2の硬度以下の合成樹脂を選択すれば、針部12が処置具挿通チャンネル2に突き刺さることはない。
【0024】
しかし、送液チューブ11は必ずしも処置具挿通チャンネル2より硬度の低い材料でなくてもよい。実験の結果では、例えば、硬度がショアーD75のポリエチレン四フッ化エチレン(ETFE)や、明らかに高硬度のロックウェルR129のポリイミド等を問題なく使うことができた。
【0025】
図6はその実験条件を示しており、四フッ化エチレン(PFA)(硬度:ショアーD60〜64)製の処置具挿通チャンネル2を、各種内視鏡の湾曲部の屈曲状態に対応する曲率半径で曲げて、その中に、ロックウェルR129のポリイミド製の注射具10を通し、支障なく通過できるかどうかを判定した。なお、すべての場合において、注射具10の針部12が曲がりの外周側に位置するようにした。
【0026】
図7は、内外径(直径)が2.2mm/2.8mmの処置具挿通チャンネル2内に、内外径(直径)が0.7mm/1.25mmの注射具10を通した場合の実験結果を示しており、全ての場合に注射具10が処置具挿通チャンネル2内を支障なく通過した。
【0027】
図8は、内外径(直径)が1.2mm/1.7mmの処置具挿通チャンネル2内に、内外径(直径)が0.7mm/1.0mmの注射具10を通した場合の実験結果を示しており、この場合も、全ての場合に注射具10が処置具挿通チャンネル2内を支障なく通過した。
【0028】
このように、処置具挿通チャンネル2よりも硬い材料で形成された送液チューブ11を、針部12が曲がりの外周側になるようにして処置具挿通チャンネル2内に挿入しても処置具挿通チャンネル2に突き刺さらないのは、処置具挿通チャンネル2と送液チューブ11の剛性の差や滑り摩擦抵抗等の影響であると思われる。
【0029】
図9は、本発明の第2の実施例を示しており、針部12の先端に、本来の斜面12aの逆側にも小さな斜面12bを切削形成したものである。各斜面12a、12bの角度θ1、θ2は例えば共に30°である。
【0030】
針部12をこのような形状に形成して、針部12の尖り部が外周より少し内側に位置するようにすると、図10に示されるように、小さな曲率半径で曲がった処置具挿通チャンネル2内を通過する際に針先が処置具挿通チャンネル2の内周面に触れないので、送液チューブ11に硬い材料を用いても処置具挿通チャンネル2に突き刺さらない。
【0031】
図11は、本発明の第3の実施例を示しており、針部12の肉厚を先へいくにしたがって徐々に薄くしたものである。このようにすると、針部12に柔軟性が出て処置具挿通チャンネル2の曲がりに沿い易くなると共に、体腔内壁には突き刺さり易くなる。
【0032】
図12は、本発明の第4の実施例を示しており、先端が丸く形成された芯金20を送液チューブ11内に通すようにしたものである。図12に示されるように、芯金20の先端を注射具10の針部12から少し突出させて処置具挿通チャンネル2内に挿入すれば、芯金20の先端が処置具挿通チャンネル2の内周面に沿うので、送液チューブ11に硬い材料を用いても処置具挿通チャンネル2に突き刺さらない。体腔内壁への穿刺時には芯金20は注射具10から手元側に引き抜いてしまう。
【0033】
図13は、本発明の第5の実施例を示しており、送液チューブ11の先端部分の径を細く形成したものである。このように形成すると、図14に示されるように、針部12に柔軟性が出て針部12の曲がりに沿い易くなると共に、体腔内壁に対する穿刺深さを細径部分だけに規制して、穿刺深さをほぼ希望通りにすることができる。なお、細径部分の長さと太さは必要に応じて設定すればよい。
【0034】
