JP3601382B2 - 荷電粒子線を用いた検査装置および検査方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細な回路パターンを有するメモリ,LSI等の半導体装置や液晶,ホトマスク等の回路パターンの検査装置および検査方法に係わり、特に荷電粒子線を用いた検査装置および検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置は、半導体ウエハ上にホトマスクに形成された回路パターンをリソグラフィー処理およびエッチング処理により転写する工程を繰り返すことにより製造される。半導体装置の製造過程であるリソグラフィー処理やエッチング処理,その他の処理の良否,製造過程での異物発生等は、半導体装置の歩留まりに大きく影響を及ぼす。したがって、処理の異常や不良の発生を早期にあるいは事前に検知するために、製造過程における半導体ウエハ上に各工程毎に形成されたパターンを検査しなければならない。
【0003】
半導体装置の製造過程では、レーザ光等をパターンに照射して得られる画像を用いて異常を判断するための光学式外観検査装置や、電子線等の荷電粒子線でパターンを走査して発生する二次電子や反射電子から信号強度や画像を用いて異常を判断するための各種検査装置が、実際に用いられている。
【0004】
半導体ウエハ上のパターンに存在する欠陥を検査する光学式検査装置の例としては、半導体ウエハに白色光を照射し、光学画像を用いて複数のLSIの同種の回路パターンを比較する欠陥検査装置が知られており、その概要は雑誌「月間セミコンダクタワールド」1995年8月号、第96頁乃至第99頁に述べられている。
【0005】
このような光学式の検査方式で製造過程における半導体ウエハを検査した場合、光が透過してしまうシリコン酸化膜や感光性フォトレジスト材料を表面に有するパターンの残渣や欠陥は検出できなかった。また、光学系の分解能以下となるエッチング残りや微小導通穴の非開口不良は検出できなかった。さらに、配線パターンの段差底部に発生した欠陥は検出できなかった。
【0006】
このように、回路パターンの微細化や回路パターン形状の複雑化、材料の多様化に伴い、光学画像による欠陥検出が困難になってきたため、光学画像よりも分解能の高い荷電粒子線、特に、電子線の走査によって取得された画像を用いて回路パターンを比較検査する方法が提案されてきている。電子線画像により回路パターンを比較検査する場合に、実用的な検査時間を得るためには走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy、以下SEMと略す)による観察と比べて非常に高速に画像を取得する必要がある。そして、高速で取得した画像の分解能と画像のSN比を確保する必要がある。
【0007】
このような電子線を用いたパターンの比較検査装置の例として、文献「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・テクノロジー・ビー、第9巻第6号、第3005頁乃至第3009頁(1991年)」(J. Vac. Sci. Tech. B, Vol. 9,No.6, pp. 3005−3009(1991))、文献「ジャーナル・オブ・バキューム・サイエンス・テクノロジー・ビー、第10巻第6号、第2804頁乃至第2808頁(1992年)」(J. Vac. Sci. Tech. B, Vol. 10, No.6, pp. 2804−2808 (1992))、および、特開平5−258703号公報と米国特許第5,502,306 号公報に、通常のSEMの100倍以上(10nA以上)の電子線電流をもった電子線を導電性基板(X線マスク等)に照射し、発生する二次電子,反射電子,透過電子のいずれかまたは複数を検出し、その信号から形成された画像を比較検査することにより欠陥を自動検出する方法が記載されている。
【0008】
また、大電流でなおかつ低加速の電子線では空間電荷効果により高分解能な画像を得ることが困難であるが、これを解決する方法として、前出の特開平5− 258703号公報に、試料直前で高加速電子線を減速し、試料上で実質的に低加速電子線として照射する方法が記載されている。
【0009】
高速に電子線画像を取得する方法としては、試料台を連続的に移動しながら試料台上の半導体ウエハに電子線を連続照射し取得する方法が特開昭59−160948号公報および特開平5−258703 号公報に記載されている。
【0010】
このような、細く絞った電子線を高速に試料基板に照射して電子線画像を取得して検査する検査装置において、電子線の偏向量に比して生じる収差、すなわち偏向歪みをもった取得画像と、偏向歪みをもたない基準画像または先の偏向歪みと異なった偏向歪みをもった取得画像とを比較すると、本来欠陥ではない部位に欠陥があるという誤った結果を生じてしまう。
【0011】
この偏向歪みに関して、特開昭58−154153号公報には、荷電粒子線の偏向により移動した視野の光軸に対する位置にステージを移動させて、光軸をはずれた偏向によって取得画像が劣化するのを防ぐことが記載されている。しかしながら、試料台を連続的に移動しながら荷電粒子線を走査する場合には、試料の回転誤差を考慮して荷電粒子線の偏向走査領域を定める必要があり、この点についての記載はない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、試料台を移動中または停止中に荷電粒子線を走査して得られる試料の画像信号の偏向歪みの影響を少なくして、試料の欠陥を得ることができる荷電粒子線を用いた検査装置および検査方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は、荷電粒子線を照射する試料上の対象領域の中心と荷電粒子線の光軸とを一致させ、前記ステージの移動速度に基づいて荷電粒子線の照射の走査方向を決定し、次に、前記ステージの一方を停止させ片方を移動させながら前記荷電粒子線を試料に照射する構成としたものである。
【0014】
また、本発明は、荷電粒子線の走査によって得られた第一の領域の画像と第二の領域の画像とを比較して欠陥を抽出する検査装置において、前記第一または前記第二の領域のうち少なくとも一つの領域を含んだ空間的に連続な画像取得領域を荷電粒子線で走査する際、該荷電粒子線の光軸を中心とする直交座標系内の少なくとも一軸における中心が、画像取得領域の中心付近を通るように荷電粒子線を走査する構成を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
(実施例)
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
