JP3614924B2 - 杭の打設工法 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は既製打込み杭の打設工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地震多発国であるわが国では、地震時における軟弱地盤の液状化現象の発生を防止するために種々の工法が提案され、かつ実用化されている。
【0003】
このような地盤に既製打込み杭を打設する場合は、打設する前に締固め工法などによって地盤改良を行なうか、あるいは杭の径を大きくして水平剛性を確保する方法をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような締固め工法による地盤改良は時間及び工費がかかり、また杭の径を大きくして水平剛性を確保する方法はどうしても過剰設計にならざるをえなかった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液状化現象が発生しやすい軟弱地盤に既製打込み杭を打設する際に、地盤改良や杭の径を大きくしなくとも打設できる杭の打設工法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成するための本発明の杭の打設工法は、排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設する際に、既製打込み杭の打撃振動によって発生する過剰間隙水圧を前記排水手段で除去しながら打設することを特徴とし、
前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とからなることを特徴とし、
また前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとからなることを特徴とする構成にすることである。
【0007】
【作用】
排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設すると、該既製打込み杭の打撃振動によって杭の先端部に過剰間隙水圧が発生するが、これを前記排水手段で除去しながら打設すると軟弱地盤が締固められるので、別途に地盤改良をする必要がない。
【0008】
また、既製打込み杭の打撃振動によって発生した過剰間隙水圧を排水手段で除去することにより、打設時に土の粒子が乱れるのを防げるので安定した土の構造が得られる。
【0009】
また前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とから構成されたことにより、別途他の排水手段を設けなくてすむ。
【0010】
また排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとから構成されたことにより、通常の既製打込み杭にも適用することができる。
【0011】
【実施例】
以下、杭の打設工法の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2及び図3は本発明に使用する既製打込み杭の断面図、図4〜図6は杭の打設工法を示す断面図である。
【0012】
本実施例における既製打込み杭(以下単に杭という)1は、図1に示すように、排水手段2を備えた既製コンクリート杭である。
この排水手段2は杭1の長さ方向に貫通された排水孔3と、該排水孔3に接続された吸水ポンプ4とから構成されている。
【0013】
前記排水孔3はその上端部が杭頭部に開口されるとともに、先端部が吸水部5に接続され、吸水ポンプ4からのホース7が接続孔6にネジ止めされている。
【0014】
前記吸水部5は杭先端が被覆された多孔板8と、該多孔板8と内板9との間に充填された砂等のフィルタ10とから構成されている。
【0015】
したがって、前記吸水ポンプ4を作動させると吸水部5から水が吸水されて排水孔3から排水されるようになっている。
【0016】
また杭1は任意の本数接続して使用するものであるが、図2に示すように、杭頭部に他の杭1の先端部を当接し、かつ上下の接続環11同士を溶接することにより接続している。
【0017】
この場合、排水孔3は下部の排水孔3から突出したジョイント管12によってそれぞれ接続され、下部の杭1の接続孔6には栓13がねじ込まれている。
【0018】
図3は、他の排水手段2を備えた杭1であり、前記の排水孔3に代わって吸水ポンプ4からの排水ホース14が吸水部5に接続されている。
したがって、この場合も前記の杭1と同様に吸水ポンプ4の作動によって吸水部5で吸水された水が排水孔3から排水されるようになっている。
【0019】
以下、このような杭1を使用した打設工法を図4〜図6に基づいて説明する。
この杭1で排水を実施するのは効果の大きな10m以深の地盤であり、支持地盤16が10mより深い場合は地盤のN値の状況、例えば、図5に示すように、10m以深は排水せずに杭1を打設する。
【0020】
このような軟弱地盤16において、図4に示すように、杭打設機17に杭1をセットし、該杭1の排水孔3における接続孔6に吸水ポンプ4からのホース7を接続する。この吸水ポンプ4には水を貯める貯水槽18が接続されている。
【0021】
次に、この杭打設機17で杭1を打設すると、その打撃振動によって杭先端部1aに過剰間隙水圧が発生して液状化現象で土の構造が乱れる。
そこで、この杭打撃と同時に吸水ポンプ4を作動させると、これによって過剰間隙水圧が除去されるので液状化現象の発生が押さえられて安定した土の構造がえられる。
【0022】
したがって吸水ポンプ4を作動させながら杭打撃を行なうと、杭1の貫入に伴って周辺地盤が順次改良されるので安定した土の構造がえられる。
【0023】
次に、図6に示すように最初の杭1を所定深さ打設したら、他の杭1を継ぎ足して打設する。この場合、吸水ポンプ4からのホース7は最初の杭1から外して上部の杭1に接続する。
【0024】
そして、このような打撃動作を繰り返して、杭1の先端部が支持地盤16に打設されたら杭打撃と吸水ポンプ4での排水とを終える。
このように、杭1が支持地盤16に打設されると、図7に示すように杭1周辺の地盤は改良された状態となって安定した土の構造がえられる。
【0025】
したがって、杭打設機17及びホース7を杭1から外した後、前記と同様の方法で既に打設された杭1に隣接して新たな杭を打設するとそれぞれの杭1周辺の地盤が改良されるため、結果的に軟弱地盤が全体として改良されることになる。
【0026】
なお、図3に示す杭1を使用する場合も、前記と同様の方法で打設することによって同様の効果がえられる。
