JP3610875B2 - 電気負荷の駆動装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、モータ等の電気負荷を駆動する駆動装置に関し、特に、複数の駆動素子を用いた電気負荷の駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両の各部に設けられた各種スイッチやセンサ等からの情報をマイクロコンピュータに入力してその情報に基づく各種演算を行い、駆動装置を介してモータ等の電気負荷を駆動することにより、車両制御を行う電子制御装置が広く知られている。
【0003】
特に、近年の車両システムの急速な電子化に伴い、内燃機関におけるスロットルバルブの開閉制御やアイドル回転速度制御、或いは自動変速機のシフトレンジ切換制御等の、モータを駆動して各種機構を操作するシステムが増加している。モータを駆動するための駆動装置では、使用するモータの種類や制御方法などによって種々の駆動用回路が構成されるが、例えば、パワートランジスタ等の駆動素子を六個備え、これらをPWM制御することにより交流モータへ三相交流を供給する駆動回路や、駆動素子を四つ備え、これらの駆動素子をオン・オフ制御することにより直流モータへの通電を制御する、いわゆるHブリッジ回路、或いはステップモータの駆動回路などがよく知られている。
【0004】
このようなモータ駆動回路では、複数の駆動素子を順次通電(オン)したり、通電中の駆動素子のデューティ比を調整することによって、モータの回転方向や回転位置・トルク等を制御することができ、バルブの開度などの制御対象を適切に駆動・制御することができる。
【0005】
パワートランジスタ等からなる駆動素子は、通電により熱が発生しやすいため、駆動素子を選定する際は、通常、駆動装置における動作条件(電流値、通電時間、デューティ等)を考慮して、使用可能な範囲内の電力損失を有する部品が適宜選定されることになる。また、駆動素子に放熱フィンを取り付けることにより、放熱性能を向上させて、ある程度電力損失の大きい(即ち発熱量の大きい)駆動素子でも使えるようにする方法も、一般によく行われている。
【0006】
ところで、近年では、上記のような装置筐体などに放熱する放熱フィンを廃止し、例えば表面実装部品や放熱板付素子などの、基板に放熱する小型の駆動素子を採用して、基板への実装状態における放熱性能を考慮した駆動素子の選定を行うことにより、装置全体の小型化、低コスト化を可能としている。
【0007】
そしてこの場合、オン抵抗のより小さい(換言すれば電力損失の少ない)駆動素子を用いれば、更に駆動素子を小さくして装置を小型化することが可能となる。即ち、素子が小さくなればその分放熱性能も悪くなるため、素子のオン抵抗を小さくして発熱量を抑えることにより、放熱性能の低下をカバーしようとするものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このようにオン抵抗の小さい駆動素子を用いることにより、駆動素子の小型化は可能になるものの、オン抵抗を小さくするためには、内部のチップ(半導体チップ)サイズの大きい駆動素子を使用する必要があり、そのため駆動素子のコストはアップしてしまう。つまり、駆動素子全体(パッケージ)の大きさは小さくできるが、その分、内部のチップは大きくせざるを得なくなり、駆動素子の小型化とコストダウンとが同時に達成できないのである。
【0009】
このような問題を解決する方法として、例えば、特表平6−507049号公報にて、装置筐体等を利用して出力構成部材(発熱性部品)からの良好な放熱を可能とする方法が開示されている。これは、具体的には、基板外周部の両面に熱伝導性材料からなる被覆が環状に形成されており、冷却フィンを備えた発熱性部品は、その冷却フィンが基板外周部の被覆に熱的に接触するように配置されている。また、基板等を収納するケーシング(装置筐体)も、基板外周部の被覆に熱的に接触するように構成されており、これにより発熱性部品に別途放熱用部品等を付加することなく、良好な放熱を実現している。
【0010】
しかしながら、上記方法では、放熱性能は良好になるものの、基板外周部に放熱のための被覆を設ける必要があり、その分基板も大きくなってしまう。しかも、複数の発熱性部品を全て基板外周部に環状に配置するため、基板上における発熱性部品と外部入出力用端子(コネクタ等)との距離も長くなり、太い配線パターンを長く形成せざるを得なくなる。
【0011】
そのため、部品は小型化できるものの、基板が大きくなり、装置全体の大型化を招いて、結果としてコストアップしてしまう。また、基板上には、発熱性部品の動作等を制御する制御回路も配置されるが、基板外周部に配置された発熱性部品からコネクタまでの太い配線パターンがこの制御回路近傍を通過することになるため、この配線パターンを流れる電流(例えば外部負荷を駆動する電流)により配線パターン周囲に放射される電磁ノイズに起因して、制御回路が誤動作するおそれもある。
【0012】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、複数の発熱素子を備えた電気負荷の駆動装置において、発熱素子の小型化及び低コスト化を図ると共に、装置全体の小型化及び低コスト化を図ることを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
上記課題を解決するためになされた請求項1記載の駆動装置は、一つ又は複数の電気負荷への通電経路に設けられた複数の発熱素子を有するものである。そして、複数の発熱素子のうち、互いに同時に通電されることのない少なくとも二つの発熱素子は、基板上に近接して実装される。