【0016】
本発明が適用される電子ビームを用いた半導体ウエハまたはマスク,レチクルのパターンを検査するSEM式外観検査装置の構成の概略を説明する。図1は、SEM式外観検査装置の構成の概略を示す縦断面図である。SEM式外観検査装置1は、大きくわけて、電子光学系システム3と光学顕微鏡部4と試料室8とからなる検査室2と、画像処理部5と、制御部6と、二次電子検出部7とからなる。
【0017】
電子光学系システム3は、電子銃10,電子線の引き出し電極11,コンデンサレンズ12,ブランキング偏向器13,絞り14,走査偏向器15,対物レンズ16,反射板17,ExB偏向器18から構成されており、電子銃10で発生し引き出し電極11で引き出された電子線19がコンデンサレンズ12,絞り14,対物レンズ16を通って試料9へ照射される。電子線19は細く絞られたビームであり、走査偏向器15によって試料9を走査され、試料9から反射電子,二次電子51が発生する。二次電子はExB偏向器18によって軌道を曲げられて反射板17を照射し、第二の二次電子52が発生し、二次電子検出器20で検出される。一方、ブランキング偏向器13で電子線19を絞り14の開口部の外に向けることによって、試料9への電子線19の照射を防ぐことができる。
【0018】
試料室8は、試料台30,Xステージ31,Yステージ32,回転ステージ33,位置モニタ測長器34,試料高さ測定器35から構成されている。光学顕微鏡部4は、検査室2の室内における電子光学系システム3の近傍であって、互いに影響を及ぼさない程度離れた位置に設備されており、電子光学系システム3と光学顕微鏡部4の間の距離は既知である。そして、Xステージ31またはYステージ32が電子光学系システム3と光学顕微鏡部4の間の既知の距離を往復移動するようになっている。
【0019】
光学顕微鏡部4は白色光源40,光学レンズ41,CCDカメラ42により構成されており、図示されていないが、後述する電子線画像の場合と同様に取得画像が画像処理部5へ送られる。
【0020】
位置モニタ測長器34として、本実施例ではレーザ干渉による測長計を用いた。Xステージ31,Yステージ32,回転ステージ33の位置が実時間でモニタでき、制御部6にその位置情報が送れるようになっている。また、図示していないが、Xステージ31,Yステージ32,回転ステージ33のモータの回転数等のデータも同様に、各々のドライバから制御部6に送られるように構成されている。制御部6はこれらのデータに基づいて電子線19が照射されている領域や位置が正確に把握できるようになっており、必要に応じて実時間で電子線19の照射位置の位置ずれを補正制御回路43を用いて補正できるようになっている。また、試料9がかわっても、試料毎に電子線を照射した領域を記憶できるようになっている。
【0021】
試料高さ測定器35には、電子線以外の測定方式である光学式測定器、例えばレーザ干渉測定器や反射光の位置で変化を測定する反射光式測定器が使用されており、Xステージ31,Yステージ32に搭載された試料9の高さを実時間で測定できるように構成されている。本実施例では、スリットを通過した細長い白色光を透明な窓越しに試料9に照射し、反射光の位置を位置検出モニタにて検出し、位置の変動から高さの変化量を算出する方式を用いた。この試料高さ測定器35の測定データに基づいて、電子線19を細く絞るための対物レンズ16の焦点距離がダイナミックに補正され、常に被検査領域に焦点が合った電子線19を照射できるようになっている。また、試料9の反りや高さ歪みを電子線照射前に予め測定してあり、そのデータをもとに対物レンズ16の検査領域毎の補正条件を設定するように構成することも可能である。
【0022】
試料9の画像を取得するためには、細く絞った電子線19を試料9に照射し、二次電子51を発生させ、これらを電子線19の走査およびXステージ31,Yステージ32の移動と同期させて検出する。
【0023】
電子線19は、電子銃10と引き出し電極11との間に電圧を印加することで電子銃10から引き出される。電子線19の加速は、電子銃10に高電圧の負の電位を印加することでなされる。これにより、電子線19はその電位に相当するエネルギーで試料台30の方向に進み、コンデンサレンズ12で収束され、さらに対物レンズ16により細く絞られて試料台30上のXステージ31,Yステージ32,回転ステージ33の上に搭載された試料9に照射される。
【0024】
ブランキング偏向器13には走査信号およびブランキング信号を発生する走査信号発生器44が接続され、対物レンズ16には対物レンズ電源45が接続されている。試料9には、リターディング電源36により負の電圧を印加できるようになっている。このリターディング電源36の電圧を調節することにより一次電子線を減速し、電子銃10の電位を変えずに試料9への電子線照射エネルギーを最適な値に調節することができる。電子線19をブランキングする必要がある時には、ブランキング偏向器13により電子線19が偏向されて、電子線19が絞り14を通過しないように制御できる。
【0025】
試料9上に電子線19を照射することによって発生した二次電子51は、試料9に印加された負の電圧により加速される。試料9の上方に、ExB(イー・クロス・ビー)偏向器18が配置され、これにより加速された二次電子51は所定の方向へ偏向される。ExB偏向器18にかける電圧と磁界の強度により、偏向量を調整することができる。また、この電磁界は、試料に印加した負の電圧に連動させて可変させることができる。ExB偏向器18により偏向された二次電子51は、所定の条件で反射板17に衝突する。この反射板17は円錐形状をしており、その中央に設けられた開口部を電子線19が通過する。この反射板17に加速された二次電子51が衝突すると、反射板17からは数Vから50eVのエネルギーを持つ第二の二次電子52が発生する。
【0026】
二次電子検出器20は検査室2内の対物レンズ16の上方に配置され、第二の二次電子52を検出し、二次電子検出器20の出力信号は、検査室2の外に設置されたプリアンプ21で増幅され、AD変換器22によりデジタルデータとなり、光変換手段23から光り伝送手段24によって、画像処理部5の電気変換手段25へ送られる。なお、反射板17を設けない場合には、第二の二次電子52でなく二次電子51を二次電子検出器20で検出してもよい。
【0027】
高圧電源26はプリアンプ21を駆動するプリアンプ駆動電源27,AD変換器22を駆動するAD変換器駆動電源、第二の二次電子を吸引するために二次電子検出器20に加える電圧を供給する逆バイアス電源29への電源を供給する。反射板17に衝突して発生した第二の二次電子52は、逆バイアス電源29の供給による二次電子検出器20で発生する吸引電界により二次電子検出器20へ導かれる。