図15は、本発明の第6の実施例を示しており、穿刺深さを規制するための筒状の突起15を、送液チューブ11の針部12近傍に固着したものである。また、図16は、穿刺深さを規制するための突起16を、送液チューブ11自体を加熱変形させて形成した第7の実施例であり、図17及び図18に示されるように、突起16の数は二つ或いは三つ又はそれ以上あってもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、可撓性と弾力性があって内視鏡の処置具挿通チャンネル内に直接挿脱自在な一本の合成樹脂製チューブからなる送液チューブの先端を斜めに切り削いで針部を形成したことにより、針部が処置具挿通チャンネルに沿って曲がることができて挿通性が非常によく、一重の管構造にしたことにより外径を細く形成することが可能なので、挿入部の細い内視鏡にも使用することができ、しかも洗浄及び消毒が容易であり、また、製造コストが低いので使い捨てにできる経済性も有している。
【0036】
また、送液チューブの硬度を処置具挿通チャンネルの硬度以下にすれば、処置具挿通チャンネル内通過時に針部が処置具挿通チャンネルに突き刺さるおそれが全くなく、針部の先端から間隔をあけて穿刺深規制部を設ければ、体腔内壁への穿刺深さを希望通りに規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の内視鏡用注射具の側面断面図である。
【図2】第1の実施例の内視鏡用注射具の変形例の側面部分断面図である。
【図3】第1の実施例の使用状態の側面図である。
【図4】第1の実施例の内視鏡用注射具の動作を説明するための側面断面図である。
【図5】第1の実施例の内視鏡用注射具の動作を説明するための側面断面図である。
【図6】第1の実施例の内視鏡用注射具の処置具挿通チャンネルに対する挿通実験の状態を示す側面断面図である。
【図7】第1の実施例の内視鏡用注射具の処置具挿通チャンネルに対する挿通実験の条件と結果を示す図表である。
【図8】第1の実施例の内視鏡用注射具の処置具挿通チャンネルに対する挿通実験の条件と結果を示す図表である。
【図9】第2の実施例の内視鏡用注射具の側面部分断面図である。
【図10】第2の実施例の内視鏡用注射具の動作を説明するための側面断面図である。
【図11】第3の実施例の内視鏡用注射具の側面部分断面図である。
【図12】第4の実施例の内視鏡用注射具の側面部分断面図である。
【図13】第5の実施例の内視鏡用注射具の側面部分断面図である。
【図14】第5の実施例の内視鏡用注射具の動作を説明するための側面断面図である。
【図15】第6の実施例の内視鏡用注射具の側面部分断面図である。
【図16】第7の実施例の内視鏡用注射具の側面部分断面図である。
【図17】第7の実施例の内視鏡用注射具の正面断面図である。
【図18】第7の実施例の内視鏡用注射具の変形例の正面断面図である。
【符号の説明】
2 処置具挿通チャンネル
10 内視鏡用注射具
11 送液チューブ
12 針部
13 液体注入口部

Claims (3)

  1. 内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通して使用される内視鏡用注射具であって、
    可撓性と弾力性があって上記処置具挿通チャンネル内に直接挿脱自在な一本の合成樹脂製チューブからなる送液チューブの先端を斜面状に切り削いで針部を形成すると共に、上記斜面状部分の裏側の先端部分に上記斜面状部分より小さな斜面状部分を形成して、上記送液チューブ内に液体を送り込むための液体注入口を上記送液チューブの基端に設けたことを特徴とする内視鏡用注射具。
  2. 内視鏡の処置具挿通チャンネル内に挿通して使用される内視鏡用注射具であって、
    可撓性と弾力性があって上記処置具挿通チャンネル内に直接挿脱自在な一本の合成樹脂製チューブからなる送液チューブの先端付近の肉厚を先へいくにしたがって徐々に薄く形成すると共に、上記送液チューブの先端を斜めに切り削いで針部を形成し、上記送液チューブ内に液体を送り込むための液体注入口を上記送液チューブの基端に設けたことを特徴とする内視鏡用注射具。
  3. 上記針部の穿刺深さを規制するための穿刺深さ規制手段が、上記針部の先端から間隔をあけて上記針部の先端近傍に上記送液チューブの外周面から突出して設けられている請求項1又は2記載の内視鏡用注射具。
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