その近接して実装される各発熱素子は、いずれも、半導体チップと該半導体チップからの熱を放出するための放熱用金属部材とが樹脂モールドにより一体化されて構成されている。また、基板における、少なくとも上記近接して実装される各発熱素子が備える放熱用金属部材の下部には、各発熱素子の相互間で熱を伝導させるための導電性金属パターンが少なくとも一つ形成されている。そして、上記近接して実装される各発熱素子は、放熱用金属部材が導電性金属パターンに接触するように基板上に実装されている。
【0014】
近接して実装された駆動素子は、共に同時に動作する(通電状態になる)ことはなく、どちらか一方の発熱素子は動作しない(不通電状態になる)。つまり、電気負荷の駆動中にどちらか一方の発熱素子は必ず通電されない状態となっている。そこで、一方の発熱素子が動作していないときには、他方の動作中の発熱素子から発生する熱を、その他方の発熱素子が備える放熱用金属部材および基板に形成された導電性金属パターンを介して、動作していない発熱素子に吸収させることができるため、放熱性能が良好になり、より多くの電流を駆動素子に流すことができる。これは即ち、通電時の電力損失のより大きい(例えば素子サイズの小さい)発熱素子を用いることができることになる。
【0015】
従って、請求項1記載の発明によれば、動作中の発熱素子が発生する熱を、近接して実装された非動作中の発熱素子に吸収させることができるため、発熱素子を小型化してそのコストを低減することが可能となる。またこれにより、装置全体の小型化及び低コスト化も可能となる。
【0016】
尚、発熱素子は、例えばパワートランジスタやサイリスタ等の各種素子が考えられ、近接実装された発熱素子が同時に動作(通電)することはなく、しかも相互に熱を吸収できるものであれば何でもよい。
【0017】
ここで、導電性金属パターンは、例えば熱伝導のためだけに設けてもよいが、請求項2に記載のように、基板上に形成された配線パターンを熱の伝導用としても兼用するようにしてもよい。即ち、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の電気負荷の駆動装置であって、放熱用金属部材は、半導体チップにおける能動面とは反対側の非能動面に電気的且つ熱的に接続され、導電性金属パターンは、上記能動面とその接続対象とを電気的に接続するための配線パターンである。
配線パターンとしては、例えば基板上に電気伝導のために形成される周知の銅箔パターンやスルーホールなどがある。このようにすれば、基板上の配線パターンを有効に利用して熱伝導用にも利用できるため、駆動装置をより小型化、低コスト化することができる。
【0018】
また、既述のように、本発明は種々の発熱素子に適用することができるが、請求項3に記載したように、電気負荷の通電経路を導通・遮断するスイッチング素子である場合に適用するとより効果的である。即ち、例えばパワートランジスタなどのスイッチング素子は、電気負荷への通電電流を導通・遮断するものであり、その通電電流の量も、電気負荷を駆動するために必要な比較的大きな電流であるから、通電時にスイッチング素子から発生する熱の量も多い。そのため、互いに同時に通電されることのない複数のスイッチング素子を近接実装すると共に各スイッチング素子の下部に導電性金属パターンを設けて相互に熱伝導できるようにすることにより、発熱量の大きいスイッチング素子の小型化も可能となる。
【0019】
さらに、基板上に近接して実装される複数の発熱素子は、請求項4に記載したように、基板の表裏面に基板を挟むように実装してもよい。このようにすれば、放熱用金属部材と接続される導電性金属パターン以外に別途導電性金属パターンを設ける必要がなく、しかも、基板において、表裏面に実装された発熱素子が挟む部分で熱の伝導を行うことができる。つまり、基板上の同一面に近接して配置する場合に比べ、基板を介して直接かつ面的に熱が伝導でき、より放熱効果が高まる。そのため、発熱素子をより小型化できるのに加え、表裏面に実装することで基板上の実装面積も小さくできるため、駆動装置全体をより小型化することが可能となる。
【0020】
尚、表裏面に実装される発熱素子の相対的な位置関係は、良好な熱伝導性を考慮すれば、基板の同一位置における表裏面に実装される(つまり、発熱素子が基板を挟んで相互に完全に対向するように実装される)のが望ましいが、必ずしも基板の同一位置の表裏面に完全に実装される必要はなく、基板において、発熱素子で挟まれている部分が少しでも存在するように実装されていればよい。
【0021】
ここで、請求項1〜4記載の発明は、請求項5に記載したように、発熱素子として四つのスイッチング素子を備え、その四つのスイッチング素子にて構成されたHブリッジ回路により、電気負荷としての一つのモータへの通電方向を制御可能な駆動装置に適用することができる。そして、四つのスイッチング素子のうち、互いに同時に通電されることのない二つのスイッチング素子を、相互に近接するように実装する。
【0022】
通常、Hブリッジ回路によるモータ駆動の際は、四つのスイッチング素子のオン・オフを適切に制御することにより、モータへの通電方向を制御する。そのため、モータ駆動の際に四つのスイッチング素子が全て同時にオンになることはない。そこで、四つのスイッチング素子のうち、互いに同時に通電されることのない二つのスイッチング素子を、相互に近接するように実装すれば、動作中のスイッチング素子の発熱を、近接実装された他方の非動作中のスイッチング素子に吸収させることができる。
【0023】
従って、スイッチング素子の数が多い(四つ)Hブリッジ回路に対して、本発明(請求項1〜4)を適用すると、四つのスイッチング素子を小型化して、モータの駆動装置をより小型化・低コスト化することができため、より効果的である。
【0024】