【0028】
二次電子検出器20は、電子線19が試料9に照射されている間に発生した二次電子51がその後加速されて反射板17に衝突して発生した第二の二次電子
52を、電子線19の走査のタイミングと連動して検出するように構成されている。
【0029】
二次電子検出器20の出力信号は、検査室2の外に設置されたプリアンプ21で増幅され、AD変換器22によりデジタルデータとなる。AD変換器22は、二次電子検出器20が検出したアナログ信号をプリアンプ21によって増幅された後に直ちにデジタル信号に変換して、画像処理部5に伝送するように構成されている。このように、検出したアナログ信号を検出直後にデジタル化して伝送するので、高速で且つSN比の高い信号を得ることができる。
【0030】
Xステージ31,Yステージ32上には試料9が搭載されており、検査実行時にはXステージ31,Yステージ32を静止させて電子線19を二次元に走査する方法と、検査実行時にXステージ31,Yステージ32をY方向に連続して一定速度で移動するようにして、電子線19をX方向に直線的に走査する方法のいずれかを選択できる。ある特定の比較的小さい領域を検査する場合には前者の方法、比較的広い領域を検査するときは、後者の方法が有効である。
【0031】
画像処理部5は、第一記憶部46,第二記憶部47,演算部48,欠陥判定部49,モニタ50より構成されている。取り込まれた電子線画像あるいは光学画像はモニタ50に表示される。装置各部の動作命令および動作条件は、制御部6から入出力される。制御部6には、あらかじめ電子線発生時の加速電圧,電子線偏向幅,偏向速度,二次電子検出器20の信号取り込みタイミング,試料台30の移動速度等々の条件が、目的に応じて任意にあるいは選択して設定できるよう入力されている。制御部6は、補正制御回路43を用いて、位置モニタ測長器34,試料高さ測定器35の信号から位置や高さのずれをモニタし、その結果より補正信号を生成し、電子線19が常に正しい位置に照射されるよう対物レンズ電源45に対物レンズ16の補正信号を、走査信号発生器44にブランキング偏向器13の補正信号を送る。
【0032】
画像処理部5は第一記憶部46と第二記憶部47,演算部48,欠陥判定部
49,モニタ50により構成されている。光ファイバ24によって伝送された試料9の画像信号は、電気変換手段25によって再び電気信号に変換された後に第一記憶部46あるいは第二記憶部47に記憶される。
【0033】
演算部48は、この記憶された画像信号をもう一方の記憶部の画像信号との位置合わせ、信号レベルの規格化,ノイズ信号を除去するための各種画像処理を施し、双方の画像信号を比較演算する。
【0034】
欠陥判定部49は、演算部48にて比較演算された差画像信号の絶対値を所定のしきい値と比較し、所定のしきい値よりも差画像信号レベルが大きい場合にその画素を欠陥候補と判定し、モニタ50にその位置や欠陥数等を表示する。
【0035】
なお、上記の実施例では、二次電子検出器20は逆バイアス電源29により逆バイアス電圧を印加されていたが、逆バイアス電圧を印加しない構成にしても良い。また、本実施例では二次電子検出器20にPIN型半導体検出器を用いたが、他のタイプの半導体検出器、例えばショットキー型半導体検出器やアバランシェ型半導体検出器等を用いても良い。また、応答性,感度等の条件を満たせば、MCP(マイクロ・チャンネル・プレート)を検出器として用いることも可能である。
【0036】
次に、製造過程でパターン加工が施された半導体ウエハを図1に示したSEM式外観検査装置1により検査した場合を図1を用いて説明する。
【0037】
試料9が図示しない試料交換室へロードされる。試料9は図示しない試料ホルダに搭載されて保持固定された後に試料交換室が真空排気され、試料交換室がある程度の真空度に達したら検査室2に移載される。検査室2では、試料台30に、Xステージ31,Yステージ32,回転ステージ33を介して試料ホルダごと載せられ、保持固定される。
【0038】
試料9は、予め登録された所定の検査条件に基づいて、Xステージ31,Yステージ32のXおよびY方向の移動により光学顕微鏡部4の下の所定の第一の座標に配置され、モニタ50により試料9の上に形成された回路パターンの光学顕微鏡画像が観察される。そして、位置回転補正のために予め記憶された同等の回路パターン画像と比較され、第一の座標の位置補正値が算出される。次に、第一の座標から一定距離だけ離れ、第一の座標と同等の回路パターンが存在する第二の座標に移動し、同様に、光学顕微鏡画像が観察され、位置回転補正のために記憶された回路パターン画像と比較され、第二の座標の位置補正値および第一の座標に対する回転ずれ量が算出される。この算出された回転ずれ量分だけ回転ステージ33が回転して補正する。
【0039】
なお、本実施例では回転ステージ33の回転により回転ずれ量を補正しているが、回転ステージ33を設けず、算出された回転ずれ量に基づいて、電子線の走査偏向位置を補正する方法でも回転ずれ量を補正できる。この方法については後述する。
【0040】
次に、今後の位置補正のために、第一の座標,光学顕微鏡画像観察による第一の回路パターンの位置ずれ量,第二の座標,光学顕微鏡画像観察による第二の回路パターンの位置ずれ量が記憶され、制御部6に送られる。
【0041】
次に、光学顕微鏡によって試料9の上に形成された回路パターンが観察され、回路パターンがあるチップの位置やチップ間の距離、あるいはメモリセルのような繰り返しパターンの繰り返しピッチ等が予め測定され、制御部6に測定値が入力される。また、検査されるチップ、および、そのチップ内の被検査領域が指定され、制御部6に入力される。光学顕微鏡の画像は、比較的低い倍率によって観察が可能であり、また、試料9の表面が、例えば、シリコン酸化膜等により覆われている場合には、下地まで透過して観察可能であるので、チップの配列やチップ内の回路パターンのレイアウトを簡便に観察することができ、被検査領域が容易に設定できる。
【0042】
以上のようにして光学顕微鏡部4による所定の補正作業や検査領域設定等の準備作業が完了すると、Xステージ31およびYステージ32の移動により、試料9が電子光学系システム3の下に移動される。試料9が電子光学系システム3の下に配置されると、上記光学顕微鏡部4により実施された補正作業や検査領域の設定と同様の作業を電子線画像により実施する。このときの電子線画像の取得は、以下の方法でなされる。
【0043】