また、打撃機は振動が必要なときはバイブロハンマーを使用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設すると、該既製打込み杭の打撃振動によって杭の先端部に過剰間隙水圧が発生するが、これを前記排水手段で除去しながら打設すると軟弱地盤が締固められるので別途に地盤改良をする必要がない。
【0028】
既製打込み杭の打撃振動によって発生した過剰間隙水圧を排水手段で除去することにより、打設時に土の粒子が乱れるのを防げるので安定した土の構造が得られる。
【0029】
排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とから構成されたことにより、別途他の排水手段を設けなくてすむ。
【0030】
排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとから構成されたことにより、通常の既製打込み杭にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】既製打込み杭の断面図である。
【図2】既製打込み杭の接続部の断面図である。
【図3】既製打込み杭の断面図である。
【図4】最初の既製打込み杭を打設する状態の断面図である。
【図5】杭の打設方法を示すフローチャート図である。
【図6】接続した既製打込み杭を打設する状態の断面図である。
【図7】既製打込み杭が支持地盤に打設された状態の断面図である。
【符号の説明】
1 既製打込み杭
2 排水手段
3 排水孔
4 吸水ポンプ
5 吸水部
6 接続孔
7 ホース
8 多孔板
9 内板
10 フィルタ
15 軟弱地盤
【産業上の利用分野】
本発明は既製打込み杭の打設工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地震多発国であるわが国では、地震時における軟弱地盤の液状化現象の発生を防止するために種々の工法が提案され、かつ実用化されている。
【0003】
このような地盤に既製打込み杭を打設する場合は、打設する前に締固め工法などによって地盤改良を行なうか、あるいは杭の径を大きくして水平剛性を確保する方法をとっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のような締固め工法による地盤改良は時間及び工費がかかり、また杭の径を大きくして水平剛性を確保する方法はどうしても過剰設計にならざるをえなかった。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液状化現象が発生しやすい軟弱地盤に既製打込み杭を打設する際に、地盤改良や杭の径を大きくしなくとも打設できる杭の打設工法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を達成するための本発明の杭の打設工法は、排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設する際に、既製打込み杭の打撃振動によって発生する過剰間隙水圧を前記排水手段で除去しながら打設することを特徴とし、
前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とからなることを特徴とし、
また前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとからなることを特徴とする構成にすることである。
【0007】
【作用】
排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設すると、該既製打込み杭の打撃振動によって杭の先端部に過剰間隙水圧が発生するが、これを前記排水手段で除去しながら打設すると軟弱地盤が締固められるので、別途に地盤改良をする必要がない。
【0008】
また、既製打込み杭の打撃振動によって発生した過剰間隙水圧を排水手段で除去することにより、打設時に土の粒子が乱れるのを防げるので安定した土の構造が得られる。
【0009】
また前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とから構成されたことにより、別途他の排水手段を設けなくてすむ。
【0010】
また排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとから構成されたことにより、通常の既製打込み杭にも適用することができる。
【0011】
【実施例】
以下、杭の打設工法の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1、図2及び図3は本発明に使用する既製打込み杭の断面図、図4〜図6は杭の打設工法を示す断面図である。
【0012】
本実施例における既製打込み杭(以下単に杭という)1は、図1に示すように、排水手段2を備えた既製コンクリート杭である。
この排水手段2は杭1の長さ方向に貫通された排水孔3と、該排水孔3に接続された吸水ポンプ4とから構成されている。
【0013】
前記排水孔3はその上端部が杭頭部に開口されるとともに、先端部が吸水部5に接続され、吸水ポンプ4からのホース7が接続孔6にネジ止めされている。
【0014】
前記吸水部5は杭先端が被覆された多孔板8と、該多孔板8と内板9との間に充填された砂等のフィルタ10とから構成されている。
【0015】
したがって、前記吸水ポンプ4を作動させると吸水部5から水が吸水されて排水孔3から排水されるようになっている。
【0016】
また杭1は任意の本数接続して使用するものであるが、図2に示すように、杭頭部に他の杭1の先端部を当接し、かつ上下の接続環11同士を溶接することにより接続している。
【0017】
この場合、排水孔3は下部の排水孔3から突出したジョイント管12によってそれぞれ接続され、下部の杭1の接続孔6には栓13がねじ込まれている。
【0018】
図3は、他の排水手段2を備えた杭1であり、前記の排水孔3に代わって吸水ポンプ4からの排水ホース14が吸水部5に接続されている。
したがって、この場合も前記の杭1と同様に吸水ポンプ4の作動によって吸水部5で吸水された水が排水孔3から排水されるようになっている。
【0019】
以下、このような杭1を使用した打設工法を図4〜図6に基づいて説明する。
この杭1で排水を実施するのは効果の大きな10m以深の地盤であり、支持地盤16が10mより深い場合は地盤のN値の状況、例えば、図5に示すように、10m以深は排水せずに杭1を打設する。
【0020】
このような軟弱地盤16において、図4に示すように、杭打設機17に杭1をセットし、該杭1の排水孔3における接続孔6に吸水ポンプ4からのホース7を接続する。この吸水ポンプ4には水を貯める貯水槽18が接続されている。