ところで、Hブリッジ回路にてモータを駆動する場合、例えば、電源の正極又は負極のいずれか一方の極性側に接続された二つのスイッチング素子を通電方向選択用(方向選択サイド)に用い、他方の極性に接続された二つのスイッチング素子を通電制御用(通電制御サイド)に用いるのが一般的である。
【0025】
つまり、例えば、方向選択サイドの二つのスイッチング素子のうちのいずれか一方のスイッチング素子を常時オンとし、通電制御サイドの二つのスイッチング素子のうちいずれか一方のスイッチング素子を常時オフとすることにより、モータへの通電方向を決める。そして、方向選択サイドにおける他方のスイッチング素子(方向選択サイド駆動素子)をオフにし、通電制御サイドにおける他方の素子(通電制御サイド駆動素子)をオンにしたとき、モータへの通電が行われる。
【0026】
モータへの通電電流量を制御するためには、例えば通電制御サイド駆動素子をデューティ制御すればよいが、通電制御サイド駆動素子をオフにして非通電状態にしても、モータに蓄えられた磁気エネルギ(消弧エネルギ)により、モータを流れる電流はすぐにはゼロにならない。そのため、例えば、通電制御サイド駆動素子をオフにするのと同時に方向選択サイド側でオフにしていたスイッチング素子をオンにすることにより、方向選択サイドの二つのスイッチング素子とモータとで、環流回路が形成され、これによりモータの磁気エネルギを消費させて電流をゼロにすることができる。
【0027】
つまりこの場合、モータへの通電オフ時の消弧エネルギーを方向選択サイドにて消費させることになり、方向選択サイドの二つのスイッチング素子は、共に同時に電流が流れる期間が存在するが、通電制御サイドの二つのスイッチング素子には、共に同時に電流が流れる期間は存在しない。
【0028】
そこで、請求項5に記載したHブリッジ回路にてモータを駆動する駆動装置においては、請求項6に記載したように、モータの電源の正極又は負極のいずれか一方の極性側に接続されている二つのスイッチング素子であって、しかもモータ通電時には通電電流の方向や大きさを制御するために、一方は常にオフしていて他方がデューティ制御されるものである場合に、その二つのスイッチング素子を近接して実装すると、特に効果的である。
【0029】
このようにすれば、近接して実装した二つのスイッチング素子のうちいずれか一方のスイッチング素子は必ずオフになっているため、放熱がより良好に行われる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明が適用された車両のスロットル制御システムの構成を表す概略構成図である。
【0031】
図1に示すように、本実施形態のスロットル制御装置は、吸入空気管7内を内燃機関9に向かって流れる空気流量を調節するためのスロットルバルブ1と、スロットルバルブ1の回転軸に連結され、スロットルバルブ1を回転させるためのモータ2と、スロットルバルブ1の開度を検出するために図示しないスロットルボディに取り付けられ、スロットルバルブ1と連動してスロットル開度に比例した電圧を出力するスロットル開度センサ3と、運転者によるアクセルペダル8の操作量を検出し、その操作量に比例した電圧を出力するペダル位置センサ4と、スロットル開度センサ3及びペダル位置センサ4からの信号(出力電圧)を入力し、これらの入力信号に応じて、スロットルバルブ1の開度を所望の開度に制御するためにモータ2への通電制御を行う電子制御装置5と、車両に搭載され、モータ2へ電力を供給するためのバッテリ6と、バッテリ6から電子制御装置5への通電経路を導通・遮断するためのイグニションスイッチ7とから構成される。尚、モータ2は、通電方向により回転方向が、通電電流量により回転トルクが制御される周知の直流モータである。
【0032】
電子制御装置5は、主としてマイクロコンピュータ(以下、単に「マイコン」と称す)11と、モータ駆動回路12と、電流検出回路13とで構成されるものであり、その詳細を図2に示す。
マイコン11は、CPU、ROM、RAM、I/O、バスライン等を備えた周知のものである。マイコン11には、スロットル開度センサ3からの出力電圧が抵抗R1、R2にて分圧された上で入力され、ペダル位置センサ4からの出力電圧が抵抗R3、R4にて分圧された上で入力され、電流検出回路13からの出力電圧が抵抗R5、R6にて分圧された上で入力される。そして、これらの各入力信号(電圧)に基づき、モータ2への通電を制御するための制御信号を、モータ駆動回路12内の駆動ロジック部21へ出力する。
【0033】
尚、図示はしないものの、マイコン11には上記入力電圧のほか、エンジン回転数や冷却水温度、吸気・排気温度、バッテリ電圧等の各種信号も入力され、これら各種入力信号に基づいて、車両各部の制御(例えば点火時期制御やアイドル回転数制御など)が行われている。また、マイコン11の動作用の電力も、バッテリ6からイグニションスイッチ7を介して供給されている。
【0034】
モータ駆動回路12には、四個のNチャネルMOS型FET(電界効果トランジスタ、以下単に「トランジスタ」と称す)Tr1、Tr2、Tr3、Tr4からなるHブリッジ回路が備えられている。具体的には、トランジスタTr1及びTr2(ハイサイド側のトランジスタ)のドレインがイグニションスイッチ7を介してバッテリ6の正極側に接続され、トランジスタTr3及びTr4(ローサイド側のトランジスタ)のソースが電流検出回路13内の抵抗R11を介してバッテリ6の負極側と同電位の電源ライン(グランドライン)に接続されている。尚、この四つのトランジスタTr1〜Tr4は、本発明の発熱素子としてのスイッチング素子に相当するものである。
【0035】