上記光学顕微鏡画像による位置合せで記憶され補正された座標値に基づき、光学顕微鏡部4で観察されたものと同じ回路パターンに、電子線19が走査偏向器15によりX,Y方向に二次元的に走査される。この電子線の二次元走査により、被観察部位から二次電子51が発生し、反射板17で発生した第二の二次電子52を二次電子検出器20で検出して電子線画像が取得される。既に光学顕微鏡画像により簡便な検査位置確認や位置合わせ、および位置調整が実施され、且つ回転補正も予め実施されているため、大きな調整は不要である。電子線画像では光学画像に比べ分解能が高く、高倍率で高精度に位置合わせや位置補正,回転補正を実施することができる。
【0044】
二次電子検出器20については、従来のSEMでは、シンチレータ(アルミニウム蒸着された蛍光体)とライトガイドと光電子増倍管による構成が用いられている。このタイプの検出装置は、蛍光体による発光を検出するため、周波数応答性が悪く、高速に電子線画像形成するには不適切である。この問題を解決するために、高周波の二次電子信号を検出する検出装置として、半導体検出器を用いた検出手段が特開平2−15545号公報や前述の特開平5−258703 号公報に記載されており、本発明の実施例でも、高速度検出のために半導体検出器を用いている。
【0045】
また、二次電子検出器20を用いて二次電子を検出し、検出された画像信号を検出直後にデジタル化してから光伝送する方法により、各種変換・伝送において発生するノイズの影響を小さくし、SN比の高い画像信号データを得ることができる。検出した信号から電子線画像を形成する過程においては、画像処理部5が制御部6から指定された電子線照射位置の所望の画素に、対応した時間毎の検出信号を、その信号レベルに応じた明るさ階調値として第一記憶部46または第二記憶部47に逐次記憶させる。電子線照射位置と、検出時間で対応つけられた二次電子の量が対応されることにより、試料9の回路パターンの電子線画像が二次元的に形成される。なお、本実施例では試料から発生する二次電子を検出する検査方法及び装置について記載してきたが、試料からは二次電子と同時に後方散乱電子や反射電子が発生する。二次電子とともにこれらの二次荷電粒子についても同様に電子線画像信号として検出することができる。
【0046】
画像処理部5へ画像信号が転送されると、第一の領域の電子線画像が第一記憶部46に記憶される。演算部48は、この記憶された画像信号をもう一方の記憶部の画像信号との位置合わせ,信号レベルの規格化,ノイズ信号を除去するための各種画像処理を施す。続いて、第二の領域の電子線画像が第二記憶部47に記憶され、同様の演算処理を施されながら、第二の領域の電子線画像と第一の電子線画像の同一の回路パターンおよび場所の画像信号を比較演算する。欠陥判定部49は、演算部48にて比較演算された差画像信号の絶対値を所定のしきい値と比較し、所定のしきい値よりも差画像信号レベルが大きい場合にその画素を欠陥候補と判定し、モニタ50にその位置や欠陥数等を表示する。次いで、第三に領域の電子線画像が第一記憶部46に記憶され、同様の演算を施されながら先に第二記憶部47に記憶された第二の領域の電子線画像と比較演算され、欠陥判定される。以降、この動作が繰り返されることにより、すべての検査領域について画像処理が実行されていく。
【0047】
前述の検査方法により、高精度で良質な電子線画像を取得し比較検査することにより、微細な回路パターン上に発生した微小な欠陥を、実用性に則した検査時間で検出することができる。また、電子線を用いて画像を取得することにより、光学式パターン検査方法では光が透過してしまい検査できなかったシリコン酸化膜やレジスト膜で形成されたパターンやこれらの材料の異物・欠陥が検査できるようになる。さらに、回路パターンを形成している材料が絶縁物の場合にも安定して検査を実施することができる。
【0048】
なお、電子線19を試料9に照射すると、その箇所が帯電する。検査の際にその帯電の影響を避けるために、上記位置回転補正あるいは検査領域設定等の検査前準備作業で電子線19を照射する回路パターンは、予め被検査領域外に存在する回路パターンを選択するか、あるいは被検査チップ以外のチップにおける同等の回路パターンを制御部6で自動的に選択できるようにしておくとよい。これにより、上記電子線19の照射による影響が検査画像に及ぶことはなくなる。尚、大電流電子線による走査は一回のみでも数回の繰り返しでもよい。
【0049】
上記電子線の試料への照射条件としては、単位面積あたりの電子線の照射量,電子線の電流値,電子線の走査速度,試料に照射する電子線の照射エネルギーが挙げられる。これらのパラメータは、回路パターンの形状や材料毎にその最適値を求める必要がある。そのためには、試料に照射する電子線の照射エネルギーを自由に調整制御する必要がある。本実施例では、試料9にリターディング電源
36により電子線19の一次電子を減速するための負の電圧を印加し、この電圧を調整することにより電子線19の照射エネルギーを適宜調整できるように構成している。そして、電子銃10に印加する加速電圧を変化させる場合には電子線19の軸変化が発生して各種調整が必要になるが、本実施例では電子銃10に印加する加速電圧を変化させずに電子線19の照射エネルギーを調整することができる。
【0050】
図2から図4、ならびに、図10,図11に、本発明の第1の実施例を示す。図2,図3は電子線の走査方向を説明する図であって、試料の電子線が照射される部分の拡大図、図4は図3に対応して電子線の走査偏向方向を説明する模式図である。図10は図2における検査の手順を示すフローチャート、図11は図3における検査の手順を示すフローチャートである。
【0051】
図2に示すように、ある特定の比較的小さな検査領域を検査する場合には、ステージが静止した状態で電子線19を二次元的に走査して画像を形成する。
【0052】
走査に際し、実線で示した一方向のみ電子線19を試料9に照射し、破線で示した電子線19の振り戻しの間はブランキングすることにより試料9に電子線
19が照射されないようにし、試料9に空間的,時間的に均一に電子線19を照射するようにしている。
【0053】
画像取得領域60である幅w,長さlの矩形領域を端部から順に電子線19を走査する場合である。はじめに、図10のステップ61にて、電子線19の走査方向とX軸方向とのなす角度、即ちウエハ回転角θを検出する。詳細は、図5で説明する。次に、ステップ62にて、電子線19の走査方向とX軸方向とが一致するように回転ステージ33で試料9の位置を補正する。次に、ステップ63にて、画像取得領域60を設定し、ステップ64にて、画像取得領域60の中心
53が電子線19による二次元走査の中心となるように、制御部6からの指令によってXステージ31,Yステージ32を静止させる。即ち、電子光学系システム3の光軸と画像取得領域60の中心とが一致するように試料を静止させてから、電子線を走査し、画像を取得する。