【0021】
次に、この杭打設機17で杭1を打設すると、その打撃振動によって杭先端部1aに過剰間隙水圧が発生して液状化現象で土の構造が乱れる。
そこで、この杭打撃と同時に吸水ポンプ4を作動させると、これによって過剰間隙水圧が除去されるので液状化現象の発生が押さえられて安定した土の構造がえられる。
【0022】
したがって吸水ポンプ4を作動させながら杭打撃を行なうと、杭1の貫入に伴って周辺地盤が順次改良されるので安定した土の構造がえられる。
【0023】
次に、図6に示すように最初の杭1を所定深さ打設したら、他の杭1を継ぎ足して打設する。この場合、吸水ポンプ4からのホース7は最初の杭1から外して上部の杭1に接続する。
【0024】
そして、このような打撃動作を繰り返して、杭1の先端部が支持地盤16に打設されたら杭打撃と吸水ポンプ4での排水とを終える。
このように、杭1が支持地盤16に打設されると、図7に示すように杭1周辺の地盤は改良された状態となって安定した土の構造がえられる。
【0025】
したがって、杭打設機17及びホース7を杭1から外した後、前記と同様の方法で既に打設された杭1に隣接して新たな杭を打設するとそれぞれの杭1周辺の地盤が改良されるため、結果的に軟弱地盤が全体として改良されることになる。
【0026】
なお、図3に示す杭1を使用する場合も、前記と同様の方法で打設することによって同様の効果がえられる。
また、打撃機は振動が必要なときはバイブロハンマーを使用することも可能である。
【0027】
【発明の効果】
排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設すると、該既製打込み杭の打撃振動によって杭の先端部に過剰間隙水圧が発生するが、これを前記排水手段で除去しながら打設すると軟弱地盤が締固められるので別途に地盤改良をする必要がない。
【0028】
既製打込み杭の打撃振動によって発生した過剰間隙水圧を排水手段で除去することにより、打設時に土の粒子が乱れるのを防げるので安定した土の構造が得られる。
【0029】
排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とから構成されたことにより、別途他の排水手段を設けなくてすむ。
【0030】
排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとから構成されたことにより、通常の既製打込み杭にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】既製打込み杭の断面図である。
【図2】既製打込み杭の接続部の断面図である。
【図3】既製打込み杭の断面図である。
【図4】最初の既製打込み杭を打設する状態の断面図である。
【図5】杭の打設方法を示すフローチャート図である。
【図6】接続した既製打込み杭を打設する状態の断面図である。
【図7】既製打込み杭が支持地盤に打設された状態の断面図である。
【符号の説明】
1 既製打込み杭
2 排水手段
3 排水孔
4 吸水ポンプ
5 吸水部
6 接続孔
7 ホース
8 多孔板
9 内板
10 フィルタ
15 軟弱地盤
Claims (3)
- 排水手段が備わった既製打込み杭を軟弱地盤に打設する際に、既製打込み杭の打撃振動によって発生する過剰間隙水圧を前記排水手段で除去しながら打設することを特徴とする杭の打設工法。
- 前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭の長さ方向に貫通して設けた排水孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の杭の打設工法。
- 前記排水手段が吸水ポンプと、既製打込み杭先端部に接続した排水ホースとからなることを特徴とする請求項1に記載の杭の打設工法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09354795A JP3614924B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 杭の打設工法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09354795A JP3614924B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 杭の打設工法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08284163A JPH08284163A (ja) | 1996-10-29 |
| JP3614924B2 true JP3614924B2 (ja) | 2005-01-26 |
Family
ID=14085297
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP09354795A Expired - Fee Related JP3614924B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 杭の打設工法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP3614924B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
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| JP6062781B2 (ja) * | 2013-03-26 | 2017-01-18 | 五洋建設株式会社 | 機械攪拌式真空締固め工法 |
| CN109113081A (zh) * | 2018-09-29 | 2019-01-01 | 中国地质科学院探矿工艺研究所 | 装配式排水预应力抗滑桩结构及其施工工艺 |
| CN115354618B (zh) * | 2022-08-24 | 2024-06-14 | 江苏麦廊新材料科技有限公司 | 一种用于湿地系统的多功能生态景观护岸桩 |
-
1995
- 1995-04-19 JP JP09354795A patent/JP3614924B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08284163A (ja) | 1996-10-29 |
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