そして、トランジスタTr2のソースはトランジスタTr3のドレインと接続されると共にその接続点Aはモータ2の一端に接続され、トランジスタTr1のソースはトランジスタTr4のドレインと接続されると共にその接続点Bはモータ2の他端に接続されている。尚、モータ2は、実際には図1に示したようにスロットルバルブ1近傍に設けられているものであるが、図2においては、説明の明瞭化のためモータ駆動回路12の中にモータ2を併せて記載した。
【0036】
このようなHブリッジ回路では、全てのトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4がオフ状態であるときに、ハイサイド側のトランジスタTr1とローサイド側のトランジスタTr3とを同時にオンすれば、モータ2に対して接続点Bから接続点Aに電流が流れて、モータ2を、スロットルバルブ1を閉じる方向に回転(閉回転)させることができる。逆に、ハイサイド側のトランジスタTr2とローサイド側のトランジスタTr4とを同時にオンすれば、モータ2に対して接続点Aから接続点Bに電流が流れて、モータ2を、スロットルバルブ1を開く方向に回転(開回転)させることができる。
【0037】
また、モータ2の回転位置(延いてはスロットルバルブ1の開度)を制御するには、モータ2を流れる電流Imを制御すればよいため、本実施形態におけるモータ2の駆動制御は、例えばモータ2を閉回転させる場合は、ハイサイド側のトランジスタTr1をオン状態、ローサイド側のトランジスタTr4をオフ状態にそれぞれ保持し、ローサイド側のトランジスタTr3とハイサイド側のトランジスタTr2とのオン・オフ状態を交互に切り換えることにより行われる。
【0038】
つまり、NチャネルのトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4はいずれも、ゲートに入力される駆動信号O1、O2、O3、O4がHighレベル(以下「Hレベル」と称す)である時にオン状態となるため、本実施形態では、図3に示す如く、閉回転時は、トランジスタTr1の駆動信号O1をHレベルに、トランジスタTr4の駆動信号O4をLowレベル(以下「Lレベル」と称す)に保持することにより、トランジスタTr1をオン状態、トランジスタTr4をオフ状態にする。そして、トランジスタTr2、Tr3には、目標スロットル開度に応じてデューティ制御した、相互に異なるレベルの駆動信号O2、O3を入力することにより、トランジスタTr2,Tr3のオン・オフ状態を交互に反転(デューティ駆動)させる。
【0039】
この結果、駆動信号O2がLレベル、駆動信号O3がHレベルとなって、トランジスタTr2がオフ、トランジスタTr3がオン状態となったときには、モータ電流Imがマイナス方向に上昇(つまり、接続点Bから接続点Aへ流れる電流が上昇)する。そして、駆動信号O2がHレベル、駆動信号O3がLレベルとなって、トランジスタTr2がオン、トランジスタTr3がオフ状態となったときには、モータ2に蓄積された磁気エネルギ(消弧エネルギ)により、トランジスタTr1、Tr2、モータ2によりハイサイド側に形成される閉回路(環流回路)に環流電流が流れて、モータ電流Imは減衰する。
【0040】
一方、モータ2を開回転させる場合も、図3に示す如く、トランジスタTr2の駆動信号O2をHレベルに、トランジスタTr3の駆動信号O3をLレベルに保持することにより、トランジスタTr2をオン状態、トランジスタTr3をオフ状態にする。そして、トランジスタTr1、Tr4には、目標スロットル開度に応じてデューティ制御した、相互に異なるレベルの駆動信号O1、O4を入力することにより、トランジスタTr1,Tr4のオン・オフ状態を交互に反転(デューティ駆動)させる。
【0041】
この結果、駆動信号O1がLレベル、駆動信号O4がHレベルとなって、トランジスタTr1がオフ、トランジスタTr4がオン状態となったときには、モータ電流Imが上昇する。そして、駆動信号O1がHレベル、駆動信号O4がLレベルとなって、トランジスタTr1がオン、トランジスタTr4がオフ状態となったときには、モータ2に蓄積された磁気エネルギ(消弧エネルギ)により、トランジスタTr1、Tr2、モータ2で形成される環流回路に環流電流が流れて、モータ電流Imはやはり減衰する。
【0042】
つまり、ハイサイド側の二つのトランジスタTr1,Tr2を、通電方向選択用として使用し、ローサイド側の二つのトランジスタTr3,Tr4を、通電時間制御用として使用する。
そして、閉回転・開回転いずれの場合にも、モータ2には、トランジスタTr3(閉回転時)又はトランジスタTr4(開回転時)のオン/オフ時間の比率(デューティ比)に応じたトルクが発生し、スロットルバルブ1の開度を所望の位置に回転させる。
【0043】
駆動ロジック部21は、マイコン11からの制御信号に基づき、各トランジスタTr1〜Tr4をオン・オフ制御するための信号(例えば、5VのHレベル信号又は0VのLレベル信号)を、各プリドライバ22a、22b、22c、22dに出力する。そして、各プリドライバ22a、22b、22c、22dにて、駆動ロジック部21からの出力信号を、各トランジスタTr1〜Tr4を実際に駆動しうるだけの電圧(例えば、12V若しくは20V(ハイサイド側トランジスタ駆動時)のHレベル信号、又は0VのLレベル信号)にレベルアップさせ、駆動信号O1〜O4としてそれぞれ各トランジスタTr1〜Tr4へ出力する。
【0044】
また、電流検出回路13は、オペアンプ13aと、抵抗R7〜R11にて構成され、モータ2の通電経路に直列に挿入された抵抗R11の両端の電圧に基づき、モータ2或いはこれを駆動させるためのHブリッジ回路等の異常(断線・短絡)を検出するものである。この電流検出回路13からの出力(異常検出信号)は、駆動ロジック部21に入力され、駆動ロジック部21は、モータ2に流れる電流が所定の上限値を超えた場合にはモータ電流を抑制するように各トランジスタTr1〜Tr4を制御する。また、電流検出回路13からの出力は、抵抗R5及びR6にて分圧された上でマイコン11にも入力され、異常時には、マイコン11は、異常が生じたことをダイアグノーシスコードとして記憶し、運転室内のインパネに設けられた警告灯(図示せず)を点灯させて異常の発生を運転者にも報知する。