【0054】
図2において、画像取得領域60の幅をw,長さをlとし、直交するX−Y座標系のもとで光軸の位置と画像取得領域60の中心53とを座標の原点(0,0)とすれば、走査開始点が画像取得領域60の左上隅のA点で座標(−w/2,l/2)となるように電子線19を走査偏向器15により偏向し、X方向に沿って領域左端から右端Bまで走査幅wで走査する。このX方向の走査をY方向に設定されたピッチ59(Δp)で一走査ずつずらしながら反復し、右下隅の座標(w/2,−l/2)まで走査する。なお、これらの走査条件は予め設定されており、制御部6より指定されるようになっている。以上の走査は図10のステップ
65からステップ69にて実施される。
【0055】
このような走査方法により、画像取得領域60に沿った走査を実施すると、偏向歪み量が走査中心で振り分けられる為、画像取得領域60の走査における総偏向量が最小となって、画素あたりの偏向歪みが最小となり、2つの画像の比較検査において欠陥を誤って検出することを防止できる。
【0056】
上記の方法を、ステージを移動させながら電子線を走査する場合に応用したものが、図3から図4に示す方法である。
【0057】
試料9である半導体ウエハは、直径が150mmから200mmであるのに対して、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて電子線19で走査できる幅wはせいぜい数百μm程度であり、広い領域をくまなく検査する場合、上記の方法によると、画像取得領域毎にステージを静止させて電子線を走査する時間と、ステージの移動時間とがかかり、1個の半導体ウエハを検査するには長時間を要するため、適さない。そこで、ステージを一方向に連続的に定速で移動しながら、電子線19をステージ移動方向と直交または交叉する向きに高速に一方向に走査することによって、検査時間を短縮する方法が考えられる。白い矢印はステージ速度vを示す。
【0058】
図3において、はじめに、図11のステップ71にて、電子線19の走査方向とX軸方向とのなす角度、即ちウエハ回転角θを検出する。ウエハ回転角θは、図5で詳述する。次に、ステップ72にて、電子線19の走査方向がX軸方向と一致するように回転ステージ33で試料9の位置を補正する。次に、ステップ
73にて、画像取得領域60を設定し、ステップ74にて、制御部6からの指令によりYステージ32がY方向に移動した際に、電子線19の光軸54が画像取得領域60の中心53を通るようにXステージを静止させ、Yステージ32がY方向に連続して定速移動している際に、電子線19を走査偏向器44により走査する。
【0059】
電子光学系システム3の光軸から見た電子線19の走査は、図4に示したようになる。ステージ機構により試料9を連続移動させながら画像取得を走査する場合、ステージ移動方向については、ステージ移動の定速性を考慮しなければならない。画像取得領域60の幅をwとすれば、ステージ速度vがY方向に定速で移動する試料9の上を、X方向に水平に電子線19で走査する為に、画像取得領域60の中心53を中心として、追従角度δ,走査幅|w/cosδ| で、走査偏向器15により電子線19を走査する必要がある。ステージ速度vは時間経過と共に若干変動するため、その分は画像取得領域60の中心53において、電子線19の光軸54がステージ移動方向にずれることがある。追従角度δはYステージ32のステージ速度vと電子線の走査速度uとから決まる。すなわち、δ= arcsin(v/u)で求められる。ここで、δ,v,uの正負は、図3,図4中の矢印の向きを正としている。なお、追従角度δは、ステージ速度vが走査速度uに比して十分小であるなら零と仮定しても良い。
【0060】
以上の追従角度δの算出を、図11のステップ75にて行い、ステップ76から81にて走査が行われる。
【0061】
画像取得領域60を、設定したピッチ59(Δp)で走査するには、時間間隔Δp/vで走査を繰り返すことにより遂行される。これらの走査条件は予め設定されており、制御部6より指定される。
【0062】
また、電子線19が照射されている領域または位置は、Xステージ31,Yステージ32に設置された位置モニタ測長器34で測定された測定データが時々刻々と制御部6に転送されることにより、詳細に把握される。同様に、電子線19が照射されている領域、あるいは、位置の高さの変動は、試料高さ測定器35で測定された測定データが時々刻々と制御部6に転送されることにより、詳細に把握される。これらのデータに基づき、電子線19の照射位置や焦点位置のずれを演算し、補正制御回路43によりこれらの位置ずれを自動的に補正する。このようにして、高精度で精密に電子線19が制御される。
【0063】
上記走査方法により、画像取得領域に沿った走査が実施され、偏向歪み量が走査中心で振り分けられる為、画像取得領域の走査における総偏向量が最小となって、画素あたりの偏向歪みが最小となり、2つの画像比較による検査における欠陥の誤った判定を防止できる。
【0064】
図5から図7に、本発明の第2の実施例を示す。図5,図6は図2と同じく、電子線の走査方向を説明する図であって、試料の電子線が照射される部分の拡大図、図7は図6に対応して電子線の走査偏向方向を説明する模式図である。
【0065】
本実施例と第1の実施例との相違点は、回転ステージ33を有しない点である。その他の構成は第1の実施例と同様であるので、ここでは省略する。
【0066】
図5に示すように、試料9の画像は回転ステージ33を有しないので、X−Y軸に対して角度θだけ回転している場合を想定する。
【0067】
はじめに、第1の実施例と同様に、光学顕微鏡画像あるいは電子線画像から所定の第一の座標と第二の座標の位置補正値、第一の座標に対する第二の座標の回転ずれ量が算出される。この回転ずれ量を電子線の走査偏向位置の補正により補正し、画素あたりの偏向歪み量が最小となる画像を形成する走査方法を説明する。
【0068】
ある特定の比較的小さな領域検査をする場合、ステージが静止した状態で電子線を二次元的に走査し画像を形成する。図5にウエハが回転ずれ量の角度θをもつ場合の二次元走査の方法を示す。制御部6からの指定により、画像取得領域
60の中心53が二次元走査の中心、すなわち光軸54と一致するようにステージを静止させる。この場合、二次元走査の中心は画像取得領域60の幅wの2分の1、長さlの2分の1の位置にある。即ち、電子光学系システム3の光軸54と画像取得領域60の中心53とが一致するように静止させる。
【0069】
図5において、画像取得領域60の幅をw、高さをlとし、直交するX−Y座標系のもとで画像取得領域60の中心53を座標の原点(0,0)とすれば、走査開始点A点が画像取得領域60の座標(−(w/2)cosθ+(l/2)sinθ, (w/2)sinθ+(l/2)cosθ)となるように電子線19を走査偏向器15により偏向し、領域に添って角度θをもって端B点まで走査する。この方向の走査を予め設定された走査ピッチ59(Δp)で一走査ずつずらしながら反復し、座標((w/2)cosθ−(l/2)sinθ,−(w/2)sinθ−(l/2)cosθ)まで走査する。
【0070】
走査に際し、実線で示した一方向のみ電子線19を試料9に照射し、破線で示した電子線19の振り戻しの間は、試料9に電子線19が照射されないようにブランキングすることにより、試料9の上に空間的,時間的に均一に電子線を照射することができる。ブランキングは、ブランキング偏向器13により電子線19を偏向して、絞り14を通過しないようにすることにより実施される。
【0071】
上記走査方法により、画像取得領域に沿った走査が実施され、偏向歪み量が走査中心で振り分けられる為、画像取得領域の走査における総偏向量が最小となり、画素あたりの偏向歪みが最小となる比較検査に適した画像が形成される。
【0072】
広領域をくまなく検査する場合、上記の方法によると、画像取得領域毎に、ステージを静止させて電子線を走査する時間の他に、ステージの移動時間として加速,減速,位置整定を加算した時間がかかり、検査時間全体では長時間を要してしまう。そこで広領域を検査する場合、ステージを一方向に連続的に定速で移動しながら、電子線をステージ移動方向と直交または交叉する向きに高速に一方向に走査することにより、被検査領域の画像を取得する検査方法を用いるとよい。所定距離の一走査幅分の電子線取得時間は、所定距離をステージが移動する時間のみとなる。
【0073】
図6と図7にステージの一軸の連続移動の場合、図8と図9にステージの二軸の連続移動の場合の各々について、以下説明する。
【0074】
はじめに、ステージの一軸の連続移動の場合の、本発明の第3の実施例を、以下説明する。図6において、回転ずれ量の角度θで、ステージの一軸が連続移動する場合、図1に示す制御部6からの指定によってYステージ32をステージ速度vの定速でY方向に移動させた時に、電子光学系システム3の光軸54が画像取得領域60の中心53を通るように、Xステージ31を静止させる。そして、Yステージ32がY方向に連続移動している際に、電子線19を幅w,長さlの矩形領域に沿って走査する。
【0075】
Yステージ32が移動している間、電子線19は画像取得領域60の中心53を中心とした走査を繰り返すので、この時の、電子光学系システム3の光軸54から見た走査パターンは、図7に示すようになる。図7において、光軸54を原点とするX−Y座標系に、画像取得領域60の幅をw,長さをl,走査速度をu,試料9から見たみかけの走査速度をu′とすると、追従角度δは回転ずれθを含み、δ=arcsin((u′/u)sinθ−v/u)となる。ただし、δ,u′,u,θ,vは、各々図7中の矢印の方向を正としている。
【0076】
直交するX−Y座標のもとで光軸54を原点(0,0)とすると、走査開始点A点は、走査中心が座標((l/2)cosθ,0)で、走査幅が(cosθ/cosδ)wとなるように、追従角度δをもってB点まで走査する。しかしながら、ステージ機構により試料を連続移動させながら、画像取得を走査する場合、ステージ移動方向についてはステージ移動の定速性を考慮しなければならない。
【0077】
そこで、図6に示す試料9の上での走査ピッチ59(Δp)を用いて、時間間隔(Δp・sinθ)/v毎に走査の中心をΔp・cosθずつ移動させながら、走査の中心の座標が(−(l/2)cosθ,0)となるまで走査を反復することにより、画像取得領域60を予め設定された走査ピッチ59(Δp)で走査することが可能となる。これらの走査条件は検査装置に予め設定され、図1に示した制御部6により指定される。ステージ速度vは時間経過と共に若干変動するため、その分は画像取得領域60の中心53において、電子線19の光軸54がステージ移動方向にずれることがある。
【0078】
画像取得領域60の走査に際し、図6,図7の実施例において実線で示した一方向のみ、電子線19を試料9に照射する。破線で示した電子線19の振り戻しの間は、試料9に電子線19が照射されないようにブランキングすることにより、試料9上に空間的,時間的に均一に電子線19を照射することができる。ブランキングは、ブランキング偏向器13により電子線19を偏向して、絞り14を通過しないようにすることにより実施される。
【0079】
電子線が照射されている領域または位置は、Xステージ31,Yステージ32に設置された位置モニタ測長器34の測定データが時々刻々と制御部6に転送されることにより、詳細に把握される。同様に、電子線19が照射されている領域あるいは位置の高さの変動は、試料高さ測定器35の測定データが時々刻々と制御部6に転送されることにより詳細に把握される。これらのデータに基づき、電子線19の照射位置や焦点位置のずれを演算し、補正制御回路43によりこれらの位置ずれを自動的に補正する。このようにして、高精度で精密に電子線を走査できるようになる。
【0080】
上記により、画像取得領域に沿った走査が実施され、偏向歪み量が走査中心で振り分けられる為、画像取得領域の走査における総偏向量が最小となって、画素あたりの偏向歪みが最小となり、2画像比較による検査における欠陥の誤った判定を防止できる。
【0081】
つぎに、ステージの二軸の連続移動の場合の、本発明の第4の実施例を説明する。図8は図2と同じく、電子線の走査方向を説明する図であって、試料の電子線が照射される部分の拡大図、図9は図8に対応して電子線の走査偏向方向を説明する模式図である。
【0082】
まず、回転ずれ量の角度θで、ステージの二軸が各々連続移動する場合の走査方法について説明する。
【0083】
図8において、はじめに、幅w,長さlの矩形の画像取得領域60の中心53と電子線19の走査の光軸54とが一致するように、Xステージ31,Yステージ32をステージ速度vで定速移動させる。次に、ステージを移動させながら電子線19を走査する。このとき、図8に示したXステージ31とYステージ32の両方の合成速度であるステージ速度vが、図8に示した電子線19の走査方向55に対して略直角となるように、Xステージ31の速度とYステージ32の速度とを決定する。
【0084】
ここで、実際には、各ステージの移動速度のむら,電子線19の偏向制御のむらによる電子線走査位置のむらが存在し、合成速度vと電子線19の走査方向とのなす角度を厳密に直角にすることは困難であるので、取得画像を用いた欠陥判定に支障の無い精度に保てばよい。
【0085】