【0045】
ところで、本実施形態のモータ駆動回路12のように、四個のトランジスタTr1〜Tr4をオン・オフ制御することによりモータ2への通電を制御する場合、各トランジスタTr1〜Tr4の通電時(オン時)には、各トランジスタのオン抵抗により素子内部に電力損失が生じ、これに起因して熱が発生する。そのため、通電時に各トランジスタTr1〜Tr4で発生する熱を、外部に適切に放出する必要がある。
【0046】
この場合、各トランジスタTr1〜Tr4に別途放熱器を設けるなどの一般的な放熱方法ももちろん可能であるが、このようにすると、従来技術で述べたような問題が生じる。
そこで、本実施形態では、四個のトランジスタTr1〜Tr4が全て同時にオンになることはないことに着目し、例えばローサイド側の二つのトランジスタTr3、Tr4を、図4に示すように基板上に近接して実装した。図4(a)は、ローサイド側の二つのトランジスタTr3、Tr4を基板上に実装した状態を示す説明図であり、図4(b)は、図4(a)における断面A−Aの概略を表す説明図である。
【0047】
図4(b)に示すように、トランジスタTr4は、樹脂によりモールドされた表面実装用の部品であり、トランジスタチップB4の裏面(ドレイン)は金属製のドレイン端子D4に直接接合されている。このドレイン端子D4は、トランジスタチップB4から発生する熱を放熱するための放熱板としての役目を兼ね備えたものである。
【0048】
トランジスタチップB4の表面(ソース)はワイヤボンディングW4により金属製のソース端子S4に接続されている。また、図示はしないものの、トランジスタチップB4のゲートも、同じくワイヤボンディングにより金属製のゲート端子G4に接続されている。そして、トランジスタチップB4及びワイヤボンディングW4を含む部品全体が、樹脂モールドによるパッケージM4に覆われた構造になっている。
【0049】
尚、他の3つのトランジスタTr1、Tr2、Tr3も、トランジスタTr4と全く同様の構造を有する表面実装用のモールド型部品であるため、詳細な説明は省略する。
そして、ローサイド側の二つのトランジスタTr3、Tr4は、図4(a)に示すように基板44上に相互に近接して実装され、トランジスタTr3のドレイン端子D3、ソース端子S3、ゲート端子G3は、それぞれ、基板44に形成されたランドLD3、LS3、LG3にはんだ付けされている。トランジスタTr4のドレイン端子D4、ソース端子S4、ゲート端子G4も、それぞれ、基板44に形成されたランドLD4、LS4、LG4にはんだ付けされている。基板44は、板状絶縁体の両面に所望の銅箔パターン(ランドを含む)が形成された周知の両面プリント基板である。
【0050】
各トランジスタTr3、Tr4のドレイン端子D3、D4は、それぞれ基板44上に形成されたレジスト施工済みの配線パターン(銅箔パターン)PD3、PD4を介して、接続対象であるコネクタ45の所定のリード45a、45bに電気的に接続され、このコネクタ45を介してモータ2(図4では図示せず)に接続されている。この各配線パターンPD3、PD4は、各トランジスタTr3、Tr4から発生する熱の伝導を良好にする(詳細は後述)ため、図4に示すように広い範囲で形成されており、しかも両者が近接するように形成されている。
【0051】
一方、ソース端子S3,S4は、配線パターンPS3,PS4、スルーホール46a、46b及び基板44の裏面に形成された配線パターンPG34を介して、電気的に接続されている。このソース端子S3、S4、及びゲート端子G3、G4は、いずれも図示しない配線パターンを介して基板44上の所定の部位に配線されるが、ここでは、その詳細については省略する。
【0052】
基板44の裏面における、各トランジスタTr3、Tr4の裏面に相当する範囲には、銅箔パターンPTが形成されている。この銅箔パターンPTは、電気信号を伝達せるためのものではないため、他の部品や配線パターン等と電気的に接続されておらず、後述するように、二つのトランジスタTr3、Tr4の放熱部(ドレイン端子D3,D4)から発生する熱の伝導を良好にするために設けたものであり、ランドLD3,LD4、配線パターンPD3,PD4と共に、本発明の導電性金属パターンに相当するものである。
【0053】
既述の通り、モータ2への通電を四つのトランジスタTr1、Tr2、Tr3、Tr4にて制御するため、各トランジスタへの通電時には、素子内部(トランジスタチップ)で熱が発生する。そのため、近接して実装した二つのトランジスタTr3、Tr4からも、通電時には熱が発生するが、二つのトランジスタTr3、Tr4に同時に連続して通電されることはない。即ち、図3で説明したように、モータ2の閉回転時にはトランジスタTr4は常時オフとなり、トランジスタTr3をデューティ制御することにより、モータ2への通電電流量を制御する。一方、モータ2の開回転時にはトランジスタTr3が常時オフとなり、トランジスタTr4をデューティ制御することにより、モータ2への通電電流量を制御する。
【0054】
つまり、いずれか一方のトランジスタは常時オフになり、他方のトランジスタに対して通電が行われるため、モータ2の駆動中は、いずれか一方の通電中のトランジスタからのみ熱が発生することになる。そのため、図4のように、この二つのトランジスタTr3、Tr4を近接して実装(換言すれば、放熱部としてのドレイン端子D3,D4を近接)することにより、動作中のトランジスタからの発熱を、動作していないトランジスタの放熱部(ドレイン端子)に伝えれば、トランジスタからの放熱がより良好に行われることになる。