さらに、電子線19を走査している間は、Xステージ31,Yステージ32が移動しているので、Xステージ31,Yステージ32の移動を考慮して実際の電子線の走査方向を決定する必要がある。図9に示すように、X軸方向に対しての回転ずれ量の角度θを考慮し、さらに図4で説明した方法で、追従角度δを求め、実際の走査角度を求める。このようにして、電子線19を走査すれば、図3,図4で説明した場合と同様にして、回転ずれ量の角度θが補正された画像を取得することができる。
【0086】
以上の結果、画像取得領域に沿った走査が実施され、偏向歪み量が走査中心で振り分けられる為、画像取得領域の走査における総偏向量が最小となって、画素あたりの偏向歪みが最小となり、2つの画像の比較による検査における欠陥の誤った判定を防止できる。
【0087】
以上のように、本実施例によれば、比較検査に適した、画素あたりの偏向歪みが少ない良質な画像が得られ、誤検出を低減することができ、検査装置としての信頼性を向上させることができる検査方法および検査装置を提供できる。また、本発明になる検査装置を半導体製造プロセスへ適用する事により、異常発生を迅速かつ正確に検知することができるので、多量の不良発生を未然に防止する事ができるという優れた効果をもたらす。さらにその結果、不良の発生そのものを低減させることができるので、半導体装置等の信頼性を高める事が出来、新製品等の開発効率が向上し、かつ製造コストが削減できるという優れた効果をもたらす。
【0088】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、試料台を移動中または停止中に荷電粒子線を走査して得られる試料の画像信号の偏向歪みの影響を少なくして、試料の欠陥を得ることができる荷電粒子線を用いた検査装置および検査方法を得ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】SEM式外観検査装置の装置構成の概略を示す縦断面図。
【図2】電子線が照射される部分の拡大図。
【図3】電子線が照射される部分の拡大図。
【図4】図3に対応して電子線の走査偏向方向を説明する模式図。
【図5】電子線が照射される部分の拡大図。
【図6】電子線が照射される部分の拡大図。
【図7】図6に対応して電子線の走査偏向方向を説明する模式図。
【図8】電子線が照射される部分の拡大図。
【図9】図8に対応して電子線の走査偏向方向を説明する模式図。
【図10】図2における検査の手順を示すフローチャート。
【図11】図3における検査の手順を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…SEM式外観検査装置、9…試料、15…走査偏向器、19…電子線、
20…二次電子検出器、31…Xステージ、32…Yステージ、34…位置モニタ測長器、49…欠陥判定部、51…二次電子、52…第二の二次電子、53…中心、54…光軸、55…走査方向、59…ピッチ、60…画像取得領域。
Claims (12)
- 試料を載置しそれぞれ一方向へ移動可能な2つの部材からなるステージと、荷電粒子線を発生させる荷電粒子源と、該荷電粒子源で発生した荷電粒子線が前記試料へ照射されて発生する二次荷電粒子を検出し画像信号を形成する画像形成手段と、前記荷電粒子線が照射される前記試料上の画像取得領域の中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記ステージを静止させ、前記ステージの移動速度と移動方向とに基づいて前記荷電粒子線の照射の走査方向を決定するとともに、直交する二軸方向のうちの一軸に沿って前記試料台を連続移動させながら空間的に連続な画像取得領域を前記荷電粒子線で走査する際、前記画像取得領域の中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記荷電粒子線を前記試料に照射して、位置モニタ測長器により測定された前記荷電粒子線が照射されている位置と試料高さ測定器により測定された位置の高さの変動から前記荷電粒子線の照射位置や焦点位置のずれを演算し対物レンズ及びブランキング偏向器へ補正信号を送信して補正しながら画像取得領域に沿った走査をさせる制御手段とを備えたことを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 荷電粒子線を発生させる荷電粒子源と、該荷電粒子線をパターンが形成された試料へ集束するレンズ手段と、前記試料を載置する試料台と、該試料台を含む試料を試料室に搬送する搬送手段と、前記荷電粒子線を前記試料上で走査させる荷電粒子線走査手段と、前記試料から発生する二次荷電粒子を検出する検出器と、該検出器からの信号に基づいて前記試料上の第一の領域の荷電粒子線画像信号を形成する画像形成手段と、該荷電粒子線画像信号を記憶する記憶手段と、該記憶手段に記憶された荷電粒子線画像信号を前記試料上の前記第一の領域と同一のパターンが形成された第二の領域の荷電粒子線画像信号とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果から前記パターンの欠陥を判別する欠陥判別手段とを備えた荷電粒子線を用いた検査装置において、直交する二軸方向に前記試料台を含む試料を空間的に移動させて静止させ、次に前記二軸のうちの一軸に沿って前記試料台を連続移動させ、前記比較手段で比較対象とした前記第一または前記第二の領域のうち少なくとも一つの領域を含んだ空間的に連続な画像取得領域を前記荷電粒子線で走査する際、画像取得領域の中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記荷電粒子線を前記試料に照射するとともに、位置モニタ測長器により測定された前記荷電粒子線が照射されている位置と試料高さ測定器により測定された位置の高さの変動から前記荷電粒子線の照射位置や焦点位置のずれを演算し対物レンズ及びブランキング偏向器へ補正信号を送信して補正しながら画像取得領域に沿った走査をさせることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 請求項2の記載において、前記第一または前記第二の領域の各々が、別々の前記画像取得領域に含まれることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 請求項3の記載において、前記試料台に前記試料を載置する際の試料の回転量を検出する回転検出手段と、前記回転量を補正する補正手段とを備え、該補正手段により前記試料の回転量を補正して前記画像形成手段により前記画像取得領域の画像を形成することを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 請求項4の記載において、前記回転量の補正手段は、前記試料台を含む試料を空間的に回転させる回転ステージ機構であることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 請求項4の記載において、前記回転量の補正手段は、前記回転量を前記荷電粒子線の走査の方向に基づいて補正することを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 請求項2の記載において、前記第一または前記第二の領域が一つの前記画像取得領域に含まれることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- 請求項7の記載において、前記試料台を空間的に移動させるステージ機構を備え、該ステージ機構による前記試料台の移動に基づいて前記画像取得領域の画像の取得が一組の電子光学系システムにより遂行されることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- XステージとYステージと回転ステージとからなるステージと、該ステージに載せられた試料に荷電粒子線を照射する荷電粒子線照射手段と、前記荷電粒子線が照射されて発生する二次電子または該二次電子がさらに反射板に反射して発生する第二の二次電子の少なくともひとつを検出する二次電子検出手段と、該二次電子検出手段によって検出された信号に基づいて前記試料の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えた荷電粒子線を用いた検査装置において、前記荷電粒子線を照射する前記試料上の対象領域の中心を検出する中心検出手段と、該中心検出手段によって検出された中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記ステージを静止させる光軸設定手段と、前記対象領域の形状に基づいて前記荷電粒子線の照射の走査方向を決定し、該走査方向に基づいて前記回転ステージを回転させて前記試料の方向を決定する走査方向決定手段とを備え、前記ステージは、直交する二軸方向に前記試料を空間的に移動させて静止させ、前記二軸のうちの一軸に沿って前記試料を連続移動させ、前記荷電粒子線照射手段は前記荷電粒子線を前記走査方向決定手段で決定された前記走査方向へ照射して、位置モニタ測長器により測定された前記荷電粒子線が照射されている位置と試料高さ測定器により測定された位置の高さの変動から前記荷電粒子線の照射位置や焦点位置のずれを演算し対物レンズ及びブランキング偏向器へ補正信号を送信して補正しながら対象領域に沿った走査をさせることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- XステージとYステージと回転ステージとからなるステージに載せられた試料に、荷電粒子線を照射して発生する二次電子または該二次電子がさらに反射板に反射して発生する第二の二次電子の少なくともひとつを検出し、検出された信号に基づいて前記試料の欠陥を検出する荷電粒子線を用いた検査方法において、前記荷電粒子線を照射する前記試料上の画像取得領域の中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記ステージを静止させ、前記対象領域の形状に基づいて前記荷電粒子線の照射の走査方向を決定し、該走査方向に基づいて前記回転ステージを回転させ、前記ステージは直交する二軸方向に前記試料を空間的に移動させて静止させ、前記二軸のうちの一軸に沿って前記試料を連続移動させ、前記決定された前記走査方向へ前記荷電粒子線を照射して、位置モニタ測長器により測定された前記荷電粒子線が照射されている位置と試料高さ測定器により測定された位置の高さの変動から前記荷電粒子線の照射位置や焦点位置のずれを演算し対物レンズ及びブランキング偏向器へ補正信号を送信して補正しながら対象領域に沿った走査をさせることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査方法。
- XステージとYステージとからなるステージと、該ステージに載せられた試料に荷電粒子線を照射する荷電粒子線照射手段と、前記荷電粒子線が照射されて発生する二次電子または該二次電子がさらに反射板に反射して発生する第二の二次電子の少なくともひとつを検出する二次電子検出手段と、該二次電子検出手段によって検出された信号に基づいて前記試料の欠陥を検出する欠陥検出手段とを備えた荷電粒子線を用いた検査装置において、前記荷電粒子線を照射する前記試料上の対象領域の中心を検出する中心検出手段と、該中心検出手段によって検出された中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記ステージを静止させる光軸設定手段と、前記ステージの移動速度と移動方向とに基づいて前記荷電粒子線の照射の走査方向を決定する走査方向決定手段とを備え、前記荷電粒子線照射手段は直交する二軸方向のうちの一軸に沿って前記試料台を連続移動させながら空間的に連続な画像取得領域を前記荷電粒子線で走査して、位置モニタ測長器により測定された前記荷電粒子線が照射されている位置と試料高さ測定器により測定された位置の 高さの変動から前記荷電粒子線の照射位置や焦点位置のずれを演算し対物レンズ及びブランキング偏向器へ補正信号を送信して補正しながら対象領域に沿った走査をさせることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査装置。
- XステージとYステージとからなるステージに載せられた試料に荷電粒子線を照射し、発生する二次電子または該二次電子がさらに反射板に反射して発生する第二の二次電子の少なくともひとつを検出し、検出した信号に基づいて前記試料の欠陥を検出する荷電粒子線を用いた検査方法において、前記荷電粒子線を照射する前記試料上の画像取得領域の中心が前記荷電粒子線による二次元走査の中心となるように前記ステージを静止させ、前記ステージの移動速度と移動方向とに基づいて前記荷電粒子線の照射の走査方向を決定し、次に、直交する二軸方向のうちの一軸に沿って前記試料台を連続移動させながら空間的に連続な画像取得領域を前記荷電粒子線で走査して、位置モニタ測長器により測定された前記荷電粒子線が照射されている位置と試料高さ測定器により測定された位置の高さの変動から前記荷電粒子線の照射位置や焦点位置のずれを演算し対物レンズ及びブランキング偏向器へ補正信号を送信して補正しながら対象領域に沿った走査をさせることを特徴とする荷電粒子線を用いた検査方法。
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