【0055】
ここで、上記のように二つのトランジスタTr3、Tr4を基板44の同一面上に近接実装した場合、各ドレイン端子D3、D4は、相互が配線パターンを介して直接接続されていないため、動作中のトランジスタからの発熱は、基板44を構成する絶縁体を直接介して、動作していないトランジスタへ、基板44を水平方向に伝導することになる。しかしながら、基板44の絶縁体(例えばガラス布エポキシ)は銅などの金属に比べ、熱抵抗が大きく、熱が伝導しにくい。
【0056】
そこで、本実施形態では、基板44の裏面に、熱伝導のための銅箔パターンPTを設け、これを介して二つのトランジスタTr3、Tr4相互間の熱伝導を行うことにより、熱が良好に伝導できるようにした。
即ち、銅箔パターンPTを設けたことにより、一方の動作中のトランジスタから発生した熱は、基板44の絶縁体を介して水平方向に伝導するよりも、基板44の厚さ方向に(つまり基板44の裏面側に)伝導する方が、早く且つ効率的に伝導される。例えば、トランジスタTr4のトランジスタチップB4から発生した熱は、ドレイン端子D4からランドLD4へ伝わり、配線パターンPD4へと放熱されていく。そして、このようにドレイン端子D4を中心として配線パターンPD4まで伝導した熱は、基板44を介してその裏面の銅箔パターンPTにも伝わる。
【0057】
銅箔パターンPTは基板44の絶縁体に比べて熱抵抗が小さいため、銅箔パターンPT全体に熱が急速に伝わる。銅箔パターンPT全体に伝わった熱は、再び基板44の絶縁体を介して、近接実装されたトランジスタTr3の放熱部(ドレイン端子D3)や配線パターンPD3に伝わり、吸収される。
【0058】
つまり、単に近接実装して、基板44の水平方向に基板44の絶縁体を介して熱を伝導するのに比べ、基板44の裏面の銅箔パターンPTを利用して、トランジスタ相互間の熱伝導を面的(基板44の厚さ方向)に行う方が、より良好に熱を伝導できるのである。
【0059】
従って、本実施形態のスロットル制御システムによれば、共に同時に通電されることのない二つのトランジスタTr3、Tr4を基板44上に近接して実装し、各ドレイン端子D3,D4と電気的・熱的につながった配線パターンPD3,PD4をできるだけ広い範囲且つ近接するように形成して、しかも基板44の裏面におけるトランジスタTr3、Tr4の裏面に相当する範囲に銅箔パターンPTを設けたことにより、動作中のトランジスタから発生した熱は基板44の絶縁体及び銅箔パターンPTを介して、非動作中のトランジスタに良好に伝導し、吸収させることができる。
【0060】
そのため、動作中のトランジスタの温度が低減されることになり、この温度低減効果の分だけ、より多くの電流をトランジスタに通電させることができることになる。言い換えれば、オン抵抗の大きい、チップサイズのより小さいトランジスタを、許容損失の低いより小さなパッケージにして用いることができるようになるわけである。そのため、トランジスタのコストダウンも可能となり、結果として電子制御装置5全体の小型化及び低コスト化も可能となる。
【0061】
また、銅箔パターンPTは、熱伝導にのみ利用するために設けたものであるため、電源ラインやグランドラインなどの他の信号の配線に併用することも可能である。
[第2実施形態]
本実施形態のスロットル制御システムの構成は、第1実施形態のスロットル制御システムの構成(図1及び図2)と同じであるため、ここではその説明を省略する。そして、以下、本実施形態のスロットル制御システムの構成についても、第1実施形態の図1及び図2に基づいて説明する。
【0062】
本実施形態では、図5に示すように、閉回転時は、トランジスタTr3の駆動信号O3をHレベルに、トランジスタTr2の駆動信号O2をLレベルに保持することにより、トランジスタTr3をオン状態、トランジスタTr2をオフ状態にする。そして、トランジスタTr1、Tr4には、目標スロットル開度に応じてデューティ制御した、相互に異なるレベルの駆動信号O1、O4を入力することにより、トランジスタTr1,Tr4のオン・オフ状態を交互に反転(デューティ駆動)させる。
【0063】
この結果、駆動信号O1がHレベル、駆動信号O4がLレベルとなって、トランジスタTr1がオン、トランジスタTr4がオフ状態となったときには、モータ電流Imがマイナス方向に上昇(つまり、接続点Bから接続点Aへ流れる電流が上昇)する。そして、駆動信号O4がHレベル、駆動信号O1がLレベルとなって、トランジスタTr4がオン、トランジスタTr1がオフ状態となったときには、モータ2に蓄積された磁気エネルギ(消弧エネルギ)により、トランジスタTr3、Tr4、モータ2によりローサイド側に形成される環流回路に環流電流が流れて、モータ電流Imは減衰する。
【0064】
一方、モータ2を開回転させる場合も、図5に示す如く、トランジスタTr4の駆動信号O4をHレベルに、トランジスタTr1の駆動信号O1をLレベルに保持することにより、トランジスタTr4をオン状態、トランジスタTr1をオフ状態にする。そして、駆動信号O3がLレベル、駆動信号O2がHレベルとなって、トランジスタTr3がオフ、トランジスタTr2がオン状態となったときには、モータ電流Imが上昇する。そして、駆動信号O3がHレベル、駆動信号O2がLレベルとなって、トランジスタTr3がオン、トランジスタTr2がオフ状態となったときには、モータ2に蓄積された磁気エネルギ(消弧エネルギ)により、トランジスタTr3、Tr4、モータ2で形成される環流回路に環流電流が流れて、モータ電流Imはやはり減衰する。
【0065】
つまり、本実施形態では、第1実施形態とは逆に、ハイサイド側の二つのトランジスタTr1,Tr2を通電時間制御用として使用し、ローサイド側の二つのトランジスタTr3,Tr4を通電方向選択用として使用している。
上記のようにモータ2への通電を行った場合、例えばハイサイド側のトランジスタTr1、Tr2は、いずれか一方は常時オフとなっている。そのため、通電中のトランジスタから発生する熱を非通電中のトランジスタに吸収させるように、両トランジスタを基板上に配置できれば、放熱性能が向上し、トランジスタチップのサイズをより小さくすることができる。
【0066】
そこで、本実施形態では、ハイサイド側の二つのトランジスタTr1、Tr2を、図6に示すように基板上に近接して実装した。図6(a)は、ハイサイド側の二つのトランジスタTr1、Tr2を基板上に実装した状態を示す説明図であり、図6(b)は、図6(a)における断面A−Aの概略を表す説明図である。尚、本実施形態においても、四つのトランジスタTr1〜Tr4の構造は、第1実施形態において図4に示した構造と同じであるため、ここではその説明を省略する。
【0067】
ハイサイド側の二つのトランジスタTr1、Tr2は、図6(a)に示すように基板61上に相互に近接して実装され、トランジスタTr1のドレイン端子D1、ソース端子S1、ゲート端子G1は、それぞれ、基板61に形成されたランドLD1、LS1、LG1にはんだ付けされている。トランジスタTr2のドレイン端子D2、ソース端子S2、ゲート端子G2も、それぞれ、基板61に形成されたランドLD2、LS2、LG2にはんだ付けされている。
【0068】
一方、各トランジスタTr1、Tr2のドレイン端子D1、D2は、同電位である(図2参照)ため、配線パターンPD60を介して、両ドレイン端子D1及びD2を電気的に接続している。そしてこの配線パターンPD60は、本発明の導電性金属パターンに相当し、各トランジスタTr1,Tr2の相互間で熱を伝導させる機能をも有するものである。尚、ドレイン端子D1、D2は、図示しない配線パターンを介してバッテリ6に接続され、ゲート端子G1、G2も図示しない配線パターンを介して基板61上の所定の部位に配線されるが、ここでは、その詳細については省略する。
【0069】
図5で説明したように、二つのトランジスタTr1、Tr2に同時に連続して通電されることはなく、モータ2の駆動時には、いずれか一方のトランジスタは常時オフになり、他方のトランジスタに対して通電が行われる。即ち、いずれか一方の通電中のトランジスタからのみ熱が発生することになる。
【0070】
そこで、本実施形態では、この配線パターンPD60を介して、二つのトランジスタTr1、Tr2相互間の熱伝導を行うことにより、熱が良好に伝導できるようにした。
つまり、両ドレイン端子D1、D2間の電気的接続のために必要な配線パターンPD60を、両ドレイン端子D1、D2間を最短の距離でしかも太く配線するように形成することにより、トランジスタTr1、Tr2相互間の熱伝導を良好に行うための手段(即ち本発明の導電性金属パターン)として利用している。
【0071】
従って、本実施形態のスロットル制御システムによれば、共に同時に通電されることのない二つのトランジスタTr1、Tr2を基板61上に近接して実装し、しかも両ドレイン端子D1、D2間は配線パターンPD60により接続されているため、動作中のトランジスタから発生した熱は主にこの配線パターンPD60を介して、非動作中のトランジスタの放熱部(ドレイン端子)に良好に伝導し、吸収させることができる。そのため、動作中のトランジスタの温度が低減されることになり、第1実施形態と同等の作用効果を奏する。
【0072】
しかも、本実施形態では、第1実施形態の場合のように熱を伝導させるためだけに銅箔パターンPT等を設ける必要はなく、通電に必要な配線パターンPD60を熱伝導にも有効利用できるため、電子制御装置5をより小型化、低コスト化することができる。
【0073】
尚、本発明の実施の形態は、上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることはいうまでもない。
例えば、第1実施形態においては、ローサイド側のトランジスタTr3、Tr4を、基板44の同一面上に近接して実装したが、例えば図7に示すように、基板71の表裏面に、基板71を挟むように実装してもよい。このようにすれば、第1実施形態の図4に示したような銅箔パターンPTを介すことなく、基板71における両トランジスタTr3、Tr4の放熱部(ドレイン端子D3,D4)が挟む部分にて、基板71の厚さ方向に直接面的に熱の伝導が行われるため、さらに良好な熱の伝導が行われ、しかも、ドレイン端子と接続する配線パターンPD71、PD72をより小さくすることができ、トランジスタTr3、Tr4の実装面積も大幅に減少する。そのため、電子制御装置5のさらなる小型化・低価格化が可能となる。
【0074】
第2実施形態においても同様に、ハイサイド側のトランジスタTr1、Tr2を、基板61の同一面上に近接して実装したが、例えば図8に示すように、基板61の表裏面に、基板61を挟むように実装してもよい。そしてこの場合、ドレイン端子D3、D4は同電位であり、スルーホール82により電気的に接続されるが、このスルーホールを介して熱を伝導することができるため、図7に場合比べて、熱の伝導はより良好に行われ、しかもトランジスタTr3、Tr4の実装面積も大幅に減少するため、電子制御装置5のさらなる小型化・低価格化が可能となる。
【0075】
尚、上記のように二つのトランジスタを基板両面に実装する場合、二つのトランジスタの放熱部(ドレイン端子)が基板を介して完全に対向するように実装するのが好ましいが、これに限らず、部品の放熱性能等を考慮した上で、両トランジスタの放熱部の一部分のみが対向するように実装してもよい。
【0081】
また、ハイサイド側のトランジスタTr1、Tr2の近接実装(第2実施形態の場合)、或いはローサイド側のトランジスタTr3、Tr4の近接実装(第1実施形態の場合)に限らず、例えばハイサイド側のトランジスタTr2とローサイド側のトランジスタTr3を相互に近接実装してもよい。
【0082】
さらに、近接実装するトランジスタの数は二つに限らず、例えば三つのトランジスタを近接してもよく、とにかく近接実装したトランジスタが同時に通電されるものでなければよい。
更にまた、上記実施形態では、一つのモータ2を駆動するためのモータ駆動回路12に備えられたトランジスタTr1〜Tr4を適宜近接して実装するようにしたが、例えばこのモータ2以外にも、負荷及び負荷への通電を制御するための駆動素子(トランジスタ等)が別途ある場合に、その駆動素子と、モータ駆動回路12のいずれかのトランジスタとを近接して実装してもよい。
【0083】
つまり、一つの制御対象(負荷)への通電を制御する素子間のみならず、複数の制御対象に対して個々に通電制御を行う素子の相互間にも、本発明を適用することができる。
また、本発明は、上記実施形態のように直流モータを駆動する装置に限らず、例えばステッピングモータ駆動装置、或いはインジェクタ駆動装置など、複数の発熱素子を備えるあらゆる駆動装置、制御装置等に適用することができる。
【0084】
また更に、上記実施形態では、Hブリッジ回路を構成する四つのトランジスタ(FET)に対して本発明を適用したが、FETに限らず、例えばバイポーラ型パワートランジスタやサイリスタ等のあらゆるパワー素子に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたスロットルバルブ制御システムの構成を表す概略構成図である。
【図2】電子制御装置の構成を表す概略構成図である。
【図3】第1実施形態の、Hブリッジ回路によるモータへの通電パターンを示すタイムチャートである。
【図4】第1実施形態の、ローサイド側トランジスタ2個を基板へ実装した状態を表す説明図である。
【図5】第2実施形態の、Hブリッジ回路によるモータへの通電パターンを示すタイムチャートである。
【図6】第2実施形態の、ハイサイド側トランジスタ2個を基板へ実装した状態を表す説明図である。
【図7】第1実施形態の、ローサイド側トランジスタ2個を基板へ実装した状態の、他の例を表す説明図である。
【図8】第2実施形態の、ハイサイド側トランジスタ2個を基板へ実装した状態の、他の例を表す説明図である。
【符号の説明】
1…スロットルバルブ、2…モータ、3…スロットル開度センサ、4…ペダル位置センサ、5…電子制御装置、6…バッテリ、7…イグニションスイッチ、8…アクセルペダル、11…マイコン、12…モータ駆動回路、13…電流検出回路、21…駆動ロジック部、22a,22b,22c,22d…プリドライバ、44,61,71,81…基板、45,63,73,83…コネクタ、46a,46b,82…スルーホール、B1,B4…トランジスタチップ、M1,M4…パッケージ、W1,W4…ワイヤボンディング、LD1〜LD4,LS1〜LS4,LG1〜LG4,LD73,LD74,LD81,LD82…ランド、PD3,PD4,PD60,PD71,PD72,PD81,PD82,PS3,PS4,PG34…配線パターン、PT…銅箔パターン
Claims (6)
- 一つ又は複数の電気負荷への通電経路に設けられた複数の発熱素子を有する駆動装置において、
前記複数の発熱素子のうち、互いに同時に通電されることのない少なくとも二つの発熱素子は、基板上に近接して実装され、
前記近接して実装される各発熱素子は、いずれも、半導体チップと該半導体チップからの熱を放出するための放熱用金属部材とが樹脂モールドにより一体化されて構成され、
前記基板における、少なくとも前記近接して実装される各発熱素子が備える放熱用金属部材の下部には、該各発熱素子の相互間で熱を伝導させるための導電性金属パターンが少なくとも一つ形成されており、
前記近接して実装される各発熱素子は、前記放熱用金属部材が前記導電性金属パターンに接触するように前記基板上に実装されている
ことを特徴とする電気負荷の駆動装置。 - 前記放熱用金属部材は、半導体チップにおける能動面とは反対側の非能動面に電気的且つ熱的に接続され、
前記導電性金属パターンは、前記能動面とその接続対象とを電気的に接続するための配線パターンである
ことを特徴とする請求項1記載の電気負荷の駆動装置。 - 前記基板上に近接して実装される複数の発熱素子は、前記電気負荷の通電経路を導通・遮断するスイッチング素子であることを特徴とする請求項1又は2記載の電気負荷の駆動装置。
- 前記基板上に近接して実装される複数の発熱素子は、前記基板の表裏面に、前記基板を挟むように実装されていることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の電気負荷の駆動装置。
- 前記電気負荷は一つのモータであり、
前記複数の発熱素子は、前記モータへの通電方向を制御可能なHブリッジ回路を構成する四つのスイッチング素子であり、
前記四つのスイッチング素子のうち、互いに同時に通電されることのない二つのスイッチング素子が、相互に近接して実装されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の電気負荷の駆動装置。 - 近接して実装される前記二つのスイッチング素子は、いずれも、前記モータの電源の正極又は負極のいずれか一方の極性側に接続されていて、
前記モータへの通電時は、通電電流の方向や大きさを制御するために、前記二つのスイッチング素子のうち一方が常にオフして他方がデューティ制御されるものであることを特徴とする請求項5記載の電気負荷の駆動装置。
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